JP6784643B2 - 映像信号変換装置およびそのプログラム、ならびに、映像表示装置 - Google Patents
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Description
それに対し、国際電気通信連合無線通信部門(ITU−R)の勧告BT.2100において、HDR映像方式として規定された方式のうちの1つであるHLG(Hybrid Log-Gamma)方式では、RGBの各色成分から算出した輝度成分にガンマ処理を適用するように変更されている(非特許文献1参照)。
従来、このような一体化番組制作のため、SDR映像とHDR映像とを同時に撮像可能なカメラシステムが存在する(特許文献1〜3等参照)。
このカメラシステムは、撮像した映像信号に対して、HDRの光−電気伝達関数(OETF:Opto-Electronic Transfer Function)により、低輝度部と高輝度部とで特性の異なるHDRの映像信号に変換する。
また、従来のカメラシステムは、撮像した映像信号に対して、ニー(KNEE)等の圧縮処理を行い、SDRの光−電気伝達関数(ガンマ特性)によりSDRの映像信号に変換する。
放送番組等の映像制作においては、同一被写体を撮像したHDRの映像とSDRの映像とで、輝度の再現範囲は異なっても、中間階調以下の色再現性の差を小さくしたいという要望がある。
そして、映像信号変換装置は、階調変換手段によって、逆光電変換手段で変換された第1信号を、ガンマ処理をRGBの各色成分に適用した映像で表示させる第2信号に階調変換する。
これによって、階調変換手段は、
そして、映像信号変換装置は、光電変換手段によって、光−電気伝達関数(OETF)により、階調変換手段で変換された第2信号をHLG方式の映像信号に変換する。
これによって、HLG方式の映像信号が、ガンマ処理をRGBの各色成分に適用した映像信号となる。
また、光電変換手段は、光−電気伝達関数により、第2信号とHLG方式の映像信号とを予め対応付けた1次元のルックアップテーブルを参照して、第2信号をHLG方式の映像信号に変換することとしてもよい。
また、映像信号変換装置は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるための映像信号変換プログラムにより動作させることができる。
そして、映像表示装置は、階調変換手段によって、逆光電変換手段で変換された第1信号を、ガンマ処理をRGBの各色成分に適用した映像で表示させる第2信号に階調変換する。
そして、映像表示装置は、輝度成分ガンマ処理手段によって、HLG方式の光−光伝達関数(OOTF:Opto-Optical Transfer Function)の特性で、第2信号を表示光に変換する。
これによって、映像表示装置は、HLG方式の映像信号を、ガンマ処理をRGBの各色成分に適用した映像信号に変換し、表示することができる。
本発明によれば、同一被写体を撮像したHLG方式のHDRの映像とSDRの映像とで、輝度の再現範囲が異なっても、中間階調以下の色再現性の差を小さくすることが可能になる。これによって、本発明は、一体化番組制作を行っても、HDR表示装置とSDR表示装置とで、中間階調以下の映像の色合いや階調表現をほぼ同じにすることができる。
≪第1実施形態:映像信号変換装置≫
<映像信号変換装置の概要>
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る映像信号変換装置1の概要について説明する。
例えば、映像信号変換装置1は、図1に示すように、撮像装置Cと、HDR表示装置2と、SDR表示装置3とともに撮像システムSを構成する。
図1に示す撮像システムSは、一体化番組制作を行うシステムである。
これによって、映像信号変換装置1は、HDR映像を、ガンマ処理をRGBの各色成分に適用した映像でHDR表示装置2に表示させることができ、SDR表示装置3が表示する映像と、中間階調以下の色再現性の差を小さくすることができる。
次に、図2および図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る映像信号変換装置1の構成について説明する。
図2は映像信号変換装置1の概略ブロック構成図であり、図3は映像信号変換装置1の階調変換手段の構成をさらに詳細に示すブロック構成図である。
図2に示すように、映像信号変換装置1は、逆光電変換手段10と、階調変換手段20と、光電変換手段30と、を備える。
逆光電変換手段10は、HDRの撮像装置C(図1参照)で行われるHLG方式の光−電気伝達関数(OETF)の逆関数(OETF−1)の演算を行うことで、HLG方式の映像信号E′を撮像装置Cが撮像するシーン光に対応する信号Eに変換する。
具体的には、逆光電変換手段10は、以下の式(1)により、色信号ごとに、映像信号E′={E′R,E′G,E′B}をシーン光に対応する信号E={ER,EG,EB}に変換する。
逆光電変換手段10は、変換後の信号Eを、階調変換手段20に出力する。
この第1ガンマ処理手段21で使用するガンマ値γ1は、色再現性を補正する前のHLG方式の映像信号E′を表示する対象となるHDR表示装置(第1表示装置)のガンマ値であって、固定の値“1.2”とする。
具体的には、第1ガンマ処理手段21は、以下の式(2)により、信号Eのそれぞれの色信号{ER,EG,EB}に対して、γ1のべき乗演算を行い、色信号{RD,RD,RD}を生成する。
輝度算出手段22は、算出した輝度成分YDを傾き比乗算手段23に出力する。
この傾きの比(α1/α2)は、予め固定に設定しておいてもよいし、外部から設定可能であってもよい。
なお、HDR映像を表示するHDR表示装置のピーク輝度が同じであれば、α1=α2である。
この第2ガンマ処理手段24で使用するガンマ値γ2は、映像信号変換装置1を介して色再現性を補正した映像信号を表示する対象となるHDR表示装置2(第2表示装置:図1参照)の光−光伝達関数(OOTF)で用いるガンマ値である。
具体的には、第2ガンマ処理手段24は、以下の式(5)により、輝度成分YDαに対して、(1−γ2)/γ2のべき乗演算を行い、補正輝度成分YXを生成する。
具体的には、ガンマ処理結果乗算手段26は、以下の式(6)により、式(4)で生成された色信号{RDα,RDα,RDα}のそれぞれに、式(5)で生成された補正輝度成分YXを乗算することで、色信号{ECR,ECG,ECB}から構成される信号ECを生成する。
このガンマ処理結果乗算手段26は、信号EC={ECR,ECG,ECB}を光電変換手段30に出力する。
以上の構成によって、階調変換手段20は、信号E={ER,EG,EB}から、階調変換した信号EC={ECR,ECG,ECB}を生成する。
この階調変換手段20が行う階調変換の処理は、以下の式(7)の演算を行うことと同じである。
具体的には、光電変換手段30は、以下の式(8)により、色信号ごとに、信号EC={ECR,ECG,ECB}をHLG方式の映像信号E′C={E′CR,E′CG,E′CB}に変換する。
光電変換手段30は、変換後の映像信号E′Cを、外部(図1の場合、HDR表示装置2)に出力する。
なお、映像信号変換装置1は、コンピュータを前記した手段として機能させるための階調変換プログラムで動作させることができる。
これによって、映像信号変換装置1は、一体化番組制作を行う場合でも、HLG映像とSDR映像との中間階調以下における色再現性の差を小さくすることができる。
ここで、図4を参照して、図3で説明した映像信号変換装置1の構成で、所望の階調変換が可能な理由、すなわち、式(7)の根拠について説明する。
HLG方式のHDR映像方式では、図4(a)に示すように、HDR(HLG方式)の撮像装置Cにおいて、光−電気伝達関数(OETF)により、シーン光Lsを電気信号(映像信号E′)に変換する。
また、HDR表示装置2において、光−電気伝達関数(OETF)の逆関数(OETF−1)と光−光伝達関数(OOTF)とにより、電気信号(映像信号E′)を表示光Ldに変換する。このHDR表示装置2における光−光伝達関数(OOTF)は、輝度成分に対してガンマ処理を適用している。図4(a)では、輝度成分(Y)に対してガンマ(γ)処理を行うOOTFを、OOTF(Yγ)で示している。
処理A1は、HDR(HLG方式)の撮像装置Cにおける光−電気伝達関数(OETF)の逆関数(OETF−1)により、映像信号E′をシーン光に対応する信号Eに変換する処理である。この処理A1は、逆光電変換手段10で行う前記式(1)に相当する。
処理A2は、光−光伝達関数(OOTF)により、信号Eを、RGBの各色成分に対してガンマ処理した表示光に対応する信号FDに変換する処理である。図4(b)では、RGBの各色成分にガンマ(γ)処理を適用するOOTFを、OOTF(RGBγ)で示している。
このOOTF(RGBγ)は、シーン光に対応する信号E={ER,EG,EB}に対して、以下の式(9)の演算を行うことで、表示光に対応する信号FD={RD,GD,BD}に変換する。
処理A3は、光−光伝達関数(OOTF)の逆関数(OOTF−1)により、表示光に対応する信号FDを、輝度成分に逆ガンマ処理した信号ECに変換する処理である。図4(b)では、輝度成分(Y)に逆ガンマ(γ)処理を行うOOTF−1を、OOTF−1(Yγ)で示している。
このOOTF−1(Yγ)は、表示光に対応する信号FD={RD,GD,BD}に対して、以下の式(10)の演算を行うことで、シーン光に対応する信号EC={ECR,ECG,ECB}に変換する。
処理A4は、HDR(HLG方式)の撮像装置Cにおける光−電気伝達関数(OETF)により、シーン光に対応する信号ECを映像信号E′Cに変換する処理である。この処理A4は、光電変換手段30で行う前記式(8)に相当する。
本発明では、前記した処理A2および処理A3を簡略化する。
すなわち、本発明では、前記式(9)の黒の輝度レベルであるβを“0”とみなす。すると、前記式(9)は以下の式(11)となる。
以上説明したように、映像信号変換装置1は、HLG方式の映像信号に対して、HDR表示装置で行う輝度成分に対するガンマ処理の逆ガンマ処理を予め行い、RGBの各色成分に対するガンマ処理を行うことと同じ動作を実現する。
次に、図5を参照(構成については適宜図3参照)して、本発明の第1実施形態に係る映像信号変換装置1の動作について説明する。
図3に示すように、映像信号変換装置1は、逆光電変換手段10によって、HLG方式の映像信号E′を順次入力し、HLG方式の光−電気伝達関数(OETF)の逆関数(OETF−1)である前記式(1)により、シーン光に対応する信号Eに逆光電変換する(ステップS1)。
そして、映像信号変換装置1は、映像信号が入力される間(ステップS9でYes)、ステップS1に戻って動作を継続する。一方、映像信号変換装置1は、映像信号の入力がなくなった段階(ステップS9でNo)で、動作を終了する。
以上、本発明の実施形態に係る映像信号変換装置1の構成および動作について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
映像信号変換装置1は、変換前の映像信号E′と変換後の映像信号E′Cとが、ピーク輝度が異なる表示装置を対象とした映像信号であることを想定した構成である。
しかし、このピーク輝度は、例えば、1000cd/m2で同じにしてもよい。この場合、階調変換手段20に入力される信号Eの傾きα1と、階調変換手段20で変換後の信号ECの傾きα2とが同じ(α1=α2)になる。また、γ1=γ2(=1.2)となる。
すなわち、図6に示すように、逆光電変換手段10と、傾き比乗算手段23を省略した階調変換手段20Bと、光電変換手段30と、を備える映像信号変換装置1Bとして構成してもよい。
この図6に示す映像信号変換装置1Bの階調変換手段20Bが行う階調変換の処理は、前記式(7)の代わりに、以下の式(15)に示す簡略化した演算を行うことと同じである。
映像信号変換装置1,1Bは、逆光電変換手段10および光電変換手段30において、ぞれぞれ、前記式(1)および前記式(8)の演算を行うこととした。
しかし、逆光電変換手段10および光電変換手段30は、ルックアップテーブルを参照して、変換を行うこととしてもよい。
映像信号変換装置1Cは、逆光電変換手段10Bと、階調変換手段20と、光電変換手段30Bと、第1LUT記憶手段40と、第2LUT記憶手段50と、を備える。
階調変換手段20は、図3で説明した映像信号変換装置1の構成と同じものであるため、説明を省略する。なお、階調変換手段20は、図6で説明した階調変換手段20Bとしてもよい。
例えば、10bitで階調を表現する場合、“0”から“1023”までのコード値(データ数は1024個)で、RGBの各色の組合せ総数は230通りとなる。このときのデータ容量は、230通り×10bit×RGB3値の約40GBとなり、メモリ上に保持するLUTの容量としては現実的でない。
しかし、映像信号変換装置1Cは、すべての組合せを網羅しても、2組の1D−LUTのデータ容量は、1024通り×10bit×2組の約45KBで済む。
また、映像信号変換装置1Cは、階調変換手段20を加乗算処理のみで実現することができる。
なお、映像信号変換装置1B,1Cも、コンピュータを前記した手段として機能させるための階調変換プログラムで動作させることができる。
図1に示すように、映像信号変換装置1は、撮像装置CとHDR表示装置2との間に備えられ、映像信号の階調を変換するものであった。しかし、映像信号変換装置1の処理を、HDR表示装置2の内部に組み込んでも構わない。
図8に、映像信号変換装置1の処理を、HDR表示装置2の内部に組み込んだ本発明の第2実施形態に係る映像表示装置100の構成を示す。
図8に示すように、映像表示装置100は、逆光電変換手段10と、階調変換手段20と、輝度成分ガンマ処理手段60と、を備える。
逆光電変換手段10および階調変換手段20は、図1で説明した映像信号変換装置1の構成と同じであるため、説明を省略する。また、階調変換手段20は、図6で説明した階調変換手段20Bとしてもよい。
なお、この場合、階調変換手段20で使用するα2およびγ2は、映像表示装置100を表示対象とする信号の傾きおよびガンマ値である。
このように映像表示装置100を構成することで、映像表示装置100は、HDR(HLG方式)の映像を、輝度の再現範囲は異なっても、中間階調以下の色再現性において、SDRの映像との差が小さい映像に変換して表示することができる。
10 逆光電変換手段
20 階調変換手段
21 第1ガンマ処理手段
22 輝度算出手段
23 傾き比乗算手段
24 第2ガンマ処理手段
25 記憶手段
26 ガンマ処理結果乗算手段
30 光電変換手段
40 第1LUT記憶手段
50 第2LUT記憶手段
60 輝度成分ガンマ処理手段
100 映像表示装置
Claims (4)
- HLG方式の映像信号の色再現性を補正する映像信号変換装置であって、
前記HLG方式の光−電気伝達関数の逆関数により、前記HLG方式の映像信号をシーン光に対応する第1信号に変換する逆光電変換手段と、
前記逆光電変換手段で変換された第1信号を、ガンマ処理をRGBの各色成分に適用した映像で表示させる第2信号に階調変換する階調変換手段と、
前記光−電気伝達関数により、前記階調変換手段で変換された第2信号を前記HLG方式の映像信号に変換する光電変換手段と、を備え、
前記階調変換手段は、
前記HLG方式の映像信号を表示対象とする第1表示装置のガンマ値をγ1、前記第1表示装置の正規化したピーク輝度をα1、前記色再現性を補正した映像信号を表示対象とする第2表示装置のガンマ値をγ2、前記第2表示装置の正規化したピーク輝度をα2、RGBの色ごとの輝度寄与率をCR,CG,CBとし、色信号{ER,EG,EB}で構成される前記第1信号Eを、
- HLG方式の映像信号の色再現性を補正する映像信号変換装置であって、
前記HLG方式の光−電気伝達関数の逆関数により、前記HLG方式の映像信号とシーン光に対応する第1信号とを予め対応付けた1次元のルックアップテーブルを参照して、前記HLG方式の映像信号を前記第1信号に変換する逆光電変換手段と、
前記逆光電変換手段で変換された第1信号を、ガンマ処理をRGBの各色成分に適用した映像で表示させる第2信号に階調変換する階調変換手段と、
前記光−電気伝達関数により、前記第2信号と前記HLG方式の映像信号とを予め対応付けた1次元のルックアップテーブルを参照して、前記第2信号を前記HLG方式の映像信号に変換する光電変換手段と、を備え、
前記階調変換手段は、
前記HLG方式の映像信号を表示対象とする第1表示装置のガンマ値をγ1、前記第1表示装置の正規化したピーク輝度をα1、前記色再現性を補正した映像信号を表示対象とする第2表示装置のガンマ値をγ2、前記第2表示装置の正規化したピーク輝度をα2、RGBの色ごとの輝度寄与率をCR,CG,CBとし、色信号{ER,EG,EB}で構成される前記第1信号Eを、
- コンピュータを、請求項1または請求項2に記載の映像信号変換装置として機能させるための映像信号変換プログラム。
- HLG方式の映像信号の色再現性を補正して表示する映像表示装置であって、
前記HLG方式の光−電気伝達関数の逆関数により、前記HLG方式の映像信号をシーン光に対応する第1信号に変換する逆光電変換手段と、
前記逆光電変換手段で変換された第1信号を、ガンマ処理をRGBの各色成分に適用した映像で表示させる第2信号に階調変換する階調変換手段と、
前記HLG方式の光−光伝達関数により、前記第2信号を表示光に変換する輝度成分ガンマ処理手段と、を備え、
前記階調変換手段は、
前記HLG方式の映像信号を表示対象とする第1表示装置のガンマ値をγ1、前記第1表示装置の正規化したピーク輝度をα1、前記色再現性を補正した映像信号を表示対象とする第2表示装置のガンマ値をγ2、前記第2表示装置の正規化したピーク輝度をα2、RGBの色ごとの輝度寄与率をCR,CG,CBとし、色信号{ER,EG,EB}で構成される前記第1信号Eを、
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