JP2003302751A - 感光性樹脂組成物およびそれを用いたドライフィルムレジスト - Google Patents

感光性樹脂組成物およびそれを用いたドライフィルムレジスト

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JP2003302751A
JP2003302751A JP2002106138A JP2002106138A JP2003302751A JP 2003302751 A JP2003302751 A JP 2003302751A JP 2002106138 A JP2002106138 A JP 2002106138A JP 2002106138 A JP2002106138 A JP 2002106138A JP 2003302751 A JP2003302751 A JP 2003302751A
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Yoshifumi Okada
好史 岡田
Kaoru Kokawara
薫 高河原
Toshio Yamanaka
俊夫 山中
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性および難燃性をゆうし、充分な機械強度
を有しつつ、耐熱性に優れ、更に加工性、接着性に優れ
た感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性ドライフィ
ルムレジストを提供することを目的とする。 【解決手段】(a)分子中に、ビニル基、アリル基、ア
クリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリ
ロイル基、メタクリロイル基から選ばれる重合性官能基
を少なくとも1個有するホスファゼン化合物、(b)可
溶性ポリイミド、c)炭素−炭素二重結合を有する化合
物、(d)光反応開始剤を含有する感光性樹脂組成物を
用いることにより、上記問題を解決することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性樹脂組成物、
およびそれを用いた感光性ドライフィルムレジストに関
し、より詳しくは特に電子材料の分野で使用されるプリ
ント基板用あるいは、ハードディスク用サスペンション
に用いられ、接着剤を介さずに直接積層される耐熱性の
感光性カバーレイフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の高機能化、高性能化、
小型化が急速に進んでおり、それに伴い電子部品の小型
化や軽量化が求められている。このため、電子部品を実
装する配線板も通常のリジッドプリント配線板に比べ、
可撓性のあるフレキシブルプリント配線板(以下FPC
という)が従来にも増して注目され急激に需要を増して
いる。
【0003】ところで、このFPCには導体面を保護す
る目的で表面にカバーレイフィルムと呼ばれる高分子フ
ィルムが貼り合わされている。このカバーレイフィルム
を導体面の表面に接着する方法としては、所定の形状に
加工した片面に接着剤の付いたカバーレイフィルムをF
PCに重ね、位置合わせをした後、プレス等で熱圧着す
る方法が一般的である。しかし、ここで用いられる接着
剤はエポキシ系やアクリル系接着剤等が主流であり、半
田耐熱性や高温時の接着強度などの耐熱性が低かった
り、可撓性に乏しかったりしカバーレイフィルムに用い
られるポリイミドスフィルムの性能を充分活かすことが
できなかった。
【0004】また、従来のエポキシ系やアクリル系の接
着剤を使用して、カバーレイフィルムをFPCに貼り合
わせる場合、貼り合わせる前のカバーレイフィルムに回
路の端子部や部品との接合部に一致する穴や窓を開ける
加工をしておかなければならない。しかし、薄いカバー
レイフィルムに穴等を開けるのが困難なだけでなく、カ
バーレイフィルムの穴等を、FPCの端子部や部品との
接合部に合わせる位置合わせはほとんど手作業に近く、
作業性及び位置精度が悪くまたコストもかかるものであ
った。
【0005】これらの作業性や位置精度を改善するため
に、感光性組成物を導体面に塗布し保護層を形成する方
法や、感光性カバーレイフィルム(感光性ドライフィル
ムレジストをカバーレイフィルムとして用いたもの)の
開発がなされ、作業性と位置精度は向上した。
【0006】ところが上記の感光性カバーレイフィルム
には、アクリル系の樹脂が用いられているため、耐熱温
度やフィルムの脆性が十分ではなく、また難燃性がまっ
たくないものであった。これらの問題改善のために感光
性ポリイミドが求められ、エステル結合を介してメタク
ロイル基を導入した感光性ポリイミド(特公昭55−0
30207、特公昭55−041422)やメタクロイ
ル基を有するアミン化合物あるいはジイソシアネート化
合物をポリアミド酸のカルボキシル基部位に導入した感
光性ポリイミド(特開昭54−145794,特開昭5
9−160140,特開平03−170547,特開平
03−186847、特開昭61−118424)が開
発された。
【0007】しかし、これらの感光性ポリイミドは、ポ
リアミド酸の状態で露光・現像したのちにイミド化して
初めて得られるため250℃以上の温度をFPCにかけ
なければならなかったこと、感光性ポリイミドによって
はアクロイル基を熱により除去する必要がありその際に
膜厚減少が大きいという問題があり、FPC用途には用
いられていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの様な従来の
問題点を解決し、感光性および難燃性を有し、充分な機
械強度を有しつつ、耐熱性に優れ、更に加工性、接着性
に優れた感光性樹脂組成物及びそれを用いた感光性ドラ
イフィルムレジストを目的とする。またこのドライフィ
ルムレジストをフレキシブルプリント基板に積層し、良
好な物性を示す感光性カバーレイフィルムを提供するこ
とも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の新規な感
光性樹脂組成物および感光性ドライフィルムレジストを
提供するものであり、これにより上記課題を解決しう
る。 (1)a)分子中に、ビニル基、アリル基、アクリロイ
ルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイル
基、メタクリロイル基から選ばれる重合性官能基を少な
くとも1個有するホスファゼン化合物、b)可溶性ポリ
イミドを必須成分とする感光性樹脂組成物。 (2)請求項1記載の2成分に加えc)炭素−炭素二重
結合を有する化合物必須成分とする感光性樹脂組成物。 (3)請求項2記載の3成分に加えd)光反応開始剤を
必須成分とする感光性樹脂組成物。 (4)a)成分が分子中に少なくとも1個のアクリロイ
ルオキシ基置換フェニル基、アクリロイルオキシアルキ
ル基置換フェニル基、メタクリロイルオキシ基置換フェ
ニル基又はメタクリロイルオキシアルキル基置換フェニ
ル基を有する繰り返し数3〜10000のホスファゼン
化合物であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに
記載の感光性樹脂組成物。 (5)a)成分のフォスファゼン化合物が、一般式
(1)
【0010】
【化5】 〔式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、炭
素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアル
キル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14
のヒドロキシアリール基、炭素数7〜18のアルキルア
リール基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数8〜
18のアルケニルアリール基、シアノ基又は一般式
(2)
【0011】
【化6】 〔式中R3 は水素原子又はメチル基を示す。mは0〜6
の数を示す。〕で表される基、又は一般式(3)
【0012】
【化7】 〔式中R3は上記に同じ。pは0〜6の数を示す。〕で
表される基、又は一般式(4)
【0013】
【化8】 〔q、sは0〜6の数、rは0又は1の数を示す。〕で
表される末端にビニル基を有する置換基で置換されたフ
ェニル基を示す。但し、n個のR1及びR2のうち、少な
くとも一つは一般式(2)、一般式(3)又は一般式
(4)で表される置換フェニル基を示すものとする。n
は3〜10000の数を表し、両末端は環構造を形成す
ることにより互いに結合しているか、または線状構造を
取ってそれぞれ異なる末端を有している。ここで、線状
構造の末端基として、リン原子側は基−N=P(OR1)
3、基−N=P(OR2)3、基−N=P(=O)OR1又は基
−N=P(=O)OR2を示し、窒素原子側は基−P(OR
1)4、基−P(OR2)4、基−P(=O)(OR1)2又は基−
P(=O)(OR2)2を示す。R1及びR2は前記と同じ。)
で表わされる重合性官能基を有する環状及び/又は鎖状
のホスファゼン化合物から選ばれる少なくとも1種であ
ることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の感光
性樹脂組成物。 (6)請求項1〜5いずれか記載の感光性樹脂組成物を
用いることを特徴とする感光性ドライフィルムレジス
ト。 (7)請求項6記載の感光性ドライフィルムレジストを
プリント基板のカバーレイとして用いることを特徴とす
る感光性カバーレイフィルム。
【0014】
【発明の実施の形態】まず本発明に用いられるフォスフ
ァゼン化合物について説明する。本発明の感光性樹脂組
成物には、重合性官能基を有するホスファゼン化合物の
うちから選ばれる少なくとも1種が配合される。ここ
で、重合性官能基としては、ビニル基、アリル基、アク
リロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロ
イル基、メタクリロイル基及びこれらを含有する各種の
基等を例示できる。尚、本明細書に於いて「(メタ)ア
クリロイルオキシ(アルキル)基」とは、アクリロイル
オキシ基、アクリロイルオキシアルキル基、メタクリロ
イルオキシ基(メタアクリロイルオキシ基)又はメタク
リロイルオキシアルキル基(メタアクリロイルオキシア
ルキル基)の各基を、また「(メタ)アクリロイル(ア
ルキル)基」とは、アクリロイル基、アクリロイルアル
キル基、メタクリロイル基(メタアクリロイル基)又は
メタクリロイルアルキル基(メタアクリロイルアルキル
基)の各基を示す。また、アクリロイルオキシ基、メタ
クリロイルオキシ基(メタアクリロイルオキシ基)は、
慣用的にはアクリル基、メタクリル基(メタアクリル
基)とも呼ばれることがある。
【0015】本発明の難燃剤として用いられるホスファ
ゼン化合物は、NP結合を有するモノホスファゼンが3
〜10000個繰り返された(繰り返し数3〜1000
0)ホスファゼン化合物であって分子中に少なくとも1
個のビニル基置換フェニル基、アリル基置換フェニル
基、(メタ)アクリロイルオキシ(アルキル)基置換フ
ェニル基、(メタ)アクリロイル(アルキル)基置換フ
ェニル基等の重合性官能基を有するホスファゼン化合物
からなる。
【0016】より詳しくは、本発明の難燃剤として用い
られるホスファゼン化合物は、NP結合を有するモノホ
スファゼンが3〜10000個繰り返されたホスファゼ
ン化合物であって該化合物分子中に少なくとも1個のビ
ニル基置換フェニル基、アリル基置換フェニル基、(メ
タ)アクリロイルオキシ(アルキル)基置換フェニル
基、(メタ)アクリロイル(アルキル)基置換フェニル
基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の重合性官能
基を有するホスファゼン化合物から選ばれる1種以上の
フォスファゼン化合物であって、中でも、前記ホスファ
ゼン化合物は、モノホスファゼンの繰り返し数3〜15
のものが好ましい。
【0017】上記フォスファゼン化合物の具体例として
は、例えば、一般式 (1)
【0018】
【化9】 〔式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、炭
素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアル
キル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14
のヒドロキシアリール基、炭素数7〜18のアルキルア
リール基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数8〜
18のアルケニルアリール基、シアノ基又は一般式
(2)
【0019】
【化10】 〔式中R3 は水素原子又はメチル基を示す。mは0〜6
の数を示す。〕で表される基、又は一般式(3)
【0020】
【化11】 〔式中R3は上記に同じ。pは0〜6の数を示す。〕で
表される基、又は一般式(4)
【0021】
【化12】 〔q、sは0〜6の数、rは0又は1の数を示す。〕で
表される末端にビニル基を有する置換基で置換されたフ
ェニル基を示す。但し、n個のR1及びR2のうち、少な
くとも一つは一般式(2)、一般式(3)又は一般式
(4)で表される置換フェニル基を示すものとする。n
は3〜10000の数を表し、両末端は環構造を形成す
ることにより互いに結合しているか、または線状構造を
取ってそれぞれ異なる末端を有している。ここで、線状
構造の末端基として、リン原子側は基−N=P(O
1)3、基−N=P(OR2)3、基−N=P(=O)OR1
は基−N=P(=O)OR2を示し、窒素原子側は基−P
(OR1)4、基−P(OR2)4、基−P(=O)(OR1)2又は
基−P(=O)(OR2)2を示す。R1及びR2は前記と同
じ。)で表わされる重合性官能基を有する環状及び/又
は鎖状のホスファゼン化合物を、構成単位として含む化
合物を例示でき、中でも、一般式(2)で表される重合
性官能基を有する一般式(1)の環状及び/又は鎖状の
ホスファゼン化合物が好ましい。
【0022】上記一般式(1)で表わされるホスファゼ
ン化合物の中でも、繰り返し数(n)が3〜15である
ホスファゼン化合物が特に好ましい。本発明のフォスフ
ァゼン化合物は、少なくとも1個の重合性官能基(例え
ば、(メタ)アクリロイルオキシ(アルキル)基置換フ
ェニル基)を有する環状及び/又は鎖状のホスファゼン
化合物から選ばれる1種又は2種以上を構成単位とする
化合物である。
【0023】本発明の難燃剤の原料として用いられる少
なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ(アルキ
ル)基置換フェニル基を有する環状及び/又は鎖状のホ
スファゼン化合物は、例えば、ヒドロキシ基を有する環
状及び/又は鎖状のホスファゼン化合物と(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸ハライド又は(メタ)アク
リル酸無水物とを、好ましくは、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エーテル、テトラヒドロフラン等の有機溶媒
中にて、室温下で1〜20時間、次いで反応を完結する
ために使用した溶媒の還流温度で約1〜3時間反応を行
うことによって製造できる。
【0024】ここでヒドロキシ基を有する環状及び/又
は鎖状のホスファゼン化合物は、例えば、横山正明ら、
工業化学雑誌, Vol. 67, No. 9, p. 1378 (1964)、奥橋
朋也ら、工業化学雑誌, Vol. 73, No. 6, p. 1164 (197
0)、特開昭58-219190 号公報、Alessandro Medici, et.
al., Macromolecules, Vol. 25, No. 10, p. 2569 (19
92) 等に記載の方法に従って製造できる。例えば、2価
フェノールの一方の水酸基がメチル基又はベンジル基で
保護された4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオ
キシ)フェノールのリチウム塩、ナトリウム塩又はカリ
ウム塩と塩化ホスホニトリル(特開昭54−14539
4号公報、特開昭54−145395号公報等)とを反
応させ、その後にピリジンハロゲン化水素酸塩又は三臭
化ホウ素との反応によって、メチル基又はベンジル基を
脱保護し、水酸基に変えることで製造できる。また、ヒ
ドロキシアルキルフェノールのリチウム塩、ナトリウム
塩又はカリウム塩と塩化ホスホニトリルとを反応させる
ことによっても製造できる。また、部分的にヒドロキシ
基置換フェノキシ基を有する環状及び/又は鎖状のホス
ファゼン化合物の製造は、2価フェノールの一方の水酸
基がメチル基又はベンジル基で保護された4−メトキシ
フェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール及び/
又はヒドロキシアルキルフェノールのリチウム塩、ナト
リウム塩又はカリウム塩と塩化ホスホニトリルの反応の
際に、アルコール系又はフェノール系化合物のリチウム
塩、ナトリウム塩又はカリウム塩を同時に使用すること
により製造できる。
【0025】ヒドロキシ基を有する環状及び/又は鎖状
のホスファゼン化合物と(メタ)アクリル酸との反応に
際しては、塩酸又は硫酸等の鉱酸、ベンゼンスルホン酸
又はp-トルエンスルホン酸等の有機酸、塩化スズ、塩化
亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン
化物等の触媒の一種又は二種以上を組み合わせて用いて
もよい。また、ヒドロキシ基を有する環状及び/又は鎖
状のホスファゼン化合物と(メタ)アクリル酸ハライド
(例えば、アクリル酸クロライド及び/又はメタクリル
酸クロライド)の反応に際しては、脱ハロゲン化水素を
行うために、トリエチルアミン又はピリジン等の塩基、
又は合成ゼオライト等の合成吸着剤を使用してもよい。
また、ヒドロキシ基を有する環状及び/又は鎖状のホス
ファゼン化合物とアクリル酸無水物及び/又はメタクリ
ル酸無水物との反応に際しては、反応によって生成する
アクリル酸及び/又はメタクリル酸を溶媒と共に系外に
除去することが好ましい。
【0026】本発明のフォスファゼン化合物の原料とし
て用いられる少なくとも1個の(メタ)アクリロイル
(アルキル)基置換フェニル基を有する環状及び/又は
鎖状のホスファゼン化合物は、塩化ホスホニトリルと該
(メタ)アクリロイル(アルキル)基置換フェノール類
のナトリウム塩又はカリウム塩とを常法により反応させ
ることにより製造できる。その際、(メタ)アクリロイ
ル(アルキル)基の部分で重合反応が進行しないよう
に、反応はテトラヒドロフランのような不活性な有機溶
媒中で0℃付近で行うのがよい。また、反応が充分に完
結しない場合には、重合禁止剤を加えた後、徐々に温度
を上げて反応を行えばよい。
【0027】本発明のフォスファゼン化合物の原料とし
て用いられる少なくとも1個の末端ビニル基置換フェニ
ル基を有する環状及び/又は鎖状のホスファゼン化合物
(但し、一般式(4)において、r=1の場合)は、例
えばヒドロキシ基を有する環状及び/又は鎖状のホスフ
ァゼン化合物とハロゲン化ビニルやハロゲン化アリルや
ハロゲン化−1−アルケニル類とを、トリエチルアミン
やピリジン等の脱酸剤の共存下、好ましくは、アセト
ン、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エーテル、テトラヒドロフラン等の有機溶媒
中にて、0℃〜室温(例えば20〜30℃)下で1〜1
0時間、次いで反応を完結するために使用した溶媒の還
流温度で約1〜2時間反応を行うことによって製造でき
る。また、一般式(4)において、r=0の場合には、
塩化ホスホニトリルと該末端ビニル基置換フェノール類
のナトリウム塩又はカリウム塩とを常法により反応させ
ればよい。その際、末端ビニル基が重合しないように、
反応はテトラヒドロフランのような不活性な有機溶媒中
で例えば−78℃〜0℃低温下で1〜20時間かけて行
うのがよい。
【0028】(メタ)アクリロイルオキシ(アルキル)
基置換フェニル基を有する環状及び/又は鎖状のホスフ
ァゼン化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アク
リロイルオキシフェノキシ−ペンタフェノキシシクロト
リホスファゼン、ジ((メタ)アクリロイルオキシフェ
ノキシ)−テトラフェノキシシクロトリホスファゼン、
トリ((メタ)アクリロイルオキシフェノキシ)−トリ
フェノキシシクロトリホスファゼン、テトラ((メタ)ア
クリロイルオキシフェノキシ)−ジフェノキシシクロト
リホスファゼン及びペンタ((メタ)アクリロイルオキ
シフェノキシ)−フェノキシシクロトリホスファゼン等
の(メタ)アクリロイルオキシフェノキシ基とフェノキ
シ基を混合置換したシクロトリホスファゼン及びヘキサ
(メタ)アクリロイルオキシフェノキシシクロトリホス
ファゼン、(メタ)アクリロイルオキシメチルフェノキ
シ−ペンタフェノキシシクロトリホスファゼン、ジ
((メタ)アクリロイルオキシメチルフェノキシ)−テ
トラフェノキシシクロトリホスファゼン、トリ((メ
タ)アクリロイルオキシメチルフェノキシ)−トリフェ
ノキシシクロトリホスファゼン、テトラ((メタ)アク
リロイルオキシメチルフェノキシ)−ジフェノキシシク
ロトリホスファゼン及びペンタ((メタ)アクリロイル
オキシメチルフェノキシ)−フェノキシシクロトリホス
ファゼン等の(メタ)アクリロイルオキシメチルフェノ
キシ基とフェノキシ基を混合置換したシクロトリホスフ
ァゼン及びヘキサ(メタ)アクリロイルオキシメチルフ
ェノキシシクロトリホスファゼン、(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルフェノキシ−ペンタフェノキシシクロト
リホスファゼン、ジ((メタ)アクリロイルオキシエチ
ルフェノキシ)−テトラフェノキシシクロトリホスファ
ゼン、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチルフェノ
キシ)−トリフェノキシシクロトリホスファゼン、テト
ラ((メタ)アクリロイルオキシエチルフェノキシ)−
ジフェノキシシクロトリホスファゼン及びペンタ((メ
タ)アクリロイルオキシエチルフェノキシ)−フェノキ
シシクロトリホスファゼン等の(メタ)アクリロイルオ
キシエチルフェノキシ基とフェノキシ基を混合置換した
シクロトリホスファゼン及びヘキサ(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルフェノキシシクロトリホスファゼン、
(メタ)アクリロイルオキシブチルフェノキシ−ペンタ
フェノキシシクロトリホスファゼン、ジ((メタ)アク
リロイルオキシブチルフェノキシ)−テトラフェノキシ
シクロトリホスファゼン、トリ((メタ)アクリロイル
オキシブチルフェノキシ)−トリフェノキシシクロトリ
ホスファゼン、テトラ((メタ)アクリロイルオキシブ
チルフェノキシ)−ジフェノキシシクロトリホスファゼ
ン及びペンタ((メタ)アクリロイルオキシブチルフェ
ノキシ)−フェノキシシクロトリホスファゼン等の(メ
タ)アクリロイルオキシブチルフェノキシ基とフェノキ
シ基を混合置換したシクロトリホスファゼン及びヘキサ
(メタ)アクリロイルオキシブチルフェノキシシクロト
リホスファゼン等を挙げられる。
【0029】また、(メタ)アクリロイルオキシエチル
フェノキシ基とブトキシ基、オクチルオキシ基、トリフ
ルオロエトキシ基、エチルフェノキシ基、ナフチルオキ
シ基、アリルオキシ基、アリルフェノキシ基、クロルフ
ェノキシ基及びトリフルオロメチルフェノキシ基より選
ばれる1種又は2種以上を混合置換したシクロトリホス
ファゼン等を挙げられる。また、(メタ)アクリロイル
オキシフェノキシ基とフェノキシ基を混合置換した、シ
クロテトラホスファゼン、シクロペンタホスファゼン、
シクロヘキサホスファゼン、シクロホスファゼン混合物
(前記一般式(1)のnが3〜15の混合物)、線状ホ
スファゼン混合物(前記一般式(1)のnが平均3,0
00の混合物) 及び環状(=シクロ)及び線状ホスファ
ゼン混合物(前記一般式(1)のnが平均1,000の
混合物) 等を挙げられる。また、(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルフェノキシ基とフェノキシ基を混合置換
したシクロテトラホスファゼン、シクロペンタホスファ
ゼン、シクロヘキサホスファゼン、シクロホスファゼン
混合物(前記一般式(1)のnが3〜15の混合物)、
線状ホスファゼン混合物(前記一般式(1)のnが平均
3,000の混合物)及び環状(=シクロ)及び線状ホ
スファゼン混合物(前記一般式(1)のnが平均1,0
00の混合物) 等を挙げることができる。この中で最
も望ましいのは、前記一般式(1)のnが3〜15のも
のである。
【0030】次にb)成分の可溶性ポリイミドについて
説明する。本発明の感光性樹脂組成物に用いられる可溶
性ポリイミドは、既にイミド化したものを用いる。従っ
て、ポリアミド酸では、イミド化する必要が生じ、25
0℃以上の高温に長時間曝す必要があり、銅箔あるいは
ポリイミド以外の部分が劣化することがあったが、本発
明においては、劣化が生じない。
【0031】本発明における、可溶性のポリイミドの製
法について説明する。ポリイミドは一般的に、有機溶媒
中ジアミンと酸二無水物と反応させてポリアミド酸とし
た後で、脱水イミド化するか、溶媒中酸二無水物とジイ
ソシアナートと反応することにより得られる。本発明に
用いられるポリアミド酸は、有機溶剤中ジアミンと酸二
無水物と反応させることにより得られる。アルゴン、窒
素等の不活性雰囲気中において、ジアミンを有機溶媒中
に溶解あるいは、スラリー状に拡散させ、酸二無水物を
有機溶媒に溶解、スラリー状に拡散させた状態、あるい
は固体の状態で添加する。
【0032】この時の反応温度は、−20℃〜90℃が
望ましい。反応時間は30分から24時間程度である。
ポリアミド酸の平均分子量は5000〜1000000
であることが望ましい。平均分子量が5000未満で
は、できあがったポリイミド組成物の分子量も低くな
り、そのポリイミド組成物をそのまま用いても樹脂が脆
くなる傾向にある。一方、1000000を越えるとポ
リアミド酸ワニスの粘度が高くなりすぎ取扱いが難しく
なる傾向にある。
【0033】また、このポリイミド組成物に各種の有機
添加剤、或は無機のフィラー類、或は各種の強化材を複
合することも可能である。ここで該ポリアミド酸の生成
反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメ
チルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホ
キシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセ
トアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−
ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリ
ドン系溶媒、フェノール、o−、m−、またはp−クレ
ゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコ
ールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノー
ル、ブタノール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソル
ブ等のセロソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミ
ド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができ、これ
らを単独または混合物として用いるのが望ましいが、更
にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用
可能である。溶媒は、ポリアミド酸を溶解するものであ
れば特に限定されない。次に、ポリアミド酸をイミド化
する工程について説明する。ポリアミド酸が、イミド化
する際に、水を生成する。この生成した水は、ポリアミ
ド酸を容易に加水分解し分子量の低下を引き起こす。こ
の水を除去しながらイミド化する方法として、通常1)
トルエン・キシレン等の共沸溶媒を加え共沸により除去
する方法、2)無水酢酸等の脂肪族酸二無水物とトリエ
チルアミン・ピリジン・ピコリン・イソキノリン等の3
級アミンを加える化学的イミド化法等が一般的である。
【0034】別の方法として、イミド化により生成する
水を加熱・減圧し、積極的に系外に除去することにより
加水分解を抑え、分子量低下を避けることができる。ま
た、用いた原料の酸二無水物中に、加水分解により開環
したテトラカルボン酸或いは、酸二無水物の片方が加水
開環したもの等が混入し、ポリアミド酸の重合反応を停
止した場合、イミド化時の減圧・加熱により、開環した
酸二無水物が再び、閉環して酸二無水物となり、イミド
化中に、系内に残っているアミンと反応し、分子量の向
上が期待できる。イミド化の加熱条件は、80〜400
℃である。イミド化効率よく行われ、しかも水が効率よ
く除かれる100℃以上、望ましくは120℃以上であ
る。最高温度は、用いるポリイミドの熱分解温度以下に
設定することが望ましく、通常、250〜350℃程度
でイミド化は、ほぼ完了するため、最高温度をこの程度
にすることもできる。減圧する圧力の条件は、圧力が小
さいほうが好ましいが、上記加熱条件で、イミド化時に
生成する水が効率よく除去される圧力であればよい。具
体的には、減圧加熱する圧力は0.9〜0.001気圧
であり、望ましくは、0.8〜0.001気圧、さらに
望ましくは、0.7〜0.01気圧である。このポリイ
ミド組成物に用いられる酸二無水物は、酸二無水物であ
れば特に限定されないが、例えば2,2´−ヘキサフル
オロプロピリデンジフタル酸二無水物、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−
3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、ブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,
2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二
無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−
酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテ
トラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテト
ラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,
2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカル
ボン酸二無水物等の脂肪族または脂環式テトラカルボン
酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3‘,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3‘,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3‘,4,4’−ビフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,4’−ジ
メチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、
3,3‘,4,4’−テトラフェニルシランテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボ
ン酸二無水物、4,4‘−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4
‘−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニ
ルスルホン二無水物、4,4‘−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,
3’,4,4‘−パーフルオロイソプロピリデンジフタ
ル酸二無水物、3,3’,4,4‘−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフ
ィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリ
フェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス
(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニ
ルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェ
ニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水
物等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸
二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。
【0035】特に、耐熱性と機械特性を高次元で発現す
るには、一般式(5):化13の構造の酸二無水物を用
いることが望ましい。(R4は、エステル結合あるいは
エーテル結合を示し、R5は2価の有機基であり特に化
14で示される群から選択される構造が望ましく、R6
は、直結・−O−・−CH2−・−(C=O)−・−C
(CH32−・−C(CF32−・−SO2−であ
る。)
【0036】
【化13】 一般式(5),
【0037】
【化14】 (式中、R7は、水素・ハロゲン・メトキシ・C1〜C16
のアルキル基を示す。)有機溶媒への溶解性の高いポリ
イミドを得るためには、一般式(5)中、2,2‘−ヘ
キサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、2,
3,3’,4‘−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、4,4−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキ
シ)ビスフタル酸無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3‘,4,
4’−テトラカルボン酸二無水物を一部用いることが望
ましい。
【0038】感光性樹脂として、用いられる現像液は環
境に対する影響から、有機溶媒計から水溶液系特にアル
カリ水溶液系になってきている。
【0039】アルカリ水溶液で現像できるように設計す
るためには、可溶性ポリイミドの原料となるジアミン成
分として、COOH基或いはOHを分子内に2個有する
ジアミンを用いる。このことにより水酸基或いはカルボ
ン酸を有する可溶性ポリイミドを得ることが得られアル
カリ水溶液で現像できるようになる。前記カルボン酸を
2個有するジアミンとしては、カルボン酸を2個有して
いれば特に限定されることはないが以下の様なものが例
示できる。
【0040】例えば、2,5−ジアミノテレフタル酸等
のジアミノフタル酸類、3,3‘−ジアミノ−4,4’
−ジカルボキシビフェニル、4,4‘−ジアミノ−3,
3’−ジカルボキシビフェニル、4,4‘−ジアミノ−
2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4‘−ジアミ
ノ−2,2’,5,5‘−テトラカルボキシビフェニル
等のカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミ
ノ−4,4‘−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2
−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキ
シフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジア
ミノ−2,2‘,5,5’−テトラカルボキシジフェニ
ルメタン等のカルボキシジフェニルメタン等のカルボキ
シジフェニルアルカン類、3,3‘−ジアミノ−4,
4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4‘−ジ
アミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、
4,4‘−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニ
ルエーテル、4,4‘−ジアミノ−2,2’,5,5
‘−テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキ
シジフェニルエーテル化合物、3,3’−ジアミノ−
4,4‘−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,
4’−ジアミノ−3,3‘−ジカルボキシジフェニルス
ルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2‘−ジカルボキ
シジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2
‘,5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルフォン
等のジフェニルスルフォン化合物、2,2−ビス[4−
(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]
プロパン等のビス[(カルボキシフェニル)フェニル]
アルカン化合物類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−
3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等の
ビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化
合物をあげることができる。
【0041】また、前記水酸基を2個有するジアミンと
しては、水酸基を2個有していれば特に限定されること
はないが以下の様なものが例示できる。
【0042】例えば、4,6−ジアミノレゾルシノー
ル、3,3‘−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフ
ェニル、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ
ビフェニル、4,4‘−ジアミノ−2,2’−ジヒドロ
キシビフェニル、4,4‘−ジアミノ−2,2’,5,
5‘−テトラヒドロキシビフェニル等のヒドロキシビフ
ェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4‘−ジヒ
ドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ
−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4
−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2
−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフ
ルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2‘,5,
5’−テトラヒドロキシジフェニルメタン等のヒドロキ
シジフェニルメタン等のヒドロキシジフェニルアルカン
類、3,3‘−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4‘−ジアミノ−
2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4
‘−ジアミノ−2,2’,5,5‘−テトラヒドロキシ
ジフェニルエーテル等のヒドロキシジフェニルエーテル
化合物、3,3’−ジアミノ−4,4‘−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3
‘−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジ
アミノ−2,2‘−ジヒドロキシジフェニルスルフォ
ン、4,4’−ジアミノ−2,2‘,5,5’−テトラ
ヒドロキシジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフ
ォン化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒ
ドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス
[(ヒドロキシフェニル)フェニル]アルカン化合物
類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ
フェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(ヒドロキ
シフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物をあげるこ
とができる。
【0043】また、別途水酸基やヒドロキシル基を1個
有するジアミンを用いることもできる。例えば、 例え
ば、2,4−ジアミノフェノール等のジアミノフェノー
ル類、3,3‘−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキ
シビフェニル、4,4‘−ジアミノ−2,2’−ジヒド
ロキシビフェニル、4,4‘−ジアミノ−2,2’,
5,5‘−テトラヒドロキシビフェニル等のヒドロキシ
ビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4‘−
ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3‘−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’
−ジアミノ−2,2‘−ジハイドロキシジフェニルメタ
ン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキ
シフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−
ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,
4’−ジアミノ−2,2‘,5,5’−テトラヒドロキ
シジフェニルメタン等のヒドロキシジフェニルメタン等
のヒドロキシジフェニルアルカン類、3,3‘−ジアミ
ノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,
4‘−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエ
ーテル、4,4‘−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、4,4‘−ジアミノ−2,2’,
5,5‘−テトラヒドロキシジフェニルエーテル等のヒ
ドロキシジフェニルエーテル化合物、3,3’−ジアミ
ノ−4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、
4,4’−ジアミノ−3,3‘−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2‘−ジヒド
ロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−
2,2‘,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスル
フォン等のジフェニルスルフォン化合物、2,2−ビス
[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェ
ニル]プロパン等のビス[(ヒドロキシフェニル)フェ
ニル]アルカン化合物類、4,4‘−ビス(4−アミノ
−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒド
キシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス
[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェ
ニル]スルフォン等のビス[(ヒドロキシフェノキシ)フ
ェニル]スルフォン化合物、3,5−ジアミノ安息香酸
等のジアミノ安息香酸類、4,4’−ジアミノ−3,3
‘−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノ−2,2‘−ジハイドロキシジフェニルメタン、
2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プ
ロパン、4,4‘−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフ
ェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)
ビフェニル化合物類をあげることができる。
【0044】また、化15で表されるシロキサンジアミ
ンを用いれば、柔軟性・溶解性の高い可溶性イミドが得
られるため望ましい。(式中、R8は、C1〜C12のアル
キル基或いはフェニル基、xは1〜20の整数、yは1
〜40の整数を示す。)
【0045】
【化15】 式中、R8の好ましい例としてメチル基・エチル基・フ
ェニル基をあげることができ、さらに好ましくはメチル
基である。またx=2〜10が好ましく、特に2〜5が
好ましい。y=4〜30が好ましく、さらに好ましくは
5〜20、特に8〜15が好ましい。このなかでyの値
の範囲が物性に与える影響が大きく、yの値が小さい
と、得られたポリイミドの可とう性が乏しくなり、また
大きすぎるとポリイミド耐熱性が損なわれる傾向にあ
る。
【0046】前記シロキサンジアミンは、全ジアミン成
分中、5〜70モル%用いることが好ましくは、さらに
は10〜50モル%用いることが好ましい。
【0047】その他にこのポリイミド組成物に用いられ
るジアミンは、ジアミンであれば特に限定されないが、
例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジア
ミン、4,4‘−ジアミノジフェニルメタン、4,4’
−ジアミノフェニルエタン、4,4‘−ジアミノフェニ
ルエーテル、4,4‘−ジジアミノフェニルスルフィ
ド、4,4‘−ジジアミノフェニルスルフォン、1,5
−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4‘−アミノ
フェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−ア
ミノ−1−(4‘−アミノフェニル)−1,3,3−ト
リメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリ
ド、3,5−ジアミノ−3‘−トリフルオロメチルベン
ズアニリド、3,5−ジアミノ−4‘−トリフルオロメ
チルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,
4‘−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,
2’,5,5‘−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビ
フェニル、2,2‘−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−
5,5‘−ジメトキシビフェニル、3,3‘−ジメトキ
シ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4‘−ジアミ
ノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニ
ル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4‘−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3‘−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス
(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−
フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4
‘−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリ
ン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフル
オロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロ
パン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフ
ルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニ
ル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフ
ェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミ
ノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミ
ン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパ
ンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,
4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、
テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキ
サヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジア
ミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレ
ンジメチルジアミン、4,4‘−メチレンビス(シクロ
ヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンおよび脂環式ジア
ミン等を挙げることができる。これらのジアミン化合物
は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0048】芳香族ジアミンを用いる場合、m−位(3
−)にアミノ基を持つジアミンを用いれば、g線・i線
領域での可溶性イミド自体の光の吸収が小さくなる傾向
にあり、感光性樹脂を設計する際に有利である。
【0049】本発明の可溶性ポリイミドのCOOH当量
は、300〜3000であることがのぞましい。これ
は、前述のカルボン酸を有するジアミンを可溶性ポリイ
ミドの原料として用いることにより実現される。可溶性
ポリイミドの好ましいCOOH当量としては、350〜
2500、さらに好ましくは、350〜2000であ
る。カルボン酸当量が、3000を超えると、水溶液系
のアルカリ現像液に溶解しにくくなり、現像時間が長く
なるため望ましくない。また、カルボン酸を2個以上含
有するジアミンを用いれば、300以下のカルボン酸当
量を実現可能であるが、溶解性の高い構造とするにはあ
る程度分子量の大きなモノマーを用いる必要があり、3
00以下にすることは困難である。前述のカルボン酸当
量を実現するには、分子内に2個以上有するジアミンを
用いることが望ましい。このジアミンを用いることによ
り、所定のカルボン酸当量を実現する際、別種のジアミ
ンを共重合することが可能になり、物性の設計が容易に
なるため望ましい。ポリアミド酸溶液を減圧下で加熱乾
燥して直接イミド化する具体的な方法について説明す
る。減圧下、加熱乾燥できるなら方法は問わないが、バ
ッチ式の方法として、真空オーブン、連続式の方法とし
て、例えば減圧装置の付随した2軸或いは3軸押出し機
により実施できる。これらの方式は、生産量により選択
される。ここでいう減圧装置の付随した2軸或いは3軸
押出し機とは、熱可塑樹脂を加熱溶融押出しを行う、一
般的な溶融押出し機に減圧して溶媒を除去する装置を付
随させたものである。2軸あるいは3軸の押出し機によ
りポリアミド酸溶液が、押出し機により混練されながら
溶媒とイミド化時に生成した水を除去され、可溶性ポリ
イミドとなる。
【0050】このようにして、本発明のCOOH当量
が、300〜3000の可溶性ポリイミドを得ることが
できる。COOHの影響で、アルカリ水溶液に可能な樹
脂組成物を提供することができる。
【0051】また、COOHとエポキシ基を反応させる
と例えば、COO−CH2−CH(OH)−の様に、エ
ステル結合と2級水酸基が生成する。このエステル結合
と2級水酸基を持つ化合物は、現像時に金属イオンを取
り込みにくく、電気特性を落とさない。加えて、アルカ
リ水溶液にて現像できることを見出した。よって、可溶
性ポリイミドのCOOHをエポキシ基と反応させること
が望ましい。
【0052】本発明は、COOH当量300〜3000
の可溶性ポリイミドをエポキシ基を有する化合物で変成
し、エポキシ変成ポリイミドとすることが望ましい。エ
ポキシ変成ポリイミドの原料となる可溶性ポリイミドの
好ましいCOOH当量としては、350〜2500、さ
らに好ましくは、350〜2000である。カルボン酸
当量が、3000を超えると、水溶液系のアルカリ現像
液に溶解しにくくなり、現像時間が長くなるため望まし
くない。また、カルボン酸を2個以上含有するジアミン
を用いれば、300以下のカルボン酸当量を実現可能で
あるが、溶解性の高い構造とするにはある程度分子量の
大きなモノマーを用いる必要があり、300以下にする
ことは困難である。
【0053】前述のカルボン酸当量を実現するには、前
述の分子内に2個以上有するジアミンを用いることが望
ましい。このジアミンを用いることにより、所定のカル
ボン酸当量を実現する際、別種のジアミンを共重合する
ことが可能になり、物性の設計が容易になるため望まし
い。
【0054】次にエポキシ変性ポリイミドの製造方法に
ついて説明する。前述のカルボキシル基を有する可溶性
ポリイミドを有機溶媒に溶かし、エポキシ化合物と水酸
基またはカルボキシル基を有するポリイミドとを反応さ
せることによりエポキシ変性ポリイミドが得られる。こ
のエポキシ変性ポリイミドは熱可塑性を示すものが好ま
しく、350℃以下のガラス転移温度(Tg)が好まし
い。
【0055】反応に用いられる溶媒は、エポキシ基とは
反応せず、水酸基またはカルボキシル基を有するポリイ
ミドを溶解するものであれば特に限定されない。例え
ば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなど
のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド
系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエ
チルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなど
のピロリドン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、ブタノ
ール等のアルコール系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロ
ソルブ系あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブ
チロラクトン等、更にはキシレン、トルエンのような芳
香族炭化水素も使用可能である。これらを単独または混
合物として使用することができる。本発明のエポキシ変
性ポリイミドは最終的には溶媒が除去して用いられる場
合が殆どであるので、なるべく沸点の低いものを選択す
ることも重要である。
【0056】ここで、水酸基またはカルボキシル基を有
するポリイミドと反応させるエポキシ化合物について説
明する。好ましいエポキシ化合物としては、エポキシ基
を2個以上有するエポキシ化合物やエポキシ基と炭素間
2重結合或いは炭素間3重結合を有する化合物が挙げら
れる。
【0057】エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合
物とは、エポキシ基を分子内に2個以上持っている化合
物をいい次のように例示できる。例えば、エピコート8
28(油化シェル社製)等のビスフェノール樹脂、18
0S65(油化シェル社製)等のオルソクレゾールノボ
ラック樹脂、157S70(油化シェル社製)等のビス
フェノールAノボラック樹脂、1032H60(油化シ
ェル社製)等のトリスヒドロキシフェニルメタンノボラ
ック樹脂、ESN375等のナフタレンアラルキルノボ
ラック樹脂、テトラフェニロールエタン1031S(油
化シェル社製)、YGD414S(東都化成)、トリス
ヒドロキシフェニルメタンEPPN502H(日本化
薬)、特殊ビスフェノールVG3101L(三井化
学)、特殊ナフトールNC7000(日本化薬)、TE
TRAD−X、TETRAD−C(三菱瓦斯化学社製)
等のグリシジルアミン型樹脂などがあげられる。
【0058】エポキシ基と炭素間2重結合を有する化合
物とは、エポキシ基と炭素間2重結合を分子内に持って
いれば特に限定されないが、以下のように例示すること
ができる。即ちアリルグリシジルエーテル・グリシジル
アクリレート・グリシジルメタクレート・グリシジルビ
ニルエーテルや化16等である。(但し、R9は、水素
或いはメチル基を示す。)
【0059】
【化16】 エポキシ基と炭素間3重結合を有する化合物とは、エポ
キシ基と炭素間3重結合を分子内に持っていれば特に限
定されないが、以下のように例示することができる。即
ちプロパギルグリシジルエーテル・グリシジルプロピオ
レート・エチニルグリシジルエーテル等である。
【0060】これらのエポキシ化合物及び水酸基または
カルボキシル基を有するポリイミドとを反応させるため
には、これらを有機溶媒に溶解し加熱により反応させ
る。任意の溶解方法で良いが、反応温度は40℃以上1
30℃以下が好ましい。特に炭素間2重結合や炭素間3
重結合を有するエポキシ化合物については、炭素間2重
結合・炭素間3重結合が熱により分解或いは架橋しない
程度の温度で反応させることが好ましく、具体的には4
0℃以上100℃以下、さらに好ましくは50℃以上9
0℃以下である。反応時間は数分程度から8時間程度で
ある。このようにして、エポキシ変性ポリイミドの溶液
を得ることができる。なお、このエポキシ変性ポリイミ
ド溶液には、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を混合して用い
てもよいし、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビスマレイ
ミド、ビスアリルナジイミド、フェノール樹脂、シアナ
ート樹脂等の熱硬化性樹脂を混合して用いてもよい。ま
た、種々のカップリング剤を混合してもよい。
【0061】本発明のエポキシ変性ポリイミドに、エポ
キシ樹脂用として通常用いられる硬化剤を配合すると良
好な物性の硬化物が得られることがある。この傾向は、
水酸基またはカルボキシル基を有するポリイミドにエポ
キシ基を2個以上有するエポキシ化合物を反応させて得
たエポキシ変性ポリイミドにおいて特に顕著である。こ
の場合のエポキシ樹脂用の硬化剤としてはアミン系・イ
ミダゾール系・酸無水物系・酸系等が代表例として示さ
れる。
【0062】本発明の感光性樹脂組成物においては、感
光性を付与するために、光反応開始剤を配合する。光反
応開始剤として、光によりg線程度の長波長の光により
ラジカルを発生する化合物の一例として、下記一般式
(α・β)で表されるアシルフォスフィンオキシド化合
物が挙げられる。これにより発生したラジカルは、2結
合を有する反応基(ビニル・アクロイル・メタクロイル
・アリル等)と反応し架橋を促進する。
【0063】
【化17】 一般式(α)
【0064】
【化18】 一般式(β) (式中、R9,R12及びR14は、C65−,C64(C
3)−,C62(CH33−,(CH33C−,C6
3Cl2−を、R10,R11及びR1365−,メトキシ,
エトキシ,C64(CH3)−,C62(CH33−を
表す。) 特に一般式(β)で表されるアシルフォスフィンオキシ
ドは、α開裂により、4個のラジカルを発生するため好
ましい。(一般式(α)は、2個のラジカルを発生) ラジカル開始剤として種々のパーオキサイドを下記の増
感剤と組み合わせて用いることができる。特に3,
3‘,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノンと増感剤との組み合わせが特に好
ましい本発明で用いられる感光性樹脂組成物うる感光感
度を達成するため、増感剤を含むことができる。増感剤
の好ましい例としては、ミヒラケトン、ビス−4,4
‘−ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾフェノン、
カンファーキノン、ベンジル、4,4’−ジメチルアミ
ノベンジル、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデ
ン)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5−ビス(ジ
メチルアミノベンジリデン)−N−メチル−4−ピペリ
ドン、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−
N−エチル−4−ピペリドン、3,3’−カルボニルビ
ス(7−ジエチルアミノ)クマリン、リボフラビンテト
ラブチレート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)
フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチ
オキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサント
ン、3,5−ジメチルチオキサントン、3,5−ジイソ
プロピルチオキサントン、1−フェニル−2−(エトキ
シカルボニル)オキシイミノプロパン−1−オン、ベン
ゾインエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベ
ンズアントロン、5−ニトロアセナフテン、2−ニトロ
フルオレン、アントロン、1,2−ベンズアントラキノ
ン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾー
ル、チオキサンテン−9−オン、10−チオキサンテノ
ン、3−アセチルインドール、2,6−ジ(p−ジメチ
ルアミノベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノ
ン、2,6−ジ(p−ジメチルアミノベンザル)−4−
ヒドロキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−ジエチ
ルアミノベンザル)−4−カルボキシシクロヘキサノ
ン、2,6−ジ(p−ジエチルアミノベンザル)−4−
ヒドロキシシクロヘキサノン、4,6−ジメチル−7−
エチルアミノクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチ
ルクマリン、7−ジエチルアミノ−3−(1−メチルベ
ンゾイミダゾリル)クマリン、3−(2−ベンゾイミダ
ゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベ
ンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、2−
(p−ジメチルアミノスチリル)ベンゾオキサゾール、
2−(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、4−
(p−ジメチルアミノスチリル)キノリン、2−(p−
ジメチルアミノスチリル)ゼンゾチアゾール、2−(p
−ジメチルアミノスチリル)−3,3−ジメチルー3H
−インドール等が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0065】増感剤は、本発明のポリイミド樹脂100重
量部に対し、0.1〜5 0重量部配合すること好ましく、
0.3〜2 0重量部とすることが、さらに好ましい。0.1
〜50重量部の範囲を逸脱すると、増感効果が得られなか
ったり、現像性に好ましくない影響を及ぼすことがあ
る.なお、増感剤として、1種類の化合物を用いても良
いし、数種を混合して用いてもよい。
【0066】また、本発明で用いられる感光性樹脂組成
物は、実用に供しうる感光感度を達成するため、光重合
助剤を含むことができる。光重合助剤としては、例え
ば、4−ジエチルアミノエチルベンゾエート、4−ジメチ
ルアミノエチルベンゾエート、4−ジエチルアミノブロ
ピルベンゾエート、4−ジメチルアミノプロピルベンゾ
エート、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、
N−フェニルグリシン、N−メチルーN−フェニルグリシ
ン、N−(4−シアノフェニル)グリシン、4−ジメチル
アミノベンゾニトリル、エチレングリコールジチオグリ
コレート、エチレングリコールジ(3−メルカブトプロ
ピオネート)、トリメチロールプロパンチオグリコレー
ト、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロ
ピオネート)、ペンタエリスリトールテトラチオグリコ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプト
プロピオネート)、トリメチロールエタントリチオグリ
コレート、トリメチロールプロパントリチオグリコレー
ト、トリメチロールエタントリ(3−メルカプトプロピ
オネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メル
カプトプロピオネート)、チオグリコール酸、α一メル
カプトプロピオン酸、t−ブチルペルオキシベンゾエー
ト、t −ブチルペルオキシメトキシペンゾエート、t−
ブチルペルオキシニトロベンゾエート、t−ブチルペル
オキシエチルベンゾエート、フェニルイソプロピルペル
オキシベンゾエート、ジt−ブチルジペルオキシイソフ
タレート、トリt−ブチルトリペルオキシトリメリテー
ト、トリt−ブチルトリペルオキシトリメシテート、テ
トラt−ブチルテトラペルオキシピロメリテート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘ
キサン、3,3‘,4,4’−テトラ(t−ブチルペル
オキシカルボニル)ペンゾフェノン、3,3,4,4
‘−テトラ(t−アミルペルオキシカルボニル)ベンゾ
フェノン、3,3‘,4,4’−テトラ(t−ヘキシル
ペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,6−ジ
(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキサノ
ン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4―カルボキシ
シクロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)
−4−メトキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p−ア
ジドベンザル)−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサノ
ン、3,5−ジ(p−アジドベンザル)−1−メチル−
4−ピペリドン、3,5−ジ(p−アジドベンザル)−4
−ピペリドン、3,5−ジ(p−アジベンザル)−N−ア
セチル−4−ピペリドン、3,5−ジ(p−アジドベンザ
ル)−N−メトキシカルボニルー4−ピペリドン、2,6
−ジ(p−アジドベンザル)−4−ヒドロキシシクロヘキ
サノン、2,6−ジ(m−アジドベンザル)−4−カルボ
キシシクロヘキサノン、2,6−ジ(m−アジドベンザ
ル)−4−メトキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(m−
アジドベンザル)−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサ
ノン、3,5−ジ(m−アジドべンザル)−N−メチル−
4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−4
−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベンザル)−N−
アセチルー4−ピペリドン、3,5−ジ(m−アジドベン
ザル)−N−メトキシカルボニル−4−ピペリドン、2,
6−ジ(p−アジドシンナミリデン)−4−ヒドロキシシ
クロヘキサノン、2,6−ジ(p−アジドシンナミリデ
ン)−4−カルボキシシクロヘキサノン、2,6−ジ(p
−アジドシンナミリデン)−4−シクロヘキサノン、
3,5−ジ(p−アジドシンナミリデン)−N−メチル
−4−ピペリドン、4,4‘−ジアジドカルコン、3,
3‘ージアジドカルコン、3,4’−ジアジドカルコ
ン、4,3‘−ジアジドカルコン、1,3−ジフェニル
−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−アセチ
ル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロ
パントリオン−2−(o−n−プロピルカルボニル)オ
キシム、1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパント
リオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、
1,3−ジフェニル−1,2,3−プロパントリオン−
2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジ
フェニル−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−
ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニル−1,2,
3−プロパントリオン−2−(o−フェニルオキシカル
ボニル)オキシム、1,3−ビス(p−メチルフェニル)
−1,2,3−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイ
ル)オキシム、1,3−ビス(p−メトキシフェニル)−
1,2,3−プロパントリオン−2−(o−エトキシカ
ルボニル)オキシム、1−(p−メトキシフェニル)−
3−(p−ニトロフェニル)−1,2,3−プロパント
リオン−2−(o−フェニルオキシカルボニル)オキシ
ム等を用いることができるが、これらに限定されない。
また、別の助剤として、トリエチルアミン・トリブチル
アミン・トリエタノールアミン等のトリアルキルアミン
類を混合することもできる。
【0067】光重合助剤は、可溶性ポリイミド100重
量部に対し、0.1〜50重量部配合されることが好ま
しく、0.3〜20重量部の範囲がさらに好ましい。
0.1〜50重量部の範瀦を逸脱すると、目的とする増
感効果が得られなかったり、現像性に好ましくない影響
をおよぼすことがある。なお、光重合助剤として1種類
の化合物を用いてもよいし、数種を混合してもよい。
【0068】また、本発明で用いられる感光性樹脂組成
物は、実用に供しうる感光感度を達成するため、上述の
増感剤・光重合助剤に加えて、さらに共重合モノマーを
含んでもよい。共重合モノマーは、炭素−炭素二重結合
を有する化合物であり、光重合を容易にする。共重合モ
ノマーとしては、ビスフェノールF EO変性(n=2
〜50)ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性
(n=2〜50)ジアクリレー・、スフェノールS E
O変性(n=2〜50)ジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テ
トラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコール
ジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメ
タクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレ
ート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、β−
メタクロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、
β−メタクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネ
ート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクレー
ト、ステアリルメタクレート、フェノキシエチルアクリ
レート、フェノキシジエチレングリコールアクリレー
ト、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、
β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネ
ート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクレート、
トリエチレングリコールジメタクレート、ポリエチレン
グリコールジメタクレート、1,3−ブチレングリコー
ルジメタクレート、1,6−ヘキサンジオールジメタク
レート、ネオペンチルグリコールジメタクレート、ポリ
プロピレングリコールジメタクレート、2−ヒドロキシ
1,3ジメタクロキシプロパン、2,2−ビス[4−
(メタクロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(メタクロキシ・ジエトキシ)フェニル]プ
ロパン、2,2−ビス[4−(メタクロキシ・ポリエト
キシ)フェニル]プロパン、ポリエチレングリコールジ
クリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2
−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プ
ロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエト
キシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ1−アクリ
ロキシ3−メタクロキシプロパン、トリメチロールプロ
パントリメタクレート、テトラメチロールメタントリア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、メトキシジプロピレングリコールメタクレート、メ
トキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフ
ェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニル
フェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、1
−アクリロイルオキシプロピル−2−フタレート、イソ
ステアリルアクリレート、ポリオキシエチレンアルキル
エーテルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリ
コールアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタ
クレート、1,4−ブタンジオールジメタクレート、3
−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクレート、
1,6−メキサンジオールジメタクレート、1,9−ノ
ナンジオールメタクレート、2,4−ジエチル−1,5
−ペンタンジオールジメタクレート、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールジメタクレート、ジプロピレングリ
コールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノール
ジアクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキ
シ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロ
パン、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ
アクリレート、エトキシ化トチメチロールプロパントリ
アクリレート、プロポキシ化トチメチロールプロパント
リアクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレ
ート)、ペンタスリトールテトラアクリレート、エトキ
シ化ペンタスリトールテトラアクリレート、プロポキシ
化ペンタスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロ
ールプロパンテトレアクリレート、ジペンタエリスリト
ールポリアクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、グ
リシジルメタクレート、グリシジルアリルエーテル、
1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリ
アジン、トリアリル1,3,5−ベンゼンカルボキシレ
ート、トリアリルアミン、トリアリルシトレート、トリ
アリルフォスフェート、アロバービタル、ジアリルアミ
ン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジスルフィド、
ジアリルエーテル、ザリルシアルレート、ジアリルイソ
フタレート、ジアリルテレフタレート、1,3−ジアリ
ロキシ−2−プロパノール、ジアリルスルフィドジアリ
ルマレエート、4,4‘−イソプロピリデンジフェノー
ルジメタクレート、4,4‘−イソプロピリデンジフェ
ノールジアクリレート等が好ましいが、これらに限定さ
れない。架橋密度を向上するためには、特に2官能以上
のモノマーを用いることが望ましい。
【0069】また、本発明の感光性樹脂組成物から得ら
れる硬化後の感光性ドライフィルムレジストの柔軟性を
発現することができるという点から、共重合モノマーと
そして、ビスフェノールF EO変性ジアクリレート・
ビスフェノールA EO変性ジアクリレート・ビスフェ
ノールS EO変性ジアクリレート・ビスフェノールF
EO変性ジメタアクリレート・ビスフェノールA E
O変性ジメタアクリレート・ビスフェノールS EO変
性ジメタアクリレートを用いるのが好ましい。特に、ジ
アクリレートあるいはメタアクリレートの一分子中に含
まれる変成するEOの繰り返し単位が、2〜50の範囲
のものが好ましく、さらに好ましくは〜40である。E
Oの繰り返し単位により、アルカリ水溶液への溶解性が
向上し、現像時間が短縮される。50以上大きいと、耐
熱性が悪くなる傾向にあり好ましくない。
【0070】この共重合モノマーは、本発明の可溶性ポ
リイミド100重量部に対し、1〜200重量部配合す
ることが好ましく、3〜150重量部の範囲がさらに好
ましい。1〜200重量部の範囲を逸脱すると、目的と
する効果が得られなかったり、現像性に好ましくない影
響をおよぼすことがある。なお、共重合モノマーとし
て、1種類の化合物を用いても良いし、数種を混合して
用いてもよい。
【0071】また、本発明の感光性樹脂組成物の接着性
を向上させるために、エポキシ樹脂を含有してもい。エ
ポキシ樹脂とは、エポキシ基を分子内にもっていれば特
に限定されないが、以下のように例示することができ
る。
【0072】例えば、エピコート828(油化シェル社
製)等のビスフェノール樹脂、180S65(油化シェ
ル社製)等のオルソクレゾールノボラック樹脂、157
S70(油化シェル社製)等のビスフェノールAノボラ
ック樹脂、1032H60(油化シェル社製)等のトリ
スヒドロキシフェニルメタンノボラック樹脂、ESN3
75等のナフタレンアラルキルノボラック樹脂、テトラ
フェニロールエタン1031S(油化シェル社製)、Y
GD414S(東都化成)、トリスヒドロキシフェニル
メタンEPPN502H(日本化薬)、特殊ビスフェノ
ールVG3101L(三井化学)、特殊ナフトールNC
7000(日本化薬)、TETRAD−X、TETRA
D−C(三菱瓦斯化学社製)等のグリシジルアミン型樹
脂などがあげられる。
【0073】また、エポキシ基と2重結合・3重結合を
分子内に持っている化合物も混合することができる。例
えば、アリルグリシジルエーテル・グリシジルアクリレ
ート・グリシジルメタクレート・グリシジルビニルエー
テル・プロパギルグリシジルエーテル・グリシジルプロ
ピオレート・エチニルグリシジルエーテル等を例示する
ことができる。
【0074】このようにして、感光樹脂組成物の溶液を
得ることができる。このエポキシ変性ポリイミド溶液
に、適宜、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹
脂や、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ
カーボネート等の熱可塑性樹脂を混ぜてもよい。
【0075】また、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂と
混合しても良好な物性が得られるためこのましい。ここ
で用いられる熱硬化性樹脂としては、ビスマレイミド・
ビスアリルナジイミド・フェノール樹脂・シアナート樹
脂等があげられる。本発明の感光性樹脂組成物と、通常
エポキシ樹脂の硬化剤と混合すれば、よい物性の硬化物
が得られるため望ましい。エポキシ樹脂の硬化剤であれ
ば、アミン系・イミダゾール系・酸無水物系・酸系どの
ような系を用いてもよい。また、種々のカップリング剤
を混合してもよい。
【0076】本発明で用いられる感光性組成物は、適当
な有機溶媒を含んでいてもよい。適当な有機溶媒に溶解
した状態であれば、溶液(ワニス)状態で使用に供する
ことができ、塗布乾燥する際便利である。この場合に用
いる溶媒としては、溶解性の観点から非プロトン性極性
溶媒が望ましく、具体的には、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチル
ホスホルトリアミド、N−アセチル−ε−カプロラクタ
ム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル、γ−ブチロラクトン、ジオキサン、ジオキソラ
ン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン
などが好適な例としてあげられる。これらは単独で用い
ても良いし、混合系として用いることも可能である。
この有機溶媒は、ポリイミドの合成反応で用いた溶媒を
そのまま残留させたものでもよく、単離後の可溶性ポリ
イミドに新たに添加したものでもよい。また、塗布性を
改善するために、トルエン、キシレン、ジエチルケト
ン、メトキシベンゼン、シクロペンタノン等の溶媒をポ
リマーの溶解性に悪影響を及ぼさない範囲で混合しても
差し支えない。
【0077】2,2‘−ヘキサフルオロプロピリデンジ
フタル酸二無水物、2,3,3’,4‘−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物や前述の一般式(5)で表され
る酸二無水物を酸二無水物の主成分として用い、m−位
にアミノ基を有する芳香族ジアミンやスルフォン基を有
するジアミン・前述の化15で表されるシロキサンジア
ミンをジアミン成分の一部に用いることにより、得られ
た可溶性ポリミドの溶解性は飛躍的に向上し、ジオキサ
ン・ジオキソラン・テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒、クロロホルム・塩化メチレンのハロゲン系溶媒等
の沸点120℃以下の低沸点溶媒に溶解することができ
る。特に感光性樹脂組成物を塗布乾燥する際、120℃
以下の低沸点溶媒を用いれば、混合するアクリルまたは
/あるいはメタアクリルの熱重合を防ぐことができるた
め有利である。
【0078】このようにして得られた感光性樹脂組成物
の溶液を乾燥させてフィルム状の感光性ドライフィルム
レジストとする。この際、金属やPET等の支持体の上
に塗布し、乾燥乾燥後、支持体より剥がして単独のフィ
ルムとして取り扱ってもいし、PET名等のフィルムの
上に積層されたままの状態で用いられることもできる。
この感光性樹脂組成物の乾燥温度は、熱によりエポキシ
或いは、2重結合・3重結合がつぶれてしまわない温度
で行うことが望ましく、具体的には180℃以下好まし
くは、150℃以下である。このようにして得られた感
光性ドライフィルムレジストの使用法の一例について説
明する。通常、FPCの工程は、長尺のフィルムに接着
剤塗布・乾燥・銅箔と連続ラミネートされ、生産性がよ
い。しかし、従来の技術でも述べたが、貼り合わせる前
の感光性カバーレイフィルムに回路の端子部や部品との
接合部に一致する穴や窓を開ける加工をし、カバーレイ
フィルムの穴等を、FPCの端子部や部品との接合部に
合わせる位置合わせはほとんど手作業に近く、しかも小
さなワークサイズでバッチで張り合わせるため作業性及
び位置精度が悪くまたコストもかかるものであった。
【0079】本発明における感光性ドライフィルムレジ
ストは、150℃以下の温度でラミネートでき、接着剤
を介さずに直接にプリント基板に積層することが可能で
ある。このラミネート温度は、低いほうが好ましく、好
ましくは130℃以下、更に好ましくは110℃以下で
ある。また、本発明の感光性ドライフィルムレジスト
は、FPCと感光性ドライフィルムレイジストを貼り合
わせてから、露光・現像することにより、FPC端子部
と接合するための穴をあけることができ、位置精度・作
業性の問題を改善することができる。FPCは、半田で
接合する際に200℃以上の高温に数秒曝し接合する。
よって、硬化後の感光性ドライフィルムレジストの耐熱
温度が高いほうが好ましく、硬化後の感光性ドライフィ
ルムレジスト単独の熱分解温度は、300℃以上であ
り、好ましくは、320℃以上、更に好ましくは340
℃以上である。
【0080】FPCの導体層には、主に銅が用いられ
る。200℃を超える温度に、銅を曝せば、徐々に銅の
結晶構造が変化し、強度が低下する。よって、硬化温度
を200℃以下にすることが必要である。
【0081】このようにして得られた感光性ドライフィ
ルムレジストとFPCを張り合わせる工程について説明
する。この工程は、予め銅箔等の導電体によって回路が
形成されたFPCの導電体面を感光性ドライフィルムレ
ジストにより保護する工程である。具体的に、FPCと
感光性ドライフィルムフィルムレジストをあわせて、熱
ラミネート、熱プレス或いは熱真空ラミネートにより張
り合わせる。この時の温度は、熱によりエポキシ或い
は、2重結合・3重結合がつぶれてしまわない温度で行
うことが望ましく、具体的には180℃以下好ましく
は、150℃以下、さらに好ましくは130℃以下であ
る。
【0082】つぎに、この被膜に、所定のパターンのフ
ォトマスクを介して光を照射した後、塩基性溶液により
未露光部を溶解除去して、所望のパターンを得る。この
現像工程は、通常のポジ型フォトレジスト現橡装置を用
いて行ってもよい。
【0083】現像液としては、塩基性水溶を用いること
ができる。例えば、現像液は、塩基性を呈する水溶液、
一種類の化合物の溶液でもよく、2種類以上の化合物の
溶液でもよい.塩基性溶液は、通常、塩基性化合物を水
に溶解した溶液である。塩基性化合物の濃度は、通常0
・1〜50重量/重量%とするが、支持基板等への影響な
どから、0.1〜30重量/重量%とすることが好ましい。
なお、現橡液は、ポリイミドの溶解性を改善するため、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピル
アルコール、N−メチルー2−ピロリドン・N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N一ジメチルアセトアミド等の水溶
性有機済媒を一部含有していてもよい。上記塩基性化合
物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土顆金属
またはアンモニウムイオンの、ホ酸化物または炭酸塩
や、アミン化合物などが挙げられ、具体的には、2一ジ
メチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロ
パノ−ル、4−ジメチルアミノ−1−ブタノール、5−ジ
メチルアミノ−1−ペンタノール、6−ジメチルアミノ−
1−ヘキサノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−
プロパノール、3−ジメチルアミノ−2,2一ジメチル−
1−プロパノール、2−ジエチルアミノエタノール、3−
ジエチルアミノ−1−プロパノール、2−ジイソプロピル
アミノエタノール、2−ジ−n−ブチルアミノエタノー
ル、N,N−ジベンジル−2−アミノエタノール、2−(2
−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2−(2−ジエ
チルアミノエトキシ)エタノール、1−ジメチルアミノ
−2−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノ
ール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタ
ノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t
−ブチルジエタノールアミン、N一ラウリルジエタノー
ルアミン、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオー
ル、トリエタノールアミン、トリイソプロパノ−ルアミ
ン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノール
アミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチル
エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミン、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−
プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、6−アミノ
−1−ヘキサノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−
アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−アミノ
ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、N−(2−アミ
ノエチル)エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−
1,3−プロパンジオール,2−アミノ−2−エチルー1,3
−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオ
ール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパ
ンジオール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
イソプロピルアンモニウムヒドロキシド、アミノメタノ
ール、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、
2−アミノプロパノール、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロ
ピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リプロピルアミン、トリイソプロピルアミンなどを用い
ることが好ましいが、水に或いはアルコールに可溶であ
り、溶液が塩基性を呈するものであれば、これら以外の
化合物を用いてもかまわない。
【0084】現像によって形成したパターンは、次いで
リンス液により洗浄して、現像溶剤を除去する。リンス
液には、現像液との混和性の良いメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、水などが好適な例として
あげられる。上述の処理によって縛られたパターンを、
20℃から200℃までの選ばれた温度で加熱処理する
ことにより、本発明のポリイミドからなる樹脂パターン
が高解俊度で縛られる。この樹脂パターンは、耐熱性が
高く、機械特性に優れる。このようにして本発明の感光
性ドライフィルムレジストをもちいてFPCのカバーレ
イを作成することができる。
【0085】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0086】実施例中、ESDAは、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,
3‘,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、BAPS
−Mは、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]
スルフォン、DMAcは、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、DMFは、N,N−ジメチルフォルムアミドを表
す。熱分解開始温度はセイコー電子工業製 TG/DT
A220により、空気中昇温速度10℃/分で室温から
500℃までの温度範囲を測定し、重量減少が5%とな
った温度を熱分解開始温度とした。弾性率の測定は、J
IS C 2318に準じた。ピール接着強度は、JI
S C 6481の引き剥がし強度(90度)に準じて
行った。ただし、幅は、3mm幅で測定し、1cmに換
算した。重量平均分子量は、Waters製GPCを用
いて以下条件で測定した。(カラム:Shodex製
KD−806M 2本、温度60℃、検出器:RI、流
量:1ml/分、展開液:DMF(臭化リチウム0.0
3M、リン酸0.03M)、試料濃度:0.2wt%、
注入量:20μl、基準物質:ポリエチレンオキサイ
ド)COOH当量とは、COOH一個あたりの平均分子
量を意味する。
【0087】実施例における感光性ドライフィルムレジ
ストおよび三層構造シートの作製、感光性ドライフィル
ムレジストの評価は以下のように行った。 (1) 感光性ドライフィルムレジストの作製 可溶性ポリイミド(B)成分を有機溶媒に固形分30重
量%になるように調整した溶液に、(A)フォスファゼ
ン化合物、(C)炭素間二重結合を1個以上有する化合
物、及び(D)成分として光反応開始剤を混合し、感光
性樹脂組成物のワニスを調整する。
【0088】この感光性樹脂組成物のワニスをPETフ
ィルム(厚み25μm)上に乾燥後の厚みが25μmに
なるように塗布し、45℃で5分、続いて65℃で5分
乾燥して有機溶剤を除去することにより、PETフィル
ム上にBステージ化した感光性フィルム層を形成させ、
PETフィルムにBステージ化した感光性フィルムを積
層してなる感光性ドライフィルムレジストを作製した。
【0089】次いで、保護フィルムとしてポリエチレン
樹脂とエチレンビニルアルコール樹脂の共重合体からな
る積水化学(株)製プロテクト(#6221F)フィル
ムを感光性フィルム層面に接するようにラミネートして
三層構造シートからなる感光性ドライフィルムレジスト
を作製した。ラミネート条件はロール温度40℃、ニッ
プ圧は1500Pa・mとした。 (2)感光性ドライフィルムレジストの評価 作製した感光性ドライフィルムレジストについて以下の
方法により諸特性の評価を行った。 <ポリイミドフィルムとの積層体の難燃性試験>プラス
チック材料の難燃性試験規格UL94に従い、以下のよ
うに難燃性試験を行った。上記三層構造シートからなる
感光性ドライフィルムから保護フィルムを剥離後、遮光
しながら、感光性フィルム層面を、25μm厚のポリイミ
ドフィルム(鐘淵化学工業(株)製、25AHフィル
ム)に100℃、20000Pa・mでラミネートする。
次に、400nmの光を600mJ/cm2だけ露光し
てから支持体フィルムを剥離し、180℃のオーブンで
2時間加熱キュアを行う。
【0090】このように作製したサンプルを寸法1.2
7cm幅×12.7cm長さ×50μm厚み(ポリイミ
ドフィルムの厚みを含む)にカットしたものを20本用
意する。
【0091】20本のうち10本は23℃/50%相
対湿度/48時間で処理し、残りの10本は70℃で
168時間処理後無水塩化カルシウム入りデシケーター
で4時間以上冷却する。
【0092】これらのサンプルの上部をクランプで止め
て垂直に固定し、サンプル下部にバーナーの炎を10秒
間近づけて着火する。10秒間経過したらバーナーの炎
を遠ざけて、サンプルの炎や燃焼が何秒後に消えるか測
定する。各条件(、)につき、サンプルからバーナ
ーの炎を遠ざけてから平均(10本の平均)で5秒以
内、最高で10秒以内に炎や燃焼が停止し自己消火した
ものが合格である。1本でも10秒以内に消火しないサ
ンプルがあったり、炎がサンプル上部のクランプのとこ
ろまで上昇して燃焼するものは不合格とした。 <現像性>三層構造シートの保護フィルムを剥離後、感
光性ドライフィルムレジスト面を電解銅箔35μmの光
沢面に積層し、遮光しながら100℃、20000Pa・
mでラミネート加工した。この積層体の支持体フィルム
の上にマスクパターンをのせ、波長400nmの光を3
00mJ/cm2だけ露光する。このサンプルの支持体
フィルムを剥離した後、スプレー現像機(サンハヤト
(株)製エッチングマシーンES−655D)を用い
て、1%の水酸化カリウムの水溶液(液温40℃)、ス
プレー圧0.85MPa、現像液への露出時間2分間の
条件で現像した。露光する前にカバーフィルムの上にの
せるフォトマスクパターンは、100x100μm角の
微細な穴を描いたものである。現像によって形成したパ
ターンは、次いで蒸留水により洗浄して、現像液を除去
し、乾燥させる。100x100μm角の穴が現像でき
ていれば、合格とした。
【0093】<合成例1>(原料ホスファゼンの合成) 還流冷却器、温度計、撹拌機、三塩化リン滴下器及び塩
素ガス吹き込み管を備えた5Lのフラスコにクロルベン
ゼン2.5L、塩化アンモニウム182.5g(3.4
モル)及び塩化亜鉛2.5gを仕込んで混合分散液を得
た。該分散液を温度130℃に加熱して還流下で三塩化
リン425.5gを9g/分の速度で48分間にわたっ
て滴下すると同時に塩素ガス227gを5g/分の速度
で46分間にわたって供給した。三塩化リン及び塩素ガ
スを供給した後、更に150分間還流(131℃)を行
って反応を完結した。次いで吸引濾過して未反応の塩化
アンモニウムを除去し、濾液を1.0〜3.0hPaの
減圧下にて30〜50℃でクロルベンゼンを留去して反
応生成物352gを得た。該反応生成物の三塩化リンを
基準とした収率は98.1%であった。クロルベンゼン
に再溶解し、再結晶によってヘキサクロロシクロトリホ
スファゼン及びオクタクロロシクロテトラホスファゼン
の混合物(226g,ヘキサクロロシクロトリホスファ
ゼン:76%,オクタクロロシクロテトラホスファゼ
ン:24%)を得た。再結晶で残ったクロルベンゼン溶
液を濃縮し、環状及び鎖状のクロロホスファゼン(一般
式(1)のホスファゼン化合物のR1O−基及びR2O−
基の代わりに塩素原子がそれぞれ置換したもので、nが
3〜15の混合物)125gを得た。また、先に得たヘ
キサクロロシクロトリホスファゼン及びオクタクロロシ
クロテトラホスファゼンの混合物を、ヘキサンを用い3
回再結晶することで、純度99.9%のヘキサクロロシ
クロトリホスファゼン155gを得た。 <合成例2>(ヒドロキシ基を有するホスファゼンの合
成) 還流冷却器、温度計、撹拌機、滴下ロートを備えた2L
の4ツ口フラスコに純度99.9%のヘキサクロロシク
ロトリホスファゼン58g(1ユニットモル、NPCl
2を1ユニットとする)、テトラヒドロフラン100m
Lを仕込んで溶液を得た。次に別に調製した 4−メト
キシフェノールのナトリウム塩のテトラヒドロフラン
(THF)溶液(4−メトキシフェノール149.0g
(1.2モル)、ナトリウム25.3g(1.1g−a
tom)、テトラヒドロフラン600mL)を撹拌しな
がら、2時間かけて上記ヘキサクロロシクロトリホスフ
ァゼンのTHF溶液に滴下した。ナトリウム塩の約1/
3量を加えるまでは激しい発熱があり、冷却しながら滴
下反応を行った。残り2/3量の添加時には激しい発熱
反応にならないが、反応温度を30℃以下になるように
適宜冷却して反応を行った。滴下終了後、引き続き12
時間室温下での撹拌反応を行った。次に反応完結のため
に溶媒還流下で6時間反応を行った。反応終了後、溶媒
のTHFを減圧下に留去し、次にトルエン500mLを
加えて再溶解し、更に水500mLを加えて分液ロート
中にて有機層の分液を行った。有機層を5%水酸化ナト
リウム水溶液500mLで3回洗浄し、更に、(1+
9) 塩酸水溶液500mLで1回、5%炭酸水素ナト
リウム水500mLで1回、水500mLで2回洗浄し
た。この時の水層のpHは7〜8であった。有機層を分
液し、無水硫酸マグネシウムで脱水処理し、トルエンを
留去して黄色固体状のヘキサ(4−メトキシフェノキ
シ)シクロトリホスファゼン138.4g(収率95
%)を得た。残存塩素量は0.02%で、融点は104
℃(文献値103〜104℃)であった。上記の方法で
得たヘキサ(4−メトキシフェノキシ)シクロトリホス
ファゼン130.6g(0.45ユニットモル)とピリ
ジン塩酸塩1040g(9モル)を、2Lの4ツ口フラ
スコに仕込み、徐々に昇温し、205〜210℃で1時
間反応を行った。室温冷却後、水300mLを加えて反
応生成物及び過剰のピリジン塩酸塩を溶解し、20%水
酸化ナトリウム水溶液でpH6〜7に反応溶液を調製し
た。次に酢酸エチル500mLを用いて抽出を4回行っ
た後に、抽出液を合わせて、飽和硫酸ナトリウム水50
0mLで4回洗浄し、有機層を分液し、無水硫酸マグネ
シウムにより脱水処理後、減圧下にて酢酸エチルを留去
した。次に濃縮物をメタノール200mLに溶解し水
1.5L中に投入し、結晶を析出させる工程を3回繰返
して行い、得られた結晶を減圧乾燥し、淡黄色結晶9
4.8g(収率80%)を得た。生成物の残存塩素量は
0.01%以下であり、分析化学便覧(日本分析化学会
編)、有機編、第316頁に記載されている無水酢酸及
びピリジンによるアセチル化法により、水酸基(OH,
%)を定量したところ、12.9%であった(理論値1
2.9%、組成式N33(OC64OH)6)。また、1
H−及び31P−NMR分析を行い合成を確認した。融点
は238℃ であった。 <合成例3>(ヒドロキシ基を有するホスファゼンの合
成) 合成例1にて合成したヘキサクロロシクロトリホスファ
ゼン及びオクタクロロシクロテトラホスファゼンの混合
物(ヘキサクロロシクロトリホスファゼン:82%,オ
クタクロロシクロテトラホスファゼン:18%)58g
(0.5ユニットモル)を使用した他は合成例2と同様
の方法により4−メトキシフェノキシ誘導体を得た。収
量は138.7g(収率95%)で、残存塩素量は0.
02%で、淡黄色固体であった。上記により得た4−メ
トキシフェノキシ誘導体131.1g(0.45ユニッ
トモル)を使用した他は合成例2と同様の方法によりメ
チル基の除去を行った。得られた生成物は淡茶色固体で
収量98.6g(収率75%)であった。生成物の残存
塩素量は0.01%以下であり、1H−及び31P−NM
R分析を行い、合成を確認した。また、水酸基含量は1
2.8%であった。 <合成例4>(ヒドロキシ基を有するホスファゼンの合
成) 合成例1にて合成した環状及び鎖状のクロロホスファゼ
ン58g(0.5ユニットモル)を使用した他は合成例
2と同様の方法により4−メトキシフェノキシ誘導体を
得た。収量は135.7g(収率93%)で、残存塩素
量は0.04%で、黄色高粘稠体であった。上記により
得た4−メトキシフェノキシ誘導体131.1g(0.
45ユニットモル)を使用した他は合成例2と同様の方
法によりメチル基の除去を行った。得られた生成物は淡
茶色、高粘稠体で収量98.6g(収率75%)であっ
た。生成物の残存塩素量は0.01%以下であり、1
−及び31P−NMR分析を行い、合成を確認した。水酸
基含量は12.7%であった。 <合成例5>(部分的にヒドロキシ基を有するホスファ
ゼンの合成) 還流冷却器、温度計、撹拌機、滴下ロートを備えた2L
の4ツ口フラスコに純度99.9%のヘキサクロロシク
ロトリホスファゼン58g(0.5ユニットモル、NP
Cl2を1ユニットとする)、THF100mLを仕込
んで溶液を得た。次に別に調製した4−メトキシフェノ
ールのNa塩のTHF溶液(4−メトキシフェノール6
3.3g(0.55モル)、ナトリウム11.5g
(0.5g−atom)、テトラヒドロフラン200m
L)を撹拌しながら、1時間かけて上記ヘキサクロロシ
クロトリホスファゼンのTHF溶液に滴下した。反応は
激しい発熱であるので、反応温度が30℃ を越えない
ように適宜冷却して反応を行った。滴下終了後、引き続
き6時間60℃ で撹拌反応を行った。該反応にて得ら
れた部分置換体の残存塩素量は17.20%であり、推
定構造は、N33Cl2.98(OC64OCH33.02
ある。次に別に調製したナトリウムフェノラートのTH
F溶液(フェノール61.2.3g(0.65モル)、
ナトリウム14.4g(0.6モル)、THF200m
L)を、反応温度が30℃ 以下になるように冷却制御
し1時間かけて滴下した。次いで室温下で5時間、還流
温度で3時間反応を行い、反応を完結した。反応終了
後、溶媒のTHFを減圧下に留去し、次にトルエン50
0mLを加えて生成物を再溶解し、更に水300mLを
加えて水洗分液した。有機層を5%水酸化ナトリウム水
溶液による洗浄及び2%水酸化ナトリウム水溶液による
洗浄を各々1回行った後に、(1+9)塩酸水溶液で1
回洗浄、5%炭酸水素ナトリウム水で1回洗浄し、さら
に水で2回洗浄し、水層を中性とした。次に有機層を分
液し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、トルエンを留去
して淡黄色油状の生成物122.2g(収率93%)を
得た。残存塩素量は0.01%以下であった。上記の方
法で得た4−メトキシフェノキシ基とフェノキシ基が混
合置換したシクロトリホスファゼン130.6g(0.
5ユニットモル)とピリジン塩酸塩583.6g(5.
05モル)を、2Lの4ツ口フラスコに仕込み、徐々に
昇温し、205〜210℃で1時間反応を行った。その
後の操作は合成例2と同様に行い、黄色固体98.7g
(収率80%)を得た。残存塩素量は0.01%以下で
あり、水酸基含有量は6.8%であった。(理論値6.
9%、組成式N33(OPh)2.98(OC6H4OH)
3.02) <合成例6>(アクリロイルオキシ基を有するホスファ
ゼンの合成) 撹拌装置、還流冷却器、温度計を備えた1L反応器に合
成例2で合成したヘキサ(4−ヒドロキシフェノキシ)
シクロトリホスファゼン39.5g(0.15ユニット
モル)、アクリル酸クロライド28.5g(0.32モ
ル)、合成ゼオライト(3A)100g及びアセトニト
リル350mLを仕込み、還流下で24時間反応を行っ
た。反応終了後、合成ゼオライトを濾過により除き、濃
縮する事で、黄色固52.9g(収率95%)を得た。
前記アセチル化法により水酸基は残存していないことを
確認した。また、1H−及び31P−NMR分析を行い、
ヒドロキシ基がアクリロイルオキシ基に変換できたこと
を確認した。 <合成例7>(メタクリロイルオキシ基を有するホスフ
ァゼンの合成) 合成例3にて合成したヒドロキシ基を有するシクロトリ
ホスファゼン及びシクロテトラホスファゼンの混合物3
9.5g(0.15ユニットモル)及びメタクリル酸ク
ロライド33.0g(0.32モル)を使用した他は合
成例6と同様の方法により、黄色固体56.3g(収率
94%)のメタクリロイルオキシ基を有するフェノキシ
ホスファゼンを得た。前記アセチル化法により水酸基は
残存していないことを確認した。また、1H−及び31P
−NMR分析を行い、ヒドロキシ基がメタクリロイルオ
キシ基に変換できたことを確認した。 <合成例8>(メタクリロイルオキシ基を有するホスフ
ァゼンの合成) 合成例4にて合成した環状及び鎖状のホスファゼンの混
合物39.5g(0.15ユニットモル)及びメタクリ
ル酸クロライド33.0g(0.32モル)を使用した
他は合成例7と同様の方法により、黄色固体53.9g
(収率90%)のメタクリロイルオキシ基を有するフェ
ノキシホスファゼンを得た。前記アセチル化法により水
酸基は残存していないことを確認した。また、1H−及
び31P−NMR分析を行い、ヒドロキシ基がメタクリロ
イルオキシ基に変換できたことを確認した。 <合成例9>(アクリロイルオキシ基を有するホスファ
ゼンの合成) 合成例5にて合成した部分的にヒドロキシ基を有するホ
スファゼン36.9g(0.15ユニットモル)及びア
クリル酸クロライド14.5g(0.16モル)を使用
した他は合成例7と同様の方法により、黄色固体43.
0g(収率95%)のアクリロイルオキシ基を有するフ
ェノキシホスファゼンを得た。前記アセチル化法により
水酸基は残存していないことを確認した。また、1H−
及び31P−NMR分析を行い、ヒドロキシ基がアクリロ
イルオキシ基に変換できたことを確認した。 <合成例A>ポリイミドの合成 攪拌機を設置した500 mlのセパラブルフラスコにESDA 1
7.3 g (0.030 mol)、DMF 30 gを入れて、攪拌機で攪拌
して溶解させる。次に、和歌山精化製のジアミンMBAA
5.15 g (0.018 mol)をDMF 9 gに溶解して加え、1時間
激しく攪拌する。さらに、シリコンジアミンKF-8010
(信越シリコーン製)7.47 g (0.009 mol)を加え、1時
間程度攪拌する。最後に、BAPS-M 1.29 g (0.003 mol)
を加えて、1時間激しく攪拌する。このようにして得た
ポリアミド溶液をテフロン(R)コートしたバットにと
り、真空オーブンで、200℃、5000Paの圧力で
2時間減圧乾燥し、26.40 gの可溶性ポリイミドを得
た。
【0094】こうして合成したポリイミド15gをジオキ
ソラン50gに溶解させ、Sc(固形分濃度)= 30%のワ
ニスを作製した。 <合成例B>ポリイミドの合成 合成例Aで合成したポリイミド20.8g(0.020 mol)を
ジオキソラン55gに溶解し、4-メトキシフェノールを0.
030gを添加し、60℃のオイルバスであたためながら
溶解させた。この溶液にメタクリル酸グリシジル3.75 g
(0.0264 mol)をジオキソラン5gに溶解して加え、さ
らに触媒としてトリエチルアミン0.01 gを添加し60℃
で6時間加熱攪拌を行った。このようにしてSc(固形分
濃度)=30%の変性ポリイミド溶液を調整した。 <合成例C>ポリイミドの合成 攪拌機を設置した500 mlのセパラブルフラスコに4,4
‘−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス
フタル酸無水物15.6g (0.030 mol)、DMF 30 gを入れ
て、攪拌機で攪拌して溶解させる。次に、和歌山精化製
のジアミンMBAA 6.58 g (0.023 mol)をDMF 9 gに溶解し
て加え、1時間激しく攪拌する。さらに、シリコンジア
ミンKF-8010(信越シリコーン製)5.81 g (0.007 mol)
を加え、1時間程度攪拌する。このようにして得たポリ
アミド溶液をテフロン(R)コートしたバットにとり、
真空オーブンで、200℃、5000Paの圧力で2時
間減圧乾燥し、26.0 gの可溶性ポリイミドを得た。
【0095】このようにして合成したポリイミド17.94
g(0.020 mol)をジオキソラン68.5gに溶解し、4-メ
トキシフェノールを0.030gを添加し、60℃のオイル
バスであたためながら溶解させた。この溶液に下記化合
物(化19)11.4g(0.030mol)をジオキソラン5gに溶
解して加え、さらに触媒としてトリエチルアミン0.01 g
を添加し60℃で6時間加熱攪拌を行った。このように
してSc(固形分濃度)=30%の変性ポリイミドを合成し
た。
【0096】
【化19】 <合成例D>ポリイミドの合成 攪拌機を設置した500 mlのセパラブルフラスコに2,
3,3‘、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
17.64g(0.060 mol)、DMF 50 gを入れて、攪拌機で攪拌
して溶解させる。次に、和歌山精化製のジアミンMBAA1
2.87g(0.045 mol)を加え、1時間激しく攪拌する。さら
に、シリコンジアミンKF-8010(信越シリコーン製)12.
45g (0.015mol)を加え、1時間程度攪拌する。このよう
にして得たポリアミド溶液をテフロン(R)コートした
バットにとり、真空オーブンで、200℃、5000P
aの圧力で2時間減圧乾燥し、39.0gの可溶性ポリイミ
ドを得た。
【0097】このようにして合成したポリイミド27.2g
(0.040 mol)をジオキソラン83.3gに溶解し、4-メト
キシフェノールを0.030gを添加し、60℃のオイルバ
スであたためながら溶解させた。この溶液にこの溶液に
メタクリル酸グリシジル8.95g(0.063mol)をジオキソ
ラン5gに溶解して加え、さらに触媒としてトリエチル
アミン0.01 gを添加し60℃で6時間加熱攪拌を行っ
た。このようにしてSc(固形分濃度)= 30%の変性ポ
リイミドを合成した。 (実施例1)以下に示す(a)〜(d)成分を混合して
感光性樹脂組成物を調整し、(1)の方法でPETフィ
ルム上にBステージの感光性ドライフィルムレジストを
作製した。このPETフィルム付き感光性ドライフィル
ムレジストの上に保護フィルム をラミネートして三層構造シートを作成した。 (a)合成例6のフォスファゼン化合物 35重量部(固形分重量換算 で) (b)合成例Aにより合成したポリイミド樹脂 50重量部 (c)炭素―炭素2重結合を有する化合物 ビスフェノールA EO変性(m+n≒30)ジアクリレート(新中村化学工 業(株)製NKエステルA-BPE-30) 15重量部 (d)光反応開始剤 3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン 1重量部 4,4‘−ジエチルアミノベンゾフェノン 1重量部 現像性試験を行ったところ、100μmφの微細な穴及
び100μm/100μmのラインが現像でき、合格で
あった。接着強度は500Pa・mであった。また、難燃
性試験は合格であった。 (実施例2)以下に示す(a)〜(d)成分を混合して
感光性樹脂組成物を調整し、(1)の方法でPETフィ
ルム上にBステージの感光性ドライフィルムレジストを
作製した。このPETフィルム付き感光性ドライフィル
ムレジストの上に保護フィルムをラミネートして三層構
造シートを作成した。 (a)合成例7のフォスファゼン化合物 35重量部(固形分重量換算 で) (b)合成例Bにより合成したポリイミド樹脂 50重量部 (c)炭素―炭素2重結合を有する化合物 ビスフェノールA EO変性(m+n≒30)ジアクリレート(新中村化学工 業(株)製NKエステルA-BPE-30) 15重量部 (d)光反応開始剤 3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン 1重量部 4,4‘−ジエチルアミノベンゾフェノン 1重量部 現像性試験を行ったところ、100μmφの微細な穴及
び100μm/100μmのラインが現像でき、合格で
あった。接着強度は500Pa・mであった。また、難燃
性試験は合格であった。 (実施例3)以下に示す(a)〜(d)成分を混合して
感光性樹脂組成物を調整し、(1)の方法でPETフィ
ルム上にBステージの感光性ドライフィルムレジストを
作製した。このPETフィルム付き感光性ドライフィル
ムレジストの上に保護フィルムをラミネートして三層構
造シートを作成した。 (a)合成例8のフォスファゼン化合物 35重量部(固形分重量換算 で) (b)合成例Cにより合成したポリイミド樹脂 50重量部 (c)炭素―炭素2重結合を有する化合物 ビスフェノールA EO変性(m+n≒30)ジアクリレート(新中村化学工 業(株)製NKエステルA-BPE-30) 15重量部 (d)光反応開始剤 ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキ シド 1重量部 現像性試験を行ったところ、100μmφの微細な穴及
び100μm/100μmのラインが現像でき、合格で
あった。接着強度は500Pa・mであった。また、難燃
性試験は合格であった。 (実施例4)以下に示す(a)〜(d)成分を混合して
感光性樹脂組成物を調整し、(1)の方法でPETフィ
ルム上にBステージの感光性ドライフィルムレジストを
作製した。このPETフィルム付き感光性ドライフィル
ムレジストの上に保護フィルムをラミネートして三層構
造シートを作成した。 (a)合成例9のフォスファゼン化合物 20重量部(固形分重量換算 で) 合成例10のフォスファゼン化合物 15重量部 (b)合成例Dにより合成したポリイミド樹脂 50重量部 (c)炭素―炭素2重結合を有する化合物 ビスフェノールA EO変性(m+n≒30)ジアクリレート(新中村化学工 業(株)製NKエステルA-BPE-30) 15重量部 (d)光反応開始剤 ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキ シド 1重量部 現像性試験を行ったところ、100μmφの微細な穴及
び100μm/100μmのラインが現像でき、合格で
あった。接着強度は500Pa・mであった。また、難燃
性試験は合格であった。 (比較例1)以下に示す(a)〜(d)成分を混合して
感光性樹脂組成物を調整し、(1)の方法でPETフィ
ルム上にBステージの感光性ドライフィルムレジストを
作製した。このPETフィルム付き感光性ドライフィル
ムレジストの上に保護フィルムをラミネートして三層構
造シートを作成した。 (a)フォスファゼン化合物 0重量部(固形分重量換算で) (b)合成例Aにより合成したポリイミド樹脂 50重量部 (c)炭素―炭素2重結合を有する化合物 ビスフェノールA EO変性(m+n≒30)ジアクリレート(新中村化学工 業(株)製NKエステルA-BPE-30) 50重量部 (d)光反応開始剤 ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキ シド 1重量部 現像性試験を行ったところ、100μmφの微細な穴及
び100μm/100μmのラインが現像でき、合格で
あった。接着強度は500Pa・mであった。また、難燃
性試験は不合格であった。 (比較例2)可溶性ポリイミドの代わりにメタアクリル
酸の共重合体溶液(メタクリル酸メチル57重量%、メ
タアクリル酸23重量%、アクリル酸ブチル10重量%
の三元共重合体のメチルエチルケトン溶液。固形分濃度
32%、重量平均分子量8.5万)を50重量部とした
他は、実施例1と同様にして行った。
【0098】この感光性ドライフィルムレジストの難燃
性試験を行ったところ、炎をあげて燃焼し、規格UL9
4V−0に不合格であった。
【0099】また、現像性試験を行ったところ、100
μm×100μm角の微細な穴が現像でき、合格であっ
た。(但し、この際の現像液は1%炭酸ナトリウム水溶
液で行った) 接着強度は400Pa・mであった。
【0100】
【0101】
【発明の効果】上記に示したように、本発明の感光性樹
脂組成物は、難燃性を有し、微細なパターンを描くこと
が出来、フィルム状のフォトレジストおよび絶縁保護フ
ィルム永久フォトレジストとして、フレキシブルプリン
ト配線板やパソコンのハードディスク装置のヘッド部分
に使用される感光性カバーレイフィルムにも好適に用い
得る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/027 502 G03F 7/027 502 7/037 501 7/037 501 7/038 504 7/038 504 7/075 511 7/075 511 521 521 Fターム(参考) 2H025 AA10 AB11 AB15 AB17 AC01 AD01 BC14 BC32 BC42 BC69 CA01 CA20 CA27 CA28 CB25 CC20 EA08 FA03 FA17 4J011 PA97 SA21 SA22 SA31 SA63 SA64 SA76 SA84 4J026 AB34 BA41 DA02 4J027 AH03 BA07 BA19 BA20 BA24 BA27 CB03 CB10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)分子中に、ビニル基、アリル基、アク
    リロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロ
    イル基、メタクリロイル基から選ばれる重合性官能基を
    少なくとも1個有するホスファゼン化合物、 b)可溶性ポリイミドを必須成分とする感光性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の2成分に加えc)炭素−炭
    素二重結合を有する化合物必須成分とする感光性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載の3成分に加えd)光反応開
    始剤を必須成分とする感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】a)成分が分子中に少なくとも1個のアク
    リロイルオキシ基置換フェニル基、アクリロイルオキシ
    アルキル基置換フェニル基、メタクリロイルオキシ基置
    換フェニル基又はメタクリロイルオキシアルキル基置換
    フェニル基を有する繰り返し数3〜10000のホスフ
    ァゼン化合物であることを特徴とする請求項1〜3いず
    れかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】a)成分のフォスファゼン化合物が、一般
    式 (1) 【化1】 〔式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子、炭
    素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアル
    キル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14
    のヒドロキシアリール基、炭素数7〜18のアルキルア
    リール基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数8〜
    18のアルケニルアリール基、シアノ基又は一般式
    (2) 【化2】 〔式中R3 は水素原子又はメチル基を示す。mは0〜6
    の数を示す。〕で表される基、又は一般式(3) 【化3】 〔式中R3は上記に同じ。pは0〜6の数を示す。〕で
    表される基、又は一般式(4) 【化4】 〔q、sは0〜6の数、rは0又は1の数を示す。〕で
    表される末端にビニル基を有する置換基で置換されたフ
    ェニル基を示す。但し、n個のR1及びR2のうち、少な
    くとも一つは一般式(2)、一般式(3)又は一般式
    (4)で表される置換フェニル基を示すものとする。n
    は3〜10000の数を表し、両末端は環構造を形成す
    ることにより互いに結合しているか、または線状構造を
    取ってそれぞれ異なる末端を有している。ここで、線状
    構造の末端基として、リン原子側は基−N=P(OR1)
    3、基−N=P(OR2)3、基−N=P(=O)OR1又は基
    −N=P(=O)OR2を示し、窒素原子側は基−P(OR
    1)4、基−P(OR2)4、基−P(=O)(OR1)2又は基−
    P(=O)(OR2)2を示す。R1及びR2は前記と同じ。)
    で表わされる重合性官能基を有する環状及び/又は鎖状
    のホスファゼン化合物から選ばれる少なくとも1種であ
    ることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の感光
    性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5いずれか記載の感光性樹脂組
    成物を用いることを特徴とする感光性ドライフィルムレ
    ジスト。
  7. 【請求項7】請求項6記載の感光性ドライフィルムレジ
    ストをプリント基板のカバーレイとして用いることを特
    徴とする感光性カバーレイフィルム。
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