JP2004120487A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタルカメラ等の撮像装置において、装置コストや、装置サイズを増大することなく輪郭における色滲みを少なくする。
【解決手段】撮像レンズ10を通して被写体1Aの像をCCD素子20で撮像してこの被写体1Aを示すカラー画像データを画像メモリ30に記憶させる。このカラー画像データの色成分毎に示される画像の輪郭ER、輪郭EG、および輪郭EBにおけるボケを減少させるように、モード設定変更部60の操作によってγ補正を実行する輪郭強調処理部40に色成分毎の補正レベルの値R1、値G1および値B1を設定する。輪郭強調処理部40によりカラー画像データの色成分毎に輪郭ボケ補正を施して色滲みを減少させた画像F1を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】撮像レンズ10を通して被写体1Aの像をCCD素子20で撮像してこの被写体1Aを示すカラー画像データを画像メモリ30に記憶させる。このカラー画像データの色成分毎に示される画像の輪郭ER、輪郭EG、および輪郭EBにおけるボケを減少させるように、モード設定変更部60の操作によってγ補正を実行する輪郭強調処理部40に色成分毎の補正レベルの値R1、値G1および値B1を設定する。輪郭強調処理部40によりカラー画像データの色成分毎に輪郭ボケ補正を施して色滲みを減少させた画像F1を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関し、被写体を撮像してこの被写体を表すカラー画像データを取得する撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撮像レンズを通して被写体を撮像し、この被写体のカラー画像を表すカラー画像データを取得するデジタルカメラが知られている。
【0003】
上記カラー画像データにより表されるカラー画像の輪郭(エッジ)には、本来存在しない色(色滲み)が発生することがあり、特に高い像高の画像領域(周辺部)や輝度が飽和した画像領域にある輪郭でこの色滲みが大きくなることが知られている。
【0004】
上記色滲みは主に撮像レンズの色収差に起因するものであり、例えば、撮像レンズの性能を示すスポットダイアグラムの分布形状が色成分毎に異なる場合には、この撮像レンズを通して被写体を撮像面上に結像させたときに上記色成分毎の輪郭におけるボケの大きさが異なるために、これらのボケの重なりがカラー画像に色滲みとなって現れる。特に、輝度が飽和した画像領域近傍の輪郭におけるボケは大きく広がり、上記輪郭におけるボケの大きさの違いが強調されて色滲みが顕著に現れる。
【0005】
なお、カラー画像データに対して輪郭を強調する際に、被写体の空間周波数、すなわち画像の細かさに応じて輪郭の強調度合いを変更し、人間の顔や手などの肌色部分の解像感が損なわれないようにしてカラー画像の品質を高める撮像装置(例えば、特許文献1参照)が知られているが、この装置では上記のような色滲みを減少させることはできない。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−51634号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の撮像素子の画素数の増大(例えば400万画素)によるデジタルカメラの解像力の向上により、取得されたカラー画像における輪郭の色滲みが目立つようになり、この色滲みを抑えたいという要請がある。
【0008】
しかしながら、輪郭における色滲みを撮像レンズの改良により抑えようとすると、レンズ枚数の増加等によって撮像装置全体の寸法が大きくなるとともに、装置コストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置コストを増大させたり、装置サイズを大きくすることなく輪郭における色滲みを抑えることができる撮像装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、被写体を撮像してこの被写体を示すカラー画像を表すカラー画像データを取得する撮像装置において、カラー画像データの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる補正を、このカラー画像データの色成分のうちの少なくとも1つに施す輪郭強調手段を備え、輪郭における色滲みを減少することを特徴とするものである。
【0011】
前記輪郭強調手段は、補正をカラー画像データの色成分のうちの2つ以上に施す際に、少なくとも2つ以上の前記色成分に対して互いに異なる補正レベルで補正を施すものとすることができる。例えば、色成分が赤色、緑色および青色(RGB)である場合に、全ての色成分が互いに異なる補正レベルとなるように色成分毎に補正レベルを変えて補正を施したり、あるいは、赤色および緑色(RG)成分が同じ補正レベルで青色(B)成分がそれとは異なる補正レベルとなるようにして補正を施すことができる。
【0012】
前記輪郭強調手段は、より高い像高において、より高い補正レベルにより補正を施すものとしたり、また、輝度差がより大きい輪郭を示すカラー画像データの色成分に対して、より大きい補正レベルにより補正を施したり、あるいは、輝度がより大きい輪郭を示すカラー画像データの色成分に対して、より大きい補正レベルにより補正を施したりすることができる。
【0013】
なお、前記輪郭における輝度差としては、例えば、カラー画像データの色成分毎に示される画像の輪郭を間に挟んで両側に位置する2つの領域が示す色成分毎の輝度の差を採用することができる。
【0014】
また、前記輪郭における輝度としては、例えば、カラー画像データの色成分毎に示される画像中の2つの領域の間に挟まれた輪郭における最も大きな輝度を採用することができる。
【0015】
前記輪郭補正手段は、γ補正手段とすることができる。また、この輪郭強調手段は、カラー画像データの色成分毎に個別に上記色成分毎の画像の輪郭におけるボケを減少させる補正を行なうものとすることが好ましい。
【0016】
前記輪郭強調手段は、色成分毎に示される画像の輪郭のうち、最も大きくボケた輪郭を示すカラー画像データの色成分に対してのみ補正を施すものとすることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の撮像装置によれば、カラー画像データの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる補正を、このカラー画像データの色成分のうちの少なくとも1つに施す輪郭強調手段を備え、輪郭における色滲みを減少するようにしたので、レンズ枚数の増加などによる装置コストや装置サイズの増大を抑えて、輪郭における色滲みを抑えることができる。
【0018】
例えば、カラー画像データ(以下画像データという)の色成分が、赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データで構成され、上記色成分のうちの青色チャンネル画像データで示される画像の輪郭におけるボケが、赤色および緑色チャンネル画像データで示される画像の輪郭におけるボケに比して大きい場合には、この画像データに基づいて表示されたカラー画像の輪郭が青色に色づくことになる。これを解決するために、青色チャンネル画像データに対して、輪郭におけるボケを減少させる補正レベルをより高めて上記補正を施すようにすれば、画像データの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを全体的に小さくすることができるとともに、青色チャンネル画像データで示される画像の輪郭におけるボケの大きさと赤色および緑色チャンネル画像データで示される画像の輪郭におけるボケの大きさとの差を小さくすることができ上記輪郭における色滲みを減少させることができる。
【0019】
また、輪郭強調手段を、被写体を撮像する際により高い像高において撮像された領域(画像の周辺部)における輪郭を表す画像データの色成分に対して、上記輪郭におけるボケを減少させる補正レベルをより高めて補正を施すものとすれば、高い像高において色滲みの大きさをより小さくすることができ、カラー画像データの色成分毎に示される画像の輪郭における色滲みをより抑えることができる。
【0020】
さらに、輪郭強調手段を、輝度差がより大きい輪郭を示す画像データの色成分に対して、上記輪郭におけるボケを減少させる補正レベルをより高めて補正を施すものとすれば、輝度差が大きい輪郭において色滲みの大きさをより小さくすることができ、画像データの色成分毎に示される画像の輪郭における色滲みをより抑えることができる。
【0021】
また、輪郭強調手段を、輝度がより大きい輪郭を示す画像データの色成分に対して、上記補正レベルをより高めて補正を施すものとすれば、輝度が大きい輪郭において色滲みの大きさをより小さくすることができ、色滲みをより抑えることができる。なぜなら、一般的に画像中の輝度が高い領域においては輪郭の輝度差が大きくなり輪郭におけるボケも大きくなるからである。さらに、例えば、輝度が飽和している領域の周辺では、一般に輪郭における輝度差が特に大きくなり、輪郭におけるボケが非常に大きくなって色滲みが顕著に表れるので、輝度が飽和している領域の周辺の輪郭に対してのみ上記補正レベルを高めるようにしたり、輝度が飽和している領域の周辺の輪郭に対してのみ上記補正を施すようにしても、色滲みを実質的に抑えることができる。
【0022】
なお、輪郭強調手段を、色成分毎の輪郭のうち、最も大きくボケた輪郭を示す画像データに対してのみ補正を施すようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態によるデジタルカメラ100の概略構成を示す図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施の形態による撮像装置であるデジタルカメラ100は、被写体1の像を結像させる撮像レンズ10、撮像レンズ10を通して結像された被写体1の像をRGB原色フィルタ15を通して受光し光電変換するCCD素子20、光電変換されてCCD素子20から出力された画像データをデジタル値からなる画像データに変換するA/D変換器25、デジタル値に変換された画像データの色成分である、赤色チャンネル画像データ、緑色チャンネル画像データ、および青色チャンネル画像データそれぞれを記憶する赤色画像メモリ31、緑色画像メモリ32、および青色画像メモリ33からなる画像メモリ30、画像メモリ30から画像データの各色成分を入力し、これらの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる輪郭ボケ補正を、上記色成分のうちの少なくとも1つに施す輪郭強調手段である輪郭強調処理部40、輪郭ボケ補正が施された画像データを輪郭強調処理部40から入力し、この画像データを映像信号に変換して出力する映像信号出力部45、および映像信号出力部45から出力された映像信号に基づいて画像を表示する液晶表示部50を備えている。なお、ここでは輪郭強調処理部40を上記画像データの3つの色成分に対して個別に輪郭ボケ補正を施すものとする。
【0025】
上記輪郭強調処理部40は、より高い像高において、より大きいボケ補正レベルにより輪郭ボケ補正を施したり、輝度差がより大きな輪郭におけるボケを示す画像データの色成分に対して、上記ボケ補正レベルをより高めて輪郭ボケ補正を施したりするように、輪郭ボケ補正の補正モードの設定が可能である。この輪郭ボケ補正の補正モードの設定は、モード設定変更部60の操作により作成された信号を輪郭強調処理部40に出力することにより行なわれる。
【0026】
撮像レンズ10は、この撮像レンズ10のレンズ設計上の性能示すスポットダイアグラムにおいて、青色光に対するスポットダイアグラムの分布形状が、赤色光および緑色光に対するスポットダイアグラムの分布形状より広い範囲に広がり、赤色光および緑色光に対するスポットダイアグラムの分布形状が略等しくなる特性を有している。
【0027】
次に上記実施の形態における作用について説明する。
【0028】
撮像レンズ10およびRGB原色フィルタ15を通してCCD素子20で光電変換された被写体1の画像を表す画像データがCCD素子20から出力される。CCD素子20から出力された画像データは、A/D変換器25によってデジタル値からなる画像データに変換され、画像データの色成分毎に画像メモリ30に記憶される。すなわち画像データの色成分である赤色チャンネル画像データ、緑色チャンネル画像データ、および青色チャンネル画像データが、それぞれ赤色画像メモリ31、緑色画像メモリ32、および青色画像メモリ33に記憶される。
【0029】
輪郭強調処理部40は、画像メモリ30から画像データの各色成分(赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データ)を入力し、色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる輪郭ボケ補正をそれぞれの画像データに対して施し、上記色成分毎に示される画像の輪郭における色滲みを減少させた補正済の画像データを出力する。
【0030】
輪郭強調処理部40から出力された補正済みの画像データは液晶表示部45に入力され、この画像データに基づくカラー画像が液晶表示部45に表示される。
【0031】
ここで、上記輪郭強調処理部40による、カラー画像の輪郭における色滲みを減少させる作用について説明する。
【0032】
まず始めに、輪郭強調処理部40が、輝度や像高に関係なく画像データの色成分毎(赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データ)に輪郭ボケ補正を施す場合について図2(a)から図2(d)を参照して説明する。なお、図2(a)は縦軸に輝度、横軸に位置を取った座標上に被写体を示す図、図2(b)および図2(d)は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上に被写体を表すカラー画像を示す図、図2(c)は縦軸にボケ補正レベル、横軸に像高を取った座標上に色成分毎のボケ補正レベルを示す図である。
【0033】
図2(a)に示すように、輝度の高い領域P1と輝度の低い領域P2との境界をなす輪郭E0(領域P1のエッジ)を持つ被写体1Aを撮像して得られた画像データは画像メモリ30に記憶される。この画像データの各色成分が示す画像の輪郭は、図2(b)に示すように、被写体1Aの領域P1に対応する輝度の高い領域P3と、被写体1Aの領域P2に対応する輝度の低い領域P4との境界をなし、輪郭におけるボケによって裾の広がりを持つものとなる。なお、ここでは全ての色成分の輝度が領域P3および領域P4においてそれぞれ一致するものとし、領域P3と領域P4との輝度差、すなわち上記輪郭における輝度差の値はV1となっている。
【0034】
上記輪郭は、撮像レンズ10の色収差の影響で、青色の輪郭EBにおけるボケの大きさが、緑色の輪郭EGにおけるボケおよび赤色の輪郭ERにおけるボケの大きさより大きくなる。なお、上記輪郭におけるボケの大きさは、輝度の低い領域P4から輝度の高い領域P3までの裾の広がり(エッジの立上りのスロープ)、あるいは輝度の高い領域P3から輝度の低い領域P4までの裾の広がり(エッジの立下りのスロープ)で示される。ここで、上記各色成分の画像データをそのまま合成した画像データに基づいてカラー画像が作成され液晶表示部50に表示されると上記輪郭に青色の色滲みが生じることになる。
【0035】
この色滲みを補正するために、輪郭強調処理部40が、輪郭におけるボケが大きい青色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルを、赤色チャンネル画像データおよび緑色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルより高めるように、この輪郭強調処理部40による輪郭ボケ補正の補正モードをモード設定変更部60からの操作により第1の補正モードに設定する。
【0036】
すなわち、図2(c)に示すように、第1の補正モードでは、赤色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルの値R1と緑色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルの値G1とが等しく、これらの値より青色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルの値B1が大きくなるように設定される。なお、上記色成分毎のボケ補正レベルの値は像高や輝度にかかわらず一定である。
【0037】
このように第1の補正モードによる輪郭ボケ補正を施すように設定された輪郭強調処理部40により、画像メモリ30に記憶された画像データの色成分毎に輪郭ボケ補正を施す。これにより図2(d)に示すように、色成分毎の画像データで示される被写体1Aを表す画像F1の輪郭E1におけるボケの大きさ(ボケによる裾の広がり)を小さくすることができ、上記輪郭における色滲みを減少させることができる。
【0038】
なお、上記第1の補正モードに設定された輪郭強調処理部40による輪郭ボケ補正によって、輪郭における色滲みを全体的に減少させることができるが、撮像レンズ10は像高が高くなるほど各色成分の輪郭におけるボケが大きくなる収差を有するので、この輪郭ボケ補正で補正しきれなかった輪郭におけるボケ、すなわち補正残差が残ることがあり、この補正残差は像高が高くなるにしたがって大きくなる。
【0039】
次に、輪郭強調処理部40が、より高い像高において撮像された輪郭を示す画像データに対してボケ補正レベルをより高めて輪郭ボケ補正を施し、輪郭における色滲みを減少させる場合について図3(a)から図3(d)を参照して説明する。なお、図3(a)は縦軸に輪郭におけるボケの量、横軸に像高を取った座標上に撮像レンズの性能を示す図、図3(b)および図3(d)は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上に被写体を表すカラー画像を示す図、図2(c)は縦軸にボケ補正レベル、横軸に像高を取った座標上に色成分毎のボケ補正レベルを示す図である。
【0040】
ここで、撮像レンズ10は、像高が高くなるにしたがって輪郭におけるボケが大きくなる収差を有するものであり、図3(a)に示すように、この収差により、青色の輪郭におけるボケの量BBが緑色の輪郭におけるボケの量GGや赤色の輪郭におけるボケの量RRより大きくなり、かつ、像高が高くなるにしたがって、青色の輪郭におけるボケ量のBBと、緑色の輪郭におけるボケの量GGおよび赤色の輪郭におけるボケの量RRとの差が大きくなるものとする。
【0041】
したがって、被写体1Aの撮像により画像メモリ30に記憶された画像データの色成分毎に示される画像の輪郭は、図3(b)に示すように、青色の輪郭BH、緑色の輪郭GH、および赤色の輪郭RHともに像高が高くなるにしたがって輪郭におけるボケが大きくなり(ボケの裾の広がりが大きくなり)、青色の輪郭BHにおけるボケの裾の広がりは像高にかかわらず常に緑色の輪郭GHにおけるボケや赤色の輪郭RHにおけるボケの裾の広がりより大きくなる。また、像高が高くなるほど青色の輪郭におけるボケBHの裾の広がりと、緑色の輪郭におけるボケGHおよび赤色の輪郭におけるボケRHの裾の広がりとの差が広がる。そのため、像高が高くなるほど輪郭における色滲みが大きくなる。
【0042】
上記色滲みを補正するために、図3(c)に示すように、輪郭強調処理部40が、より高い像高において、より大きいボケ補正レベルにより輪郭ボケ補正を施すように、この輪郭強調処理部40の補正モードをモード設定変更部60からの操作により第2の補正モードに設定する。
【0043】
ここでは、像高が高くなるにしたがって赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルを高くし、さらに、青色チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルの値B2が、常に赤色および緑色チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルの値R2およびG2より高くなるようにするとともに、像高が高くなるにしたがって青色チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルの値B2と、赤色および緑色チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルの値R2およびG2との差が広がるように上記第2の補正モードが設定される。
【0044】
このように設定された輪郭強調処理部40により、画像メモリ30に記憶された画像データの色成分毎に輪郭ボケ補正を施す。この輪郭ボケ補正により、図3(d)に示すように赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データが示す画像F2の輪郭E2におけるボケが小さくなるとともに各色成分の輪郭におけるボケの量を概略一致させることができ、上記輪郭における色滲みをより減少させることができる。
【0045】
なお、上記のように像高に応じてボケ補正レベルを連続的に変更する場合に限らず、ボケ補正レベルを2段階以上の有限の段階で変更するようにしてもよい。
【0046】
つづいて、輪郭強調処理部40が、輝度差がより大きい輪郭を示す画像データに対して、ボケ補正レベルをより高めて補正を施す場合について図4(a)から図4(d)を参照して説明する。なお、図4(a)は縦軸に輝度、横軸に位置を取った座標上に被写体を示す図、図4(b)および図4(d)は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上に被写体を表すカラー画像を示す図、図4(c)は縦軸にボケ補正レベル、横軸に像高を取った座標上に補正レベルを示す図である。
【0047】
図4(a)に示すように、輝度の高い領域P4の両側に輪郭K0を有する被写体1Bを撮像して得た画像データの各色成分(赤色チャンネル画像データ、緑色チャンネル画像データ、および青色チャンネル画像データ)のそれぞれが示す画像は、図4(b)に示すように、被写体1Bの輝度の高い領域P4に対応する領域P5の輝度が飽和しており、この領域P5の両側に表れる赤色チャンネル画像データで示される輪郭RLにおけるボケの裾の広がりの一部分も飽和輝度J1において飽和している。これに対して、領域P5の両側における青色および緑色チャンネル画像データで示される輪郭BLおよび輪郭GLの輝度は飽和していない。
【0048】
また、輪郭における輝度差については、輪郭RLにおける輝度差の値V2が、輪郭BLおよび輪郭GLにおける輝度差の値V3より大きい。また、輪郭におけるボケの大きさについては、輝度差が最大の輪郭RLにおけるボケの裾の広がりが最も大きく、次に輪郭BLにおけるボケの裾の広がりが大きく、輪郭GLにおけるボケの裾の広がりが最も小さくなっている。
【0049】
このように、輝度の飽和等によって輪郭における輝度差が大きくなり輪郭に表れるボケが大きくなると輪郭の色の滲みが強調される。
【0050】
この色滲みを補正するために、輪郭強調処理部40が、入力した画像データに基づいて上記輪郭における輝度差の値V2、および値V3を求め、図4(c)に示すように、輪郭における輝度差が大きくなるにしたがってボケ補正レベル、すなわち画像データの色成分毎のボケ補正レベルR3、G3およびB3を共に高めるように、この輪郭強調処理部40の補正モードをモード設定変更部60からの操作により第3の補正モードに設定する。なお、ここでは色成分毎のボケ補正レベルを互いに一致させている。これにより、図4(d)に示すように、画像データの各色成分で示される画像F3の輪郭K1におけるボケが全体に小さくなるとともに輪郭の輝度差にかかわらず各色成分のボケの大きさを概略一致させることができ、上記輪郭における色滲みをさらに減少させることができる。
【0051】
ここで、輪郭における輝度差が等しい場合であっても、他の色成分より輪郭におけるボケが大きく表れる青色チャンネル画像データに適用するボケ補正レベルの値B3を他の色成分の画像データに適用するボケ補正レベルの値R3および値G3より高めることにより、各色成分の互いの輪郭におけるボケの大きさの差をさらに少なくすることができ、上記輪郭における色滲みをさらに減少させることができる。
【0052】
なお、上記ボケ補正レベルは輝度差に応じて段階的に変更するようにしてもよい。
【0053】
ここで、輪郭強調処理部40を、輝度差に応じてボケ補正レベルを変更するのではなく、画像データの色成分毎に示される輪郭の輝度に応じて、すなわち、輪郭の輝度が大きくなるにしたがって、上記ボケ補正レベルを高めて上記輪郭ボケ補正を施すようにしてもよい。すなわち、一般的に画像中の輝度が高い領域において輪郭の輝度差が大きくなり輪郭におけるボケの裾の広がりも大きくなる。そこで、輪郭の輝度差の変わりに輪郭の輝度を採用し、輪郭強調処理部が、輝度がより大きい輪郭におけるボケを示す画像データの色成分に対して、より大きい補正レベルにより輪郭ボケ補正を施すようにしても上記と同様に輪郭における色滲みを減少させる効果を得ることができる。
【0054】
ここで、上記色成分毎に示される輪郭の輝度としては、カラー画像データの色成分毎に示される画像中の2つの領域の間に挟まれた輪郭中の最も大きな輝度を採用することができる。また、上記輝度の代わりに、色成分毎に示される画像の輪郭を間に挟んで両側に位置する2つの領域が示す輝度のうちの高い方の輝度を採用することもできる。すなわち、上記2つの領域が示す輝度のうちの高い方の輝度は実質的に輪郭中の最も大きな輝度と同等の輝度を持つので、図4(d)に示すように、輪郭RLにおける輪郭の輝度を領域P5における輝度である飽和輝度J1とし、輪郭BLおよび輪郭GLにおける輪郭の輝度を領域P5における輝度として採用することができる。これにより、輪郭強調処理部40が上記輝度を検出して上記輪郭ボケ補正を施すようにすることができる。
【0055】
さらに、輝度が飽和している領域の周辺の輪郭に対してのみボケ補正レベルを高めるようにしたり、輝度が飽和している領域の周辺の輪郭に対してのみ輪郭ボケ補正を施すようにしてもよい。
【0056】
ここで、像高が高くなる方向に向かって輝度が立上る輪郭と、像高が高くなる方向に向かって輝度が立下る輪郭とで、適用するボケ補正レベルを変更する場合について図5および図6(a)から図6(d)を参照して説明する。なお、図5は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上にスポット光を表す画像を示す図、図6(a)および図6(b)は縦軸に輝度、横軸に位置を取った座標上に被写体を示す図、図6(c)および図6(d)は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上に被写体を表すカラー画像を示す図である。
【0057】
撮像レンズ10のレンズ設計上の性能を示すスポットダイアグラムの分布に非対称性があり、この撮像レンズを通してスポット光を撮像して得た画像データが表すこのスポット光の画像が、図5に示すように、像高が高くなる方向に向かって立上るスポット光Mの輪郭におけるボケの裾の広がりであるスロープM1の大きさに比して、像高が高くなる方向に向かって輝度が立下るスポット光Mの輪郭におけるスロープM2方が大きく広がっているとする。
【0058】
このような場合には、位置を示す座標の+方向に向かって輝度が立下る被写体1C(図6(a)参照)を撮像して得た画像データが示す画像F4の輪郭CCにおけるボケの裾の広がり(図6(c)参照)は、位置を示す座標の+方向に向かって輝度が立上る被写体1D(図6(b)参照)を撮像して得た画像データが示す画像F5の輪郭DDにおけるボケの裾の広がり(図6(d)参照)より大きくなる。
【0059】
これを補正するために、輪郭強調処理部40が、画像の輪郭の像高方向への立上りと立下りとを検出して、輪郭におけるボケが大きくなる方の側の輪郭に適用するボケ補正レベルを他方の側の輪郭より高くして輪郭ボケ補正を施すように、この輪郭強調処理部40の補正モードをモード設定変更部60からの操作により第4の補正モードに設定する。これにより、上記輪郭における色滲みを減少させることができるとともに、色滲みの広がりの方向による違いを抑制することができる。
【0060】
以下、輪郭ボケ補正を施す処理の一例を図7および図8を参照して説明する。なお、図7は横軸に入力画像データの輝度、縦軸に出力画像データの輝度を取った座標上に両者の関係を示す図、図8は横軸に像高、縦軸に輝度を取った座標上に輪郭ボケ補正を施した画像の輪郭を示す図である。
【0061】
図7に示すように、輪郭ボケ補正を施す際に適用される補正曲線T1は、入力画像データの輝度が値0のときと輝度が飽和した値J2のときに出力画像データが同じ輝度の値0および値J2を示し、この座標上の上記2点を示す座標(0,0)と(J2、J2)を結ぶ直線T2に対して入力画像データの座標軸の側に向かって湾曲している。したがって、この補正曲線T1は、入力された画像データ中の輝度の低い画像データをより低い輝度を持つ画像データとなるように補正して出力する。
【0062】
図8に示すように、像高が低い領域において飽和輝度J4を示し像高が高くなる方向に緩やかに立下るスロープを持つ画像N1を表す画像データが、補正曲線T1を用いた輪郭ボケ補正の適用により、像高が低い領域において飽和輝度J4を示し像高が高くなる方向に急激に立下るスロープを持つ画像N2を表す画像データに補正される。これにより、輪郭ボケ補正を施す際に補正曲線T1を採用することで輪郭におけるボケを減少させることができることがわかる。なお、この補正曲線T1を、いわゆるγ曲線とするようにしてもよい。
【0063】
なお、上記実施の形態においては、青色光に対して色収差が大きく発生する撮像レンズを使用した場合における例を示したが、上記輪郭ボケ補正の適用により、どのような光学特性を有する撮像レンズに対しても上記輪郭におけるボケを減少させ、色滲みを抑えることができる。
【0064】
また、上記実施の形態においては、画像データの全ての色成分に対して輪郭ボケ補正を施す場合について示したが、画像データの色成分のうちの輪郭のボケが大きい1つ以上の色成分に対して輪郭ボケ補正を施すことにより、上記色滲みを抑える効果を得ることができる。例えば、画像データの各色成分が示す輪郭のうちの最も大きく輪郭のボケが表れる画像データに対してのみ輪郭ボケ補正を施すようにしてもよい。
【0065】
さらに、上記実施の形態において採用した、第1の補正モードから第4の補正モードのうちの複数の補正モードを組み合わせて、上記輪郭ボケ補正を施すようにしてもよい。
【0066】
上記輪郭ボケ補正は、必ずしも赤色、緑色、青色(RGB)の色成分からなる画像データに適用する場合に限らず、シアン、マゼンタ、イエロー、グリーン(Cy、Mg、Ye、G)の色成分からなる画像データに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
【図2】第1の補正モードにおいて輪郭におけるボケが補正される様子を示す図
【図3】第2の補正モードにおいて輪郭におけるボケが補正される様子を示す図
【図4】第3の補正モードにおいて輪郭におけるボケが補正される様子を示す図
【図5】スポット光を表す画像の輪郭のボケを示す概念図
【図6】第4の補正モードにおいて輪郭におけるボケが補正される様子を示す図
【図7】入力画像データと出力画像データとの関係を示す図
【図8】輪郭ボケ補正を施した画像の輪郭を示す図
【符号の説明】
被写体1
撮像レンズ10
RGB原色フィルタ15
CCD素子20
画像メモリ30
輪郭強調処理部40
映像信号出力部45
液晶表示部50
モード設定変更部60
デジタルカメラ100
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置に関し、被写体を撮像してこの被写体を表すカラー画像データを取得する撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撮像レンズを通して被写体を撮像し、この被写体のカラー画像を表すカラー画像データを取得するデジタルカメラが知られている。
【0003】
上記カラー画像データにより表されるカラー画像の輪郭(エッジ)には、本来存在しない色(色滲み)が発生することがあり、特に高い像高の画像領域(周辺部)や輝度が飽和した画像領域にある輪郭でこの色滲みが大きくなることが知られている。
【0004】
上記色滲みは主に撮像レンズの色収差に起因するものであり、例えば、撮像レンズの性能を示すスポットダイアグラムの分布形状が色成分毎に異なる場合には、この撮像レンズを通して被写体を撮像面上に結像させたときに上記色成分毎の輪郭におけるボケの大きさが異なるために、これらのボケの重なりがカラー画像に色滲みとなって現れる。特に、輝度が飽和した画像領域近傍の輪郭におけるボケは大きく広がり、上記輪郭におけるボケの大きさの違いが強調されて色滲みが顕著に現れる。
【0005】
なお、カラー画像データに対して輪郭を強調する際に、被写体の空間周波数、すなわち画像の細かさに応じて輪郭の強調度合いを変更し、人間の顔や手などの肌色部分の解像感が損なわれないようにしてカラー画像の品質を高める撮像装置(例えば、特許文献1参照)が知られているが、この装置では上記のような色滲みを減少させることはできない。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−51634号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の撮像素子の画素数の増大(例えば400万画素)によるデジタルカメラの解像力の向上により、取得されたカラー画像における輪郭の色滲みが目立つようになり、この色滲みを抑えたいという要請がある。
【0008】
しかしながら、輪郭における色滲みを撮像レンズの改良により抑えようとすると、レンズ枚数の増加等によって撮像装置全体の寸法が大きくなるとともに、装置コストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置コストを増大させたり、装置サイズを大きくすることなく輪郭における色滲みを抑えることができる撮像装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、被写体を撮像してこの被写体を示すカラー画像を表すカラー画像データを取得する撮像装置において、カラー画像データの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる補正を、このカラー画像データの色成分のうちの少なくとも1つに施す輪郭強調手段を備え、輪郭における色滲みを減少することを特徴とするものである。
【0011】
前記輪郭強調手段は、補正をカラー画像データの色成分のうちの2つ以上に施す際に、少なくとも2つ以上の前記色成分に対して互いに異なる補正レベルで補正を施すものとすることができる。例えば、色成分が赤色、緑色および青色(RGB)である場合に、全ての色成分が互いに異なる補正レベルとなるように色成分毎に補正レベルを変えて補正を施したり、あるいは、赤色および緑色(RG)成分が同じ補正レベルで青色(B)成分がそれとは異なる補正レベルとなるようにして補正を施すことができる。
【0012】
前記輪郭強調手段は、より高い像高において、より高い補正レベルにより補正を施すものとしたり、また、輝度差がより大きい輪郭を示すカラー画像データの色成分に対して、より大きい補正レベルにより補正を施したり、あるいは、輝度がより大きい輪郭を示すカラー画像データの色成分に対して、より大きい補正レベルにより補正を施したりすることができる。
【0013】
なお、前記輪郭における輝度差としては、例えば、カラー画像データの色成分毎に示される画像の輪郭を間に挟んで両側に位置する2つの領域が示す色成分毎の輝度の差を採用することができる。
【0014】
また、前記輪郭における輝度としては、例えば、カラー画像データの色成分毎に示される画像中の2つの領域の間に挟まれた輪郭における最も大きな輝度を採用することができる。
【0015】
前記輪郭補正手段は、γ補正手段とすることができる。また、この輪郭強調手段は、カラー画像データの色成分毎に個別に上記色成分毎の画像の輪郭におけるボケを減少させる補正を行なうものとすることが好ましい。
【0016】
前記輪郭強調手段は、色成分毎に示される画像の輪郭のうち、最も大きくボケた輪郭を示すカラー画像データの色成分に対してのみ補正を施すものとすることができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の撮像装置によれば、カラー画像データの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる補正を、このカラー画像データの色成分のうちの少なくとも1つに施す輪郭強調手段を備え、輪郭における色滲みを減少するようにしたので、レンズ枚数の増加などによる装置コストや装置サイズの増大を抑えて、輪郭における色滲みを抑えることができる。
【0018】
例えば、カラー画像データ(以下画像データという)の色成分が、赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データで構成され、上記色成分のうちの青色チャンネル画像データで示される画像の輪郭におけるボケが、赤色および緑色チャンネル画像データで示される画像の輪郭におけるボケに比して大きい場合には、この画像データに基づいて表示されたカラー画像の輪郭が青色に色づくことになる。これを解決するために、青色チャンネル画像データに対して、輪郭におけるボケを減少させる補正レベルをより高めて上記補正を施すようにすれば、画像データの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを全体的に小さくすることができるとともに、青色チャンネル画像データで示される画像の輪郭におけるボケの大きさと赤色および緑色チャンネル画像データで示される画像の輪郭におけるボケの大きさとの差を小さくすることができ上記輪郭における色滲みを減少させることができる。
【0019】
また、輪郭強調手段を、被写体を撮像する際により高い像高において撮像された領域(画像の周辺部)における輪郭を表す画像データの色成分に対して、上記輪郭におけるボケを減少させる補正レベルをより高めて補正を施すものとすれば、高い像高において色滲みの大きさをより小さくすることができ、カラー画像データの色成分毎に示される画像の輪郭における色滲みをより抑えることができる。
【0020】
さらに、輪郭強調手段を、輝度差がより大きい輪郭を示す画像データの色成分に対して、上記輪郭におけるボケを減少させる補正レベルをより高めて補正を施すものとすれば、輝度差が大きい輪郭において色滲みの大きさをより小さくすることができ、画像データの色成分毎に示される画像の輪郭における色滲みをより抑えることができる。
【0021】
また、輪郭強調手段を、輝度がより大きい輪郭を示す画像データの色成分に対して、上記補正レベルをより高めて補正を施すものとすれば、輝度が大きい輪郭において色滲みの大きさをより小さくすることができ、色滲みをより抑えることができる。なぜなら、一般的に画像中の輝度が高い領域においては輪郭の輝度差が大きくなり輪郭におけるボケも大きくなるからである。さらに、例えば、輝度が飽和している領域の周辺では、一般に輪郭における輝度差が特に大きくなり、輪郭におけるボケが非常に大きくなって色滲みが顕著に表れるので、輝度が飽和している領域の周辺の輪郭に対してのみ上記補正レベルを高めるようにしたり、輝度が飽和している領域の周辺の輪郭に対してのみ上記補正を施すようにしても、色滲みを実質的に抑えることができる。
【0022】
なお、輪郭強調手段を、色成分毎の輪郭のうち、最も大きくボケた輪郭を示す画像データに対してのみ補正を施すようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態によるデジタルカメラ100の概略構成を示す図である。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施の形態による撮像装置であるデジタルカメラ100は、被写体1の像を結像させる撮像レンズ10、撮像レンズ10を通して結像された被写体1の像をRGB原色フィルタ15を通して受光し光電変換するCCD素子20、光電変換されてCCD素子20から出力された画像データをデジタル値からなる画像データに変換するA/D変換器25、デジタル値に変換された画像データの色成分である、赤色チャンネル画像データ、緑色チャンネル画像データ、および青色チャンネル画像データそれぞれを記憶する赤色画像メモリ31、緑色画像メモリ32、および青色画像メモリ33からなる画像メモリ30、画像メモリ30から画像データの各色成分を入力し、これらの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる輪郭ボケ補正を、上記色成分のうちの少なくとも1つに施す輪郭強調手段である輪郭強調処理部40、輪郭ボケ補正が施された画像データを輪郭強調処理部40から入力し、この画像データを映像信号に変換して出力する映像信号出力部45、および映像信号出力部45から出力された映像信号に基づいて画像を表示する液晶表示部50を備えている。なお、ここでは輪郭強調処理部40を上記画像データの3つの色成分に対して個別に輪郭ボケ補正を施すものとする。
【0025】
上記輪郭強調処理部40は、より高い像高において、より大きいボケ補正レベルにより輪郭ボケ補正を施したり、輝度差がより大きな輪郭におけるボケを示す画像データの色成分に対して、上記ボケ補正レベルをより高めて輪郭ボケ補正を施したりするように、輪郭ボケ補正の補正モードの設定が可能である。この輪郭ボケ補正の補正モードの設定は、モード設定変更部60の操作により作成された信号を輪郭強調処理部40に出力することにより行なわれる。
【0026】
撮像レンズ10は、この撮像レンズ10のレンズ設計上の性能示すスポットダイアグラムにおいて、青色光に対するスポットダイアグラムの分布形状が、赤色光および緑色光に対するスポットダイアグラムの分布形状より広い範囲に広がり、赤色光および緑色光に対するスポットダイアグラムの分布形状が略等しくなる特性を有している。
【0027】
次に上記実施の形態における作用について説明する。
【0028】
撮像レンズ10およびRGB原色フィルタ15を通してCCD素子20で光電変換された被写体1の画像を表す画像データがCCD素子20から出力される。CCD素子20から出力された画像データは、A/D変換器25によってデジタル値からなる画像データに変換され、画像データの色成分毎に画像メモリ30に記憶される。すなわち画像データの色成分である赤色チャンネル画像データ、緑色チャンネル画像データ、および青色チャンネル画像データが、それぞれ赤色画像メモリ31、緑色画像メモリ32、および青色画像メモリ33に記憶される。
【0029】
輪郭強調処理部40は、画像メモリ30から画像データの各色成分(赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データ)を入力し、色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる輪郭ボケ補正をそれぞれの画像データに対して施し、上記色成分毎に示される画像の輪郭における色滲みを減少させた補正済の画像データを出力する。
【0030】
輪郭強調処理部40から出力された補正済みの画像データは液晶表示部45に入力され、この画像データに基づくカラー画像が液晶表示部45に表示される。
【0031】
ここで、上記輪郭強調処理部40による、カラー画像の輪郭における色滲みを減少させる作用について説明する。
【0032】
まず始めに、輪郭強調処理部40が、輝度や像高に関係なく画像データの色成分毎(赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データ)に輪郭ボケ補正を施す場合について図2(a)から図2(d)を参照して説明する。なお、図2(a)は縦軸に輝度、横軸に位置を取った座標上に被写体を示す図、図2(b)および図2(d)は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上に被写体を表すカラー画像を示す図、図2(c)は縦軸にボケ補正レベル、横軸に像高を取った座標上に色成分毎のボケ補正レベルを示す図である。
【0033】
図2(a)に示すように、輝度の高い領域P1と輝度の低い領域P2との境界をなす輪郭E0(領域P1のエッジ)を持つ被写体1Aを撮像して得られた画像データは画像メモリ30に記憶される。この画像データの各色成分が示す画像の輪郭は、図2(b)に示すように、被写体1Aの領域P1に対応する輝度の高い領域P3と、被写体1Aの領域P2に対応する輝度の低い領域P4との境界をなし、輪郭におけるボケによって裾の広がりを持つものとなる。なお、ここでは全ての色成分の輝度が領域P3および領域P4においてそれぞれ一致するものとし、領域P3と領域P4との輝度差、すなわち上記輪郭における輝度差の値はV1となっている。
【0034】
上記輪郭は、撮像レンズ10の色収差の影響で、青色の輪郭EBにおけるボケの大きさが、緑色の輪郭EGにおけるボケおよび赤色の輪郭ERにおけるボケの大きさより大きくなる。なお、上記輪郭におけるボケの大きさは、輝度の低い領域P4から輝度の高い領域P3までの裾の広がり(エッジの立上りのスロープ)、あるいは輝度の高い領域P3から輝度の低い領域P4までの裾の広がり(エッジの立下りのスロープ)で示される。ここで、上記各色成分の画像データをそのまま合成した画像データに基づいてカラー画像が作成され液晶表示部50に表示されると上記輪郭に青色の色滲みが生じることになる。
【0035】
この色滲みを補正するために、輪郭強調処理部40が、輪郭におけるボケが大きい青色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルを、赤色チャンネル画像データおよび緑色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルより高めるように、この輪郭強調処理部40による輪郭ボケ補正の補正モードをモード設定変更部60からの操作により第1の補正モードに設定する。
【0036】
すなわち、図2(c)に示すように、第1の補正モードでは、赤色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルの値R1と緑色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルの値G1とが等しく、これらの値より青色チャンネル画像データに対するボケ補正レベルの値B1が大きくなるように設定される。なお、上記色成分毎のボケ補正レベルの値は像高や輝度にかかわらず一定である。
【0037】
このように第1の補正モードによる輪郭ボケ補正を施すように設定された輪郭強調処理部40により、画像メモリ30に記憶された画像データの色成分毎に輪郭ボケ補正を施す。これにより図2(d)に示すように、色成分毎の画像データで示される被写体1Aを表す画像F1の輪郭E1におけるボケの大きさ(ボケによる裾の広がり)を小さくすることができ、上記輪郭における色滲みを減少させることができる。
【0038】
なお、上記第1の補正モードに設定された輪郭強調処理部40による輪郭ボケ補正によって、輪郭における色滲みを全体的に減少させることができるが、撮像レンズ10は像高が高くなるほど各色成分の輪郭におけるボケが大きくなる収差を有するので、この輪郭ボケ補正で補正しきれなかった輪郭におけるボケ、すなわち補正残差が残ることがあり、この補正残差は像高が高くなるにしたがって大きくなる。
【0039】
次に、輪郭強調処理部40が、より高い像高において撮像された輪郭を示す画像データに対してボケ補正レベルをより高めて輪郭ボケ補正を施し、輪郭における色滲みを減少させる場合について図3(a)から図3(d)を参照して説明する。なお、図3(a)は縦軸に輪郭におけるボケの量、横軸に像高を取った座標上に撮像レンズの性能を示す図、図3(b)および図3(d)は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上に被写体を表すカラー画像を示す図、図2(c)は縦軸にボケ補正レベル、横軸に像高を取った座標上に色成分毎のボケ補正レベルを示す図である。
【0040】
ここで、撮像レンズ10は、像高が高くなるにしたがって輪郭におけるボケが大きくなる収差を有するものであり、図3(a)に示すように、この収差により、青色の輪郭におけるボケの量BBが緑色の輪郭におけるボケの量GGや赤色の輪郭におけるボケの量RRより大きくなり、かつ、像高が高くなるにしたがって、青色の輪郭におけるボケ量のBBと、緑色の輪郭におけるボケの量GGおよび赤色の輪郭におけるボケの量RRとの差が大きくなるものとする。
【0041】
したがって、被写体1Aの撮像により画像メモリ30に記憶された画像データの色成分毎に示される画像の輪郭は、図3(b)に示すように、青色の輪郭BH、緑色の輪郭GH、および赤色の輪郭RHともに像高が高くなるにしたがって輪郭におけるボケが大きくなり(ボケの裾の広がりが大きくなり)、青色の輪郭BHにおけるボケの裾の広がりは像高にかかわらず常に緑色の輪郭GHにおけるボケや赤色の輪郭RHにおけるボケの裾の広がりより大きくなる。また、像高が高くなるほど青色の輪郭におけるボケBHの裾の広がりと、緑色の輪郭におけるボケGHおよび赤色の輪郭におけるボケRHの裾の広がりとの差が広がる。そのため、像高が高くなるほど輪郭における色滲みが大きくなる。
【0042】
上記色滲みを補正するために、図3(c)に示すように、輪郭強調処理部40が、より高い像高において、より大きいボケ補正レベルにより輪郭ボケ補正を施すように、この輪郭強調処理部40の補正モードをモード設定変更部60からの操作により第2の補正モードに設定する。
【0043】
ここでは、像高が高くなるにしたがって赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルを高くし、さらに、青色チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルの値B2が、常に赤色および緑色チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルの値R2およびG2より高くなるようにするとともに、像高が高くなるにしたがって青色チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルの値B2と、赤色および緑色チャンネル画像データに適用されるボケ補正レベルの値R2およびG2との差が広がるように上記第2の補正モードが設定される。
【0044】
このように設定された輪郭強調処理部40により、画像メモリ30に記憶された画像データの色成分毎に輪郭ボケ補正を施す。この輪郭ボケ補正により、図3(d)に示すように赤色、緑色、および青色の各チャンネル画像データが示す画像F2の輪郭E2におけるボケが小さくなるとともに各色成分の輪郭におけるボケの量を概略一致させることができ、上記輪郭における色滲みをより減少させることができる。
【0045】
なお、上記のように像高に応じてボケ補正レベルを連続的に変更する場合に限らず、ボケ補正レベルを2段階以上の有限の段階で変更するようにしてもよい。
【0046】
つづいて、輪郭強調処理部40が、輝度差がより大きい輪郭を示す画像データに対して、ボケ補正レベルをより高めて補正を施す場合について図4(a)から図4(d)を参照して説明する。なお、図4(a)は縦軸に輝度、横軸に位置を取った座標上に被写体を示す図、図4(b)および図4(d)は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上に被写体を表すカラー画像を示す図、図4(c)は縦軸にボケ補正レベル、横軸に像高を取った座標上に補正レベルを示す図である。
【0047】
図4(a)に示すように、輝度の高い領域P4の両側に輪郭K0を有する被写体1Bを撮像して得た画像データの各色成分(赤色チャンネル画像データ、緑色チャンネル画像データ、および青色チャンネル画像データ)のそれぞれが示す画像は、図4(b)に示すように、被写体1Bの輝度の高い領域P4に対応する領域P5の輝度が飽和しており、この領域P5の両側に表れる赤色チャンネル画像データで示される輪郭RLにおけるボケの裾の広がりの一部分も飽和輝度J1において飽和している。これに対して、領域P5の両側における青色および緑色チャンネル画像データで示される輪郭BLおよび輪郭GLの輝度は飽和していない。
【0048】
また、輪郭における輝度差については、輪郭RLにおける輝度差の値V2が、輪郭BLおよび輪郭GLにおける輝度差の値V3より大きい。また、輪郭におけるボケの大きさについては、輝度差が最大の輪郭RLにおけるボケの裾の広がりが最も大きく、次に輪郭BLにおけるボケの裾の広がりが大きく、輪郭GLにおけるボケの裾の広がりが最も小さくなっている。
【0049】
このように、輝度の飽和等によって輪郭における輝度差が大きくなり輪郭に表れるボケが大きくなると輪郭の色の滲みが強調される。
【0050】
この色滲みを補正するために、輪郭強調処理部40が、入力した画像データに基づいて上記輪郭における輝度差の値V2、および値V3を求め、図4(c)に示すように、輪郭における輝度差が大きくなるにしたがってボケ補正レベル、すなわち画像データの色成分毎のボケ補正レベルR3、G3およびB3を共に高めるように、この輪郭強調処理部40の補正モードをモード設定変更部60からの操作により第3の補正モードに設定する。なお、ここでは色成分毎のボケ補正レベルを互いに一致させている。これにより、図4(d)に示すように、画像データの各色成分で示される画像F3の輪郭K1におけるボケが全体に小さくなるとともに輪郭の輝度差にかかわらず各色成分のボケの大きさを概略一致させることができ、上記輪郭における色滲みをさらに減少させることができる。
【0051】
ここで、輪郭における輝度差が等しい場合であっても、他の色成分より輪郭におけるボケが大きく表れる青色チャンネル画像データに適用するボケ補正レベルの値B3を他の色成分の画像データに適用するボケ補正レベルの値R3および値G3より高めることにより、各色成分の互いの輪郭におけるボケの大きさの差をさらに少なくすることができ、上記輪郭における色滲みをさらに減少させることができる。
【0052】
なお、上記ボケ補正レベルは輝度差に応じて段階的に変更するようにしてもよい。
【0053】
ここで、輪郭強調処理部40を、輝度差に応じてボケ補正レベルを変更するのではなく、画像データの色成分毎に示される輪郭の輝度に応じて、すなわち、輪郭の輝度が大きくなるにしたがって、上記ボケ補正レベルを高めて上記輪郭ボケ補正を施すようにしてもよい。すなわち、一般的に画像中の輝度が高い領域において輪郭の輝度差が大きくなり輪郭におけるボケの裾の広がりも大きくなる。そこで、輪郭の輝度差の変わりに輪郭の輝度を採用し、輪郭強調処理部が、輝度がより大きい輪郭におけるボケを示す画像データの色成分に対して、より大きい補正レベルにより輪郭ボケ補正を施すようにしても上記と同様に輪郭における色滲みを減少させる効果を得ることができる。
【0054】
ここで、上記色成分毎に示される輪郭の輝度としては、カラー画像データの色成分毎に示される画像中の2つの領域の間に挟まれた輪郭中の最も大きな輝度を採用することができる。また、上記輝度の代わりに、色成分毎に示される画像の輪郭を間に挟んで両側に位置する2つの領域が示す輝度のうちの高い方の輝度を採用することもできる。すなわち、上記2つの領域が示す輝度のうちの高い方の輝度は実質的に輪郭中の最も大きな輝度と同等の輝度を持つので、図4(d)に示すように、輪郭RLにおける輪郭の輝度を領域P5における輝度である飽和輝度J1とし、輪郭BLおよび輪郭GLにおける輪郭の輝度を領域P5における輝度として採用することができる。これにより、輪郭強調処理部40が上記輝度を検出して上記輪郭ボケ補正を施すようにすることができる。
【0055】
さらに、輝度が飽和している領域の周辺の輪郭に対してのみボケ補正レベルを高めるようにしたり、輝度が飽和している領域の周辺の輪郭に対してのみ輪郭ボケ補正を施すようにしてもよい。
【0056】
ここで、像高が高くなる方向に向かって輝度が立上る輪郭と、像高が高くなる方向に向かって輝度が立下る輪郭とで、適用するボケ補正レベルを変更する場合について図5および図6(a)から図6(d)を参照して説明する。なお、図5は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上にスポット光を表す画像を示す図、図6(a)および図6(b)は縦軸に輝度、横軸に位置を取った座標上に被写体を示す図、図6(c)および図6(d)は縦軸に輝度、横軸に像高を取った座標上に被写体を表すカラー画像を示す図である。
【0057】
撮像レンズ10のレンズ設計上の性能を示すスポットダイアグラムの分布に非対称性があり、この撮像レンズを通してスポット光を撮像して得た画像データが表すこのスポット光の画像が、図5に示すように、像高が高くなる方向に向かって立上るスポット光Mの輪郭におけるボケの裾の広がりであるスロープM1の大きさに比して、像高が高くなる方向に向かって輝度が立下るスポット光Mの輪郭におけるスロープM2方が大きく広がっているとする。
【0058】
このような場合には、位置を示す座標の+方向に向かって輝度が立下る被写体1C(図6(a)参照)を撮像して得た画像データが示す画像F4の輪郭CCにおけるボケの裾の広がり(図6(c)参照)は、位置を示す座標の+方向に向かって輝度が立上る被写体1D(図6(b)参照)を撮像して得た画像データが示す画像F5の輪郭DDにおけるボケの裾の広がり(図6(d)参照)より大きくなる。
【0059】
これを補正するために、輪郭強調処理部40が、画像の輪郭の像高方向への立上りと立下りとを検出して、輪郭におけるボケが大きくなる方の側の輪郭に適用するボケ補正レベルを他方の側の輪郭より高くして輪郭ボケ補正を施すように、この輪郭強調処理部40の補正モードをモード設定変更部60からの操作により第4の補正モードに設定する。これにより、上記輪郭における色滲みを減少させることができるとともに、色滲みの広がりの方向による違いを抑制することができる。
【0060】
以下、輪郭ボケ補正を施す処理の一例を図7および図8を参照して説明する。なお、図7は横軸に入力画像データの輝度、縦軸に出力画像データの輝度を取った座標上に両者の関係を示す図、図8は横軸に像高、縦軸に輝度を取った座標上に輪郭ボケ補正を施した画像の輪郭を示す図である。
【0061】
図7に示すように、輪郭ボケ補正を施す際に適用される補正曲線T1は、入力画像データの輝度が値0のときと輝度が飽和した値J2のときに出力画像データが同じ輝度の値0および値J2を示し、この座標上の上記2点を示す座標(0,0)と(J2、J2)を結ぶ直線T2に対して入力画像データの座標軸の側に向かって湾曲している。したがって、この補正曲線T1は、入力された画像データ中の輝度の低い画像データをより低い輝度を持つ画像データとなるように補正して出力する。
【0062】
図8に示すように、像高が低い領域において飽和輝度J4を示し像高が高くなる方向に緩やかに立下るスロープを持つ画像N1を表す画像データが、補正曲線T1を用いた輪郭ボケ補正の適用により、像高が低い領域において飽和輝度J4を示し像高が高くなる方向に急激に立下るスロープを持つ画像N2を表す画像データに補正される。これにより、輪郭ボケ補正を施す際に補正曲線T1を採用することで輪郭におけるボケを減少させることができることがわかる。なお、この補正曲線T1を、いわゆるγ曲線とするようにしてもよい。
【0063】
なお、上記実施の形態においては、青色光に対して色収差が大きく発生する撮像レンズを使用した場合における例を示したが、上記輪郭ボケ補正の適用により、どのような光学特性を有する撮像レンズに対しても上記輪郭におけるボケを減少させ、色滲みを抑えることができる。
【0064】
また、上記実施の形態においては、画像データの全ての色成分に対して輪郭ボケ補正を施す場合について示したが、画像データの色成分のうちの輪郭のボケが大きい1つ以上の色成分に対して輪郭ボケ補正を施すことにより、上記色滲みを抑える効果を得ることができる。例えば、画像データの各色成分が示す輪郭のうちの最も大きく輪郭のボケが表れる画像データに対してのみ輪郭ボケ補正を施すようにしてもよい。
【0065】
さらに、上記実施の形態において採用した、第1の補正モードから第4の補正モードのうちの複数の補正モードを組み合わせて、上記輪郭ボケ補正を施すようにしてもよい。
【0066】
上記輪郭ボケ補正は、必ずしも赤色、緑色、青色(RGB)の色成分からなる画像データに適用する場合に限らず、シアン、マゼンタ、イエロー、グリーン(Cy、Mg、Ye、G)の色成分からなる画像データに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
【図2】第1の補正モードにおいて輪郭におけるボケが補正される様子を示す図
【図3】第2の補正モードにおいて輪郭におけるボケが補正される様子を示す図
【図4】第3の補正モードにおいて輪郭におけるボケが補正される様子を示す図
【図5】スポット光を表す画像の輪郭のボケを示す概念図
【図6】第4の補正モードにおいて輪郭におけるボケが補正される様子を示す図
【図7】入力画像データと出力画像データとの関係を示す図
【図8】輪郭ボケ補正を施した画像の輪郭を示す図
【符号の説明】
被写体1
撮像レンズ10
RGB原色フィルタ15
CCD素子20
画像メモリ30
輪郭強調処理部40
映像信号出力部45
液晶表示部50
モード設定変更部60
デジタルカメラ100
Claims (7)
- 被写体を撮像して該被写体を示すカラー画像を表すカラー画像データを取得する撮像装置において、
前記カラー画像データの色成分毎に画像の輪郭に表れるボケを減少させる補正を、前記カラー画像データの色成分のうちの少なくとも1つに施す輪郭強調手段を備え、前記輪郭における色滲みを減少することを特徴とする撮像装置。 - 前記輪郭強調手段が、前記補正を前記カラー画像データの色成分のうちの2つ以上に施す際に、少なくとも2つ以上の前記色成分に対して互いに異なる補正レベルで前記補正を施すものであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記輪郭強調手段が、より高い像高において、より大きい補正レベルにより前記補正を施すものであることを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
- 前記輪郭強調手段が、輝度差がより大きい前記輪郭を示す前記カラー画像データの色成分に対して、より大きい補正レベルにより前記補正を施すものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の撮像装置。
- 前記輪郭強調手段が、輝度がより大きい前記輪郭を示す前記カラー画像データの色成分に対して、より大きい補正レベルにより前記補正を施すものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の撮像装置。
- 前記輪郭補正手段が、γ補正手段であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の撮像装置。
- 前記輪郭強調手段が、前記色成分毎に示される画像の輪郭のうち、最も大きくボケた前記輪郭を示す前記カラー画像データの色成分に対してのみ前記補正を施すものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の撮像装置。
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