JP2003306774A - プラズマ放電処理装置 - Google Patents

プラズマ放電処理装置

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JP2003306774A
JP2003306774A JP2002116085A JP2002116085A JP2003306774A JP 2003306774 A JP2003306774 A JP 2003306774A JP 2002116085 A JP2002116085 A JP 2002116085A JP 2002116085 A JP2002116085 A JP 2002116085A JP 2003306774 A JP2003306774 A JP 2003306774A
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Japan
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plasma discharge
base material
gas
treatment
inert gas
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JP2002116085A
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Takeshi Tanaka
武志 田中
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄処理、製膜処理、エッチング処理の一連
の表面処理を効率良く行うことができ、また、膜厚ムラ
のない均一な薄膜を形成することができるプラズマ放電
処理装置を提供すること。 【解決手段】 プラズマ放電処理装置1は、ガス供給手
段と、ガス供給手段によって供給された不活性ガスを大
気圧または大気圧近傍の圧力の下で電圧を印加して励起
不活性ガスを発生させ、反応性ガスをプラズマ化し、プ
ラズマ化した反応性ガスまたは励起不活性ガスを基材L
に接触させることによって基材Lの表面処理を行うプラ
ズマ放電処理手段4とを備えている。プラズマ放電処理
手段4は、励起不活性ガスを基材Lに接触させることに
よって洗浄を行う洗浄処理と、励起不活性ガスおよびプ
ラズマ化した反応性ガスを基材Lに接触させることによ
って製膜する製膜処理と、励起不活性ガスを基材Lに接
触させることによってエッチングを行うエッチング処理
とを、選択的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面の洗浄処
理、製膜処理、エッチング処理を行うことのできるプラ
ズマ放電処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、LSI、半導体素子、液晶表
示デバイス等の各種製品には、基材上に電極膜、誘電体
保護膜、反射防止膜等の高機能性の薄膜を設けた材料が
多数用いられている。このような高機能性の薄膜の形成
方法としては、例えば、塗布に代表される湿式製膜法
や、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法等に代表される真空を用いた乾式製膜法が知られ
ている。また、近年では、大気圧あるいは大気圧近傍の
圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、電極間
に配置した基材などの表面に薄膜を形成する大気圧プラ
ズマ法(特開平11−133205号、特開2000−
185362号、特開平11−61406号、特開20
00−147209号、特開2000−121804号
等に開示)が知られている。
【0003】ところで、上述したように大気圧プラズマ
法によって形成される光学薄膜は、例えば、製膜する前
の基材表面に異物が付着していた場合に、これが原因と
なって製膜後、膜厚ムラが生じることがあるので、薄膜
を形成するための設備のクリーン度を高めたり、製膜す
る前に基材表面の洗浄を行っている。そして、洗浄処理
した後に製膜処理を行い、製膜された薄膜を所定の膜厚
となるようにエッチング処理を行うことがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら洗浄処
理、製膜処理、エッチング処理は、それぞれ異なる装置
で行っていたので、作業が繁雑となりこれら一連の表面
処理を効率良く行うことができなかった。また、洗浄処
理後の基材表面に製膜処理をすぐに行うことができず、
製膜処理前に基材表面に再び異物等が付着することがあ
り、膜厚ムラのない均一な薄膜を形成することが困難で
あった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、洗浄処理、製膜処理、エッチング処理の一連の表面
処理を効率良く行うことができ、また、膜厚ムラのない
均一な薄膜を形成することができるプラズマ放電処理装
置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、複数種類の反応性ガスおよび不
活性ガスを供給するガス供給手段と、ガス供給手段によ
って供給された不活性ガスを大気圧または大気圧近傍の
圧力の下で電圧を印加して励起不活性ガスを発生させ、
前記反応性ガスをプラズマ化し、前記プラズマ化した反
応性ガスまたは励起不活性ガスを基材に接触させること
によって基材の表面処理を行うプラズマ放電処理手段
と、を備えたプラズマ放電処理装置であって、前記プラ
ズマ放電処理手段は、前記励起不活性ガスを基材に接触
させることによって基材表面の洗浄を行う洗浄処理と、
前記励起不活性ガスおよび前記プラズマ化した反応性ガ
スを基材に接触させることによって基材表面に製膜する
製膜処理と、前記励起不活性ガスを基材に接触させるこ
とによって基材表面のエッチングを行うエッチング処理
とを、選択的に行うことを特徴とする。
【0007】請求項1の発明によれば、前記プラズマ放
電処理手段が、洗浄処理と製膜処理とエッチング処理と
を選択的に行うことによって、1つのプラズマ放電処理
手段で洗浄処理、製膜処理、エッチング処理を連続的に
行うことが可能となり、効率が良い。また、洗浄処理後
にすぐに製膜処理が行われ、製膜処理前の基材表面に再
び異物等が付着することなく、膜厚ムラのない均一な薄
膜を形成することができる。さらに、洗浄処理を行う装
置、製膜処理を行う装置、エッチング処理を行う装置を
個別に設ける必要がなく、設備の小型化を図ることがで
きる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載のプラズ
マ放電処理装置において、前記基材は、枚葉状であるこ
とを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項2記載のプラズ
マ放電処理装置において、前記基材を、前記プラズマ放
電処理手段に対して往復移動させる移動手段を備え、前
記基材は、前記移動手段による往路または復路で、洗浄
処理、製膜処理、エッチング処理のうちのいずれかが行
われることを特徴とする。
【0010】請求項2、3の発明によれば、請求項1と
同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記移
動手段によって、基材をプラズマ放電処理手段に対して
往復移動を繰り返すことにより、複数層を有する薄膜を
容易に形成することができる。
【0011】請求項4の発明は、複数種類の反応性ガス
および不活性ガスを供給するガス供給手段と、複数のプ
ラズマ放電処理手段とを備えたプラズマ放電処理装置で
あって、前記複数のプラズマ放電処理手段はそれぞれ、
前記ガス供給手段によって供給された不活性ガスを大気
圧または大気圧近傍の圧力の下で電圧を印加して発生さ
せた励起不活性ガスを、基材に接触させることによって
基材表面を洗浄処理する少なくとも一の洗浄処理手段、
前記励起不活性ガス、および、前記ガス供給手段によっ
て供給された反応性ガスを大気圧または大気圧近傍の圧
力の下で電圧を印加してプラズマ化した反応性ガスを、
基材に接触させることによって基材表面を製膜処理する
少なくとも一の製膜処理手段、前記励起不活性ガスを基
材に接触させることによって基材表面をエッチング処理
する少なくとも一のエッチング処理手段であり、前記複
数のプラズマ放電処理手段は、互いに直列に配置されて
いることを特徴とする。
【0012】請求項4の発明によれば、少なくとも一の
洗浄処理手段、少なくとも一の製膜処理手段、少なくと
も一のエッチング処理手段が互いに直列に配置された1
つのラインで洗浄処理、製膜処理、エッチング処理を連
続的に行うことが可能となり、効率が良い。また、洗浄
処理後にすぐに製膜処理が行われ、製膜処理前の基材表
面に再び異物等が付着することなく、膜厚ムラのない均
一な薄膜を形成することができる。さらに、洗浄処理手
段、製膜処理手段、エッチング処理手段の数を適宜変更
することによって、複数の製膜条件に対し対応が可能と
なり、多品種の薄膜を形成することができるとともに、
品種切り替えの効率化を図れる。
【0013】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かに記載のプラズマ放電処理装置において、前記ガス供
給手段は、洗浄処理、製膜処理、エッチング処理にそれ
ぞれ応じた前記反応性ガスや不活性ガスを、前記プラズ
マ放電処理手段に選択的に供給することを特徴とする。
【0014】請求項5の発明によれば、請求項1〜4の
いずれかと同様の効果を得ることができるのは勿論のこ
と、前記反応性ガスや不活性ガスをプラズマ放電処理手
段に選択的に供給することによって、複数種の処理に対
しフレキシブルに対応でき、効率良く基材表面に製膜を
行うことができる。
【0015】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載のプラズマ放電処理装置において、前記基材
は、前記プラズマ放電処理手段によって、洗浄処理、製
膜処理、エッチング処理の順に処理されることを特徴と
する。
【0016】請求項6の発明によれば、請求項1〜5の
いずれかと同様の効果を得ることができるのは勿論のこ
と、前記基材は、洗浄処理、製膜処理、エッチング処理
の順に処理されるので、基材表面に膜厚ムラのない均一
な薄膜を形成することができる。
【0017】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
かに記載のプラズマ放電処理装置において、前記基材表
面を観察する表面観察手段と、前記基材表面に製膜され
た薄膜の膜厚を計測する膜厚計測手段とを備えているこ
とを特徴とする。
【0018】請求項7の発明によれば、請求項1〜6の
いずれかと同様の効果を得ることができるのは勿論のこ
と、前記表面観察手段により基材表面を観察することに
よって、基材表面の洗浄が確実に行われているかを確認
することができ、膜厚ムラのない薄膜を形成することが
できる。また、前記膜厚計測手段によって基材表面の薄
膜の膜厚を計測することによって、膜厚が薄ければ再び
製膜処理を行い、厚ければエッチング処理を行うことが
でき、均一な膜厚を有する薄膜を確実に形成することが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1および第2の
実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は
これに限定されない。また、以下の説明には用語等に対
する断定的な表現が含まれている場合があるが、本発明
の好ましい例を示すものであって、本発明の用語の意義
や技術的な範囲を限定するものではない。
【0020】本発明の第1の実施の形態のプラズマ放電
処理装置は、基材表面の洗浄処理、製膜処理、エッチン
グ処理を行うことを可能とする装置である。すなわち、
後述する1つのプラズマ放電処理手段において洗浄処
理、製膜処理、エッチング処理が選択的に行われる。本
発明で用いられる基材としては、後述する移動手段(下
側平板電極)に装着できる枚葉状のものであれば良く、
例えば、シート状、レンズ形状や球状などの厚みを有す
るような形状の基材に表面処理を行うことができる。な
お、ここではレンズ状とする。本発明のプラズマ放電処
理装置で処理される基材の材質は特に限定はないが、セ
ルローストリアセテート等のセルロースエステル基体、
ポリエステル基体、ポリカーボネート基体、ポリスチレ
ン基体、ポリオレフィン基体、等が挙げられる。
【0021】具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジ
アセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート
フタレート、セルローストリアセテート、セルロースナ
イトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導
体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチ
レンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチ
レン系、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメ
チルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリ
エーテルスルホン、ポリスルホン系、ポリエーテルケト
ンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメ
チルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート
等を挙げることができる。これらの素材は単独であるい
は適宜混合されて使用することもできる。中でもゼオネ
ックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成
ゴム(株)製)などの市販品を使用することができる。
基材の用途としては、半導体素子や光学素子など挙げら
れる。ここで光学素子とは、例えばレンズ、光ファイバ
ー、その他液晶表示装置や光学製品における光関連の部
品である。
【0022】また、これら基材の表面に、本発明のプラ
ズマ放電処理装置により形成することのできる薄膜とし
ては、電極膜、誘電体保護膜、半導体膜、透明導電膜、
エレクトロクロミック膜、蛍光膜、超伝導膜、誘電体
膜、太陽電池膜、反射防止膜、耐摩耗性膜、光学干渉
膜、反射膜、帯電防止膜、導電膜、防汚膜、ハードコー
ト膜、下引き膜、バリア膜、電磁波遮蔽膜、赤外線遮蔽
膜、紫外線吸収膜、潤滑膜、形状記憶膜、磁気記録膜、
発光素子膜、生体適合膜、耐食性膜、触媒膜、ガスセン
サ膜、装飾膜などである。
【0023】図1は、本発明の第1の実施の形態を示す
ためのもので、プラズマ放電処理装置の全体構成を示す
概略図、図2は、プラズマ放電処理手段の構成を示す概
略図である。まず、構成を説明する。図1に示すよう
に、プラズマ放電処理装置1は、その基本構成として、
複数のガス供給部2,…、ガス混合切り替え器3、プラ
ズマ放電処理手段4、移動手段(後述する下側平板電極
7b)、制御手段10(図3参照)等を備えている。
【0024】ガス供給部2には、複数種類の反応性ガス
や不活性ガスが各ガス毎に充填されている。そして、こ
れらガス供給部2,…は、ガス混合切り替え器3に連結
されている。また、ガス切り替え器3には、常温常圧で
液体または固体の反応性ガスを気化する気化装置5など
の手段が連結されている。ガス混合切り替え器3は、連
結された各ガス供給部2,…から、制御手段10によっ
て選択された所定のガスをプラズマ放電処理手段4に供
給する。なお、反応性ガスが液体または固体の場合に
は、気化装置5によりガスにした後、ガス混合切り替え
器3に送られる。そして、これらガス供給部2,…とガ
ス混合切り替え器3とによってガス供給手段が構成され
ている。
【0025】本発明に用いられる反応性ガスとして、好
ましくは、有機フッ素化合物、金属化合物を挙げること
が出来る。有機フッ素化合物を用いることにより反射防
止層等に有用な低屈折率層や防汚層を形成することがで
きる。金属化合物では、低屈折率層、中屈折率層、高屈
折率層や、ガスバリア層、帯電防止層、透明導電層を形
成することができる。有機フッ素化合物としては、フッ
化炭素やフッ化炭化水素等のガスが好ましく、例えば、
フッ化メタン、フッ化エタン、テトラフルオロメタン、
ヘキサフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオ
ロエチレン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロ
プロパン、ヘキサフルオロプロペン、6−フッ化プロピ
レン等のフッ化炭素化合物;1,1−ジフルオロエチレ
ン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,
2,2,3−ペンタフルオロプロパン等のフッ化炭化水
素化合物;ジフルオロジクロロメタン、トリフルオロク
ロロメタン等のフッ化塩化炭化水素化合物;1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、
1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、パーフルオロ
ブタノール等のフッ化アルコール;ビニルトリフルオロ
アセテート、1,1,1−トリフルオロエチルトリフル
オロアセテート等のフッ化カルボン酸エステル;アセチ
ルフルオライド、ヘキサフルオロアセトン、1,1,1
−トリフルオロアセトン等のフッ化ケトン等を挙げるこ
とが出来るが、これらに限定されない。
【0026】有機フッ素化合物は、プラズマ放電処理に
よって腐食性ガスあるいは有害ガスが発生しないような
化合物を選ぶのが好ましいが、それらが発生しない条件
を選ぶことも出来る。有機フッ素化合物を本発明に有用
な反応性ガスとして使用する場合、常温常圧で有機フッ
素化合物が気体であることが目的を遂行するのに最も適
切な反応性ガス成分としてそのまま使用でき好ましい。
これに対して常温常圧で液体または固体の有機フッ素化
合物の場合には、図1に示すように、加熱や減圧等の気
化装置5などの手段を設けることによって気化して使用
すればよく、また適切な有機溶媒に溶解して噴霧あるい
は蒸発させて用いてもよい。
【0027】金属化合物としては、Al、As、Au、
B、Bi、Ca、Cd、Cr、Co、Cu、Fe、G
a、Ge、Hg、In、Li、Mg、Mn、Mo、N
a、Ni、Pb、Pt、Rh、Sb、Se、Si、S
n、Ti、V、W、Y、ZnまたはZr等の金属化合物
または有機金属化合物を挙げることができ、Al、G
e、In、Sb、Si、Sn、Ti、W、ZnまたはZ
rが金属化合物として好ましく用いられるが、特に、珪
素化合物、チタン化合物、錫化合物、亜鉛化合物、イン
ジウム化合物、アルミ化合物、銅化合物、銀化合物が好
ましい。
【0028】これらのうち珪素化合物としては、例え
ば、ジメチルシラン、テトラメチルシラン、テトラエチ
ルシラン等のアルキルシラン;テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン等の珪素アルコキシド等の有機
珪素化合物;モノシラン、ジシラン等の珪素水素化合
物;ジクロルシラン、トリクロロシラン、テトラクロロ
シラン等のハロゲン化珪素化合物;その他オルガノシラ
ン等を挙げることが出来、何れも好ましく用いることが
出来る。また、これらは適宜組み合わせて用いることが
出来る。上記の珪素化合物は、取り扱い上の観点から珪
素アルコキシド、アルキルシラン、珪素水素化合物が好
ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れ
なども少ないことから、特に有機珪素化合物として珪素
アルコキシドが好ましい。
【0029】チタン化合物、錫化合物、亜鉛化合物、イ
ンジウム化合物、アルミ化合物、銅化合物、銀化合物と
しては、有機金属化合物、ハロゲン化金属化合物、金属
水素化合物、金属アルコキシド化合物が好ましい。有機
金属化合物の有機成分としてはアルキル基、アルコキシ
ド基、アミノ基が好ましく、テトラエトキシチタン、テ
トライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テ
トラジメチルアミノチタン等を好ましく挙げることが出
来る。有機チタン化合物、有機錫化合物、有機亜鉛化合
物、有機インジウム化合物、有機アルミ化合物、有機銅
化合物、有機銀化合物は、中屈折率層や高屈折率層を形
成するのに非常に有用である。ハロゲン化金属化合物と
しては、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタン等
を挙げることができ、更に金属水素化合物としては、モ
ノチタン、ジチタン等を挙げることができる。本発明に
おいては、チタン系の有機金属化合物を好ましく用いる
ことができる。
【0030】また、常温常圧で液体または固体の金属化
合物の場合、有機フッ素化合物と同様に図1に示すよう
に、加熱や減圧等の気化装置5などの手段を設けること
によって気化して使用すればよく、また適切な有機溶媒
に溶解して噴霧加熱あるいは蒸発させて用いてもよい。
【0031】本発明に用いられる不活性ガスとしては、
He、Ar等の希ガスが好ましく用いられるが、Heと
Arを混合した希ガスも好ましく、気体中に占める不活
性ガスの割合は、90体積%〜99.9体積%であるこ
とが好ましい。大気圧プラズマを効率よく発生させると
いう点から不活性ガス中のArガス成分を多くするのも
好ましいが、コスト的な観点からもArガス成分を90
体積%〜99.9体積%を用いるのが好ましい。なお、
不活性ガスには水素ガスや酸素ガスを不活性ガスに対し
て0.1体積%〜10体積%混合させて使用してもよ
く、このように補助的に使用することにより薄膜の硬度
を著しく向上させることが出来る。
【0032】プラズマ放電処理手段4は、励起不活性ガ
スを基材Lに接触させることによって基材表面の洗浄を
行う洗浄処理と、励起不活性ガスおよびプラズマ化した
反応性ガスを基材Lに接触させることによって基材表面
に製膜する製膜処理と、励起不活性ガスおよび酸素を基
材Lに接触させることによって基材表面のエッチングを
行うエッチング処理とを、選択的に行うように制御手段
10によって制御されている。すなわち、これら洗浄処
理、製膜処理、エッチング処理は、基材表面に接触させ
るガスの種類の違いによって異なる処理である。
【0033】また、図2に示すように、プラズマ放電処
理手段4は、電源6と、電源6に接続した電極7と、ガ
ス流路部8、ノズル8b等から概略構成されている。
【0034】電極7は、略矩形状の二枚の平板電極7a,
7bが用いられており、これら平板電極7a,7bが上下に
対向して配置されている(以下、二枚の平板電極7a,7
bのうちの上側の電極を「上側平板電極7a」、下側の電
極を「下側平板電極7b」と言う)。なお、電極7内部
は中空に形成されており、放電中は水や温水などによっ
て冷却あるいは保温できるようになっている。
【0035】上側平板電極7aに印加する電圧の周波数
は、800kHz〜13.56MHzであることが好ま
しい。電源6としては、例えば、パール工業製高周波電
源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.5
6MHz)等を使用することができる。
【0036】下側平板電極7bは、アースに接地されて
おり、基材Lをその表面に装着し、かつ、基材Lを、後
述するノズル8bによるガス噴出位置に対して前後方向
に往復移動可能な前記移動手段とされている。したがっ
て、基材Lは、移動手段(下側平板電極7b)による往
路または復路で、洗浄処理、製膜処理、エッチング処理
のいずれかが行われる。例えば、洗浄処理、製膜処理、
エッチング処理をこの順序で1回ずつ行う場合には、基
材Lをガス噴出位置に対して、基材Lの一端部から他端
部へ基材Lを移動させることによって洗浄処理が行わ
れ、基材Lを該基材Lの他端部から一端部まで移動させ
ることによって製膜処理が行われ、基材Lを該基材Lの
一端部から他端部まで移動させることによってエッチン
グ処理が行われる。
【0037】また、図示は省略するが、平板電極7a,7
bの対向する面(内面)であって、これら平板電極7a,
7bのうち少なくとも一方の平板電極7a,7bは誘電体で
被覆されている。この誘電体は、例えば、Al23セラ
ミックスを溶射後、アルコキシシランで封孔処理したも
のである。電極7の材料には、銀、白金、ステンレス、
アルミニウム、鉄、チタン等の金属を用いることができ
る。ステンレスは加工し易く好ましく用いることができ
る。誘電体としては、ケイ酸塩系ガラス・ホウ酸塩系ガ
ラス・リン酸塩系ガラス・ゲルマン酸塩系ガラス・亜テ
ルル酸塩ガラス・アルミン酸塩ガラス・バナジン酸塩ガ
ラス等を用いることが出来る。この中でもホウ酸塩系ガ
ラスが加工し易い。また、気密性の高い高耐熱性のセラ
ミックスを焼結したセラミックスを用いることも好まし
い。セラミックスの材質としては例えばアルミナ系、ジ
ルコニア系、窒化珪素系、炭化珪素系のセラミックスが
挙げられるが、中でもアルミナ系のセラミックスが好ま
しく、アルミナ系のセラミックスの中でも特にAl23
を用いるのが好ましい。アルミナ系のセラミックスの厚
みは1mm程度が好ましく、体積固有抵抗は108Ω・
cm以上が好ましい。
【0038】セラミックスは、無機質材料で封孔処理さ
れているのが好ましく、これにより電極7の耐久性を向
上させることができる。封孔処理はセラミックスに封孔
剤である金属アルコキシドを主原料とするゾルをセラミ
ックス上に塗布した後に、ゲル化させて硬化させること
で、強固な3次元結合を形成させ均一な構造を有する金
属酸化物によって、セラミックスの封孔処理をすること
ができる。また、ゾルゲル反応を促進するためにエネル
ギー処理を行うことが好ましい。ゾルにエネルギー処理
をすることによって、金属−酸素−金属の3次元結合を
促進することができる。エネルギー処理には、プラズマ
処理や、200℃以下の加熱処理、UV処理が好まし
い。
【0039】ガス流路部8は、上側平板電極7aに隣接
して設けられている。このガス流路部8は、反応性ガス
や不活性ガスを送給するためのものであり、ガス流路部
8の上部にはガス給気口8aが設けられている。そし
て、このガス給気口8aはガス混合切り替え器3に連結
しており、ガス混合切り替え器3からガス流路部8内に
所定の反応性ガスや不活性ガスが供給されるようになっ
ている。
【0040】ガス流路部8の下部には、送給された所定
の反応性ガスや不活性ガスを二枚の平板電極7a,7b間
に放出するためのノズル8bが設けられている。ノズル
8bから供給された反応性ガスや不活性ガスは、二枚の
平板電極7a,7b間で下側平板電極7b上に装着された基
材Lに接触することによって基材Lの表面処理が行われ
る。
【0041】また、図示しないが上側平板電極7aに隣
接して、基材Lの表面に噴出したガスを吸引する吸引手
段を設けるようにしても良い。
【0042】さらに、基材Lの表面状態を観察する表面
観察装置(図示しない)や、製膜された基材Lの薄膜の
膜厚を測定する膜厚測定装置(図示しない)が、基材L
の表面近傍に設置されている。表面観察装置は、例え
ば、基材Lの表面状態を観察するためのモニタであり、
洗浄処理後の基材表面を観察し、基材表面に有機物やガ
ス等の異物が付着している場合には、再度洗浄処理を行
うように制御手段10が制御している。
【0043】膜厚測定装置は、製膜処理後の基材Lに対
して、膜厚を測定し、所定の膜厚となった際にはその状
態を維持し、膜厚が所定の厚さより厚い場合にはエッチ
ング処理を行い、薄い場合にはさらに製膜処理を行うよ
うに制御手段10が制御している。なお、膜厚精度が厳
しく製膜条件のみで所定の膜厚とするのが難しい際に
は、予め膜厚を厚く形成しておき、エッチング処理によ
って所定の膜厚を有する薄膜を形成するようにする。
【0044】さらに、基材表面に付着した無機質的な繊
維等の異物を除去するために、例えば、基材Lの表面近
傍にクリーナーと除電器とからなるクリーナー除電器9
(図1参照)等を設置し、製膜処理を行う前にクリーナ
ー除電器9によって洗浄するようにしても良い。クリー
ナーは、超高速エアー吹きつけ法、ブラシ式、粘着ロー
ル方式等が好ましい。また、除電器をクリーナーの前も
しくは前後、後ろに設置することが好ましく、静電気除
去ブラシを支持体近傍もしくは接触させるように設置し
たり、イオンを含むエアーを吹き付けるイオナイザーや
春日電気製の高密度除電器等が使用可能である。
【0045】図3は、プラズマ放電処理装置の機能的構
成を概略して示す図である。以下、図3を参照してプラ
ズマ放電処理装置1の機能的構成について説明する。制
御手段10はインターフェース11、ROM(Read Onl
y Memory)12、RAM(Random Access Memory)1
3、CPU(Central Processing Unit)14等から構
成され、ROM12中に書き込まれている制御プログラ
ムやパターンデータに従いインターフェース11に接続
された各部の動作を制御するようになっている。
【0046】インターフェース11は、ガス供給手段
(ガス供給部2,…、ガス混合切り替え器3)、プラズ
マ放電処理手段4、移動手段(下側平板電極7b)、平
板電極7a,7bに所定の周波数および出力の電圧を印加
するための電源6、表面観察装置、膜厚測定装置等が電
気的に接続されている。
【0047】ROM12には、プラズマ放電処理装置1
の動作に必要な各種制御プログラムが書き込まれてい
る。RAM13は、電力が供給されている間だけ入力さ
れたデータを複数記憶可能であり、各種データの記憶領
域とCPU14による作業領域などが備えられている。
CPU14は、ROM12に格納されている各種プログ
ラムの中から指定されたプログラムをRAM13内の作
業領域に展開し、指定されたパターンデータに応じてプ
ログラムに従った各種処理を実行する。
【0048】パターンデータは、基材表面に行う処理
(洗浄処理、製膜処理、エッチング処理)に応じて、反
応性ガスまたは不活性ガスの種類、反応性ガスの流量ま
たは不活性ガスの流量、電極7a,7bに印加する電圧の
出力値および周波数、移動手段の移動速度および移動方
向、排気ガスの流量等が設定されたデータであり、この
ようなパターンデータが複数予めROM12に記憶され
ている。
【0049】そして、作業者が、複数のパターンデータ
から任意の処理に応じたパターンデータを選択すること
で、CPU14が制御プログラムに従い、例えば、ガス
供給手段のガス供給部2,…から、所定の反応性ガスや
不活性ガスをプラズマ放電処理手段4に供給する。この
際に、下側平板電極7bである移動手段をガス噴出位置
に対して移動させることによって、移動手段に装着され
た基材Lに、所定の表面処理を行うようになっている。
【0050】なお、制御手段10については、図3に示
した構成に限定されず、本発明の趣旨の範囲内で適宜変
更可能である。
【0051】次に、プラズマ放電処理装置1の動作を説
明する。図4は、制御手段により実行される基材表面処
理を示すフローチャートである。以下、図4を参照して
基材表面処理について説明する。制御手段10は、基材
表面観察装置において移動手段(下側平板電極7b)に
装着された基材Lの表面状態をモニタ等に表示する(ス
テップS1)。モニタに表示された画像から、ユーザに
より洗浄処理が十分でないと判断されて、洗浄処理の実
行の指示があると(ステップS2;N)、制御手段10
は指示に従って洗浄処理を行う(ステップS3)。すな
わち、基材Lを装着した移動手段は、基材Lを、ガス噴
出位置まで移動させることによって基材表面の洗浄処理
を行う。洗浄処理後、制御手段10はステップS1に戻
り、洗浄処理後の基材Lの表面状態をモニタ等に表示さ
せる。ステップS2において、ユーザにより洗浄処理が
十分であると判断されて製膜処理の実行を指示されるま
で上記ステップS1〜S3を繰り返し実行する。
【0052】ステップS2において、ユーザにより洗浄
処理が十分であると判断されて製膜処理実行の指示があ
ると(ステップS2;Y)、制御手段10は指示に従っ
てノズル8b内のガスを置換し(ステップS4)、製膜
処理を行う(ステップS5)。すなわち、基材Lを装着
した移動手段は、基材Lを、ガス噴出位置まで移動させ
ることによって基材表面の製膜処理を行う。製膜処理
後、基材表面に形成された薄膜の膜厚を膜厚測定装置に
よって測定する(ステップS6)。膜厚測定後、形成す
べき所定の膜厚であれば(ステップS7;Y)終了し、
形成すべき所定の膜厚よりも厚く、エッチング処理実行
の指示があると(ステップS8;Y)、制御手段10は
指示に従ってノズル8b内のガスを置換し(ステップS
9)、エッチング処理を行う(ステップS10)。すな
わち、基材Lを装着した移動手段は、基材Lを、ガス噴
出位置まで移動させることによって基材表面のエッチン
グ処理を行う。
【0053】ステップS8において、所定の膜厚よりも
薄く、エッチング処理を実行しないという指示がある
と、製膜処理が必要だと判断され、製膜処理の実行の指
示があると(ステップS8;N)、制御手段10は指示
に従って製膜処理を行う(ステップS5)。ステップS
7において形成すべき所定の膜厚となるか、もしくは、
ステップS8において、形成すべき所定の膜厚よりも厚
く、エッチング処理を実行すると指示されるまで上記ス
テップS5〜S7もしくはS8を繰り返し実行する。
【0054】ノズル8b内のガス置換を行い(ステップ
S9)、エッチング処理が行われた後(ステップS1
0)、再び薄膜の膜厚を膜厚測定装置によって測定する
(ステップS11)。膜厚測定後、形成すべき所定の膜
厚であれば(ステップS12;Y)、制御手段10は基
材表面処理を終了し、所定の膜厚でなければ(ステップ
S12;N)、ステップS8に戻り、所定の膜厚となる
まで上記ステップS8〜S12を繰り返し実行する。
【0055】次に、洗浄処理、製膜処理、エッチング処
理について詳細に説明する。洗浄処理は、制御手段10
が、ガス供給手段を駆動させることによってガス供給部
2,…から所定の不活性ガスを、ガス混合切り替え器3
を介してプラズマ放電処理手段4に供給する。すなわ
ち、ガス給気口8aからガス流路部8内に不活性ガスを
導入し、ノズル8bから電極7a,7b間に噴出し、大気圧
または大気圧近傍の圧力下で不活性ガスを存在させる。
そして、電源6によって電極7a,7b間に電圧が印加さ
れ、電極7a,7b間に存在する不活性ガスを励起し、励
起不活性ガスを発生させる。この励起不活性ガスを、移
動手段に装着された基材Lに接触させることで基材表面
の洗浄が行われる。
【0056】製膜処理は、制御手段10が、ガス供給手
段を駆動させることによって、ガス供給部2,…から所
定の不活性ガスおよび反応性ガス、気化装置5により気
化された反応性ガスをガス混合切り替え器3を介して、
不活性ガスおよび反応性ガスをプラズマ放電処理手段4
に供給する。すなわち、プラズマ放電処理手段4のガス
給気口8aからガス流路部8内に不活性ガスおよび反応
性ガスを導入し、ノズル8bから電極7a,7b間に噴出
し、大気圧または大気圧近傍の圧力下で不活性ガスを存
在させる。そして、電源6によって電極7a,7b間に電
圧が印加され、電極7a,7b間に存在する不活性ガスを
励起し、励起不活性ガスを発生させる。反応性ガスは、
電極7a,7b間で励起不活性ガスに接触することでプラ
ズマ化される。プラズマ化された反応性ガスおよび励起
不活性ガスを、移動手段に装着された基材Lに接触させ
ることで基材表面の製膜が行われる。
【0057】エッチング処理は、制御手段10が、ガス
供給手段を駆動させることによって、ガス供給部2,…
から所定の不活性ガスと酸素もしくはCF4、NF3、C
3L、CH22等とをガス混合切り替え器3を介し
て、不活性ガスおよび酸素をプラズマ放電処理手段4に
供給する。すなわち、プラズマ放電処理手段4のガス給
気口8aからガス流路部8内に不活性ガスおよび酸素も
しくはCF4、NF3、CF3L、CH22等を導入し、
ノズル8bから電極7a,7b間に噴出し、大気圧または大
気圧近傍の圧力下で不活性ガスを存在させる。そして、
電源6によって電極7a,7b間に電圧が印加され、電極
7a,7b間に存在する不活性ガスを励起し、励起不活性
ガスを発生させる。この励起不活性ガス、酸素もしくは
CF4、NF3、CF3L、CH22等を、移動手段に装
着された基材Lに接触させることで基材表面のエッチン
グが行われる。
【0058】本発明の第1の実施の形態のプラズマ放電
処理装置1によれば、プラズマ放電処理手段4が、洗浄
処理と製膜処理とエッチング処理とを選択的に行うこと
によって、1つのプラズマ放電処理手段4で洗浄処理、
製膜処理、エッチング処理を連続的に行うことが可能と
なり、効率が良い。また、洗浄処理後にすぐに製膜処理
が行われ、製膜処理前の基材表面に再び異物等が付着す
ることなく、膜厚ムラのない均一な薄膜を形成すること
ができる。さらに、設備の小型化を図ることができる。
【0059】移動手段によって、基材Lをガス噴出位置
に対して往復移動を繰り返すことにより、複数層を有す
る薄膜を容易に形成することができる。表面観察装置に
より、基材表面の洗浄が確実に行われているかを確認す
ることができ、膜厚ムラのない薄膜を形成することがで
きる。また、膜厚計測装置により、膜厚が薄ければ再び
製膜処理を行い、厚ければエッチング処理を行うことが
でき、均一な膜厚を有する薄膜を確実に形成することが
できる。
【0060】図5は、本発明の第1の実施の形態の変形
例であり、プラズマ放電処理手段の構成を示す概略図で
ある。図5に示すプラズマ放電処理手段4aは、図2の
プラズマ放電処理手段4と異なり、上側平板電極7a
が、複数の平板電極7c,…が左右に対向して配置され
て構成されたもので、これら複数の電極7c,…間の隙
間がそれぞれガス流路部8c,…とされている。このよ
うに上側平板電極7aを複数の平板電極7c,…から構成
することによって、ガス混合切り替え器3から供給され
た複数種類のガスに対し、ガス流路部8cを固定するこ
とにより、ガス流路部8c,…内で接触することなく、
上側平板電極7aと下側平板電極7bとの間に噴出される
ようになっている。
【0061】次に、本発明の第2の実施の形態のプラズ
マ放電処理装置について説明する。本発明のプラズマ放
電処理装置は、第1の実施の形態のプラズマ放電処理装
置1と異なり、後述する3つのプラズマ放電処理手段
が、それぞれ洗浄処理手段、製膜処理手段、エッチング
処理手段であり、これら洗浄処理手段、製膜処理手段、
エッチング処理手段において各処理がそれぞれ行われ
る。なお、本発明で用いられる基材としては、第1の実
施の形態と異なり、長尺な連続状の、例えば、フィルム
状の基材Fが挙げられる。また、基材の材質や、不活性
ガス、反応性ガスとしては、上述したのでその説明は省
略する。
【0062】図6は、本発明の第2の実施の形態を示す
ためのもので、プラズマ放電処理装置の全体構成を示す
概略図、図7は、プラズマ放電処理手段(洗浄処理手
段)の一例を示す概略図である。まず、構成を説明す
る。図6に示すように、プラズマ放電処理装置21は、
その基本構成として、複数のガス供給部22,…、ガス
混合分配器23、3つのプラズマ放電処理手段24,
…、移動手段(後述する搬送ローラ33,…等)、制御
手段(図示しない)等を備えている。
【0063】ガス供給部22には、複数種類の反応性ガ
スや不活性ガスが各ガス毎に充填されている。そして、
これら各ガス供給部22,…は、ガス混合分配器23に
連結されている。また、ガス混合分配器23には、常温
常圧で液体または固体の反応性ガスを気化する気化装置
38などの手段が連結されている。ガス混合分配器23
は、連結された各ガス供給部22,…から、制御手段に
よって選択された所定のガスを混合し、各プラズマ放電
処理手段24,…(後述する洗浄処理手段24a、製膜
処理手段24b、エッチング処理手段24c)に供給す
る。なお、反応性ガスが液体または固体の場合には、気
化装置38によりガスにした後、ガス混合分配器23に
送られる。そして、これらガス供給部22,…とガス混
合分配器23とによってガス供給手段が構成されてい
る。
【0064】3つのプラズマ放電処理手段24,…は、
励起不活性ガスを基材Fに接触させることによって基材
表面を洗浄処理する1つの洗浄処理手段24aと、励起
不活性ガスおよびプラズマ化した反応性ガスを基材Fに
接触させることによって基材表面を製膜処理する1つの
製膜処理手段24bと、励起不活性ガスおよび酸素もし
くはCF4、NF3、CF3L、CH22等を基材Fに接
触させることによって基材表面をエッチング処理する1
つのエッチング処理手段24cである。すなわち、これ
ら洗浄処理手段24a、製膜処理手段24b、エッチング
処理手段24cは、ガス供給手段が供給するガスの種類
の違いによりそれぞれの処理を行うように設定されてい
る。洗浄処理手段24aと、製膜処理手段24bと、エッ
チング処理手段24cとは、基材Fの搬送方向に向かっ
て洗浄処理手段24a、製膜処理手段24b、エッチング
処理手段24cの順に互いに直列に配置されている。
【0065】洗浄処理手段24a、製膜処理手段24b、
エッチング処理手段24cは、それぞれ同様の構成であ
るので、ここでは洗浄処理手段24aの構成を例に挙げ
て説明する。図7に示すように、洗浄処理手段24a
は、電源25と、電源25に接続した電極26と、電極
26が設置されたプラズマ放電処理容器27と、ガス給
気口34と、ガス排気口35等から概略構成されてい
る。
【0066】電極26としては、長尺フィルム状の基材
Fを搬送方向(図中、時計回り)に回転するロール電極
26aと、ロール電極26aに対向して配置された複数の
角柱状の固定電極26b,…とが用いられている。
【0067】プラズマ放電処理容器27内の入口側と出
口側とには、容器27内に連続する予備室28a,28b
が設けられ、一方の予備室28aの入口側および他方の
予備室28bの出口側には温湿度調整部29,29が設
けられている。基材表面処理時に、予備室28a,28b
や温湿度調整部29,29の内圧よりも容器27内の方
が高くなるように調節する。このように圧力差が生じる
ことにより、外部空気の混入を防止し、気体中のガスの
プラズマ化が促進される。調節方法としては、例えば吸
引ファンや真空ポンプなどを用いれば良い。また、予備
室28a,28b、温湿度調整部29,29は本発明の装
置21において必須ではなく、またその個数や大きさに
ついては適宜変更可能である。
【0068】上記のように圧力制御や空気の混入防止の
ための間仕切りと基材Fの搬送を兼ねて、プラズマ放電
処理容器27には、仕切板30,30とガイドローラ3
1,31、予備室28a,28bには、仕切板30,…と
ニップローラ32,…、温湿度調整部29,29には搬
送ローラ33,…が設けられている。このように構成さ
れたプラズマ放電処理手段24(洗浄処理手段24a)
では、温湿度調整部29で搬送ローラ33,…、予備室
28aでニップローラ32,32によって搬送されて、
プラズマ放電処理容器27内でガイドローラ31,31
に搬送され、さらにロール電極26aに巻回されながら
放電プラズマ処理される。次いで、予備室28bでニッ
プローラ32,32、温湿度調整部29で搬送ローラ3
3,…に搬送されて、隣接する次のプラズマ放電処理手
段24(例えば、製膜処理手段24b)に搬送される。
したがって、ロール電極26a、ニップローラ32,
…、ガイドローラ31,…、搬送ローラ33,…によっ
て本発明の移動手段が構成されている。
【0069】ガス給気口34は、ガス混合分配器23に
連結されており、ガス供給部22,…から送給される不
活性ガスや反応性ガスをプラズマ放電処理容器27内に
導入し、ガス排気口35は、処理後のガスを排気する。
【0070】なお、プラズマ放電処理容器27に設けら
れる固定電極26b,…は、角柱型であるとしたが、例
えば、円柱型の固定電極を用いても良い。角柱型の固定
電極26bは、放電範囲を拡げる効果があるので好まし
い。また、これらロール電極26aや固定電極26b,…
も、上述したように誘電体で被覆されている。
【0071】以上のように構成された洗浄処理手段24
a、製膜処理手段24b、エッチング処理手段24cは、
図6に示すように、各処理手段24a,24b,24c間に
搬送ローラ33,…が複数設けられており、これによっ
て基材Lは各処理手段24a,24b,24cへ搬送される
ようになっている。
【0072】また、第1の実施の形態と同様に、表面観
察装置36や膜圧測定装置36が各処理手段24a,24
b,24c間の基材Fの表面近傍に設置されている(図4
参照)。さらに、図示しないがクリーナーと除電器とか
らなるクリーナー除電器を設置するようにしても良い。
【0073】次に、プラズマ放電処理装置21の機能的
構成について説明する。制御手段は、図示しないが第1
の実施の形態と同様に、インターフェース、ROM、R
AM、CPU等から構成され、ROM中に書き込まれて
いる制御プログラムやパターンデータに従いインターフ
ェースに接続された各部の動作を制御するようになって
いる。
【0074】インターフェースは、ガス供給手段(ガス
供給部22,…、ガス混合切り替え器23)、複数のプ
ラズマ放電処理手段24,…(洗浄処理手段24a、製
膜処理手段24b、エッチング処理手段24c)、(ロー
ル電極26a、ニップローラ32,…、ガイドローラ3
1,…、搬送ローラ33,…)、ロール電極26aや固
定電極26b,…に所定の周波数および出力の電圧を印
加するための電源25、表面観察装置36、膜厚測定装
置36等が電気的に接続されている。
【0075】ROM、RAM、CPUの機能は、第1の
実施の形態と同様の説明であるので省略する。
【0076】パターンデータは、各処理手段24,…
(洗浄処理手段24a、製膜処理手段24b、エッチング
処理手段24c)に応じて、反応性ガスまたは不活性ガ
スの種類、反応性ガスの流量または不活性ガスの流量、
電極26a,26b,…に印加する電圧の出力値および周
波数、移動手段の移動速度、排気ガスの流量等が設定さ
れたデータであり、このようなパターンデータが複数予
めROMに記憶されている。
【0077】そして、作業者が、複数のパターンデータ
から任意のパターンデータを選択し、複数のプラズマ放
電処理手段24,…から任意のプラズマ放電処理手段2
4を選択することによって、各プラズマ放電処理手段2
4,…に所定の処理を行わせるように設定する。このよ
うに設定することによって、CPUが制御プログラムに
従い、各プラズマ放電処理手段24,…に、ガス供給手
段から所定の処理に応じた反応性ガスや不活性ガスを供
給する。したがって、本発明では、3つのプラズマ放電
処理手段24,…が、1つの洗浄処理手段24a、1つ
の製膜処理手段24b、1つのエッチング処理手段24c
であるとしたが、これに限らず例えば、プラズマ放電処
理手段24,…を5つ直列に設置し、これらプラズマ放
電処理手段24,…に、それぞれ任意のパターンデータ
を選択することによって、1つの洗浄処理手段24a、
2つの製膜処理手段24b,24b、2つのエッチング処
理手段24c,24cと設定しても良く、この組み合わせ
や個数は適宜変更可能である。
【0078】なお、制御手段については、上述した構成
に限定されず、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能で
ある。
【0079】次に、プラズマ放電処理装置21の動作を
説明する。図8は、制御手段により実行される基材表面
処理を示すフローチャートである。以下、図8を参照し
て基材表面処理について説明する。ここでは、上述した
ように1つの洗浄処理手段24a、1つの製膜処理手段
24b、1つのエッチング処理手段24cとがこの順に直
列的に配置されている場合における動作について説明す
る。
【0080】制御手段は、洗浄処理手段24aにおいて
搬送ローラ33,…等によって搬送された基材表面の洗
浄処理を行う(ステップS21)。次いで、制御手段
は、基材表面観察装置36において洗浄処理後の基材F
の表面状態をモニタ等に表示する(ステップS22)。
モニタに表示された画像から、ユーザにより洗浄処理が
十分でないと判断されると(ステップS23;N)、ユ
ーザによる指示に従って洗浄処理手段24aにおける洗
浄処理条件が変更されて(ステップS24)、ステップ
S21に戻り、変更後の洗浄処理条件で引き続き洗浄処
理が行われ、ステップS23において、ユーザにより洗
浄処理が十分であると判断されるまで洗浄処理条件が変
更され上記ステップS21〜S24を繰り返し実行す
る。
【0081】ユーザにより洗浄処理が十分であると判断
されると(ステップS23;Y)、製膜処理手段24b
において製膜処理を行う(ステップS25)。製膜処理
後、基材表面に形成された薄膜の膜厚を膜厚測定装置3
6によって測定する(ステップS26)。膜厚測定後、
形成すべき所定の膜厚であれば(ステップS27;Y)
終了し、形成すべき所定の膜厚よりも薄いと判断される
と(ステップS28;N)、ユーザによる指示に従って
製膜処理手段24bにおける製膜処理条件が変更されて
(ステップS29)、ステップS25に戻り、変更後の
製膜処理条件で引き続き製膜処理が行われ、ステップS
27において、所定の膜厚となるか、もしくは、ステッ
プS28において、形成すべき所定の膜厚よりも厚いと
判断されるまで製膜処理条件が変更され上記ステップS
25〜S27もしくはS28を繰り返し実行する。
【0082】所定の膜厚よりも厚いと判断されると(ス
テップS28;Y)、エッチング処理手段24cにおい
てエッチング処理を行う(ステップS30)。エッチン
グ処理後、再び薄膜の膜厚を膜厚測定装置36によって
測定する(ステップS31)。膜厚測定後、形成すべき
所定の膜厚であれば(ステップS32;Y)、制御手段
は基材表面処理を終了し、所定の膜厚でなければ(ステ
ップS32;N)、ユーザによる指示に従ってエッチン
グ処理手段24cにおけるエッチング処理条件が変更さ
れて(ステップS33)、ステップS30に戻り、変更
後のエッチング処理条件で引き続きエッチング処理が行
われ、ステップS32において所定の膜厚となるまでエ
ッチング処理条件が変更されて上記ステップS30〜S
33を繰り返し実行する。
【0083】上述した洗浄処理、製膜処理、エッチング
処理については第1の実施の形態と同様の処理であるの
でその説明は省略する。また、洗浄処理条件、製膜処理
条件、エッチング処理条件とは、例えば、反応性ガスの
流量または不活性ガスの流量、電圧の出力値および周波
数、移動手段の移動速度等のことであり、これらの条件
をユーザが適宜選択し変更することによって、制御手段
はこの指示に従って各部の動作を制御する。
【0084】本発明の第2の実施の形態のプラズマ放電
処理装置21によれば、少なくとも一の洗浄処理手段2
4a、少なくとも一の製膜処理手段24b、少なくとも一
のエッチング処理手段24cが互いに直列に配置された
1つのラインで洗浄処理、製膜処理、エッチング処理を
連続的に行うことが可能となり、効率が良い。また、洗
浄処理後にすぐに製膜処理が行われ、製膜処理前の基材
表面に再び異物等が付着することなく、膜厚ムラのない
均一な薄膜を形成することができる。さらに、洗浄処理
手段24a、製膜処理手段24b、エッチング処理手段2
4cの数を適宜変更することによって、複数の製膜条件
に対し対応が可能となり、多品種の薄膜を形成すること
ができるとともに、品種切り替えの効率化を図れる。
【0085】表面観察装置36により、基材表面の洗浄
が確実に行われているかを確認することができ、膜厚ム
ラのない薄膜を形成することができる。また、膜厚計測
装置36により、膜厚が薄ければ製膜処理条件の強化を
行い、厚ければエッチング処理を行うことができ、均一
な膜厚を有する薄膜を確実に形成することができる。
【0086】図9は、本発明の第2の実施の形態におけ
るプラズマ放電処理手段の変形例を示す概略図である。
図9に示すプラズマ放電処理手段24dは、図7のプラ
ズマ放電処理手段24aと異なり、プラズマ放電処理容
器27内に複数のバッファ空間37,…が設けられてい
る。これら複数のバッファ空間37,…によって、複数
箇所からガスが供給、排出される。なお、その他、図7
に示すプラズマ放電処理手段24aと同様の構成部分に
ついては同様の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
【発明の効果】本発明のプラズマ放電処理装置によれ
ば、洗浄処理、製膜処理、エッチング処理の一連の表面
処理を効率良く行うことができ、また、膜厚ムラのない
均一な薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すためのもの
で、プラズマ放電処理装置の全体構成を示す概略図であ
る。
【図2】同、プラズマ放電処理手段の構成を示す概略図
である。
【図3】同、プラズマ放電処理装置の機能的構成を概略
して示す図である。
【図4】同、制御手段により実行される基材表面処理を
示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態の変形例を示すため
のもので、プラズマ放電処理手段の構成を示す概略図で
ある。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示すためのもの
で、プラズマ放電処理装置の全体構成を示す概略図であ
る。
【図7】同、プラズマ放電処理手段の構成を示す概略図
である。
【図8】同、制御手段により実行される基材表面処理を
示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態の変形例を示すため
のもので、プラズマ放電処理手段の構成を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1、21 プラズマ放電処理装置 2、22 ガス供給部(ガス供給手段) 3、23 ガス混合切り替え器(ガス供給手段) 4、24 プラズマ放電処理手段 7b 下側平板電極(移動手段) 24a 洗浄処理手段 24b 製膜処理手段 24c エッチング処理手段 36 表面観察装置(表面観察手段)、膜厚計測装置
(膜厚計測手段)L、F 基材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05H 1/24 H01L 21/302 101E Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 AA65 BC04 BC06 BC10 CA12 CA47 CA63 EC21 ED13 FB02 FB04 4K030 DA03 DA08 FA03 GA12 JA01 JA09 KA39 5F004 AA14 BA04 BD04 DA22 DA23 DB08 DB12 5F045 AA08 AC01 AC07 AC16 AC17 AE29 EH13 HA03 HA13 HA23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の反応性ガスおよび不活性ガス
    を供給するガス供給手段と、ガス供給手段によって供給
    された不活性ガスを大気圧または大気圧近傍の圧力の下
    で電圧を印加して励起不活性ガスを発生させ、前記反応
    性ガスをプラズマ化し、前記プラズマ化した反応性ガス
    または励起不活性ガスを基材に接触させることによって
    基材の表面処理を行うプラズマ放電処理手段と、を備え
    たプラズマ放電処理装置であって、 前記プラズマ放電処理手段は、前記励起不活性ガスを基
    材に接触させることによって基材表面の洗浄を行う洗浄
    処理と、 前記励起不活性ガスおよび前記プラズマ化した反応性ガ
    スを基材に接触させることによって基材表面に製膜する
    製膜処理と、 前記励起不活性ガスを基材に接触させることによって基
    材表面のエッチングを行うエッチング処理とを、選択的
    に行うことを特徴とするプラズマ放電処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ放電処理装置に
    おいて、 前記基材は、枚葉状であることを特徴とするプラズマ放
    電処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のプラズマ放電処理装置に
    おいて、 前記基材を、前記プラズマ放電処理手段に対して往復移
    動させる移動手段を備え、 前記基材は、前記移動手段による往路または復路で、洗
    浄処理、製膜処理、エッチング処理のうちのいずれかが
    行われることを特徴とするプラズマ放電処理装置。
  4. 【請求項4】 複数種類の反応性ガスおよび不活性ガス
    を供給するガス供給手段と、複数のプラズマ放電処理手
    段とを備えたプラズマ放電処理装置であって、 前記複数のプラズマ放電処理手段はそれぞれ、前記ガス
    供給手段によって供給された不活性ガスを大気圧または
    大気圧近傍の圧力の下で電圧を印加して発生させた励起
    不活性ガスを、基材に接触させることによって基材表面
    を洗浄処理する少なくとも一の洗浄処理手段、 前記励起不活性ガス、および、前記ガス供給手段によっ
    て供給された反応性ガスを大気圧または大気圧近傍の圧
    力の下で電圧を印加してプラズマ化した反応性ガスを、
    基材に接触させることによって基材表面を製膜処理する
    少なくとも一の製膜処理手段、 前記励起不活性ガスを基材に接触させることによって基
    材表面をエッチング処理する少なくとも一のエッチング
    処理手段であり、 前記複数のプラズマ放電処理手段は、互いに直列に配置
    されていることを特徴とするプラズマ放電処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のプラズ
    マ放電処理装置において、 前記ガス供給手段は、洗浄処理、製膜処理、エッチング
    処理にそれぞれ応じた前記反応性ガスや不活性ガスを、
    前記プラズマ放電処理手段に選択的に供給することを特
    徴とするプラズマ放電処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のプラズ
    マ放電処理装置において、 前記基材は、前記プラズマ放電処理手段によって、洗浄
    処理、製膜処理、エッチング処理の順に処理されること
    を特徴とするプラズマ放電処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のプラズ
    マ放電処理装置において、 前記基材表面を観察する表面観察手段と、前記基材表面
    に製膜された薄膜の膜厚を計測する膜厚計測手段とを備
    えていることを特徴とするプラズマ放電処理装置。
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