JP2664886B2 - シリコン膜の形成方法及びシリコン膜形成装置 - Google Patents

シリコン膜の形成方法及びシリコン膜形成装置

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JP2664886B2
JP2664886B2 JP7270338A JP27033895A JP2664886B2 JP 2664886 B2 JP2664886 B2 JP 2664886B2 JP 7270338 A JP7270338 A JP 7270338A JP 27033895 A JP27033895 A JP 27033895A JP 2664886 B2 JP2664886 B2 JP 2664886B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜の形成方法及
び薄膜形成装置に関し、特にシリコン膜の形成方法及び
シリコン膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置に用いられる種々の薄膜は、
スパッタリングや真空蒸着などの物理的堆積方法、ある
いはCVD法(化学気相成長法)などの方法により形成
される。特に、CVD法は薄膜形成の有用な手段として
注目されており、シリコン膜は、主としてCVD法によ
り製造されている。
【0003】図7は、シリコン膜を形成するための従来
の装置の断面構造を模式的に示している。従来のシリコ
ン膜の形成装置200は、真空室202と、真空室20
2に接続されたガス供給口204及び排気口206と、
真空室202の周りに設けられたヒータ208とを備え
ている。排気口206に接続された排気装置により、真
空室202の内部が真空に排気され、ガス供給口204
から、流量制御装置により流量が制御されたモノシラン
ガス(SiH4)及び水素が真空室202へ導入される。
真空室202へ導入されたモノシランガスは、真空室2
02内の温度を制御するためのヒータ208により加熱
され、熱分解する。そして真空室202内に保持された
基板210にシリコン膜が堆積される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置200を用
いた従来のシリコン膜の形成方法では、真空室202へ
導入されたモノシランガスのうち、その一部分のみが熱
により分解され、シリコン膜の形成に寄与する。そし
て、分解しなかったモノシランガスは排気口206から
排気されてしまう。このため、従来の装置200に導入
するモノシランガスのうち、大部分は無駄に排気されて
おり、利用効率が悪かった。
【0005】高純度のモノシランガスは高価であるた
め、利用効率が悪いと、シリコン膜の製造コストを上昇
させる結果となる。例えば、この方法により形成される
シリコン膜を用いて太陽電池を製造する場合、太陽電池
の製品寿命の間に発生させることのできる電力よりも太
陽電池の製造コストが高くなり、この様な太陽電池は実
用的ではないという問題が生じる。
【0006】また、モノシランガスは空気中で爆発した
り発火したりするため、モノシランガスを用いる場合、
安全設備が必要となり、製造コストを更に上昇させる。
【0007】更に、危険性を考慮すれば、シリコン膜形
成時のモノシランガスの圧力は低い方が好ましいが、圧
力が低いとシリコン膜の堆積速度が遅くなり、生産性が
低下してしまう。一方、生産性を向上させるために、危
険性を考慮した上で高圧のモノシランを扱うためには、
安全設備に必要な費用を増大させてしまう。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは、低コストでシ
リコン膜を形成する方法及びシリコン膜の形成装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のシリコン膜の形
成方法は、ケイ素及び塩素を含み、常温および常圧下で
液体である化合物を反応室内に導入し、該反応室内に保
持された基板の表面に該化合物を液体の微粒子の状態で
噴霧する工程と、該反応室内の外部より印加されたエネ
ルギによって、該微粒子状の化合物を分解し、該反応室
内に保持された基板上にシリコン膜を堆積する工程とを
包含しており、そのことにより、上記目的が達成され
る。
【0010】前記化合物を噴霧する工程は、搬送ガス及
び還元性ガスの少なくとも一方のガスにより、前記化合
物を前記反応室に接続されたノズルから噴霧させてもよ
い。前記噴霧する工程は、前記基板に対向するように保
持された前記化合物の液体を超音波により振動させ、該
液体の表面から該基板へ該化合物を噴霧させてもよい。
【0011】前記液体の前記表面は、前記基板の前記表
面よりも大きくなっていることが好ましい。
【0012】前記噴霧する工程は、搬送ガス及び還元性
ガスの少なくとも一方を導入することにより、前記微粒
子状の化合物を前記基板へ搬送してもよい。
【0013】前記シリコン膜を堆積する工程を、数十T
orrから1気圧の範囲の圧力で行うことが好ましい。
【0014】前記エネルギにより前記基板を加熱し、該
基板から放射される輻射エネルギにより、前記微粒子状
の化合物を熱分解させてもよい。
【0015】前記エネルギにより、前記反応室内の前記
微粒子状の化合物をプラズマ状態に分解させてもよい。
【0016】前記化合物は、ヘキサクロロジシラン(S
2Cl6)、またはテトラクロロシラン(SiCl4
であることが好ましい。
【0017】前記化合物は、ジクロロシラン(SiH2
Cl2)、またはトリクロロシラン(SiHCl3)であ
ってもよい。
【0018】前記化合物は、加圧、または冷却により液
化されていてもよい。
【0019】前記還元性ガスは水素、または一酸化炭素
であることが好ましい。
【0020】前記搬送ガスはアルゴンまたはヘリウムで
あることが好ましい。
【0021】また、本発明のシリコン膜の形成装置は、
空間を備えた反応室と、ケイ素及び塩素を含み、常温お
よび常圧下で液体である化合物を該反応室内に導入し、
該反応室内に保持された基板の表面に該化合物を液体の
微粒子の状態で噴霧する手段と、該微粒子状の化合物を
分解するための分解手段とを有しており、そのことによ
り、上記目的が達成される。
【0022】前記噴霧する手段は、液体導入口と、ガス
導入口と、前記反応室に接続されたノズルとを備えた液
体噴霧器を有し、該液体導入口から導入された前記化合
物を該ガス導入口から導入された搬送ガス及び還元性ガ
スの少なくとも一方のガスにより、該ノズルから前記反
応室へ噴霧させてもよい。
【0023】前記噴霧する手段は、前記反応室内に接続
され、前記基板の前記表面に対向する開口部を備え、前
記化合物を保持するための原料槽と、該原料槽に超音波
エネルギを与える超音波発生装置とを有していてもよ
い。
【0024】前記原料槽の前記開口部の面積は前記基板
の前記表面より大きくなっていることが好ましい。
【0025】前記原料槽の前記開口部の周りから搬送ガ
ス及び還元性ガスの少なくとも一方を前記反応室へ導入
するためのガス導入口を更に有していてもよい。
【0026】前記分解手段は、前記基板を加熱する加熱
装置を備え、該基板を加熱することにより、該基板表面
近傍の前記微粒子状の前記化合物を分解してもよい。
【0027】前記加熱手段は、前記基板を保持する基板
ホルダと該基板ホルダに設けられたヒータとから構成さ
れていてもよい。
【0028】前記分解手段は、前記反応室の周囲に設け
られた高周波電力印加装置を備え、高周波電力印加装置
により、該反応室内の前記微粒子状の前記化合物をプラ
ズマ状態に分解する構成を備えていてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0030】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
によるシリコン膜形成装置の構成を概略的に示してい
る。シリコン膜形成装置10は、反応室12と、反応室
12により形成される空間14内に設けられた基板ホル
ダ16と反応室12に接続された噴霧器18とを有して
いる。
【0031】反応室12には真空計20が設けられてお
り、反応室12内の空間14の圧力を任意の一定値に保
つことができるように、真空計20が検知した値に基づ
いて真空制御装置24が反応室12に接続された排気装
置22を制御している。排気装置22から排気されるガ
スは除害装置(図示せず)などに接続することが好まし
い。
【0032】反応室12は、石英やステンレスなど、後
述する原料ガスに腐食されない材料で構成されているこ
とが好ましい。反応室12は、形成するシリコン膜の大
きさに合わせて任意の大きさを備えていてよい。本実施
例では直径180mm程度の石英製の反応室12を用い
る。
【0033】基板ホルダ16には、その表面に保持され
た基板26を加熱するためのヒータ28が設けられてお
り、基板26の温度はヒータ28に接続された温度制御
装置30により制御される。形成するシリコン膜の均一
性を向上させるために、基板ホルダ16に、回転制御装
置32を設け、基板26を回転させてもよい。
【0034】図2に示されるように、噴霧器18は、ガ
ス導入口40と、液体導入口42と、反応室12に接続
されたノズル44とを有しいる。液体導入口42からは
ケイ素及び塩素を含む液体原料が導入され、液体導入口
42に設けられたニードルバルブ46により、液体導入
口42内で液体が気化しないように調整される。またガ
ス導入口40からは搬送ガス、還元性ガス、あるいはこ
れらの混合ガスが供給される。
【0035】図1に示されるように、搬送ガスや還元性
ガスは流量制御装置50を介して噴霧器18に導入され
る。また、アンプル54に保管された液体原料55は配
管57から不活性ガスなど加圧され、液体流量制御装置
52を介して噴霧器18へ導入される。液体導入口42
から供給される液体原料55は、ガス導入口40から導
入されるガスにより加圧され、ノズル44から反応室1
2の空間14へ液体の微粒子として噴霧される。後述す
るように、基板ホルダ16に保持された基板26の全面
に液体原料55が噴霧されるよう、ノズル44の広がり
角αが適切に選択されている。液体の微粒子は、通常、
数μmから数十μmの大きさを有しているが、特定の値
に限定されるものではなく、霧状になっている限りどの
ような大きさであってもかまわない。
【0036】本発明では、シリコン膜形成のために、ヘ
キサクロロジシラン(Si2Cl6)を液体原料として用
いる。ヘキサクロロジシランは、約145℃の沸点を有
し、常温および常圧状態では液体である。ヘキサクロロ
ジシランは、モノシランやジシランのように空気中の酸
素あるいは水分と反応して、発火したり爆発したりする
危険性はないが、腐食性を有しており、水と反応して分
解し、塩素や塩化水素を発生する。ヘキサクロロジシラ
ンは例えば、東亞合成化学から購入することができる。
ヘキサクロロジシラン以外にテトラクロロシラン(Si
Cl4)やジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリクロ
ロシラン(SiHCl3)等を液体原料として用いるこ
ともできる。
【0037】また、ヘキサクロロジシランの分解により
生じる塩素を効率よく反応系外へ除去するため、あるい
は反応系内の酸素を除去するために還元性ガスを添加す
ることが好ましい。還元性ガスとしては、水素あるいは
一酸化炭素を用いることが好ましい。
【0038】液体原料が腐食性を有するため、上記シリ
コン膜形成装置10は防食性を有する材料あるいは構造
の部品で構成することが好ましい。この様な腐食性を有
するガスあるいは液体を取り扱うための装置及び部品は
当業者に公知であり、そのような装置や部品を用いて本
発明のシリコン膜形成形成装置を構成することができ
る。シリコン膜形成装置10において、液体流量制御装
置52としては、ヘキサクロロジシラン用のマスフロー
コントローラを用いることが好ましいが、入手できない
場合には、防食性を有する液体用マスフローコントロー
ラを用いることができる。本実施例では、小島製作所製
の液体用サーマルマスフローコントローラF900を用
い、ヘキサクロロジシランのコンバージョンファクタが
不明であるため、水の値を用いて液体の流量を制御して
いる。
【0039】以下にシリコン膜形成装置10を用い、シ
リコン膜を形成する方法を詳述する。
【0040】まず、基板ホルダ16上に石英やシリコン
等からなる基板26を保持し、反応室12の内部を排気
装置22を用いて真空に排気する。また、ヒータ28を
用いて基板26を加熱する。シリコン膜を形成する際、
基板26を450℃から800℃の範囲の温度に保つこ
とが好ましく、700℃程度に保つことがより好まし
い。
【0041】続いて、液体原料55としてヘキサクロロ
ジシランが封入されたアンプル54にアルゴンまたはヘ
リウム等の不活性ガスを配管57から導入してアンプル
54内を加圧する。本実施例では、アンプル55内が約
1.5kg/cm2の圧力となるように加圧して、液体
原料であるヘキサクロロジシランを一定の圧力で液体流
量制御装置52へ送り出す。液体流量制御装置52は所
定の流量で液体原料を噴霧器18へ送り出す。
【0042】噴霧器18では液体流量制御装置内で液体
が気化するのを防ぐため、液体の経路を狭くしてニード
ルバルブ46によって、適当な流量の液体原料が反応室
12へ導入されるように調節する。流量制御装置50に
よって適当な圧力で加圧された搬送ガス、還元性ガス、
またはこれらの混合ガスを噴霧器18に導入し、ガスと
液体原料を混合させ、ノズル44から反応室12内の基
板26へ液体原料を噴出させる。ノズル44から噴霧さ
れた液体原料は微粒子となり、破線56で示されるよう
に、反応室12内に広がりながら基板26の表面に向け
て飛散する。この際、反応室12内の圧力は数十Too
rから約1気圧の範囲の圧力に調整されていることが好
ましい。この際、ノズル44から噴出される原料の一部
は気化していてもよい。その場合には後述するように原
料の利用効率が少し低下する可能性はあるが、液体の微
粒子状の原料の一部がが基板26へ噴霧されておれば、
従来の方法に比べて堆積速度は著しく向上する。
【0043】基板26の表面近傍に到達した微粒子状の
液体原料は、加熱された基板26からの輻射エネルギを
うけて分解し、ケイ素が基板26上に堆積する。これに
より、基板26上にシリコン膜60が形成される。
【0044】この方法により、形成されるシリコン膜6
0は多結晶シリコン膜であり、その品質は、太陽電池な
どの半導体装置に適している。以下に示す表1は、上記
方法により形成したシリコン膜及び従来の方法により形
成したシリコン膜の堆積速度を示している。表1に示す
結果は、ヘキサクロロジシランをH2O換算で1.8g
/hr、搬送ガスとしてアルゴンガスを15l/min
の流量で反応させた場合の結果を示している。
【0045】
【表1】
【0046】表から明らかなように本発明によれば、従
来のモノシランを用いたCVD法よりも10倍程度堆積
速度が速くなっていることが分かる。また、図3は、基
板温度を変化させたときの堆積速度の変化を示すグラフ
である。基板温度が高くなるにつれてヘキサクロロジシ
ランの分解が促進され、堆積速度が増していることが分
かる。
【0047】上記説明から明らかなように、本実施例に
よれば、シリコン膜の原料となるヘキサクロロジシラン
は微粒子状の液体として反応室12内の基板26にのみ
吹き付けられる。従って、原料を基板にのみ供給するた
め、シリコン膜形成に寄与せず、無駄に排出される原材
料を減らすことができ、原料の利用効率が非常に高くな
る。ノズル44から噴霧される原料の一部が気化してい
る場合でも、原料の一部が液体の微粒子として基板の近
傍に到達している限り、同様の効果が得られる。
【0048】また、基板表面近傍までは、微粒子状の液
体として原料を供給し、その後気化させて、分解するの
で、基板近傍での原料の濃度が非常に高くなり、シリコ
ン膜の堆積速度を増大させることができる。
【0049】上記実施例では、基板表面に到達した微粒
子状のヘキサクロロジシランを分解させるために、基板
を加熱させているが、更に分解を促進させるために、プ
ラズマ放電を利用してもよい。図4に示されるシリコン
膜形成装置70は、反応室12の外部にプラズマ発生装
置72を有している点で図1に示されるシリコン膜形成
装置10とは異なっている。プラズマ発生装置72は、
反応室12の外部に設けられたコイル74とRF電源7
6とを備えている。RF電源76から13.56MHz
の周波数で100から500Wの交流電力をコイル74
に印加することにより、反応室12内に噴霧されるヘキ
サクロロジシランが分解し、プラズマ状態になる。従っ
て、基板26の加熱温度が低くても、早い堆積速度でシ
リコン膜を形成することができる。プラズマ放電を発生
させるためには、反応室12内の圧力は1mTorrか
ら10Torrの範囲に調節することが好ましい。
【0050】(実施例2)図5は本発明の第2の実施例
によるシリコン膜形成装置100の構成を概略的に示し
ている。また、図6はシリコン膜形成装置100の主要
部の分解斜視図である。シリコン膜形成装置100は、
反応室102と、反応室102により形成される空間1
04内に設けられた基板ホルダ106と、原料槽108
とを有している。
【0051】反応室102には真空計112が設けられ
ており、反応室102内の空間104の圧力を任意の一
定値に保つことができるように、真空計112が検知し
た値に基づいて真空制御装置114が反応室102に接
続された排気装置115を制御している。排気装置11
5から排気されるガスは除害装置(図示せず)などに接
続することが好ましい。
【0052】反応室102は、石英やステンレスなど、
後述する原料ガスに腐食されない材料で構成されている
ことが好ましい。反応室102は、形成するシリコン膜
の大きさに合わせて任意大きさを備えていてよい。本実
施例では直径180mm程度の石英製の反応室102を
用いる。
【0053】基板ホルダ106には、その表面に保持さ
れた基板26を加熱するためのヒータ116が設けられ
ており、基板26の温度はヒータ116に接続された温
度制御装置118により制御される。形成するシリコン
膜の均一性を向上させるために、基板ホルダ106に、
回転制御装置120を設け、基板26を回転させてもよ
い。
【0054】反応室102と原料槽108とはゲートバ
ルブ122によって遮断されており、ゲートバルブ12
2のシャッタ124が開くと、原料槽108の開口部1
26がゲートバルブ122の開口125を介して基板ホ
ルダ106に保持された基板26の表面128とが直接
対向する。原料槽108の開口部126は基板26の表
面128の面積よりも大きいことが好ましい。例えば、
基板の直径が3インチである場合には、原料槽108の
直径は4インチ程度であることが好ましい。
【0055】原料槽108は、水あるいはオイル129
が満たされた超音波槽130に浸されており、超音波エ
ネルギは原料槽108の内部に満たされたヘキサクロロ
ジシラン131へ与えられる。原料槽108の直径が約
4インチである場合には、超音波槽130は40kH
z、600W程度の能力を備えていることが好ましい。
この場合、ヘキサクロロジシラン131の表面と基板2
6との間隔は10から20cm程度であることが好まし
い。超音波槽130内の水あるいはオイル129が一定
の温度、例えば約15℃に保たれるように、超音波槽1
30には、冷却装置133が設けられている。
【0056】ゲートバルブ122と基板ホルダ106と
の間の開口125の周りにリング状のガス導入管132
が設けられており、ガス導入管132の内周に設けられ
た複数の穴134から搬送ガスあるいは還元性ガスが反
応室102内に導入される。以下にシリコン膜形成装置
100を用い、シリコン膜を形成する方法を詳述する。
まず、基板ホルダ106に基板26を保持し、反応室1
02の内部を排気装置115を用いて真空に排気する。
また、ヒータ116を用いて基板26を加熱する。シリ
コン膜を形成する際、基板26を450℃から800℃
の範囲の温度に保つことが好ましく、700℃程度に保
つことがより好ましい。反応室12内の圧力は数十To
orから約1気圧の範囲の圧力に調整されていることが
好ましい。
【0057】続いて、超音波槽130を駆動させ、原料
槽108内のヘキサクロロジシラン131に超音波エネ
ルギを与える。そして、ゲートバルブ122のシャッタ
124を開ける。
【0058】原料槽108内のヘキサクロロジシラン1
31は超音波エネルギにより振動し、微粒子状の液体の
ヘキサクロロジシランがその表面から矢印140で示さ
れるように基板26へ向かって噴霧される。この際、実
施例1において説明したように、原料槽108から噴霧
されるヘキサクロロジシランの一部が気化していてもよ
い。また、噴霧される微粒子は、通常、数μmから数十
μmの大きさを有しているが、特定の値に限定されるも
のではなく、霧状になっている限りどのような大きさで
あってもかまわない。
【0059】基板26の表面近傍に到達した微粒子状の
ヘキサクロロジシランは、加熱された基板26からの輻
射エネルギをうけて分解し、ケイ素が基板26上に堆積
する。これにより、基板26上にシリコン膜60が形成
される。基板26の表面にまで到達しなかったヘキサク
ロロジシランや反応に寄与しなかったヘキサクロロジシ
ランは矢印142で示されるように原料槽108へ戻
り、再び超音波エネルギを受けて原料槽108から噴霧
される。
【0060】この方法により、形成されるシリコン膜6
0は実施例1と同様、多結晶シリコン膜であり、その品
質は太陽電池などの半導体装置に適している。上記表1
に示すように、本実施例の方法によれば、従来のモノシ
ランを用いたCVD法よりも5倍程度堆積速度が速くな
っていることが分かる。
【0061】上記説明から明らかなように、本実施例に
よれば、シリコン膜の原料となるヘキサクロロジシラン
は原料槽108の開口部126から上方に向かって噴霧
され、反応室12内の基板26へ吹き付けられる。そし
て、反応しなかったヘキサクロロジシランは、原料槽1
08に戻り、超音波エネルギを受けて再度反応に寄与す
ることができる。従って、リコン膜形成に寄与せず、無
駄に排出される原材料を減らすことができ、原材料の利
用効率が非常に高くなる。
【0062】また、基板表面近傍までは、微粒子状の液
体として原料を供給し、その後気化させて分解するの
で、基板近傍での原料の濃度が非常に高くなり、シリコ
ン膜の堆積速度を増大させることができる。
【0063】更に、原料槽108のヘキサクロロジシラ
ンを超音波エネルギにより噴霧させることにより、開口
部126全体から広い面積にわたって均一な濃度で微粒
子を噴霧することできる。開口部126は基板26の面
積よりも大きいため、基板26全面に均一厚さを有する
シリコン膜を形成することができる。
【0064】上記実施例では、ヘキサクロロジシランを
熱により分解しているが、実施例1で説明したように、
プラズマ発生装置をシリコン膜形成装置100に設け、
プラズマ放電により分解を促進してもよい。
【0065】また、シリコン膜の原料となる化合物や搬
送ガス、還元性ガスについても実施例1において説明し
たような物質を用いることができる。
【0066】さらに、ガス導入管132をゲートバルブ
122と基板ホルダ106との間に設ける代わりに、原
料槽108内のヘキサクロロジシラン中に浸してバブリ
ングさせてもよい。あるいは、ガス導入管132は設け
なくてもよい。
【0067】上記実施例1及び2では、基板を保持する
基板ホルダを加熱することにより、ヘキサクロロジシラ
ンを分解させているが、反応室の外周にヒータを設置
し、その熱により分解させてもよい。
【0068】また、ヘキサクロロジシランは腐食性があ
り、大気中では塩素や塩化水素が発生するため、安全性
を考慮すれば、1気圧以下の圧力でシリコン膜を形成す
ることが好ましい。しかし、加圧状態でも機密性の高い
反応室を有する装置を用いることができる場合には、1
気圧以上でシリコン膜を形成してもよい。この場合には
更に堆積速度が増大する。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、ケイ素及び塩素を含む
液体原料を用いて、高い原料利用効率で、かつ早い速度
でシリコン膜を堆積させることができるので、低コスト
でシリコン膜を形成することができる。また、そのよう
な方法に用いるシリコン膜形成装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例によるシリコン膜形成装置の構成
を示す模式図である。
【図2】図1に示されるシリコン膜形成装置の噴霧器付
近の構造を示す断面模式図である。
【図3】図1に示されるシリコン膜形成装置を用いて形
成されるシリコン膜の基板温度と堆積速度との関係を示
すグラフである。
【図4】第1の実施例によるシリコン膜形成装置の別の
構成を示す模式図である。
【図5】第2の実施例によるシリコン膜形成装置の構成
を示す模式図である。
【図6】図5に示されるシリコン膜形成装置の主要部の
分解斜視図である。
【図7】従来のシリコン膜形成装置の構造を示す模式図
である。
【符号の説明】
10 シリコン膜形成装置 12 反応室 16 基板ホルダ 18 噴霧器 22 排気装置 28 ヒータ 44 ノズル 52 液体流量制御装置 54 アンプル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 哲久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 向井 裕二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−90395(JP,A) 特公 昭30−8459(JP,B1) 特公 昭55−15545(JP,B2)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素及び塩素を含み、常温および常圧
    下で液体である化合物を反応室内に導入し、該反応室内
    に保持された基板の表面に該化合物を液体の微粒子の状
    態で噴霧する工程と、 該反応室内の外部より印加されたエネルギによって、該
    微粒子状の化合物を分解し、該反応室内に保持された基
    板上にシリコン膜を堆積する工程と、を包含するシリコ
    ン膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記化合物を噴霧する工程は、搬送ガス
    及び還元性ガスの少なくとも一方のガスにより、前記化
    合物を前記反応室に接続されたノズルから噴霧させる請
    求項1に記載のシリコン膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記噴霧する工程は、前記基板に対向す
    るように保持された前記化合物の液体を超音波により振
    動させ、該液体の表面から該基板へ該化合物を噴霧させ
    る請求項1に記載のシリコン膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記液体の前記表面は、前記基板の前記
    表面よりも大きくなっている請求項3に記載のシリコン
    膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記噴霧する工程は、搬送ガス及び還元
    性ガスの少なくとも一方を導入することにより、前記微
    粒子状の化合物を前記基板へ搬送する請求項3または4
    に記載のシリコン膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記シリコン膜を堆積する工程を、数十
    Torrから1気圧の範囲の圧力で行う請求項1から5
    のいずれかに記載のシリコン膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記エネルギにより前記基板を加熱し、
    該基板から放射される輻射エネルギにより、前記微粒子
    状の化合物を熱分解させる請求項1から6のいずれかに
    記載のシリコン膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記エネルギにより、前記反応室内の前
    記微粒子状の化合物をプラズマ状態に分解させる請求項
    1から6のいずれかに記載のシリコン膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記化合物は、ヘキサクロロジシラン
    (Si2Cl6)、またはテトラクロロシラン(SiCl
    4)である請求項1から8のいずれかに記載のシリコン
    膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記化合物は、ジクロロシラン(Si
    2Cl2)、またはトリクロロシラン(SiHCl3
    である請求項1から8のいずれかに記載のシリコン膜の
    形成方法。
  11. 【請求項11】 前記化合物は、加圧、または冷却によ
    り液化されている請求項10に記載のシリコン膜の形成
    方法。
  12. 【請求項12】 前記還元性ガスは水素、または一酸化
    炭素である請求項2または5に記載のシリコン膜の形成
    方法。
  13. 【請求項13】 前記搬送ガスはアルゴンまたはヘリウ
    ムである請求項2または5に記載のシリコン膜の形成方
    法。
  14. 【請求項14】 空間を備えた反応室と、 ケイ素及び塩素を含み、常温および常圧下で液体である
    化合物を該反応室内に導入し、該反応室内に保持された
    基板の表面に該化合物を液体の微粒子の状態で噴霧する
    手段と、 該微粒子状の化合物を分解するための分解手段と、を有
    するシリコン膜の形成装置。
  15. 【請求項15】 前記噴霧する手段は、液体導入口と、
    ガス導入口と、前記反応室に接続されたノズルとを備え
    た液体噴霧器を有し、 該液体導入口から導入された前記化合物を該ガス導入口
    から導入された搬送ガス及び還元性ガスの少なくとも一
    方のガスにより、該ノズルから前記反応室へ噴霧する請
    求項14に記載のシリコン膜の形成装置。
  16. 【請求項16】 前記噴霧する手段は、前記反応室内に
    接続され、前記基板の前記表面に対向する開口部を備
    え、前記化合物を保持するための原料槽と、該原料槽に
    超音波エネルギを与える超音波発生装置とを有する請求
    項14に記載のシリコン膜の形成装置。
  17. 【請求項17】 前記原料槽の前記開口部の面積は前記
    基板の前記表面より大きくなっている請求項16に記載
    のシリコン膜の形成装置。
  18. 【請求項18】 前記原料槽の前記開口部の周りから搬
    送ガス及び還元性ガスの少なくとも一方を前記反応室へ
    導入するためのガス導入口を更に有する請求項17に記
    載のシリコン膜の形成装置。
  19. 【請求項19】 前記分解手段は、前記基板を加熱する
    加熱装置を備え、該基板を加熱することにより、該基板
    表面近傍の前記微粒子状の前記化合物を分解する請求項
    14または15に記載のシリコン膜の形成装置。
  20. 【請求項20】 前記加熱手段は、前記基板を保持する
    基板ホルダと該基板ホルダに設けられたヒータとからな
    る請求項19に記載のシリコン膜の形成装置
  21. 【請求項21】 前記分解手段は、前記反応室の周囲に
    設けられた高周波電力印加装置を備え、高周波電力印加
    装置により、該反応室内の前記微粒子状の前記化合物を
    プラズマ状態に分解する請求項14または15に記載の
    シリコン膜の形成装置。
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