JP2003306508A - 着色剤含有樹脂微粒子及びその利用 - Google Patents

着色剤含有樹脂微粒子及びその利用

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JP2003306508A JP2002252553A JP2002252553A JP2003306508A JP 2003306508 A JP2003306508 A JP 2003306508A JP 2002252553 A JP2002252553 A JP 2002252553A JP 2002252553 A JP2002252553 A JP 2002252553A JP 2003306508 A JP2003306508 A JP 2003306508A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機顔料を樹脂でカプセル化した粒子であ
り、粒子径が小さく分散特性に優れた顔料含有樹脂微粒
子及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 有機顔料含有樹脂微粒子であって、平均
粒径が1μm未満であり、顔料含有樹脂微粒子中の樹脂
量が20wt%以上であることを特徴とする顔料含有樹
脂微粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料を樹脂でカプ
セル化した顔料含有樹脂微粒子に関するものであり、該
微粒子を含有する水性又は有機性媒体は、インクジェッ
トプリンター用、カラーレジスト用或いは各種印刷用イ
ンク、又は、塗料類として用いるに有効なものである。
【0002】
【従来技術】着色剤としては、染料と並んで顔料がよく
用いられているが、前者は色数が豊富で色調の鮮明性が
優れている一方、耐光堅牢度が劣る等の問題があり、後
者は耐光堅牢度は良好であるものの、色数が少なく、色
調面で鮮明さや透明性が劣り、加えて、インクとした場
合に沈降し易い等の保存安定性の点に問題があるといっ
たようにそれぞれ相反する利点と難点を有することが知
られている。
【0003】これに対し、顔料の難点の一つである分散
性の改良等を目的として、顔料を樹脂で被覆したカプセ
ル化顔料に関する研究が各種なされている。上記カプセ
ル化顔料の製造方法としては、主として、顔料を分散し
た樹脂溶液を転相乳化させる方法が採られている(特開
平8−313718号公報及び特開平9−151342
号公報)。この方法は、操作が簡便であるが、いくつか
の欠点を持つ。例えば、顔料に樹脂を吸着させるに当た
っては、被覆させる樹脂の親水性と疎水性のバランスが
限定されることにより樹脂に付与する機能性基の量や種
類が限られるといった難点がある。また、一般に粒子に
単層吸着できる高分子の量はせいぜい0.3μg/cm2
以下と言われており、樹脂同士の立体障害によっては、
さらに粒子表面に吸着できる樹脂量が制限されるため、
部分的に顔料表面がむき出しとなり、粒子分散液の分散
安定性や耐刷性等に影響を与える可能性があるといった
ことがある。或いは塗布・溶媒乾燥時における最終的な
粒子径が大きくなりすぎ、透明性が低くなる等の問題も
あり、用途が限定されるといったような難点がある。
【0004】これに対して、In−situ重合法のよ
うに顔料含有モノマーをそのまま重合させる方法であれ
ば、上記問題は解決されるものであると考えられるが、
従来のIn−situ重合法で得られる粒子は粒径が1
μm以上と大きく、使用できる用途は限定されてくる。
一方、F. Tiarks, K. Landfester, M. Antoniettiによ
るMacromolecule Chemical Physics第202巻、51−6
0頁(2001年)やB. Erdem, E. D. Sudol, V. L.
Dimonie, S. El-AasserによるMacromolecule Symposiu
m 第155巻、181−198頁(2000年)に
は、カーボンブラックやTiO2を含有する樹脂微粒子
をいわゆるミニエマルジョン重合といわれる重合法でカ
プセル化粒子を作成したことが記載されているが、もと
もとカーボンブラックやTiO2自体、粒径が小さく、
分散性もよいものである。又、該文献には、その方法を
有機顔料に適用することについての記載は全くない上、
有機顔料の方が凝集性が高いため同様の方法で微分散体
とするのは困難である。加えて、顔料の透明性や色域を
改善するために顔料染料ハイブリッド色材の開発も続け
られているが、従来は染料で染着させた樹脂を用いて上
述のような転相乳化法により得るか、転相乳化法により
得られる顔料含有樹脂粒子を染料で染着させて得るかの
いずれかであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで、塗料、印刷
用インク、インクジェットプリンター用インク等の高彩
度、高明度を必要とする分野には、主として染料が用い
られてきたが、インクジェットプリンター用インクやフ
ラットパネルディスプレー等に用いられる着色剤は、近
年、ますます、耐光性、耐熱性、着色力を必要とされる
ようになってきているため、有機顔料を微粒化して用い
ることが望まれている。その際、その顔料の高彩度、高
明度を演出するためには、微粒化した顔料を媒体に微分
散させた顔料分散体が求められる。特に、環境保護や安
全性の観点から、媒体として水系のものを用いる必要性
が大きくなってきている。
【0006】上記のように従来の有機顔料を樹脂でカプ
セル化した粒子は、その性能や粒径的に未だ不十分であ
ったため、分散特性向上等の機能を該樹脂微粒子自体に
付与することができ、粒径が1μm未満の各種着色剤用
途に利用が可能な顔料含有樹脂微粒子の出現が望まれて
いた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、特定の製造方法で製
造した顔料含有樹脂微粒子が、その平均粒径が1μm未
満であり、且つ、顔料の周囲に形成される樹脂層が粒子
に全体に占める割合が高く、また、水に対する優れた分
散特性を有するものであることを見出し、加えて、該樹
脂層に染料を高濃度で含有させることのできる顔料染料
ハイブリッド色材となるものであることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち本発明の要旨は、有機
顔料及び油溶性モノマーを、水に対する溶解度が0.01g/
L以下の化合物及び臨界ミセル濃度以上の界面活性剤存
在下、水性媒体中において微分散させた後、該モノマー
を重合させて得られる平均粒径が1μm未満の有機顔料
含有樹脂微粒子及び有機顔料含有樹脂微粒子であって、
平均粒径が1μm未満であり、顔料含有樹脂微粒子中の
樹脂量が20wt%以上であることを特徴とする顔料含
有樹脂微粒子並びにその製造方法に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の顔料含有樹脂微粒子は、
平均粒径が1μm未満であり、顔料含有樹脂微粒子中の
樹脂量が20wt%以上のものである。ここで、微粒子
の平均粒径は、好ましくは300nm以下、特に好ましくは1
00nm以下のものであり、また、5μm以上、好ましくは
1μm以上の粒子が存在しないといったものである。
【0010】上記顔料含有樹脂微粒子中の樹脂量は、好
ましくは30〜95wt%、特に好ましくは40〜90
wt%のものである。上記顔料含有樹脂微粒子の平均粒径
は、該微粒子を液体媒体に分散させた後、例えば、ハネ
ウェル社製「Microtrack UPA粒度分布計」等の動的光
散乱装置を用いて測定することができる。
【0011】また、本発明の顔料含有樹脂微粒子は、有
機顔料及び油溶性モノマーを、水に対する溶解度が0.01
g/L以下の化合物及び臨界ミセル濃度以上の界面活性剤
存在下、水性媒体中において微分散させた後、該モノマ
ーを重合させて得られる平均粒径が1μm未満のもので
ある。本発明に用いられる顔料としては、特に限定され
ないが、代表的なものを例示すると、キナクリドン系顔
料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、
フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、ア
ンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバン
スロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール
系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アント
ラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、金属錯体系顔
料、アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料などが挙げら
れ、このうち好ましくはフタロシアニン系又はジケトピ
ロロピロール系顔料が挙げられる。
【0012】上記顔料の具体的例としては下記に示すピ
グメントナンバーの顔料を挙げることができる。なお、
以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド2」等の用語
は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。 赤色色剤:C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、
5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、
21、22、23、31、32、37、38、41、4
8、48:1、48:2、48:3、48:4、49、
49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、
53、53:1、53:3、57:1、58:4、6
0、63:1、63:2、64、64:1、68、8
1、81:1、81:2、81:3、81:4、83、
88、90、112、114、122、123、14
4、146、147、149、151、166、16
8、169、170、172、175、176、17
7、178、179、181、184、185、18
7、188、190、194、200、202、20
6、207、208、209、210、214、21
6、220、221、224、237、238、23
9、242、243、245、247、250、25
1、253、254、255、256、257、25
8、260、262、264、266、267、26
8、269、271、272 青色色剤:C.I.ピグメントブルー1、9、14、1
5、15:1、15:2、15:3、15:4、15:
6、16、19、25、56、60、61、62、6
3、66、75 緑色色剤:C.I.ピグメントグリーン1、2、4、
7、8、10、36、45、 黄色色剤:C.I.ピグメントイエロー1、2、3、
5、6、10、12、13、14、16、17、24、
55、61、62、63、65、73、74、75,8
1、83、87、93、94、95、97、100、1
01、104、108、109、110、111、11
6、120、126、127、128、129、13
3、136、138、139、147、148、15
0、151、153、154、155、165、16
6、167、168、169、170、172、17
3、174、175、176、180、181、18
2、183、185、188、190、191、19
2、193、194、198、199 オレンジ色剤:C.I.ピグメントオレンジ1、2、
5、13、16、17、19、22、23、24、3
4、36、38、43、46、48、49、61、6
2、64、65、67、68、69、71、72、7
3、74 バイオレット色剤:C.I.ピグメントバイオレット
1、2、3、5:1、19、23、25、27、29、
31、32、37、39、42、44、50 ブラウン色剤:C.I.ピグメントブラウン1、22、
23、25、41、42、43、44、45 黒色色剤:C.I.ピグメントブラック1、31、3
2。
【0013】これら有機顔料1次粒子の大きさは、目的
に応じて任意に設定すればよいが、通常、10〜800
nmであり、好ましくは10〜500nmである。上記
平均粒子径の測定方法としては、SEMやTEM等の電
子顕微鏡を用いて測定することができる。また、上記有
機顔料は、予め、下記に示すような処理により顔料を微
粒子化しておくのが好ましい。
【0014】該処理方法としては、分散剤及び/又は分
散助剤の存在下、水又は有機溶媒といった液体媒体中
で、ビーズミル、ロールミル、サンドミル、ペイントシ
ェーカー、超音波分散機、マイクロ流動化装置(Microf
luidizer:登録商標)等の分散機を用いて、顔料を微粒
子化させる。顔料を微粒子化させるに当たっては、その
微粒化効率を上げるために、上記処理の前にニーダー処
理やソルトミリングを行うことも可能である。
【0015】上記有機溶媒としては、顔料を溶解するこ
となく、分散させることができれば特に限定されない
が、例えば、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート(以下PGMEAと
略記する)等のグリコールエーテル系溶媒;メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;
クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素
系溶媒;酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエス
テル系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール等
のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル
系溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は、単独使用の他、
混合系として用いることもできる。
【0016】上記分散剤及び分散助剤としては、上記有
機顔料を分散させる能力を有する物であれば特に限定さ
れないが、例えば、通常の顔料分散に用いられるような
ものから任意に用いることができる。上記処理により得
られる顔料は、液体媒体の使用量に応じ、固形状又は液
体媒体に顔料が分散された分散液状のいずれかの形態と
なるが、分散液状としたものの方が好ましい。
【0017】本発明の顔料含有樹脂微粒子に用いられる
油溶性モノマーとしては、重合可能なモノマーであれば
制限なく使用することが出来る。ラジカル重合において
用いられるモノマーの具体例としては、スチレン、クロ
ルスチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、
ビニルトルエン等の重合性不飽和芳香族類;(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの重
合性不飽和カルボン酸類;スチレンスルホン酸ソーダ等
の重合性不飽和スルホン酸もしくはその塩;(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、エチレン
グリコール-ジ-(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)
アクリル酸トリブロモフェニル等の重合性カルボン酸エ
ステル類;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロ
レイン、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビ
ニル、ビニルピリジン、N-ビニルピロリドン、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の不飽和カルボン
酸アミド類、重合性不飽和ニトリル類、ハロゲン化ビニ
ル類、共役ジエン類;ポリスチレン、ポリエチレングリ
コール、ポリメチルメタクリレートのなどの高分子量セ
グメントに、ビニル基、メタクリロイル基、ジヒドロキ
シル基などの重合可能な官能基を持つマクロモノマー類
などが挙げられる。
【0018】また、本発明で用いられるモノマーは付加
重合で用いられるようなモノマーも使用できる。付加重
合に用いられるモノマーの具体例としては、ジフェニル
メタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナー
ト、トリレンジイソシアナート、テトラメチルキシレン
ジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、ジシク
ロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、
イソホロンジイソシアナートのような脂肪族又は芳香族
イソシアナート類、ケテン類、エポキシ基含有化合物
類、ビニル基含有化合物類が挙げられ、また、上記化合
物群と反応させるモノマーとしては、活性化水素を有す
る官能基、具体例としては水酸基又はアミノ基を有する
化合物が挙げられ、具体的には、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブ
タンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビ
トール、メチレングリコシド、しょ糖、ビス(ヒドロキ
シエチル)ベンゼンのようなポリオール類;エチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N'-ジイソプロピ
ルメチレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレ
ンジアミン、1,3,5-トリアミノベンゼンのようなポリア
ミン類;オキシム類などが挙げられる。
【0019】上記モノマーは、単独で用いても良いし、
2種以上を混合して用いても良い。また、上記モノマー
の他、架橋剤となりうる多官能性化合物を共存させても
良い。該多官能性化合物としては、例えば、N-メチロ
ールアクリルアミド、N-エタノールアクリルアミド、
N-プロパノールアクリルアミド、N-メチロールマレイ
ミド、N-エチロールマレイミド、N-メチロールマレイ
ンアミド酸、N-メチロールマレインアミド酸エステ
ル、ビニル芳香族酸のN-アルキロールアミド(例えば
N-メチロール-p-ビニルベンズアミド等)、N-(イソ
ブトキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。さら
に、上述のモノマーのうち、ジビニルベンゼン、ジビニ
ルナフタレン、ジビニルシクロヘキサン、1,3-ジプ
ロペニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブ
チレングリコール、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート等の多官能性モノマー類は、架橋剤としても
使用することが出来る。
【0020】本発明で用いられる水に対する溶解度が
0.01g/L以下の化合物としては、水難溶性であり
油溶性モノマーに可溶であれば特に限定されないが、好
ましい具体例としては(a)ヘキサデカン、スクアラ
ン、シクロオクタン等のC8〜C3 0の直鎖、分岐鎖、環
状アルカン類、(b)ステアリルメタクリレート、ドデ
シルメタクリレート等のC8〜C30アルキルアクリレー
ト、(c)セチルアルコール等のC8〜C30アルキルア
ルコール、(d)ドデシルメルカプタン等のC8〜C 30
アルキルチオール、(e)ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリスチレン等のポリマー類(f)その他、長鎖脂
肪族又は芳香族カルボン酸類、長鎖脂肪族又は芳香族カ
ルボン酸エステル類、長鎖脂肪族又は芳香族アミン類、
ケトン類などが挙げられる。このうち好ましくは、アル
カン類である。また、本発明においては、水に対する溶
解度が0.01g/L以下の化合物として、染料を用い
ることも可能である。
【0021】染料の種類 染料 本発明で使用する染料は、モノマーに溶解し得る限りそ
の種類は特に制限されず、油溶性染料、直接染料、酸性
染料、塩基性染料、アゾイック染料、反応染料などの中
から、使用するモノマーの種類に応じて適宜選択され
る。本発明においては、特に水よりモノマーに溶解し易
い油溶性染料が好ましく、その具体例としては、ソルベ
ントブルー、ソルベントレッド、ソルベントオレンジ、
ソルベントグリーン等が挙げられる。また、筆記記録液
に通常使用されている染料、例えば、クマリン系、ペリ
レン系、ジシアノピニル系、アゾ系(例えば、ピリドン
アゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンゼンアゾ系、
ヘテロ環アゾ系など)、キノフタロン系、アミノピラゾ
ール系、メチン系、ジシアノイミダゾール系、インドア
ニリン系、フタロシアニン系も好適に使用し得る。これ
らの中では、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノ
ン系が好ましい。これらの染料は、2種以上を混合して
使用してもよい。
【0022】上記染料のうち、本発明製造上の理由及び
調色の関係上、好ましくはコア層に用いられる顔料と同
色もしくは親和性のある構造を有する染料が好ましい。
顔料と染料が親和性を持つならば、顔料のまわりに染料
が局在し、それ故に多くのモノマーを顔料に吸着させる
こともできると考えられる。そのため、顔料のまわりに
染料が局在化した樹脂を多く含んだ顔料樹脂微粒子の製
造が可能となると考えられる。
【0023】本発明で使用する界面活性剤としては、従
来のラテックス重合に使用できるものであれば特に制限
されない。例えば、アニオン系界面活性剤としては、ド
デシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼンスルホネ
ート、ウンデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベ
ンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート並び
にこれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム塩など
が挙げられ、カチオン系界面活性剤としては、セチルト
リメチルアンモニウムプロミド、塩化ヘキサデシルピリ
ジニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等
が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、
ポリビニルアルコールの他、各種のものが市販されてお
り、例えば、ユニオンカーバイド社製の「Trito
n」(X-100、X-114、X-305、N-10
1)、アイ・シー・アイ社製の「Tween」(20、
40、60、80、85)、アイ・シー・アイ社製の
「Brij」(35、58、76、98)、シェル社製
の「Nonidet」(P-40)、ローヌ・プーラン
社製の「Igepol」(CO530、CO630、C
O720、CO730)等が挙げられる。
【0024】また、前記油溶性モノマーと重合可能なア
ニオン、カチオン、ノニオン反応性界面活性剤を用いる
こともできる。その反応性界面活性剤における反応基と
して、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロ
イル基等のエチレン性不飽和基を有するものであるのが
好ましい。それらの反応性界面活性剤としては、前記反
応性基を有する限り、通常の界面活性能を有するもので
あれば良く、例えば、特開平9−279073号公報等
に記載されるものがあげられ、具体的には、例えば、ラ
ウリル(アリルベンゼン)スルホン酸塩、ラウリルスチ
レンスルホン酸塩、ステアリル(アリルベンゼン)スル
ホン酸塩、ステアリルスチレンスルホン酸塩等のアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩類、およびそれらのポリエチレ
ンオキサイド付加物類、ラウリルアリルスルホ琥珀酸エ
ステル、ラウリルビニルスルホ琥珀酸エステル、ステア
リルアリルスルホ琥珀酸エステル、ステアリルビニルス
ルホ琥珀酸エステル等のアルキルスルホ琥珀酸エステル
類、及びそれらのポリエチレンオキサイド付加物類、
(メタ)アクリル酸ラウリルスルホン酸塩、オレイルス
ルホン酸塩等のアルキルまたはアルケニルスルホン酸塩
類、(メタ)アクリル酸ステアリル硫酸塩、オレイル硫
酸塩等のアルキル又はアルケニル硫酸塩類、及びそれら
のポリエチレンオキサイド付加物類等ののアニオン性界
面活性剤、ラウリルトリアリルアンモニウムクロライ
ド、ステアリルトリアリルアンモニウムクロライド、ジ
ステアリルジアリルアンモニウムクロライド等の第4級
アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、ポリエチ
レングリコールオクチル(アリルフェニル)エーテル、
ポリエチレングリコールノニル(アリルフェニル)エー
テル、ポリエチレングリコールオレイルフェニルエーテ
ル等のポリエチレングリコールアルキル又はアルケニル
フェニルエーテル類、モノステアリル酸モノアリルグリ
セリル、ジステアリン酸モノアリルグリセリル等のグリ
セリン脂肪酸エステル類、及びそれらのポリエチレンオ
キサイド付加物類、モノステアリン酸モノアリルソルビ
タン、トリステアリン酸モノアリルソルビタン等のソル
ビタン脂肪酸エステル類、及びそれらのポリエチレンオ
キサイド付加物類、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリル酸のポリエチレンオ
キサイドエステル類等のノニオン性界面活性剤等を挙げ
ることができる。
【0025】尚、これらの反応性界面活性剤は、前記ア
ニオン性界面活性剤としては、例えば、第一工業製薬社
より「アクアロン HS−10」、日本乳化剤社より
「Antox−MS−60」、「RA−1000シリー
ズ」、「Antox−MS−2N」、旭電化工業社より
「アデカリアソープ SE−10N」、花王社より「テ
ラムル S−180A」、三洋化成工業社より「エレミ
ノール JS−2」等の商品名で、また、前記カチオン
性界面活性剤としては、例えば、日本乳化剤社より「R
F―751」等の商品名で、又、前記ノニオン性界面活
性剤としては、例えば、旭電化工業社より「アデカリア
ソープ NE−10」、日本油脂社より「ブレンマー
PE−200」、「ブレンマー PE−350」、「ブ
レンマーPE−400」等の商品名で、それぞれ市販さ
れている。
【0026】上記界面活性剤は、単独で用いても良い
し、2種以上を混合して用いても良い。本発明の顔料含
有樹脂微粒子は、上記有機顔料及び油溶性モノマーを上
記水に対する溶解度が0.01g/L以下の化合物及び
臨界ミセル濃度以上の界面活性剤の存在下、高圧又は超
高圧ホモジナイザーや超音波分散機等の剪断混合装置を
用いて、水性媒体中に分散させ、顔料含有モノマーエマ
ルジョンをとする。
【0027】ここで界面活性剤が臨界ミセル濃度以上添
加されているか否かは、通常、対象となる液の表面張力
を測定することにより決定することができる。具体的に
は、界面活性剤水溶液に対し、界面活性剤の濃度増加に
対する表面張力の低下を測定し、その表面張力が定常状
態に入った点(変曲点)の濃度が臨界ミセル濃度とな
る。測定対象となる顔料、モノマー、水に対する溶解度
が0.01g/L以下の化合物及び界面活性剤を含有す
る反応液の表面張力が、上記臨界ミセル濃度での表面張
力より低い場合に界面活性剤が臨界ミセル濃度以上添加
されていることとなる。
【0028】上記表面張力の測定法としては、ウィルヘ
ルミー法等の一般的な方法が用いられる。上記反応液中
の顔料、モノマー及び水に対する溶解度が0.01g/
L以下の化合物の濃度は、反応液中の顔料及びモノマー
が微分散されるような量であれば特に限定されず、それ
ぞれ用いられる化合物により、その最適値が異なるが、
通常、顔料の濃度としては45%(W/V)以下、好ま
しくは5〜20%(W/V)であり、モノマー濃度とし
ては、45%(W/V)以下、水に対する溶解度が0.
01g/L以下の化合物の濃度は、10%(W/V)以
下である。加えて、特に水に対する溶解度が0.01g
/L以下の化合物が染料である場合、モノマーに対する
当該化合物の含有量としては、通常0.1wt%以上、
好ましくは1wt%以上の範囲で用いられ、その上限と
しては通常60wt%程度、好ましくは50wt%程度
である。
【0029】顔料含有モノマーエマルジョンの作成方法
としては、特に限定されないが、例えば、上述の前処理
により得られる顔料又は顔料分散体と予めモノマーを界
面活性剤等の分散体により水性媒体中に分散させておい
た物を混合する方法、上述の前処理により得られる顔料
分散体にモノマー又はモノマー溶液を混合する方法等が
挙げられる。
【0030】このとき、0.01g/L以下の化合物及
び界面活性剤は、それぞれの態様に応じて、不足分を添
加し、最終的にピストンホモジナイザー、マイクロ流動
化装置(Microfluidizer:登録商標)、超音波分散機等
の高圧又は超高圧ホモジナイザーや超音波分散機等の剪
断混合装置を用いて、水性媒体中に分散させ、顔料含有
モノマーエマルジョンをとする。
【0031】引き続き、上記で得られる顔料含有モノマ
ーエマルジョン中のモノマーを、ラジカル系重合開始剤
又はレドックス系重合開始剤等の重合開始剤を用い、こ
れらの分解温度以上、通常30〜95℃、好ましくは5
0〜95℃となるよう加熱して重合させる。このときの
重合時間としては、通常5〜6時間以内である。ラジカ
ル系重合開始剤の例としては、例えば2,2’-アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’- アゾビス-(2-メチ
ルプロパンニトリル) 、2,2’-アゾビス-(2,4-
ジメチルペンタンニトリル) 、2,2’-アゾビス-
(2-メチルブタンニトリル) 、1,1’-アゾビス-
(シクロヘキサンカルボニトリル) 、2,2’- アゾ
ビス-(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)
、2,2’- アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニト
リル)、2,2’-アゾビス-(2-アミジノプロパン)
ヒドロクロリド等のアゾ(アゾビスニトリル)タイプの
開始剤、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシ
ド、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、
過硫酸塩(例えば過硫酸アンモニウム)、過酸エステル
(例えばt-ブチルペルオクテート、α-クミルペルオキ
シピバレート及びt-ブチルペルオクテート)等の過酸
化物タイプの開始剤が挙げられる。
【0032】レドックス系開始剤としては、例えば、ア
スコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキシ二硫酸ナト
リウム、第三ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナト
リウム、第三ブチルヒドロペルオキシド/Naヒドロキ
シメタンスルフィン酸が挙げられる。なお、個々の成
分、例えば還元成分は、混合物、例えばヒドロキシメタ
ンスルフィン酸のナトリウム塩と二亜硫酸ナトリウムと
の混合物であってもよい。
【0033】重合開始剤の使用量は、モノマーに対し、
通常0.1〜30wt%の範囲から選択され、これらの
重合開始剤は顔料含有モノマーエマルジョン作成時に添
加しておいても良いし、顔料含有モノマーエマルジョン
作成後に添加しても良い。この分散体中の有機溶媒およ
び未反応モノマーは、必要に応じて、除去してもよい。
【0034】また、この分散体の水分を乾燥により除去
し、特定の溶媒中にこのカプセル化顔料を分散するか、
または溶媒置換によって、目的の溶媒中に分散する。ま
た、本発明の顔料含有樹脂微粒子を製造するに当たって
は、色素の耐光性向上のために通常用いられるような酸
化防止剤や紫外線吸収剤などを反応液中に添加してか
ら、重合を行っても良い。
【0035】さらに、重合後得られる顔料含有樹脂微粒
子に、必要に応じ、シード重合などの方法によりさらに
表面層を形成させたようなコアシェル化などの複合化処
理やポリエチレングリコールの様な官能性基を含有する
化合物を付加させるといった表面処理を行うことも出来
る。上述のような本発明の顔料含有樹脂微粒子は、特に
水に対しての分散安定性に優れたものであり、本発明の
顔料含有樹脂微粒子含有液体媒体は、インクジェットプ
リンター用、カラーレジスト用或いは各種印刷用のイン
ク、又は、塗料として用いることができる。
【0036】上記インク又は塗料としてに用いるに当た
っては、それぞれの用途における液組成に応じて、添加
物等を使用すればよい。また、液体媒体が水の場合に
は、上記製造方法により得られる本願微粒子の水分散体
から粒子を単離することなく用いることもできる。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 製造例1(有機溶媒中青色顔料色材分散体の提供) ピグメントブルー15:6(青色顔料)を10部、高分
子分散剤 BYK161(ビッグケミー社製)13.3
部、銅フタロシアニン誘導体 S5000(アビシア社
製)0.5部、PGMEA 34.2部を混合した後、0.
5mmφのジルコニアビーズによるビーズミルにて分散
処理を行ったものをろ過してビーズを除去し、青色顔料
分散体を得た。
【0038】製造例2(有機溶媒中緑色顔料色材分散体
の提供) ピグメントグリーン36(緑色顔料) 10部、高分子
分散剤 BYK161(ビッグケミー社製) 10部、
銅フタロシアニン誘導体 S5000(アビシア社製)
0.5部、PGMEA 35部を混合した後、0.5mm
φのジルコニアビーズによるビーズミルにて分散処理を
行ったものをろ過してビーズを除去し、緑色顔料分散体
を得た。
【0039】製造例3(有機溶媒中赤色顔料色材分散体
の提供) ピグメントレッド254(赤色顔料) 10部、高分子
分散剤 BYK161(ビッグケミー社製) 10部、
分散剤 S22000(アビシア社製) 16.7部、
PGMEA 33.3部を混合した後、0.5mmφのジル
コニアビーズによるビーズミルにて分散処理を行ったも
のをろ過してビーズを除去し、赤色顔料分散体を得た。
【0040】実施例1(青色顔料含有樹脂微粒子の水系
分散色剤) 蒸留水23.6gに炭酸水素ナトリウム0.006gと反応
性界面活性剤 ANTOX-MS-60(日本乳化剤社
製)0.414gを添加して溶液Aとした。製造例1で得
られた青色顔料分散体 5.1gに、スチレン0.6g
とヘキサデカン 0.3gを添加しスターラーで攪拌
し、分散液Bを調製した。
【0041】溶液Aに分散液Bを注入し、スターラーで
2時間攪拌した後、超音波分散機にて所定時間超音波処
理を行い、分散液Cを得た。この分散液Cを4つ口フラス
コに移し、窒素置換した後、所定量の過硫酸カリウム水
溶液を添加し、2時間78℃に加熱して重合を行い、青
色液体を得た。その後、青色液体中に含まれるPGMEAを
取り除くために、減圧エバポレーターにて蒸留水を添加
しながら行った。得られた水系顔料分散液中の顔料含有
樹脂微粒子の平均粒径ををマイクロトラック社製「Micr
otrack UPA」による動的光散乱法により測定したとこ
ろ、150nmであった。
【0042】また、上記で得られた顔料含有樹脂微粒子
分散体は、室温で20日放置後のしたものの動的光散乱測
定法による平均粒径も151nmとほとんど変わらず、
分散体は安定に存在していることが示された。 実施例2(架橋剤を用いた青色顔料含有樹脂微粒子の水
系分散色剤) 分散液Bに、架橋剤としてジビニルベンゼン 0.06
gを加えた他は実施例1と同様の方法で反応を行い青色
顔料含有樹脂微粒子の水系分散液を得た。該水系顔料分
散液中の顔料含有樹脂微粒子の動的光散乱による平均粒
径は、227nmであった。
【0043】実施例3(緑色顔料含有樹脂微粒子の水系
分散色剤) 製造例2で得られた緑色顔料分散体を用いた他は、実施
例1と同様の方法で反応を行い緑色顔料含有樹脂微粒子
の水系分散液を得た。該水系顔料分散液中の顔料含有樹
脂微粒子の動的光散乱による平均粒径は、155nmで
あった。
【0044】実施例4(赤色顔料含有樹脂微粒子の水系
分散色剤) 製造例3で得られた赤色顔料分散体を用いた他は、実施
例1と同様の方法で反応を行い緑色顔料含有樹脂微粒子
の水系分散液を得た。該水系顔料分散液中の顔料含有樹
脂微粒子の動的光散乱による平均粒径は、266nmで
あった。
【0045】実施例5(青色顔料含有樹脂微粒子の水系
分散色剤) ピグメントブルー15:6 を5g、界面活性剤ネオゲンS-2
0 25g(第一工業製薬社製 有効成分20%)、脱塩水を5
0g加えたものに0.5mmφのジルコニアビーズを用い
ペイントシェーカーにて30分間分散し、その後超音波
分散機にて分散し、分散液Dを得た。また、スチレン5
g、ネオゲン3g、ヘキサデカン2.5g、AIBN 0.125g、ジ
ビニルベンゼン0.15gを混合し、超音波分散機にて所定
時間分散し、分散液Eを得た。ここで用いた分散液Dを30
gと分散液Eを13.5g混合し、超音波分散機にてさらに1
5分分散を行った。得られた分散液Fを4つ口フラスコ
に移し、窒素置換した後、2時間78℃に加熱して重合
を行い、カプセル化顔料を得た。この平均粒径は86nmで
あった。上記重合反応後の顔料含有樹脂微粒子の分散液
の表面張力をウィルヘルミー型表面張力系で測定したと
ころ、室温で29.2dyn/cmであった。ネオゲンS-20の水に
おける臨界ミセル濃度での表面張力は37.7dyne/cmであ
り、上記重合反応は、臨界ミセル濃度以上の界面活性剤
存在下で行われたことを確認した。
【0046】実施例6(青色顔料含有樹脂微粒子の水系
分散色剤) ピグメントブルー15:3を5g、界面活性剤ネオゲン
S−20 5g(第一工業製薬社製 有効成分20
%)、脱塩水を50g加えたものに0.5mmφのジル
コニアビーズを用いペイントシェーカーにて3時間分散
し、その後超音波分散機にて分散し、分散液Gを得た。
また、スチレン5g、ネオゲン3g、ヘキサデカン2.
5g、AIBN0.125gを混合し、超音波分散機に
て所定時間分散し、分散液Hを得た。上記分散液Gを3
0gと分散液Hを6.75g混合し、超音波分散機にて
さらに15分分散を行った。得られた分散液を4つ口フ
ラスコに移し、窒素置換した後、2時間75℃に加熱し
て重合を行い、カプセル化顔料を得た。この平均粒径は
114nmであった。
【0047】比較例1 実施例1で製造したカプセル化顔料と市販のインクジェ
ットプリンター用水性青色顔料インク(エプソン社製、
商品名「μクリスタ」)について、各顔料含有樹脂微粒
子における顔料と高分子量比の測定を、「セイコーTG-D
TA320」にて行った。試料の精製は透析後、遠心分離機
(日立社製)にて20000rpmで1時間遠心分離をかけ、そ
の沈殿物を乾燥させ、粉末とした。測定方法は30〜900
℃まで、20℃/minの速度で昇温し、900℃で30分間保持
した。その結果、実施例1で得られたカプセル化顔料は
600℃までで、高分子成分と考えられる約60%の質量が
焼失した。また、μクリスタは600℃までで、約10%の質
量が焼失した。このことから、本発明の含量含有樹脂微
粒子は、市販の水性顔料インクに含まれる含量含有樹脂
微粒子より、かなり多くの高分子で顔料が被覆されてい
ることがわかる。
【0048】実施例7(顔料及び染料含有樹脂微粒子) <顔料分散液>ピグメントブルー15:6を5g、SD
S(硫酸ドデシルナトリウム)を1g、脱塩水を54g
を加えたものに0.5mmφのジルコニアビーズを用
い、ペイントシェーカーにて2時間分散し、その後超音
波分散機にて、所定時間分散し、分散液Iを得た。
【0049】<モノマー染料ミニエマルション>油溶性
染料Nepen Blau807を3.45g、Ora
sol Blue GNを0.75g、スチレン10.
8g及びジビニルベンゼン0.324gをよく混合した
液をSDS1.3g、炭酸水素ナトリウム0.035
g、脱塩水59gの混合液に全量滴下した後、これをス
ターラーで2時間撹拌し、さらに超音波分散機にて所定
時間超音波処理しJ液とした。顔料分散液I液30g
へ、J液に11.5gを滴下し、2時間スターラー混合
した。その後所定時間の超音波処理し、この分散液を窒
素置換したのち、所定量の過硫酸カリウム水溶液を添加
し、75℃2時間加熱し、重合を行った。得られた顔料
含有樹脂微粒子の平均粒径は、90nmであった。又、
上記で作成された顔料及び染料含有樹脂微粒子の分散液
は、顔料のみを用いて製造された樹脂微粒子の分散液と
比較し、その吸収スペクトルが変化しており、粒子中に
染料を含有していることが確認された。
【0050】
【発明の効果】本発明の顔料含有樹脂微粒子は、粒子径
がサブミクロンオーダーと小さく、且つ、顔料に対する
樹脂量も多く、鮮明性、耐光性、分散安定性等に優れた
色であり、各種インク及び塗料用途に有用なものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 B41J 3/04 101Y (72)発明者 高巣 真弓子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 (72)発明者 佐藤 耕一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 4J011 AA08 JA13 JA14 JB08 JB26 KA20 KA25 KA29 KB08 KB29 PA22 PB25 PC02 PC06 PC07 4J038 KA08 KA15 KA20 MA08 MA10 4J039 BE01 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機顔料含有樹脂微粒子であって、平均
    粒径が1μm未満でり、顔料含有樹脂微粒子中の樹脂量
    が20wt%以上であることを特徴とする顔料含有樹脂
    微粒子。
  2. 【請求項2】 有機顔料及び油溶性モノマーを、水に対
    する溶解度が0.01g/L以下の化合物及び臨界ミセル濃度
    以上の界面活性剤の存在下、水性媒体中において微分散
    させた後、該モノマーを重合させて得られる平均粒径が
    1μm未満の有機顔料含有樹脂微粒子。
  3. 【請求項3】 水に対する溶解度が0.01g/L以下
    の化合物が染料であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の顔料含有樹脂微粒子。
  4. 【請求項4】 有機顔料及び油溶性モノマーを、水に対
    する溶解度が0.01g/L以下の化合物及び臨界ミセル濃度
    以上の界面活性剤存在下、水性媒体中において微分散さ
    せた後、該モノマーを重合させることを特徴とする顔料
    含有樹脂微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の顔料含有樹脂微
    粒子を水性媒体に分散させた分散体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の分散体からなるイン
    ク。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の分散体からなる塗料。
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