JP2003306592A - 積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法、積層板用フェノール樹脂組成物及びフェノール樹脂積層板 - Google Patents

積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法、積層板用フェノール樹脂組成物及びフェノール樹脂積層板

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JP2003306592A
JP2003306592A JP2002115790A JP2002115790A JP2003306592A JP 2003306592 A JP2003306592 A JP 2003306592A JP 2002115790 A JP2002115790 A JP 2002115790A JP 2002115790 A JP2002115790 A JP 2002115790A JP 2003306592 A JP2003306592 A JP 2003306592A
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JP
Japan
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reaction
phenolic resin
resin composition
phenol
phenol resin
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Application number
JP2002115790A
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English (en)
Inventor
Masaya Tsujimoto
雅哉 辻本
Yasuo Fukuhara
康雄 福原
Akitsugu Miwa
晃嗣 三輪
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性に優れていて、且つ、耐熱性と打ち抜
き加工性の両性能が共に優れるフェノール樹脂積層板が
得られる積層板用フェノール樹脂組成物を製造できる積
層板用フェノール樹脂組成物の製造方法を提供する。 【解決手段】 乾性油変性フェノール類と、アルデヒド
類とをノボラック化反応した後、二次反応として塩基性
触媒を加えレゾール化反応をしている第一のフェノール
樹脂と、少なくともフェノール類とアルデヒド類とを塩
基性触媒の存在下でレゾール化反応をしていて、重量平
均分子量が第一のフェノール樹脂よりも小さい第二のフ
ェノール樹脂とを、混合して積層板用フェノール樹脂組
成物としていて、且つ、トリアジン環を有する化合物を
含有させるようにしていることを特徴とする積層板用フ
ェノール樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器等に使用
される紙基材フェノール樹脂銅張積層板等を製造するた
めに用いられる積層板用フェノール樹脂組成物の製造方
法に関するものであり、また、この製造方法を用いて製
造した積層板用フェノール樹脂組成物に関するものであ
り、さらには、この積層板用フェノール樹脂組成物を用
いて製造したフェノール樹脂積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に用いられる紙基材フェ
ノール樹脂銅張積層板を製造するために使用される積層
板用フェノール樹脂組成物は、桐油等の乾性油とフェノ
ール類とを反応させた乾性油変性フェノール類と、アル
デヒド類とをレゾール化反応して製造するのが一般的で
あった。近年、電気特性、打ち抜き加工性、生産性等の
改良のために、桐油とフェノール類とを反応させた桐油
変性フェノール類とアルデヒド類とをノボラック化反応
した後、さらにレゾール化反応して積層板用フェノール
樹脂組成物を製造する方法(例えば、特開平2−738
20号公報、特開平10−176024号公報)が提案
され、さらには難燃性付与のため、トリアジン環を有す
る化合物を積層板用フェノール樹脂組成物中に含有させ
る方法(例えば、特開平10−204141号公報)が
提案されている。
【0003】しかし、特開平10−204141号公報
で提案されている方法で得られるトリアジン環を有する
化合物を含有する積層板用フェノール樹脂組成物では、
難燃性は優れるが、耐熱性と打ち抜き加工性の両方の性
能を共に優れたものとすることが困難であり、さらなる
改良の余地があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、その目的とする所は、難燃
性に優れていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性
能が共に優れるフェノール樹脂積層板が得られる積層板
用フェノール樹脂組成物を製造できる積層板用フェノー
ル樹脂組成物の製造方法を提供すること、難燃性に優れ
ていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性能が共に
優れるフェノール樹脂積層板が得られる積層板用フェノ
ール樹脂組成物を提供するすること及びこの積層板用フ
ェノール樹脂組成物を用いていて、難燃性に優れてい
て、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性能が共に優れ
るフェノール樹脂積層板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ノボラッ
ク化反応後に、レゾール化反応を行って得られる一種類
のフェノール樹脂のみを使用するのでは、難燃性に優れ
ていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性能が共に
優れるフェノール樹脂積層板を得ることが困難である
が、このフェノール樹脂より重量平均分子量が小さくな
るように別途に調製した他のフェノール樹脂を混合して
使用するようにすると、それが可能になることを見出し
本発明に至ったものである。
【0006】請求項1に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、乾性油と、フェノール類と、
トリアジン環を有する化合物と、アルデヒド類とを用い
て製造する積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法に
おいて、乾性油とフェノール類とを反応させた乾性油変
性フェノール類と、アルデヒド類とを一次反応として酸
性触媒の存在化でノボラック化反応した後、二次反応と
して塩基性触媒を加えレゾール化反応をしている第一の
フェノール樹脂と、少なくともフェノール類とアルデヒ
ド類とを塩基性触媒の存在下でレゾール化反応をしてい
て、重量平均分子量が第一のフェノール樹脂よりも小さ
い第二のフェノール樹脂とを、混合して積層板用フェノ
ール樹脂組成物としていて、且つ、第一のフェノール樹
脂と第二のフェノール樹脂との少なくとも何れかにトリ
アジン環を有する化合物を含有させるようにしているこ
とを特徴とする。
【0007】請求項2に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、請求項1記載の積層板用フェ
ノール樹脂組成物の製造方法において、第一のフェノー
ル樹脂の重量平均分子量が2500〜10000であ
り、第二のフェノール樹脂の重量平均分子量が250以
上、2500未満であることを特徴とする。
【0008】請求項3に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法において、第
一のフェノール樹脂が、前記の二次反応として塩基性触
媒を加えレゾール化反応をしたものに、さらにトリアジ
ン環を有する化合物とアルデヒド類とを反応させた樹脂
を添加しているものであることを特徴とする。
【0009】請求項4に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法において、第
一のフェノール樹脂が、乾性油変性フェノール類と、ア
ルデヒド類とを一次反応として酸性触媒の存在化でノボ
ラック化反応した後、二次反応として塩基性触媒を加え
レゾール化反応をする際に、トリアジン環を有する化合
物とアルデヒド類とを反応させた樹脂をも添加してレゾ
ール化反応をしているものであることを特徴とする。
【0010】請求項5に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法において、第
一のフェノール樹脂が、乾性油変性フェノール類と、ア
ルデヒド類とを一次反応として酸性触媒の存在化でノボ
ラック化反応した後、二次反応として塩基性触媒を加え
レゾール化反応をする際に、トリアジン環を有する化合
物をも添加してレゾール化反応をしているものであるこ
とを特徴とする。
【0011】請求項6に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法において、第
二のフェノール樹脂が、フェノール類とアルデヒド類と
を塩基性触媒の存在下でレゾール化反応をしたものに、
さらにトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類とを
反応させた樹脂を添加しているものであることを特徴と
する。
【0012】請求項7に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法において、第
二のフェノール樹脂が、フェノール類とアルデヒド類と
を塩基性触媒の存在下でレゾール化反応をする際に、ト
リアジン環を有する化合物とアルデヒド類とを反応させ
た樹脂をも添加してレゾール化反応をしているものであ
ることを特徴とする。
【0013】請求項8に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法において、第
二のフェノール樹脂が、フェノール類とアルデヒド類と
を塩基性触媒の存在下でレゾール化反応をする際に、ト
リアジン環を有する化合物をも添加してレゾール化反応
をしているものであることを特徴とする。
【0014】請求項9に係る発明の積層板用フェノール
樹脂組成物の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法において、第
二のフェノール樹脂が、フェノール類と、アルデヒド類
と、トリアジン環を有する化合物とを配合し、酸性触媒
の存在化でノボラック化反応した後、塩基性触媒を加え
レゾール化反応をしているものであることを特徴とす
る。
【0015】請求項10に係る発明の積層板用フェノー
ル樹脂組成物は、請求項1〜請求項9の何れかに記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法を用いて製造
した積層板用フェノール樹脂組成物である。
【0016】請求項11に係る発明のフェノール樹脂積
層板は、請求項10記載の積層板用フェノール樹脂組成
物を紙基材に含浸、乾燥して得られたプリプレグを、積
層成形して製造しているフェノール樹脂積層板である。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、積層板用フェノール樹脂組
成物の製造方法に係る発明についての実施の形態を説明
する。
【0018】積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法
に係る発明では、乾性油と、フェノール類と、トリアジ
ン環を有する化合物と、アルデヒド類とを使用する。
【0019】使用する乾性油としては、例えば桐油、脱
水ひまし油、亜麻仁油、トール油等を挙げることがで
き、これらのうちでは、重量平均分子量が870程度の
桐油が好ましい。
【0020】使用するフェノール類としては、例えばフ
ェノール、クレゾール、レゾルシン、ノニルフェノー
ル、ブチルフェノール等を挙げることができる。
【0021】使用するトリアジン環を有する化合物とし
ては、例えばメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグア
ナミン等を挙げることができる。
【0022】使用するアルデヒド類としては、例えばホ
ルマリン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等
を挙げることができる。
【0023】積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法
に係る発明では、乾性油とフェノール類とを反応させた
乾性油変性フェノール類と、アルデヒド類とを一次反応
として酸性触媒の存在化でノボラック化反応した後、二
次反応として塩基性触媒を加えレゾール化反応をしてい
る第一のフェノール樹脂と、少なくともフェノール類と
アルデヒド類とを塩基性触媒の存在下でレゾール化反応
をしていて、重量平均分子量が第一のフェノール樹脂よ
りも小さい第二のフェノール樹脂とを、混合していて、
且つ、第一のフェノール樹脂と第二のフェノール樹脂と
の少なくとも何れかにトリアジン環を有する化合物を含
有させるようにしている。
【0024】このように、第一のフェノール樹脂を得る
のに、一次反応として酸性触媒の存在化でノボラック化
反応した後、二次反応として塩基性触媒を加えレゾール
化反応をすることは、可撓性、強靭性に優れていて、打
ち抜き加工性が優れているフェノール樹脂積層板を得る
のに有効である。一方、第一のフェノール樹脂よりも重
量平均分子量が小さい第二のフェノール樹脂を使用する
ことは、耐熱性の良好なフェノール樹脂積層板を得るの
に有効である。そして、第一のフェノール樹脂と第二の
フェノール樹脂とを混合して積層板用フェノール樹脂組
成物とすることが重要である。第一のフェノール樹脂の
みを用いた場合には、その重量平均分子量を大きくした
場合には、打ち抜き加工性が優れているフェノール樹脂
積層板を得ることはできても、同時に耐熱性の良好なフ
ェノール樹脂積層板を得ることは困難であり、また、そ
の重量平均分子量を小さくした場合には、耐熱性を良好
にできても、打ち抜き加工性を優れるようにすることが
できず、第一のフェノール樹脂と第二のフェノール樹脂
とを混合して積層板用フェノール樹脂組成物とすること
で、耐熱性と打ち抜き加工性の両方の性能が共に優れる
フェノール樹脂積層板を得ることが可能となるからであ
る。
【0025】そして、具体的な重量平均分子量として
は、第一のフェノール樹脂の重量平均分子量が2500
〜10000であり、第二のフェノール樹脂の重量平均
分子量が250以上、2500未満であることが好まし
い。
【0026】第一のフェノール樹脂を得るためのノボラ
ック化反応では、反応条件を酸性条件とするために、酸
性触媒として、例えばシュウ酸、コハク酸、マレイン
酸、フマル酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、
塩酸、硫酸、硝酸等を使用する。なお、これらの酸性触
媒は、乾性油とフェノール類とを反応させて乾性油変性
フェノール類を得る際にも使用することができる。乾性
油とフェノール類とを反応するための酸性触媒と、ノボ
ラック化反応のための酸性触媒とは同じ種類の酸性触媒
でも、異なる種類の酸性触媒でもよく、さらには、それ
ぞれ複数の種類を用いてもよい。
【0027】また、第一のフェノール樹脂及び第二のフ
ェノール樹脂を得るためのレゾール化反応では、反応条
件を塩基性条件にするために、塩基性触媒として、例え
ばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリメタノー
ルアミン、アンモニア、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジベンジルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム等を使用
する。なお、レゾール化反応の前に酸性条件での反応を
行っている場合には、これらの塩基性触媒で中和した後
に、さらに追加して加えるのが望ましい。中和用に用い
る塩基性触媒と、追加用の塩基性触媒とは同じ種類の塩
基性触媒でも、異なる種類の塩基性触媒でもよく、さら
には、それぞれ複数の種類を用いてもよい。
【0028】さらに、第二のフェノール樹脂について
は、フェノール類として、乾性油とフェノール類とを反
応させた乾性油変性フェノール類を使用することも可能
であり、また、フェノール類とアルデヒド類とを塩基性
触媒の存在下でレゾール化反応させる前に、予め酸性条
件下でノボラック化反応をさせておくことも可能であ
る。なお、ノボラック化反応をさせる場合には、酸性触
媒として、例えばシュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フ
マル酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、塩酸、
硫酸、硝酸等を使用する。
【0029】そして、第一のフェノール樹脂と第二のフ
ェノール樹脂との少なくとも何れかにトリアジン環を有
する化合物を含有させることは、優れた難燃性を達成す
るために重要であり、そうすることによって、難燃性に
優れていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性能が
共に優れるフェノール樹脂積層板を得ることができる積
層板用フェノール樹脂組成物を製造することが可能とな
る。
【0030】第一のフェノール樹脂と第二のフェノール
樹脂との少なくとも何れかにトリアジン環を有する化合
物を含有させる工程に関して以下に説明する。
【0031】第一のフェノール樹脂と第二のフェノール
樹脂との少なくとも何れかにトリアジン環を有する化合
物を含有させる第1の方法としては、二次反応として塩
基性触媒を加えレゾール化反応をしたものに、さらにト
リアジン環を有する化合物とアルデヒド類とを反応させ
た樹脂を添加して第一のフェノール樹脂を得るようにす
る方法がある。なお、トリアジン環を有する化合物がメ
ラミンの場合には、メラミンとアルデヒド類とを反応さ
せたメラミン樹脂を添加することになる。この方法で第
一のフェノール樹脂にトリアジン環を有する化合物を含
有させた場合、難燃性に優れていて、且つ、耐熱性と打
ち抜き加工性の両性能が共に優れるフェノール樹脂積層
板を得ることができる積層板用フェノール樹脂組成物と
なる。
【0032】トリアジン環を有する化合物を含有させる
第2の方法としては、乾性油変性フェノール類と、アル
デヒド類とを一次反応として酸性触媒の存在化でノボラ
ック化反応した後、二次反応として塩基性触媒を加えレ
ゾール化反応をする際に、トリアジン環を有する化合物
とアルデヒド類とを反応させた樹脂をも添加してレゾー
ル化反応をして第一のフェノール樹脂を得るようにする
方法がある。なお、トリアジン環を有する化合物がメラ
ミンの場合には、メラミンとアルデヒド類とを反応させ
たメラミン樹脂を添加することになる。この方法で第一
のフェノール樹脂にトリアジン環を有する化合物を含有
させた場合も、難燃性に優れていて、且つ、耐熱性と打
ち抜き加工性の両性能が共に優れるフェノール樹脂積層
板を得ることができる積層板用フェノール樹脂組成物と
なる。
【0033】トリアジン環を有する化合物を含有させる
第3の方法としては、乾性油変性フェノール類と、アル
デヒド類とを一次反応として酸性触媒の存在化でノボラ
ック化反応した後、二次反応として塩基性触媒を加えレ
ゾール化反応をする際に、メラミン等のトリアジン環を
有する化合物をも添加してレゾール化反応をして第一の
フェノール樹脂を得るようにする方法がある。この方法
で第一のフェノール樹脂にトリアジン環を有する化合物
を含有させた場合も、難燃性に優れていて、且つ、耐熱
性と打ち抜き加工性の両性能が共に優れるフェノール樹
脂積層板を得ることができる積層板用フェノール樹脂組
成物となる。
【0034】第一のフェノール樹脂と第二のフェノール
樹脂との少なくとも何れかにトリアジン環を有する化合
物を含有させる第4の方法としては、フェノール類とア
ルデヒド類とを塩基性触媒の存在下でレゾール化反応を
したものに、さらにトリアジン環を有する化合物とアル
デヒド類とを反応させた樹脂を添加して第二のフェノー
ル樹脂を得るようにする方法がある。なお、トリアジン
環を有する化合物がメラミンの場合には、メラミンとア
ルデヒド類とを反応させたメラミン樹脂を添加すること
になる。この方法で第二のフェノール樹脂にトリアジン
環を有する化合物を含有させた場合、難燃性に優れてい
て、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性能が共に優れ
るフェノール樹脂積層板を得ることができる積層板用フ
ェノール樹脂組成物となる。
【0035】第一のフェノール樹脂と第二のフェノール
樹脂との少なくとも何れかにトリアジン環を有する化合
物を含有させる第5の方法としては、フェノール類とア
ルデヒド類とを塩基性触媒の存在下でレゾール化反応を
する際に、トリアジン環を有する化合物とアルデヒド類
とを反応させた樹脂をも添加してレゾール化反応をして
第二のフェノール樹脂を得るようにする方法がある。な
お、トリアジン環を有する化合物がメラミンの場合に
は、メラミンとアルデヒド類とを反応させたメラミン樹
脂を添加することになる。この方法で第二のフェノール
樹脂にトリアジン環を有する化合物を含有させた場合、
難燃性に優れていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の
両性能が共に優れるフェノール樹脂積層板を得ることが
できる積層板用フェノール樹脂組成物となる。
【0036】第一のフェノール樹脂と第二のフェノール
樹脂との少なくとも何れかにトリアジン環を有する化合
物を含有させる第6の方法としては、フェノール類とア
ルデヒド類とを塩基性触媒の存在下でレゾール化反応を
する際に、メラミン等のトリアジン環を有する化合物を
も添加してレゾール化反応をして第二のフェノール樹脂
を得るようにする方法がある。この方法で第二のフェノ
ール樹脂にトリアジン環を有する化合物を含有させた場
合、難燃性に優れていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工
性の両性能が共に優れるフェノール樹脂積層板を得るこ
とができる積層板用フェノール樹脂組成物となる。
【0037】第一のフェノール樹脂と第二のフェノール
樹脂との少なくとも何れかにトリアジン環を有する化合
物を含有させる第7の方法としては、フェノール類と、
アルデヒド類と、トリアジン環を有する化合物とを配合
し、酸性触媒の存在化でノボラック化反応した後、塩基
性触媒を加えレゾール化反応をして第二のフェノール樹
脂を得る方法がある。この方法で第二のフェノール樹脂
にトリアジン環を有する化合物を含有させた場合、難燃
性に優れていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性
能が共に優れるフェノール樹脂積層板を得ることができ
る積層板用フェノール樹脂組成物となる。また、ノボラ
ック化反応の段階でトリアジン環を有する化合物を添加
することで、ノボラック化反応が抑制されるためと考え
られるが、得られる第二のフェノール樹脂の重量平均分
子量を、小さくおさえることが容易に達成できるという
利点もある。
【0038】次に、積層板用フェノール樹脂組成物に係
る発明の実施の形態を説明する。上記で説明した積層板
用フェノール樹脂組成物の製造方法の実施形態の方法を
用いることによって、請求項10に係る発明の積層板用
フェノール樹脂組成物を製造する。その際に、必要に応
じて、各種難燃剤、充填剤、離型剤、溶媒あるいはエポ
キシ樹脂等の変性用樹脂等を配合することも可能であ
る。このようにして製造した積層板用フェノール樹脂組
成物を用いると、難燃性に優れていて、且つ、耐熱性と
打ち抜き加工性の両性能が共に優れるフェノール樹脂積
層板を得ることができる。
【0039】次に、フェノール樹脂積層板に係る発明の
実施の形態を説明する。積層板用フェノール樹脂組成物
の実施形態で説明した積層板用フェノール樹脂組成物を
紙基材に含浸、乾燥して得られたプリプレグを、積層成
形して、請求項11に係る発明のフェノール樹脂積層板
は製造する。プリプレグと共に銅箔等の金属箔を使用し
て、積層成形して、金属箔張りの紙基材積層板とするこ
ともできる。このようにして製造したフェノール樹脂積
層板は、難燃性に優れていて、且つ、耐熱性と打ち抜き
加工性の両性能が共に優れるフェノール樹脂積層板とな
る。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0041】(実施例1)メラミン130質量部(以下
「質量部」を「部」と記す)に、フェノール20部と、
37質量%濃度のホルムアルデヒド300部とを添加
し、さらに水酸化ナトリウムを0.3部添加し、98℃
で70分間反応させた後、水70部及びメタノール70
部で希釈することによって、メラミン樹脂であるメチロ
ール化メラミン水溶液M−1を得た。
【0042】次に、このメチロール化メラミン水溶液M
−1を220部、メタノールを50部、水を50部配合
することによって、1次含浸用樹脂ワニスF−1を得
た。
【0043】一方、フェノール60部と、桐油28部
と、メタノール5部と、酸性触媒としてパラトルエンス
ルホン酸0.5部とを、80℃で90分間反応させるこ
とによって、桐油変性フェノールT−1を得た。
【0044】次に、この桐油変性フェノールT−1に、
37質量%濃度のホルムアルデヒド21部を添加し、9
0℃で60分間反応させることによって、ノラック化反
応物N−1を得た。
【0045】さらに、このノラック化反応物N−1にト
リエタノールアミンを0.4部添加して中和した後に、
37質量%濃度のホルムアルデヒド42部を添加し、さ
らに、塩基性触媒としてトリエチルアミン2部とアンモ
ニア水1部とを添加し、90℃で60分間反応させるこ
とによって、レゾール化反応物R−1を得た。
【0046】このレゾール化反応物R−1に、メチロー
ル化メラミン水溶液M−1を18部加えた後、20kP
aで70℃になるまで減圧脱水した後、常圧に戻し、メ
タノールを32部添加することによって第一のフェノー
ル樹脂のワニスP1−1を得た。
【0047】また、別途に、フェノール60部と、37
質量%濃度のホルムアルデヒド63部とに、塩基性触媒
としてトリエチルアミン2部とアンモニア水1部を添加
したものを90℃で60分間反応させることによって、
レゾール化反応物R−2を得た。
【0048】このレゾール化反応物R−2を、20kP
aで70℃になるまで減圧脱水した後、常圧に戻し、メ
タノールを32部添加することによって第二のフェノー
ル樹脂のワニスP2−1を得た。
【0049】第一のフェノール樹脂のワニスP1−1を
30部と、第二のフェノール樹脂のワニスP2−1を3
0部と、難燃剤であるトリフェニルフォスフェイト15
部と、ビスフェノールAジグリシジルエーテル6部を添
加して2次含浸用樹脂ワニス(フェノール樹脂組成物)
S−1を得た。
【0050】上記の1次含浸用樹脂ワニスF−1を、単
位当たり質量が126g/m2のクラフト紙にコート工
法で含浸した後に、155℃の乾燥機で100秒間乾燥
処理し、160g/m2の1次プリプレグA−1を得
た。次に、この1次プリプレグA−1に、上記の2次含
浸用樹脂ワニスS−1を含浸した後に、155℃の乾燥
機で100秒間乾燥処理し、260g/m2の2次プリ
プレグを得た。
【0051】その後、この2次プリプレグを8枚重ね、
片側の面に厚さ0.035mmの銅箔を接着剤を介して
配設し、これを圧力9.8MPa、温度160℃で60
分間成形し厚さ1.6mmの片面銅張りフェノール樹脂
積層板を得た。
【0052】(実施例2)実施例1のノボラック化反応
物N−1にトリエタノールアミンを0.4部添加して中
和した後に、37質量%濃度のホルムアルデヒド42部
を添加し、さらに、塩基性触媒としてトリエチルアミン
2部とアンモニア水1部とを添加し、さらに、メラミン
樹脂であるメチロール化メラミン水溶液M−1を18部
加えた後、90℃で60分間反応させることによって、
レゾール化反応物R−3を得た。このレゾール化反応物
R−3を20kPaで70℃になるまで減圧脱水した
後、常圧に戻し、メタノールを32部添加することによ
って第一のフェノール樹脂のワニスP1−2を得た。
【0053】この第一のフェノール樹脂のワニスP1−
2を30部と、実施例1の第二のフェノール樹脂のワニ
スP2−1を30部と、難燃剤であるトリフェニルフォ
スフェイト15部と、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス(フェノー
ル樹脂組成物)S−2を得た。
【0054】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−2を用い
た以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2次
プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0055】(実施例3)実施例1のノボラック化反応
物N−1にトリエタノールアミンを0.4部添加して中
和した後に、37質量%濃度のホルムアルデヒド47部
を添加し、さらに、塩基性触媒としてトリエチルアミン
2部とアンモニア水1部とを添加し、さらに、メラミン
4部を加えた後、90℃で60分間反応させることによ
って、レゾール化反応物R−4を得た。このレゾール化
反応物R−4を20kPaで70℃になるまで減圧脱水
した後、常圧に戻し、メタノールを32部添加すること
によって第一のフェノール樹脂のワニスP1−3を得
た。
【0056】この第一のフェノール樹脂のワニスP1−
3を30部と、実施例1の第二のフェノール樹脂のワニ
スP2−1を30部と、難燃剤であるトリフェニルフォ
スフェイト15部と、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス(フェノー
ル樹脂組成物)S−3を得た。
【0057】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−3を用い
た以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2次
プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0058】(実施例4)実施例1のレゾール化反応物
R−2に、メラミン樹脂であるメチロール化メラミン水
溶液M−1を18部加えた後、20kPaで70℃にな
るまで減圧脱水した後、常圧に戻し、メタノールを32
部添加することによって第二のフェノール樹脂のワニス
P2−2を得た。
【0059】実施例1の第一のフェノール樹脂のワニス
P1−1を30部と、この第二のフェノール樹脂のワニ
スP2−2を30部と、難燃剤であるトリフェニルフォ
スフェイト15部と、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス(フェノー
ル樹脂組成物)S−4を得た。
【0060】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−4を用い
た以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2次
プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0061】(実施例5)フェノール60部と、37質
量%濃度のホルムアルデヒド63部とに、メラミン樹脂
であるメチロール化メラミン水溶液M−1を18部加え
た後、塩基性触媒としてトリエチルアミン2部とアンモ
ニア水1部を添加したものを90℃で60分間反応させ
ることによって、レゾール化反応物R−5を得た。
【0062】このレゾール化反応物R−5を、20kP
aで70℃になるまで減圧脱水した後、常圧に戻し、メ
タノールを32部添加することによって第二のフェノー
ル樹脂のワニスP2−3を得た。
【0063】実施例1の第一のフェノール樹脂のワニス
P1−1を30部と、この第二のフェノール樹脂のワニ
スP2−3を30部と、難燃剤であるトリフェニルフォ
スフェイト15部と、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス(フェノー
ル樹脂組成物)S−5を得た。
【0064】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−5を用い
た以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2次
プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0065】(実施例6)フェノール60部と、37質
量%濃度のホルムアルデヒド68部とに、メラミン4部
を加えた後、塩基性触媒としてトリエチルアミン2部と
アンモニア水1部を添加したものを90℃で60分間反
応させることによって、レゾール化反応物R−6を得
た。
【0066】このレゾール化反応物R−6を、20kP
aで70℃になるまで減圧脱水した後、常圧に戻し、メ
タノールを32部添加することによって第二のフェノー
ル樹脂のワニスP2−4を得た。
【0067】実施例1の第一のフェノール樹脂のワニス
P1−1を30部と、この第二のフェノール樹脂のワニ
スP2−4を30部と、難燃剤であるトリフェニルフォ
スフェイト15部と、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス(フェノー
ル樹脂組成物)S−6を得た。
【0068】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−6を用い
た以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2次
プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0069】(実施例7)実施例1の桐油変性フェノー
ルT−1に、37質量%濃度のホルムアルデヒド19部
と、メラミン4部とを添加し、その後、90℃で60分
間反応させることによって、ノボラック化反応物N−2
を得た。
【0070】さらに、このノボラック化反応物N−2に
トリエタノールアミンを0.4部添加して中和した後
に、37質量%濃度のホルムアルデヒド42部を添加
し、さらに、塩基性触媒としてトリエチルアミン2部と
アンモニア水1部とを添加し、90℃で60分間反応さ
せることによって、レゾール化反応物R−7を得た。
【0071】このレゾール化反応物R−7を、20kP
aで70℃になるまで減圧脱水した後、常圧に戻し、メ
タノールを32部添加することによって第二のフェノー
ル樹脂のワニスP2−5を得た。
【0072】実施例1の第一のフェノール樹脂のワニス
P1−1を30部と、この第二のフェノール樹脂のワニ
スP2−5を30部と、難燃剤であるトリフェニルフォ
スフェイト15部と、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス(フェノー
ル樹脂組成物)S−7を得た。
【0073】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−7を用い
た以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2次
プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0074】(比較例1)実施例1の第一のフェノール
樹脂のワニスP1−1の60部に、難燃剤であるトリフ
ェニルフォスフェイト15部と、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス
(フェノール樹脂組成物)S−8を得た。
【0075】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−8を用い
た以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2次
プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0076】(比較例2)実施例1の第二のフェノール
樹脂のワニスP2−1の60部に、難燃剤であるトリフ
ェニルフォスフェイト15部と、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス
(フェノール樹脂組成物)S−9を得た。
【0077】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−9を用い
た以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2次
プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0078】(比較例3)実施例4の第二のフェノール
樹脂のワニスP2−2の60部に、難燃剤であるトリフ
ェニルフォスフェイト15部と、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス
(フェノール樹脂組成物)S−10を得た。
【0079】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−10を用
いた以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2
次プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0080】(比較例4)実施例7の第二のフェノール
樹脂のワニスP2−5の60部に、難燃剤であるトリフ
ェニルフォスフェイト15部と、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル6部を添加して2次含浸用樹脂ワニス
(フェノール樹脂組成物)S−11を得た。
【0081】以後、実施例1の2次含浸用樹脂ワニスS
−1の代りに、この2次含浸用樹脂ワニスS−11を用
いた以外は、実施例1と同様にして1次プリプレグ、2
次プリプレグ及び片面銅張りフェノール樹脂積層板を得
た。
【0082】上記の各フェノール樹脂について、GPC
(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)法により
重量平均分子量を測定し、得られた結果を表1に示し
た。
【0083】また、各実施例及び各比較例で得た片面銅
張りフェノール樹脂積層板について、耐熱性、パンチン
グ加工性、難燃性、電気絶縁性について、下記の方法で
測定し、得られた結果を表1に示した。
【0084】耐熱性は、50mm角の試験片4枚を、4
0℃、相対湿度90%の雰囲気中で96時間処理した後
に、260℃のはんだ槽に10秒間ディップした。そし
て、ふくれ等の異常が4枚の何れにも発生しなかった場
合を「○」、4枚の何れかに発生した場合を「×」と表
して、表1に評価結果を示している。
【0085】パンチング加工性は、50℃、70℃、9
0℃でパンチング加工し、クラックと、層間剥離と、虫
食いの3項目の評価を行った。クラックは穴径0.9m
m、ピッチ2.54mmで、20×8個の穴を打ち抜
き、穴間にクラックなしを合格とし、クラックが一箇所
でもあれば不合格とした。層間剥離は穴径0.9mm、
ピッチ1.78mmの密集穴を、試験片の外周の辺から
穴壁までの距離が25mmとなる位置に、試験片の外周
の辺と平行に設け、試験片断面を研磨して、拡大鏡を用
いて穴間の層間剥離の有無を観察し、層間剥離の発生な
しを合格とし、層間剥離の発生ありを不合格とした。虫
食いはパンチング加工で形成した試験片(大きさ245
mm×195mm)の外周の辺断面を目視で観察し、虫
食いの発生なしを合格とし、虫食いの発生ありを不合格
とした。そして、クラックと、層間剥離と、虫食いの3
項目共に合格の場合を「○」、3項目の何れかが不合格
の場合を「×」と表して、表1に評価結果を示してい
る。
【0086】難燃性は、UL試験法に基づき、5本の試
験片についての消炎時間を測定し、平均値と最大値を求
めた。平均消炎時間が5秒以下であって、且つ最大消炎
時間が10秒以下の場合はUL94V−0のレベルに合
格として「○」と、上記の条件を満たさない場合はUL
94V−0のレベルには不合格として「×」と表して、
表1に評価結果を示している。
【0087】電気絶縁性は、JIS規格C6481に基
づき、煮沸処理2時間後の絶縁抵抗を測定し、抵抗値が
1×1010Ω以上の場合を「○」、1×1010Ω未満の
場合を「×」と表して、表1に評価結果を示している。
【0088】
【表1】
【0089】表1の結果で明かなように、各実施例のフ
ェノール樹脂積層板は、耐熱性、パンチング加工性、難
燃性、電気絶縁性が共に良好であることが確認される。
【0090】
【発明の効果】請求項1〜請求項9に係る発明の積層板
用フェノール樹脂組成物の製造方法では、第一のフェノ
ール樹脂と、第一のフェノール樹脂より重量平均分子量
が小さい第二のフェノール樹脂とを混合して使用するよ
うにしているので、難燃性に優れていて、且つ、耐熱性
と打ち抜き加工性の両性能が共に優れるフェノール樹脂
積層板が得られる積層板用フェノール樹脂組成物を製造
することができる。
【0091】請求項10に係る発明の積層板用フェノー
ル樹脂組成物は、請求項1〜請求項9の何れかに記載の
積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法で製造した積
層板用フェノール樹脂組成物であるので、難燃性に優れ
ていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性能が共に
優れるフェノール樹脂積層板が得られる積層板用フェノ
ール樹脂組成物となる。
【0092】請求項11に係る発明のフェノール樹脂積
層板は、請求項9記載の積層板用フェノール樹脂組成物
を紙基材に含浸、乾燥して得られたプリプレグを、積層
成形して製造している紙基材積層板であるので、難燃性
に優れていて、且つ、耐熱性と打ち抜き加工性の両性能
が共に優れるフェノール樹脂積層板となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 晃嗣 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB31 AD17 AD19 AG03 AG17 AG19 AH02 AH22 AJ04 AK05 AL12 4J002 CC08W CC17X GF00 GQ00 4J033 CA01 CA02 CA04 CA11 CC07 CC08 EA34 EA45 HB02 HB03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾性油と、フェノール類と、トリアジン
    環を有する化合物と、アルデヒド類とを用いて製造する
    積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法において、乾
    性油とフェノール類とを反応させた乾性油変性フェノー
    ル類と、アルデヒド類とを一次反応として酸性触媒の存
    在化でノボラック化反応した後、二次反応として塩基性
    触媒を加えレゾール化反応をしている第一のフェノール
    樹脂と、少なくともフェノール類とアルデヒド類とを塩
    基性触媒の存在下でレゾール化反応をしていて、重量平
    均分子量が第一のフェノール樹脂よりも小さい第二のフ
    ェノール樹脂とを、混合して積層板用フェノール樹脂組
    成物としていて、且つ、第一のフェノール樹脂と第二の
    フェノール樹脂との少なくとも何れかにトリアジン環を
    有する化合物を含有させるようにしていることを特徴と
    する積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 第一のフェノール樹脂の重量平均分子量
    が2500〜10000であり、第二のフェノール樹脂
    の重量平均分子量が250以上、2500未満であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の積層板用フェノール樹脂
    組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 第一のフェノール樹脂が、前記の二次反
    応として塩基性触媒を加えレゾール化反応をしたもの
    に、さらにトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類
    とを反応させた樹脂を添加しているものであることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の積層板用フェノー
    ル樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 第一のフェノール樹脂が、乾性油変性フ
    ェノール類と、アルデヒド類とを一次反応として酸性触
    媒の存在化でノボラック化反応した後、二次反応として
    塩基性触媒を加えレゾール化反応をする際に、トリアジ
    ン環を有する化合物とアルデヒド類とを反応させた樹脂
    をも添加してレゾール化反応をしているものであること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の積層板用フェ
    ノール樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 第一のフェノール樹脂が、乾性油変性フ
    ェノール類と、アルデヒド類とを一次反応として酸性触
    媒の存在化でノボラック化反応した後、二次反応として
    塩基性触媒を加えレゾール化反応をする際に、トリアジ
    ン環を有する化合物をも添加してレゾール化反応をして
    いるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 第二のフェノール樹脂が、フェノール類
    とアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下でレゾール化反
    応をしたものに、さらにトリアジン環を有する化合物と
    アルデヒド類とを反応させた樹脂を添加しているもので
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の積層
    板用フェノール樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 第二のフェノール樹脂が、フェノール類
    とアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下でレゾール化反
    応をする際に、トリアジン環を有する化合物とアルデヒ
    ド類とを反応させた樹脂をも添加してレゾール化反応を
    しているものであることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 第二のフェノール樹脂が、フェノール類
    とアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下でレゾール化反
    応をする際に、トリアジン環を有する化合物をも添加し
    てレゾール化反応をしているものであることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の積層板用フェノール樹脂
    組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 第二のフェノール樹脂が、フェノール類
    と、アルデヒド類と、トリアジン環を有する化合物とを
    配合し、酸性触媒の存在化でノボラック化反応した後、
    塩基性触媒を加えレゾール化反応をしているものである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の積層板用
    フェノール樹脂組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9の何れかに記載の
    積層板用フェノール樹脂組成物の製造方法を用いて製造
    した積層板用フェノール樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の積層板用フェノール
    樹脂組成物を紙基材に含浸、乾燥して得られたプリプレ
    グを、積層成形して製造しているフェノール樹脂積層
    板。
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