JP2003155571A - 大気圧プラズマ処理装置及び大気圧プラズマ処理方法 - Google Patents
大気圧プラズマ処理装置及び大気圧プラズマ処理方法Info
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Abstract
持し、安定放電、電極部へのコンデンスを抑制し、長時
間安定して製膜ができる大気圧プラズマ処理装置及び大
気圧プラズマ処理方法を提供することにある。 【解決手段】 印加電極とアース電極とを対向させ放電
空間と、印加電極、アース電極に電圧を印加する電圧印
加手段と、放電空間に反応性ガスおよび不活性ガスを流
入させるガス導入手段とを有し、大気圧近傍の圧力下、
電圧印加手段で電圧を印加し、放電空間に流入した反応
性ガスを励起して放電プラズマを発生させ、基材を放電
プラズマに晒すことで、基材の表面処理を行う大気圧プ
ラズマ処理装置であって、前記印加電極及びアース電極
の放電面が、前記反応性ガスに直接接触しないように構
成されていることを特徴とする大気圧プラズマ処理装
置。
Description
理装置及び大気圧プラズマ処理方法に関する。
のための各種のデバイスには、基材上に高機能性の薄膜
を設けた、例えば、電極膜、誘電体保護膜、半導体膜、
透明導電膜、反射防止膜、光学干渉膜、ハードコート
膜、下引き膜、バリア膜等の各種の材料が用いられてい
る。
は、従来、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法等の真空を用いた乾式製膜法が用いられて
きた。
する為、設備費用が高額となる。更に、連続生産が出来
ず、製膜速度が低いことから、生産性が低いという課題
を有していた。
産性のデメリットを克服する方法として、特開昭61−
238961号等において、大気圧下で放電プラズマを
発生させ、該放電プラズマにより高い処理効果を得る大
気圧プラズマ処理方法が提案されている。大気圧プラズ
マ処理方法は、基材の表面に、均一な組成、物性、分布
で製膜することができる。また、大気圧又は大気圧近傍
下で処理を行うことができることから、真空設備を必要
とせず、設備費用を抑えることができ、連続生産にも対
応でき、製膜速度を速くすることができる。また、大気
圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプ
ラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する応用例が、特開
平11−133205号、特開2000−18536
2、特開平11−61406号、特開2000−147
209、同2000−121804等に記載されている
(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これら公報に
開示される大気圧プラズマ法は、対向する電極間に、パ
ルス化され、周波数が0.5〜100kHzであり、且
つ、電界の強さが1〜100V/cmの電界を印加し、
放電プラズマを発生させるというものである。更に、特
開平6−330326号には、大気圧プラズマ放電中
に、金属アルコキシド等を微量添加することにより、金
属酸化膜を形成する方法が提案されている。
例えば、有機珪素化合物、有機チタン化合物、有機錫化
合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物、有機ア
ルミ化合物、有機銅化合物、有機銀化合物等は、常温下
では液体であり、蒸気圧も高くないことから、加熱気化
させたのち、ヘリウム又はアルゴン等の希ガスと混合
し、対向する放電電極間に導入する必要があるが、電極
表面温度が混合ガスよりも低い場合、上記金属アルコキ
シド等の成分が電極表面でコンデンスし、常に一定の混
合ガスでなくなり、均一な製膜を達成するのが困難とな
る他、コンデンスした部分が反応して固化し、ガス通路
を詰まらせるという課題を抱えている。これに対し、電
極における露結防止策として、例えば、電極を加熱しす
ぎると、部分的な絶縁破壊等による不均一放電を誘発
し、均一な製膜ができない。
を鑑みなされたもので、その目的は、放電電極の長期耐
久性を保持すると共に、安定放電を実現し、かつ電極部
へのコンデンスを抑制し、長時間安定して製膜ができる
大気圧プラズマ処理装置及び大気圧プラズマ処理方法を
提供することにある。
下の構成により達成された。
て配置した放電空間と、前記印加電極およびアース電極
に電圧を印加する電圧印加手段と、前記放電空間に反応
性ガスおよび不活性ガスを流入させるガス導入手段とを
有し、大気圧または大気圧近傍の圧力下、前記電圧印加
手段にて電圧を印加することにより、前記放電空間に流
入した前記反応性ガスを励起して放電プラズマを発生さ
せ、基材を前記放電プラズマに晒すことにより前記基材
の表面処理を行う大気圧プラズマ処理装置であって、前
記印加電極または前記アース電極の放電面が、前記反応
性ガスに直接接触しないように構成されていることを特
徴とする大気圧プラズマ処理装置。
手段と、不活性ガス導入手段とを有し、前記反応性ガス
と前記不活性ガスとを別々に前記放電空間に流入させる
よう構成されていることを特徴とする前記1項に記載の
大気圧プラズマ処理装置。
性ガス導入手段に囲まれるように配置され、前記不活性
ガスの層により、前記印加電極または前記アース電極の
放電面が、前記反応性ガスに直接接触しないように構成
されていることを特徴とする前記2項に記載の大気圧プ
ラズマ処理装置。
て覆うように載置し、前記印加電極は、複数の印加電極
群から構成され、前記ガス導入手段は、前記印加電極群
の少なくとも一つの間隙から前記アース電極上に載置さ
れた前記基材に向けて反応性ガスおよび不活性ガスを流
入させるように構成されていることを特徴とする前記3
項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
手段を有していることを特徴とする前記1〜4項のいず
れか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
温手段であることを特徴とする前記5項に記載の大気圧
プラズマ処理装置。
の濃度を飽和蒸気圧とする温度よりも高い温度に制御す
ることを特徴とする前記6項に記載の大気圧プラズマ処
理装置。
越える周波数を有する高周波電圧を印加することを特徴
とする前記1〜7項のいずれか1項に記載の大気圧プラ
ズマ処理装置。
が、1W/cm2以上であることを特徴とする前記8項
に記載の大気圧プラズマ処理装置。
は、無機材料の誘電体を被覆していることを特徴とする
前記1〜9項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処
理装置。
ス溶射後、更にゾルゲル反応により硬化する珪素化合物
にて封孔処理を行ったものであることを特徴とする前記
10項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
を冷却する冷却手段を有することを特徴とする前記1〜
11項のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装
置。
及び有機物から選択される成分を含有していることを特
徴とする前記1〜12項のいずれか1項に記載の大気圧
プラズマ処理装置。
キシド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれることを
特徴とする前記13項に記載の大気圧プラズマ処理装
置。
載の大気圧プラズマ処理装置を用いて、基材の表面処理
を行うことを特徴とする大気圧プラズマ処理方法。
発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を行った結果、電
極を長期間に亘って、その耐久性を維持し、安定放電を
実現するには、該電極部に反応性ガスが直接触れないよ
うに放電空間へ供給すること、更に、該反応性ガス成分
の通路である反応性ガス導入手段において、コンデンス
しないよう加温すること、さらに、電極を冷却すること
が重要であることを見出し、本発明に至った次第であ
る。
は、印加電極と、アース電極とを対向させて配置した放
電空間と、前記印加電極およびアース電極に電圧を印加
する電圧印加手段と、前記放電空間に反応性ガスおよび
不活性ガスを流入させるガス導入手段とを有し、大気圧
または大気圧近傍の圧力下、前記電圧印加手段にて電圧
を印加することにより、前記放電空間に流入した前記反
応性ガスを励起して放電プラズマを発生させ、基材を前
記放電プラズマに晒すことにより前記基材の表面処理を
行う大気圧プラズマ処理装置であって、前記印加電極ま
たは前記アース電極の放電面が、前記反応性ガスに直接
接触しないように構成されていることを特徴とした大気
圧プラズマ処理装置である。
入手段と、不活性ガス導入手段とを有し、前記反応性ガ
スと前記不活性ガスとを別々に前記放電空間に流入させ
るよう構成され、詳細には、反応性ガスを供給する配管
部が、不活性ガスを供給する配管部により挟み込む、又
は包み込む様にして分離供給することにより、反応性ガ
スが直接、電極部と接触することを防止し、反応性ガス
中に含まれる、例えば、常温で液体の有機金属化合物等
の電極表面でのコンデンスを防止することができる。更
に、各ガスを分離供給することにより、各々のガスの気
体温度を個別に設定することが可能となり、反応性ガス
を供給する配管内部に、温度制御システムを設けること
により、電極表面でコンデンスを起こさない温度、例え
ば、反応性ガス濃度における飽和蒸気圧に対応する温度
より高い温度に反応性ガス温度を設定することにより、
電極表面へのコンデンスや付着物の発生を防止し、その
結果、均一な製膜を達成できる。
及び大気圧プラズマ処理方法について、以下にその実施
の形態を図を用いて説明するが、本発明はこれに限定さ
れない。また、以下の説明には用語等に対する断定的な
表現が含まれている場合があるが、本発明の好ましい例
を示すものであって、本発明の用語の意義や技術的な範
囲を限定するものではない。
上に高機能の各種薄膜を形成することができ、例えば、
電極膜、誘電体保護膜、半導体膜、透明導電膜、エレク
トロクロミック膜、蛍光膜、超伝導膜、誘電体膜、太陽
電池膜、反射防止膜、耐摩耗性膜、光学干渉膜、反射
膜、帯電防止膜、導電膜、防汚膜、ハードコート膜、下
引き膜、バリア膜、電磁波遮蔽膜、赤外線遮蔽膜、紫外
線吸収膜、潤滑膜、形状記憶膜、磁気記録膜、発光素子
膜、生体適合膜、耐食性膜、触媒膜、ガスセンサ膜、装
飾膜等の形成に用いることができる。
のガス導入部及び電極部の一例を示す断面図である。
ある。本発明で用いることができる基材としては、フィ
ルム状のもの、レンズ状等の立体形状のもの等、薄膜を
その表面に形成できるものであれば特に限定はない。
大気圧または大気圧近傍の圧力下であることと、低温の
プラズマ放電であることから、樹脂を好ましく用いるこ
とができる。
ある場合、基材として好ましくはフィルム状のセルロー
ストリアセテート等のセルロースエステル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、更にこれらの上
にゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂等を塗設
したもの等を使用することが出来る。また、これら基材
は、支持体上にエチレン性不飽和モノマーを含む成分を
重合させて形成した樹脂層等を塗装した防眩層やクリア
ハードコート層を有するもの、バックコート層、帯電防
止層を塗設したものを用いることが出来る。
としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、
ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロ
ファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロース
アセテートブチレートフィルム、セルロースアセテート
プロピオネートフィルム、セルロースアセテートフタレ
ートフィルム、セルローストリアセテート、セルロース
ナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの
誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルア
ルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン
系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン
樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエ
ーテルケトンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエー
テルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリ
エーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、
フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメ
タクリレートフィルム、アクリルフィルムあるいはポリ
アリレート系フィルム等を挙げることができる。
れて使用することもできる。中でもゼオネックス(日本
ゼオン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)
製)などの市販品を好ましく使用することができる。更
に、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォ
ン及びポリエーテルスルフォンなどの固有複屈折率の大
きい素材であっても、溶液流延、溶融押し出し等の条
件、更には縦、横方向に延伸条件等を適宜設定すること
により、得ることが出来る。また、本発明に係る支持体
は、上記の記載に限定されない。膜厚としては10〜1
000nmのフィルムが好ましく用いられる。
反射防止膜である場合には、本発明に係る支持体として
は、中でもセルロースエステルフィルムを用いることが
低い反射率の積層体が得られる為、好ましい。本発明に
記載の効果を好ましく得る観点から、セルロースエステ
ルとしてはセルロースアセテート、セルロースアセテー
トブチレート、セルロースアセテートプロピオネートが
好ましく、中でもセルロースアセテートブチレート、セ
ルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ
る。
印加電極であり、印加電極2aと印加電極2bは、金属
母体3a、3bの表面を誘電体4a、4bで被覆し、放
電中はその内部が冷却水等による印加電極2a、2bの
冷却手段を有していることが好ましい。
位置には、基材が接触して搬送される電極として、基材
保持用のアース電極5が配置されている。アース電極5
は、金属母体7上に、誘電体6を被覆したものであるこ
とが好ましい。
b、7)としては、例えば、銀、白金、ステンレス、ア
ルミニウム、鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点
からステンレスであることが好ましい。
項10に係る発明では、無機材料であることが特徴であ
り、更に、請求項11に係る発明では、誘電体が、アル
ミナセラミックス溶射後、更にゾルゲル反応により硬化
する珪素化合物にて封孔処理を行ったものであることが
特徴である。
系ガラス・ホウ酸塩系ガラス・リン酸塩系ガラス・ゲル
マン酸塩系ガラス・亜テルル酸塩ガラス・アルミン酸塩
ガラス・バナジン酸塩ガラス等を用いることができる。
この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易い。また、溶射
法により気密性の高い高耐熱性のセラミックを用いるこ
とも好ましい。セラミックスの材質としては例えばアル
ミナ系、ジルコニア系、窒化珪素系、炭化珪素系のセラ
ミックスが挙げられるが、中でもアルミナ系のセラミッ
クスが好ましく、アルミナ系のセラミックスの中でも特
にAl2O3を用いるのが好ましい。アルミナ系のセラミ
ックスの厚みは1mm程度が好ましく、体積固有抵抗は
108Ω・cm以上が好ましい。
れているのが好ましく、これにより電極の耐久性を向上
させることができる。上記アルミナ系のセラミックスを
被覆した上に、封孔剤である、ゾルゲル反応により硬化
する珪素化合物(アルコキシシランが好ましい)を主原
料とするゾルを塗布した後に、ゲル化させて硬化させる
ことで、強固な3次元結合を形成させ均一な構造を有す
る珪素酸化物を形成することによって、セラミックスの
封孔処理をすることができる。
ルギー処理を行うことが好ましい。ゾルにエネルギー処
理をすることによって、金属−酸素−金属の3次元結合
を促進することができる。該エネルギー処理には、プラ
ズマ処理や、200℃以下の加熱処理、UV処理が好ま
しい。
極を製作する方法において、少なくとも基材と接する側
の誘電体を研磨仕上げすること、更に電極の金属母材と
誘電体間の熱膨張の差をなるべく小さくすることが必要
であり、そのため製作方法において、母材表面に、応力
を吸収出来る層として泡混入量をコントロールして無機
質の材料をライニングする、特に材質としては琺瑯等で
知られる溶融法により得られるガラスであることが良
く、更に導電性金属母材に接する最下層の泡混入量を2
0〜30体積%とし、次層以降を5体積%以下とするこ
とで、緻密でかつひび割れ等が発生しない良好な電極が
出来る。
本発明に係る方法として、セラミックスの溶射を空隙率
10体積%以下まで緻密に行い、更にゾルゲル反応によ
り硬化する無機質の材料にて封孔処理を行うことであ
り、ここでゾルゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化
が良く、更に封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐
次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、
劣化の無い緻密な電極ができる。
印加用電極の一例を示す。図2は、角柱型で固定されて
いる電極の一例を示す斜視図であり、高圧印加用対向電
極を例とすると、固定の印加電極2a、2bであり、金
属母体3a、3bである中空のステンレスパイプに対し
て、セラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理
したセラミック被覆処理の誘電体4a、4bを被覆した
組み合わせで構成されているものである。
アース電極5の間に高周波電圧を印加するための高周波
電源であり、請求項8に係る発明では、印加する電圧が
100kHzを越えていることが特徴であり、好ましく
は上限値が150MHz以下である。本発明で用いるこ
とのできる高周波電源としては、特に限定はないが、例
えば、パール工業製高周波電源(200kHz)、同
(800kHz)、同(2MHz)、日本電子製高周波
電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源
(150MHz)等を用いることができる。
9に接地している。また、請求項9に係る発明では、上
記電極間に供給する電圧の放電出力が、1W/cm2以
上であることが特徴であり、好ましくは1〜50W/c
m2である。放電出力を上記で規定した範囲とすること
により、放電プラズマのプラズマ密度を上げることがで
きる。
ガス導入部10は、その中心部に反応性ガス通路11を
有し、その周囲に不活性ガス通路12a、12bを有し
ている。反応性ガス通路は、反応性ガスが直接、印加電
極2a、2bに接触しないように、その出口は、直接、
印加電極2a、2bの底部とほぼ同位置に設けられてい
る。反応性ガス通路11と不活性ガス通路12a、12
bは、反応性ガス通路壁14a、14bで隔離され、ま
た不活性ガス通路12a、12bは外部と不活性ガス通
路壁15a、15bにより隔離されている。
11及び不活性ガス導入手段である不活性ガス通路12
a、12bの構造としては、反応性ガスが電極の放電面
と直接接しないように構成されていれば特に限定はな
い。例えば、直線的な通路壁14a、14b、15a、
15bで分離されたスリット状の形態でも、あるいは、
それぞれ内径の異なる円筒を組み合わせた構造でも良い
が、簡便性及び温度制御の容易性からは、前者が好まし
い。本発明においては、反応性ガスを加温し、コンデン
スの問題が起きないように反応性ガス通路壁14a、1
4bの温度を制御する温度制御手段を有することが好ま
しい。請求項6に係る発明では、反応性ガスを供給する
内部配管部(反応性ガス通路壁14a、14b)の温度
を、加温することが特徴である。さらに請求項7に係る
発明では、反応性ガスの放電空間への供給時の温度を、
該反応性ガス供給時の濃度における飽和蒸気圧を示す温
度より高い温度とすることが特徴であり、本発明に係る
反応性ガス通路11、あるいは不活性ガス通路12a、
12bを構成する通路壁14a、14b、15a、15
bの材料は、各ガスに対する耐腐食性と強度を有し、か
つ熱伝導率の高い材料であれば、その材質に特に制限は
ないが、セラミックが好ましい。
ための温度制御手段としての保温制御システム13a、
13bが設けられており、該保温制御システムは、温度
センサ部、加熱部及び制御部からなり、温度センサで検
知した温度を基にして、所望の温度となるように反応性
ガス通路壁に組み込まれた加熱媒体により昇温を行うも
のである。
の全体構成の一例を示す概略図である。
充填手段50、電圧印加手段40、及び電極温度調節手
段60から構成されている。図3では、図1に記載の対
向して固定されている印加電極2a、2bとアース電極
5を、ロール回転電極25と複数の角柱型固定電極36
として、フィルム状の基材1にプラズマ放電処理を施す
ものである。基材1は、図示されていない元巻きから巻
きほぐされて搬送してくるか、または前工程から搬送さ
れてきて、ガイドロール64を経てニップロール65で
基材1に同伴してくる空気等をカットし、ロール回転電
極25に接触したまま巻き回されながら、複数の角柱型
固定電極36との間を移送され、ニップロール66、ガ
イドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き
取られるか、次工程に移送する。反応ガスは、ガス充填
手段50により、ガス発生装置51で発生させた反応ガ
スGを、流量制御して、図1で示す構成からなる給気口
52よりプラズマ放電処理容器31内に入れ、該プラズ
マ放電処理容器31内を反応ガスGで充填し、放電処理
部32へと均一に送られる。処理排ガスG'は排気口5
3より排出するようにする。図では、ガス導入部10、
排気口53は一つしか示してないが、各角柱型固定電極
36の間に設けることがより均一にガスの供給、排気を
することができ好ましい。次に、電圧印加手段40で、
高周波電源41により角柱型固定電極36に電圧を印加
し、ロール回転電極25にはアースを接地し、放電プラ
ズマを発生させる。図では、省略してあるが、各々の角
柱型固定電極36には、それぞれ電圧印加手段40によ
り高周波電源41から同じ高周波電圧が供給されるよう
になっている。ロール回転電極25または角柱型固定電
極36には、それぞれ電極温度調節手段60を用いて、
媒体を加熱または冷却して電極に送液することができ
る。電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送
液ポンプPで配管61を経て、ロール回転電極25また
は角柱型固定電極36の内部から温度を調節する。図3
では、各電極からの復路の配管については省略してあ
る。プラズマ放電処理の際、基材の温度によって得られ
る薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対し
て温度を適宜制御することが好ましい。熱媒体として
は、空気等の気体を用いることができるが、蒸留水、シ
リコンオイルの様な油等の絶縁性材料が好ましく用いら
れる。基材フィルムの温度は処理条件によって異なる
が、通常室温〜350℃の温度が用いられる。プラズマ
放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材フィ
ルムの温度ムラが出来るだけ生じないようにロールを用
いた回転電極の内部の温度を制御することが望まれる。
なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界
を仕切る仕切板である。
に設けたい薄膜の種類によって異なるが、基本的に、不
活性ガスと、薄膜を形成するための反応性ガスの混合ガ
スである。反応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜
10体積%含有させることが好ましい。薄膜の膜厚とし
ては、1〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプ
トン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、本発明に記
載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好まし
く用いられる。
アセトナート、トリエチルインジウム、トリメチルイン
ジウム、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、エトラエチル
錫、エトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラ
ブチル錫、テトラオクチル錫などから選択された少なく
とも1つの有機金属化合物を含む反応性ガスを用いて、
導電性膜あるいは帯電防止膜、あるいは反射防止膜の中
屈折率層として有用な金属酸化物層を形成することがで
きる。
によって、基材表面にフッ素含有基を形成させて表面エ
ネルギーを低くし、撥水性表面を得る撥水膜を得ること
が出来る。フッ素元素含有化合物としては、6フッ化プ
ロピレン(CF3CFCF2)、8フッ化シクロブタン
(C4F8)等のフッ素・炭素化合物が挙げられる。安全
上の観点から、有害ガスであるフッ化水素を生成しない
6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタンを用いるの
が好ましい。
合を有するモノマーの雰囲気下で処理を行うことによ
り、親水性の重合膜を堆積させることもできる。上記親
水性基としては、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩
基、1級若しくは2級又は3級アミノ基、アミド基、4
級アンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等
の親水性基等が挙げられる。又、ポリエチレングリコー
ル鎖を有するモノマーを用いても同様に親水性重合膜を
堆積が可能である。
クリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メ
タクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリ
ル酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリル
アルコール、アリルアミン、ポリエチレングリコールジ
メタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアク
リル酸エステルなどが挙げられ、これらの少なくとも1
種が使用できる。
はチタン化合物を含有する反応性ガスを用いることによ
り、反射防止膜の低屈折率層または高屈折率層を設ける
ことが出来る。
ス、フッ化炭化水素ガス等が好ましく用いられる。フッ
化炭素ガスとしては、4フッ化炭素、6フッ化炭素、具
体的には、4フッ化メタン、4フッ化エチレン、6フッ
化プロピレン、8フッ化シクロブタン等が挙げられる。
前記のフッ化炭化水素ガスとしては、2フッ化メタン、
4フッ化エタン、4フッ化プロピレン、3フッ化プロピ
レン等が挙げられる。
ッ化メタン、2塩化4フッ化シクロブタン等のフッ化炭
化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン
等の有機化合物のフッ素置換体を用いることが出来るが
これらに限定されない。また、これらの化合物が分子内
にエチレン性不飽和基を有していても良い。前記の化合
物は単独でも混合して用いても良い。
を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な
薄膜を形成する観点から、混合ガス中の有機フッ素化合
物の含有率は、0.1〜10体積%であることが好まし
いが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
温、常圧で気体である場合は、混合ガスの構成成分とし
て、そのまま使用できるので最も容易に本発明の方法を
遂行することができる。しかし、有機フッ素化合物が常
温・常圧で液体又は固体である場合には、加熱、減圧等
の方法により気化して使用すればよく、また、適切な溶
剤に溶解して用いてもよい。
いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜
を形成する観点から、混合ガス中のチタン化合物の含有
率は、0.01〜10体積%であることが好ましいが、
更に好ましくは、0.01〜1体積%である。
0.1〜10体積%含有させることにより薄膜の硬度を
著しく向上させることが出来る。
水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択さ
れる成分を0.01〜5体積%含有させることにより、
反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成すること
ができる。
ては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アル
コキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、
工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシド
が好ましく用いられる。
物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温
常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わ
ない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できる
が、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の
手段により気化させて使用される。珪素化合物、チタン
化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキ
シシラン、テトライソプロポキシチタンなど、常温で液
体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが反
射防止膜の形成に好適に用いられる。上記金属アルコキ
シドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒
は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機
溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。尚、これらの
希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原
子状に分解される為、基材上への薄膜の形成、薄膜の組
成などに対する影響は殆ど無視することが出来る。
ジメチルシラン、テトラメチルシランなどの有機金属化
合物、モノシラン、ジシランなどの金属水素化合物、二
塩化シラン、三塩化シランなどの金属ハロゲン化合物、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシランなどのアルコキシシラン、オルガノ
シランなどを用いることが好ましいがこれらに限定され
ない。また、これらは適宜組み合わせて用いることが出
来る。
る場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を
形成する観点から、混合ガス中の珪素化合物の含有率
は、0.01〜10体積%であることが好ましいが、更
に好ましくは、0.01〜1体積%である。
ジメチルアミノチタンなどの有機金属化合物、モノチタ
ン、ジチタンなどの金属水素化合物、二塩化チタン、三
塩化チタン、四塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物、
テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、
テトラブトキシチタンなどの金属アルコキシドなどを用
いることが好ましいがこれらに限定されない。
合、例えば、有機金属化合物としてLi,Be,B,N
a,Mg,Al,Si,K,Ca,Sc,Ti,V,C
r,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,G
e,Rb,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Cd,In,
Ir,Sn,Sb,Cs,Ba,La,Hf,Ta,
W,Tl,Pb,Bi,Ce,Pr,Nd,Pm,E
u,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu
から選択される金属を含むことができる。より好ましく
は、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、アル
キル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。
置を用いた大気圧プラズマ処理方法について説明する。
搬送手段により、印加電極2a、2bと基材保持用アー
ス電極5間に搬送される。
を、不活性ガス通路12a、12bに不活性ガスを導入
する。この際、必要に応じて、保温制御システム13
a、13bにより、反応性ガス通路壁14a、14bを
加温する。導入された各ガスは、新たに導入される各ガ
スに押し出されて、印加電極2a、2bとアース電極5
間に導入され、大気圧近傍の圧力下で存在する印加電極
2a、2bとアース電極5間に高周波電源8にて高周波
電圧を印加し、放電プラズマを発生させる。発生した放
電プラズマにて、ベルトコンベアにて運搬されてきた基
材1の表面処理を行う。表面処理を終えた基材1はベル
トコンベアにて、印加電極2a、2bとアース電極5間
の外へと運搬される。または、基材1は、移動させなが
ら処理を行っても良い。
るが、本発明はこれらに限定されない。
ルロースエステルフィルムを作製した。
トンゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行った。
完全に溶解、濾過した。これに10kgの上記酸化ケイ
素分散液を撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌し
た後、濾過し、添加液を調製した。
加熱、撹拌しながら、完全に溶解、混合した。ドープを
流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡操作を施した
後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を
使用して濾過して、ドープ原液を調製した。
り、上記添加液を2kgの割合で添加し、インラインミ
キサー(東レ静止型管内混合機H−Mixer、SW
J)で十分混合した後、濾過してドープ液を調製した。
記で調製したドープ液を用いて下記のようにしてセルロ
ースエステルフィルムを作製した。
過したドープ液を、ベルト流延装置を用い、ドープ温度
35℃で30℃のステンレスバンド支持体上に均一に流
延した。その後、剥離可能な範囲まで乾燥させた後、ス
テンレスバンド支持体上からウェブを剥離した。このと
きのウェブの残留溶媒量は35%であった。
幅方向に保持しながら115℃で乾燥させた後、幅保持
を解放して、ロール搬送しながら120℃の乾燥ゾーン
で乾燥を終了させ、フィルム両端に幅10mm、高さ5
μmのナーリング加工を施して、膜厚80μmのセルロ
ースエステルフィルムを作製した。
ルロースエステルフィルムを用いて、下記のように基材
フィルムを作製した。
フィルムのa面(流延製膜時にベルト支持体にドープが
接していた面(b面)の反対側の面)に下記の塗布組成
物(1)をウェット膜厚で13μmとなるように押し出
しコートし、次いで80℃に設定された乾燥部で乾燥さ
せて、バックコート層を設けた。
面に、下記の塗布組成物(2)をウェット膜厚で13μ
mとなるように押し出しコートし、次いで80℃に設定
された乾燥部で乾燥した後、120mJ/cm2で紫外
線照射し、乾燥膜厚で4μm、中心線平均表面粗さ(R
a)15nmのクリアハードコート層を設けた。
3で示す大気圧プラズマ処理装置を用いて、プラズマ放
電処理を連続10時間行って、試料1を作製した。
素ガス1.0% ガス種B(反応性ガス):アルゴンガス99.9%中
に、テトライソプロポキシチタン0.1%をリンテック
ス製気化器により気化させ、混合した。
合で供給した。 〈ガスの供給方法〉図3における電極部を拡大して示し
た図1にある様に、スリット状に配置した不活性ガス通
路12a、12bにガス種Aを導入し、一方反応性ガス
通路11にガス種Bを導入しながら、アース電極5(ロ
ール回転電極25)と印加電極2a、2b(角柱型固定
電極36)に、高周波電源41として、パール工業製高
周波電源より、周波数2MHz、放電出力が20W/c
m2で印加した。ここで、ロール回転電極25と角柱型
固定電極36との間隙は、1mmに設定して行った。
及び電極部を拡大した図1にて説明する。
テンレスSUS316を用い、誘電体は長手の側面を残
し、全面に渡りアルミナセラミック溶射被覆を片肉1m
mで行った後、アルコキシシランモノマーを有機溶媒に
溶解させた塗布液を、該セラミックス被膜に対し塗布、
乾燥した後、100℃にて加熱処理することで設けた。
また、被覆を施していない側面は、ガスに曝されないよ
うに、チャンバー外に配置し、その部分より高周波電圧
の給電を行った。
は、基材と接する面全域及び側面に、上記と同様にして
加工を行いロール電極を作製した。
る。また、各電極を構成する金属母材は、ジャケット仕
様とし、その内部に冷却水が循環できるようにし、冷却
水の温度を25℃に設定して、連続処理を行った。
おいて、不活性ガス(ガス種A)と反応性ガス(ガス種
B)との分離供給を行わずに、予め、ガス種Aとガス種
Bを、2:1の割合で混合したガスを、不活性ガス通路
12a、12b及び反応性ガス通路11より均等に供給
し、更に各電極の冷却水温度を表1に記載のように変更
した以外は同様にして、試料2〜5を作製した。
マ処理を行った後、各電極の表面を目視観察し、コンデ
ンス(露結)及びその他の付着物の有無を目視観察し、
下記に記載の基準に則り評価を行った。
い ×:コンデンスあるいは付着物が認められ、実技上やや
問題がある ××:極めてひどいコンデンスあるいは付着物が認めら
れ、実技上不可のレベルである 〈薄膜の膜厚分布の測定〉プラズマ処理の開始直後及び
連続10時間処理した後の各試料の形成された薄層の膜
厚を、任意の100点についてそれぞれ測定し、その平
均膜厚値を算出した後、平均膜厚と測定膜厚との差の絶
対値(Δhd)の平均値を求め、下式により膜厚分布を
求めた。
100(%) 以上により得られた結果を、表1に示す。
ガスと反応性ガスを分離供給してプラズマ処理を施して
作製した試料は、長時間の連続プラズマ処理を行って
も、形成した薄膜の膜厚分布に優れ、かつ電極の放電面
でのコンデンスが発生しないことが判る。なお、表1中
で、電極冷却水温度を130℃にして作製した試料5
は、コンデンスは、発生しなかったものの、部分的に誘
電体の絶縁破壊を起こし、異常放電が発生して膜厚分布
は悪化した。
記の様に変更した以外は試料1の作製と同様にして、低
屈折率層の設けた試料6を作製した。
表面に、ガス種Bを下記の様に変更した以外は試料2の
作製と同様にして、低屈折率層の設けた試料7を作製し
た。
テトラエトキシシラン0.3%をエステック社製気化器
により気化させ、混合した。
るため、各ガスの供給量は適宜調製して行った。
する本発明の試料6は、光学フィルムとしての反射率
が、平均で0.8%となり、かつ反射率の100点にお
ける分布も0.1%と、非常に均一性が高い薄膜を形成
することができ、比較の試料7(反射率:平均で2.3
%、反射率分布:1.2%)に比較し、優れた結果を確
認することができた。
0型(日立製作所製)を用いて、5度正反射の条件にて
反射率の測定を行った。
0kHzで行った以外は同様にして、試料8を作製し
て、下記に記載の方法で屈折率の測定を行った結果、試
料1(屈折率n=2.25)に対して、屈折率が1.8
4に低下した。
圧を75W/cm2で行った以外は同様にして、試料9
を作製して、実施例1に記載の方法で、プラズマ放電処
理を連続10時間行った後の薄膜の膜厚分布を測定した
結果、試料1(0.8%)に対して、7.8%と劣化し
た。
路壁の温度を、反応性ガスより、10℃高い温度に設定
した以外は同様にして、試料10を作製して、実施例1
に記載の方法で、プラズマ放電処理を連続10時間行っ
た後の薄膜の膜厚分布を測定した結果、試料1が0.3
%→0.8%に変化したのに対し、試料10では、0.
3%→0.3%と膜厚分布の変動が殆ど認められなかっ
た。
保持すると共に、安定放電を実現し、かつ電極部へのコ
ンデンスを抑制し、長時間安定して製膜ができる大気圧
プラズマ処理装置及び大気圧プラズマ処理方法を提供す
ることができた。
及び電極部の一例を示す断面図である。
ている電極の一例を示す斜視図である。
一例を示す概略図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 印加電極と、アース電極とを対向させて
配置した放電空間と、前記印加電極およびアース電極に
電圧を印加する電圧印加手段と、前記放電空間に反応性
ガスおよび不活性ガスを流入させるガス導入手段とを有
し、大気圧または大気圧近傍の圧力下、前記電圧印加手
段にて電圧を印加することにより、前記放電空間に流入
した前記反応性ガスを励起して放電プラズマを発生さ
せ、基材を前記放電プラズマに晒すことにより前記基材
の表面処理を行う大気圧プラズマ処理装置であって、 前記印加電極または前記アース電極の放電面が、前記反
応性ガスに直接接触しないように構成されていることを
特徴とする大気圧プラズマ処理装置。 - 【請求項2】 前記ガス導入手段は、反応性ガス導入手
段と、不活性ガス導入手段とを有し、前記反応性ガスと
前記不活性ガスとを別々に前記放電空間に流入させるよ
う構成されていることを特徴とする請求項1に記載の大
気圧プラズマ処理装置。 - 【請求項3】 前記反応性ガス導入手段は、前記不活性
ガス導入手段に囲まれるように配置され、前記不活性ガ
スの層により、前記印加電極または前記アース電極の放
電面が、前記反応性ガスに直接接触しないように構成さ
れていることを特徴とする請求項2に記載の大気圧プラ
ズマ処理装置。 - 【請求項4】 前記アース電極の放電面を前記基材にて
覆うように載置し、前記印加電極は、複数の印加電極群
から構成され、前記ガス導入手段は、前記印加電極群の
少なくとも一つの間隙から前記アース電極上に載置され
た前記基材に向けて反応性ガスおよび不活性ガスを流入
させるように構成されていることを特徴とする請求項3
に記載の大気圧プラズマ処理装置。 - 【請求項5】 前記反応性ガス導入手段は、温度制御手
段を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。 - 【請求項6】 前記温度制御手段は、反応性ガスの加温
手段であることを特徴とする請求項5に記載の大気圧プ
ラズマ処理装置。 - 【請求項7】 前記温度制御手段は、前記反応性ガスの
濃度を飽和蒸気圧とする温度よりも高い温度に制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の大気圧プラズマ処理
装置。 - 【請求項8】 前記電圧印加手段は、100kHzを越
える周波数を有する高周波電圧を印加することを特徴と
する請求項1〜7のいずれか1項に記載の大気圧プラズ
マ処理装置。 - 【請求項9】 前記電圧印加手段は、電圧の放電出力
が、1W/cm2以上であることを特徴とする請求項8
に記載の大気圧プラズマ処理装置。 - 【請求項10】 前記印加電極または前記アース電極
は、無機材料の誘電体を被覆していることを特徴とする
請求項1〜9のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処
理装置。 - 【請求項11】 前記誘電体が、アルミナセラミックス
溶射後、更にゾルゲル反応により硬化する珪素化合物に
て封孔処理を行ったものであることを特徴とする請求項
10に記載の大気圧プラズマ処理装置。 - 【請求項12】 前記印加電極または前記アース電極を
冷却する冷却手段を有することを特徴とする請求項1〜
11のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。 - 【請求項13】 前記反応性ガスが、有機金属化合物及
び有機物から選択される成分を含有していることを特徴
とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の大気圧プ
ラズマ処理装置。 - 【請求項14】 前記有機金属化合物が、金属アルコキ
シド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれることを特
徴とする請求項13に記載の大気圧プラズマ処理装置。 - 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか1項に記載
の大気圧プラズマ処理装置を用いて、基材の表面処理を
行うことを特徴とする大気圧プラズマ処理方法。
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