JP2003304549A - カメラ及び画像信号処理システム - Google Patents
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Abstract
なわれる各種の信号処理を工夫して良好な画像データを
生成し得る画像信号処理システム及びこれを適用するカ
メラを提供する。 【解決手段】撮像素子10の出力にガンマ補正処理を施
す第1のガンマ補正処理手段11と、第1のガンマ補正
処理手段の出力に基づいて輝度系の信号を生成する輝度
信号生成手段12との各手段を含んでなる第1の信号処
理系統と、撮像素子の出力であってガンマ補正処理が施
されていない出力に基づいて色系の信号を生成する色度
信号生成手段24を含んでなる第2の信号処理系統とを
備えて構成する。
Description
信号処理システム、詳しくは受光面側に所定の形式の色
フイルタを備えた撮像素子からの出力信号乃至当該撮像
素子の出力と実質的に等価なカラー画像信号の供給を受
けて輝度系及び色系の信号を得る画像信号処理システム
及びこの画像信号処理システムを備えたカメラに関する
ものである。
学系を用いて光学的に結像された被写体像を、例えば電
荷結合素子(Charge Coupled Device;以下、CCD
と略記する)等の撮像素子等からなる撮像手段によって
光電変換し、この光電変換された電気信号(画像を表わ
す画像信号)を所定の形式の画像データ(例えばJPE
G(ジェイペグ:Joint Photographic Experts Gro
up)方式等の圧縮処理を施した形態の画像データ)とし
て電子的に記録するようにした形態のカメラであって、
いわゆる電子スチルカメラ・デジタルカメラ等(以下、
単に電子カメラ又はカメラという)が広く一般に普及し
ている。
像手段としてCCDを利用するように構成したものにお
いては、通常の場合、撮像素子(CCD)による光電変
換処理によって生成され出力される出力信号、即ち画像
信号に、ショットノイズ等のランダムノイズ等が混在し
ているのが一般である。
いては、より良好な画像を表示手段を用いて表示させる
ために、例えば撮像素子(CCD)からの出力信号(画
像信号)からノイズ成分等を抑圧又は除去するための様
々な信号処理が施されるのが一般である。また、当該画
像信号に基づいて表わされるべき被写体像を忠実に表示
させるために、その画像信号に対して各種の補正処理等
の様々な信号処理を施すようにしているのが普通であ
る。
おいては,撮像素子(CCD)の出力信号に基づいて画
像の表示動作又は当該画像を表わす電気信号の記録動作
に最適な形態の画像信号又は画像データを生成するため
のシステム、いわゆる画像信号処理システムを備えて構
成されているのが一般である。
は、例えば特開平9−130816号公報や特開平11
−112837号公報等によって、従来より種種の提案
がなされている。
って開示されている画像信号処理システムは、コアリン
グ処理を施した画像信号に対してガンマ補正処理を施
し、このガンマ補正処理によって生成された出力信号に
基づいてエッジ強調処理(輪郭補正処理)・輝度信号生
成処理・色度信号生成処理を行なうように構成した例で
ある。
される画像信号処理システムの概略的な構成について、
図を用いて説明する。
用される画像信号処理システムの概略を示すブロック構
成図である。
(図示せず)によって結像される光学的な被写体像を受
けて光電変換処理を施し、当該被写体像に基づく画像信
号を生成するCCD等の固体撮像素子(CCD)110
と、このCCD110からの出力信号であって、所定の
信号処理、例えば相関二重サンプリング処理・自動ゲイ
ン制御処理・アナログ−デジタル信号変換処理等を経た
後の出力信号を受けて輝度信号(以下、Y信号ともい
う)を抽出し生成するY信号生成部112と、このY信
号生成部112により生成されたY信号から高周波成分
を抽出(低周波成分を除去)した輪郭信号(以下、エッ
ジ信号という)を生成するハイパスフイルタ(HPF)
部113と、このHPF部113により生成されたエッ
ジ信号に対して所定の係数を掛け合わせてエッジ強調度
を変更したエッジ信号を生成するエッジ強調度変更部1
14と、このエッジ強調度変更部114によりエッジ強
調度が変更されたエッジ信号を受けて画像中におけるノ
イズ成分を抑圧又は除去してS/N比(シグナル/ノイ
ズ比)を改善し所定のエッジ信号を生成するコアリング
処理を施すことで高帯域な特性を備えかつノイズ成分が
抑圧されたエッジ信号を生成するコアリング部115
と、このコアリング部115により生成された高帯域Y
信号及び上述のY信号生成部112により生成されたY
信号とを加算処理して広帯域な特性を備えかつエッジ強
調されたY信号を生成する加算器116と、この加算器
116により生成され出力される広帯域Y信号を受けて
ガンマ(γ)補正処理を施して最終的なY信号を生成す
るガンマ補正(Yγ)部111と、CCD110からの
出力信号に基づいて所定の色信号(以下C信号ともい
う;R信号・G信号・B信号)を抽出すべく所定の同時
化処理を行なうと共に所定の色補正処理等を施す同時化
・色補正部121と、この同時化・色補正部121によ
って同時化・色補正処理された色信号(R・G・Bの各
信号)から低周波成分を抽出(高周波成分を除去)した
色信号(RL信号・GL信号・BL信号)を生成する帯
域制限用のローパスフイルタ(LPF)部122と、こ
のLPF部122によって生成された色信号(RL・G
L・BLの各信号)に対してガンマ補正処理を施す色ガ
ンマ補正部(RGBγ部)123と、このRGBγ部1
23により色ガンマ補正処理が施された色信号(γRL
信号・γGL信号・γBL信号)に基づいてS/N比の
良好な色度信号(Cr信号及びCb信号)を最終的に生
成するCrCb生成部124と、CrCb生成部124
によって生成された色度信号(Cr・Cb)及び上述の
Yγ部111によって生成されたY信号によってJPE
G形式の圧縮データからなる画像信号を生成し、これを
記録するための記録部(図示せず)へと出力するJPE
G圧縮部131等によって構成されている。
ラに適用される画像信号処理システムの他の例を示すブ
ロック構成図である。
ステムの構成は、上述の特開平11−112837号公
報によって開示される電子カメラにおける画像信号処理
システムと類似の構成となっている。
は、上述の例の画像信号処理システムと略同様の構成か
らなるものであるが、Y信号の生成処理に相違がある。
は、撮影光学系(図示せず)によって結像される光学的
な被写体像を受けて光電変換処理を施し、当該被写体像
に基づく画像信号を生成するCCD等の固体撮像素子
(CCD)110と、このCCD110からの出力信号
であって、所定の信号処理、例えば相関二重サンプリン
グ処理・自動ゲイン制御処理・アナログ−デジタル信号
変換処理等を経た後の出力信号を受けて輝度信号(Y信
号)についてのガンマ補正処理を施すガンマ補正(Y
γ)部111と、このYγ部111からの出力信号を受
けてY信号を抽出し生成するY信号生成部112と、こ
のY信号生成部112により生成されたY信号からエッ
ジ信号を生成するハイパスフイルタ(HPF)部113
と、このHPF部113により生成されたエッジ信号に
対してエッジ強調度を変更したエッジ信号を生成するエ
ッジ強調度変更部114と、このエッジ強調度変更部1
14により生成されたエッジ信号を受けてコアリング処
理を施して高帯域な特性を備えかつノイズ成分が抑圧さ
れたエッジ信号を生成するコアリング部115と、CC
D110からの出力信号に基づいて所定の同時化処理を
行なうと共に所定の色補正処理等を施す同時化・色補正
部121と、この同時化・色補正部121によって同時
化・色補正処理された色信号(R・G・Bの各信号)か
ら低周波成分を抽出した色信号(RL信号・GL信号・
BL信号)を生成する帯域制限用のローパスフイルタ
(LPF)部122と、このLPF部122によって生
成された色信号(RL・GL・BLの各信号)に対して
ガンマ補正処理を施す色ガンマ補正部(RGBγ部)1
23と、このRGBγ部123により色ガンマ補正処理
が施された色信号(γRL信号・γGL信号・γBL信
号)に基づいて低帯域Y信号を含むS/N比の良好な色
度信号を生成するYCrCb生成部125と、このYC
rCb生成部125により生成された信号のうちの低帯
域Y信号及び上述のコアリング部115により生成され
た高帯域Y信号とを加算処理して広帯域な特性を備えた
広帯域Y信号を生成する加算器116と、この加算器1
16により生成され出力される広帯域Y信号及び上述の
YCrCb生成部125により生成されたYCrCb信
号のうちの色度信号(Cr・Cb)によってJPEG形
式の圧縮データからなる画像信号を生成し、これを記録
するための記録部(図示せず)へと出力するJPEG圧
縮部131等によって構成されている。
す例では、エッジ強調処理を施した高帯域Y信号(エッ
ジ信号)を生成する信号処理系と、低帯域Y信号を生成
する信号処理系とを別系統の信号処理系で構成し、それ
ぞれの信号処理系で生成された高帯域Y信号と低帯域Y
信号とをのちに加算することによって所望の広帯域Y信
号を生成するようにしている。そして、この場合におい
て、低帯域Y信号は、色系の信号を取り扱う信号処理系
において色度信号と同時に生成するようにしている。
来の画像信号処理システムのうち図13・図14に示す
例のものでは、所望のY信号を得ることができないとい
う問題点がある。
的な画像信号処理システムにおいては、Y信号を取り扱
う信号処理系(Y信号生成部112〜Yγ部111にお
ける処理)では、Y信号を生成した後にY信号について
のガンマ補正処理(Yγ部111)を実行するようにし
ている。
(同時化・色補正部121〜CrCb生成部124にお
ける処理)におけるCrCb生成部124においては、
次のような処理がなされるのが一般である。即ち、RG
Bγ部123により色ガンマ補正処理が施されたγRL
信号・γGL信号・γBL信号に基づいて、まず、所定
のY信号が生成される。ここで、Y信号は、一般的な演
算式(1)により算出される。
より算出したY信号を差し引くことにより生成される。
また、Cb信号は、γBL信号から上述の式(1)によ
り算出したY信号を差し引くことにより生成される。
過程においては、上述したようにY信号を生成している
のであるが、このY信号は、図13に示すようにRGB
γ部123によるガンマ補正処理を経た後の信号に基づ
いて生成されることになる。
系では、処理の最終段においてガンマ補正処理を行なう
一方、色度信号処理系では、ガンマ補正処理を行なった
後の信号に基づいて色度信号(C信号)の生成処理を行
なうようにしている。このことは、演算結果に矛盾が生
じるという問題点がある。
処理を施した後の信号に基づいてY信号についてのガン
マ補正処理(Yγ部111)を実行するようにしてい
る。この場合には、次に示すような問題点が生じる。
システムにおいて、エッジ強調処理は、HPF部113
において行なわれる。このエッジ強調処理による処理結
果は、図15によって表わされる。
テムにおけるエッジ強調処理の処理結果を表わす図であ
る。この図15において、縦軸にはノイズ量を、横軸に
は入射光量、即ち画像の明るさ(明度)を表わしてい
る。
される画像信号におけるノイズ成分としては、いわゆる
ショットノイズが支配的である。そのために、画像信号
に含まれるノイズ量は、入射光量が増大するにつれて増
加する傾向がある。
するためのエッジ強調処理を施すと、ノイズ成分もエッ
ジ成分として抽出されることになる。したがって、図1
5に示されるように、エッジ強調処理を施した後の画像
信号全体に含まれるノイズ量は、処理前の画像信号に比
べて増加することがわかる。また、このときノイズ量
は、高輝度であるほど増大するので、これに起因して高
輝度領域ほど大きなエッジ成分として抽出されることに
なる。
後の信号に基づいて、続いてコアリング処理が実行れ
る。このコアリング処理は、エッジ信号のノイズ成分を
抑圧することでS/N比を向上させる信号処理である。
テムにおけるコアリングスレッシュレベルの設定値を表
わす図である。この図16において、縦軸にはノイズ量
を、横軸には入射光量(画像明度)を表わしている。
スレッシュレベルを、図16における点線で示すように
設定している。したがって、この場合においては、コア
リングスレッシュレベル|a|と画像信号を表わす線分
Aとの交点aを境にして、これより低輝度領域の範囲B
においては、ノイズ成分は強調されないことになる一
方、交点aよりも高輝度領域の範囲Cにおいては、ノイ
ズ成分が残存することになる。
号は、図17に示すようにノイズ成分を含んだ信号が生
成されることになる。
テムにおけるコアリング処理の処理結果を表わす図であ
る。この図17においても、縦軸はノイズ量を、横軸は
入射光量(画像明度)を表わしている。
た信号に対してガンマ補正処理が施される。
テムにおけるガンマ補正処理の処理結果を表わす図であ
る。
斜となっている。したがって、高輝度になるほど信号が
圧縮されるようになる。このことから、高輝度寄りの部
分にあるノイズ成分は抑圧されることになるが、最終的
に生成される画像信号には、所定量のノイズ成分が残存
することになる。
には、コアリングスレッシュレベルの設定を上げる必要
がある。すると、その場合には、ノイズ成分ではなく被
写体が元来有する高周波成分をも切り捨ててしまう結果
になる。
してコアリング処理をかける場合において、画像の高輝
度領域のノイズ成分を除去すべくコアリングスレッシュ
レベルを高い値に設定すると、低輝度領域のエッジ信号
は、当該コアリング処理によってノイズ成分と共に消え
てしまうことになる。このことは、例えば低輝度領域に
おける画像の解像度不足の要因となる。したがって、コ
アリングスレッシュレベルを不必要に高く設定すること
は、良好な画像データを生成する上で望ましい手段では
ない。
分をできるだけ残すようにするためにコアリングスレッ
シュレベルを低く設定すると、高輝度領域のノイズ成分
がコアリング処理によって充分に除去することができな
いことになる。したがってこれにより生成される画像信
号には、ノイズ成分が残存してしまうという問題点があ
る。
的な画像信号処理システムにおいては、CCD110か
らの出力信号に基づいて所望の色度信号及びY信号とを
生成する際に、同一の処理系によって同じ処理を施すこ
とで色度信号及び低帯域Y信号を生成するように構成し
ている。したがって、例えば同一のLPF122を用い
て帯域制限を施した信号に基づいて低帯域Y信号と色度
信号とを生成する信号処理が行なわれることになる。
う場合において、主に不要なノイズ成分の低減を目的と
して行われるLPF122による帯域制限処理は、大き
な帯域制限をかけることで効果的なノイズ低減効果を得
ることができる。その一方で、より広帯域のY信号を得
るためには、LPF122による帯域制限はできるだけ
小さくする必要がある。
処理システムにおいては、S/N比の良好な色度信号生
成を考慮してLPF122による帯域制限処理における
帯域制限が大きくなるように設定すると、このとき同時
に生成される低帯域Y信号の帯域は所望する帯域よりも
狭くなってしまうことになる。
することを考慮して、LPF122による帯域制限を大
きく設定した場合には、このとき同時に生成される色度
信号から不要なノイズ成分を除去しきれず、よって所望
する色度信号、即ちS/N比の良好な色度信号を生成す
ることができないことになる。
理を施すことで、S/N比が良好な色度信号を生成し、
かつ同時に広帯域のY信号を生成することは、容易に実
現し得ないという問題点がある 本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、
その目的とするところは、撮像素子によって取得した画
像信号に基づいて行なわれる各種の信号処理を工夫する
ことで良好な画像データを生成することのできる画像信
号処理システムと、この画像信号処理システムを適用す
るカメラを提供することである。
に、第1の発明によるカメラは、撮像素子の出力にガン
マ変換処理を施す第1のガンマ変換処理手段とこの第1
のガンマ変換処理手段の出力に基づいて輝度系の信号を
生成する輝度信号生成手段との各手段を含んでなる第1
の信号処理系統と、上記撮像素子の出力であって上記ガ
ンマ変換処理が施されていない出力に基づいて色系の信
号を生成する色信号生成手段を含んでなる第2の信号処
理系統とを備えてなることを特徴とするカメラ。
るカメラにおいて、上記第2の信号処理系統は、上記色
系の信号として色差信号を生成するように構成されたも
のであることを特徴とする。
よるカメラにおいて、上記第1の信号処理系統は、上記
第1のガンマ変換処理手段よりも後段に、エッジ強調処
理手段とコアリング処理手段とを備えたものであること
を特徴とする。
ラにおいて、上記第2の信号処理系統は、自己の信号伝
送経路中に色補正処理を行なう色補正処理手段と該色補
正処理手段よりも後段にガンマ変換処理を行なう第2の
ガンマ変換処理手段とが介挿されて構成されたものであ
ることを特徴とする。
ラにおいて、上記第2の信号処理系統は、上記第1の信
号処理系統とは独立の帯域制限手段を備えたものである
ことを特徴とする。
ラにおいて、上記第1の信号処理系統及び第2の信号処
理系統はデジタル方式のシステムとして構築されたもの
であることを特徴とする。
は、撮像面側に所定形式のカラーフイルタを備えた撮像
素子からの出力信号乃至該撮像素子の出力と実質的に等
価なカラー撮像信号の供給を受けるように設けられた入
力端部と、上記入力端部から供給された信号にガンマ変
換処理を施す第1のガンマ変換処理手段とこの第1のガ
ンマ変換処理手段の出力に基づいて輝度系の信号を生成
する輝度信号生成手段との各手段を含んでなる第1の信
号処理系統と、上記撮像素子の出力であって上記ガンマ
変換処理が施されない出力に基づいて色系の信号を生成
する色信号生成手段を含んでなる第2の信号処理系統と
を備えてなることを特徴とする。
信号処理システムにおいて、上記第1の信号処理系統
は、上記第1のガンマ変換処理手段よりも後段にエッジ
強調処理手段とコアリング処理手段とを備えたものであ
ることを特徴とする。
信号処理システムにおいて、上記第2の信号処理系統
は、自己の信号伝送経路中に、色補正処理を行なう色補
正処理手段と該色補正処理手段よりも後段にガンマ変換
処理を行なう第2のガンマ変換処理手段とが介挿されて
構成されたものであることを特徴とする。
像信号処理システムにおいて、上記第2の信号処理系統
は、上記第1の信号処理系統とは独立の帯域制限手段を
備えたものであることを特徴とする。
像信号処理システムにおいて、上記第1の信号処理系統
及び第2の信号処理系統はデジタル方式のシステムとし
て構築されたものであることを特徴とする。
本発明を説明する。図1は、本発明の第一の実施形態の
カメラに適用される画像信号処理システムの概略を示す
ブロック構成図である。なお、本実施形態においては、
本発明の画像信号処理システムをデジタル方式の電子カ
メラシステムに適用するものとして例示している。
における画像信号処理システムは、撮影光学系(図示せ
ず)によって結像される光学的な被写体像を受けて光電
変換処理を施し、当該被写体像に基づく画像信号を生成
するCCD等の固体撮像素子(CCD)10と、このC
CD10からの出力信号であって、所定の信号処理、例
えば相関二重サンプリング処理・自動ゲイン制御処理・
アナログ−デジタル信号変換処理等を経た後の出力信号
(カラー画像信号)を受けて(輝度信号についての)ガ
ンマ補正処理を施す第1のγ補正処理手段であるガンマ
補正部(Yγ部)11と、このYγ部11においてガン
マ補正処理が施された後の画像信号を受けてY信号(輝
度信号)を抽出し生成する輝度信号生成手段であるY信
号生成部12と、このY信号生成部12によって生成さ
れたY信号から高周波成分を抽出(低周波成分を除去)
した輪郭信号(エッジ信号)を生成するエッジ強調処理
手段の一部であり帯域制限手段であるハイパスフイルタ
(HPF)部13と、このHPF部13により生成され
たエッジ信号に対して所定の係数を掛けてエッジ強調度
を変更したエッジ信号を生成するエッジ強調処理手段の
一部であるエッジ強調度変更部14と、このエッジ強調
度変更部14によりエッジ強調度が変更された後のエッ
ジ信号を受けて画像中におけるノイズ成分を抑圧又は除
去してS/N比を改善し所定のエッジ信号を生成するコ
アリング処理を施すことで高帯域な特性を備えかつノイ
ズ成分が抑圧されたエッジ信号を生成するコアリング処
理手段であるコアリング部15と、このコアリング部1
5により生成された信号及び上述のY信号生成部12に
より生成されたY信号とを加算処理して広帯域な特性を
備えかつエッジ強調されたY信号を生成する加算器16
と、CCD10からの出力信号に基づいてR信号・G信
号・B信号を抽出すべく所定の同時化処理を行なうと共
に所定の色補正処理等を施す色補正処理手段である同時
化・色補正部21と、この同時化・色補正部21によっ
て同時化・色補正処理されたR・G・Bの各信号から低
周波成分を抽出(高周波成分を除去)した各信号(RL
信号・GL信号・BL信号)を生成する帯域制限手段で
ある帯域制限用のローパスフイルタ(LPF)部22
と、この帯域制限LPF部(以下、単にLPF部とい
う)22によって生成された各信号(RL・GL・BL
の各信号)に対してガンマ補正処理を施す第2のガンマ
補正処理手段である色ガンマ補正部(RGBγ部)23
と、このRGBγ部23により色ガンマ補正処理が施さ
れた各信号(γRL信号・γGL信号・γBL信号)に
基づいてS/N比の良好なC信号;Cr信号及びCb信
号を最終的に生成する色度信号生成手段であるCrCb
生成部24と、このCrCb生成部24によって生成さ
れた色度信号(Cr・Cb)及び上述の加算器16によ
り生成され出力される広帯域Y信号によってJPEG形
式の圧縮データからなる画像信号を生成し、これを記録
するための記録部(図示せず)へと出力するJPEG圧
縮部31等によって構成されている。
テムは、主に輝度信号(以下Y信号とも言う)の生成に
寄与する信号処理系、即ち撮像素子(CCD10)の出
力にガンマ補正処理を施す第1のガンマ補正処理手段
(Yγ部11)と、この第1のガンマ補正処理手段(Y
γ部11)の出力に基づいて輝度系の信号を生成する輝
度信号生成手段(Y信号生成部12)との各手段を含ん
でなる第1の信号処理系統である輝度信号処理系と、主
に色度信号(C信号)の生成に寄与する信号処理系、即
ち撮像素子(CCD10)の出力であってガンマ補正処
理が施されていない出力に基づいて色系の信号を生成す
る色度信号生成手段(CrCb生成部24)を含んでな
る第2の信号処理系統である色度信号処理系とが異なる
処理系で構成されている。
理系)は、輝度信号生成手段(Y信号生成部12)の後
段にエッジ強調処理手段(HPF部13及びエッジ強調
度変更部14)とコアリング処理手段(コアリング部1
5)とを備えて構成されている。
系)は、色度信号生成手段(CrCb生成部24)より
も前段に色補正処理を行なう色補正処理手段(同時化・
色補正部21)とガンマ補正処理を行なう第2のガンマ
補正処理手段(RGBγ部23)とが、上記の順に機能
すべく備えられて構成されている。
処理系)は、第1の信号処理系統(輝度信号処理系)と
は独立の帯域制限手段(LPF部22)を備えて構成さ
れている。なお、この第2の信号処理系統は、色系の信
号として、色度信号(Cr・Cb)のほか、色差信号あ
るいは色差信号を線形変換して得られる信号、例えばI
・Q信号やU・V信号を生成するような構成を採ること
もできる。
以下に説明する。
色フイルタ(カラーフィルターともいう)が配設されて
いる。この色フイルタの形態は、例えば図2に示すよう
なRGBベイヤー配列となっている。
CCD10の前面に設けられる色フイルタアレイの配列
を示す図である。なお、この図2においてはCCD10
の出力信号の形態(座標)をも合わせて示している。
はこの出力信号と実質的に等価なカラー画像信号の供給
を受ける得るように所定の入力端部(図示せず)が設け
られている。
供給される入力データ(図2参照)を受けて、Yγ部1
1は、所定のガンマ補正処理を施し、非線形の出力信号
を生成するようになっている。
データに基づいて画像を表示する表示手段の表示画面上
において、再生画像(表示画像)が正確な階調特性を得
られるようにするための信号処理である。一般的な表示
手段であるCRT(CathodeRay Tube;受像管。いわ
ゆるブラウン管)のガンマ特性は、2.22であること
から、ガンマ補正処理を行なうに際して用いられるガン
マ補正係数は、 γ=1/2.22 ≒0.45 である。したがって、ガンマ補正処理では、この値とな
るように補正を行なうことになる。
ムのYγ部11によるガンマ補正処理の概念を示す図で
ある。
GBγ部23において実行される色ガンマ補正処理も全
く同様の処理がなされるようになっている。
からの出力信号を受けて所定の輝度信号(Y信号)を生
成する。本実施形態においては、RGB信号から輝度信
号(Y信号)を生成する際に用いられる一般的な演算式
である式(1)に基づく。
度信号の座標を示す図である。
輝度信号について上述の式(1)を用いて演算すると、
次の式(2)に示すようになる。即ち、
号のうち R(0,0) Gr(1,0) Gb(0,1) B(1,1) の四つの画素信号に基づいて生成されるようになってい
る。
0)の輝度信号について上述の式(1)を用いて演算す
ると、次の式(3)に示すようになる。即ち、
る。
に基づいてY信号が生成される。
のように四つの画素信号に基づいて式(1)による演算
を施すようにしている。
二画素分の信号が含まれている。G信号については、式
(1)より0.59を掛けることにしているので、Gr
・Gbに対しては、それぞれに(0.59/2)=0.
295を掛けることにする。
部12において生成したY信号に対して図5に示される
ようなエッジ抽出用の空間フイルタ(HPF)を掛ける
ことによってエッジ信号Edge(x,y)を生成す
る。
ムにおけるエッジ抽出用の空間フイルタ(HPF)のH
PF係数を示す図である。
分のY信号と図5のHPF係数に基づいて式(4)を用
いて演算される。
て、エッジ信号が生成される。
度変更部14により所定のエッジ強調度変更処理が実行
された後、その出力信号に対してコアリング部15にお
けるコアリング処理が実行される。
ムにおけるコアリング処理の概念を示す図である。
えば入力エッジ信号−a〜aの範囲にある小出力信号に
ついては出力を抑制し、ゼロとなるように設定してい
る。即ち、ノイズ等に代表される小出力信号については
エッジ強調処理を行なわないようにしているのである。
なお、コアリング処理において、上述の−a〜aの範
囲、即ちコアリングスレッシュは、正負で異なる値を設
定してもよい。
Y信号生成部12で生成されたY信号とを加算器16で
加算することで所定の広帯域Y信号を生成される。
下に説明する。
ムにおける同時化処理の概念を示す図である。
10からの出力信号又はこの出力信号と実質的に等価な
カラー画像信号の入力データ(図7の入力データ参照;
図2と全く同じ)を受けて、まず同時化処理が行なわれ
る。この同時化処理は、カラー画像信号の入力データに
対して図7に示すN×Mマトリクスフイルタを掛けるこ
とによってなされる補間処理である。これによって、R
i・Gi・Biの各色毎(三色分)の画像信号が生成さ
れる。
その画像信号処理システムにおいて従来より一般的にな
される処理である。したがって、その処理の詳細な説明
は省略する。
号Ri・Gi・Biに対して色補正処理が施される。こ
の色補正処理は、式(6)・式(7)・式(8)に示す
演算による。即ち、同じ座標にある色度信号に対して所
定の係数K1〜K9を掛けることによって色度信号の補
正を行なう処理である。
正信号Ro・Go・Boが生成される。
電子カメラ及びその画像信号処理システムにおいて一般
的に実用化されている処理であるので、その詳細な説明
は省略する。
同時化処理及び色補正処理がなされた色系の信号につい
て、LPF部22において帯域制限処理が行なわれる。
この処理は、上述のY信号処理系におけるエッジ抽出H
PF部13における処理と同様の処理である。
及び色補正処理がなされた色度信号について図8に示さ
れる帯域制限用の空間フイルタ(LPF)を掛けること
で帯域制限された信号Rlpf・Glpf・Blpfを
生成する。
ムにおける帯域制限用の空間フイルタ(LPF)のLP
F係数を示す図である。
(x,y)は、9画素分のRo信号と図8のHPF係数
に基づいて式(9)を用いて演算される。
って、帯域制限された信号Rlpfが生成される。
画素分のGo信号と図8のHPF係数に基づいて式(1
0)を用いて演算される。
って、帯域制限された信号Glpfが生成される。
は、9画素分のBo信号と図8のHPF係数に基づいて
式(11)を用いて演算される。
って、帯域制限された信号Blpfが生成される。
lpf・Blpf)に基づいてRGBγ部23において
所定のガンマ補正処理が実行された後、その出力信号に
対してCrCb生成部24におけるCrCb生成処理が
実行される。
示すように式(1)を用いて帯域制限された信号Rlp
f・Glpf・BlpfからY信号を生成する処理がな
される。
5)で生成されたY信号を差し引くことにより算出され
る。即ち、式(16)に示す如しである。
(15)で生成されたY信号を差し引くことにより算出
される。即ち、式(17)に示す如しである。
の良好な色度信号(C信号となる。
とY信号生成処理の関係に着目して、本実施形態を説明
する。
とY信号生成処理の関係を表わす表であって、本実施形
態の画像信号処理システムにおける処理と、図13に示
す従来例の画像信号処理システムにおける処理を併記す
るものである。
処理システムにおける処理の一部を示し、(B)欄は、
図13に示す例の画像信号処理システムにおける処理の
一部を示している。
理システムにおいては、CCD10の出力信号を入力デ
ータとし、これについて、まずY信号についてのガンマ
補正処理を施した後、その処理済み信号に基づいてY信
号生成部12において、Y信号を生成するように構成し
ている(図1参照)。
理システムにおいては、Y信号を生成した後にガンマ補
正処理を行なうようにしている。
ムと図13の例の画像信号処理システムとの処理の相違
を、表1を用いて具体的に検討してみる。
信号又はこの出力信号ち実質的に等価なカラー画像信号
が、 R信号=100 G信号=0 B信号=0 である場合において、両システムによってY信号生成処
理とガンマ補正処理とが行なわれると、次のように演算
結果が異なるものとなる。
においては、表1の(B)欄に示すような演算結果が得
られる。
テムは、CCD110の出力信号(カラー画像信号)を
受けて所定のY信号生成処理を行なう。ここで、Y信号
生成処理は式(1)による。
1の(B)欄に示すように、 Y=0.3×100+0.59×0+0.11×0 =30 となる。こうして生成されたY信号=30に対しては、
図13の説明において上述したように所定の信号処理が
施された後、最終的にYγ部111においてガンマ補正
処理が施される。この場合において、ガンマ補正処理
は、表1の(B)欄に示すように次式により求められ
る。
れ示す。この場合において、In(入力信号)は上述の
式(1)によって生成された後、各種の信号処理がなさ
れたY信号である。また、ガンマ補正係数γ=0.45
とする。したがって、Yγ部111における処理結果
は、 Out=((In/255)^0.45)×255 =((30/255)^0.45)×255 ≒97 となる。なお、ここで「^」は累乗を表わすものとす
る。
値が得られる。
において、CCD10からの出力信号又はこの出力信号
ち実質的に等価なカラー画像信号が、同様に R信号=100 G信号=0 B信号=0 である場合において、ガンマ補正処理とY信号生成処理
とが行なわれると、表1の(A)欄に示すような演算結
果が得られる。
は、図1に示すようにCCD10の出力信号(カラー画
像信号)を受けて、まずYγ部11においてガンマ補正
処理を行なう。この場合において、ガンマ補正処理は、
表1の(A)欄に示すように次式により求められる。
れ示す。この場合において、In(入力信号)は上述の
式(1)によって生成された後、各種の信号処理がなさ
れたY信号である。また、ガンマ補正係数γ=0.45
とする。したがって、Yγ部111における処理結果
は、 Out=((In/255)^0.45)×255 =((100/255)^0.45)×255 ≒167 となる。なお、ここで「^」は累乗を表わすものとす
る。
号生成処理が行なわれる。このY信号生成処理は式
(1)による。
の(A)欄に示すように、 Y=0.3×167+0.59×0+0.11×0 =50 となる。即ち、最終的に出力されるY信号=50の値が
得られる。
生成処理の前に行なわれるか、Y信号生成処理の後に行
なわれるかによって、生成されるY信号が異なる値を示
すことになるのがわかる。
テムにおいても、図13の例の画像信号処理システムに
おいても、色度信号処理系は同様の処理がなされてい
る。この場合において、CrCb生成部24・124で
は、RGBγ部23・123におけるガンマ補正処理が
なされた後の信号に基づいてCrCb生成処理を行なっ
ている。
に、まずY信号を生成しているが、このY信号は、上述
のY信号処理系におけるY信号と同等のものを用いる必
要がある。
理系では、後段部でガンマ補正処理を行なう一方、色系
の信号処理系では、ガンマ補正処理後の信号に基づいて
生成したY信号によって色度信号を生成するようにして
いる。そのために、上述の表1を用いて説明した通り、
Y信号処理系で扱うY信号(表1(B)欄;Y=97)
と、色系の信号処理系で扱うY信号(表1(A)欄;Y
=50)とでは、異なる信号となっている。
では、Y信号処理系で扱うY信号と、色系の信号処理系
で扱うY信号とは、略同等のY信号が用いられるように
なっている。
におけるY信号処理系で扱うY信号は、上述したように
ガンマ補正処理を施した後の信号に基づいてY信号生成
処理を行なうようにしている(図1参照)。こうして生
成されるY信号は、表1(A)欄に示すY=50であ
る。
における色系の信号処理系で扱うY信号、即ちCrCb
生成処理において色度信号を生成するのに使用されるY
信号は、このCrCb生成部24の前段のRGBγ部2
3においてガンマ補正処理が施された後の信号に基づい
て生成されるものである(図1参照)。ここで生成され
るY信号は、表1(A)欄に示すY=50である。
ステムにおいては、Y信号処理系で生成されるY信号
と、色系の信号処理系で色度信号を生成するのに用いら
れるY信号とを略同等の信号となるようにしているの
で、当該システムによって生成されるY信号と色度信号
とには矛盾を生じることなく、常に正しい色再現性を実
現することができるようになっている。
と色補正処理の関係に着目して、本実施形態を説明す
る。
理と色補正生成処理の関係を表わす表であって、本実施
形態の画像信号処理システムにおける処理と、従来の画
像信号処理システムにおける処理を併記するものであ
る。
処理システムにおける処理の一部を示し、(B)欄は、
従来の画像信号処理システムにおける処理の一部を示し
ている。
理システムにおいては、CCD10の出力信号を入力デ
ータとし、これについて、まず同時化・色補正部21に
おいて同時化処理及び色補正処理を施した後、その処理
済み信号に基づいてRGBγ部23において、色系の信
号についてのγ補正処理を行なうように構成している
(図1及び表2(A)欄参照)。
ては、色系の信号についてのガンマ補正処理を実行した
後に生成された信号に基づいて色補正処理を行なうよう
に構成したものが、例えば特開平9−130816号公
報等によって開示されている(表2(B)欄参照)。
ムと従来の画像信号処理システムとの処理の相違を、表
2を用いて具体的に検討してみる。
信号又はこの出力信号ち実質的に等価なカラー画像信号
が、 R信号=100 G信号=20 B信号=30 である場合において、両システムによってガンマ補正処
理と色補正処理とが行なわれるものとする。
ては、表2の(B)欄に示すような演算結果が得られ
る。
CCD110の出力信号(カラー画像信号)を受けて所
定のガンマ補正処理を行なう。ここで、ガンマ補正処理
は、表2の(B)欄に示すように次式により求められ
る。
れ示す。この場合において、In(入力信号)はCCD
110の出力信号(カラー画像信号)である。また、ガ
ンマ補正係数γ=0.45とする。なお、ここで「^」
は累乗を表わすものとする。したがって、このガンマ補
正処理による処理結果は、 Out(R)=((In(R)/255)^0.45)×255 =((100/255)^0.45)×255 ≒167 Out(G)=((In(G)/255)^0.45)×255 =((20/255)^0.45)×255 ≒81 Out(B)=((In(B)/255)^0.45)×255 =((30/255)^0.45)×255 ≒97 となる。
理結果は、表2の(B)欄に示すように、 R信号=167 G信号=81 B信号=97 である。
て色補正処理を施す。ここで、色補正処理は、表2の
(B)欄に示すように式(6)〜式(8)を用いて行な
われる(図7も参照)。ここで、係数K1〜K9は、次
のように設定している。即ち、 K1=1.2 K2=−0.1 K3=−0.1 K4=−0.1 K5=1.2 K6=−0.1 K7=−0.1 K8=−0.1 K9=1.2 である。これにより、 R=1.2×167−0.1×81−0.1×97 ≒183 G=−0.1×167+1.2×81−0.1×97 ≒71 B=−0.1×167−0.1×81+1.2×97 ≒92 の色度信号を生成するための同時化された信号(さらに
色補正された信号)が得られることになる。
て、所定の非線型の入力対表示輝度の特性を有する表示
手段を用いて画像の再生表示を行なう。この表示の際に
は、上述の非線型の特性によって表示手段に供給する信
号に予め与えられていた非線型の特性が相殺されて適正
な表示が行なわれることになる。このような表示手段側
の特性がデ・ガンマ(deγ)特性である。このデ・ガ
ンマ特性は、例えば表2の(B)欄に示す次式のような
ものである。
れ示すのは、上述のガンマ補正処理と同様である。この
場合において、In(入力信号)は、上述の色補正処理
が施された後の色系の信号を含むカラー画像信号であ
る。また、デ・ガンマ係数deγ=2.22である。こ
れは、ガンマ補正係数γ=0.45の逆数である。な
お、ここで「^」は累乗を表わすものとする。したがっ
て、このデ・ガンマ特性によって、上記表示手段による
表示特性は、次の通りのものとなる。
理結果は、表2の(B)欄に示すように、 R信号=122 G信号=15 B信号=26 となる。このように、デ・ガンマ特性の影響を被った信
号は、ガンマ補正処理後の色系の信号とは異なる結果と
なることがわかる。
こで挙げた画像信号処理システムは、画像データを生成
する際に、ガンマ補正処理が施された信号について色補
正処理を施すシステムを構成しているが、これによって
生成された画像データに基づいて画像の再生表示を行な
うと、正確な色再現性を実現できないことになる。
において、CCD10からの出力信号又はこの出力信号
ち実質的に等価なカラー画像信号が、同様に R信号=100 G信号=20 B信号=30 である場合に、色補正処理とガンマ補正処理とが行なわ
れると、表2(A)欄に示すような演算結果が得られ
る。
では、図1に示すようにCCD10の出力信号(カラー
画像信号)を受けて同時化・色補正処理が行なわれる。
ここで、色補正処理は、表2の(A)欄に示すように式
(6)〜式(8)を用いて行なわれる(図7も参照)の
は、上述の従来のシステムと同様である。また、ここで
設定される係数K1〜K9も、上述の従来のシステムと
同様である。したがって、 R=1.2×100−0.1×20−0.1×30 ≒115 G=−0.1×100+1.2×20−0.1×30 ≒11 B=−0.1×100−0.1×20+1.2×30 ≒24 なる各信号が生成されることになる。
してRGBγ部23によるガンマ補正処理が施される。
この場合において、ガンマ補正処理は、表2の(A)欄
に示すように次式により求められる。
れ示す。この場合において、In(入力信号)は、上述
の色補正処理によって生成された信号(カラー画像信
号)である。また、ガンマ補正係数γ=0.45とす
る。なお、ここで「^」は累乗を表わすものとする。つ
まり、このガンマ補正処理自体は、上述の従来システム
と同様の処理である。
るガンマ補正処理による処理結果は、 Out(R)=((In(R)/255)^0.45)×255 =((115/255)^0.45)×255 ≒178 Out(G)=((In(G)/255)^0.45)×255 =((11/255)^0.45)×255 ≒62 Out(B)=((In(B)/255)^0.45)×255 =((24/255)^0.45)×255 ≒88 となる。
理結果は、表2の(A)欄に示すように、 R信号=178 G信号=62 B信号=88 である。
データに基づいて最適な形態の画像の再生表示が行なわ
れる場合、表示手段側では、自己に供給された画像デー
タは、表2(A)欄に例として示すデ・ガンマ特性の影
響を被っている。このデ・ガンマ特性は、次式で表わす
ものとなる。
れ示すのは、上述のガンマ補正処理と同様である。この
場合において、In(入力信号)は、上述の色補正処理
が施された後の色度信号を含むカラー画像信号である。
また、デ・ガンマ係数deγ=2.22である。なお、
ここで「^」は累乗を表わすものとする。このデ・ガン
マ特性自体は、上述の従来システムと同様の現象であ
る。したがって、このデ・ガンマ特性による影響は、 Out(R)=((In(R)/255)^2.22)×255 =((178/255)^2.22)×255 ≒115 Out(G)=((In(G)/255)^2.22)×255 =((62/255)^2.22)×255 ≒11 Out(B)=((In(B)/255)^2.22)×255 =((88/255)^2.22)×255 ≒24 となる。
理結果は、表2の(B)欄に示すように、 R信号=115 G信号=11 B信号=24 となる。このように、デ・ガンマ特性の影響を被った色
度信号は、上述の色補正処理後の信号と全く同じ結果と
なることがわかる。
ムは、画像データを生成する際に、色系の信号について
の色補正処理をガンマ補正処理よりも以前の段階で実行
するようにシステムを構成しており、これによって生成
された画像データに基づいて画像の再生表示を行なった
場合には、正確な色再現性を実現することができるよう
になっている。
ステムでは、再生表示を行なった場合の画像の色の状態
を、画像データを生成した際に予め予想し得ることが容
易であることがわかる。したがって、再生表示を行なう
際の画像を考慮した色補正処理を、単純な線形処理によ
って行なうことが容易となるという利点がある。
テムでは、そのY信号処理系において、コアリング処理
よりも以前の段階でY信号についてのガンマ補正処理を
行なうようにしているのは図1に示す通りである。
処理システムにおけるY信号処理系の処理の流れを、以
下に説明する。
信号)は、Yγ部11へと入力される。この入力信号に
基づいてYγ部11は、Y信号についてのガンマ補正処
理を行なう。
ムにおけるガンマ補正処理の処理結果を表わす図であ
る。この図9において、縦軸にはノイズ量を、横軸には
入射光量、即ち画像の明るさ(画像明度)を表わしてい
る。
施すことによって、Yγ部11への入力信号(CCD1
0の出力信号)のノイズ量は、画像明度に関らず略一定
量となる。
てエッジ強調処理が施される。この場合において、エッ
ジ強調処理は、LPF部13において行なわれる。この
エッジ強調処理による処理結果は、図10によって表わ
される。
テムにおけるエッジ強調処理の処理結果を表わす図であ
る。この図10においても、縦軸にはノイズ量を、横軸
には入射光量、即ち画像の明るさ(明度)を表わしてい
る。
を施した後の画像信号全体に含まれるノイズ量は、処理
前の画像信号に比べて全体的に増加している。
信号に基づいてコアリング処理が実行れる。
テムにおけるコアリングスレッシュレベルの設定値を表
わす図である。この図11においても、縦軸にはノイズ
量を、横軸には入射光量(画像明度)を表わしている。
ては、コアリングスレッシュレベルを、図11における
点線で示すように設定している。この場合においては、
画像明度に関らず略一定量のコアリングスレッシュレベ
ル|a|を設定することができることになる。したがっ
て、本実施形態の場合には、上述したように対象となる
信号に含まれるノイズ量は略一定量となっているので、
略全てのノイズ成分を除去し得るようにコアリングスレ
ッシュレベル|a|を設定している。これにより、画像
明度に関らずノイズ成分が強調されることがなく、その
結果、コアリング処理を施した後の信号は、図12に示
すように画像明度に関らず略全てのノイズ成分を除去し
た信号、即ちノイズ量≒0の信号が生成されることにな
る。
テムにおけるコアリング処理の処理結果を表わす図であ
る。この図12においても、縦軸はノイズ量を、横軸は
入射光量(画像明度)を表わしている。
よれば、Y信号処理系と色度信号処理系とを各別の処理
系で構成するようにしたので、例えば色度信号処理系に
おける帯域制限用のLPF部22を狭い帯域に設定する
ことができる。したがって、これにより、別処理系で生
成される輝度信号(Y信号)に影響を与えることなく、
常に良好なS/N比を有する色度信号(C信号)を生成
することができる画像信号処理システム及びこれを適用
したカメラを提供することができる。
においては、Y信号処理系で生成されるY信号と、色度
信号処理系で色度信号を生成するのに用いられるY信号
とを略同等の信号となるようにしているので、当該シス
テムによって生成されるY信号と色度信号とは矛盾を生
じることなく、常に正しい色再現性を実現し得る処理と
することができる。
は、Y信号に関するガンマ補正処理をY信号生成処理以
前に行なうようにしているので、Yγ部11とRGBγ
部23とにおけるガンマ特性を略同等に設定すれば、生
成される広帯域Y信号と色度信号(CrCb)との成分
に矛盾を生ぜしめることなく、加算処理を行なうことが
できる。
ムにおいては、色補正処理をRGBγ部におけるガンマ
補正処理を行なう以前の段階で実行するようにしている
ので、最終的に画像を表示する際の表示画像を考慮した
色補正処理を行なうことができる。
Y信号処理系においてコアリング処理を実行する以前の
段階でガンマ補正処理を実行するようにしているので、
画像明度に関らず略一定量のコアリングスレッシュレベ
ルを設定することができるので、略全てのノイズ成分の
除去を行なうことができると同時に、低輝度領域におけ
る画像解像度の不足を解消することが容易にできる。
素子(CCD10)の出力信号を原色系(RGB)のカ
ラー画像信号として説明しているが、これに限らず、例
えば補色系のカラー画像信号を出力する撮像素子を用い
た場合にも、全く同様に本発明を適用することは容易に
できる。
素子によって取得した画像信号に基づいて行なわれる各
種の信号処理を工夫することで良好な画像データを生成
することのできる画像信号処理システムと、この画像信
号処理システムを適用するカメラを提供することができ
る。
画像信号処理システムの概略を示すブロック構成図。
る色フイルタアレイの配列を示す図。
ンマ補正処理の概念を示す図。
の座標を示す図。
出用の空間フイルタ(HPF)のHPF係数を示す図。
グ処理の概念を示す図。
理の概念を示す図。
用の空間フイルタ(LPF)のLPF係数を示す図。
正処理の処理結果を表わす図。
強調処理の処理結果を表わす図。
ングスレッシュレベルの設定値を表わす図。
ング処理の処理結果を表わす図。
信号処理システムの概略を示すブロック構成図。
信号処理システムの他の例を示すブロック構成図。
エッジ強調処理の処理結果を表わす図。
コアリングスレッシュレベルの設定値を表わす図。
コアリング処理の処理結果を表わす図。
ガンマ補正処理の処理結果を表わす図。
補正処理手段) 12・112……Y信号生成部(輝度信号生成部;輝度
信号生成手段) 13・113……ハイパスフイルタ部(HPF部:エッ
ジ抽出用の帯域制限手段) 14・114……エッジ強調度変更部(エッジ強調処理
手段) 15・115……コアリング部(コアリング処理手段) 16・116……加算器 21・121……同時化・色補正部(色補正処理手段) 22・122……ローパスフイルタ部(LPF部;帯域
制限手段) 23・123……色ガンマ補正部(RGBγ部;第2の
ガンマ補正処理手段) 24・124……CrCb生成部(色度信号生成手段) 125……YCrCb生成部(色度信号生成手段) 31・131……JPEG圧縮部
Claims (11)
- 【請求項1】 撮像素子の出力にガンマ変換処理を施
す第1のガンマ変換処理手段とこの第1のガンマ変換処
理手段の出力に基づいて輝度系の信号を生成する輝度信
号生成手段との各手段を含んでなる第1の信号処理系統
と、 上記撮像素子の出力であって上記ガンマ変換処理が施さ
れていない出力に基づいて色系の信号を生成する色信号
生成手段を含んでなる第2の信号処理系統と、を備えて
なることを特徴とするカメラ。 - 【請求項2】 上記第2の信号処理系統は、上記色系
の信号として色差信号を生成するように構成されたもの
であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 【請求項3】 上記第1の信号処理系統は、上記第1
のガンマ変換処理手段よりも後段に、エッジ強調処理手
段とコアリング処理手段とを備えたものであることを特
徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 【請求項4】 上記第2の信号処理系統は、自己の信
号伝送経路中に色補正処理を行なう色補正処理手段と該
色補正処理手段よりも後段にガンマ変換処理を行なう第
2のガンマ変換処理手段とが介挿されて構成されたもの
であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 【請求項5】 上記第2の信号処理系統は、上記第1
の信号処理系統とは独立の帯域制限手段を備えたもので
あることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 【請求項6】 上記第1の信号処理系統及び第2の信
号処理系統はデジタル方式のシステムとして構築された
ものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 【請求項7】 撮像面側に所定形式のカラーフイルタ
を備えた撮像素子からの出力信号乃至該撮像素子の出力
と実質的に等価なカラー撮像信号の供給を受けるように
設けられた入力端部と、 上記入力端部から供給された信号にガンマ変換処理を施
す第1のガンマ変換処理手段とこの第1のガンマ変換処
理手段の出力に基づいて輝度系の信号を生成する輝度信
号生成手段との各手段を含んでなる第1の信号処理系統
と、 上記撮像素子の出力であって上記ガンマ変換処理が施さ
れない出力に基づいて色系の信号を生成する色信号生成
手段を含んでなる第2の信号処理系統と、 を備えてなることを特徴とする画像信号処理システム。 - 【請求項8】 上記第1の信号処理系統は、上記第1
のガンマ変換処理手段よりも後段にエッジ強調処理手段
とコアリング処理手段とを備えたものであることを特徴
とする請求項7に記載の画像信号処理システム。 - 【請求項9】 上記第2の信号処理系統は、自己の信
号伝送経路中に、色補正処理を行なう色補正処理手段と
該色補正処理手段よりも後段にガンマ変換処理を行なう
第2のガンマ変換処理手段とが介挿されて構成されたも
のであることを特徴とする請求項7に記載の画像信号処
理システム。 - 【請求項10】 上記第2の信号処理系統は、上記第
1の信号処理系統とは独立の帯域制限手段を備えたもの
であることを特徴とする請求項7に記載の画像信号処理
システム。 - 【請求項11】 上記第1の信号処理系統及び第2の
信号処理系統はデジタル方式のシステムとして構築され
たものであることを特徴とする請求項7に記載の画像信
号処理システム。
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