JP2003311083A - 洗濯機 - Google Patents

洗濯機

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JP2003311083A JP2002118890A JP2002118890A JP2003311083A JP 2003311083 A JP2003311083 A JP 2003311083A JP 2002118890 A JP2002118890 A JP 2002118890A JP 2002118890 A JP2002118890 A JP 2002118890A JP 2003311083 A JP2003311083 A JP 2003311083A
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浩直 沼本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低濃度な放出速度で薬剤蒸気を平均化して揮
散徐放できる揮散性薬剤徐放部材を設けて、長期間にわ
たって防カビ機能を有する洗濯機を提供する。 【解決手段】 パルセータ12を内底部に回転自在に配
設した洗濯兼脱水槽13と、この洗濯兼脱水槽13を回
転自在に収容した受け槽10と、前記パルセータ12ま
たは前記洗濯兼脱水槽13を回転駆動するモータ18
と、洗い、すすぎ、脱水等の一連の行程を制御する制御
装置22と、前記受け槽10および洗濯兼脱水槽13を
防カビする揮散性薬剤徐放部材33を備え、前記揮散性
薬剤徐放部材33は、内部に揮散性薬剤が充填され、湿
度の変化によって前記揮散性薬剤の透過量が変化する湿
度感受性膜を外装面に配置して構成される洗濯機であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯水を循環して
洗い、すすぎ、脱水などの一連の工程を行う洗濯機につ
いて、洗濯兼脱水槽とその受け槽とを防カビする機能の
技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から洗濯機の洗濯槽は洗剤および衣
類からの栄養源と多湿という環境要因によって洗濯槽の
壁面に黒カビ等が発生しやすい場所と一般に認知されて
きた。そのため、いろいろな防カビ対策も試みられてい
る。たとえばポリプロピレン樹脂等の樹脂製の洗濯槽に
対して有機系の抗菌・防カビ剤を練りこむ方式で添加す
ることが特開平2−243194号公報、特開平3−1
12594号公報、特開平4−241896号公報に開
示されている。また特開平5−111595号公報には
無機系の抗菌・防カビ剤を洗濯機構成部分に練りこむ方
式で添加することが開示されている。
【0003】さらに洗濯槽をステンレス鋼としてCu
0.4〜3wt%を材料マトリックス中に分散させるこ
とで抗菌・防カビ対策を行う方法も特開平10−241
96号公報に開示されている。また特開平9−3137
80号公報には光触媒酸化チタン微粒子にブラックライ
トにて光を照射して防カビ対策を行う方法も開示されて
いる。また特開平11−244581号公報には抗菌効
果のある薬剤水溶液を機構的に洗濯槽へと流したりある
いは噴霧する構成の抗菌・防カビ対策が開示されてい
る。
【0004】しかしながら、上記従来の構成では、洗濯
機の洗濯兼脱水槽および受け槽に直接発生するようなカ
ビの対策には効果を有しているが、洗濯兼脱水槽および
受け槽に付着した糸くずをトリガーとしたカビの発生、
すなわち間接的なカビの発生については十分な防カビ効
果を発揮することはできなかった。また薬剤水溶液を機
構的に噴霧するといった構成も装置に多大なコストがか
かり現実的ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の問題
点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、低濃度な
放出速度で薬剤蒸気を平均化して揮散徐放できる揮散性
薬剤徐放部材を洗濯機内に配置して、洗濯兼脱水槽およ
び受け槽に揮散した薬剤蒸気を滞留させることで長期間
にわたって防カビ機能を有する洗濯機を提供することに
ある。また、揮散性薬剤の放出は湿度の環境の変化にも
十分対応して、不必要な時の余分な揮散性薬剤の放出を
抑制することができる構成を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の洗濯機は、洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水
槽を回転自在に収容した受け槽と、パルセータまたは前
記洗濯兼脱水槽を回転駆動する駆動手段と、洗い、すす
ぎ、脱水等の一連の行程を制御する制御手段と、前記受
け槽および前記洗濯兼脱水槽の防カビをする揮散性薬剤
徐放部材とを備え、前記揮散性薬剤徐放部材は、内部に
揮散性薬剤が充填されていて、環境の湿度の変化によっ
て前記揮散性薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜を外
装面に配置する構成とした洗濯機である。
【0007】上記構成により、洗濯兼脱水槽を自在に回
転させることによって洗い、すすぎ、脱水等の一連の行
程を実施する洗濯機の洗濯兼脱水槽および受け槽に対し
て湿度感受性膜を配した揮散性薬剤徐放部材によって効
果的に薬剤を徐放させながら、気相方式によって防カビ
を行うことができる。そして揮散性の薬剤は、洗濯終了
後の多湿雰囲気によって湿度感受性膜へと水分が供給さ
れることで内部に充填された薬剤の外部への放出量が増
大することで受け槽および洗濯兼脱水槽に薬剤の蒸気が
滞留して防カビをする効果を奏する。
【0008】また、外部の湿度が低い場合には湿度感受
性膜によって揮散性薬剤の放出が抑制されるために無駄
な薬剤の放出も防止することができる。例えば、具体的
には30℃、相対湿度95%で50mg/日レベルで薬
剤を放出させることで十分な防カビ効果を得ることがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】上記した本発明の目的は各請求項
に記載した構成を実施の形態とすることにより達成でき
るので、以下には各請求項の構成にその構成による作用
を併記し併せて請求項記載のうち説明を必要とする特定
用語については詳細な説明を加えて、本発明の実施の形
態の説明とする。
【0010】請求項1記載の発明は、パルセータを内底
部に回転自在に配設した洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱
水槽を回転自在に収容した受け槽と、前記パルセータま
たは前記洗濯兼脱水槽を回転駆動する駆動手段と、洗
い、すすぎ、脱水等の一連の行程を制御する制御手段
と、前記受け槽および洗濯兼脱水槽の防カビをする揮散
性薬剤徐放部材とを備え、前記揮散性薬剤徐放部材は、
内部に揮散性薬剤が充填されていて、環境の湿度の変化
によって前記揮散性薬剤の透過量が変化する湿度感受性
膜を外装面に配置する構成とした洗濯機である。
【0011】従って防カビ機能のある揮散性薬剤は湿度
感受性膜によって外部環境の湿度の状態によって放出が
コントロールされる。
【0012】請求項2記載の発明は、洗濯物を収容する
洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽を回転自在に収容し
た受け槽と、前記洗濯兼脱水槽を回転駆動する駆動手段
と、洗い、すすぎ、脱水等の一連の行程を制御する制御
手段と、前記受け槽および洗濯兼脱水槽の防カビをする
揮散性薬剤徐放部材とを備え、前記揮散性薬剤徐放部材
は、内部に揮散性薬剤が充填され、環境の湿度の変化に
よって前記揮散性薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜
を外装面に配置する構成とした洗濯機である。従って前
記する請求項1記載の発明と同じ作用効果を発揮するこ
とができる。
【0013】請求項3記載の発明は、受け槽を弾性支持
している外装体の底面部に底板が配設され、揮散性薬剤
の蒸気が外装体内部に滞留できる構成とした洗濯機であ
る。従って、底板によって揮散性薬剤の蒸気が底面部か
ら漏出することを防止して効果的に防カビをすることが
できる。
【0014】請求項4記載の発明は、揮散性薬剤徐放部
材は、揮散性薬剤を吸収保持する液体吸収体と、前記液
体吸収体の外装に前記揮散性薬剤の揮散量を制御する揮
散量制御膜と、湿度の変化によって前記薬剤の透過量が
変化する湿度感受性膜とを具備し、前記揮散量制御膜と
前記湿度感受性膜との間に揮散した前記薬剤の蒸気が滞
留するための空間部を設ける構成の洗濯機である。従っ
て、揮散性薬剤蒸気の高濃度の空間部から湿度に応じて
低濃度の薬剤蒸気を放出することができる作用がある。
【0015】請求項5記載の発明は、揮散性薬剤徐放部
材には、液体の揮散性薬剤を固形化または増粘化された
状態で充填されていて、前記揮散性薬剤の揮散量を制御
する揮散量制御膜にて外装し、前記揮散量制御膜の外装
に湿度の変化によって前記揮散性薬剤の透過量が変化す
る湿度感受性膜を具備し、前記揮散量制御膜と前記湿度
感受性膜との間に揮散した前記揮散性薬剤の蒸気が滞留
するための空間部を設ける構成の洗濯機である。従っ
て、請求項4記載の発明と同じ作用を奉することができ
る。
【0016】請求項6記載の発明は、揮散性薬剤徐放部
材は、揮散性薬剤を湿度の変化によって前記揮散性薬剤
の透過量が変化する湿度感受性膜を内部に配置し、前記
湿度感受性膜の外装に防水性を有する水蒸気制御膜を具
備し、前記湿度感受性膜と前記水蒸気制御膜との間に前
記湿度感受性膜を透過した薬剤蒸気と前記水蒸気制御膜
を透過した水蒸気とが滞留するための空間部を設ける構
成の洗濯機である。従って、水蒸気制御膜で湿度感受性
膜が防水保護される作用効果がある。
【0017】請求項7記載の発明は、揮散性薬剤徐放部
材は、揮散性薬剤を前記薬剤の揮散量を制御する揮散量
制御膜を内部に配置し、前記揮散量制御膜の外装に湿度
の変化によって前記薬剤の透過量が変化する湿度感受性
膜を具備し、さらに前記湿度感受性膜の外装に防水性を
有する水蒸気制御膜を備え、前記揮散量制御膜と前記湿
度感受性膜との間に揮散した前記揮散性薬剤の蒸気が滞
留するための第一の空間部を設け、前記湿度感受性膜と
前記水蒸気制御膜との間に前記湿度感受性膜を透過した
薬剤の蒸気と前記水蒸気制御膜を透過した水蒸気とが滞
留するための第二の空間部を設ける構成の洗濯機であ
る。従って、揮散量制御膜、湿度感受性膜、第一の空間
部、第二の空間部により低濃度の薬剤を除放コントロー
ルすることが可能である。
【0018】請求項8記載の発明は、揮散性薬剤は、ア
リルイソチオシアネート、ティーツリー油、ユーカリ油
のなかから選ばれた薬剤としたものである。本発明によ
れば、天然成分を利用した低濃度による環境にやさしい
抗菌、防カビ効果の洗濯機とすることができる。
【0019】請求項9記載の発明は、湿度感受性膜は、
表面にビスコース加工紙を含んでなるラミネート構成と
したものである。従って、湿度に対して鋭敏な湿度感受
性をもった膜を備えた洗濯機とすることができる。
【0020】請求項10載の発明は、揮散量制御膜は、
ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ
ウレタンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム及びそれらの複合ラミネートフィ
ルムのなかから選ばれたフイルムとしたものである。本
発明によれば、揮散性薬剤の十分な徐放効果のあるフイ
ルムを備えた洗濯機とすることができる。
【0021】請求項11の発明は、液体吸収体となる連
続多孔質体の平均気孔径は10〜100μm、気孔率が
50〜90%としたものである。本発明によれば、薬剤
の液体保持率が良く、十分な体積膨潤効果を得ることが
でき、薬剤の減量化を目視することができる。
【0022】請求項12記載の発明は、液体吸収体はポ
リウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリ
ビニルアルコールのなかから選ばれた連続多孔質体とし
たものである。本発明によれば、連続多孔質体が液体保
持能力が良く、配置方向に拘束されず、長期間の使用に
よっても原形を維持できる。
【0023】請求項13記載の発明は、液体の揮散性薬
剤を固形化または増粘化させるための固形高分子材料が
セルロースエチルエーテルあるいはポリビニルブチラー
ルとしたものである。従って、嫌な臭気発生もなく、揮
散性薬剤の効果を長期間にわたって継続させることがで
きる。
【0024】請求項14記載の発明は、水蒸気制御膜
は、平均細孔径0.1〜50μmのマイクロポーラスフ
ィルムとしたものである。従って、十分な防水性を得る
ことができ、部材外部の変化に対しても内部の揮散性薬
剤を効果的に徐放できる。
【0025】請求項15記載の発明は、マイクロポーラ
スフィルムはポリテトラフッ化エチレンフィルムかポリ
オレフィン系フィルムとしたものである。本発明によれ
ば、十分な防水性を長期的な耐久性も加味しながら発揮
して揮散性薬剤の有効な徐放に寄与できる。
【0026】請求項16記載の発明は、マイクロポーラ
スフィルムの透湿量は、3000〜15000g/m2/2
4hr,25℃としたものである。本発明によれば、環
境変化に対しても水蒸気制御膜を敏速に対応させること
が可能である。
【0027】請求項17載の発明は、揮散性薬剤の放出
量は、30℃、相対湿度95%で20〜100mg/日
としたものである。本発明によれば、人間の閾値と対比
して同等以下のレベルで徐放することができ、利用者に
対して不快感を与えない。
【0028】請求項18記載の発明は、揮散性薬剤の放
出量は、30℃、相対湿度30%で10mg/日以下と
したものである。本発明によれば、低湿度条件での無駄
な薬剤の放出を抑制できる利点がある。
【0029】請求項19記載の発明は、揮散性薬剤徐放
部材の湿度感受性膜の面を下方向あるいは横方向となる
ように配置したものである。従って、揮散性薬剤徐放部
材から揮散した薬剤蒸気を受け槽および洗濯兼脱水槽へ
と効果的に気相拡散させることができる。
【0030】請求項20記載の発明は、内部に揮散性薬
剤が充填されていて環境の湿度の変化によって前記揮散
性薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜を外装面に配置
する構成とした揮散性薬剤徐放部材を備えた洗濯機であ
る。本発明によれば、洗濯機の防カビをすることができ
る。
【0031】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。
【0032】(実施例1)図1は本実施例で使用する湿
度制御膜を配置した揮散性薬剤徐放部材の上面外観図で
あり、図2は図1におけるA−A´線での側面断面構成
図である。1は揮散性薬剤となるアリルイソチオシアネ
ートを吸収して膨潤したポリウレタン連続多孔質体であ
る。具体的には25×25×4mmのポリウレタン連続
多孔質体、嵩密度0.35g/ml、平均気孔径30μ
m、気孔率70%にアリルイソチオシアネート7.5g
を吸収させて約35×35×5.6mmに膨潤した。2
は揮散量制御膜で、ポリウレタン連続多孔質体1の外装
となるラミネートフィルムのピロー包装体であり、厚み
が12μmのポリエチレンテレフタレート 厚みが70μm
のポリエチレンとのラミネートフィルムに対してポリエ
チレン側をヒートシール巾5mmにてピロー包装化した
ものである。3は前記揮散量制御膜2を充填するための
半透明な厚みが2mmのポリプロピレンからなる本体容
器であり、射出成形にて加工した。
【0033】本体容器3の内寸法は40×40×10m
mである。4は本体容器3に対する蓋であり、これも厚
みが2mmの半透明なポリプロピレンからなる。蓋4の
中央部には大きな窓を有し、長手方向の渡しとなるよう
に2ヶ所にリブ5が形成され、蓋4の表面側中央部には
30×30mmの湿度感受性膜6が配置され、リブ5に
よって揮散量制御膜2の本体容器3の内部での位置固定
と湿度感受性膜6に対する補強の役目を果たしている。
湿度感受性膜6はビスコース加工紙を厚みが40μmの
ポリエチレン、厚みが60μmの延伸ポリプロピレン、
厚みが40μmのポリエチレン上にレーヨン/パルプ不
織布を介してビスコース膜を12g/m 2の塗布量で形
成させたラミネート構造のものを使用し、湿度感受性膜
6の外周部は蓋4にポリエチレン側をヒートシールで溶
着接合されている。ヒートシール巾は3mmである。本
体容器3と蓋4は超音波接合によって接合されている。
7は揮散量制御膜2と本体容器3と蓋4とで形成される
空間部であり、その空間容積は約8mlである。
【0034】揮散性薬剤徐放部材の徐放機構について説
明する。ポリウレタン連続多孔質体から揮散したアリル
イソチオシアネート蒸気はまずピロー包装体を形成する
揮散量制御膜2となるラミネートフィルムで揮散量を抑
制されながら、揮散量制御膜2と湿度感受性膜6とで形
成される空間部7に至る。たとえば25℃においてアリ
ルイソチオシアネートの蒸気圧は約5mmHgであるた
め、揮散量制御膜2の内部はすぐに飽和蒸気濃度は最大
約6600ppmとなり、空間部7はそれに対してある
程度の濃度勾配を有しながら、アリルイソチオシアネー
ト蒸気が充満し、揮散量制御膜2からの放出量が小さけ
れば、ある程度雰囲気温度に対する蒸気圧特性まで揮散
量が増大し、最終的には空間部7をほぼ飽和蒸気圧濃度
までに達せられる。湿度感受性膜6によって低湿度の場
合にはアリルイソチオシアネートの外部への蒸気放出が
ある程度抑制されるため、空間部7は飽和蒸気圧濃度に
近い状態のままでずっと維持される。しかし湿度が高く
なるとアリルイソチオシアネート蒸気が湿度感受性膜6
を通過して外部へと放出されやすくなる。湿度感受性膜
6は湿度変化によって膜組織が膨潤し、緩んだ構造とな
り、アリルイソチオシアネート分子が透過して外部へと
放出されやすくなる。この放出量分を補充するためには
ポリウレタン連続多孔質体1から揮散したアリルイソチ
オシアネート蒸気がさらに揮散量制御膜2を通過して空
間部7へと充満する必要がある。この時湿度感受性膜6
から外部へのアリルイソチオシアネート放出速度とポリ
ウレタン連続多孔質体1から揮散したアリルイソチオシ
アネートが空間部7へ透過してくるアリルイソチオシア
ネート揮散速度を比較すると後者のほうが速いので、ア
リルイソチオシアネートの放出量が不足することはな
い。このような薬剤の透過量を制御する膜を2段階有す
る揮散性薬剤徐放部材によって、30℃、相対湿度95
%の条件にて湿度感受性膜から薬剤を50mg/日レベ
ルで継続して放出させることが可能となった。
【0035】上記構成によって得られた揮散性薬剤徐放
部材を内容積300Lの洗濯機内部に配置した。図3に
洗濯機の断面図を示した。外装体8は支持板9に支持さ
れた受け槽10をサスペンション11で弾性支持してい
る。受け槽10は中央底部に回転自在にパルセータ12
が配設された洗濯兼脱水槽13を内包している。洗濯兼
脱水槽13は内周面に複数の貫通した穴13aを形設し
ている。クラッチ機構部14は、支持板9の外底部に装
着しており、同心2重軸に形成された洗濯兼脱水槽13
に連結している脱水軸15とパルセータ12に固着した
洗濯軸16とを支持し、Vベルト17で伝達されるモー
タ (駆動手段)18の動力を脱水軸15、洗濯軸16に
切り換えて伝達するとともに、洗い時およびすすぎ時に
洗濯兼脱水槽13を固定するブレーキ機構を兼ね備えて
いる。
【0036】電磁弁19は電磁排水コック20を開閉す
るもので、無励磁(オフ)により電磁排水コック20を
閉止して洗い、すすぎが行えるようにするものであり、
電磁弁19を励磁(オン)して電磁排水コック20を開
放させると、排水可能な状態になるとともに洗濯兼脱水
槽13の制動が解除され、洗濯兼脱水槽13が回転可能
となり脱水が行える状態にする。給水弁21は洗濯兼脱
水槽13に給水する。
【0037】制御装置22は、図4に示すように制御手
段23、パワースイッチング手段24、布量検知手段2
5、水位検知手段26、操作表示手段27、記憶手段2
8などで構成し、制御手段22の指令によりパワースイ
ッチング手段24を制御することで、モータ18、電磁
弁19、給水弁21を制御して、洗い、すすぎ、脱水の
一連の行程を逐次制御するようにしている。なお、2
9、30はモータ18の進相用のコンデンサである。制
御手段22は、洗い行程およびすすぎ行程においてパル
セータ12を回転駆動させる攪拌行程を有し、攪拌行程
では、進相用のコンデンサ29、30を併用し、攪拌行
程でのモータ18の出力を攪拌行程以外の行程における
出力より大きくしてパルセータ12を回転させるように
構成している。
【0038】上記構成において図5を参照しながら動作
を説明すると、まず電源を入れた後に洗濯物を洗濯兼脱
水槽13内に投入し、ステップ101でユーザーの好み
に応じて自動コースか個別運転かキー入力して運転をス
タートさせると、ステップ102で、まず、洗い行程か
否か判定し、洗い行程ではステップ103でコンデンサ
29、30を併用して高容量に設定し、ステップ104
で先行してモータ18を所定時間オン、オフさせ、パル
セータ12を正逆の反転駆動させる。
【0039】ステップ105でパルセータ12に加わる
摩擦抵抗によるモータ18のオフ時のコンデンサ29の
端子間に生じる逆起電力を布量検知手段25によりパル
ス換算して布量を検知して布量判定を行い、ステップ1
06で操作表示手段27にて判定した布量に対する洗剤
量と水位を表示する。ステップ107で布量に応じて給
水弁21をオンさせて自動給水し、所定水位に達すると
給水弁21をオフさせる。
【0040】ステップ108でモータ18のオン、オフ
および正逆の反転制御により高トルクでパルセータ12
を駆動させて洗濯物を攪拌し、洗い行程を実行する。こ
こで、高トルクが得られて機械力が高まるため、洗濯物
は攪拌による反転も大きくなり、パルセータ12との摩
擦も増大して洗浄性能が向上する。性能が向上する分、
洗い行程の時間を短縮することができ、モータ18への
通電時間も減少するため消費電力量も低減できる。
【0041】洗いまたはすすぎ行程は、終了とほぼ同時
に次のステップ111またはステップ121ですすぎ行
程かまたは脱水行程か否かを判別し、すすぎまたは脱水
行程の開始でコンデンサ30をオフ(ステップ112、
ステップ122)するとともに、電磁弁19をオン(ス
テップ113、ステップ123)し、電磁排水コック2
0の開放動作、モータ18の動力を脱水軸15に切り換
える動作および脱水軸15の制動解除を同時に行う。こ
のとき、洗濯兼脱水槽13および受け槽10内の水が機
外へと排出されると同時に、洗濯兼脱水槽13が回転可
能な状態となる。排水終了時にはステップ114、ステ
ップ124でモータ18のオン、オフ制御を行いつつ、
洗濯兼脱水槽13を回転させて、遠心力により洗濯兼脱
水槽13の内壁に洗濯物を押しつけ、絞り、水は洗濯兼
脱水槽13に設けた穴13aより洗濯兼脱水槽13外に
放出され、電磁排水コック20を通って機外へと排出さ
れる。
【0042】この後、すすぎ行程ではステップ115で
一度電磁弁19をオフし電磁排水コック20を閉止さ
せ、ステップ116でコンデンサ29、30を併用し高
容量に設定し、ステップ117で再度給水弁21をオン
させて自動給水し所定水位に達すると給水弁21をオフ
させ、ステップ118でモータ18のオン、オフおよび
正逆の反転制御によりパルセータ12を駆動させて洗濯
物を攪拌し、遠心力により洗濯兼脱水槽13の内壁に押
しつけられていた洗濯物をはがしてすすぐ。ここで、高
トルクが得られ機械力が高まるため、洗濯物は強い攪拌
力によって早くはがれるとともに、はがれた後の反転も
大きくなり、すすぎ性能が向上する。性能が向上する
分、すすぎ行程時間を短縮することができ、モータ18
への通電時間も減少するため消費電力量も低減できる。
【0043】なお、本実施例では、制御手段23は、洗
い行程およびすすぎ行程の両方の行程においてパルセー
タ12を回転駆動させる攪拌行程を有し、攪拌行程で
は、進相用のコンデンサ29、30を併用し、攪拌行程
でのモータ18の出力を攪拌行程以外の行程における出
力より大きくしてパルセータ12を回転させるように構
成しているが、洗い行程またはすすぎ行程のいずれか1
つの行程においてパルセータ12を回転駆動させる攪拌
行程を有するようにしてもよい。
【0044】31は洗濯物を洗濯兼脱水槽13に投入す
るための投入口であり、32は投入口31の上部に設け
られた蓋である。揮散性薬剤徐放部材33は受け槽10
と洗濯兼脱水槽13で構成されるスペースに配置され、
具体的には受け槽10の上部開口部に隣接した内面に揮
散性薬剤徐放部材33の本体容器3の底面部を両面テー
プで張り合わせる構成にて固定し、湿度感受性膜6は下
面側の受け槽10と洗濯兼脱水槽13の方向を向いてい
る。この結果洗濯および脱水終了後に洗濯物を取り出し
た後、蓋32をすることによって外装体8および受け槽
10の内部湿度は上昇し、揮散性薬剤徐放部材33に配
設された湿度感受性膜6に湿気を供給することで湿度感
受性膜6が膨潤して緩んだ構造となり、揮散量制御膜2
と湿度感受性膜6との空間部7に滞留している揮散性薬
剤の蒸気が湿度感受性膜6を透過して外部へと徐放さ
れ、洗濯兼脱水槽13および受け槽10へのカビ発生を
抑止することができた。防カビの効果を得るためには洗
濯兼脱水槽および受け槽へのアリルイソチオシアネート
蒸気を0.5ppm以上にすることが望ましく、また洗
濯物への影響を鑑みて5ppm以下にすることが実用上
望ましい。そのためには揮散性薬剤の放出量が30℃、
相対湿度が95%で20〜100mg/日であることが
好ましいと考えられる。
【0045】(実施例2)本実施例では実施例1で得ら
れた揮散性薬剤徐放部材33を、同じく実施例1で使用
した洗濯機の異なる部分に配置し、実施例1の洗濯機と
異なる部分は外装体8の底面に底板8aが配設されてい
る点である。図6に実施例2の洗濯機の断面図を示し
た。洗濯物の投入口31に隣接した外装体8の上部内面
位置に揮散性薬剤徐放部材33の本体容器3の底面部を
両面テープで張り合わせる構成にて固定し、湿度制御膜
6は下面側の受け槽10と洗濯兼脱水槽13方向を向い
ている。
【0046】この結果洗濯および脱水終了後に洗濯物を
取り出した後、蓋32をすることによって外装体8およ
び受け槽10の内部湿度は上昇し、揮散性薬剤徐放部材
33に配設された湿度感受性膜6に湿気を供給すること
で湿度感受性膜6が膨潤して緩んだ構造となり、揮散量
制御膜2と湿度感受性膜6との空間部7に滞留している
揮散性薬剤の蒸気が湿度感受性膜6を透過して外部へと
徐放され、洗濯兼脱水槽13および受け槽10へのカビ
発生を抑止することができた。またここでは洗濯機の外
装体8が底面に底板8aを配設しているために、揮散し
た薬剤蒸気が受け槽10よりも外側に広く拡散しても外
装体8の底面に堆積しながら滞留していくため、揮散し
た薬剤蒸気はあまり無駄になることなく、やがては受け
槽10の入り口域まで堆積してくることになり、洗濯兼
脱水槽13および受け槽10の防カビ機能を補助する役
目を果たす。
【0047】図7に実施例1で使用した洗濯機の外装体
8の底面を示す斜視図を表し、図8に実施例2で使用し
た洗濯機の外装体8の底板8aを示す斜視図を表した。
従来の一般的な洗濯機では外装体の底面は開放部を設け
た構成になっているが、実施例2では揮散性薬剤蒸気の
堆積滞留を補助する目的で底面部を意図的に塞いだ構成
とした。
【0048】(実施例3)図9は本実施例で使用する湿
度感受性膜を配置した揮散性薬剤徐放部材の上面外観図
であり、図10は図9におけるB−B´線での側面断面
構成図である。34は揮散性薬剤となるアリルイソチオ
シアネートをセルロースエチルエーテルにて固形化した
タブレットである。具体的には型容器にセルロースエチ
ルエーテルの粉末(日新化成;エトセル STD−10
0、重量平均分子量 18万)4gを入れた後、エタノ
ール 8gを添加し、1時間放置した後、さらにアリル
イソチオシアネート 7.5gを加えて室温状態で48
時間放置することによって、エタノールが蒸発してアリ
ルイソチオシアネートはセルロースエチルエーテルでタ
ブレット化された。35はアリルイソチオシアネートの
揮散量制御膜でラミネートフィルムのピロー包装体であ
り、得られたタブレット37×37×7mmを厚みが1
2mmのポリエチレンテレフタレート、厚みが70μm
のポリエチレンとのラミネートフィルムに対してポリ
エチレン側をヒートシールにてピロー包装化したもので
ある。36は半透明な厚みが2mmのポリプロピレンか
らなる本体容器であり、射出成形にて加工した。内寸法
は40×400×12mmである。
【0049】37は本体容器36に対する蓋であり、こ
れも厚みが2mmの半透明なポリプロピレンからなる。
蓋37の中央部に大きな窓を有し、長手方向の渡しとな
るように2ヶ所にリブ38が形成され、蓋37の表面側
中央部には30×30mmの湿度感受性膜39が配置さ
れ、リブ38によって揮散量制御膜35の本体容器36
の内部での位置固定と湿度感受性膜39に対する補強の
役目を果たしている。湿度感受性膜39はビスコース加
工紙を厚さが40μmのポリエチレン、厚さが60μm
の延伸ポリプロピレン、厚さが40μmのポリエチレ
ン上にレーヨン/パルプ不織布を介してビスコース膜を
12g/m2の塗布量で形成させたラミネート構造のも
のを使用し、湿度感受性膜39の外周部は蓋37にポリ
エチレン側をヒートシールで溶着接合されている。ヒー
トシール巾は3mmである。本体容器36と蓋37は超
音波接合によって接合されている。40は揮散量制御膜
35と本体容器36と蓋37とで形成される空間部であ
り、その空間容積は約8mlである。
【0050】揮散性薬剤徐放部材の徐放機構について説
明する。タブレット34から揮散したアリルイソチオシ
アネート蒸気は揮散量制御膜35で揮散量を抑制されな
がら、揮散量制御35と湿度感受性膜39とで形成され
る空間部40へと至る。たとえば25℃においてアリル
イソチオシアネートの蒸気圧は約5mmHgであるため、
揮散量制御膜35の内部はすぐに飽和蒸気濃度の約66
00ppmとなり、空間部40はそれに対してある程度
の濃度勾配を有しながら、アリルイソチオシアネート蒸
気が充満し、湿度感受性膜39からの放出量が小さけれ
ば、ある程度雰囲気温度に対する蒸気圧特性まで揮散量
が増大し、最終的には空間部40をほぼ飽和蒸気圧濃度
までに達せられる。湿度感受性膜39によって低湿度の
場合にはアリルイソチオシアネートの外部への蒸気放出
がある程度抑制されるため、空間部40は飽和蒸気圧濃
度に近い状態のままでずっと維持される。
【0051】しかし湿度が高くなるとアリルイソチオシ
アネート蒸気が湿度感受性膜39を通過して外部へと放
出されやすくなる。湿度感受性膜39は湿度変化によっ
て膜組織が膨潤し、緩んだ構造となり、アリルイソチオ
シアネート分子が透過して外部へと放出されやすくな
る。この放出量分を補充するためにはタブレット34か
ら揮散したアリルイソチオシアネート蒸気がさらに揮散
量制御膜35を通過して空間部40へと充満する必要が
ある。この時湿度感受性膜39から外部へのアリルイソ
チオシアネート放出速度とタブレット34から揮散した
アリルイソチオシアネートが空間部40へ透過してくる
アリルイソチオシアネート揮散速度を比較すると後者の
ほうが速いので、アリルイソチオシアネートの放出量が
不足することはない。このような構成の揮散性薬剤徐放
部材によって、30℃、相対湿度95%の条件にて湿度
感受性膜39から薬剤を50mg/日レベルで継続して
放出させることが可能となった。
【0052】本実施例で使用したセルロースエチルエー
テルは精製パルプを原料として苛性ソーダにてアルカリ
セルロース化された後、エチルクロライドを反応させて
グルコース内の水酸基をエトキシル基に置換したもので
ある。そして、外観は白色の粉末であり、ほとんど無臭
に近い特性を有している。本発明に対するセルロースエ
チルエーテルの作用効果、すなわち薬剤を固形化または
増粘化させる効果は重量平均分子量によって決まり、具
体的には10万以上の分子量のものが望ましかった。さ
らにアリルイソチオシアネートとセルロースエチルエー
テルとの重量比を2:1にすることで固形化でき、重量
比が大きくなるにしたがって徐々に低粘度化し、10:
1よりも小さいとアリルイソチオシアネート原液に対し
てそれほど増粘しているとは言えない。また重量比を
2:1よりも小さくするとアリルイソチオシアネート液
量が変化してもタブレットの形状変化度合いが小さくな
り、利用者が液量変化を判断し難くなる。したがってア
リルイソチオシアネートとセルロースエチルエーテルと
の重量比は2:1〜10:1が好ましいと言える。
【0053】上記構成によって得られた揮散性薬剤徐放
部材を内容積300Lの洗濯機内部に配置した。図11
に洗濯機の断面構成図を示した。外装体41は支持板4
2に支持された受け槽43をサスペンション44で弾性
支持している。受け槽43は中央に回転自在に洗濯兼脱
水槽45を内包している。洗濯兼脱水槽45は内周面に
複数の貫通した穴45aを形設している。回転機構部4
6は、支持板42の外底部に装着しており、洗濯兼脱水
槽45に連結している軸47を支持し、Vベルト48で
伝達されるモータ(駆動手段)49の動力を軸47に伝
達する。
【0054】電磁弁50は電磁排水コック51を開閉す
るもので、無励磁(オフ)により電磁排水コック51を
閉止して洗い、すすぎが行えるようにするものであり、
電磁弁50を励磁(オン)して電磁排水コック51を開
放させると、排水可能な状態であって洗濯兼脱水槽45
を回転して脱水が行える状態にする。給水弁52は洗濯
兼脱水槽45に給水する。
【0055】制御装置53は、図12に示すように制御
手段54、パワースイッチング手段55、布量検知手段
56、水位検知手段57、操作表示手段58、記憶手段
59などで構成し、制御手段54の指令によりパワース
イッチング手段55を制御することで、モータ49、電
磁弁50、給水弁52を制御して、洗い、すすぎ、脱水
の一連の行程を逐次制御するようにしている。
【0056】なお、60、61はモータ49の進相用の
コンデンサである。制御手段54は、洗い行程およびす
すぎ行程において洗濯兼脱水槽45を回転駆動させる槽
回転行程を有し、槽回転行程では、モータ49の出力を
槽回転行程以外の行程における出力より大きくして洗濯
兼脱水槽45を回転させるように構成している。
【0057】上記構成において図13および図14を参
照しながら動作を説明すると、まず、電源を入れた後に
衣類を洗濯兼脱水槽45内に投入し、図14のステップ
201でユーザーの好みに応じて自動コースか個別運転
かキー入力して運転をスタートさせると、ステップ20
2で、まず、洗い行程か否か判定し、洗い行程ではステ
ップ203でコンデンサ60、61を併用して高容量に
設定し、ステップ204で先行してモータ49を所定時
間オン、オフさせ回転駆動させる。
【0058】ステップ205で洗濯兼脱水槽45に加わ
る摩擦抵抗によるモータ49がオフ時のコンデンサ60
の端子間に生じる逆起電力を布量検知手段56によりパ
ルス換算して布量を検知し布量判定を行うとともに、ス
テップ206で操作表示手段58にて判定した布量に対
する洗剤量と水位を表示し、ステップ207で布量に応
じて給水弁52をオンさせて自動給水し、所定水位に達
すると給水弁52をオフさせる。
【0059】ステップ208でモータ49のオン、オフ
回転制御により高トルクで洗濯兼脱水槽45を駆動させ
て洗い行程を実行する。洗濯兼脱水槽45の回転によっ
て生じる遠心力により、受け槽43内の洗濯水の水面
は、図13に示すように、略放物線状の自由表面をな
し、中央部が下降し壁面に行くに従い上昇する。ここ
で、高トルクが得られて攪拌力が高まるため、回転の立
ち上がりも早まり回転数も増大し、これに伴って洗濯兼
脱水槽45の外側と受け槽43との間の水面はますます
上昇する。そして、遂には洗濯水の水面は、洗濯兼脱水
槽45の上端部の高さを越えて洗濯兼脱水槽45内に散
水される。
【0060】このように、受け槽43内に所定量の洗濯
水を溜めた状態で、洗濯兼脱水槽45を高トルクで回転
させることにより、一度に多量の洗濯水を早く循環させ
ることができ、投入した洗剤の溶解促進を加速させ、洗
剤成分を洗濯物の汚れに対して早く効果的に作用させる
ことができるため、洗浄性能を向上することができる。
性能が向上する分、洗い行程時間を短縮することがで
き、モータ49への通電時間も減少するためモータ49
の温度上昇を低減できる。
【0061】洗いまたはすすぎ行程は、終了とほぼ同時
に、つぎのステップ211またはステップ221ですす
ぎ行程かまたは脱水行程か否かを判別し、すすぎまたは
脱水行程の開始でコンデンサ61をオフ(ステップ21
2、ステップ222)するとともに電磁弁50をオン
(ステップ213、ステップ223)し、電磁排水コッ
ク51の開放動作を行い、洗濯兼脱水槽45および受け
槽43内の水が機外へと排出される。
【0062】排水終了時にはステップ214、ステップ
224でモータ49のオン、オフ制御を行いつつ、洗濯
兼脱水槽45を回転させて、遠心力により洗濯兼脱水槽
45の内壁に衣類を押しつけ、絞り、水は洗濯兼脱水槽
45に設けた穴45aより洗濯兼脱水槽45外に放出さ
れ電磁排水コック51を通って機外へと排出される。
【0063】この後、すすぎ行程では、ステップ215
で一度電磁弁50をオフし、電磁排水コック51を閉止
させ、ステップ216でコンデンサ60、61を併用し
高容量に設定し、ステップ217で再度給水弁52をオ
ンさせて自動給水し、所定水位に達すると給水弁52を
オフさせ、ステップ218でモータ49のオン、オフの
回転制御により洗濯兼脱水槽45を駆動させ、遠心力に
より衣類を介して水を循環させてすすぐ。
【0064】ここで、高トルクが得られ遠心力が高ま
り、衣類への散水量と通過水量も増すため、すすぎ性能
が向上する。性能が向上する分、すすぎ行程時間を短縮
することができ、モータ49への通電時間も減少するた
めモータ49の温度上昇を低減できる。
【0065】なお、本実施例では、制御手段54は、洗
い行程およびすすぎ行程の両方の行程において洗濯兼脱
水槽45を回転駆動させる槽回転行程を有し、槽回転行
程では、モータ49の出力を槽回転行程以外の行程にお
ける出力より大きくして洗濯兼脱水槽45を回転させる
ように構成しているが、洗い行程またはすすぎ行程のい
ずれか1つの行程において洗濯兼脱水槽45を回転駆動
させる槽回転行程を有するようにしてもよい。
【0066】62は洗濯物を洗濯兼脱水槽45に投入す
るための投入口であり、63は投入口62の上部に設け
られた蓋である。揮散性薬剤徐放部材64は、洗濯物の
投入口62に隣接した外装体41の上部内面位置に揮散
性薬剤徐放部材64の本体容器底面部を両面テープで張
り合わせる構成にて固定し、湿度感受性膜39は下面側
の受け槽43と洗濯兼脱水槽45方向を向いている。こ
の結果洗濯および脱水終了後に洗濯物を取り出した後、
蓋63をすることによって外装体41および受け槽43
の内部湿度は上昇し、揮散性薬剤徐放部材64に配設さ
れた湿度感受性膜39に湿気を供給することで湿度感受
性膜39が膨潤して緩んだ構造となり、揮散量制御膜3
5と湿度感受性膜39との空間部40に滞留している揮
散性薬剤の蒸気が湿度感受性膜39を透過して外部へと
徐放され、洗濯兼脱水槽45および受け槽43へのカビ
発生を抑止することができた。防カビの効果を得るため
には洗濯機内部へのアリルイソチオシアネート蒸気を0.
5ppm以上にすることが望ましく、洗濯物への影響鑑
みて5ppm以下にすることが実用上望ましい。
【0067】(実施例4)図15は本実施例で使用する
湿度感受性膜を配置した揮散性薬剤徐放部材の上面外観
図であり、図16は図15におけるC−C´線での側面
断面構成図である。65は揮散性薬剤となるアリルイソ
チオシアネートをポリビニルブチラールにて固形化した
タブレットである。具体的には型容器にポリビニルブチ
ラール(積水化学工業;エスレックB BH−S、重
量平均分子量 14万、水酸基 22mol%、ブチラ
ール化度 73mol%)4gを入れた後、エタノール
8gを添加し、1時間放置した後、さらにアリルイソ
チオシアネート 7.5gを加えて室温で48時間放置
することによって、エタノールが蒸発してアリルイソチ
オシアネートはポリビニルブチラールでタブレット化さ
れた。
【0068】66はアリルイソチオシアネートの揮散制
御膜でラミネートフィルムのピロー包装体であり、得ら
れたタブレット37×37×7mmを厚さが12μmの
ポリエチレンテレフタレートと厚さが70μmのポリエ
チレンとのラミネートフィルムに対してポリエチレン側
をヒートシールにてピロー包装化したものである。67
は半透明な厚みが2mmのポリプロピレンからなる本体
容器であり、射出成形にて加工した。内寸法は40×4
0×12mmである。68は本体容器67に対する蓋で
あり、これも半透明なポリプロピレン、厚み2mmから
なる。蓋68の中央部に大きな窓を有し、長手方向の渡
しとなるように2ヶ所にリブ69が形成され、蓋68の
表面側中央部には30×30mmの湿度感受性膜70が
配置され、リブ69によって揮散量制御膜66の本体容
器67の内部での位置固定と湿度感受性膜70に対する
補強の役目を果たしている。
【0069】湿度感受性膜70はビスコース加工紙を厚
さが40μmのポリエチレン、厚さが60μmの延伸ポ
リプロピレン、厚さが40μmのポリエチレン上にレー
ヨン/パルプ不織布を介してビスコース膜を12g/m
2の塗布量で形成させたラミネート構造のものを使用
し、湿度感受性膜70の外周部は蓋68にポリエチレン
側をヒートシールで溶着接合されている。ヒートシール
巾は3mmである。本体容器67と蓋68は超音波接合
によって接合されている。71は湿度感受性膜66と本
体容器67と蓋68とで形成される空間部であり、その
空間容積は約8mlである。
【0070】得られた揮散性薬剤徐放部材の徐放機構に
ついては実施例3とほぼ同様であるので詳細な説明を省
略する。このような構成の揮散性薬剤徐放部材によっ
て、30℃、相対湿度が95%の条件にて湿度感受性膜
から薬剤を50mg/日レベルで継続して放出させるこ
とが可能となった。その結果実施例3と同様な洗濯機に
適用した場合、洗濯兼脱水槽および受け槽へのカビ発生
を抑止することができた。
【0071】本実施例で使用したポリビニルブチラール
はポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反応させ
たものである。このブチラール化反応において完全にブ
チラール化することはできず、文献によると従来最高で
81.6mol%と言われている。しかしブチラール化
できずに残った水酸基のmol%が大きいとアリルイソ
チオシアネートとの相溶性が悪くなり、十分な効果を得
ることができなくなった。したがって、本発明に使用で
きるポリビニルブチラールは重量平均分子量が10万以
上の分子量であり、分子中の水酸基mol%が25以
下、分子中のブチラール化度mol%が70以上である
ものが望ましかった。さらに好ましくは水酸基mol%
が20〜25、分子中のブチラール化度mol%が70
〜80であった。さらにアリルイソチオシアネートとポ
リビニルブチラールとの重量比を2:1にすることで固
形化でき、重量比が大きくなるにしたがって徐々に低粘
度化し、10:1よりも小さいとアリルイソチオシアネ
ート原液に対してそれほど増粘しているとは言えない。
また重量比を2:1よりも小さくするとアリルイソチオ
シアネート液量が変化してもタブレットの形状変化度合
いが小さくなり、利用者が液量変化を判断し難くなる。
したがってアリルイソチオシアネートとポリビニルブチ
ラールとの重量比は2:1〜10:1が好ましいと言え
る。
【0072】(実施例5)図17は本実施例で使用する
水蒸気制御膜を配置した揮散性薬剤徐放部材の上面外観
図であり、図18は図17におけるD−D´線での側面
断面構成図である。72は薬剤となるアリルイソチオシ
アネートをセルロースエチルエーテルにて固形化したタ
ブレットである。具体的には型容器にセルロースエチル
エーテルの粉末(日新化成;エトセル STD−10
0、重量平均分子量 18万)4gを入れた後、エタノ
ール 8gを添加し、1時間放置した後、さらにアリル
イソチオシアネート 7.5gを加えて室温状態で48
時間放置することによって、エタノールが蒸発してアリ
ルイソチオシアネートはセルロースエチルエーテルで3
7×37×7mmにタブレット化された。
【0073】73はそれを充填するための半透明な厚み
が1mmのポリプロピレンからなる内側本体容器であ
り、射出成形にて加工した。容器の内寸法は39×39
×10mmである。74は内側本体容器73に対する内
蓋であり、これも半透明な厚みが1mmのポリプロピレ
ンからなる。内蓋74の中央部に大きな窓を有し、長手
方向の渡しとなるように2ヶ所にリブ75が形成され、
内蓋74の表面側中央部には30×30mmの湿度感受
性膜76が配置され、リブ75によってタブレット72
の容器内部での位置固定と湿度感受性膜76に対する補
強の役目を果たしている。
【0074】湿度感受性膜76はビスコース加工紙を厚
みが40μmのポリエチレン、厚みが12μmのポリエ
チレンテレフタレート、厚みが40μm ポリエチレン
上にレーヨン/パルプ不織布を介してビスコース膜を1
2g/m2の塗布量で形成させたラミネート構造のもの
を使用し、湿度感受性膜76の外周部は内蓋74にポリ
エチレン側をヒートシールで溶着接合されている。ヒー
トシール巾は3mmである。内側本体容器73と内蓋7
4は超音波接合によって接合されている。77はタブレ
ット72と内側本体容器73と内蓋74とで形成される
第一の空間部であり、その空間容積は約9mlである。
78は内側本体容器73が収納される外側本体容器であ
り、半透明なポリプロピレン、厚み1mmからなり、射
出成形にて加工した。容器の内寸法は41×41×12
mmである。79は外側本体容器78に対する外蓋であ
り、これも半透明な厚みが1mmのポリプロピレンから
なり、外蓋79の中央部には大きな窓があり、外蓋79
の表面側中央部には35×35mmの水蒸気制御膜80が配
置されている。水蒸気制御膜80はマイクロポーラスを
有した厚みが50μmのポリプロピレンフィルム、平均
細孔径0.3μm、透湿度10000 g/m2/24
hr,25℃である。81は湿度感受性膜76を配した
内蓋74と外側本体容器78と水蒸気制御膜80を配し
た外蓋79とで形成される第二の空間部であり、その空
間容積は約3mlである。
【0075】揮散性薬剤徐放部材の徐放機構について説
明する。タブレット72から揮散したアリルイソチオシ
アネート蒸気は第一の空間部77に充満する。たとえば
25℃においてアリルイソチオシアネートの蒸気圧は約
5mmHgであるため、第一の空間部77はすぐに飽和
蒸気濃度の約6600ppmとなる。湿度感受性膜76
によって低湿度の場合にはアリルイソチオシアネートの
外部への蒸気放出がある程度抑制されるため、第一の空
間部77は飽和蒸気圧濃度に近い状態のままでずっと維
持される。
【0076】しかし湿度が高くなるとアリルイソチオシ
アネート蒸気が湿度感受性膜76を通過して外部へと放
出されやすくなる。湿度感受性膜76は湿度変化によっ
て膜組織が膨潤し、緩んだ構造となり、アリルイソチオ
シアネート分子が透過して外部へと放出されやすくな
る。この放出量分を補充するためにはタブレット72か
ら揮散したアリルイソチオシアネート蒸気がさらに湿度
感受性膜76を通過して第二の空間部81へと充満する
必要がある。この時湿度感受性膜76から第二の空間部
81、さらに外部へのアリルイソチオシアネート放出速
度とタブレット72から揮散したアリルイソチオシアネ
ートが第一の空間部77へ透過してくるアリルイソチオ
シアネート揮散速度を比較すると後者のほうが速いの
で、アリルイソチオシアネートの放出量が不足すること
はない。このような薬剤の透過量を制御する膜を2段階
有する揮散性薬剤徐放部材によって、30℃、相対温度
が95%の条件にて湿度感受性膜から薬剤を50mg/
日レベルで継続して放出させることが可能となった。そ
の結果実施例3と同様な洗濯機に適用した場合、洗濯兼
脱水槽および受け槽へのカビ発生を抑止することができ
た。
【0077】(実施例6)図19は本実施例で使用する
水蒸気制御膜を配置した揮散性薬剤徐放部材の上面外観
図であり、図20は図19におけるE−E´線での側面
断面構成図である。82は薬剤となるアリルイソチオシ
アネートを吸収して膨潤したポリウレタン連続多孔質体
である。具体的には25×25×4mmのポリウレタン
連続多孔質体、嵩密度0.35g/ml、平均気孔径3
0μm、気孔率70%にアリルイソチオシアネート7.5
gを吸収させて約35×35×5.6mmに膨潤した。
83はポリウレタン連続多孔質体82の外装となるラミ
ネートフィルムの揮散量制御膜であり、厚さ12μmの
ポリエチレンテレフタレート、厚さが70μm のポリ
エチレンとのラミネートフィルムに対してポリエチレン
側をヒートシール巾5mmにてピロー包装化したもので
ある。84はそれを充填するための半透明な厚みが1m
mのポリプロピレンからなる内側本体容器であり、射出
成形にて加工した。内側本体容器84の内寸法は40×
40×10mmである。85は内側本体容器84に対す
る内蓋であり、これも半透明なポリプロピレン、厚み1
mmからなる。内蓋85の中央部に大きな窓を有し、長
手方向の渡しとなるように2ヶ所にリブ86が形成さ
れ、内蓋85の表面側中央部には30×30mmの湿度
感受性膜87が配置され、リブ86によって揮散量制御
膜83の容器内部での位置固定と湿度感受性膜87に対
する補強の役目を果たしている。湿度感受性膜87はビ
スコース加工紙を厚さが40μmのポリエチレン、厚さ
が60μmの延伸ポリプロピレン、厚さが40μmのポ
リエチレン上にレーヨン/パルプ不織布を介してビスコ
ース膜を12g/m2の塗布量で形成させたラミネート
構造のものを使用し、湿度感受性膜87の外周部は内蓋
85にポリエチレン側をヒートシールで溶着接合されて
いる。ヒートシール巾は3mmである。内側本体容器8
4と内蓋85は超音波接合によって接合されている。
【0078】88は揮散量制御膜83と内側本体容器8
4と内蓋85とで形成される第一の空間部であり、その
空間容積は約8mlである。89は内側本体容器84が
収納される外側本体容器であり、半透明な厚みが1mm
のポリプロピレンからなり、射出成形にて加工した。外
側本体容器89の内寸法は42×42×12mmであ
る。90は外側本体容器89に対する外蓋であり、これ
も半透明な厚みが1mmのポリプロピレンからなり、外
蓋90の中央部には大きな窓があり、外蓋90の表面側
中央部には35×35mmの水蒸気制御膜91が配置さ
れている。水蒸気制御膜91はマイクロポーラスを有す
る厚みが50μmのポリプロピレンフィルム、平均細孔
径0.3μm、透湿度10000 g/m2/24h
r,25℃である。92は湿度感受性膜87を配した内
蓋85と外側本体容器89と水蒸気制御膜91を配した
外蓋90とで形成される第二の空間部であり、その空間
容積は約3mlである。
【0079】揮散性薬剤徐放部材の徐放機構について説
明する。ポリウレタン連続多孔質体82から揮散したア
リルイソチオシアネート蒸気はまず揮散量制御膜83を
形成するラミネートフィルムで揮散量を抑制されなが
ら、ピロー包装体である揮散量制御膜83と湿度感受性
膜87とで形成される第一の空間部88に至る。たとえ
ば25℃においてアリルイソチオシアネートの蒸気圧は
約5mmHgであるため、揮散量制御膜83の内部はす
ぐに飽和蒸気濃度は最大約6600ppmとなり、第一
の空間部88はそれに対してある程度の濃度勾配を有し
ながら、アリルイソチオシアネート蒸気が充満し、湿度
感受性膜87からの放出量が小さければ、ある程度雰囲
気温度に対する蒸気圧特性まで揮散量が増大し、最終的
には第一の空間部88をほぼ飽和蒸気圧濃度までに達せ
られる。湿度感受性膜87によって低湿度の場合にはア
リルイソチオシアネートの外部への蒸気放出がある程度
抑制されるため、第一の空間部88は飽和蒸気圧濃度に
近い状態のままでずっと維持される。
【0080】しかし湿度が高くなるとアリルイソチオシ
アネート蒸気が湿度感受性膜87を通過して外部へと放
出されやすくなる。湿度感受性膜87は湿度変化によっ
て膜組織が膨潤し、緩んだ構造となり、アリルイソチオ
シアネート分子が透過して外部へと放出されやすくな
る。この放出量分を補充するためにはポリウレタン連続
多孔質体82から揮散したアリルイソチオシアネート蒸
気がさらに揮散量制御膜83を通過して第一の空間部8
8へと充満する必要がある。この時湿度感受性膜87か
ら第二の空間部92、さらに外部へのアリルイソチオシ
アネート放出速度とポリウレタン連続多孔質体82から
揮散したアリルイソチオシアネートが第一の空間部88
へ透過してくるアリルイソチオシアネート揮散速度を比
較すると後者のほうが速いので、アリルイソチオシアネ
ートの放出量が不足することはない。このような薬剤の
透過量を制御する膜を3段階有する揮散性薬剤徐放部材
によって、30℃、相対温度が95%の条件にて湿度感
受性膜から薬剤を50mg/日レベルで継続して放出さ
せることが可能となった。その結果実施例3と同様な洗
濯機に適用した場合、洗濯兼脱水槽および受け槽へのカ
ビ発生を抑止することができた。
【0081】本実施例では、マイクロポーラスフィルム
として平均細孔径0.3μmのポリプロピレンフィルム
を使用したが、本発明で使用できるマイクロポーラスフ
ィルムは平均細孔径0.1〜50μmであり、好ましく
は0.1〜10μmのものであった。透湿性を保つには
水蒸気よりも大きな孔径を、すなわち4Å以上が少なく
とも要求されるが平均細孔径0.1μm以上の孔径であ
ればある程度迅速に水蒸気を透湿させることができた。
また防水性を保つためには非常に小さな霧状の水、すな
わち100μm以下であることが要求されるが平均細孔
径50μm以下の孔径であればある程度の水圧に対して
も十分な防水性を保持させることができ、耐久性におい
ても十分な膜特性を有していた。
【0082】このようなマイクロポーラスフィルムとし
てはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、
ポリテトラフッ化エチレンフィルムを使用することがで
きた。ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム
はヒートシールあるいは超音波によって蓋材に簡単に溶
着させることができるが、ポリテトラフッ化エチレンフ
ィルムの場合にはこれを接着剤によって蓋材に接着させ
る必要があった。またマイクロポーラスフィルムの透湿
量は3000〜15000g/m2/24hr,25℃、好まし
くは8000〜15000g/m2/24hr,25℃
とすることで十分な透湿性と十分な防水性を合わせ持つ
水蒸気制御膜を提供することができた。
【0083】マイクロポーラスを有するポリテトラフッ
化エチレンフィルムは微粒子状のポリテトラフッ化エチ
レンペーストを押し出してフィルム成形した後に含まれ
ている潤滑剤を乾燥除去し、300℃以上で一軸または
二軸に延伸後、さらに高い温度、たとえば370℃で熱
処理することによって製造される。また、マイクロポー
ラスを有するポリプロピレンフィルムあるいはポリエチ
レンフィルムは溶媒抽出法で製造されることが多い。こ
の方法は予め原料樹脂に固形有機物を微分散しておい
て、フィルム状とした後に固形有機物を溶媒で抽出して
マイクロポーラスを作製する方法である。有機物の分散
性をあげるとともに造孔性を高めるために無機微粉末も
添加する方法がさらに有効である。たとえば無機微粉末
として嵩密度の小さな炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライトを使用して
固形有機物でコーティング後に溶媒で固形有機物を抽出
することで微細な孔を均一に造孔することが可能とな
る。この結果平均細孔径0.1〜0.5μm、空孔率5
0〜75%の8000〜15000g/m2/24h
r,25℃程度のマイクロポーラスフィルムを提供する
ことができた。
【0084】実施例では、液体の揮散性薬剤を吸収保持
させる目的の液体吸収体としてポリウレタンの連続多孔
質体を使用したが、本発明で使用できるものはこの限り
ではない。液体の揮散性薬剤を吸収保持して十分に体積
膨張するような材質であれば特に問題はない。また揮散
性薬剤を長期間吸収保持しても連続多孔質体としての原
形形状を維持でき、保持している薬剤が減量するにした
がって徐々に収縮するものが好ましい。
【0085】また本発明は植物精油等からなるものを低
濃度で徐放することを意図しているため、親油性に優れ
たものほうが液体保持率を高くでき、望ましいと思われ
る。具体的には連続多孔質体で物理物性として平均気孔
径10〜100μ、気孔率50〜90%を有していれば
薬剤の液体保持率が体積比で100%以上となり、体積
膨潤率200%以上の効果を得ることができる。傾向と
しては小さな気孔径を多く持っていたほうが体積膨張率
は大きくすることができた。また気孔率は大きいほうが
当然体積膨張率は大きくすることができるが、あまり大
きくすると機械的強度が弱くなりすぎて形状が崩れてく
ることとなった。また連続多孔質体としてはポリウレタ
ンの他にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルア
ルコールなどが使用できるが、樹脂の種類によっても液
体を保持した時の伸び易さが異なる。一番伸び易かった
のはポリウレタン連続多孔質体であった。これらの液体
吸収体は初期に十分な体積膨張をおこし、保持している
薬剤が減量するにしたがって徐々に収縮することによっ
て利用者は揮散性薬剤徐放部材を外部から目視観察する
ことによって薬剤残液量を把握できるので取り替えるべ
き交換時期を認識することができる。また実用で長期間
使用されても連続多孔質体としての原形形状を維持でき
る。
【0086】実施例では、薬剤の揮散量制御膜、揮散量
制御膜としてポリエチレンテレフタレートとポリエチレ
ンとの複合ラミネートフィルムを使用したが、本発明で
使用できるものはこの限りではない。その他にポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタン
フィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを単独もしくは複合してラミネート構造の
フィルムとして使用することも可能である。
【0087】実施例では、専らアリルイソチオシアネー
トを使用したが、本発明で使用できるものはこの限りで
はない。ティーツリー油、ユーカリ油等が使用できる。
また低濃度の揮散量にて抗菌、防カビ効果が得られるよ
うな薬剤であれば本発明の揮散性薬剤徐放部材の薬剤と
して利用可能である。
【0088】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1
記載の発明によれば、パルセータを内低部に回転自在に
配設し、洗濯兼脱水槽を自在に回転させることによって
洗い、すすぎ、脱水等の一連の行程を実施する洗濯機の
洗濯兼脱水槽および受け槽に対して湿度感受性膜を配し
た揮散性薬剤徐放部材によって効果的に薬剤を徐放させ
ながら、気相方式によって防カビを行うことができた。
薬剤は外装表面に設けられた湿度感受性膜で外部環境の
湿度の状態を把握しながら薬剤の放出濃度コントロール
される。湿度が低ければ揮散性薬剤徐放部材から外部へ
と放出される量を抑えることができ、また外部湿度が高
いと薬剤蒸気の透過量が増大して、外部へと放出され
た。
【0089】請求項2記載の発明によれば、洗濯兼脱水
槽を自在に回転させることによって洗い、すすぎ、脱水
等の一連の洗濯行程を実施する洗濯機の洗濯兼脱水槽お
よび受け槽に対して湿度感受性膜を配した揮散性薬剤徐
放部材によって効果的に薬剤を徐放させながら、気相方
式によって防カビを行うことができる。
【0090】請求項3記載の発明によれば、受け槽を弾
性支持している外装体の底面部に底板が配設されること
で、揮散性薬剤の蒸気が底面部から漏れて外装体から外
部へと放出することを防止でき、空気よりも重い薬剤蒸
気は底板付近から徐々に堆積する。また受け槽へと放出
された薬剤蒸気も底面部から堆積して滞留することで十
分な防カビを行うことができる。
【0091】請求項4記載の発明によれば、揮散性の薬
剤は液体吸収体によって吸収保持されることで揮散性薬
剤徐放部材の向きがどのような場合にも対応でき、薬剤
の蒸気揮散量は外装表面に設けられた揮散量制御膜で濃
度コントロールされ、揮散した成分は一定の容積を有す
る空間部へと充満して滞留する。外部湿度が低く、この
空間部から充満した薬剤蒸気が外部へと放出されなけれ
ば、最終的にほぼ飽和蒸気圧濃度状態以下にコントロー
ルされ、揮散性薬剤徐放部材から外部へと放出される量
を抑えることができる。また外部湿度が高いと揮散して
充満していた薬剤蒸気は湿度感受性膜を透過し、外部へ
と放出される。このように揮散性薬剤蒸気の高濃度な空
間部から湿度に応じて低濃度の薬剤蒸気を放出するのに
優れた揮散性薬剤徐放部材を提供できる。また薬剤蒸気
は一旦充満、滞留させる空間部へと揮散させて、その後
さらに外部へと放出させる二次的な徐放拡散方式のた
め、薬剤の液量が次第に減量変化しても液体吸収体の液
面と揮散量制御膜内と空間部とが気液平衡によってコン
トロールされている。したがって揮散量制御膜内部で、
薬剤液量の変化によって生じる最大空間容積よりも揮散
量制御膜と湿度感受性膜とによって形成される空間部の
容積を大きくすることで、揮散性薬剤徐放部材から放出
される薬剤蒸気濃度の経時的な変化量もかなり低減でき
た。
【0092】請求項5記載の発明によれば、液体の薬剤
は固形化または増粘化されることで揮散性薬剤徐放部材
の向きがどのような場合にも対応でき、薬剤の蒸気揮散
量は外装に設けられた揮散量制御膜で濃度コントロール
され、揮散した成分は一定の容積を有する空間部へと充
満して滞留する。外部湿度が低く、この空間部から薬剤
が外部へとさらに放出されなければ、最終的にほぼ飽和
蒸気圧濃度状態以下にコントロールされ、揮散性薬剤徐
放部材から外部へと放出される量を抑えることができ
る。また外部湿度が高いと揮散して充満していた薬剤蒸
気は湿度感受性膜を通過し、外部へと放出される。この
ように揮散性薬剤蒸気の高濃度な空間部から湿度に応じ
て低濃度の薬剤蒸気を放出するのに優れた揮散性薬剤徐
放部材を提供できる。
【0093】また薬剤蒸気は一旦充満、滞留させる空間
部へと揮散させて、その後さらに外部へと放出させる二
次的な徐放拡散方式のため、薬剤の液量が次第に減量変
化しても固形化または増粘化された薬剤の液面と揮散量
制御膜内との空間部とが気液平衡によって濃度コントロ
ールされている。したがって揮散量制御膜内部で、薬剤
液量の変化によって生じる最大空間容積よりも揮散量制
御膜と湿度感受性膜とによって形成される空間部の内容
積を大きくすることで、揮散性薬剤徐放部材から放出さ
れる薬剤蒸気濃度の経時的な変化量もかなり低減でき
る。また液体の薬剤を固形化または増粘化させることで
揮散性薬剤徐放部材が高温に曝された時にも、薬剤への
酸素溶解量を低減でき、その結果として酸化劣化に対す
る耐久性を向上させることができる。
【0094】請求項6記載の発明によれば、水が直接揮
散性薬剤徐放部材に降りかかっても防水性を有する水蒸
気制御膜で保護されているので湿度感受性膜が水で劣化
する問題はない。また高湿度雰囲気下では、水蒸気が水
蒸気制御膜を透過し、内部空間部に滞留するとともに内
部に配置されている湿度感受性膜に湿気を供給すること
で、湿度感受性膜に対する揮散性薬剤の透過量が増大
し、内部に充填されている薬剤は湿度感受性膜と水蒸気
制御膜とを透過して外部へと徐放される。この時揮散性
薬剤はほとんど湿度感受性膜で透過量を制御されてお
り、水蒸気制御膜ではほとんど透過量を制御する機能膜
としては作用していない。
【0095】請求項7記載の発明によれば、揮散性薬剤
を揮散量制御膜でコントロールした後、湿度制御膜と水
蒸気制御膜でコントロールしながら徐放させるので徐放
に対する時間の遅れはあるが、より低濃度の薬剤を徐放
コントロールすることが可能である。
【0096】請求項8記載の発明によれば、アリルイソ
チオシアネート、ティーツリー油、ユーカリ油を薬剤と
することで天然成分を利用した、低濃度による、環境に
やさしい抗菌、防カビ効果を提供できる。
【0097】請求項9記載の発明によれば、ビスコース
加工紙を含んでなるラミネート構造である湿度感受性膜
を使用することで湿度に対して鋭敏な湿度感受性の膜を
提供できる。
【0098】請求項10記載の発明によれば、液体の薬
剤の揮散量を制御する制御膜としてポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタンフィルム、
ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムまたはそれらの複合ラミネートフィルムを使用するこ
とで十分な徐放効果を得ることができる。
【0099】請求項11記載の発明によれば、連続多孔
質体の物理物性として平均気孔径10〜100μm、気
孔率50〜90%とすることによって、薬剤の液体保持
率が体積比で100%以上となり、十分な体積膨潤効果
を得ることができた。そのことで薬剤が揮散して減量化
してきたときには液量の変化を目視観察にて簡単に確認
とすることができる。
【0100】請求項12記載の発明によれば、液体吸収
体をポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンまた
はポリビニルアルコールの連続多孔質体とすることで連
続多孔質体が十分な液体保持能力を保証することがで
き、部材の配置または向きが変化しても実用上問題とな
ることはない。また実用で長期間使用されても連続多孔
質体の原形形状を維持できるとともに、薬剤の残液量変
化にともなって次第に収縮するので利用者は簡単に薬剤
の残液量を目視確認できる。
【0101】請求項13記載の発明によれば、液体薬剤
を固形化または増粘化させるための固形高分子材料とし
てセルロースエチルエーテルあるいはポリビニルブチラ
ールを使用することで高分子材料からの不快感を催すよ
うな嫌な臭気発生もなく、揮散性薬剤の効用を長期間に
わたって継続させることができる。またセルロースエチ
ルエーテルの重量平均分子量を10万以上の分子量とし
た場合、液体薬剤を固形化または増粘化させる効果を十
分に引き出すことができる。またポリビニルブチラール
の重量平均分子量は10万以上の分子量であり、分子中
の水酸基mol%が25以下、分子中のブチラール化度
mol%が70以上とすることで、液体薬剤を固形化ま
たは増粘化させる効果を十分に引き出すことができる。
さらにセルロースエチルエーテルあるいはポリビニルブ
チラールと、液体薬剤とを混合することで薬剤の酸化防
止効果も得られ、酸化防止剤を不要あるいは減量化する
ことができる。
【0102】請求項14記載の発明によれば、水蒸気制
御膜を平均細孔径0.1〜50μmのマイクロポーラス
フィルムとすることで十分な防水性を得ることができる
とともに湿度は水蒸気制御膜を迅速に通過するので、部
材外部の環境変化に対しても湿度感受性膜が対応して内
部の揮散性薬剤を有効に徐放できる。
【0103】請求項15記載の発明によれば、マイクロ
ポーラスフィルムをポリテトラフッ化エチレンフィルム
かポリオレフィン系フィルムとすることで十分な防水性
を長期的な耐久性も加味しながら有する内部の揮散性薬
剤を有効に徐放できる。
【0104】請求項16記載の発明によれば、マイクロ
ポーラスフィルムの透湿量を3000〜15000g/
2/24hr,25℃とすることで、揮散性薬剤徐放
部材外部の環境変化に対しても水蒸気制御膜を迅速に対
応させることができる。
【0105】請求項17記載の発明によれば、薬剤の放
出量が30℃、相対湿度95%で20〜200mg/日
であれば、薬剤の種類にもよるが人間の閾値と対比して
も同等かそれ以下のレベルで徐放することで薬剤の目的
効果を得ることができるので、利用者にも好印象を与え
ることができる。
【0106】請求項18記載の発明によれば、薬剤の放
出量が30℃、相対湿度が30%で10mg/日以下で
あれば、低湿度条件での無駄な薬剤の放出を抑制するこ
とができるので、取り替え交換期間を長期にすることが
できる。
【0107】請求項19記載の発明によれば、揮散性薬
剤徐放部材の湿度感受性膜面を下方向あるいは横方向と
なるように配置することで、揮散性薬剤徐放部材から揮
散した薬剤蒸気を受け槽および洗濯兼脱水槽へと効果的
に気相拡散させることができる。
【0108】請求項20記載の発明は、内部に揮散性薬
剤が充填されていて環境の湿度の変化によって前記揮散
性薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜を外装面に配置
する構成とした揮散性薬剤徐放部材を備えた洗濯機であ
る。本発明によれば、洗濯機の防カビをすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の揮散性薬剤徐放部材の上面外観図
【図2】図1における揮散性薬剤徐放部材のA−A'線
側面断面構成図
【図3】実施例1で使用した洗濯機の縦断面図
【図4】実施例1で使用した洗濯機のブロック回路図
【図5】実施例1で使用した洗濯機の動作フローチャー
【図6】実施例2で使用した洗濯機の縦断面図
【図7】実施例1で使用した洗濯機の斜視図
【図8】実施例2で使用した洗濯機の斜視図
【図9】実施例3の揮散性薬剤徐放部材の上面外観図
【図10】図9における揮散性薬剤徐放部材のB−B’
線側面断面構成図
【図11】実施例3で使用した洗濯機の洗濯兼脱水槽を
回転させたときの動作を示す縦断面図
【図12】実施例3で使用した洗濯機の動作フローチャ
ート
【図13】実施例4で使用した洗濯機の洗濯兼脱水槽を
回転したときの動作を示す縦断面図
【図14】実施例4で使用した洗濯機の動作フローチャ
ート
【図15】実施例4の揮散性薬剤徐放部材の上面外観図
【図16】図15における揮散性薬剤徐放部材のC−
C’線側面断面構成図
【図17】実施例5の揮散性薬剤徐放部材の上面外観図
【図18】図17における揮散性薬剤徐放部材のD−
D’線側面断面構成図
【図19】実施例6の揮散制薬剤徐放部材の上面外観図
【図20】図19における揮散制薬剤徐放部材のE−
E’線側面断面構成図
【符号の説明】
1,82 ポリウレタン連続多孔質体、 2,35,66,83 揮散量制御膜 3,36 本体容器 4,37,68 蓋 5,69,75,86 リブ 6,39,76 湿度感受性膜 7,40,71 空間部 13,45 洗濯兼脱水槽 33,64 揮散性薬剤徐放部材 34,65,72 タブレット 77,88 第一の空間部 80,91 水蒸気制御膜 81,92 第二の空間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 志保 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3B155 AA15 BA02 CA05 CA16 CB06 CB38 DA02 MA01 MA02 MA09

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルセータを内底部に回転自在に配設し
    た洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽を回転自在に収容
    した受け槽と、前記パルセータまたは前記洗濯兼脱水槽
    を回転駆動する駆動手段と、洗い、すすぎ、脱水等の一
    連の行程を制御する制御手段と、前記受け槽および前記
    洗濯兼脱水槽の防カビをする揮散性薬剤徐放部材とを備
    え、前記揮散性薬剤徐放部材は、内部に揮散性薬剤が充
    填されていて環境の湿度の変化によって前記揮散性薬剤
    の透過量が変化する湿度感受性膜を外装面に配置する構
    成としたことを特徴とする洗濯機。
  2. 【請求項2】 洗濯物を収容する洗濯兼脱水槽と、この
    洗濯兼脱水槽を回転自在に収容した受け槽と、前記洗濯
    兼脱水槽を回転駆動する駆動手段と、洗い、すすぎ、脱
    水等の一連の行程を制御する制御手段と、前記受け槽お
    よび洗濯兼脱水槽の防カビをする揮散性薬剤徐放部材と
    を備え、前記揮散性薬剤徐放部材は、内部に揮散性薬剤
    が充填されていて、環境の湿度の変化によって前記揮散
    性薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜を外装面に配置
    する構成としたことを特徴とする洗濯機。
  3. 【請求項3】 受け槽を弾性支持している外装体の底面
    部に底板が配設され、揮散性薬剤の蒸気が外装体内部に
    滞留できる構成としたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の洗濯機。
  4. 【請求項4】 揮散性薬剤徐放部材は、揮散性薬剤を吸
    収保持する液体吸収体と、前記液体吸収体を外装する前
    記揮散性薬剤の揮散量を制御する揮散量制御膜と、湿度
    の変化によって前記揮散性薬剤の透過量が変化する湿度
    感受性膜とを具備し、前記揮散量制御膜と前記湿度感受
    性膜との間に揮散した前記揮散性薬剤の蒸気が滞留する
    ための空間部を設ける構成としたことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の洗濯機。
  5. 【請求項5】 揮散性薬剤徐放部材は、液体の揮散性薬
    剤を固形化または増粘化された状態で、充填されていて
    前記揮散性薬剤の揮散量を制御する揮散量制御膜にて外
    装し、前記揮散量制御膜の外装に湿度の変化によって前
    記揮散性薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜を具備
    し、前記揮散量制御膜と前記湿度感受性膜との間に揮散
    した前記揮散性薬剤の蒸気が滞留するための空間部を設
    ける構成としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の洗濯機。
  6. 【請求項6】 揮散性薬剤徐放部材は、揮散性薬剤を湿
    度の変化によって前記揮散性薬剤の透過量が変化する湿
    度感受性膜を内部に配置し、前記湿度感受性膜の外装に
    防水性を有する水蒸気制御膜を具備し、前記湿度感受性
    膜と前記水蒸気制御膜との間に前記湿度感受性膜を透過
    した薬剤蒸気と前記水蒸気制御膜を透過した水蒸気とが
    滞留するための空間部を設ける構成としたことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯機。
  7. 【請求項7】 揮散性薬剤徐放部材は、揮散性薬剤を前
    記揮散性薬剤の揮散量を制御する揮散量制御膜を内部に
    配置し、前記揮散量制御膜の外装に湿度の変化によって
    前記揮散性薬剤の透過量が変化する湿度感受性膜を具備
    し、さらに前記湿度感受性膜の外装に防水性を有する水
    蒸気制御膜を備え、前記揮散量制御膜と前記湿度感受性
    膜との間に揮散した前記揮散性薬剤の蒸気が滞留するた
    めの第一の空間部を設け、前記湿度感受性膜と前記水蒸
    気制御膜との間に前記湿度感受性膜を透過した薬剤の蒸
    気と前記水蒸気制御膜を透過した水蒸気とが滞留するた
    めの第二の空間部を設ける構成としたことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯機。
  8. 【請求項8】 揮散性薬剤は、アリルイソチオシアネー
    ト、ティーツリー油、ユーカリ油のなかから選ばれた薬
    剤としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記
    載の洗濯機。
  9. 【請求項9】 湿度感受性膜は、表面にビスコース加工
    紙を含んでなるラミネート構成としたことを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載の洗濯機。
  10. 【請求項10】 揮散量制御膜は、ポリエチレンフィル
    ム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタンフィルム、
    ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィル
    ム及びそれらの複合ラミネートフィルムのなかから選ば
    れたフイルムとしたことを特徴とする請求項4,5,7
    のいずれかに記載の洗濯機。
  11. 【請求項11】 液体吸収体となる連続多孔質体の平均
    気孔径は、10〜100μm、気孔率は50〜90%と
    したことを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
  12. 【請求項12】 液体吸収体は、ポリウレタン、ポリプ
    ロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールのなか
    から選ばれた連続多孔質体としたことを特徴とする請求
    項4または11のいずれかに記載の洗濯機。
  13. 【請求項13】 液体の揮散性薬剤を固形化または増粘
    化させるための固形高分子材料は、セルロースエチルエ
    ーテルあるいはポリビニルブチラールとしたことを特徴
    とする請求項5に記載の洗濯機。
  14. 【請求項14】 水蒸気制御膜は、平均細孔径が0.1
    〜50μmのマイクロポーラスフィルムとしたことを特
    徴とする請求項6または7のいずれかに記載の洗濯機。
  15. 【請求項15】 マイクロポーラスフィルムは、ポリテ
    トラフッ化エチレンフィルムかポリオレフィン系フィル
    ムとしたことを特徴とする請求項14に記載の洗濯機。
  16. 【請求項16】 マイクロポーラスフィルムの透湿量
    は、3000〜15000g/m2/24hr,25℃と
    したことを特徴とする請求項14または15のいずれか
    に記載の洗濯機。
  17. 【請求項17】 揮散性薬剤の放出量は、30℃、相対
    湿度95%で20〜100mg/日としたことを特徴と
    する請求項1〜16のいずれかに記載の洗濯機。
  18. 【請求項18】 揮散性薬剤の放出量は、30℃、相対
    湿度30%で10mg/日以下としたことを特徴とする
    請求項1〜17のいずれかに記載の洗濯機。
  19. 【請求項19】 揮散性薬剤徐放部材の湿度感受性膜の
    面を下方向あるいは横方向となるように配置したことを
    特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の洗濯機。
  20. 【請求項20】 内部に揮散性薬剤が充填されていて環
    境の湿度の変化によって前記揮散性薬剤の透過量が変化
    する湿度感受性膜を外装面に配置する構成とした揮散性
    薬剤徐放部材を備えることを特徴とする洗濯機。
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