JP3634608B2 - 回転電極を用いた薄膜形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電極を用いた薄膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アモルファスシリコン等の薄膜を比較的高い圧力で形成する薄膜形成装置としては、反応容器内に平行平板型電極を設置したプラズマCVD装置が知られている。このような装置においては、一方の電極に高周波電力または直流電力を印加し、他方の電極を接地し、これらの電極間でプラズマを発生させ、発生したプラズマ中に反応ガスを供給し、反応ガスを分解することにより基板上に所望の薄膜を形成させている。
【0003】
高速でかつ大きな面積の薄膜を形成することができる薄膜形成装置として、特開平9−104985号公報では、回転電極を用いた薄膜形成装置が提案されている。このような回転電極を用いた薄膜形成装置によれば、回転電極の回転によりプラズマ空間に反応ガスを効率よく供給することができるので、反応ガスの利用効率を大幅に向上させることができるとともに、速い速度で均一な薄膜を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなプラズマCVD法による薄膜形成においては、反応ガスをプラズマ中で分解することにより薄膜が形成されるので、薄膜の形成とともに反応ガスが消費され、反応容器内の反応ガス濃度が減少する。反応容器内の反応ガスの量が多く、かつ形成する薄膜の量が少ない場合には、反応容器内の反応ガスのみで薄膜を形成することが可能であるが、大きな面積の薄膜を形成する必要がある場合などには、反応容器内に反応ガスを供給する必要がある。
【0005】
反応ガスは、一般にHeなどの不活性ガスで希釈されており、反応容器に反応ガスを直接導入すると、反応ガスと希釈ガスが均一に混合されにくく、この結果均一な薄膜を形成することができないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、新たに供給する反応ガスを希釈ガスと迅速にかつ均一に混合することができ、これによって均一な薄膜を形成することができる薄膜形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜形成装置は、反応容器内に設けた円筒状の回転電極に高周波電力または直流電力を印加することによりプラズマを発生させ、希釈ガスで希釈した反応ガスを分解させて基板上に薄膜を形成する薄膜形成装置であり、反応容器内のガスを排出し再び反応容器内に戻すガス循環路を設け、反応容器内に供給する反応ガスを該ガス循環路から導入することを特徴とする薄膜形成装置である。
【0008】
本発明に従うより具体的な実施形態の薄膜形成装置は、反応容器内でプラズマを発生させ、希釈ガスで希釈した反応ガスを分解させて基板上に薄膜を形成するための薄膜形成装置であり、回転することにより基板表面の近傍を移動しながら通過する電極表面を有する円筒状の回転電極と、回転電極を回転させるための駆動手段と、基板表面と回転電極の間にプラズマを発生させるため回転電極に印加される高周波電力または直流電力を供給する電源と、基板を保持する基板ホルダーと、反応容器内のガスを排出し再び反応容器内に戻すためのガス循環路とを備え、反応容器内に供給する反応ガスをガス循環路から導入することを特徴とする薄膜形成装置である。
【0009】
本発明に従えば、反応容器内に供給する反応ガスを、ガス循環路から導入しているので、ガス循環路を流れるガスと反応ガスを十分に混合することができ、ガス循環路から反応容器内にガスが戻される際には、新たに供給された反応ガスが十分に混合された均一な状態で反応容器内に放出される。従って、新たに供給する反応ガスを希釈ガスと迅速にかつ均一に混合することができ、均一な薄膜を形成することができる。
【0010】
また、本発明においては、反応容器内のガスを排出し再び反応容器内に戻すガス循環路が設けられており、このガス循環路による反応容器内のガスの排出及び反応容器内へのガスの放出により、反応容器内にガスの流れが形成され、反応容器内のガスが攪拌混合される。従って、このことによっても、反応容器内のガスが均一化し、より均一な薄膜を形成することができる。
【0011】
また、本発明においては、ガス循環路に、反応容器内で発生した微粒子を除去するための微粒子除去手段が設けられていることが好ましい。回転電極を用いたプラズマCVD法による薄膜形成においては、相対的に高い圧力で薄膜が形成されるので、反応ガスの濃度が高く、過剰な反応ガスの分解を生じやすい。このため、薄膜形成には直接関与しない分離した微粒子が析出することが知られている。このような微粒子は、均一な薄膜形成の妨げとなり、また装置内のコンタミネーションの原因ともなる。従って、本発明におけるガス循環路において、このような微粒子を除去するための微粒子除去手段を設けることにより、反応容器内で発生した微粒子を除去することができ、均一な薄膜を形成することができる。
【0012】
また、形成する薄膜が半導体薄膜等の場合、ドーパントをドーピングするため、ドーパントガスを用いる場合がある。本発明においては、このようなドーパントガスも、ガス循環路から導入することが好ましい。ドーパントガスをガス循環路から導入することにより、ドーパントガスを反応ガス及び希釈ガスと迅速にかつ均一に混合することができる。
【0013】
本発明においては、さらに、ガス循環路を流れるガス中の反応ガスまたはドーパントガスの濃度を測定するためのガス濃度センサーがガス循環路に設けられていることが好ましい。このようなガス濃度センサーを設けることにより、ガス循環路を流れるガス中の反応ガスまたはドーパントガスの濃度を測定し、得られた濃度データに基づいて、反応ガスまたはドーパントガスの導入量を制御することができる。
【0014】
また、本発明においては、反応容器内におけるガス循環路のガス吸込口が、基板と回転電極の間のプラズマ発生領域の近傍に配置されていることが好ましい。ガス循環路のガス吸込口をこのように配置することにより、プラズマ発生領域において生じた微粒子を即座に吸い込むことができる。従って、反応容器内への微粒子の拡散を防止し、反応容器内の微粒子を低減させることができる。
【0015】
また、本発明においては、反応容器内におけるガス循環路のガス吹出口が、基板と回転電極の間のプラズマ発生領域の近傍に配置されることが好ましい。ガス循環路のガス吹出口をこのように配置することにより、プラズマ発生領域に直接ガスを吹き付けることができ、反応ガスの利用効率を向上させることができる。また、プラズマ発生領域を挟み、ガス吸込口とガス吹出口が向き合うように配置することにより、ガス吹出口からガス吸込口へのプラズマ発生領域を通過するガスの流れを形成することができ、この結果、反応ガス及びドーパントガスが効率良くプラズマ発生領域に供給されるので、これらのガスの利用効率を高めることができる。
【0016】
本発明においては、回転電極の表面に沿ってその一部を覆う回転電極収納部が反応容器に設けられていてもよい。このような回転電極収納部は、基板と対向しかつ基板との間でプラズマを発生する回転電極表面の領域以外の領域を覆うように設けられていることが好ましい。このような回転電極収納部を設けることにより、反応容器内の容積を減少させることができ、反応容器内のガスの量を減少させることができるので、ガス循環路を流れるガス量が相対的に増加し、より迅速にかつより均一に反応ガスを混合させることができる。また、反応容器の容積を減少させることができるで、微粒子が発生する領域が減少し、微粒子の発生を低減させることができる。
【0017】
本発明において用いられる回転電極としては、例えば、特開平9−104985号公報に開示された回転電極を挙げることができる。従って、電極表面に凹凸を有した回転電極や、電極表面の一部もしくは全部の上に絶縁膜を有した回転電極等を用いることができる。
【0018】
また、薄膜形成条件は、特に限定されるものではなく、例えば、特開平9−104985号公報に開示された薄膜形成条件を採用することができる。
本発明の薄膜形成装置は、回転電極と基板の間に発生させたプラズマにより反応ガスを分解させるプラズマCVD法により薄膜を形成させることができる装置である。本発明の薄膜形成装置は、特に高い圧力下で薄膜を形成する場合に有用である。例えば、雰囲気圧力、すなわち反応容器内の全圧が1Torr以上の条件が特に有用である。反応ガスの分圧としては、0.01Torr以上の条件が好ましい。反応容器内の全圧は、より好ましくは100Torr〜1atmであり、さらに好ましくは約1atmである。反応ガスの分圧は、より好ましくは0.1〜50Torrであり、さらに好ましくは5〜50Torrである。
【0019】
本発明における希釈ガスとしては、不活性ガスを用いることができ、このような不活性ガスとしては、He、Ne、Ar、Kr、及びXeなどが挙げられる。
反応容器内には、さらに水素ガスを含有させることができる。水素ガスの分圧としては、1Torr以上が好ましく、より好ましくは1〜50Torrである。
【0020】
本発明において、回転電極の電極表面の周速度は、10m/秒以上、音速以下が好ましい。周速度がこの範囲よりも小さいと、プラズマ空間に対する反応ガスの供給が不十分となる場合がある。また、周速度が音速以上になると、音速を超えることによる衝撃波等の問題が生じる。電極表面の周速度として、より好ましくは、50m/秒〜音速であり、さらに好ましくは50〜200m/秒である。
【0021】
本発明において、回転電極と基板との間の距離は、0.01〜1mm程度が好ましい。
本発明において、回転電極に高周波電力を印加する場合、パルス状に印加することが好ましい。高周波電力をパルス状に印加することにより、安定したプラズマを広範囲に維持することができる。パルス中に印加する高周波電力のデューティ比としては、1/100以上が好ましい。またパルス中に変調する変調周波数としては、100kHz以上が好ましい。
【0022】
本発明において、回転電極に高周波電力を印加する場合の高周波電力の周波数としては、13.56MHz以上が好ましく、さらに好ましくは150MHz以上である。
【0023】
本発明において、高周波電力の投入電力密度としては、10W/cm2 以上が好ましく、より好ましくは10〜100W/cm2 以上であり、さらに好ましくは30〜100W/cm2 である。
【0024】
また、本発明において直流電力を回転電極に印加する場合には、従来の直流電力によるプラズマCVD法条件を参考にして設定することができる。
本発明において、薄膜形成の際の基板温度は、室温(20℃)〜500℃が好ましく、より好ましくは室温(20℃)〜300℃である。
【0025】
本発明において形成する薄膜は、プラズマCVD法等により形成することができる薄膜であれば特に限定されるものではない。具体的には、Si、C(ダイヤモンド及びダイヤモンド状薄膜を含む)、SiC、SiO2 、Si3 N4 、Al2 O3 、AlNなどが挙げられる。反応容器内に供給する反応ガスは、これらの形成する薄膜に応じて適宜選択される。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に従う一実施例の薄膜形成装置を示す概略断面図である。図1を参照して、反応容器5内には、基板ホルダー3が設けられており、基板ホルダー3の上に基板2が載せられている。基板2の上には、円筒状の回転電極1が設けられている。回転電極1は、回転軸1bを中心に、回転軸1bが回転することにより図示する矢印方向に回転する。回転軸1bは、図示されないモータなどの駆動手段により回転する。回転軸1bには、高周波電力を印加するための高周波電源4が接続されている。高周波電源4からの高周波電力が回転電極1に印加されることにより、回転電極1の表面1aと基板2との間にプラズマが発生する。
【0027】
基板2上に大きな面積の薄膜を形成する場合には、基板ホルダー3を回転軸1bと垂直な方向に移動させ、基板2を回転電極1に対して相対的に移動させながら薄膜を形成する。
【0028】
反応容器5には、反応容器5内のガスを排出し再び反応容器5に戻すためのガス循環路10が取り付けられている。ガス循環路10のガス吸込口11は、回転電極1の表面1aと基板2との間のプラズマ発生領域の近傍に位置するよう設けられている。また、ガス循環路10からガスを反応容器5内に戻すガス吹出口12は、反応容器5の底部の部分に設けられている。
【0029】
図2は、ガス循環路10のガス吸込口11を示す斜視図である。図2に示すように、ガス吸込口11は、幅広く形成されており、好ましくは、回転電極1の回転軸方向の長さ(幅)とほぼ同程度の幅となるように形成されている。
【0030】
図1を再び参照して、ガス循環路10のガス吸込口11における吸引、及びガス吹出口12におけるガスの放出は、ガス循環路10に設けられた循環ポンプ13により行われる。循環ポンプ13としては、例えばドライポンプが用いられる。また、ガス吸込口11から循環ポンプ13までの間には、ガス循環路10内を流れる反応ガス及びドーパントガスの濃度を測定するためのガス濃度センサー14が設けられている。ガス濃度センサー14としては、例えば、赤外線の吸収量でガス濃度を検出することができる濃度センサーが用いられる。
【0031】
ガス濃度センサー14と循環ポンプ13の間のガス循環路には、ガス導入口15が設けられている。このガス導入口15から、反応ガス及びドーパントガスをガス循環路10中に供給することができる。ガス導入口から供給された反応ガス及びドーパントガスは、ガス導入路10を流れるガスと混合され、ガス吹出口12から反応容器5内に放出される。ガス導入口15は、循環ポンプ13より上流の位置に設けられることが好ましい。ガス導入口15を循環ポンプ13より上流の位置に設けることにより、ガス導入口15から導入された反応ガス及びドーパントガスが、循環ポンプ13を通過する際に、より強力に攪拌混合される。
【0032】
図3は、反応容器5に接続されているガス循環路10をさらに詳細に説明するための概略構成図である。反応容器5内のガスは、ガス吸込口11から排出され、微粒子除去手段である微粒子除去フィルタ16により、ガス中に含有される微粒子が除去される。この微粒子は、上述のように、反応容器内で反応ガスが分解することにより生成した微粒子である。このような微粒子除去フィルタ16としては、例えば、アニオン交換繊維やカチオン交換繊維などのアクリル繊維をフィルタ状に成形したものを用いることができる。
【0033】
ガス循環路10内のガスは、次にガス濃度センサー14を通り、反応ガス及びドーパントガスの濃度が測定され、ガス導入口15まで送られる。ガス導入口15には、ガスボンベ20〜24が接続されている。ガスボンベ20は希釈ガスとしてのヘリウムガス、ガスボンベ21は反応ガスとしてのシランガス、ガスボンベ22はドーパントガスとしてのホスフィンガス、ガスボンベ23はドーパントガスとしてのジボランガス、ガスボンベ21は水素ガスのボンベである。ガス濃度センサー14で測定された濃度データに基づき、それぞれのガスがガス導入口15からガス循環路10内に供給される。これらのガスは、循環ポンプ13に送られ、上述のようにポンプの作用によって攪拌混合された後、水吸着筒18を通り脱水された後、ガス吹出口12から再び反応容器5内に戻される。なお、ガス循環路10から外部にガスを放出する場合には、図示するようにシランガス除外装置17を通して外部にガスを放出することが好ましい。
【0034】
図1に示す薄膜形成装置を用いてアモルファスシリコン薄膜を形成した。回転電極1としては、直径300mm、回転軸方向の長さ(幅)100mmのアルミニウムからなる円筒状の回転電極を用いた。従って、回転電極1は、円周方向に連続した表面を有している。高周波電源4からは、周波数150MHz、電力パワー500Wの高周波電力を印加した。反応ガスとしては、希釈ガスとしてのヘリウムに希釈された0.1%シランガスを用い、反応容器5内の圧力は1気圧とした。回転電極1の表面1aと基板2との間のギャップは300μmとなるように調整した。
【0035】
ガス循環路10内でのガス流量は、反応容器の全容積のガスが20秒間でガス循環路10内を流れるような流量とした。ガス濃度センサー14でガス循環路10中を流れるガスの濃度を測定し、シランガス濃度が常に0.1%になるようにガス導入口15からシランガスを供給した。供給量は約20cc/分であった。なお基板温度は加熱せず、常温(20℃)とした。
【0036】
以上の結果、アモルファスシリコン薄膜を500Å/秒の堆積速度で形成することができた。
比較として、ガス導入口15の位置で反応ガスを導入するのではなく、図1に示すAの位置でシランガスを約20cc/分の流量で供給したところ、薄膜堆積速度は当初500Å/秒であったが、10秒後には300Å/秒に低下した。これは、反応ガスであるシランガスが反応容器5中で十分に混合されず不均一に存在していたためと考えられる。
【0037】
次に、上記と同様の条件で反応ガスであるシランガスとともにドーパントガスを供給し、ドーピングされたアモルファスシリコン薄膜を形成した。反応ガスとしてのシランガスは上記と同様にガス導入口15から供給し、ドーパントガスであるジボラン(B2 H6 )ガスは、水素ガスで1%に希釈し、ガス導入口15から2〜3cc/分の流量で導入した。この結果、導電率が約1×10−3(Ωcm)−1であるp型のアモルファスシリコン薄膜が得られた。なお、ドーパントガスを供給していない上記のノンドープのアモルファスシリコン薄膜の導電率は約1×10−11 (Ωcm)−1であった。
【0038】
次にドーパントガスとしてホスフィン(PH3 )ガスを用い、同様に水素ガスで1%に希釈し、2〜3cc/分の流量でガス導入口15から導入した。得られたアモルファスシリコン薄膜の導電率は約1×10−2(Ωcm)−1であった。
【0039】
比較として、反応ガスはガス導入口15から供給するが、ドーパントガスは図1に示すAから直接反応容器5内に供給して薄膜を形成した。得られた比較のアモルファスシリコン薄膜の導電率は、いずれのドーパントガスを用いた場合にもその導電率は10−8〜10−3(Ωcm)−1であり、不安定であった。
【0040】
図4は、本発明に従う他の実施例の薄膜形成装置を示す概略断面図である。図4に示す実施例においては、プラズマ発生領域となる部分以外の回転電極1の部分は、反応容器5の回転電極収納部6に納められている。回転電極収納部6は、回転電極1の表面1aに沿う形状を有している。このように回転電極1を回転電極収納部6に収納することにより、反応容器5全体の容積が大幅に減少される。この結果、ガス循環路10を流れるガス量の割合が相対的に増加し、ガス循環路10を通過することによるガスの混合攪拌がさらに効率的になされる。また、反応容器5の容積が減少するので、微粒子が発生する領域が減少し、微粒子の発生がさらに抑制される。
【0041】
図5は、本発明に従うさらに他の実施例の薄膜形成装置を示す概略断面図である。図5に示す実施例においては、ガス循環路10の吹出口12が、回転電極1の表面1aと基板2との間のプラズマ発生領域の近傍に位置するように設けられている。従って、プラズマ発生領域に直接反応ガスを含んだガスを供給することができ、反応ガスの利用効率を向上させることができる。なお図5に示す実施例におけるガス吹出口12は、図2に示すガス吹込口11と同様の形状を有している。
【0042】
図5に示す実施例では、プラズマ発生領域を挟み、ガス吸込口11とガス吹出口12が向き合うように設けられているので、ガス吹出口12から吹き出されたガスがプラズマ発生領域を通りプラズマ中を通過した後、ガス吸込口11から吸引される。従って、プラズマ発生領域中を流れるガスの流れを形成することができ、さらに反応ガスの利用効率を高めることができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明に従えば、新たに供給する反応ガスを希釈ガスと迅速にかつ均一に混合することができる。従って、膜厚や膜質の均一な薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施例の薄膜形成装置を示す概略断面図。
【図2】図1に示すガス循環路のガス吸込口を示す斜視図。
【図3】図1に示す実施例におけるガス循環路をさらに詳細に説明するための概略構成図。
【図4】本発明に従う他の実施例の薄膜形成装置を示す概略断面図。
【図5】本発明に従うさらに他の実施例の薄膜形成装置を示す概略断面図。
【符号の説明】
1…回転電極
1a…回転電極の表面
1b…回転電極の回転軸
2…基板
3…基板ホルダー
4…高周波電源
5…反応容器
6…回転電極収納部
10…ガス循環路
11…ガス吸込口
12…ガス吹出口
13…循環ポンプ
14…ガス濃度センサー
15…ガス導入口
Claims (9)
- 反応容器内に設けた円筒状の回転電極に高周波電力または直流電力を印加することによりプラズマを発生させ、希釈ガスで希釈した反応ガスを分解させて基板上に薄膜を形成する薄膜形成装置であって、
前記反応容器内のガスを排出し再び前記反応容器内に戻すガス循環路を設け、前記反応容器内に供給する反応ガスを該ガス循環路から導入することを特徴とする薄膜形成装置。 - 反応容器内でプラズマを発生させ、希釈ガスで希釈した反応ガスを分解させて基板上に薄膜を形成するための薄膜形成装置であって、
回転することにより前記基板表面の近傍を移動しながら通過する電極表面を有する円筒状の回転電極と、
前記回転電極を回転させるための駆動手段と、
前記基板表面と前記回転電極の間にプラズマを発生させるため前記回転電極に印加される高周波電力または直流電力を供給する電源と、
前記基板を保持する基板ホルダーと、
前記反応容器内のガスを排出し再び前記反応容器内に戻すためのガス循環路とを備え、
前記反応容器内に供給する反応ガスを前記ガス循環路から導入することを特徴とする薄膜形成装置。 - 前記ガス循環路に、前記反応容器内で発生した微粒子を除去するための微粒子除去手段が設けられている請求項1または2に記載の薄膜形成装置。
- 前記薄膜にドーピングされるドーパントガスが前記ガス循環路から前記反応容器内に導入される請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
- 前記ガス循環路を流れるガス中の反応ガスまたはドーパントガスの濃度を測定するためのガス濃度センサーが設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
- 前記ガス濃度センサーによって測定された濃度データに基づいて、反応ガスまたはドーパントガスの導入量が制御される請求項5に記載の薄膜形成装置。
- 前記反応容器内における前記ガス循環路のガス吸込口が、前記基板と前記回転電極の間のプラズマ発生領域の近傍に配置される請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
- 前記反応容器内における前記ガス循環路のガス吹出口が、前記基板と前記回転電極の間のプラズマ発生領域の近傍に配置される請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
- 前記回転電極の表面に沿ってその一部を覆う回転電極収納部が前記反応容器に設けられている請求項1〜8のいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
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