JP2019174603A - 感光性樹脂組成物およびそれを用いた硬化膜 - Google Patents

感光性樹脂組成物およびそれを用いた硬化膜 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン加工性に優れ、150℃以下の低温硬化でも耐薬品性に優れる硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂、(B)フォスファゼン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤および(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、それを用いた硬化膜とその製造方法およびタッチパネル用部材に関する。
現在のスマートフォンやタブレット端末の多くに静電容量式タッチパネルが使用されている。静電容量式タッチパネルのセンサー基板は、ガラス上にITO(Indium Tin Oxide)や金属(銀、モリブデン、アルミニウムなど)がパターニングされた配線を有し、配線の交差部に絶縁膜、ITOおよび金属を保護する保護膜を有する構造が一般的である。
タッチパネルの方式は、カバーガラスと液晶パネルとの間にタッチパネル層を形成するOut−cellタイプ、カバーガラスにタッチパネル層を直接形成するOGS(One Glass Solution)タイプ、液晶パネル上にタッチパネル層を形成するOn−cellタイプ、液晶パネルの内部にタッチパネル層を形成するIn−cellタイプに大別される。近年、従来よりも製造プロセスが簡略化できることから、On−cellタイプの開発が盛んに行われている。On−cellタイプは液晶パネル上に直接タッチパネル層を形成するため、配線や保護膜、絶縁膜を液晶の耐熱温度以下の低温で形成する必要がある。
従来、タッチパネルの絶縁膜は感光性透明材料により形成される場合が多く、保護膜は高硬度な無機系のSiO、SiNや感光性透明材料などにより形成される場合が多かった。しかしながら、SiOやSiNなどの無機系材料は、CVD(Chemical Vapor Deposition)により高温製膜して形成する必要があり、On−cellタイプへの適用は難しい。そこで、低温硬化が可能で、耐薬品性に優れ、パターン加工可能な感光性透明材料が求められている。
金属配線保護膜に適した感光性樹脂組成物として、例えば、カルボキシル基含有アクリル樹脂、光重合開始剤、多官能モノマー、芳香環を4つ以上有しかつ芳香環との結合を3つ以上有する4級炭素を有する多官能エポキシ化合物を含有するネガ型感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の感光性樹脂組成物は、低温で硬化すると耐薬品性が不十分である課題があった。
そこで、低温硬化が可能で、耐薬品性、基板密着性に優れ、パターン加工可能な感光性透明材料として、例えば、エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を有する光反応性樹脂、特定の構造を有するエポキシ化合物、特定の構造を有する多官能エポキシ化合物および光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。かかる技術により、低温硬化した場合であっても、基板密着性やアルカリに対する耐薬品性が向上する。しかしながら、酸に対する耐薬品性が不十分である課題があった。
特開2013−76821号公報 国際公開第2017/110689号
本発明は、パターン加工性に優れ、150℃以下の低温硬化でも耐薬品性に優れる硬化膜を得ることができる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂、(B)フォスファゼン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤および(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、パターン加工性に優れ、150℃以下の低温硬化が可能である。本発明の感光性樹脂組成物によれば、耐薬品性に優れる硬化膜を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂、(B)フォスファゼン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤および(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する。
[(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂を含有する。エチレン性不飽和基を有することによりネガ型の感光性を呈し、カルボキシル基を有することによりアルカリ水溶液による現像が可能となる。
(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂としては、例えば、(A−1)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有し、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を2つ以上有するカルド系樹脂(以下、「カルド系樹脂」と記載する場合がある)や、(A−2)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有するアクリル系樹脂(以下、「アクリル系樹脂」と記載する場合がある)などが挙げられる。これらの中でも、光硬化性が高く、耐薬品性により優れる点から、カルド系樹脂が好ましい。
Figure 2019174603
(A−1)カルド系樹脂は、例えば、前記構造式(1)で表される部分構造を有するエポキシ化合物と、ラジカル重合性基含有一塩基酸化合物との反応物を、さらに酸二無水物と反応させることにより得ることができる。(A−1)カルド系樹脂としては、例えば、「WR−301(商品名)」((株)ADEKA製)、「V−259ME(商品名)」(新日鉄住金化学(株)製)、「“オグソール”(登録商標)CR−TR1(商品名)」、「オグソールCR−TR2(商品名)」、「オグソールCR−TR3(商品名)」、「オグソールCR−TR4(商品名)」、「オグソールCR−TR5(商品名)」、「オグソールCR−TR6(商品名)」(以上、大阪ガスケミカル(株)製)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
(A−2)アクリル系樹脂は、例えば、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物とをラジカル重合してカルボキシル基を有する樹脂を得た後、カルボキシル基の一部にエチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物を付加反応させてエステル化することにより得ることができる。
ラジカル重合およびエポキシ化合物の付加反応においては、任意の触媒を添加することができる。ラジカル重合触媒としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物や、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物などが挙げられる。エポキシ化合物の付加反応触媒としては、例えば、ジメチルアニリン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルベンジルアミン等のアミノ系触媒;2−エチルヘキサン酸すず(II)、ラウリン酸ジブチルすず等のすず系触媒;2−エチルヘキサン酸チタン(IV)等のチタン系触媒;トリフェニルホスフィン等のリン系触媒;アセチルアセトネートクロム、塩化クロム等のクロム系触媒などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。
エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル;スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;アミノエチルアクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;1,3−ブタジエン、イソプレン等の脂肪族共役ジエン;末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート;ポリブチルメタクリレート等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
エチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸α−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸α−n−プロピルグリシジル、(メタ)アクリル酸α−n−ブチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸α−エチル−6,7−エポキシヘプチル、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000が好ましい。Mwを1,000以上とすることにより、感光性樹脂組成物の塗布特性を向上させることができる。一方、Mwを100,000以下とすることにより、アルカリ現像液への溶解性をより向上させることができる。ここで、本発明における(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂のMwとは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算値を言う。
本発明の感光性樹脂組成物における(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂の含有量は、所望の膜厚や用途により任意に選ぶことができるが、固形分100重量部に対して、20〜60重量部が好ましい。(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂の含有量を20重量部以上とすることにより、硬化膜の膜ストレスを緩和して基板密着性および耐薬品性を向上させることができる。一方、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂の含有量を60重量部以下とすることにより、感光性樹脂組成物のパターン加工性をより向上させることができる。
[(B)フォスファゼン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(B)フォスファゼン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物(以下、「(B)多官能(メタ)アクリレート化合物」と記載する場合がある)を含有する。(B)多官能(メタ)アクリレート化合物中にフォスファゼン骨格を有することにより、フォスファゼン骨格と金属基板の基板表面の原子との相互作用により耐薬品性を向上させることができる。また、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物中に多官能(メタ)アクリル基を含有することにより、硬化膜内部の架橋密度を向上させ、耐薬品性をさらに向上させることができる。
(B)多官能(メタ)アクリレート化合物は、下記一般式(2)で表される構造を有することが好ましい。下記一般式(2)で表される構造を有することにより、スタッキング作用により硬化膜に密な架橋構造を形成することができ、耐薬品性をより向上させることができる。
Figure 2019174603
上記一般式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価の炭化水素基を示す。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価の炭化水素基の炭素数((メタ)アクリロイルキシ基中の炭素も含む)は、4〜10が好ましい。
前記一般式(2)で表される構造を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2,2,4,4,6,6−ヘキサ[2−(メタクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン、2,2,4,4,6,6−ヘキサ[2−(アクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(B)多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、固形分100重量部に対して、3〜30重量部が好ましい。(B)多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量を3重量部以上とすることにより、基板密着性および耐薬品性をより向上させることができる。(B)多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は5重量部以上がより好ましい。一方、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量を30重量部以下とすることにより、基板密着性および耐薬品性をより向上させることができる。(B)多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は15重量部以下がより好ましい。
[(C)光重合開始剤]
本発明の感光性樹脂組成物は、(C)光重合開始剤として(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤と(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する。(C)光重合開始剤は、光(紫外線、電子線を含む)により分解および/または反応し、ラジカルを発生させるものである。本発明においては、(C)光重合開始剤として、長波長側に吸収特性を有する(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、短波長側に吸収特性を有する(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤を併用することにより、深部硬化と表面硬化の両方の効果を得ることができ、耐薬品性を向上させることができる。さらに、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物と組み合わせて用いることにより、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物が奏する基板との相互作用に、深部硬化と表面硬化の効果が組み合わされ、基板界面および膜内部の架橋密度が向上することから、耐薬品性をさらに向上させることができる。
(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は、固形分100重量部に対して、0.5〜17.3重量部が好ましい。(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量を0.5重量部以上とすることにより、深部硬化を効果的に進め、基板界面における基板密着性が向上することから、耐薬品性をより向上させることができる。(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は、1.5重量部以上がより好ましい。一方、(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量を17.3重量部以下とすることにより、感光性樹脂組成物や硬化膜の透明性を向上させることができる。(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は9.5重量部以下がより好ましい。
(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤のとしては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤の含有量は、固形分100重量部に対して、0.5〜17.3重量部が好ましい。(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤の含有量を0.5重量部以上とすることにより、表面硬化を効果的に進め、膜表面および内部における疎水性が向上することから、耐薬品性をより向上させることができる。(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤の含有量は、1.5重量部以上がより好ましい。一方、(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤の含有量を17.3重量部以下とすることにより、硬化膜表面の膜ストレスを低減し、基板密着性をより向上させることができる。(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤は9.5重量部以下がより好ましい。
(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤の含有量に対する(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の重量比((C−1)/(C−2))は、20/80〜80/20が好ましい。
また、(C)重合開始剤として、前述の(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤と(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤とともに、これら以外の光重合開始剤を含有してもよい。これら以外の光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロペンアミニウムクロリド一水塩、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパナミニウムクロリド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、メチルフェニルグリオキシエステル、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)、ジフェニルスルフィド誘導体、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤と(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤以外の光重合開始剤の含有量は、固形分100重量部に対して、0〜17.3重量部が好ましく、0〜9.5重量部がより好ましい。
[(D)多官能エポキシ化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)下記一般式(3)で表される構造を有する多官能エポキシ化合物を含有してもよい。(D)多官能エポキシ化合物を含有することにより、熱による膜硬化が進行し、膜の架橋密度が向上することから、薬液の浸透を抑制し、耐薬品性をより向上させることができる。これらを2種以上含有してもよい。
Figure 2019174603
上記一般式(3)中、連結基Yは炭素数1〜15のn価の炭化水素基を示し、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。nは3または4を示す。複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
前記一般式(3)中、nを大きくするほど硬化膜の耐薬品性をより向上させることができ、nを小さくするほど現像液に対する溶解性を向上させてパターン加工性をより向上させることができる。このため、本発明においては、nは3または4とする。
連結基Yとしては、例えば、以下に示す構造などが挙げられる。
Figure 2019174603
上記各一般式中、*は連結部位を示し、R〜R22はそれぞれ独立に水素原子または1価の炭化水素基を示す。炭化水素基の炭素数は4〜10が好ましい。
連結基Yの具体例と、その連結基Yを有する(D)多官能エポキシ化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2019174603
これらの中で、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性および硬化膜の耐薬品性のバランスをより向上させる観点から、一般式(4)で表される連結基Yを有する化合物がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における(D)多官能エポキシ化合物の含有量は、所望の膜厚や用途により任意に選ぶことができ、固形分100重量部に対して、2〜15重量部が好ましい。
[(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物を含有してもよい。(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物を含有することにより、膜表面の疎水性が向上することから、薬液の浸透を抑制し、耐薬品性をより向上させることができる。
フルオレン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物の含有量は、固形分100重量部に対して、3〜50重量部が好ましい。(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物の含有量を3重量部以上とすることにより、膜表面の疎水性が向上することから、耐薬品性をより向上させることができる。(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物は、5重量部以上がより好ましい。一方、(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物を50重量部以下とすることにより、アルカリ溶解性が向上し、パターン加工性をより向上させることができる。(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物の含有量は、40重量部以下がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、前述の(B)多官能(メタ)アクリレート化合物と(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物とともに、これら以外の多官能モノマーを含有してもよく、感光性樹脂組成物の感度を所望の範囲に調整することができる。ここで、多官能モノマーとは、分子中に2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物をいう。ラジカル重合性のしやすさの観点から、(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。
分子中に2つの(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子中に3つの(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレートなどが挙げられる。
分子内に4つの(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子中に5つの(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子中に6つの(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子中に7つの(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、例えば、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレートなどが挙げられる。
分子中に8つの(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、例えば、トリペンタエリスリトールオクタアクリレートなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化を促進させる、または硬化を容易ならしめる各種の硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては、例えば、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物やその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、硬化剤の安定性、塗布膜の加工性などの観点から、金属キレート化合物、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤を含有することにより、硬化膜の耐光性を向上させ、パターン加工を必要とする用途において、現像後のパターン加工性をより向上させることができる。紫外線吸収剤としては、透明性、非着色性の観点から、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−tert−ペンチルフェノール、2−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどのトリアジン系化合物が好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤を適量含有することにより、パターン加工性をより向上させることができる。重合禁止剤としては、例えば、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、1,4−ベンゾキノン、t−ブチルカテコールなどが挙げられる。また、市販の重合禁止剤としては、例えば、「“IRGANOX”(登録商標)1010(商品名)」、「“IRGANOX”1035(商品名)」、「“IRGANOX”1076(商品名)」、「“IRGANOX”1098(商品名)」、「“IRGANOX”1135(商品名)」、「“IRGANOX”1330(商品名)」、「“IRGANOX”1726(商品名)」、「“IRGANOX”1425(商品名)」、「“IRGANOX”1520(商品名)」、「“IRGANOX”245(商品名)」、「“IRGANOX”259(商品名)」、「“IRGANOX”3114(商品名)」、「“IRGANOX”565(商品名)」、「“IRGANOX”295(商品名)」(以上、BASFジャパン(株)製)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を含有してもよい。後述するとおり、本発明の感光性樹脂組成物は、80〜150℃で加熱する工程を含む硬化膜の製造方法に好適に用いられることから、大気圧下の沸点が150℃以下の溶剤を溶剤全体の50重量%以上含有することが好ましく、硬化膜中の溶剤の残存量を低減して、耐薬品性や基板密着性をより向上させることができる。
大気圧下の沸点が150℃以下である溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソペンチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸メトキシメチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1−メトキシプロピル−2−アセテート、アセトール、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、乳酸メチル、トルエン、シクロペンタノン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、ベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
大気圧下の沸点が150℃以下である溶剤とともに、大気圧下の沸点が150℃を超えて250℃以下である溶剤を含有してもよい。大気圧下の沸点が150℃を超えて250℃以下である溶剤としては、例えば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、酢酸2−エトキシエチル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、乳酸エチル、乳酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
溶剤の含有量は、塗布方法などに応じて適宜設定することができる。例えば、スピンコーティングにより膜形成を行う場合には、感光性樹脂組成物中の50〜95重量%が一般的である。
本発明の感光性樹脂組成物は、各種界面活性剤を含有してもよく、塗布時のフロー性を向上させることができる。界面活性剤としては、例えば、“メガファック”(登録商標)「F142D(商品名)」、「F172(商品名)」、「F173(商品名)」、「F183(商品名)」、「F445(商品名)」、「F470(商品名)」、「F475(商品名)」、「F477(商品名)」(以上、DIC(株)製)、「NBX−15(商品名)」、「FTX−218(商品名)」((株)ネオス製)などのフッ素系界面活性剤;「BYK−333(商品名)」、「BYK−301(商品名)」、「BYK−331(商品名)」、「BYK−345(商品名)」、「BYK−307(商品名)」(ビックケミー・ジャパン(株)製)などのシリコーン系界面活性剤;ポリアルキレンオキシド系界面活性剤;ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、溶解抑止剤、安定剤、消泡剤などの添加剤を含有することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、(C)光重合開始剤とその他の添加剤を任意の溶剤に加え、撹拌して溶解させた後、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂および(B)多官能(メタ)アクリレート化合物を加え、さらに20分間〜3時間撹拌することにより得ることができる。得られた溶液を濾過してもよい。
次に、本発明の硬化膜について説明する。本発明の硬化膜は、前述の本発明の感光性樹脂組成物を硬化させてなる。本発明の硬化膜の膜厚は、0.1〜15μmが好ましい。また、本発明の硬化膜の膜厚1.5μmあたりの波長400nmにおける光透過率が85%以上であることが好ましい。なお、透過率は波長400nmにおける透過率を指す。かかる光透過率は、露光量、熱硬化温度などの選択によって調整することができる。
本発明の硬化膜は、例えば、前述の本発明の感光性樹脂組成物を基材上に塗布する工程および塗布膜を加熱する工程を含む製造方法により、得ることができる。
基材としては、例えば、ガラス基板;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム;シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム;銅、銀、アルミニウム、クロム、モリブデン、チタン、ITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)、AZO(アルミニウム添加酸化亜鉛)、ZnOなどの金属基板などが挙げられる。これらの中でも、本発明の硬化膜が金属基材に対して高い密着性を有することから、金属基板が好ましく、モリブデンを含有する金属基板がより好ましい。
感光性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティングなどが挙げられる。塗布後、加熱装置を用いてプリベークすることが好ましい。加熱装置としては、例えば、ホットプレート、オーブンなどが挙げられる。プリベーク温度は50〜130℃の範囲が好ましく、プリベーク時間はで30秒間〜30分間が好ましい。プリベーク後の膜厚は、0.1〜15μmが好ましい。
プリベーク後、塗布膜を露光し、現像により未露光部を除去することにより、ネガ型のパターンを形成することが好ましい。
露光機としては、例えば、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(PLA)などが挙げられる。露光強度は10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)が好ましい。所望のマスクを介して露光してもよいし、介さずに露光してもよい。露光光源としては、例えば、i線、g線、h線等の紫外線;KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザー等のレーザーなどが挙げられる。
現像方法としては、例えば、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法が挙げられ、現像液に5秒間〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ;2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリン等の4級アンモニウム塩を含有する水溶液等のアルカリ現像液が挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、つづいて50〜130℃の範囲で乾燥ベークを行うこともできる。
塗布膜を加熱する工程において、現像後の膜を、加熱装置により加熱することが好ましい。加熱装置としては、例えば、ホットプレート、オーブンなどが挙げられる。本発明の感光性樹脂組成物は低温硬化可能であることから、加熱温度は80〜150℃が好ましく、加熱時間は15分間〜1時間が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物および硬化膜は、タッチパネル用保護膜、各種ハードコート材、TFT用平坦化膜、カラーフィルター用オーバーコート、反射防止フィルム、パッシベーション膜などの各種保護膜や、光学フィルター、タッチパネル用絶縁膜、TFT用絶縁膜、カラーフィルター用フォトスペーサーなどに好適に用いることができる。これらの中でも、高い耐薬品性を有することから、タッチパネル用絶縁膜などのタッチパネル用部材として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。合成例および実施例に用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル。
合成例1 カルド系樹脂溶液(a−1)の調製
エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有するカルド系樹脂のPGMEA溶液である「V−259ME(商品名)」(新日鉄住金化学(株)製)を準備した。「V−259ME」の固形分濃度は56重量%、固形分酸価は100KOHmg/gであり、GPC法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量は3,240である。「V−259ME」を100g計量し、PGMEAを40g添加して撹拌し、固形分濃度が40重量%のカルド系樹脂(a−1)溶液を得た。
合成例2 カルド系樹脂(a−2)溶液の調製
エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有するカルド系樹脂のPGMEA溶液である「WR−301(商品名)」((株)ADEKA製)を準備した。「WR−301」の固形分濃度は45重量%、固形分酸価は100KOHmg/gであり、GPC法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量は5,500である。「WR−301」を100g計量し、PGMEAを12.5g添加して撹拌し、固形分濃度が40重量%のカルド系樹脂(a−2)溶液を得た。
合成例3 アクリル樹脂(a−3)溶液の調製
500mlのフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、PGMEAを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を30g、スチレンを22.48g、シクロヘキシルメタクリレートを25.13g加えた。混合液を室温でしばらく撹拌し、フラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを15g、ジメチルベンジルアミンを1g、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEAを100g加え、90℃で4時間加熱撹拌した。その後、室温まで冷却し、固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加えて、固形分濃度が40重量%のアクリル樹脂(a−3)溶液を得た。アクリル樹脂(a−3)の固形分酸価は122KOHmg/gであり、GPC法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量は13,500であった。
合成例4 エチレン性不飽和基を含まないアクリル樹脂(a−4)溶液の調製
500mlのフラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を3g、PGMEAを50g仕込んだ。その後、メタクリル酸を20g、スチレンを32.67g、シクロヘキシルメタクリレートを39.93g加えた。混合液を室温でしばらく撹拌し、フラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、p−メトキシフェノールを0.2g、PGMEAを100g加えた。その後、室温まで冷却し、得られたアクリル樹脂溶液の固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加えて、PGMEA溶液としてアクリル樹脂(a−4)溶液を得た。アクリル樹脂の固形分酸価は125KOHmg/gであり、GPC法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量は16,500であった。
各実施例および比較例における各特性の評価方法を以下に示す。
(1)パターン加工性
各実施例および比較例により得られた感光性樹脂組成物を、スピンコーター(ミカサ(株)製「MS−A200(商品名)」)を用いて、表面にITOをスパッタリングしたガラス基板(以下、「ITO基板」)上にスピンコートした後、ホットプレート(AsOne(株)製「HHP−230SQ(商品名)」)を用いて100℃で2分間プリベークし、膜厚2μmの膜を作製した。
作製した膜に対して、パラレルライトマスクアライナー(三永電機製作所(株)製「LA−610(商品名)」)を用いて、超高圧水銀灯を光源とし、i線透過率が異なる各部分に5、10、20、30、40、50μm幅のラインアンドスペースパターンを有するグレースケールマスクを介して、200mJ/cmの露光量で露光した。その後、自動現像装置(滝沢産業(株)製「滝沢産業(株)製「AD−1200」)を用いて、0.2重量%NaCO水溶液((株)ADEKA製「CD−379」)で90秒間現像し、次いで水で30秒間リンスした。次いで、リンス後の基板をオーブン(ヤマト科学(株)製「DHS42(商品名)」)を用いて、空気中150℃で30分間キュアし、膜厚1.5μmの硬化膜を作製した。
作製した硬化膜のパターンを光学顕微鏡で拡大観察し、30μmのラインアンドスペースパターンを1対1の幅に形成する露光量(以下、これを最適露光量という)を感度とし、最適露光量における現像後の最小パターン寸法を解像度とした。
(2)耐アルカリ性
ITO基板上に、グレースケールマスクを介さないこと以外は前記(1)記載の方法と同様にして膜厚1.5μmの硬化膜を形成した。また、表面にモリブデン/アルミニウム/モリブデン(MAM)をスパッタリングしたガラス基板(以下、「MAM基板」)上に、同様にして膜厚1.5μmの硬化膜を形成した。
得られた硬化膜を、レジスト剥離液であるN300(ジエチレングリコールモノブチルエーテル/モノエタノールアミン=65/35重量部)に60℃、5分間浸漬した後、JIS「K5600−5−6(制定年月日=1999/04/20)」に準じて、ITO基板およびMAM基板と硬化膜の接着性を評価した。すなわち、ITO基板およびMAM基板上の硬化膜表面に、カッターナイフでガラス板の素地に到達するように、直交する縦横11本ずつの平行な直線を1mm間隔で引いて、1mm×1mmのマス目を100個作製した。切られた硬化膜表面にセロハン粘着テープ(幅=18mm、粘着力=3.7N/10mm)を貼り付け、消しゴム(JIS S6050合格品)で擦って密着させ、テープの一端を持ち、板に直角を保ち瞬間的に剥離した際のマス目の残存数を目視によって評価した。マス目の剥離面積により以下のように判定し、4以上を合格とした。
5:剥離面積=0%
4:剥離面積=1〜4%
3:剥離面積=5〜14%
2:剥離面積=15〜34%
1:剥離面積=35%〜64%
0:剥離面積=65%〜100%。
(3)耐酸性
ITO基板またはMAM基板上に、前記(2)記載の方法と同様にして膜厚1.5μmの硬化膜を形成した。MAMのエッチング液であるPAN(HNO/CHCOOH/HPO/HO=5/10/72/13重量部)に42℃、5分間浸漬した後、JIS「K5600−5−6(制定年月日=1999/04/20)」に準じてITOまたはMAMと硬化膜の接着性を評価した。
実施例1
黄色灯下にて、(C)光重合開始剤としてエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(「“イルガキュア”(登録商標)OXE02(商品名)」BASFジャパン(株)製)0.120g、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「“イルガキュア”819(商品名)」BASFジャパン(株)製)0.220g、(D)多官能エポキシ化合物として「“テクモア”(登録商標)VG−3101L(商品名)」((株)プリンテック製)0.599g、重合禁止剤として4−t−ブチルカテコール(以下、TBCという)0.012gを、溶剤であるPGME6.400g、PGMEA5.911gに溶解させ、シリコーン系界面活性剤である「“BYK”(登録商標)−333(商品名)」(ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA1重量%溶液0.600g(濃度300ppmに相当)を加え、撹拌した。そこへ、(B)多官能(メタ)アクリレート化合物である2,2,4,4,6,6−ヘキサ[2−(メタクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン(「PPZ(商品名)」共栄社化学(株)製)0.320g、(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物である「“オグソール”(登録商標)EA−0250P(商品名)」(大阪ガスケミカル(株)製、固形分50重量%)1.997g、その他の多官能モノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(「“カヤラッド”(登録商標)DPHA(商品名)」日本化薬(株)製)0.328g、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を有する樹脂であるカルド系樹脂(a−1)溶液3.495gを加えて、撹拌した。次いで0.45μmのフィルターでろ過を行い、感光性樹脂組成物(P−1)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−1)について、パターン加工性、耐アルカリ性、耐酸性を評価した。
実施例2
(D)多官能エポキシ化合物の「“テクモア”VG−3101L(商品名)」((株)プリンテック製)を0.399gとし、(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物の「“オグソール”EA−0250P(商品名)」(大阪ガスケミカル(株)製、固形分50重量%)を2.396gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−2)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−2)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例3
(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を有する樹脂であるカルド系樹脂溶液(a−1)の代わりにカルド系樹脂溶液(a−2)を用いる以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−3)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−3)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例4
(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を有する樹脂であるカルド系樹脂溶液(a−1)の代わりにアクリル樹脂溶液(a−3)を用いる以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−4)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−4)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例5
(B)2,2,4,4,6,6−ヘキサ[2−(メタクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン(「PPZ(商品名)」共栄社化学(株)製)を0.160gとし、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(「“カヤラッド”DPHA(商品名)」日本化薬(株)製)を0.487gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−5)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−5)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例6
(B)2,2,4,4,6,6−ヘキサ[2−(メタクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン(「PPZ(商品名)」共栄社化学(株)製)を0.639gとし、(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物の「オグソールEA−0250P(商品名)」(大阪ガスケミカル(株)製、固形分50重量%)を1.358gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−6)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−6)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例7
(D)多官能エポキシ化合物として「“テクモア”VG−3101L(商品名)」((株)プリンテック製)の代わりに「NC−3000(商品名)」(日本化薬(株)製)を用いる以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−7)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−7)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例8
(C)光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「“イルガキュア”819(商品名)」BASFジャパン(株)製)の代わりに2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド(「“イルガキュア”TPO(商品名)」BASFジャパン(株)製)を用いる以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−8)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−8)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例9
(C)光重合開始剤としてエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(「“イルガキュア”OXE02(商品名)」BASFジャパン(株)製)の代わりに1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)](「“イルガキュア”OXE01(商品名)」BASFジャパン(株)製)を用いる以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−9)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−9)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例10
(C)光重合開始剤として1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)](「“イルガキュア”OXE01(商品名)」BASFジャパン(株)製)0.060gをさらに加え、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(「“イルガキュア”OXE02(商品名)」BASFジャパン(株)製)を0.060gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−10)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−10)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例11
(C)光重合開始剤として2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(「“イルガキュア”907(商品名)」BASFジャパン(株)製)0.060gをさらに加え、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(「“イルガキュア”OXE02(商品名)」BASFジャパン(株)製)を0.060gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−11)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−11)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例12
(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物の「“オグソール”EA−0250P(商品名)」(大阪ガスケミカル(株)製、固形分50重量%)を添加せず、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を有する樹脂であるカルド系樹脂(a−1)溶液を4.493gとし、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(「“カヤラッド”DPHA(商品名)」日本化薬(株)製)を0.927gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−12)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−12)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例13
(D)多官能エポキシ化合物である“テクモア”VG−3101L(商品名、(株)プリンテック製)を添加せず、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を有する樹脂であるカルド系樹脂(a−1)溶液を4.493gとし、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(「“カヤラッド”DPHA(商品名)」日本化薬(株)製)を0.527gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−13)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−13)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例14
(D)多官能エポキシ化合物である“テクモア”VG−3101L(商品名、(株)プリンテック製)と(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物である“オグソール”EA−0250P(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)を添加せず、(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を有する樹脂であるカルド系樹脂(a−1)溶液を4.493gとし、(B)2,2,4,4,6,6−ヘキサ[2−(メタクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン(「PPZ(商品名)」共栄社化学(株)製)を0.639gとし、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(「“カヤラッド”DPHA(商品名)」日本化薬(株)製)を1.206gとした以外は、実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−14)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−14)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例1
(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を有する樹脂であるカルド系樹脂溶液(a−1)の代わりにエチレン性不飽和基を含まないアクリル樹脂溶液(a−4)を用いる以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−15)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−15)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例2
(B)2,2,4,4,6,6−ヘキサ[2−(メタクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン(「PPZ(商品名)」共栄社化学(株)製)を添加せず、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(「“カヤラッド”DPHA(商品名)」日本化薬(株)製)を0.647gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−16)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−16)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例3
(C)光重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「“イルガキュア”819(商品名)」BASFジャパン(株)製)を添加せず、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(「“イルガキュア”OXE02(商品名)」BASFジャパン(株)製)を0.339gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−17)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−17)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例4
(C)光重合開始剤としてエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(「“イルガキュア”OXE02(商品名)」BASFジャパン(株)製)を添加せず、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「“イルガキュア”819(商品名)」BASFジャパン(株)製)を0.339gとした以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−18)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−18)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
比較例5
(B)2,2,4,4,6,6−ヘキサ[2−(メタクリロイルオキシ)−エトキシ]−1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン(「PPZ(商品名)」共栄社化学(株)製)、(C)エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(「“イルガキュア”OXE02(商品名)」BASFジャパン(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「“イルガキュア”819(商品名)」BASFジャパン(株)製)、(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物「“オグソール”EA−0250P(商品名)」(大阪ガスケミカル(株)製、固形分50重量%)を添加せず、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(「“カヤラッド”DPHA(商品名)」日本化薬(株)製)を1.206gとし、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)](「“イルガキュア”OXE01(商品名)」BASFジャパン(株)製)0.180g、エポキシ化合物である4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(「4HBAGE(商品名)」日本化成(株)製)0.599gをさらに加える以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物(P−19)を得た。得られた感光性樹脂組成物(P−19)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
各実施例および比較例の感光性樹脂組成物の主な組成を表1〜2に、評価結果を表3に示す。
Figure 2019174603
Figure 2019174603
Figure 2019174603

Claims (9)

  1. (A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂、(B)フォスファゼン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、(C−1)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤および(C−2)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物。
  2. 前記(A)エチレン性不飽和基およびカルボキシル基を含有する樹脂が、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を2つ以上有するカルド系樹脂を含む請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2019174603
  3. 前記(B)フォスファゼン骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物が、下記一般式(2)で表される構造を有する化合物を含む請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2019174603
    (上記一般式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子または(メタ)アクリロイルオキシ基を有する1価の炭化水素基を示す。)
  4. さらに、(D)下記一般式(3)で表される構造を有する多官能エポキシ化合物を含有する請求項1〜3のいずれか記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2019174603
    (上記一般式(3)中、連結基Yは炭素数1〜15のn価の炭化水素基を示し、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。nは3または4を示す。複数のRおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
  5. さらに、(E)フルオレン(メタ)アクリレート化合物を含有する請求項1〜4のいずれか記載の感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜。
  7. 請求項1〜5のいずれか記載の感光性樹脂組成物を基材上に塗布する工程、および80〜150℃で加熱する工程をこの順に含む、請求項6に記載の硬化膜の製造方法。
  8. 前記基材が、モリブデンを含有する請求項7記載の硬化膜の製造方法。
  9. 請求項6記載の硬化膜を備えるタッチパネル用部材。
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