JP2003306407A - 還元性水性組成物、化粧料及びその使用法 - Google Patents

還元性水性組成物、化粧料及びその使用法

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JP2003306407A
JP2003306407A JP2002115590A JP2002115590A JP2003306407A JP 2003306407 A JP2003306407 A JP 2003306407A JP 2002115590 A JP2002115590 A JP 2002115590A JP 2002115590 A JP2002115590 A JP 2002115590A JP 2003306407 A JP2003306407 A JP 2003306407A
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acid
cysteine
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aqueous composition
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Takemoto Kamata
健資 鎌田
Tetsuo Nakahama
哲郎 中濱
Yoshikazu Fujinaga
好和 藤永
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HIROMAITO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体の老化防止に有効な化粧料や加工飲料
に用いられる安全な還元性水性組成物を提供すること。 【解決手段】水溶液にシステインを微量添加すること
で、PHが4以上6.5未満で、酸化還元電位(OR
P)の経時変化の無い、且つORPが0〜200mvの
還元性水性組成物を得ることが出来た。この組成物を化
粧水に用いると肌のシミやくすみ等の老化現象に伴う不
具合が改善された。また、炭酸ガスの血行促進効果と併
用することでさらに優れた改善効果を示した。システイ
ンは水溶液中で沈殿を生じる場合があるので、アスコル
ビン酸やエチドロン酸などの抗酸化剤やキレート剤を併
用することで沈殿を防ぐことが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は人体の老化防止に有
用な還元性水性組成物に関するもので、その用途として
加工飲料や化粧料、特に肌の酸化作用による老化を防ぐ
のに有効な新規な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の化粧水や美容液、パック剤等の化
粧料は水を主成分としてその中に肌の乾燥を防ぐ目的で
各種の保湿剤が含まれている。一部の化粧料では炭酸ガ
スが血行を促進するため炭酸ガスを溶解した化粧水やパ
ック剤が提案されている(特開昭58−16650、特
開昭59−73503、特開平10−248226)。
一方、これらの水性化粧料において原料として用いられ
る水の性質に注目してその酸化還元電位(以後、ORP
と記述する)が低い、即ち還元サイドにある水を使用す
ると老化防止に効果があるとの提案がなされている(特
開2000−119161、特開2001−31487
7)。
【0003】また、ORPの低い電解還元水には活性酸
素を消去する活性水素が含まれるとして化粧水、抗酸化
食品、加工飲料等に使用すると癌や各種の成人病の予防
に有効であるとの提案もなされている(特開平10−1
18653、特開2001−137852)。
【0004】一方、皮膚の老化現象や紫外線に起因する
と思われるシミやクスミを防ぐために、美白剤の1種で
あるシステインを他の特殊な作用を示す成分と併用して
用いることが提案されている。例えば、特開平6−33
6418号公報にはプロアントシアニジンとシステイン
等の併用が、特開2000−143487号公報にはユ
ーカリ油とシステイン等の併用が、また特開2000−
256119号公報にはオクチルトリアジンとシステイ
ン等の併用が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは従来技術
の教示によりORPの低い還元性水性組成物が人体の老
化防止に有効であると考え、特に化粧料として用いた場
合、皮膚の酸化を抑制して肌のくすみやシミ、皮膚のシ
ワやタルミ、潤いの欠如などの老化を防ぐ効果があるの
ではないかと考えた。その場合、水のORPを低下させ
るには2つの手段があり、一つは水を電気分解して陰極
側の水を得ること、他の手段は水に還元性の物質を添加
する方法である。隔膜を用いて水を電気分解すると電気
分解直後では陰極側の水は確かにORPが−数百mvの
値を示す強力な還元水を得ることが出来るが、これを室
温(20℃)で放置すると原因は不明だが大きな経時変
化を示し2日以上経過すると200mv以上になってし
まうことが明らかとなった(参考例1参照)。また、こ
の方法で得られる陰極側の水はアルカリ性であり、皮膚
が弱酸性であることから化粧料としては適切ではない。
このORPの大きな経時変化は隔膜を使用しないで電気
分解を行なった場合も同様であることが解った(参考例
2)。従がって加工飲料や化粧料のように製造後に長期
にわたって使用したり、保管したりする用途には適切で
はない。
【0006】一方、水に還元性物質を添加してORPを
下げる手段は経時変化が少なくて有効な方法であること
が期待された。前記従来技術の特開2000−1191
61号公報においてもこの方法の一部が開示されている
が、経時変化が無くORPを大きく下げる技術や化粧水
として用いられた際の効果は開示されていない。
【0007】さらに、公知の美白効果を謡う化粧料はシ
ステインと特定成分の組み合わせであり、特定成分の多
くは皮膚に大きな負担を与えるものである。本発明は経
時変化が少なく、ORPが低く、老化を防ぐのに効果が
あり、かつ人体に対して安全性が高く、皮膚のPHに近
い弱酸性の還元性水性組成物、特に化粧料を開発するこ
とを課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは水のORP
を大きく低下させ、かつそのORPの経時変化が少な
く、また人体に対して安全性の高い還元性物質を探索し
た結果、アミノ酸の1種であるシステインが適した材料
であることを発見した。システインは水のORPを効果
的に低下させることが出来、そのためにORPの異なる
各種の化粧料を調整することが可能であり、この発見に
基づき化粧料のORPと肌の老化防止の関係を調べるこ
とによって本発明を完成することが出来た。即ち、本発
明は酸化還元電位(ORP)が0〜200mvの範囲で
あり、ORPの経時変化が少なくとも室温(20℃)で
2週間無く、且つその水素イオン濃度(PH)が4以上
6.5未満であることを特徴とする還元性水性組成物で
ある。また、このような還元性水性組成物からなる化粧
料である。さらに還元性化粧料の使用法において、使用
前にORPが200mv以上の化粧料にシステインを添
加・溶解してORPを0〜200mv、PHを4以上
6.5未満の範囲として使用することを特徴とする還元
性水性化粧料の使用方法である。上記解決手段において
水性組成物や化粧料に炭酸ガスを300ppm以上溶解
させることが特に好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水あるいは水性化粧料な
どの水溶液の酸化還元電位(ORP)は電極によって測
定されるものである。一般に水道水は殺菌のために酸化
作用の強い塩素が含まれているためそのORPは高く7
00mv以上の高い値を示す。活性炭等を通して脱塩素
を行いついでイオン交換して最後に精密ろ過を行なった
水(精製水)は塩素が除かれるためORPは若干低下し
て400〜600mvの値となる。また、水に亜硫酸ナ
トリウムやチオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を添加する
とORPは低下する。さらに水溶液のPHが高くなると
ORPは一般に低下する。しかしながら参考例1や2で
示したごとく電解した水のORPが大きな経時変化を示
したり、特定の場所の井戸水が精製水よりも低いORP
を示したりするので、ORPを支配している要因は明確
でない。
【0010】本発明で言う還元性水性組成物はORPが
0〜200mvの範囲にあり、そのORPが電解水のよ
うな経時変化を示さない安定な水性組成物で、そのPH
が4以上6.5未満を示すものである。水性組成物とは
水がその組成物の30wt%、好ましくは50wt%を
しめる組成物である。従って、各種の化粧水、乳液、美
容液、クリーム剤、パック剤、頭髪料などで水が少なく
とも30%以上含まれる化粧料は本発明の水性組成物で
ある。また、水にミネラル成分、イオン成分、各種の栄
養分や糖分を添加した加工飲料水なども本発明の水性組
成物である。ORPの経時変化は長時間にわたってない
のが好ましいが、本発明では電解水との差を明らかにす
るため室温に放置して2週間の経時変化のないことを必
要とした。2週間経時変化が無ければその後はほとんど
変化しないことも確認してある。
【0011】本発明者らは人体に対して安全性が高くか
つ水溶液のORPを大きく低下させる各種還元剤を検討
した。その結果、アミノ酸の一種であるシステインがこ
の要求を満足する特性を有していることを見つけた(参
考例3参照)。システインの添加量が多い程ORPの低
下の度合いは大きいが50ppmから1wt%の添加量
が好ましい。この範囲の添加量でORPは約100〜4
00mvの大きな低下を示した。50ppm以下の添加
では大きな低下は起こらず、また1wt%以上の添加は
臭いが強くなり水溶液を放置しておくと短時間で沈殿が
生成するので好ましくない。システインの添加によるO
RPの低下は微量でも効果があるので、添加前の水溶液
のORPが300前後の低い水や水溶液であれば100
ppm前後の添加量でそのORPを200mv以下に下
げることも可能である。
【0012】化粧料に用いられる原料の水は精製水や蒸
留水である。化粧料とするためには原料の水に、エタノ
ール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、グリ
セリン、ブタンジオール、ポリエチレングリコールなど
の多価アルコール、ヒアルロン酸、コラーゲンなどの水
溶性高分子、グルコースやトレハロースなどの糖類、セ
リンやグルタミン酸などのアミノ酸類、用途によっては
コウジ酸やアスコルビン酸などの美白効果が期待される
成分、さらに各種の植物から抽出した抽出液、香料など
が添加される。パック剤の場合は化粧料の粘度を高くす
る目的で上記成分に加えてメチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、キサンタンガム等のセルロース系高分子やポリア
クリル酸などの水溶性高分子が増粘剤として使用され
る。乳液の場合は高級脂肪酸やこれらのエステル、流動
パラフィン、オリーブ油などの油性成分が使用される。
これら成分を添加することで化粧料のORPは変化する
が、水素イオン濃度(PH)が4から6.5未満の範囲
で200mv以下に低下させるものは見当たらなかっ
た。本発明者らはシステインあるいはその塩酸塩、硫酸
塩、リン酸塩などのシステイン塩を微量添加すること
で、PHが4以上6.5未満の範囲で、これらの化粧料
のORPを200mv以下に低下させることが出来た。
【0013】本発明者らはこの発見に基づいてORPの
異なる各種の化粧水を調整して顔や腕の皮膚にそれを塗
布して皮膚の老化防止効果をしらべたところ化粧水のP
Hが4から6.5未満の範囲でORPが0から200m
vにある場合に優れた老化防止効果を示すことを見つけ
た。PHを6.5以上にすれば化粧水のORPを0mv
以下にすることは可能であるが、皮膚の老化防止効果は
十分でない。これは皮膚のPHが弱酸性であるため皮膚
への負担が大きくなるためと想定される。また、PHを
4未満にするとORPが高くなることと、酸性が強くな
り皮膚への負担が大きくなり好ましくない。ORPは参
考例4.で見るようにPHによって変化するのでPHが
4以上6.5未満の範囲でORPが0から200mvの
範囲に入るように調整する必要がある。
【0014】本発明の水性化粧料に血行促進効果のある
炭酸ガスを溶解させることでさらに優れた老化防止効果
が現れた。この場合、炭酸ガスは化粧料に300ppm
以上好ましくは500ppm以上含ませることが良く、
多い程血行促進にすぐれている。水の1気圧での炭酸ガ
スの溶解度は室温付近で約1500ppmであるが、耐
圧容器に加圧して溶解させれば数千ppmの炭酸ガスを
溶解させることも可能である。この炭酸ガスの効果は明
らかでないが、炭酸ガスが皮膚を通して吸収され皮膚の
血行が促進されるため新陳代謝が活発となりシステイン
が皮膚に浸透しやすくなったためと想定される。
【0015】炭酸ガスの化粧料への溶解は中空糸膜など
の膜を通し原料となる水や添加剤を添加した化粧水に炭
酸ガスを溶解させる方法、スタティックミキサーで上記
液体と炭酸ガスを混合溶解させる方法、炭酸ナトリウム
や重曹などの炭酸塩とクエン酸などの酸を上記液体に添
加して化学反応により炭酸ガスを発生させて溶解させる
方法いずれの方法でも良い。しかしながら化学反応を用
いない方法が反応生成物が化粧料に残らないので人体に
対する刺激の緩和の点から好ましい。また、化粧料にグ
リセリンやブタンジオールなどの多価アルコールを保湿
剤として含むものは多価アルコールへの炭酸ガスの溶解
度が水よりも大きいため好ましい。さらに炭酸ガスの血
行促進効果は溶解している炭酸ガスが遊離のCO2とし
て存在していることが必要であり、そのためには水溶液
のPHが6以下、さらに好ましくは5.5以下にするの
が良い。
【0016】一方、システインは水溶液のORPを大き
く低下させ且つ経時変化を示さないが、水溶液や化粧水
の組成によっては濃度が高くなると時間が経過するにつ
れて水溶液中で沈殿してくる。この濃度は水溶液の他の
添加剤によっても変化するが、炭酸ガスを溶解した炭酸
水あるいは精製水にシステインだけを100ppm以上
溶解した場合、室温(約20℃)で10日程度で沈殿す
ることが判明した。本発明者らはこの沈殿を起こす経時
変化を無くすために有効な添加剤を探索した。その結
果、抗酸化剤やキレート剤がシステインのORP低下効
果を大きく犠牲にすることなく有効であることが解っ
た。探索の結果、好ましい抗酸化剤としてはアスコルビ
ン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、これらの金属塩、
没食子酸プロピル、没食子酸メチル、などが例示される
が、人体に対する安全性の面からアスコルビン酸、クエ
ン酸、酒石酸、リンゴ酸、ならびにこれらのナトリウム
などの金属塩が好ましい。キレート剤としてはシュウ酸
(塩)、マロン酸(塩)、コハク酸(塩)、等のジカル
ボン酸(塩)、エチレンジアミン、イミノ二酢酸
(塩)、ニトリロ三酢酸(塩)、メチオニン、ジメチル
グリオキシム、グリシン、等多くのものが例示される
が、人体に対する 安全性の面からフィチン酸、エチド
ロン酸、アミノトリメチレンホスホン酸などのリン酸系
キレート剤、上記例示のジカルボン酸、エチレンジアミ
ン4酢酸(EDTA)、およびこれらのナトリウムなど
の金属塩、グリシンが好ましい。これらの抗酸化剤やキ
レート剤の添加量はシステインと同量程度が好ましい。
また、抗酸化剤やキレート剤は単独で使用しても、併用
しても良い。抗酸化剤やキレート剤の酸とその金属塩は
化粧料のPHを調整するのに組み合わせて使用すること
が出来る。例えばエチドロン酸はPHを大きく下げるの
で、そのナトリウム塩と適当に混合して使用することで
化粧水のPHを4から6.5未満の範囲に調整すること
が出来る。もちろん炭酸ナトリウムや重曹等のアルカリ
性化合物を用いてPHを調整しても良い。
【0017】抗酸化剤やキレート剤の添加によりシステ
インの大幅なORP低下を犠牲にするのを避けるために
は、化粧料を使用する前にその化粧料にシステインを所
定量添加して溶解させると良い。即ち、ORPが200
mv以上の化粧料にシステインの粉末を溶解させ、PH
が4以上6.5未満の範囲に必要ならば安全性の高いク
エン酸や重曹などの酸やアルカリでPH調整し、ORP
を200mv以下に下げることが出来る。システインは
上述のように10日前後は安定に溶解しているので、そ
の間に化粧料を使用すれば良い。また、システインを添
加する化粧料が上述の抗酸化剤やキレート剤を予め含有
するものであれば、システインの沈殿は長期間にわたっ
て起こらないので好ましい。もちろん、システインの添
加時に同時に抗酸化剤やキレート剤を加えることも可能
である。この、使用前にシステインを添加する方法は特
にシステインの添加量が多くORPを大きく低下させた
い場合に有効である。システインの添加量が多いと前述
のごとく保存中にシステイン臭がきつくなり使用すると
きに不適切な場合があり、それを避ける意味で効果的で
ある。もちろん、臭いの問題は適切な香料を化粧料に添
加することで多くの場合解決可能である。また、上述の
使用方法において、化粧料が300ppm以上の炭酸ガ
スを含有するものが好ましい。以下に参考例、実施例、
比較例を援用して本発明をさらに説明するが、本発明の
技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0018】
【参考例1】電解液のORPの経時変化(1) 電解原液としてクエン酸0.1wt%、塩化ナトリウム
2wt%の水溶液を調整しビーカ内で直流12Vを通電
して150分電解を行った。その時の電極は黒鉛電極を
陰極、陽極に使用し陰極室と陽極室は素焼きの隔壁で隔
離した。電極の有効面積は9.0cm2で電解時の電流
密度は28mA/cm2であった。陰極室の電解液を採
取してそのPHとORPを測定した。さらに同じ液を室
温に放置してPHとORPの経時変化を調べた。ORP
の測定は(株)東興化学研究所製のORPメータTPX
−90i、電極タイプPCM90(白金電極)を使用し
て測定した。結果を表1に示した。この結果より電解液
のORPは2日間で大きな経時変化を示すことが解っ
た。
【表1】
【0019】
【参考例2】電解液のORPの経時変化(2) 電解原液として0.1wt%の塩化ナトリウムの水溶液
を調整して参考例1と同様の電極と直流電圧でビーカ内
で水溶液を電気分解した。但し、この例では陰極と陽極
の間に隔壁を設置せずに分解を行った。電解時の電流密
度は33mA/cm2であり、電解時間が6分の時に最
小のORPを示した。この電解液を採取して参考例1と
同様にORPの経時変化を測定した。結果を表2に示し
たが、この場合もORPは18時間内で大きな経時変化
を示した。
【表2】
【0020】
【参考例3】各種化合物のORP 約0.2wt%の炭酸ガスをスタティックミキサー法で
精製水に溶解した。この炭酸水に各種の化合物を0.1
wt%なるように溶解してその溶液のPH及びORPの
測定を行った。結果を表3に示した。表3において水素
ガスのみは炭酸ガスを含まない精製水に水素ガスを2時
間バブリングした液であり水溶液中の水素濃度は不明で
ある。なお、ORPの経時変化を室温で2週間にわたっ
て測定したがほとんど変化が無かった。
【表3】
【0021】
【参考例4】PHによるORPの変化 精製水にシステイン塩酸塩、アスコルビン酸、グルタチ
オンをそれぞれ0.1wt%溶解した。それぞれの水溶
液に1モルの炭酸ナトリウムを微量添加してPHを変化
させORPを測定した。PHとORPの関係を図1に示
した。ORPはPHによって大きく変化することが解
る。
【参考例5】化粧水A、Bの調整 精製水にグリセリン 4.0wt%、トレハロース
2.0wt%、L−セリン 1.0wt%、ヒアルロン
酸Na 0.01wt%、ヒノキチオール 0.01w
t%を溶解して化粧水を調整した(化粧水Aと記述す
る)。また、精製水に1000ppmの炭酸ガスを中空
糸膜法で溶解した炭酸水に上記と同じ成分を溶解して化
粧水を調整した(化粧水Bと記述する)。
【0022】
【実施例1〜7】
【比較例1〜11】参考例5で調整した化粧水Aと市販
の化粧水3種類を準備した。市販の化粧水をそれぞれ化
粧水C、D、Eと記述する。化粧水Dはクエン酸及びク
エン酸ナトリウム塩を含有しており、化粧水EはEDT
A塩を含有していることがその成分表から解った。これ
らの化粧水に各種還元剤または/及びアスコルビン酸を
それぞれ0.1wt%添加してORPの変化を調べた。
結果を表4と表5に纏めた。また、これらの化粧水を室
温に2週間放置してそのORPの経時変化を測定した。
その結果を表6に示した。表6の備考欄には室温での放
置で化粧水に沈殿物が発生した場合の経過日数を示し
た。記載が無い場合は2週間の放置で沈殿物の発生が無
かったものである。実施例2から7の化粧水はシステイ
ンに追加してアスコルビン酸、クエン酸(塩)、EDT
A塩が添加されているため沈殿が発生しなかったものと
考えられる。
【表4】
【表5】
【表6】
【0023】
【実施例8〜11】
【比較例12】参考例5で調整した化粧水Bに所定量の
システインを添加してORPの異なる化粧水を調整し
た。結果を表7に纏めて示した。またORPと沈殿物発
生の経時変化を室温で1ヶ月調べたところORPの経時
変化は無かったが、沈殿物が途中で発生した。備考欄に
調整後に沈殿物が発生するまでの日数を示した。
【表7】
【0024】
【実施例12〜17】参考例5で調整した化粧水Bに
0.1wt%のシステインを添加しさらに各種の抗酸化
剤またはキレート剤を0.1wt%添加して化粧水を調
整した。これらの化粧水に於いてPHが4以下になる場
合1モルの炭酸ナトリウム水溶液またはそれぞれの化合
物のナトリウム塩水溶液を微量添加することによりPH
を4から5の範囲に入るように調整した。添加した化合
物名及びPHとORPの結果を表8に纏めて示した。ま
たORPと沈殿物発生の経時変化を室温で1ヶ月調べた
ところORPの経時変化も沈殿の発生も見られなかっ
た。
【表8】
【0025】
【実施例18〜20】
【比較例13】メチルセルロースの2wt%水溶液にス
タティックミキサーを用いて炭酸ガスを約1000pp
m溶解させた。この溶液に加水分解シルクを2wt%溶
解してパック剤原液を調整した。この原液の粘度は20
℃で12dPa・s(ポイズ)であった。この、パック
剤にシステイン等の添加剤を各0.1wt%添加して溶
解させてORPとPHを測定した。結果を表9に纏めて
示した。また、ORPと沈殿発生の経時変化を1ヶ月室
温で観察したところORPの変化は無かったが、システ
インのみを添加したパック剤(実施例18)は10日後
に沈殿の発生が認められた。アスコルビン酸、EDTA
・2Naを追加したパック剤は沈殿の発生は無かった。
【表9】
【0026】
【実施例21】化粧水の実用性能はORP以外の化粧水
に含まれる成分によって変化することも考えられるの
で、参考例5で調整した化粧水A、Bを基本に炭酸ガ
ス、ORP、PHの効果を調べるために実用性能を評価
した。PHの効果を調べるために実施例2で調整した化
粧水A(システインとアスコルビン酸を含む)に炭酸ナ
トリウムを微量添加してPHを7.1に調整した(これ
を化粧水Fとする)。この化粧水FのORPは145で
あった。化粧水F及び実施例1,2、10、12、比較
例1,2、で得たORPの異なる化粧水について、女子
被験者20名(年齢:30〜55歳)を対象に化粧水を
毎日朝と夜の2回顔に付与させて1ヶ月の試用テストを
行なった。試用結果を「皮膚の潤いの改善」、「シミ・
くすみの改善」、「シワ・タルミの改善」の効果につい
て評価したところ表10の結果を得た。なお、評価基準
は以下のとおりである。○○:20名の被験者の内、1
5名以上が改善を示した場合○:20名の被験者の内、
10名以上15名未満が改善を示した場合△:20名の
被験者の内、5名以上10名未満が改善を示した場合
×:20名の被験者の内、5名未満が改善を示した場合
この結果よりPHが4以上6.5未満でORPが200
以下の化粧水は皮膚の老化防止効果があり、さらに炭酸
ガスを含む化粧水が優れた効果を示すことが解った。
【表10】
【0027】
【発明の効果】水又は水溶液にシステインを微量溶解さ
せ、PHを調整することでORPが200mv以下で且
つその経時変化の無いPHが4から6.5未満の範囲
の、人体に安全な還元性水性組成物を得ることが出来
た。この組成物を化粧水に用いると皮膚の老化現象であ
るシミやくすみ、シワやタルミの改善効果が見られた。
また、この効果は炭酸ガスの血行促進効果と併用するこ
とでさらに優れることが解った。システイン単独では水
溶液中で沈殿などを発生する不安定性があるのでアスコ
ルビン酸やエチドロン酸のような抗酸化剤やキレート剤
を共存させることで沈殿の防止が可能となった。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は参考例として示す各種水溶液のPHと
酸化還元電位(ORP)の関係である(参考例4)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/48 A61K 7/48 Fターム(参考) 4C083 AB131 AB132 AB272 AC291 AC301 AC302 AC531 AC532 AC581 AC582 AC901 AC902 AD412 AD641 AD642 BB42 BB43 BB45 CC04 CC07 DD27 EE12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化還元電位(ORP)が0〜200m
    vの範囲であり、ORPの経時変化が少なくとも室温
    (20℃)で2週間無く、且つその水素イオン濃度(P
    H)が4以上6.5未満であることを特徴とする還元性
    水性組成物。
  2. 【請求項2】 システイン又は/及びシステイン塩を含
    むことを特徴とする請求項1.の還元性水性組成物。
  3. 【請求項3】 抗酸化剤又は/及びキレート剤を含む請
    求項2.の還元性水性組成物。
  4. 【請求項4】 抗酸化剤がアスコルビン酸、クエン酸、
    これらの金属塩の少なくとも1種類である請求項3.の
    還元性水性組成物。
  5. 【請求項5】 キレート剤がエチレンジアミン四酢酸、
    フィチン酸、エチドロン酸、シュウ酸、マロン酸、コハ
    ク酸、これらの金属塩、グリシンから選ばれた少なくと
    も1種類である請求項3.の還元性水性組成物。
  6. 【請求項6】 炭酸ガスを300ppm以上含むことを
    特徴とする請求項1.から5.の還元性水性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から6の還元性水性組成物から
    なる化粧料。
  8. 【請求項8】 還元性水性化粧料の使用法において、使
    用前にORPが200mv以上の化粧料にシステイン又
    は/及びシステイン塩を添加・溶解してORPを0〜2
    00mv、PHが4以上6.5未満の範囲として使用す
    ることを特徴とする還元性水性化粧料の使用方法。
  9. 【請求項9】 使用前のORPが200mv以上の化粧
    料がアスコルビン酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢
    酸、フィチン酸、エチドロン酸、シュウ酸、マロン酸、
    コハク酸、これらの金属塩、グリシンから選ばれた少な
    くとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求項8.
    の還元性水性化粧料の使用方法。
  10. 【請求項10】 使用前の化粧料が炭酸ガスを300p
    pm以上含むことを特徴とする請求項8.又は9.の還
    元性水性化粧料の使用方法。
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