JP2004091837A - 製膜処理装置 - Google Patents

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Koji Ozaki
尾▲崎▼ 浩司
Koji Fukazawa
深沢 孝二
Kikuo Maeda
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Abstract

【課題】大気圧又は大気圧近傍で行うプラズマジェット法において、放電ガスで成分ガスを包み込む又は挟み込む様にそれぞれ供給する系におけるガス流出口近傍での電極汚れの発生を抑え、より長時間の連続処理を達成する。
【解決手段】製膜成分ガスを放電プラズマに導入して、処理される基材に対して射出する製膜処理装置であって、放電ガスの流路及び該放電ガス流路と仕切られた成分ガス流路を有し、且つ該成分ガス流路を構成する仕切りの先端が鋭利な形状で、電極間に電圧を印加して放電ガスをグロー放電させて得た放電プラズマと成分ガスとが、両流路のガス流出口を過ぎて混合される構成であること。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製膜処理装置及びそれを用いる製膜処理方法に関し、詳しくは、大気圧又は大気圧近傍で行うプラズマジェット法で、放電ガスで成分ガスを包み込む又は挟み込む様にそれぞれ供給する系におけるガス流出口近傍での電極汚れの発生を抑え、より長時間の連続処理を達成するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、1.33〜1330Pa程度の圧力の放電プラズマ雰囲気のプラズマCVD法により製膜する方法が知られているが、この方法は真空装置が必要で連続生産に不向きなことや、プラズマ密度が低いために処理効率が低く、生産性が低い。そして、生産性の改良のため、大気圧又は大気圧近傍での放電プラズマを用いた処理技術(以下、「大気圧プラズマ・・・」とも言う)が提案されている。
【0003】
ところでプラズマCVD法は、対向する電極間でプラズマ放電を発生させて処理を行うので、電極にも被膜が形成されてしまう問題(以下、「電極汚れ」とも言う)が有り、特に大気圧プラズマCVD法は製膜速度が速いため、極めて短時間で電極が製膜されてしまう。更に大気圧プラズマ法では、電極間の間隙を小さく設定するために、電極が製膜される影響が大きく、ガス流路の詰まりが生ずる場合が有る。
【0004】
これに対して、特開平5−23579号、同9−59777号では、製膜に寄与する成分ガスを、電極により発生したプラズマ流に対して垂直に導入し、該プラズマをガス放出口から射出することが提案されている。
【0005】
しかしながら前記特開平5−23579号、同9−59777号の方法では、製膜に寄与する成分ガスのプラズマ密度が小さく製膜速度が低い問題が有り、更に金属アルコキシド等を用いる場合は、残留有機成分が多く、形成される被膜の膜質で満足のゆくものが得られないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本出願人は、大気圧又は大気圧近傍で成分ガスを放電プラズマに導入して射出する、いわゆるプラズマジェット法において、電極汚れやガス流路の詰まりを抑制するために、製膜に寄与する成分ガスは直接プラズマ放電させず、一方製膜速度や膜質の向上のためプラズマ濃度を上げるには、プラズマ放電域のなるだけ近傍に成分ガスを導入すればよいと考え、成分ガスと放電ガスを分離し、成分ガスをガス流路の内側としてプラズマ放電させず、放電ガスで成分ガスを包み込む又は挟み込む様にそれぞれ供給する様に構成して、電極汚れやガス流路の詰まりを発生させることなく、長期間安定して放電を発生させ、製膜速度大で良質な被膜を形成可能とした。
【0007】
図1にその様なプラズマ処理装置の一例を示す。
図において、1,2,1’,2’は同じ大きさ・形状の平板電極で、1と2及び1’と2’が対向するように配置され、1と2、1’と2’の対向する面は誘電体で被覆されている。3,3’は電極1,2間、電極1’,2’間に放電ガスを導入するための放電ガス導入口であり、4,4’は、電極1,2間、電極1’,2’間で発生した放電プラズマを放出するための流出口である。
【0008】
5は電極2,2’間に成分ガスを導入するための導入口であり、6は、電極2,2’間に導入した成分ガスを外に放出するための流出口であり、放出される成分ガスは、流出口4及び4’から放出される放電プラズマに挟まれた状態で接触することにより、効率よくプラズマ化される。
【0009】
7は電極1,2間、電極1’,2’間に高周波電圧を印加するための高周波電源である。8はアースであり、電極2,2’はアース8に接地している。
【0010】
平板電極間1,2間、平板電極間1’,2’間に存在させる放電ガスは、大気圧又は大気圧近傍の圧力下で存在させ、高周波電源7によって、平板電極間1,2間、平板電極間1’,2’間に電圧を印加して励起させ、放電プラズマを発生させる。
【0011】
9は基材であり、電極間の外に配置される。基材9は放電プラズマに挟み込まれるようにして接触して発生したプラズマ化した成分ガスと接触される位置に配置され、処理が行われる。10は、基材9を運搬するためのベルトコンベア、17,17’は電極の側面方向の隙間を塞ぐ蓋体である。
【0012】
図2は、他のその様な大気圧プラズマ処理装置の例を示す斜視図である。
11、12は円筒状の電極であり、外側の電極12の筒管内に内側の電極11を同心配置している。そして内側電極11と外側電極12との対向する面が共に誘電体で被覆されている。
【0013】
13は内側電極11と外側電極12の間に放電ガスを導入するための放電ガス導入口である。14は、内側電極11と外側電極12の間で発生した放電プラズマを内側電極11と外側電極12の間の外に放出するための流出口である。この例では、内側電極11と外側電極12の間の隙間の一部をそのまま放電ガス導入口13として用いているが、該隙間にさらに部材を設け、放電ガスを効率よく容易に導入する形状にできる。同様に放電プラズマ流出口14についても、内側電極11と外側電極12の間の隙間にさらにノズルのような部材を設けることで、発生した放電プラズマを外部に放出する際に放出角度や放出強度を調整できる。
【0014】
15は内側電極11の筒管内に成分ガスを導入するための導入口である。これについても、内側電極11の筒管の口にさらに部材を設けることで、成分ガスを効率よく容易に導入する形状にできる。16は、内側電極11の筒管内に導入した成分ガスを筒管内の外に放出するための流出口である。同様に内側電極11の筒管の口にさらにノズルのような部材を設けることで、成分ガスを外部に放出する際に放出角度や放出強度を調整できる。また成分ガス導入口15と流出口16をチューブ等でつなぎ、内側電極11の筒管内を通過する構造としてもよい。
【0015】
この様に成分ガス流出口16は、放電プラズマ流出口14に周囲を囲まれた構造となり、放出される成分ガスは、放電プラズマに包まれた状態で接触することにより、成分ガスが効率よくプラズマ化される。
【0016】
しかしながら、上記のような装置を採用しても、ガス流出口近傍での電極汚れが発生する場合が有り、より長時間の連続処理には課題が残る。
【0017】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、大気圧又は大気圧近傍で行うプラズマジェット法において、放電ガスで成分ガスを包み込む又は挟み込む様にそれぞれ供給する系におけるガス流出口近傍での電極汚れの発生を抑え、より長時間の連続処理を達成することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、
1) 製膜成分ガスを放電プラズマに導入して、処理される基材に対して射出する製膜処理装置であって、放電ガスの流路及び該放電ガス流路と仕切られた成分ガス流路を有し、且つ該成分ガス流路を構成する仕切りの先端が鋭利な形状で、電極間に電圧を印加して放電ガスをグロー放電させて得た放電プラズマと成分ガスとが、両流路のガス流出口を過ぎて混合される構成であること、
2) 放電ガス流路を対向する電極間に配置する1)の製膜処理装置、
3) 前記対向する電極の少なくとも一方の対向する面側に誘電体が被覆されている1)又は2)の製膜処理装置、
4) 前記誘電体がセラミックス溶射膜を無機質材料で封孔処理したものである1)、2)又は3)の製膜処理装置、
5) 前記セラミックス溶射膜がAlである4)の製膜処理装置、
6) 前記無機質材料が、ゾルゲル反応により硬化するアルコキシシランである4)又は5)の製膜処理装置、
7) 前記成分ガス流路を構成する仕切りの先端が構成する角度が30°以下である1)乃至6)の何れかの製膜処理装置、
8) 前記成分ガス流路を構成する仕切りの先端の曲率半径が5mm以下である1)乃至7)の何れかの製膜処理装置、
9) 1)乃至8)の製膜処理装置を用い、放電ガス流路及び成分ガス流路のそれぞれの流出口近傍における、放電ガスの流速と成分ガスの流速を異ならせて製膜する製膜処理方法、
によって達成される。
【0019】
即ち本発明者は、ガス流出口の形状によって先端部でバックステップ流れによる渦が発生し、他の領域と比べてガスの滞留時間が長くなるため反応が進んで、該先端部で電極汚れが発生するとの知見を得て、その様な渦の発生を極力抑えるために、先端部に切り込みを入れたところ、渦の発生がほとんど無くなって電極汚れも解消し、本発明に至った。
【0020】
またその様に構成した装置にて、特に放電ガスの流速を成分ガスのそれに比べて、好ましくは10%以上大きくすると電極汚れはより効果的に防止することができた。
【0021】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、製膜成分ガスを放電プラズマに導入して、処理される基材に対して射出する製膜処理装置であって、放電ガスの流路及び該放電ガス流路と仕切られた成分ガス流路を有し、電極に印加して放電ガスをグロー放電させて得た放電プラズマと成分ガスとが、両流路のガス流出口を過ぎて混合される構成において、前記「成分ガス流路を構成する仕切りの先端が鋭利な形状であること」を特徴とする。
【0022】
図3に上記特徴に係る電極の断面構成の1例をモデル図で示す。
図3の符号は図1におけるそれと対応しており、1と2及び1’と2’が対向するように配置された電極で、1と2、1’と2’の対向する面は誘電体1a,2a,1’a,2’aで被覆されている。3,3’は電極1,2間、電極1’,2’間に放電ガスを導入するための放電ガス導入口であり、4,4’は、電極1,2間、電極1’,2’間で発生した放電プラズマを放出するための流出口である。即ち成分ガス流路を構成する先端が鋭利な形状の仕切りは、ここでは先端に切り込みを入れた電極2及び2’となる。先端の角度としては鋭利であるほど好ましく、加工上の限界は有るものの、30°以下、好ましくは15°以下で優位な効果を得ることができる。また先端の曲率半径も同様で、5mm以下、好ましくは3mm以下である。
【0023】
電極材料には、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属を用いることができる。ステンレスは加工し易く好ましく用いることができる。誘電体としては、ケイ酸塩系ガラス・ホウ酸塩系ガラス・リン酸塩系ガラス・ゲルマン酸塩系ガラス・亜テルル酸塩ガラス・アルミン酸塩ガラス・バナジン酸塩ガラス等を用いることが出来る。この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易い。また、気密性の高い高耐熱性のセラミックスを焼結したセラミックスを用いることも好ましい。セラミックスの材質としては例えばアルミナ系、ジルコニア系、窒化珪素系、炭化珪素系のセラミックスが挙げられるが、中でもアルミナ系のセラミックスが好ましく、アルミナ系のセラミックスの中でも特にAlを用いるのが好ましい。アルミナ系のセラミックスの厚みは1mm程度が好ましく、体積固有抵抗は10Ω・cm以上が好ましい。
【0024】
セラミックスは、無機質材料で封孔処理されているのが好ましく、これにより電極の耐久性を向上させることができる。
【0025】
封孔処理はセラミックスに封孔剤である金属アルコキシドを主原料とするゾルをセラミックス上に塗布した後に、ゲル化させて硬化させることで、強固な3次元結合を形成させ均一な構造を有する金属酸化物によって、セラミックスの封孔処理をすることができる。
【0026】
また、ゾルゲル反応を促進するためにエネルギー処理を行うことが好ましい。ゾルにエネルギー処理をすることによって、金属−酸素−金属の3次元結合を促進することができる。
【0027】
エネルギー処理には、プラズマ処理や、200℃以下の加熱処理、UV処理が好ましい。
【0028】
電極1−2及び電極1’−2’間に印加する電圧は、1kHz以上で放電ガスをグロー放電させることが可能であるが、好ましい範囲は100kHzを越えて、150MHz以下である。用いることのできる高周波電源としては、特に限定はないが、例えば、パール工業製高周波電源(200kHz)、同(800kHz)、同(2MHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等を用いることができる。
【0029】
電圧の放電出力が、1W/cm〜50W/cmであることが放電プラズマのプラズマ密度を上げることができ好ましい。
【0030】
本発明において用いられるガスは、放電ガスと、薄膜を形成するための反応性ガスである。反応性ガスは、供給する全ガスに対し、0.01〜50体積%含有させることが好ましい。本発明により膜厚1〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
【0031】
上記放電ガスは、放電するために必要なガスである不活性ガスを90体積%以上含有するガスであり、後述の製膜成分ガスは含有しない。不活性ガスとしては、周期表の第18属元素であるヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等や、窒素ガスが挙げられ、本発明においては、ヘリウム、アルゴン、が好ましく用いられる。
【0032】
本発明に係る放電ガスは、反応性ガスに含有される製膜成分ガスの種類に応じて後述の反応促進ガスを含有してもよい。
【0033】
反応性ガスとしては、薄膜の原料となる元素が含まれる製膜成分ガス及び製膜成分ガスを反応させるための反応促進ガスが有り、製膜成分ガスとしては、基材上に設けたい薄膜の種類によって異なるが、例えば、有機フッ素化合物を用いることにより反射防止層等に有用な低屈折率層や防汚層を形成することが出来、珪素化合物を用いることにより、反射防止層等に有用な低屈折率層やガスバリア層を形成することも出来る。また、Ti、Zr、Sn、SiあるいはZnのような金属を含有する有機金属化合物を用いることにより、金属酸化物層または金属窒化物層等を形成することが出来、これらは反射防止層等に有用な中屈折率層や高屈折率層を形成することが出来、更には導電層や帯電防止層を形成することも出来る。製膜成分ガスの物質として、有機フッ素化合物及び金属化合物を好ましく挙げることが出来る。
【0034】
製膜成分ガスの有機フッ素化合物としては、フッ化炭素やフッ化炭化水素等のガスが好ましく、例えば、テトラフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエチレン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロペン等のフッ化炭素化合物;1,1−ジフルオロエチレン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等のフッ化炭化水素化合物;ジフルオロジクロロメタン、トリフルオロクロロメタン等のフッ化塩化炭化水素化合物;1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、パーフルオロブタノール等のフッ化アルコール;ビニルトリフルオロアセテート、1,1,1−トリフルオロエチルトリフルオロアセテート等のフッ化カルボン酸エステル;アセチルフルオライド、ヘキサフルオロアセトン、1,1,1−トリフルオロアセトン等のフッ化ケトン等を挙げることが出来る。
【0035】
また原料ガスの金属化合物としては、Al、As、Au、B、Bi、Ca、Cd、Cr、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、Hg、In、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、Pb、Pt、Rh、Sb、Se、Si、Sn、V、W、Y、ZnまたはZr等の金属化合物または有機金属化合物を挙げることが出来る。
【0036】
これらのうち珪素化合物としては、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシラン等のアルキルシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の珪素アルコキシド等の有機珪素化合物;モノシラン、ジシラン等の珪素水素化合物;ジクロルシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン等のハロゲン化珪素化合物;その他オルガノシラン等を挙げることが出来る。
【0037】
製膜成分ガスとしての珪素以外の金属化合物としては、有機金属化合物、ハロゲン化金属化合物、金属水素化合物等を挙げることが出来る。有機金属化合物の有機成分としてはアルキル基、アルコキシド基、アミノ基が好ましく、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラジメチルアミノチタン等を好ましく挙げることが出来る。またハロゲン化金属化合物としては、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタン等を挙げることが出来、更に金属水素化合物としては、モノチタン、ジチタン等を挙げることが出来る。
【0038】
反応促進ガスとしては、酸素ガス、水素ガス、水蒸気、過酸化水素ガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、オゾンガス、NOx(窒素酸化物)、アンモニア等が挙げられる。この反応促進ガスは放電ガス側に入れてもよいし、製膜成分ガス側に入れてもよく、双方に入れてもよい。
【0039】
製膜成分ガス流出口6から放出される製膜成分ガスは、該流出口6のまわりを取り囲む放電プラズマ流出口4及び4’から放出される放電プラズマに包み込まれるようにして接触してプラズマ化される。
【0040】
ベルトコンベア10上に置かれた基材9は、ベルトコンベア10によってプラズマ化された製膜成分ガスと接触できる位置へと運搬され、処理が施され、装置外部へと運搬される。ベルトコンベア10は、基材9の表面処理を妨げないものであれば、どのような材質のものを用いても良いが、表面処理による汚れが付着しにくい材質を用いるのが好ましい。
【0041】
本発明の製膜処理装置は、電極間の外で基材の処理を行うことから、基材9には従来処理されている支持体のようなシート状の基材のみでなく、様々な大きさ、形状のものを処理することが可能となる。例えば、レンズ形状、球状などの厚みを有するような形状の基材も表面に製膜処理を行うことができる。
【0042】
処理される基材の材質は特に限定はないが、セルローストリアセテート等のセルロースエステル基体、ポリエステル基体、ポリカーボネート基体、ポリスチレン基体、ポリオレフィン基体、等を処理することができる。
【0043】
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート、セルローストリアセテート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン系、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン系、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート等を挙げることができる。これらの素材は単独であるいは適宜混合されて使用することもできる。中でもゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)製)などの市販品を使用することができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0045】
実施例1
〔基材フィルムの作製〕
膜厚80μmのセルロースエステルフィルムの一方の面に
アセトン                        30質量部
酢酸エチル                       45質量部
イソプロピルアルコール                 10質量部
ジアセチルセルロース                 0.5質量部
超微粒子シリカ2%アセトン分散液(アエロジル200V:
日本アエロジル(株)製)              0.1質量部
からなる組成物をウェット膜厚で13μmとなるように押し出しコートし、次いで80℃に設定された乾燥部で乾燥させて、バックコート層を設けた。
【0046】
次いで、セルロースエステルフィルムの他方の面に
Figure 2004091837
からなる組成物をウェット膜厚で13μmとなるように押し出しコートし、次いで80℃に設定された乾燥部で乾燥した後、120mJ/cmで紫外線照射し、乾燥膜厚で4μm、中心線平均表面粗さ(Ra)15nmのクリアハードコート層を設け、基材フィルムを作製した。
【0047】
〔高屈折率層の形成〕
上記基材フィルムに対し、図1に示す放電ガス流路及び成分ガス流路を有する製膜処理装置(比較)、及びそれぞれの流路を構成する電極を図3に示す形状に代えた装置(本発明)を用いて、下記条件でプラズマ放電処理を10時間行った。
【0048】
〈装置条件〉
1)電極1、2、1’、2’としては、ステンレスSUS316からなる金属母体を用い、その表面にアルミナセラミックを1mmになるまで溶射被覆させ、アルコキシシランモノマーを有機溶媒に溶解させた塗布液をアルミナセラミック被膜に塗布、乾燥させた後、150°で加熱して封孔処理し誘電体を形成したものを、それぞれ用いた。
【0049】
2)本発明の電極2、2’の平板部分の厚さ3mm、先端の角度30°、先端の曲率半径5mm、平板状の比較電極の厚さ3mm、放電ガス流路の間隙は1mm、成分ガス流路の間隙は1mmとした。
【0050】
Figure 2004091837
【0051】
流量 1L/分・cm
〈ガスの供給方法〉
放電ガス流路に放電ガスを導入し、製膜成分ガス流路に成分ガスを導入しながら、高周波電源7としてパール工業製高周波電源を用い、周波数13.56MHz、放電出力10W/cmで印加した。ここで、基材フィルムは図1のベルトコンベア10で0.1m/秒の走行速度で移動させた。
【0052】
また各電極を構成する母材は、ジャケット仕様とし、80℃の冷却水を5L/分で循環させた。
【0053】
〈電極表面の汚れの観察〉
連続10時間でプラズマ処理を行った後、各電極の表面を目視観察し、コンデンス(露結)及びその他の付着物の有無を目視観察し、評価を行った。その結果、比較の装置はその先端部分にコンデンスあるいは付着物が認められ、実技上やや問題があるが、本発明の装置では全く発生が認められなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明の製膜処理装置によれば、電極の汚れを防止することができて、収率や製膜速度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電ガスで成分ガスを挟み込む様にそれぞれ供給するプラズマ処理装置の一例を示す図である。
【図2】放電ガスで成分ガスを包み込む様にそれぞれ供給するプラズマ処理装置の一例を示す図である。
【図3】本発明に係る電極の断面構成の1例を示すモデル図である。
【符号の説明】
1、2、1’、2’ 平板電極
1a、2a、1’a、2’a 誘電体
3、3’、13 放電ガス導入口
4、4’、14 放電プラズマ流出口
5、15 成分ガス導入口
6、16 成分ガス流出口
7 高周波電源
8 アース
9 基材
10 ベルトコンベア
11、12 筒状電極

Claims (9)

  1. 製膜成分ガスを放電プラズマに導入して、処理される基材に対して射出する製膜処理装置であって、放電ガスの流路及び該放電ガス流路と仕切られた成分ガス流路を有し、且つ該成分ガス流路を構成する仕切りの先端が鋭利な形状で、電極間に電圧を印加して放電ガスをグロー放電させて得た放電プラズマと成分ガスとが、両流路のガス流出口を過ぎて混合される構成であることを特徴とする製膜処理装置。
  2. 放電ガス流路を対向する電極間に配置することを特徴とする請求項1に記載の製膜処理装置。
  3. 前記対向する電極の少なくとも一方の対向する面側に誘電体が被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の製膜処理装置。
  4. 前記誘電体がセラミックス溶射膜を無機質材料で封孔処理したものであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の製膜処理装置。
  5. 前記セラミックス溶射膜がAlであることを特徴とする請求項4に記載の製膜処理装置。
  6. 前記無機質材料が、ゾルゲル反応により硬化するアルコキシシランであることを特徴とする請求項4又は5に記載の製膜処理装置。
  7. 前記成分ガス流路を構成する仕切りの先端が構成する角度が30°以下であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の製膜処理装置。
  8. 前記成分ガス流路を構成する仕切りの先端の曲率半径が5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の製膜処理装置。
  9. 請求項1乃至8に記載の製膜処理装置を用い、放電ガス流路及び成分ガス流路のそれぞれの流出口近傍における、放電ガスの流速と成分ガスの流速を異ならせて製膜することを特徴とする製膜処理方法。
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