JP2003311348A - ヘミング加工装置 - Google Patents

ヘミング加工装置

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JP2003311348A
JP2003311348A JP2002126699A JP2002126699A JP2003311348A JP 2003311348 A JP2003311348 A JP 2003311348A JP 2002126699 A JP2002126699 A JP 2002126699A JP 2002126699 A JP2002126699 A JP 2002126699A JP 2003311348 A JP2003311348 A JP 2003311348A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 例えば自動車用ドアパネルをヘミング加工す
るヘミング装置において、ワークの種類の変更に合わせ
て上下のプレス型を交換する、コンパクトな交換システ
ムを提供する。 【解決手段】 下型10を支持台11から分離して交換
可能とし、曲げ刃21を加工ユニット20から分離して
交換可能とし、取り外した下型10および曲げ刃21を
多関節型のロボットハンド50により搬送してワークの
種類に適合した別の下型および曲げ刃に交換する構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この本発明は、例えば自動車
用のドアパネルやフードパネル等のパネル部品(ワー
ク)の縁部をヘミング加工する際に好適なヘミング加工
装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、この種のヘミング加工装置で
は、例えば上記ドアパネルやフードパネルの場合、アウ
タパネルの縁部を折り返し状に曲げ加工してインナパネ
ルの縁部を挟み込むことにより、アウタパネルとインナ
パネルを重ね合わせ状態に一体化することが行われてい
る。以下、縁部を折り返し状に曲げ加工する対象を単に
ワークという。ワークの縁部を折り返し状に曲げ加工す
るには、ワークをセットする下型と、曲げ刃を備えた上
型を用いるプレス型方式が一般的に行われている。この
場合、下型にセットしたワークの縁部に対して、上型を
下降して曲げ刃を押し付けることにより当該縁部を折り
返し状に折り曲げることができる。このことから、この
ようなプレス型方式のヘミング加工装置では、下型およ
び曲げ刃はワークの種類(形状、大きさ等)に応じて専
用のものが必要となるため、従来、複数種類のワークに
対応して下型および上型を交換するシステムが提供され
ていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
型交換システムは、下型および上型の取り付け位置と保
管場所との間の移動を大型の移動装置を用いる等してい
たため、という該型交換システムが大がかりなものにな
り、従ってその設置スペースが嵩張る等の問題があっ
た。本発明は、ワークをセットするための下型、ワーク
の縁部に押し付けて折り返し状に曲げ加工するための曲
げ刃を備えたヘミング加工装置であって、ワークの種類
に応じて下型および曲げ刃等を交換する構成でありなが
ら、設置スペースが少なくて済むコンパクトなヘミング
加工装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】このため、本願発明は前
記請求項に記載した構成のヘミング加工装置とした。請
求項1記載のヘミング加工装置によれば、ワークの種類
に応じて下型と曲げ刃が交換される。下型と曲げ刃の交
換は、従来のような大型の移動装置ではなく多関節形の
ロボットハンドによりなされるので、その設置スペース
を大幅に少なくすることができ、これにより当該ヘミン
グ加工装置をコンパクト化することができる。 【0005】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1および図2は、本実施形態の
ヘミング加工装置1の全体を示している。このヘミング
加工装置1は、ワークWをセットするための下型10
と、この下型10を着脱可能に支持する支持台11と、
ワークWを曲げ加工するための曲げ刃21を着脱可能に
備えた複数組(本例では3組)の加工ユニット20〜2
0と、ワークWの種類に応じて用意した複数種類の下型
10〜10を保管する下型保管装置80と、ワークWの
種類に応じて用意した複数種類の曲げ刃21〜21を保
管する曲げ刃保管装置70と、ワークWの種類に応じて
下型10を支持台11に対して交換し、曲げ刃21(本
例では本曲げ刃21Bのみ)を加工ユニット20に対し
て交換するための多関節型のロボットハンド50を備え
ている。 【0006】さて、図2に示すようにこのヘミング加工
装置1のメインベース2の上面には、支持台11が載置
されている。この支持台11上に下型10が着脱可能に
載置されている。この下型10は、例えば鋳物製であっ
て、平面視で中央部分が開放された略矩形の枠状に形成
されている。下型10の中央部(空間部)には、メイン
ベース2上に縦向きに設置されたエアシリンダ4によっ
て昇降動作されるリフター3が配置されている。このリ
フター3はその上面にワークWを載置して昇降可能とな
っている。このリフター3が下型10の上面よりも高い
位置に上昇した状態で、このリフター3に、後述するロ
ボットハンド50の作動によってワークWが移載され
る。ワークWが移載された後、リフター3が下型10の
上面よりも低い位置まで下降すると、その下降途中の段
階でワークWが下型10上に移載される。逆に、下型1
0上にワークWが存在する状態で、リフター3が上昇す
ると、このワークWがリフター3に移載され、これによ
りワークWが下型10から取り出される。 【0007】次に、ロボットハンド50の先端には、ワ
ーク搬送治具5が取り付けられている。このワーク搬送
治具5は、ロボットハンド50の先端に設けたチャック
装置52を介してこのロボットハンド50の先端に着脱
可能に装備されている。このワーク搬送治具5は、以下
説明するようにワークWをクランプする機能とワークW
を下型10に押し付ける機能を有している。このワーク
搬送治具5のフレーム5aの下面には、ワークWの周囲
適数ヶ所(例えば4箇所)に対応する位置に押さえブロ
ック5b〜5bとクランプハンガーが配置されている。
図ではクランプハンガーは省略されている。このクラン
プハンガーは、シリンダにより進退可能に設けられてい
る。このクランプハンガーをワークWの下側に進入させ
て引き上げることにより、ワークWはフレーム5aの下
面側に沿って吊り下げ状態で保持される。クランプハン
ガーを退避させると、ワークWはアンクランプされる。
各押さえブロック5b〜5bは、ロボットハンド50の
動作によりワークWの上面に当接され、この当接状態で
ロボットハンド50の動作力によりワークWに押し付け
られ、これによりワークWが下型10上に押し付けられ
るようにして固定される。また、フレーム5aの下面に
は、当該ワーク搬送治具5に対してワークWを位置決め
するための位置決めピン6が設けられている。 【0008】次に、図3には加工ユニット20の詳細が
示されている。図3に示すように下型10は、支持台1
1に載置された状態で固定されている。この支持台11
の側部の複数箇所(図では1箇所のみ示した)には、下
型クランプ装置60が配置されている。なお、図2では
この下型クランプ装置60が省略されている。この下型
クランプ装置60は、駆動源としてのエアシリンダ61
と、支軸62を介して上下に傾動可能に支持されたクラ
ンプアーム63を備えている。クランプアーム63の後
端には、支軸64を介してエアシリンダ61のロッド先
端部が回転可能に連結されている。エアシリンダ61が
伸長方向(クランプ側)に作動すると、クランプアーム
63が図2において反時計回り方向に回動し、これによ
りその先端部が下型10に押し付けられて下型10が支
持台11上に固定される。逆に、エアシリンダ61が収
縮方向(アンクランプ側)に作動すると、クランプアー
ム63が図2において時計回り方向に約90゜回動して
その先端部が下型の上方から退去する。複数箇所の下型
クランプ装置60〜60は同期して作動される。全ての
下型クランプ装置60〜60が同期してアンクランプ側
に作動することにより、後述するように下型10を支持
台11上から取り外すことができる。 【0009】次に、加工ユニット20〜20は、図1に
示すように下型10の左右側方および後方の合計3箇所
に配置されている。各加工ユニット20は同様の構成で
あるので、以下図3に示すように左側の加工ユニット2
0について説明する。加工ユニット20は、ワークWを
曲げ加工するための曲げ刃21を備えている。本実施形
態において曲げ刃21には、予備曲げ刃21Aと本曲げ
刃21Bの2つが用意されている。予備曲げ刃21Aが
ワークWの周縁部に押し付けられてこの周縁部が折り返
し方向へ約45程度まで折り曲げられ(予備曲げ)、そ
の後この周縁部に本曲げ刃21Bが押し付けられて完全
な折り返し状態まで折り曲げられる(本曲げ)。予備曲
げ刃21Aおよび本曲げ刃21Bは、電動駆動装置22
を駆動源としてワークWに押し付けられる。この電動駆
動装置22は、電動モータ23とこれにより回転するね
じ軸24と、これに噛み合わされたナット25を備えて
いる。この電動駆動装置22は、下型10の側方に支持
台26を介して立ち上げ状態に配置されたメインブラケ
ット28に、支軸27を介して上下に傾動可能に支持さ
れている。電動モータ23には、その回転方向、回転速
度、回転数および出力トルク等を任意に制御可能ないわ
ゆるサーボモータが用いられている。この電動モータ2
3は、後述するロボットハンド50の制御装置Cに組み
込まれた制御回路により制御される。 【0010】ナット25は、連結軸31を介してトグル
機構30に連結されている。トグル機構30は、上側ア
ーム32と下側アーム33が上記連結軸31を介して相
互に回転可能に連結されたリンク機構で、上側アーム3
2の上部は連結軸34を介して四節リンク機構40に回
転可能に連結され、下側アーム33の下部は連結軸35
を介して受けアーム36の後端部(図示左端部)に回転
可能に連結されている。この受けアーム36は支軸37
を介してメインブラケット28に上下に傾動可能に支持
されている。この受けアーム36の先端側(図2におい
て右端側)は、下型10の下面側に至っている。四節リ
ンク機構40は、上側アーム41と下側アーム42を備
えている。上側アーム41は、支軸41aを介してメイ
ンブラケット28に上下に回動可能に支持されている。
下側アーム42は、支軸42aを介してメインブラケッ
ト28に上下に回動可能に支持されている。上側アーム
41の先端部と下側アーム42の先端部には、曲げ刃ブ
ラケット45が上下に回動可能に連結されている。この
曲げ刃ブラケット45の右端面(図3において右端面)
に、本曲げ刃21Bが装着されている。また、この曲げ
刃ブラケット45には、連結アーム46を介して補助ブ
ラケット47が図2において左右方向に移動可能に設け
られている。この補助ブラケット47の前面(図3にお
いて右端面)に予備曲げ刃21Aが装着されている。補
助ブラケット47は図示省略したエアシリンダを駆動源
として図示左右に移動し、これにより予備曲げ刃21A
が本曲げ刃21Bに対して相対移動して、予備曲げ加工
と本曲げ加工の切り換えがなされる。 【0011】本曲げ刃21Bは、曲げ刃ブラケット45
に対して、図示省略した本曲げ刃クランプ装置により、
一定の状態に固定されるようになっている。この本曲げ
刃クランプ装置をアンクランプすることにより、本曲げ
刃21Bは曲げ刃ブラケット45から取り外し可能な状
態となる。本曲げ刃21Bは、曲げ刃ブラケット45に
設けた位置決め凸部45aにより一定の位置に位置決め
された状態で取り付けられる。また、予備曲げ刃21A
は、補助ブラケット47に対して図示省略した予備曲げ
刃クランプ装置により一定の状態に固定されるようにな
っている。この予備曲げ刃クランプ装置をアンクランプ
することにより、予備曲げ刃21Aは、補助ブラケット
47から取り外し可能な状態となる。予備曲げ刃21A
は、補助ブラケット47に設けた位置決め凸部47aに
より一定の位置に位置決めされた状態で取り付けられ
る。本曲げ刃21Bには、前記ロボットハンド50が把
持するための把持部21cが上方へ張り出し状に設けら
れている。 【0012】このように構成した加工ユニット20は、
電動駆動装置22の電動モータ23が起動すると、ねじ
軸24の回転によるナット25の移動によりトグル機構
30を経て四節リンク機構40が上下に傾動し、これに
より予備曲げ刃21Aまたは本曲げ刃21BがワークW
の周縁に押し付けられて、予備曲げ加工または本曲げ加
工がなされる。また、四節リンク機構40の下方への傾
動に連動して、受けアーム36が支軸37を中心にして
図2において反時計回り方向に回転し、これにより受け
アーム36の先端側が下型10の下面に押し付けられ
る。受けアーム36の先端側が電動駆動装置22の推力
により下型10の下面に押し付けられることにより、曲
げ刃21のワークWの周縁に対する押し付け力が受けら
れるので、下型10にさほど大きな剛性を必要とせず、
従って下型10を薄肉化してその軽量化を図ることがで
きる。この点で、以下説明するロボットハンド50によ
る下型10の搬送を容易にするとともに、後述する下型
保管装置80における下型10〜10の取り扱い性を良
くすることができる。 【0013】次に、ロボットハンド50は多関節形(多
数軸制御式)のもので、制御装置Cにより任意の動作制
御される。このロボットハンド50にはティーチング等
の手段により一定の軌跡で動作するよう予めプログラミ
ングされている。このロボットハンド50のアーム先端
には、電磁石を主体とするチャック装置52が取り付け
られている。このチャック装置52に対して上記制御装
置Cからのオンオフ信号に基づいて磁力が発生、遮断さ
れる。チャック装置52により下型10または曲げ刃2
1または前記ワーク搬送治具5を吸着保持した状態で、
ロボットハンド50が動作することにより下型10また
は曲げ刃21またはワーク搬送治具5が搬送される。下
型10または曲げ刃21またはワーク搬送治具5を一定
の位置に搬送した後、制御装置Cのオフ信号に基づいて
チャック装置52の磁力が遮断されると、吸着保持した
下型10または曲げ刃21またはワーク搬送治具5がア
ンチャックされる。 【0014】図1に示すように、ロボットハンド50
は、スライド装置51により図示左右方向へ一定の範囲
で移動できるようになっている。このスライド装置51
による移動方向に対して一方の側方(図1において上
側)の加工エリアに、上記説明した下型10および加工
ユニット20〜20が配置され、他方の側方(図1にお
いて下側)の保管エリアに、下型保管装置80および曲
げ刃保管装置70が配置されている。また、加工エリア
の図示右側には、ヘミング加工前のワークW〜Wを待機
させておくための搬入エリアが設けられている。加工エ
リアの図示左側には、ヘミング加工後のワークW〜Wを
保管しておくための搬出エリアが設けられている。搬入
エリアに準備されたヘミング加工前のワークWがワーク
搬送治具5にクランプされ、このクランプ状態でロボッ
トハンド50が動作することによりこのワークWが加工
エリアへ搬送される。逆に、加工エリアにおいてヘミン
グ加工が完了したワークWは、再びワーク搬送治具5に
クランプされ、このクランプ状態でロボットハンド50
が動作することにより加工エリアから搬出エリアへ搬出
される。搬入エリアへの未加工ワークWの補充は作業者
M1によりなされ、搬出エリアからの加工済みワークの
取り出し作業は作業者M2によりなされる。 【0015】下型保管装置80には、車種変更等に伴う
ワークWの形状、大きさ等の変更に合わせて種々形態の
下型10〜10が保管されている。この下型保管装置8
0も、ロボットハンド50の制御装置Cに組み込まれた
制御回路により各種動作が制御される。この下型保管装
置80は、制御装置Cからの信号に基づいて、多数保管
する下型10〜10のうち適切なものを選択して所定の
位置に位置決めした状態に取り出す機能を有している。
また、この下型保管装置80には、ロボットハンド50
から取り外したワーク搬送治具5を一時的に保管するス
ペース(ワーク搬送治具保管スペース)が並設されてい
る。さらに、曲げ刃保管装置70にも、車種変更等に伴
うワークWの形状、大きさ等の変更に合わせて種々形態
の曲げ刃21〜21(予備曲げ刃21A〜21A、本曲
げ刃21B〜21B)が保管されている。この曲げ刃保
管装置70も、制御装置Cに組み込まれた制御回路によ
り各種動作が制御されるようになっている。この曲げ刃
保管装置70も、制御装置Cからの信号に基づいて多数
保管する曲げ刃21〜21のうち適切なものを選択して
所定の位置に位置決めした状態に取り出す機能を有して
いる。 【0016】以上のように構成した本実施形態のヘミン
グ装置1によれば、ワークWのヘミング加工が以下のよ
うにして行われる。先ず、ヘミング加工すべきワークW
が、ワーク搬送治具5によりクランプされ、このクラン
プ状態でロボットハンド50が動作することにより搬入
エリアから加工エリアへ搬送される。ワークWは、ワー
ク搬送治具5のクランプハンガーを介して吊り下げ状態
でクランプされる。ワークWは、ワーク搬送治具5によ
りクランプされた状態でリフター3の上方まで搬送さ
れ、然る後クランプハンガーがアンクランプ側へ退避さ
れることによりこのリフター3上に移載される。ワーク
Wを受け取ったリフター3は、その後下降し、その下降
途中の段階でワークWが下型10上に移載される。こう
してワークWが下型10上に移載された後、ロボットハ
ンド50の動作によりワーク搬送治具5がさらに下降し
てワーク押さえブロック5b〜5bがワークWに当接さ
れる。この当接状態において、ロボットハンド50の動
作力によりワークWが下型10上に移動不能に押さえ付
けられて固定される。また、この固定状態では、位置決
めピン6がワークWの基準孔(図示省略)に挿入され、
これによりワークWが下型10に対して位置決めされ
る。この位置決め状態はヘミング加工完了まで維持され
る。こうしてワークWが下型10上に固定された後、制
御装置Cからの信号に基づいて、加工ユニット20〜2
0が作動し、これによりワークWのヘミング加工がなさ
れる。ヘミング加工完了後、ロボットハンド50の動作
による押し付け状態が解除され、その後リフター3が上
昇してワークWが下型10から取り出される。然る後、
クランプハンガーがクランプ側に作動してワークWが再
びワーク搬送治具5にクランプされる。このクランプ状
態でロボットハンド50が動作することによりこの加工
済みのワークWが下型10から取り出されて搬出エリア
に搬送される。搬出エリアに搬出された加工済みのワー
クWは作業者M2により加工済みワーク保管場所に保管
されていく。以上で、一連のヘミング加工が完了する。 【0017】次に、ヘミング加工すべきワークWの種類
が変更になった場合には、制御装置CにワークWに関す
る情報が入力され、これに基づいて、ワーク搬送治具5
の一時的な脱着、および下型10と曲げ刃21の交換が
行われる。先ず、ロボットハンド50の動作によりワー
ク搬送治具5を下型保管装置80に並設したワーク搬送
治具保管スペースに移動させ、ここでチャック装置52
がアンチャックされてワーク搬送治具5がロボットハン
ド50から取り外される。取り外したワーク搬送治具5
は、前記下型保管装置80に設けたワーク搬送治具保管
スペースに一時的に保管される。このワーク搬送治具5
の脱着作業は、ロボットハンド50の動作およびチャッ
ク装置52が制御装置Cからの信号に基づいて制御され
ることにより自動的になされる。次に、制御装置Cから
の信号に基づいて、下型クランプ装置60〜60がアン
クランプされて、下型10のクランプ状態が解除され
る。然る後、ワーク搬送治具5を取り外した状態のロボ
ットハンド50が移動して、下型10がチャック装置5
2を介してロボットハンド50にチャックされる。この
チャック状態でロボットハンド50が動作することによ
り下型10が支持台11上から取り外される。取り外さ
れた下型10は、下型保管装置80の受け台上に移載さ
れ、然る後所定の場所に格納される。これに代わって、
下型保管装置80では、上記新しいワークWに適合した
別の下型10が一定の位置に位置決めされた状態で取り
出される。この新しい下型10がロボットハンド50の
チャック装置52によりチャックされ、これが支持台1
1上にセットされる。こうして新しい下型10が支持台
11上にセットされたのち、チャック装置52がアンチ
ャックされるとともに、下型クランプ装置60〜60が
クランプ側に作動し、これにより新しい下型10が支持
台11上に固定される。以上で下型10の交換が完了す
る。 【0018】次に、曲げ刃21(本例では本曲げ刃21
B)の交換が行われる。ロボットハンド50が動作して
そのチャック装置52が本曲げ刃21Bの把持部21c
に当接され、この当接状態で制御装置Cからの信号によ
り磁力が発生して当該曲げ刃21がチャックされる。然
る後、曲げ刃クランプ装置がアンクランプ側に作動さ
れ、次いでロボットハンド50が動作してこの曲げ刃2
1が曲げ刃ブラケット45から取り外される。取り外さ
れた曲げ刃21は、曲げ刃保管装置70の受け台上に移
載され、然る後この曲げ刃21は所定の場所に格納され
る。一方、これに伴って曲げ刃保管装置70では、上記
新しいワークWに適合した曲げ刃21が所定の位置に位
置決めされた状態に取り出されている。この新しい曲げ
刃21がその把持部21cを介してロボットハンド50
のチャック装置52にチャックされる。チャック後、ロ
ボットハンド50の動作によりこの新しい曲げ刃21が
加工ユニット20に向けて搬送される。この新しい曲げ
刃21は、加工ユニット20の曲げ刃ブラケット47の
前面に位置決めされる。こうして新しい曲げ刃21が位
置決めされた後、曲げ刃クランプ装置がクランプ側に作
動してこの新しい曲げ刃21が曲げ刃ブラケット45に
固定される一方、チャック装置52の磁力が遮断されて
この新しい曲げ刃21がチャック装置52からアンチャ
ックされる。 【0019】こうして新しい曲げ刃21がアンチャック
された後、ロボットハンド50は下型保管装置80のワ
ーク搬送治具保管スペースに移動して、保管しておいた
ワーク搬送治具5のフレーム5aの上面にチャック装置
52を当接させ、この当接状態で制御装置Cからの信号
に基づいてチャック装置52をオンさせることにより、
このワーク搬送治具5が再びロボットハンド50の先端
に取り付けられる。ワーク搬送治具5が取り付けられた
後、ロボットハンド50は初期位置に戻される。以上
で、ワーク搬送治具5の脱着および下型10と曲げ刃2
1の交換作業が完了する。こうして、下型10および曲
げ刃21の交換作業が完了した後、ロボットハンド50
の動作によりワーク搬送治具5に新しいワークWがクラ
ンプされ、さらにロボットハンド50が所定の軌跡で動
作することによりこのワークWが下型10上に移載され
る。以後前記したと同様の手順によりこの新しいワーク
Wのヘミング加工が行われる。 【0020】以上説明したように、本実施形態のヘミン
グ装置1によれば、下型10は支持台11から分離して
交換可能であり、また加工ユニット20から曲げ刃21
だけを分離して交換可能であるので、ワークWの形状、
大きさ等が変更になった場合に、下型10を支持台11
から分離して交換し、また曲げ刃21を加工ユニット2
0から分離して交換すれば新しいワークWに対応するこ
とができる。支持台11から分離した下型10および加
工ユニット20から分離した曲げ刃21のみを交換すれ
ば足りるので、これらを多関節型のロボットハンド50
により搬送して交換することができる。以上のことか
ら、従来上型および下型の全体を交換する場合に比し
て、この種の交換システムを備えたヘミング加工装置を
大幅にコンパクト化し、従ってその必要な設置スペース
を小さくすることができる。また、支持台11から分離
した下型10のみを保管し、加工ユニット20から分離
した曲げ刃21のみを保管すれば足りるので、曲げ刃保
管装置70および下型保管装置80をコンパクト化する
ことでき、この点でもこの種の交換システムを備えたヘ
ミング加工装置の設置スペースを小さくすることができ
る。 【0021】以上説明した実施形態には種々変更を加え
ることができる。例えば、曲げ刃21は、予備曲げ刃2
1Aと本曲げ刃21Bを別体とする構成を例示したが、
一体であってもよい。また、曲げ刃21をワークの周縁
に押し付けるための駆動源として電動モータ23を主体
とする電動駆動装置22を用いる構成を例示したが、こ
れに代えて油圧シリンダ、エアシリンダを用いることが
できる。また、トグル機構30、四節リンク機構40に
代えて曲げ刃21を単に上下方向にスライド可能に支持
する直線スライド機構を用いることもできる。さらに、
ワーク搬送治具5は、種類の異なるワークWに対して共
通して用いる構成を例示したが、必要に応じてワークW
の種類に合わせて複数種類のワーク搬送治具を用意し、
これを下型10および曲げ刃21と同様のワーク搬送治
具保管装置に格納して、ワークWの種類が変更になった
場合に適切な種類のワーク搬送治具を選択して交換する
構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施形態を示す図であり、ヘミング加
工装置全体の平面図である。 【図2】ヘミング加工装置全体の正面図である。 【図3】下型および加工ユニットの側面図である。 【符号の説明】 W…ワーク 1…ヘミング加工装置 10…下型 11…支持台 20…加工ユニット 21…曲げ刃、21A…予備曲げ刃、21B…本曲げ
刃、21c…把持部 22…電動駆動装置 23…電動モータ、24…ねじ軸、25…ナット 28…メインブラケット 30…トグル機構 36…受けアーム 40…四節リンク機構 45…曲げ刃ブラケット、45a…位置決め凸部 47…補助ブラケット、47a…位置決め凸部 50…多関節型ロボットハンド、C…制御装置 52…チャック装置 60…下型クランプ装置 63…クランプアーム 70…曲げ刃保管装置 80…下型保管装置

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ワークをセットするための下型と、該下
    型を着脱可能に支持する支持台と、前記ワークを曲げ加
    工するための曲げ刃を着脱可能に備えた加工ユニット
    と、前記ワークの種類に応じて用意した複数種類の下型
    を保管する下型保管装置と、前記ワークの種類に応じて
    用意した複数種類の曲げ刃を保管する曲げ刃保管装置
    と、前記下型および前記曲げ刃を搬送可能な多関節型の
    ロボットハンドと、前記支持台に取り付けた下型を前記
    下型保管装置に保管される複数の下型のうちワークの種
    類に適合した下型に交換し、前記加工ユニットに取り付
    けた曲げ刃を前記曲げ刃保管装置に保管される複数の曲
    げ刃のうちワークの種類に適合した曲げ刃に交換するよ
    うに前記ロボットハンドを制御する制御装置を備えたヘ
    ミング加工装置。
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