JP4113967B2 - 金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法 - Google Patents

金属インゴット鋳造装置及び鋳造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、金属インゴットの鋳造装置及び鋳造方法に関する。詳細には、細長い形状であって異形状部を備えた金属インゴットの鋳造装置及び鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属インゴットは、溶融した金属を所望形状の鋳型に注ぎ込み、冷却、凝固させた後鋳型から抜いて得る。ところで、インゴットは、鋳型に注いだ溶融金属を凝固させる条件の違いによって、表面にクラックが入ったり、凝固による体積減や吸収したガスによりインゴット内部に空洞部が生じる、いわゆる引け巣や気泡(ブローホール)などが発生する。外観上微細なクラックであっても、クラックはインゴットの内部の引け巣にまで達しているものもある。
【0003】
インゴットにクラックがあると、使用中にクラック部が起点となって破損したりする。インゴットに引け巣があると、引け巣内に異物、雨水が侵入して使用時に思わぬ不具合が生じることがある。また、インゴットを鍍金などの電極等に使用すると酸性の液がクラック部に入り、クラック部が優先的に溶解されインゴットが破損する可能性もある。従って、インゴットの鋳造時には、クラックや引け巣が鋳造物に発生しないように、溶湯温度や、溶融金属の鋳型への時間当たりの投入量、すなわち注湯速度等を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
亜鉛は、沸点が低いため蒸発しやすく、また蒸発した亜鉛は大気中で容易に酸化するという特性をもっている。そのため、溶解時の温度や、鋳造時の温度を高くすると、蒸発した亜鉛が大気中の酸素で酸化されて酸化物が生成し、結局亜鉛の損失を招くことになる。亜鉛の損失を下げるためには、溶融温度、鋳造温度を高くしない方が好ましい。ところが、溶融温度、鋳造温度を低めにすると、溶融金属を鋳型に鋳込んですぐに凝固が始まるので、インゴットにクラックが発生しやすくなる。
【0005】
また、鋳型に鋳込んだ後も、大気に触れている溶融亜鉛の表面には亜鉛酸化物が生成して、いわゆる塊状のドロスを形成する。このドロスを除去せず、溶融亜鉛上に浮いたままインゴットを冷却させると、インゴットの表面にドロスが異物として残り、好ましくない。さらに、ドロスがインゴット内部に入り込んだ状態で冷却されると、ドロス自身は脆いためにドロスの残留箇所でインゴットが破損することも考えられる。
【0006】
図4には、形状が細長く、異形状部を有したインゴットの例を示した。図4(a)はインゴットの平面図を示した。図4(b)にはインゴットの正面図を示した。このようなインゴットは異形状部を有しているばかりでなく、表面の平滑度や、外形寸法精度が求められる場合がある。
【0007】
このような形状のインゴットを製造する際、単に大気中で鋳型に流し込み冷却する方法を用いると、前記理由のため所望の表面平滑度や、外形寸法精度を有しないばかりか、クラックが発生したり、表面に亜鉛ドロスが付着したインゴットが得られる。そのため、単に大気中で鋳型に流し込み冷却する方法では、表面が平滑であり、外形寸法精度が良く、引け巣、クラックが発生しないように金属インゴットを鋳造することは困難であった。
【0008】
例えば、形状が細長く、異形状部を有しており、さらに表面の平滑度や、外形寸法精度が求められるインゴットを製造する際、亜鉛の酸化を防ぐには、例えば、鋳型に設けた注湯口や押し湯等の開口部から、窒素やアルゴン等の不活性ガスを鋳型内に吹き込みながら注湯する方法がある。そのようにすると、亜鉛と酸素の接触を断つことができるので、酸化物の発生を抑えることができる。ところが、このような不活性ガスを用いると鋳造品の価格増の原因となる。
【0009】
従って、本発明では、形状が細長く異形状部を備えた形状のインゴットを製造する際、ドロスの巻き込み、引け巣、クラックの発生を抑制できる鋳造方法であり、かつ簡易で安定した鋳造装置および鋳造方法を開発することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、以下部材を備えたことを特徴とする金属インゴット鋳造装置である。
溶融金属を流し込むための注湯口と押し湯部とを備えた蓋部と、
前記溶融金属を保持する溶湯保持室と、製品形状に形成された鋳型を有する製品型部と、前記溶湯保持室と前記製品型部との間に、前記製品型部に連接されるように設けられ、かつ、前記溶融金属が前記溶湯保持室から前記製品型部に流れ込むために前記製品型部の短辺側の底部との間に湯道を有する隔離壁、とを備えた鋳型部。
【0011】
本願発明の第2の態様は、前記湯道は、溶湯保持室から製品型部にむけて隔離壁の底部に楔型状に設けられた開口部であることを特徴とする金属インゴット鋳造装置である。
【0012】
本願発明の第3の態様は、前記湯道は、製品型部側開口部の底部から上端までの高さが5〜20mmであり、幅が20mmの範囲であることを特徴とする金属インゴット鋳造装置である。
【0013】
本願発明の第4の態様は、下記工程を備えたことを特徴とする金属インゴット鋳造方法である。
(a)鋳造する金属を450〜560℃の範囲で溶解し、
(b)鋳造装置の鋳型部を100℃以上に予熱して、前記溶解温度に保持した溶融金属を蓋部の注湯口に注湯して、鋳型部の溶湯保持室に注ぎ込み、
(d)前記溶湯保持室から隔離壁の下側に設けられた湯道を通して、製品型部に流入速度を1.0〜2.0kg/secの範囲で前記溶融金属を流し込み、
(e)前記溶融金属が蓋部に設けられた押し湯部に達したところで、注湯を止め、冷却後に金属インゴットを型から抜く。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に説明する。
第1図には、本実施の形態の鋳造装置1の略図を示した。図1(a)は、鋳造装置1の蓋部3の側面略図である。図1(b)は鋳造装置1の鋳型部5の側面略図である。図1(c)は蓋部3と鋳型部5を合わせて組み立てた鋳造装置1の側面略図である。
【0015】
蓋部3について、図1(a)を用いて説明する。蓋部3には、溶融金属を流し込むための注湯口13と、押し湯部15が設けられている。蓋部3は、例えば、鋼板等の金属を用いて溶接により、あるいは鋳鉄、鋳鋼により作製される。蓋部3には、蓋部3を鋳型部5に載せて互いに固定できるよう、例えば、フランジが(図示せず)設けられる場合がある。さらに、蓋部3には、注湯された溶融金属を冷却するために、例えば、鋼板等の金属を用いて作製され、蓋部3の上部を冷却水によって冷却できるようにジャケット(図示せず)が設けられる場合がある。
【0016】
注湯口13は迅速に溶融金属を流し込むために設けたものである。また、押し湯部15は、製品型部7に注がれた溶融金属が冷却する際に、体積収縮してインゴットに引け巣等が発生しないように、体積収縮以上の溶融金属を保持するために設けられるものである。
【0017】
鋳型部5を図1(b)の図面を用いて説明する。鋳型部5は、製品型部7、隔離壁9、および溶湯保持部11を備えている。製品型部7の底には、インゴットを押し上げるための押し上げ部17が設けられている。鋳型部5は、例えば、鋼板等の金属を用いて溶接により、あるいは鋳鉄、鋳鋼により作製される。鋳型部5には、蓋部3を鋳型部5に載せて互いに固定できるよう、例えば、フランジ(図示せず)を鋳型部5の上端面に設けても良い。
【0018】
さらに、鋳型部5には、注湯された溶融金属を冷却するために、例えば、鋼板等の金属を用いて作製され、鋳型部5の外側周囲を冷却水によって冷却できるようにジャケット(図示せず)を設けても良い。
【0019】
製品型部7には、例えば、図4で示した形状のインゴットに合わせた型が形成されている。溶湯保持室11は、溶融金属を隔離壁9を通して製品型部7に注ぎ込むため、注湯部13から流し込まれた溶融金属を受け入れ保持するために設けられたものである。
【0020】
溶湯保持室11と製品型部7の間には、隔離壁9が設けられている。図2には隔離壁9について略図を示した。図2(a)は、隔離壁9及び両側に位置する溶湯保持室11と及び製品型部7の斜視略図である。図2(b)は隔離壁9及び両側に位置する溶湯保持室11と及び製品型部7の平面略図である。隔離壁9の下側には溶融金属が溶湯保持室11から製品型部7に流れ込むための湯道21が設けられている。
【0021】
隔離壁9は、蓋部3又は鋳型部7に溶接等により固定されて設けられていても良く、あるいは、鋳造により鋳型部と一体化されて設けられていても良い。また、隔離壁9は、鋳型部5内に湯道21を確保できるように、移動可能に設けられたものでも良い。
【0022】
なお、隔離壁9の開口部は、製品部7に接する部分が直線状でその部分の断面積が最小になるように設置し,インゴットを押し上げたときに、容易に脆性破断して、破断部等インゴット表面の整形作業が容易になるように寸法、形状を決めることが望ましい。
【0023】
また、インゴット断面がほぼ長方形をしている場合、インゴットの短辺側である幅方向面に注湯口を設けることが望ましい。すなわち、短辺側を上下として隔離壁を形成する、すなわち、製品型部の長辺に添うように配置することが望ましい。
【0024】
湯道21は、溶湯保持室11から製品型部7にむけて、楔型状に高さが低くなるように、隔離壁9の底部の斜部と製品型部7の底との間に設けられた隙間である。溶融金属は、隔離壁9の底部の斜部下側の湯道21を矢印で示した湯流れ方向23のように製品型部7に流れ込む。
【0025】
ここで、湯道21は製品型部7にまんべんなく、長手方向に溶融金属が流出できるように製品型部7との境目に設けられる。また、湯道21は、例えば、図4で示したインゴット41の異形状部43より遠い側に設置することが望ましい。遠い側の方が、異形部での流速を製品型部の傾斜や、温度により制御し易いためである。さらに、湯道21を隔離壁9の下側に設けることにより、溶湯保持室11で生成し表面に浮いた酸化物が製品型部に流入することを防ぐことができる。
【0026】
また、湯道21の開口面積や高さや幅、さらに隔離壁底部の勾配を調整することにより湯の製品型部7へ流入する速度を制限できる。このため、溶融金属が製品型部7の内壁に衝突して乱流となることを防ぎ、湯の流れをほぼ製品型部7のインゴット形状に沿った層流とできる。そのため、異形状部等の複雑形状箇所や鋭角状箇所に流入した溶融金属の湯まわりも十分となり、引け巣等の発生を防ぐことができる。
【0027】
例えば、湯道の大きさは、溶湯の注湯量、凝固する金属の量によるが、亜鉛では製品型部の底部から開口部の上端のまでの高さが5〜20mm、例えば、幅が20mm、そして断面積として1〜4cm2とすることが望ましい。さらに、望ましくは、高さが10〜15mmの範囲であり、断面積としては2〜3cm2である。
【0028】
押し上げ部17は、製品型部7で冷却したインゴットを抜き出すためのものである。例えば、製品型部7の底部に設けた空気圧、又は油圧で作動するシリンダーで構成される押し上げ部17を用いても良い。
【0029】
このような蓋部3と鋳型部5とを一体とし鋳造装置1が組立てられる。蓋部3と鋳型部5とを合わせた場合、隙間等から溶融金属が漏れないようにすること、かつ溶融金属の冷却後に容易に蓋部3と鋳型部5とが取り外せることが必要である。このような、固定手段を用いることが望ましい。
【0030】
次に、前記鋳造装置1を用いた鋳造方法を説明する。
インゴット用の金属は、亜鉛または亜鉛合金を用いることが望ましい。例えば、亜鉛合金は、亜鉛に0.1〜10重量%アルミニウム合金を用いることが望ましい。溶融金属の溶湯温度は450〜560℃とし、好ましくは480〜520℃とする。このような温度に保持して溶融金属を注湯口を通じて注湯する。
【0031】
このとき、鋳型の温度は100℃以上、好ましくは120℃以上に保持しておく。鋳型を保温することにより、鋳型に流れ込んだ溶湯が急激に冷却されないため溶融金属の急激な凝固を防ぐことができる。鋳型の加熱は、鋳型の側壁部、底部をバーナーまたは電熱ヒーターで行えば良い。
【0032】
注湯口13から注ぎこまれた溶融金属は、溶湯保持室11に流れ込む。ついで、溶湯保持室11と製品型部7との間の隔離壁9下の湯道21より溶湯が湯流れ方向23のように製品型部7へ流出する。
【0033】
溶融金属の製品型部7への流入速度は1.0〜2.0kg/secにすることが望ましい。より、望ましくは1.5〜1.9秒とすることが望ましい。なお、これ以上流入速度が速くなると、例えばインゴットの異形状部で湯の流れが乱流となりクラック発生の原因となるからである。
【0034】
また、異形状部は、鋳型より凝固した金属を抜き出す際に、強度不足のため折損、破損したり不具合の発生が予想される場合には中子を用いることが望ましい。なお、押湯部15は、インゴットに引け巣が生じることを防止するため、湯をインゴット中の引け巣部に供給して最後に凝固する箇所となる。したがって、給湯終了後も、溶融金属を押湯部15に足し湯をしたり、押湯部15を加熱したり、または保温することは、引け巣の発生防止に効果的である。
【0035】
次に、溶融金属を所定量注湯した後、押湯部等により凝固を確認し、蓋部3を外し、インゴットを押し上げ部17を用いて押上げて取り出す。
【0036】
ここで、図3に鋳型部5で鋳造されたインゴットの形状を示した。図3(a)は、インゴットの平面図であり、図3(b)は正面図である。図3のインゴット31は鋳型部5で冷却し、型から抜き出す前のインゴットを示したものである。インゴット31は溶湯保持室11に注湯した溶融金属が冷却して形成された溶湯保持室部35、隔離壁9下側の湯道21で冷却して形成された湯道部39、及び製品型部7に流入した溶融金属が冷却して形成された製品部37が一体となっている。
【0037】
インゴット31は断面がほぼ長方形をしており、図3(a)の平面図略図ように、インゴットの短辺側である幅方向面に注湯口が設けられる。すなわち、短辺側を上下として隔離壁部33が形成されている。すなわち、隔離壁33は製品型部の長辺に添うように配置されている。
【0038】
インゴットの冷却後には、隔離壁33で切り離される前の湯道部39は製品部37と溶湯保持室35の間でブリッジ状に繋がっている。また、インゴット31は、図3(a)のように、湾曲部の外側、すなわち長方形の長辺側に突起状に異形状部を有している。
【0039】
押し上げ部17を作動させてインゴット31を押し上げると、楔状に形成された湯道部39がノッチ効果を発して湯道部39で剪断されるため、製品部37を容易に抜き出すことができる。また、剪断される箇所の形状を制御することができるため、鋳造物の品質に対する影響は少ない。このようにして、図4に示したようなインゴットを作製することができる。
【実施例】
(実施例1)
図3で示したインゴットの鋳造するための鋳型を用意した。製品部の鋳型内寸法は、幅が50mm、長さが1500mm、高さが150mmであり、長手方向の中心から250mmの位置に異形状部を有している。製品部の鋳型は全体的に湾曲しており、内側の半径は約1300mmである。製品部の異形状部から遠い方に隔離壁を設けた。隔離壁の寸法は幅30mm、高さ150mmとした。
【0040】
隔離壁の下側には湯道を設けた。湯道の大きさは、溶湯保持室側では高さ25mm×巾20mmとし、製品部側は高さ10mm×巾20mmとした。すなわち、湯道は、上方に傾斜部を備えた楔状であり、製品部側への開口部を有している。
【0041】
溶湯保持室は、隔離壁をはさんで製品部鋳型の反対側であり、異形状部より遠方に配置した。形状は製品端部形状の延長で長方形である。寸法は、長さ230mm、幅150mm、高さ90mmである。
【0042】
蓋部の形状は、板状で製品と同じ湾曲形状である。寸法は、長さ2100mm、幅270mmである。蓋部に設けた湯口の形状は円筒形で低部にかけて広がっており、寸法は高さが230mm、円筒形上部内径が50mm、底部内径が70mmである。蓋部に設けた押し湯部の形状は、円筒形で低部にかけて広がっており、寸法は高さが180mm、円筒形上部内径が100mm、底部内径が120mmである。
【0043】
原料として金属亜鉛150kgを500℃で溶解した。鋳型の温度は、ガスバーナーを用いて、鋳型外側面の温度を100℃程度に保持した。溶解した亜鉛を蓋部に設けた注湯口に注湯した。なお、注湯速度は、1.5kg/secとした。なお、注湯時の酸化物の巻き込み等なく、鋳型内で湯の流れもほぼ鋳型壁に沿った層流となり、乱流の発生はなく、クラック等の異常は見られなかった。表面品質の確認は抜型時に目視で行ったものである。
【0044】
押し湯部に湯が入ったのを確認し、鋳型内の亜鉛を放置し凝固させた。ついで、凝固した亜鉛を鋳型の下方に設けた押し上げ部を用いて押し上げた。この時、湯道部近辺でインゴットが切断され、必要な製品部が離型された。
【0045】
(実施例2)
原料としてアルミニウムを0.5重量%含有する亜鉛合金150kgを500℃で溶解した。以下、実施例1と同様に行い、同様な結果が得られた。
【0046】
(比較例1)
原料、鋳型寸法、鋳型温度、注湯方法、注湯速度は実施例1と同様に行った。湯道の大きさは、溶湯保持室側では高さ30mm、巾を20mmとし、製品部側も高さ30mm、巾を20mmと同じとした。すなわち、湯道は、上方に傾斜部を備えず、直方体状である。その結果、酸化物の巻き込みが多く表面仕上りが悪化するという品質上の問題が発生した。またこの時、湯道部でインゴットが切断されず、溶湯保持室部と繋がったままの状態で抜き出しを行わなければならなかった。
【0047】
(比較例2)
原料、鋳型寸法、鋳型温度、注湯方法、注湯速度は実施例1と同様に行った。湯道の大きさは、溶湯保持室側では高さを25mm、巾を20mmとし、鋳型側は高さを3mm、巾を20mmとした。すなわち、湯道は、上方にきつい傾斜部を備えた楔状であり、製品部側への狭い開口部を有している。
【0048】
この結果、流出する溶湯量が少ないため、製品型内壁面で凝固が始まり、表面には層状の細かい凹凸が発生し、表面仕上りが悪化する品質上の問題が発生した。また、注湯温度が低い場合には、注湯途中で湯道部が凝固する場合もあり、鋳造作業に不具合が生じた。なお、湯道部でインゴットが切断され、溶湯保持室部と分離できた。
【0049】
(比較例3)
原料、鋳型寸法、鋳型温度、注湯方法、湯道の大きさは実施例1と同様に行った。注湯速度を3.8kg/secとした。その結果、注湯速度が速いために酸化物の発生が多くなり、かつ酸化物は隔離壁の湯道を通過して製品部へ巻き込まれるため、表面仕上りが悪化するという品質上の問題が発生した。
【0050】
(比較例4)
原料、鋳型寸法、鋳型温度、注湯方法、湯道の大きさは実施例1と同様に行った。注湯速度を0.8kg/secとした。その結果、比較例2と同様な現象が見られた。
【0051】
【発明の効果】
異形状部を有するインゴットを鋳造する際に、鋳型に設けた溶湯保持室から注湯し隔離壁下部の湯道から溶湯を流し込むことにより、鋳造時のドロスの巻き込みや引け巣,クラックの発生を抑制することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳造装置に係る図である。
【図2】本発明の湯道を備えた鋳造装置の図である。
【図3】本発明の鋳型部に鋳造されたインゴットを示した図である。
【図4】異形状部を有するインゴットを示した図である。
【符号の説明】
1 鋳造装置
3 蓋部
5 鋳型部
7 製品型部
9 隔離壁
11 溶湯保持室
13 注湯口
15 押し湯部
17 押し上げ部
21 湯道
23 湯流れ方向
31 インゴット
33 隔離壁部
35 溶湯保持室部
37 製品部
39 湯道部
41 インゴット
43 異形状部

Claims (4)

  1. 以下部材を備えたことを特徴とする金属インゴット鋳造装置。
    溶融金属を流し込むための注湯口と押し湯部とを備えた蓋部と、
    前記溶融金属を保持する溶湯保持室と、製品形状に形成された鋳型を有する製品型部と、前記溶湯保持室と前記製品型部との間に、前記製品型部に連接されるように設けられ、かつ、前記溶融金属が前記溶湯保持室から前記製品型部に流れ込むために前記製品型部の短辺側の底部との間に湯道を有する隔離壁、とを備えた鋳型部。
  2. 前記湯道は、溶湯保持室から製品型部にむけて隔離壁の底部に楔型状に設けられた開口部であることを特徴とする請求項1に記載の金属インゴット鋳造装置。
  3. 前記湯道は、製品型部側開口部の底部から上端までの高さが5〜20mmであり、幅が20mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載に金属インゴット鋳造装置。
  4. 下記工程を備えたことを特徴とする金属インゴット鋳造方法。
    (a)鋳造する金属を450〜560℃の範囲で溶解し、
    (b)鋳造装置の鋳型部を100℃以上に予熱して、前記溶解温度に保持した溶融金属を蓋部の注湯口に注湯して、鋳型部の溶湯保持室に注ぎ込み、
    (d)前記溶湯保持室から隔離壁の下側に設けられた湯道を通して、製品型部に流入速度を1.0〜2.0kg/secの範囲で前記溶融金属を流し込み、
    (e)前記溶融金属が蓋部に設けられた押し湯部に達したところで、注湯を止め、冷却後に金属インゴットを型から抜く。
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