JP2003305342A - 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置 - Google Patents

窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置

Info

Publication number
JP2003305342A
JP2003305342A JP2002099164A JP2002099164A JP2003305342A JP 2003305342 A JP2003305342 A JP 2003305342A JP 2002099164 A JP2002099164 A JP 2002099164A JP 2002099164 A JP2002099164 A JP 2002099164A JP 2003305342 A JP2003305342 A JP 2003305342A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
catalyst component
exhaust gas
oxides
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002099164A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Nakatsuji
忠夫 仲辻
Yosuke Tanaka
洋祐 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus, Isuzu Motors Ltd filed Critical Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus
Priority to JP2002099164A priority Critical patent/JP2003305342A/ja
Publication of JP2003305342A publication Critical patent/JP2003305342A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】周期的なリッチ/リーン条件の下で燃料の燃焼
によって生成した排ガス中のNOx を接触的に除去する
方法とそのための装置を提供する。 【解決手段】排ガス中のNOxを接触的に除去する方法
において、排ガスを(A)(a)セリア又は(b)酸化
プラセオジム又は(c)セリウム、ジルコニウム、プラ
セオジム、ネオジム、テルビウム、サマリウム、ガドリ
ニウム及びランタンから選ばれる少なくとも2つの元素
の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの元素の複合
酸化物とから選ばれる少なくとも1種からなる第1の触
媒成分と(d)ロジウム、パラジウム及びそれらの酸化
物から選ばれる少なくとも1種からなる第2の触媒成分
とを有する上流触媒に接触させ、次いで、(B)(a)
白金、ロジウム、パラジウム及びそれらの酸化物から選
ばれる少なくとも1種の触媒成分と(b)担体とからな
る下流触媒に接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物(主と
して、NOとNO2 とからなる。以下、NOx とい
う。)の触媒反応による接触的除去、即ち、触媒的分解
及び/又は還元のための方法とそのための装置に関す
る。詳しくは、本発明は、周期的なリッチ/リーン燃料
供給行程(excursion: 行程)にて燃料をディーゼルエ
ンジンやガソリンエンジンの燃焼室に供給して燃焼さ
せ、生成した排ガスを上流触媒と下流触媒に2段階で順
次に接触させることによって、排ガス中のNOx を接触
的に除去する方法とそのための装置に関する。このよう
な方法とそのための装置は、例えば、自動車のエンジン
からの排ガスに含まれる有害な窒素酸化物を低減、除去
して、排ガスを浄化するために適している。
【0002】特に、本発明は、硫黄酸化物(主として、
SO2 とSO3 とからなる。以下、SOx という。)の
存在下に、周期的なリッチ/リーン燃料供給行程にて燃
料を供給して燃焼させ、その燃焼によって生成する排ガ
ス中のNOx を触媒の劣化なしに、接触的に除去するた
めの方法とそのための触媒装置に関する。
【0003】本発明において、上記「行程」(excursio
n) なる用語は、空気/燃料比率が時間軸に沿ってその
平均値から両方に動くこと又はそのような作業を意味す
る。上記「リッチ」なる用語は、問題とする燃料の空気
/燃料比率が化学量論的な空気/燃料比率よりも小さい
ことを意味し、上記「リーン」なる用語は、問題とする
燃料の空気/燃料比率が化学量論的な空気/燃料比率よ
りも大きいことを意味する。通常の自動車ガソリンで
は、化学量論的な空気/燃料比率は約14.5である。
また、本発明において、「触媒」は、燃料のリッチ/リ
ーン燃焼の間、NOx を除去するのために作動する触媒
又はこれを含む構造体を意味する。
【0004】従って、本発明において、「周期的なリッ
チ/リーン燃料供給行程にて燃料を供給する」とは、デ
ィーゼルエンジンやガソリンエンジンの燃焼室に、燃料
の燃焼を主としてリーン条件(燃焼後の排ガス中の酸素
濃度は、通常、5%から10%程度である。)で行い、
上記リッチ条件とリーン条件との間で交互に雰囲気を周
期的に振動させるように、空気/燃料比率を調整しなが
ら、燃料を供給、注入又は噴射することをいう。従っ
て、リッチ/リーン行程は、リッチ/リーン条件と同義
である。
【0005】従来、排ガスに含まれるNOx は、例え
ば、これを酸化した後、アルカリに吸収させる方法や、
還元剤としてアンモニア、水素、一酸化炭素又は炭化水
素を用いて、窒素に還元する等の方法によって除去され
ている。しかし、これらの従来の方法には、それぞれ欠
点がある。
【0006】即ち、前者の方法によれば、環境問題を防
止するために、生成するアルカリ性の廃水を処理する手
段が必要である。後者の方法によれば、例えば、アンモ
ニアを還元剤として用いる場合であれば、アンモニアが
排ガス中のSOx と反応して塩類を形成し、その結果、
低温で触媒活性が低減する。また、とりわけ、自動車の
ような移動発生源からのNOx を処理する場合、その安
全性が問題となる。
【0007】他方、還元剤として、水素、一酸化炭素又
は炭化水素を用いる場合であれば、それら還元剤は、排
ガスがNOx よりも酸素を高濃度で含むので、その酸素
と優先的に反応することとなり、かくして、NOx を実
質的に低減しようとすれば、多量の還元剤を必要とする
こととなり、燃費が大きく低下する。
【0008】そこで、還元剤を用いることなしに、NO
x を接触分解することが提案されている。しかし、NO
x を直接に分解するために、従来知られている触媒は、
その低い分解活性の故に、未だ実用化されていない。他
方、還元剤として、炭化水素や酸素含有有機化合物を用
いるNOx 接触還元触媒として、種々のゼオライトが提
案されている。特に、銅イオン交換ZSM−5やH型
(水素型又は酸型)ゼオライトZSM−5(SiO2
Al2 3 モル比=30〜40)が最適であるとされて
いる。しかし、H型ゼオライトでさえ、十分な還元活性
を有しておらず、特に、排ガス中に水分が含まれると
き、ゼオライト触媒は、ゼオライト構造の脱アルミニウ
ムのために速やかに性能が低下することが知られてい
る。
【0009】このような事情の下、NOx 接触還元のた
めの一層高活性な触媒の開発が求められており、例え
ば、EP−A1−526099やEP−A1−6794
27(JP−A2−5317647に相当する。)に記
載されているように、最近、無機酸化物担体材料に銀又
は銀酸化物を担持させてなる触媒が提案されている。こ
の触媒は、酸化活性は高いものの、NOx に対する選択
還元活性が低いので、NOx の窒素への変換速度が遅い
ことが知られている。しかも、この触媒は、SOx の存
在下に速やかに活性が低下する問題がある。これらの触
媒は、完全なリーン条件下に炭化水素を用いてNOx を
ある程度選択的に還元する触媒作用を有するが、しか
し、三元触媒に比べて、NOx 除去率が低く、作動する
温度ウインドウ(温度域)が狭いために、このようなリ
ーンNOx 触媒の実用化を困難にしている。かくして、
NOx 接触還元のための一層高耐熱性で高活性の触媒が
緊急に求められている。
【0010】上述した問題を克服するために、「自動車
技術者協会」(Society of Automotive Engineers) 誌
(SAE)(1995年8月9日)に記載されているよ
うに、最近、NOx 貯蔵−還元システムが最も有望な方
法として提案されている。この提案(トヨタ自動車
(株))によれば、燃料を周期的に短時間、化学量論量
を上回る量にて燃焼室に供給する。リーン燃焼エンジン
を備えている自動車は、非常に小さい燃料/空気比率で
駆動することができるので、従来のエンジンを備えた自
動車よりも燃料消費率を低くすることができる。このよ
うなリーン燃焼エンジンのNOx 貯蔵−還元システム
は、1〜2分間隔の周期的な2工程によってNOx を低
減する。
【0011】即ち、第1の工程においては、(通常の)
リーン条件下、白金やロジウム触媒上でNOはNO2
酸化され、このNO2 は炭酸カリウムや炭酸バリウムの
ようなアルカリ化合物に吸着される。次いで、第2工程
のためのリッチ条件が形成され、このリッチ条件が数秒
間、持続される。このリッチ条件下、上記吸着(貯蔵)
されたNO2 は、白金やロジウム触媒上で炭化水素、一
酸化炭素又は水素を用いて効率よく窒素に還元される。
このNOx 貯蔵−還元システムは、SOx の不存在下で
あれば、長期間にわたってよく作動する。しかし、SO
x が存在すれば、リーン及びリッチいずれの条件下にお
いても、アルカリ化合物上のNO2 吸着サイトにおい
て、SOx が不可逆的に吸着するので、触媒システムは
急激に劣化する問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸素、硫黄
酸化物又は水の存在下においても、また、広範囲の反応
温度においても、周期的なリッチ/リーン条件の下で燃
料を燃焼させ、この燃焼によって生成した排ガス中のN
Ox を触媒の劣化なしに、接触的に除去する方法とその
ための装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、周期的
なリッチ/リーン条件下に燃料を供給して燃焼させ、生
成する排ガスを触媒に接触させて、その排ガス中の窒素
酸化物を接触的に除去する方法において、上記排ガスを
(A)(a)セリア又は(b)酸化プラセオジム又は
(c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
ム、テルビウム、サマリウム、ガドリニウム及びランタ
ンから選ばれる少なくとも2つの元素の酸化物の混合物
と少なくともそれら2つの元素の複合酸化物とから選ば
れる少なくとも1種からなる第1の触媒成分と(d)ロ
ジウム、パラジウム及びそれらの酸化物から選ばれる少
なくとも1種からなる第2の触媒成分とを触媒成分とし
て有する上流触媒に接触させ、次いで、(B)(a)白
金、ロジウム、パラジウム及びそれらの酸化物から選ば
れる少なくとも1種の触媒成分と(b)担体とを触媒成
分として有する下流触媒に接触させることを特徴とする
排ガス中の窒素酸化物を接触的に除去する方法が提供さ
れる。
【0014】更に、本発明によれば、周期的なリッチ/
リーン条件下に燃料を供給して燃焼させ、生成する排ガ
スを触媒に接触させて、その排ガス中の窒素酸化物を接
触的に除去する装置において、(A)(a)セリア又は
(b)酸化プラセオジム又は(c)セリウム、ジルコニ
ウム、プラセオジム、ネオジム、テルビウム、サマリウ
ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
る第1の触媒成分と(d)ロジウム、パラジウム及びそ
れらの酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
の触媒成分とを触媒成分として有する上流触媒装置と
(B)(a)白金、ロジウム、パラジウム及びそれらの
酸化物から選ばれる少なくとも1種の触媒成分と(b)
担体とを触媒成分として有する下流触媒装置とからなる
ことを特徴とする排ガス中の窒素酸化物を接触的に除去
する触媒装置が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の方法によれば、周期的な
リッチ/リーン条件下に燃料を供給して燃焼させ、生成
する排ガスを触媒に接触させて、その排ガス中の窒素酸
化物を接触的に除去する方法において、上記排ガスを先
ず、エンジンの燃焼室からの排ガスの流れからみて、上
流側の触媒、即ち、上流触媒に接触させ、次いで、エン
ジンの燃焼室からの排ガスの流れからみて、下流側の触
媒、即ち、下流触媒に接触させる。即ち、本発明の方法
によれば、排ガスを上流触媒と下流触媒とに2段階にわ
たって順次に接触させる。
【0016】より詳細には、図1に示すように、本発明
によれば、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンの燃
焼室1に周期的なリッチ/リーン燃料供給行程にて燃料
を供給して燃焼させ、その結果、生成した排ガスを排気
管2に導き、この排気管の拡管部3内に設けた上流触媒
装置4内の上流触媒に接触させた後、下流触媒装置5内
の下流触媒に接触させ、かくして、排ガス中のNOx を
接触的に分解及び/又は還元して、排ガスを浄化し、排
出する。上流及び下流の各触媒装置において、各触媒
は、例えば、耐熱性のパッキング6及び7によって上記
拡管部に固定されている。
【0017】後述するように、本発明の好ましい態様に
よれば、上記上流触媒成分と下流触媒成分はそれぞれ、
これを不活性なハニカム基材に担持させて、ハニカム触
媒構造体とし、これを触媒装置内に充填して、この触媒
装置に導かれる排ガスと接触せしめられる。即ち、本発
明の好ましい態様によれば、触媒成分は、ハニカム触媒
構造体において、ハニカム基材の貫通孔の壁面の少なく
とも表面に層状に担持されており、燃焼室からの排ガス
は、このようなハニカム触媒構造体を充填した触媒装置
に導かれて、ここで、このハニカム触媒構造体の貫通孔
を通過する間にその壁面の触媒層と接触せしめられて、
排ガス中のNOx が接触的に分解及び/又は還元され
る。
【0018】本発明において、窒素酸化物の接触的除去
とは、NOx の大部分が触媒反応によって窒素と酸素に
直接分解されるのみならず、NOx の一部が還元剤との
反応によって、窒素と水、一酸化炭素、二酸化炭素等に
変換されることをいう。
【0019】本発明によれば、上記上流触媒は、(A)
(a)セリア又は(b)酸化プラセオジム又は(c)セ
リウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジム、テル
ビウム、サマリウム、ガドリニウム及びランタンから選
ばれる少なくとも2つの元素の酸化物の混合物と少なく
ともそれら2つの元素の複合酸化物とから選ばれる少な
くとも1種からなる第1の触媒成分と(d)ロジウム、
パラジウム及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも
1種からなる第2の触媒成分とを上流触媒成分として有
し、上記下流触媒は、(B)(a)白金、ロジウム、パ
ラジウム及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも1
種の触媒成分と(b)担体とを下流触媒成分として有す
る。
【0020】本発明によれば、排ガスは上流触媒と下流
触媒に順次に接触せしめられる。ここに、上流触媒は、
上記第1の触媒成分と第2の触媒成分(貴金属触媒成
分)を触媒成分として有する。このような上流触媒は、
リッチ条件下において、その第1の触媒成分、即ち、酸
化物(例えば、セリア)は、その酸素の一部を失う(即
ち、還元される)一方、リーン条件下において、第1の
触媒成分(例えば、セリウム)は、気相中の酸素を貯蔵
する(即ち、酸化される)。即ち、上流触媒中の第1の
触媒成分は、酸素貯蔵能を有する物質(以下、OSC機
能物質という。)として機能する。
【0021】他方、下流触媒の触媒成分は、担体に担持
させた貴金属触媒成分のみであるので、触媒反応の雰囲
気がリーン条件からリッチ条件に変化したとき、触媒反
応の雰囲気の変化に応答して、貴金属触媒成分は速やか
に還元される。即ち、触媒反応の雰囲気がリーン条件か
らリッチ条件に変化したときの触媒成分の還元されやす
さ又は還元される速さとして定義される「リッチ応答
性」において、下流触媒はすぐれている。特に、下流触
媒に触媒成分として白金を有せしめることによって、下
流触媒のリッチ応答性は一層高まる。
【0022】これに対して、上流触媒は、第2の触媒成
分(貴金属触媒成分)と共に、酸素貯蔵能の高いOSC
機能物質を第1の触媒成分として有しているので、触媒
反応の雰囲気がリーン条件からリッチ条件に変化したと
き、貴金属触媒成分が還元されると共に、この貴金属触
媒成分の高い還元力によって、第1の触媒成分も還元さ
れるものの、上流触媒単独では、その触媒成分は、上記
触媒反応の雰囲気の変化に対して速やかに還元され難
い。即ち、上流触媒はリッチ応答性に劣っている。
【0023】しかしながら、本発明によれば、上述した
ように、このような上流触媒をリッチ応答性にすぐれる
下流触媒と組み合わせることによって、リッチ条件下に
おいて、上流触媒中の第1の触媒成分は、上流触媒中の
第2の触媒成分(貴金属触媒成分)によって還元される
のみならず、下流触媒の助けをも受けて、速やかに還元
されるので、かくして、上流触媒のリッチ応答性に劣る
問題を解決して、そのリッチ応答性を高めることができ
る。
【0024】このように、本発明によれば、上流触媒が
リッチ応答性が改善される理由は、必ずしも明確ではな
く、また、本発明は、その理由によって何ら制約を受け
るものではないが、リッチ条件下において、上流触媒と
下流触媒との間に排ガスの流れに乱れが生じて、下流触
媒から上流触媒に排ガスが拡散したり、また リッチ条
件下において、下流触媒上で酸素濃度が急激に低下し
て、上流触媒の反応雰囲気の還元性を急速に高めること
によるものと推察される。
【0025】リーン条件下においては、上流触媒中の第
1の触媒成分、即ち、OSC機能物質は、上流触媒中の
第2の触媒成分である貴金属触媒成分の酸化を抑制し
て、その貴金属触媒成分上でNOx の接触的除去反応が
高効率で進行することを可能とする。また、上流触媒中
の第1の触媒成分は、第2の触媒成分の分散性を高める
役割を担っており、その結果、リーン条件下において、
貴金属触媒成分の酸化を抑制して、貴金属触媒成分上で
NOx の接触的除去が一定時間行われることを可能とす
る。
【0026】従って、本発明によれば、上流触媒は上流
触媒成分を少なくとも50重量%、特に好ましくは、少
なくとも80重量%を含む。上流触媒において、触媒成
分の割合が50重量%を下回るときは、得られる上流触
媒、特に、第1の触媒成分の酸素貯蔵能が、通常のリー
ン時間(1分から2分)の間、上流触媒の還元雰囲気を
保持するのに不十分となり、その結果、リーン時、上記
第2の触媒成分上でのNOx の接触的除去能が低下し、
更に、SOx 耐久性も低下することになる。
【0027】本発明によれば、上流触媒における第1の
触媒成分は、1つの態様として、上記(c)として記載
されているように、少なくとも2つの元素の酸化物の混
合物と少なくともそれら2つの元素の複合酸化物とから
選ばれる少なくとも1種であるが、ここに、その混合物
は、均一な混合物であることが好ましい。しかし、本発
明によれば、上記少なくとも2つの元素の酸化物の混合
物よりは、上記少なくとも2つの元素の複合酸化物が好
ましく用いられ、特に、二元系又は三元系の複合酸化物
が好ましく用いられる。
【0028】例えば、二元系複合酸化物の場合、固溶体
における各元素の酸化物基準重量比は、セリア/酸化プ
ラセオジム複合酸化物、セリア/ジルコニア複合酸化
物、セリア/酸化テルビウム複合酸化物、セリア/酸化
サマリウム複合酸化物等であれば、好ましくは、80/
20から60/40の範囲である。また、三元系複合酸
化物の場合、固溶体における酸化物基準重量比は、セリ
ア/酸化ガドリニウム/ジルコニア複合酸化物、セリア
/酸化ネオジム/ジルコニア複合酸化物、セリア/ジル
コニア/酸化プラセオジム複合酸化物、セリア/ジルコ
ニア/酸化ランタン複合酸化物、セリア/ジルコニア/
酸化サマリウム複合酸化物、セリア/ジルコニア/酸化
テルビウム複合酸化物等であれば、好ましくは、45/
30/30から75/20/5の範囲である。但し、本
発明において、これらの複合酸化物中のそれぞれ元素の
酸化物基準重量比は、セリア、ジルコニア、酸化テルビ
ウム、酸化プラセオジム、酸化ガドリニウム、酸化ネオ
ジム、酸化サマリウム及び酸化ランタンをそれぞれCe
2、ZrO2、TbO2、Pr611、Ga23、Nd 2
3、Sm23、及びLa23として計算するものとす
る。
【0029】本発明によれば、上流触媒において、第2
の触媒成分は、上記第1の触媒成分上に担持されつつ、
上流触媒成分中に金属換算にて0.05〜3重量%の範
囲で含まれる。このような第2の触媒成分は、リッチ時
に上流触媒中の第1の触媒成分(OSC機能物質)を速
やかに還元すると共に、それ自身が還元されて、リーン
時にNOx 分解反応の活性種として機能し、速やかにN
Ox を接触的に除去する役割を担っている。
【0030】上記上流触媒成分中の第2の触媒成分(貴
金属触媒成分)の割合が金属換算にて0.05重量%よ
りも少ないときは、リッチ時に第1の触媒成分(OSC
機能物質)を十分に還元することができず、その結果、
リーン時に第2の触媒成分(貴金属触媒成分)の酸化を
抑制する緩衝効果に乏しくなり、NOx 浄化性能が低下
する。他方、上流触媒成分中の第2の触媒成分(貴金属
触媒成分)の割合が金属換算にて3重量%よりも多いと
きは、リッチ時に第1の触媒成分をよく還元することが
できるものの、リーン時に第2の触媒成分(貴金属触媒
成分)の酸化が急激に進行するので、同様に、NOx 浄
化性能が低下する。
【0031】上述したような上流触媒の触媒成分は、例
えば、次のような方法によって得ることができる。即
ち、先ず、セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネ
オジム、テルビウム、サマリウム、ガドリニウム及びラ
ンタン等の触媒成分を構成する元素の水溶性塩、例え
ば、硝酸塩の水溶液を中和し、又は加熱加水分解して、
水酸化物を形成させた後、得られた生成物を酸化性又は
還元性雰囲気中、300〜900℃の温度で焼成するこ
とによって、上流触媒成分中の第1の触媒成分を得るこ
とができる。しかし、市販されているセリウム、ジルコ
ニウム、プラセオジム、ネオジム、テルビウム、サマリ
ウム、ガドリニウム、ランタン等の水酸化物や酸化物を
上述したように焼成することによっても、上流触媒成分
中の第1の触媒成分を得ることができる。次いで、この
第1の触媒成分上に、従来より知られている含浸法やイ
オン交換法等の適宜の手段によって、第2の触媒成分を
構成する元素の水溶性塩、例えば、硝酸塩の水溶液を担
持させた後、酸化性又は還元性雰囲気中、500〜90
0℃の温度で焼成すれば、第1と第2の触媒成分からな
る上流触媒成分を粉体として得ることができる。
【0032】本発明によれば、下流触媒は、触媒成分を
少なくとも50重量%、特に好ましくは、少なくとも8
0重量%を含む。下流触媒における触媒成分の割合が5
0重量%を下回るときは、リッチ時の下流触媒のNOx
の接触的除去能が低下する。
【0033】下流触媒は、白金、ロジウム、パラジウム
及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種の貴金
属触媒成分と担体とからなる触媒成分を有し、上記貴金
属触媒成分は、下流触媒成分中、金属換算にて、好まし
くは、0.05〜5重量%の範囲で含まれている。上記
貴金属触媒成分の下流触媒成分中の割合が金属換算にて
5重量%を越えるときは、リッチ時のNOx と還元剤と
の反応の選択性が低下し、他方、上記貴金属触媒成分の
下流触媒成分中の割合が金属換算にて0.05重量%よ
りも少ないときは、リッチ応答性に劣ることとなって、
その結果、本発明の方法によるNOx の接触的除去能が
低下する。
【0034】本発明によれば、下流触媒中の上記貴金属
触媒成分は、担体に担持されている。この担体として
は、従来より知られているいずれの担体でも用いられる
が、好ましくは、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ・
アルミナ、ゼオライト、チタニア等が用いられる。
【0035】下流触媒成分は、1つの方法として、例え
ば、アルミナ等の担体を触媒成分である白金等の水溶性
塩の水溶液に加えてスラリーとし、混合、攪拌した後、
乾燥させ、酸化性又は還元性雰囲気中、500〜900
℃の温度で焼成すれば、担体上に貴金属触媒成分を担持
させてなる粉体として得ることができる。
【0036】特に、好ましい方法として、触媒成分であ
る白金等のイオン交換可能な水溶液塩の水溶液(例え
ば、テトラアンミン白金(II)硝酸塩(Pt(NH3)4
(NO3)2 )やジニトロジアンミン白金(II)(Pt(N
2)2(NH3)2 等)を用いて、イオン交換法にてアル
ミナ等の担体に触媒成分を担持させた後、乾燥させ、酸
化性又は還元性雰囲気中、500〜900℃の温度で焼
成すれば、担体上に貴金属触媒成分を担持させてなる粉
体として得ることができる。
【0037】本発明の方法によれば、リッチ行程、即
ち、還元条件下において、次のようにして、窒素酸化物
の接触的除去が行われる。リーン行程において酸化され
た上流触媒の第2の触媒成分(貴金属触媒成分)が還元
され、この貴金属触媒成分上でNOx が還元分解される
と共に、リーン行程において酸化された下流触媒の触媒
成分(貴金属触媒成分)も還元され、これらの貴金属触
媒成分上でもNOx が接触的に除去される。更に、この
リッチ行程においては、上流触媒中の第1の触媒成分
(酸化物)は、前述したように、上流触媒成分中の第2
の触媒成分(貴金属触媒成分)のみならず、リッチ応答
性にすぐれた下流触媒中の触媒成分(貴金属触媒成分)
の助けをも受けて速やかに還元され、かくして、次のリ
ーン行程に備えて再生される。
【0038】次いで、このようなリッチ行程に続くリー
ン行程、即ち、酸化条件下において、次のようにして、
窒素酸化物の接触的除去が行われる。即ち、リーン行程
において、上流触媒中に拡散してきた酸素は、上流触媒
の第1の触媒成分(OSC機能物質)によって吸蔵さ
れ、上流触媒の反応雰囲気がリッチ乃至ストイキ条件に
保持されると共に、上流触媒中の第2の触媒成分は、リ
ーン条件下で気相酸素による酸化速度が遅いので、リー
ン条件下においては、排ガス中の大部分のNOxは、上
流触媒の第2の触媒成分上で還元分解される。即ち、リ
ーン条件下において、通常、約10秒から1分程度、N
Ox の還元分解が持続される。
【0039】上流触媒中の第1の触媒成分の酸素貯蔵能
が損なわれると共に、第1の触媒成分上に高分散担持さ
れた第2の触媒成分(貴金属触媒成分)の酸化が進行す
るリーン行程の後半においては、この貴金属触媒成分
は、生成する酸素と排ガスに含まれる酸素によって徐々
に酸化されるので、NOx の接触的除去率は低下する
が、本発明によれば、リッチ/リーン幅を最適に設定す
ることによって、排ガス中のNOx 除去を高い効率で続
けることができる。
【0040】また、リーン行程の最終段階においては、
排ガス中のNOx は、その一部が上流触媒成分に吸着さ
れ、このNOx は、触媒反応の雰囲気がリーン条件から
リッチ条件に変化したときに上流触媒成分から脱離す
る。しかし、本発明によれば、上流触媒に下流触媒を組
み合わせることによって、このNOx が残留する還元剤
によって下流触媒上にて接触的に還元されて、NOx が
除去され、かくして、排ガスの除去率を高く維持するこ
とができる。即ち、本発明によれば、ここにも、上流触
媒に下流触媒を組み合わせることによる利点がある。
【0041】更に、本発明によれば、酸素、硫黄酸化物
又は水の存在下においても、とりわけ、NOx 吸蔵触媒
の深刻な問題点であった硫黄酸化物の共存下での劣化が
なく、広い温度域において、周期的なリッチ/リーン燃
焼のリーン行程において、触媒の劣化なく、耐久性よ
く、NOx が接触的に除去される。即ち、本発明によれ
ば、上流触媒において、SOx のSO3 への酸化が起こ
らず、従って、第1の触媒成分が不可逆的に硫酸塩を生
成しないので、硫黄酸化物の共存下において、触媒の劣
化が起こらないのである。
【0042】本発明によれば、上流触媒と下流触媒のた
めのそれぞれの触媒成分は、前述したように、粉末や粒
状物のような種々の形態にて得ることができる。従っ
て、従来からよく知られている任意の方法によって、こ
のような触媒成分を用いて、上流触媒や下流触媒を、例
えば、ハニカム、環状物、球状物等のような種々の形状
の触媒構造体に成形することができる。このような触媒
構造体の調製に際して、必要に応じて、適当な添加物、
例えば、成形助剤、補強材、無機繊維、有機バインダー
等を用いることができる。
【0043】特に、本発明による触媒は、任意の形状の
支持用の不活性な基材の表面に、例えば、ウォッシュ・
コート法によって、(例えば、塗布して、)その表面に
上流触媒成分や下流触媒成分を層状に有せしめて、触媒
構造体とするのが有利である。上記不活性な基材は、例
えば、コージーライトのような粘土鉱物や、また、ステ
ンレス鋼のような金属、好ましくは、Fe−Cr−Al
のような耐熱性の金属からなるものであってよく、ま
た、その形状は、ハニカム、環状、球状構造等であって
よい。
【0044】このような本発明による触媒はいずれも、
熱に対する抵抗にすぐれるのみならず、硫黄酸化物に対
する抵抗性にもすぐれており、ディーゼルエンジンやリ
ーンガソリンエンジン自動車排ガス中のNOx の還元、
即ち、脱硝するための触媒として用いるのに好適であ
る。
【0045】本発明によれば、排ガス中のNOx は、燃
料の燃焼雰囲気が前述したようなリッチ条件とリーン条
件の間で振動する条件下での触媒反応によって還元分解
される。ここに、触媒反応の周期(即ち、リッチ雰囲気
(又はリーン雰囲気)から次のリッチ雰囲気(又はリー
ン雰囲気)までの時間)は、好ましくは、5〜150
秒、特に好ましくは、30〜90秒である。また、リッ
チ/リーン幅、即ち、リッチ時間(秒)/リーン時間
(秒)は、通常、0.5/5〜10/150の範囲であ
り、好ましくは、2/30〜5/90の範囲である。
【0046】リッチ条件は、燃料としてガソリンを用い
る場合には、通常、エンジンの燃焼室に重量比で10〜
14の空気/燃料比率で燃料を周期的に噴射することに
よって形成される。リッチ条件下の典型的な排ガスは、
数百容量ppmのNOx 、5〜6容量%の水、2〜3容
量%のCO、2〜3容量%の水素、数千容量ppmの炭
化水素及び0〜0.5容量%の酸素を含む。一方、リー
ン条件は、燃料としてガソリンを用いる場合には、通
常、エンジンの燃焼室に重量比で20〜40の空気/燃
料比率で燃料を周期的に噴射することによって形成され
る。リーン条件下の典型的な排ガスは、数百容量ppm
のNOx 、5〜6容量%の水、数千容量ppmのCO、
数千容量ppmの水素、数千容量ppmの炭化水素及び
5〜10容量%の酸素を含む。
【0047】本発明によれば、NOx 接触還元のために
好適な温度は、個々のガス組成にもよるが、リッチ行程
において、触媒が長期間にわたってNOx に対して有効
な触媒反応活性を有するように、通常、150〜550
℃の範囲であり、好ましくは、200〜500℃の範囲
である。
【0048】上記反応温度域においては、排ガスは、好
ましくは、上流触媒と下流触媒を含む総括空間速度が1
0000〜100000hr-1の範囲で処理され、上流
触媒における空間速度/下流触媒における空間速度比の
空間速度比は、好ましくは、1/10から1/1の範囲
とされる。上記空間速度比が1/10よりも小さいとき
は、下流触媒が有効に機能しないので、リーン時の応答
性に劣るという上流触媒の欠点が改善されず、かくし
て、上流触媒のOSC機能が低下し、リーン時の排ガス
浄化能が低下し、その結果、周期的なリッチ/リーン条
件下におけるNOx 浄化能が低下する。一方、上記空間
速度比を1/1よりも大きくしても、リッチ時の応答性
が更に改善されることはなく、むしろ総括空間速度を一
定としたとき、上流触媒における排ガスの空間速度が高
くなりすぎるので、周期的なリッチ/リーン条件下にお
けるNOx 浄化能が低下する。
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によれば、上述したよう
に、NOx を含む排ガスを周期的なリッチ/リーン条件
下において、上述したように、上流触媒と下流触媒とに
順次に接触させることによって、酸素、硫黄酸化物又は
水分の存在下においても、用いる触媒の劣化なしに、排
ガス中のNOx を耐久性よく、効率よく接触還元するこ
とができる。
【0050】
【実施例】以下に上流触媒成分と下流触媒成分である粉
体触媒とこれらを用いる用いる上流触媒構造体と下流触
媒構造体の製造例と共に、これらの上流触媒構造体と下
流触媒構造体を用いる本発明による窒素酸化物の還元分
解を実施例として挙げて本発明を詳細に説明する。ま
た、比較的による触媒構造体を用いる窒素酸化物の還元
分解を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例により何
ら限定されるものではない。以下において、すべての
「部」及び「%」は、特に明示しない限り、重量基準で
ある。
【0051】(1)下流触媒成分の調製 製造例1 イオン交換水100mLにPt(NH3)4 (NO3)2
溶液(白金として9.0%)8.40gを加えて、水溶
液とし、これにγ−アルミナ(住友化学工業(株)製K
C−501)60gを投入し、攪拌しながら、100℃
で乾燥させた後、空気中、500℃にて3時間焼成し
て、γ−アルミナ上に白金1%を担持させてなる触媒粉
体を得た。
【0052】製造例2 イオン交換水100mLにPt(NH3)4 (NO3)2
溶液(白金として9.0%)8.40gと硝酸ロジウム
水溶液(ロジウムとして9.0%)4.20gとを加え
て、水溶液とし、これにγ−アルミナ(住友化学工業
(株)製KC−501)60gを投入し、攪拌しなが
ら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3
時間焼成して、γ−アルミナ上に白金1%とロジウム
0.5%とを担持させてなる触媒粉体を得た。
【0053】製造例3 イオン交換水100mLにPt(NH3)4 (NO3)2
溶液(白金として9.0%)8.40gを加えて、水溶
液とし、これにチタニア60gを投入し、攪拌しなが
ら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3
時間焼成して、チタニア上に白金1%を担持させてなる
触媒粉体を得た。
【0054】製造例4 イオン交換水100mLに硝酸パラジウム水溶液(パラ
ジウムとして9.0%)4.20gとPt(NH3)
4 (NO3)2 水溶液(白金として9.0%)8.40g
を加えて、水溶液とし、これにγ−アルミナ(住友化学
工業(株)製KC−501)60gを投入し、攪拌しな
がら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて
3時間焼成して、γ−アルミナ上に白金1%とパラジウ
ム0.5%とを担持させてなる触媒粉体を得た。
【0055】(2)上流触媒成分の調製 製造例5 イオン交換水100mLに硝酸セリウム(Ce(NO3)
3・6H2O)151.37gを加えて、水溶液とし、こ
れに0.1規定のアンモニア水を加えて、セリウムイオ
ンを中和加水分解し、1時間熟成した。得られたスラリ
ーを濾過し、120℃で24時間乾燥した後、空気中、
500℃で3時間焼成して、セリア粉体(比表面積13
8m2/g)を得た。
【0056】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)4.20gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア粉体30gを投入し、攪
拌しながら、100℃で乾燥させた後、空気中、500
℃にて3時間焼成して、セリア粉体上にロジウム1%を
担持させてなる触媒粉体を得た。
【0057】製造例6 イオン交換水100mLに硝酸セリウム(Ce(NO3)
3・6H2O)103.77gと硝酸プラセオジム(Pr
(NO3)3・6H2O)35.77gとを溶解させて、水
溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアンモニア
水を加え、上記セリウム塩とプラセオジム塩を中和加水
分解した後、1時間熟成した。得られたスラリーから生
成物を濾過にて分離し、これを120℃で24時間乾燥
した後、空気中、500℃で3時間焼成して、セリア/
酸化プラセオジム複合酸化物粉体(酸化物基準重量比6
0/40、比表面積112m2/g)を得た。
【0058】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)0.84gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/酸化プラセオジム複合
酸化物粉体30gを投入し、攪拌しながら、100℃で
乾燥させた後、空気中、500℃にて3時間焼成して、
セリア/酸化プラセオジム複合酸化物上にロジウム0.
2%を担持させてなる触媒粉体を得た。
【0059】製造例7 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)103.77gとオキシ硝酸ジルコニウ
ム(ZrO(NO3)2)84.45gと硝酸ランタン
(La(NO3)3・6H2O)7.97gとを溶解させ
て、水溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアン
モニア水を加え、上記セリウム塩とオキシジルコニウム
塩とランタン塩を中和加水分解した後、1時間熟成し
た。得られたスラリーから生成物を濾過にて分離し、こ
れを120℃で24時間乾燥した後、空気中、500℃
で3時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化ランタン
複合酸化物粉体(酸化物基準重量比22/73/5、比
表面積80m2/g)を得た。
【0060】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)2.10gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化ラン
タン複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しながら、1
00℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3時間焼
成して、セリア/ジルコニア/酸化ランタン複合酸化物
上にロジウム0.5%を担持させてなる触媒粉体を得
た。
【0061】製造例8 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)121.06gとオキシ硝酸ジルコニウ
ム(ZrO(NO3)2)28.12gと硝酸ガドリニウ
ム(Gd(NO3)3・6H2O)7.48gとを溶解させ
て、水溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアン
モニア水を加え、上記セリウム塩とオキシジルコウム塩
とガドリニウム塩を中和加水分解した後、1時間熟成し
た。得られたスラリーから生成物を濾過にて分離し、こ
れを120℃で24時間乾燥した後、空気中、500℃
で3時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化ガドリニ
ウム複合酸化物粉体(酸化物基準重量比72/24/
4、比表面積198m2/g)を得た。
【0062】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)2.10gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化ガド
リニウム複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しなが
ら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3
時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化ガドリニウム
複合酸化物上にロジウム0.5%を担持させてなる触媒
粉体を得た。
【0063】製造例9 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)77.83gとオキシ硝酸ジルコニウム
(ZrO(NO3)2)36.03gと硝酸プラセオジム
(Pr(NO3)3・6H2O)35.26gとを溶解させ
て、水溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアン
モニア水を加え、上記セリウム塩とオキシジルコウム塩
とプラセオジム塩とを中和加水分解した後、1時間熟成
した。得られたスラリーから生成物を濾過にて分離し、
これを120℃で24時間乾燥した後、空気中、500
℃で3時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化プラセ
オジム複合酸化物粉体(酸化物基準重量比47/33/
22、比表面積205m2/g)を得た。
【0064】イオン交換水100mLに硝酸パラジウム
水溶液(パラジウムとして9.0%)4.20gを加え
て、水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化
プラセオジム複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しな
がら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて
3時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化プラセオジ
ム複合酸化物上にパラジウム1%を担持させてなる触媒
粉体を得た。
【0065】製造例10 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)109.43gとオキシ硝酸ジルコニウ
ム(ZrO(NO3)2)31.27gと硝酸ネオジム
(Nd(NO3)3・6H2O)15.63gとを溶解させ
て、水溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアン
モニア水を加え、上記セリウム塩とオキシジルコニウム
塩とネオジム塩を中和加水分解した後、1時間熟成し
た。得られたスラリーから生成物を濾過にて分離し、こ
れを120℃で24時間乾燥した後、空気中、500℃
で3時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化ネオジム
複合酸化物粉体(酸化物基準重量比70/20/10、
比表面積171m2/g)を得た。
【0066】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)2.10gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化ネオ
ジム複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しながら、1
00℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3時間焼
成して、セリア/ジルコニア/酸化ネオジム複合酸化物
上にロジウム0.5%を担持させてなる触媒粉体を得
た。
【0067】製造例11 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)121.06gとオキシ硝酸ジルコニウ
ム(ZrO(NO3)2)28.12gと硝酸サマリウム
(Sm(NO3)3・6H2O)3.40gとを溶解させ
て、水溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアン
モニア水を加え、上記セリウム塩とオキシジルコニウム
塩とサマリウム塩を中和加水分解した後、1時間熟成し
た。得られたスラリーから生成物を濾過にて分離し、こ
れを120℃で24時間乾燥した後、空気中、500℃
で3時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化サマリウ
ム複合酸化物粉体(酸化物基準重量比72/24/4、
比表面積187m2/g)を得た。
【0068】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)2.10gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化サマ
リウム複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しながら、
100℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3時間
焼成して、セリア/ジルコニア/酸化サマリウム複合酸
化物上にロジウム0.5%を担持させてなる触媒粉体を
得た。
【0069】製造例12 イオン交換水100mLに硝酸セリウム(Ce(NO3)
3・6H2O)103.77gと硝酸テルビウム(Tb
(NO3)3・6H2O)40.96gとを溶解させて、水
溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアンモニア
水を加え、上記セリウム塩とテルビウム塩とを中和加水
分解した後、1時間熟成した。得られたスラリーから生
成物を濾過にて分離し、これを120℃で24時間乾燥
した後、空気中、500℃で3時間焼成して、セリア/
酸化テルビウム複合酸化物粉体(酸化物基準重量比70
/30、比表面積139m2/g)を得た。
【0070】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)2.10gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/酸化テルビウム複合酸
化物粉体30gを投入し、攪拌しながら、100℃で乾
燥させた後、空気中、500℃にて3時間焼成して、セ
リア/酸化テルビウム複合酸化物上にロジウム0.5%
を担持させてなる触媒粉体を得た。
【0071】(3)ハニカム触媒構造体の製造 実施例1 製造例1で得たγ−アルミナ上に白金1%を担持させて
なる粉体触媒30gにシリカゾル(日産化学工業(株)
製スノーテックスN、シリカとして20%)3gと適量
の水とを混合した。ジルコニアボール50gを粉砕媒体
として用い、この混合物を遊星ミルで5分間粉砕して、
ウォッシュコート用スラリーを得た。1平方インチ当り
のセル数400のコージーライト製ハニカム基体上に上
記ウォッシュコート用スラリーを塗布して、上記触媒か
らなる触媒層(コーティング量50g/L)を有するハ
ニカム触媒構造体を下流触媒として得た。
【0072】次に、製造例5で得たセリア上にロジウム
1%を担持させてなる粉体30gにシリカゾル(日産化
学工業(株)製スノーテックスN、シリカとして20
%)3gと適量の水とを混合し、上記と同様にして、ス
ラリーを調製した。このスラリーを上記と同じコージー
ライト製ハニカム基体上にコーティングして、セリア上
にロジウム1%を担持させた触媒からなる触媒層(コー
ティング量100g/L)を有するハニカム触媒構造体
を上流触媒として得た。
【0073】実施例2 実施例1と同様にして、製造例1で得たγ−アルミナ上
に白金1%を担持させた触媒からなる触媒層(コーティ
ング量30g/L)を実施例1と同じコージーライト製
ハニカム基体上に有する触媒構造体を下流触媒として得
た。更に、実施例1と同様にして、製造例6で得たセリ
ア/酸化プラセオジム複合酸化物(酸化物基準重量比6
0/40)上にロジウム0.2%を担持させてなる触媒
からなる触媒層(コーティング量100g/L)を実施
例1と同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触
媒構造体を上流触媒として得た。
【0074】実施例3 実施例1と同様にして、製造例2で得たγ−アルミナ上
に白金1%とロジウム0.5%とを担持させた触媒から
なる触媒層(コーティング量50g/L)を実施例1と
同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造
体を下流触媒として得た。更に、実施例1と同様にし
て、製造例6で得たセリア/酸化プラセオジム複合酸化
物(酸化物基準重量比60/40)上にロジウム0.2
%を担持させてなる触媒からなる触媒層(コーティング
量100g/L)を実施例1と同じコージーライト製ハ
ニカム基体上に有する触媒構造体を上流触媒として得
た。
【0075】実施例4 実施例1と同様にして、製造例3で得たチタニア上に白
金1%を担持させた触媒からなる触媒層(コーティング
量50g/L)を実施例1と同じコージーライト製ハニ
カム基体上に有する触媒構造体を下流触媒として得た。
更に、実施例1と同様にして、製造例6で得たセリア/
酸化プラセオジム複合酸化物(酸化物基準重量比60/
40)上にロジウム0.2%を担持させてなる触媒から
なる触媒層(コーティング量100g/L)を実施例1
と同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構
造体を上流触媒として得た。
【0076】実施例5 実施例1と同様にして、製造例4で得たγ−アルミナ上
に白金1%とパラジウム0.5%とを担持させた触媒か
らなる触媒層(コーティング量50g/L)を実施例1
と同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構
造体を下流触媒として得た。更に、実施例1と同様にし
て、製造例7で得たセリア/ジルコニア/酸化ランタン
複合酸化物(酸化物基準重量比22/73/5)上にロ
ジウム0.5%を担持させてなる触媒からなる触媒層
(コーティング量100g/L)を実施例1と同じコー
ジーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造体を上流
触媒層として得た。
【0077】実施例6 実施例1と同様にして、製造例2で得たγ−アルミナ上
に白金1%とロジウム0.5%とを担持させた触媒から
なる触媒層(コーティング量50g/L)を実施例1と
同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造
体を下流触媒として得た。更に、実施例1と同様にし
て、製造例8で得たセリア/ジルコニア/酸化ガドリニ
ウム複合酸化物(酸化物基準重量比72/24/4)上
にロジウム0.5%を担持させてなる触媒からなる触媒
層(コーティング量100g/L)を実施例1と同じコ
ージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造体を上
流触媒として得た。
【0078】実施例7 実施例1と同様にして、製造例2で得たγ−アルミナ上
に白金1%とロジウム0.5%とを担持させた触媒から
なる触媒層(コーティング量50g/L)を実施例1と
同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造
体を下流触媒として得た。更に、実施例1と同様にし
て、製造例9で得たセリア/ジルコニア/酸化プラセオ
ジム複合酸化物(酸化物基準重量比47/33/22)
上にパラジウム1%を担持させてなる触媒からなる触媒
層(コーティング量100g/L)を実施例1と同じコ
ージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造体を上
流触媒として得た。
【0079】実施例8 実施例1と同様にして、製造例2で得たγ−アルミナ上
に白金1%とロジウム0.5%とを担持させた触媒から
なる触媒層(コーティング量50g/L)を実施例1と
同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造
体を下流触媒として得た。更に、実施例1と同様にし
て、製造例10で得たセリア/ジルコニア/酸化ネオジ
ム複合酸化物(酸化物基準重量比70/20/10)上
にロジウム0.5%を担持させてなる触媒からなる触媒
層(コーティング量100g/L)を実施例1と同じコ
ージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造体を上
流触媒として得た。
【0080】実施例9 実施例1と同様にして、製造例2で得たγ−アルミナ上
に白金1%とロジウム0.5%とを担持させた触媒から
なる触媒層(コーティング量50g/L)を実施例1と
同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造
体を下流触媒として得た。更に、実施例1と同様にし
て、製造例11で得たセリア/ジルコニア/酸化サマリ
ウム複合酸化物(酸化物基準重量比72/24/4)上
にロジウム0.5%を担持させてなる触媒からなる触媒
層(コーティング量100g/L)を実施例1と同じコ
ージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造体を上
流触媒として得た。
【0081】実施例10 実施例1と同様にして、製造例2で得たγ−アルミナ上
に白金1%とロジウム0.5%とを担持させた触媒から
なる触媒層(コーティング量50g/L)を実施例1と
同じコージーライト製ハニカム基体上に有する触媒構造
体を下流触媒として得た。更に、実施例1と同様にし
て、製造例12で得たセリア/酸化テルビウム複合酸化
物(酸化物基準重量比70/30上にロジウム0.5%
を担持させてなる触媒からなる触媒層(コーティング量
100g/L)を実施例1と同じコージーライト製ハニ
カム基体上に有する触媒構造体を上流触媒として得た。
【0082】比較例1 イオン交換水100mLにPt(NH3)4 (NO3)2
溶液(白金として9.0%)14.0gを加えて、水溶
液とし、これに製造例5で得たセリア粉体30gとγ−
アルミナ(住友化学工業(株)製KC−501)70g
との混合物を投入し、攪拌しながら、100℃で乾燥さ
せた後、空気中、500℃にて3時間焼成して、セリア
/γ−アルミナ混合物上に白金1%を担持させてなる触
媒粉体を得た。
【0083】この触媒粉体30gを用いた以外は、実施
例1と同様にして、ウォッシュコート用スラリーを調製
し、これを実施例1と同じコージーライト製ハニカム基
体上に塗布して、セリア/γ−アルミナ混合物上に白金
1%を担持させてなる触媒からなる触媒層(コーティン
グ量100g/L)を上記コージーライト製ハニカム基
体上に有する触媒構造体を得た。
【0084】比較例2 苛性バリウム水溶液と炭酸ナトリウム水溶液から炭酸バ
リウムを調製し、この炭酸バリウム(BaCO3) とγ
−アルミナ(住友化学工業(株)製KC−501)との
混合物(重量比8/2)上に白金1%を担持させて、触
媒粉体を調製した。γ−アルミナ(住友化学工業(株)
製KC−501)を炭酸カリウム水溶液に投入、混合
し、乾燥させた後、空気中、1100℃で3時間焼成し
て、K2O・12Al23 (比表面積18m2/g)を
調製した。別に、γ−アルミナ(住友化学工業(株)製
KC−501)と上記K2O・12Al23 と混合し
て、γ−アルミナ/K2O・12Al23 重量比9/1
の混合物を調製し、これに白金1%を担持させて、触媒
粉体を得た。
【0085】上記BaCO3/γ−アルミナ上に白金1
%を担持させた触媒粉体48gと、上記γ−アルミナ/
2O・12Al23 上に白金1%を担持させた触媒粉
体12gとを乾式混合して、実施例1と同様にして、ウ
ォッシュコート用スラリーを調製した。このスラリーを
実施例1と同じコージーライト製ハニカム基体に実施例
1と同様にコーティングして、触媒構造体を得た。
【0086】(4)性能試験 上記実施例による上流触媒としての触媒構造体と下流触
媒としての触媒構造体を直列に接続し、これに以下の条
件下に窒素酸化物を含むガスを通じて、窒素酸化物を接
触的に還元分解した。窒素酸化物から窒素への変換率
(除去率)はケミカル・ルミネッセンス法にて求めた。
同様に、上記比較例による触媒構造体を用いて、ガス中
の窒素酸化物を接触的に還元分解した。
【0087】試験方法 リッチ条件下のNOx の接触的還元実験に用いた混合ガ
スの組成は次のとおりである。 NO : 500ppm SO2 : 20ppm O2 : 0.4% CO : 2% C36(プロピレン): 2000ppm H2 : 2% H2O : 6.0%
【0088】リーン条件下のNOx の接触的還元実験に
用いた混合ガスの組成は次のとおりである。 NO : 500ppm SO2 : 20ppm O2 : 9.0% CO : 0.2% C36(プロピレン): 500ppm H2 : 0% H2O : 6.0%
【0089】リッチ/リーン幅を3〜30(秒/秒)か
ら12/120(秒/秒)の範囲として、触媒反応を行
って、それぞれの触媒の性能を調べた。
【0090】(i)総括空間速度: 70000hr-1(リーン条件下) 70000hr-1(リッチ条件下) 上流及び下流触媒における空間速度は表1に示す。
【0091】(ii)反応温度: 200、250、300、350、400、450及び
500℃ 結果を表1及び表2に示す。表1及び表2から明らかな
ように、本発明によれば、高い除去率にて窒素酸化物を
接触的に除去することができる。これに対して、比較例
によれば、概して、窒素酸化物の除去率が低い。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】更に、実施例3による上流触媒としての触
媒構造体と下流触媒としての触媒構造体を用いて、上記
ガス条件、リッチ/リーン幅(秒/秒)を55/5、反
応温度350℃として、50時間の触媒耐久試験を行っ
た。同様に、比較例2による触媒構造体を用いて、触媒
耐久試験を行った。結果を表3に示す。表3から明らか
なように、本発明によれば、用いる触媒は、硫黄酸化物
に対しても、従来のNOx 貯蔵−還元システムに比べ
て、非常に高い耐性を有する。
【0095】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による触媒装置を示す要部断面図であ
る。
【符号の説明】
1…エンジン燃焼室 2…排気管 3…排気管の拡管部 4…上流触媒装置 5…下流触媒装置 6及び7…パッキング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲辻 忠夫 フィンランド国、エスポー 02100、イタ ツーレンクーヤ 1 A6 (72)発明者 田中 洋祐 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA17 AA18 AB01 BA14 CB01 DA01 DA02 DC03 EA34 FB10 FB12 GA06 GB10W HA08 4D048 AA06 AB02 AB03 AB07 BA03X BA06X BA08X BA10X BA18X BA19X BA30X BA31X BA33X BA42X BB02 CC32 CC46 CC59 DA03 DA20 4G069 AA03 BA01A BA01B BA02A BA02B BA05A BA05B BB02A BB02B BB06A BB06B BC43A BC43B BC44A BC51A BC51B BC71A BC71B BC72A BC72B BC75A BC75B CA02 CA03 CA08 CA13 EA19 EB12Y

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期的なリッチ/リーン条件下に燃料を供
    給して燃焼させ、生成する排ガスを触媒に接触させて、
    その排ガス中の窒素酸化物を接触的に除去する方法にお
    いて、上記排ガスを(A)(a)セリア又は(b)酸化
    プラセオジム又は(c)セリウム、ジルコニウム、プラ
    セオジム、ネオジム、テルビウム、サマリウム、ガドリ
    ニウム及びランタンから選ばれる少なくとも2つの元素
    の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの元素の複合
    酸化物とから選ばれる少なくとも1種からなる第1の触
    媒成分と(d)ロジウム、パラジウム及びそれらの酸化
    物から選ばれる少なくとも1種からなる第2の触媒成分
    とを触媒成分として有する上流触媒に接触させ、次い
    で、(B)(a)白金、ロジウム、パラジウム及びそれ
    らの酸化物から選ばれる少なくとも1種の触媒成分と
    (b)担体とを触媒成分として有する下流触媒に接触さ
    せることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物を接触的に
    除去する方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、触媒反応
    の周期を5〜150秒の範囲とし、リッチ時間(秒)/
    リーン時間(秒)を0.5/5〜10〜150の範囲と
    すると共に、上流触媒と下流触媒を含む総括空間速度を
    10000〜100000hr-1の範囲とし、上流触媒
    における空間速度/下流触媒における空間速度比を1〜
    10〜1/1の範囲とする方法。
  3. 【請求項3】周期的なリッチ/リーン条件下に燃料を供
    給して燃焼させ、生成する排ガスを触媒に接触させて、
    その排ガス中の窒素酸化物を接触的に除去する装置にお
    いて、(A)(a)セリア又は(b)酸化プラセオジム
    又は(c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネ
    オジム、テルビウム、サマリウム、ガドリニウム及びラ
    ンタンから選ばれる少なくとも2つの元素の酸化物の混
    合物と少なくともそれら2つの元素の複合酸化物とから
    選ばれる少なくとも1種からなる第1の触媒成分と
    (d)ロジウム、パラジウム及びそれらの酸化物から選
    ばれる少なくとも1種からなる第2の触媒成分とを触媒
    成分として有する上流触媒装置と(B)(a)白金、ロ
    ジウム、パラジウム及びそれらの酸化物から選ばれる少
    なくとも1種の触媒成分と(b)担体とを触媒成分とし
    て有する下流触媒装置とからなることを特徴とする排ガ
    ス中の窒素酸化物を接触的に除去する装置。
JP2002099164A 2002-04-01 2002-04-01 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置 Pending JP2003305342A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002099164A JP2003305342A (ja) 2002-04-01 2002-04-01 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002099164A JP2003305342A (ja) 2002-04-01 2002-04-01 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003305342A true JP2003305342A (ja) 2003-10-28

Family

ID=29388098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002099164A Pending JP2003305342A (ja) 2002-04-01 2002-04-01 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003305342A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006013998A1 (ja) * 2004-08-02 2006-02-09 Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus 窒素酸化物を接触還元する方法
JP2006326428A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Cataler Corp 排ガス浄化用触媒
JP2007181799A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Toyota Motor Corp 硫化水素生成抑制材及び排ガス浄化用触媒
JP2008068225A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Daiichi Kigensokagaku Kogyo Co Ltd 自動車用排気ガス浄化装置に用いられる触媒系、それを用いた排気ガス浄化装置、及び排気ガス浄化方法
JP2008296102A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Toyota Motor Corp 排ガス浄化触媒およびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006013998A1 (ja) * 2004-08-02 2006-02-09 Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus 窒素酸化物を接触還元する方法
US7666375B2 (en) * 2004-08-02 2010-02-23 Honda Motor Co., Ltd. Method for catalytic reduction of nitrogen oxides
JP2006326428A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Cataler Corp 排ガス浄化用触媒
JP4669322B2 (ja) * 2005-05-24 2011-04-13 株式会社キャタラー 排ガス浄化用触媒
US8071502B2 (en) 2005-05-24 2011-12-06 Cataler Corporation Exhaust gas purifying catalyst
JP2007181799A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Toyota Motor Corp 硫化水素生成抑制材及び排ガス浄化用触媒
JP2008068225A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Daiichi Kigensokagaku Kogyo Co Ltd 自動車用排気ガス浄化装置に用いられる触媒系、それを用いた排気ガス浄化装置、及び排気ガス浄化方法
JP2008296102A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Toyota Motor Corp 排ガス浄化触媒およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7666375B2 (en) Method for catalytic reduction of nitrogen oxides
US6214307B1 (en) Exhaust gas purifying catalyst and exhaust gas purifying method
WO2005044426A1 (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法をそのための触媒
JP4740217B2 (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法
JP4236543B2 (ja) 窒素酸化物の接触分解のための触媒と方法
JP2004508189A (ja) 窒素酸化物の接触還元のための触媒と方法
JP4901129B2 (ja) 窒素酸化物接触還元用触媒
JP2006314989A (ja) 窒素酸化物を接触還元するための触媒及び触媒構造体
JP2004527372A (ja) 窒素酸化物の接触還元のための触媒と方法
US7175822B2 (en) Method for catalytic reduction of nitrogen oxides
JP2003305342A (ja) 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置
JP4290391B2 (ja) 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置
JP2003320222A (ja) 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置
JP2005111436A (ja) 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置
JP3732124B2 (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法とそのための触媒
JP4194805B2 (ja) 窒素酸化物を接触的に除去する方法とそのための触媒
JP3745988B2 (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法とそのための触媒
JP3721112B2 (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法とそのための触媒
JP2004068717A (ja) 窒素酸化物を接触的に除去するための方法とそのための装置
JP2004209386A (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法とそのための触媒
JPH11138005A (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2004313915A (ja) 窒素酸化物を接触還元する方法とそのための触媒
JP2008178880A (ja) 窒素酸化物を接触的に除去する方法とそのための触媒
JPH1147605A (ja) 排ガス浄化用触媒及び浄化方法
JPH05208138A (ja) コバルト及びパラジウム含有ゼオライトの製造方法並びに排ガス浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080513

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080801

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080806

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080908

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080911

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081008

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081014

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091027