JP2003301083A - 塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂、その製造方法、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及び用途 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂ラテックス、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂、その製造方法、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及び用途

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JP2003301083A JP2002110246A JP2002110246A JP2003301083A JP 2003301083 A JP2003301083 A JP 2003301083A JP 2002110246 A JP2002110246 A JP 2002110246A JP 2002110246 A JP2002110246 A JP 2002110246A JP 2003301083 A JP2003301083 A JP 2003301083A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた加工特性を有するペースト加工用塩化
ビニル系樹脂を与える塩化ビニル系樹脂ラテックスとそ
の製造方法、それより得られたペースト加工用塩化ビニ
ル系樹脂、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及び
その用途を提供する。 【解決手段】 粒径0.05〜8μm内に連続的な分布
を有し、その頻度に少なくとも二つの極大値を有し、小
粒子群の極大値を与える粒径が0.1〜0.4μm、大
粒子群の極大値を与える粒径が1.0〜3.0μmであ
り、大粒子群の極大値を与える粒径/小粒子群の極大値
を与える粒径=5〜10であり、特定の平均重合度から
なる粒子を有する塩化ビニル系樹脂ラテックスであっ
て、プラスチゾルとした際にB粘が30ポアズ以下、S
粘が30ポアズ以下であり、粘度経時安定性が1.6未
満となる塩化ビニル系樹脂ラテックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
ラテックス、それより得られたペースト加工用塩化ビニ
ル系樹脂、その製造方法、ペースト加工用塩化ビニル系
樹脂組成物及びその用途に関するものであり、更に詳し
くは、優れた加工特性を有するペースト加工用塩化ビニ
ル系樹脂を与える塩化ビニル系樹脂ラテックスとその製
造方法、それより得られたペースト加工用塩化ビニル系
樹脂、ペースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物及びその
用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ペースト加工用塩化ビニル系樹脂(以
下、単にペースト塩ビと記す。)は、一般的に可塑剤、
安定剤、発泡剤等の配合剤と混練することにより、ペー
スト塩ビゾルとして加工に供され、種々の加工法により
様々な成型品が得られる。これらペースト塩ビは、ペー
スト塩ビゾルを常温において成形するという特徴を生か
し、壁紙、床材、塩ビ鋼板などの用途に用いられてい
る。そして、近年、これら用途に使用されるペースト塩
ビは、高生産性化に伴う加工速度の向上、コスト低減化
のための高充填化、さらには製品硬度の向上というよう
な高性能化の要望のため、加工を行う際のペースト塩ビ
ゾルの粘度が低いことが要求されている。そこで、従来
からペースト塩ビゾルの粘度を低下させるため、その配
合時に1)灯油、ミネラルスピリット等の希釈剤と称さ
れる有機溶媒を添加する方法、2)粒子径20〜40μ
m程度の懸濁重合で製造される増量用樹脂を添加する方
法、3)ノニオン系界面活性剤を添加する方法、等が用
いられてきた。
【0003】
【発明が解決するための課題】しかしながら、1)多量
の希釈剤を添加する方法においては、ペースト塩ビゾル
の加工時にこれら希釈剤が蒸発、気化することによる作
業環境の悪化、希釈剤の添加によるコストの増加などの
問題があった。また、2)増量用樹脂を添加する方法に
は、ペースト塩ビゾルのコーティング加工時においてす
じ引き、発泡成型品の発泡あれもしくはブツの発生など
の問題を引き起こす原因となった。さらに、3)ノニオ
ン系界面活性剤を添加する方法には、低ずり速度域にお
けるペースト塩ビゾルの粘度を低下させることができる
が、高ずり速度域におけるペースト塩ビゾルの粘度には
ほとんど効果はなく、その添加量によっては成型品の色
相あるいは熱安定性を悪化させるなどの問題があった。
【0004】そこで、本発明は、これら諸問題を解決す
ることが可能なペースト塩ビを与えうる塩化ビニル系樹
脂ラテックスとその製造方法、それより得られたペース
ト塩ビとその製造方法及びペースト塩ビ組成物並びにそ
の用途を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、特定の特性を有する塩化ビ
ニル系樹脂ラテックスから得られるペースト塩ビが、特
に壁紙分野に適したペースト塩ビとなることを見出し本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の第1の発明は、レーザー回
折式粒度分布測定機により測定した粒径が0.05〜8
μmの範囲内で連続的に分布し、その頻度に少なくとも
二つの極大値を有し、小粒子群の極大値を与える粒径が
0.1〜0.4μm、大粒子群の極大値を与える粒径が
1.0〜3.0μmであり、大粒子群の極大値を与える
粒径/小粒子群の極大値を与える粒径=5〜10であ
り、大粒子群を構成する粒子が平均重合度700〜13
00の内核とその回りに内核の平均重合度より小さい平
均重合度で、かつ平均重合度600〜1200の外殻か
らなり、小粒子群を構成する粒子が平均重合度500〜
1600からなる塩化ビニル系樹脂ラテックスであっ
て、該ラテックスより得られるペースト加工用塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対し、ジ−2−エチルヘキシル
フタレート60重量部を配合し、ディゾルバー式ミキサ
ーを用い、回転数800rpmで3分間混練して得られ
たプラスチゾルが、該プラスチゾルを25℃、2時間放
置した後、ローターNo.4を装着するB8H型粘度計
を使用し20rpmで測定した時の粘度(以下、単にB
粘と記す。)が30poise以下であり、かつ径2m
mのオレフィスを装着するSevers粘度計を使用
し、圧力1.176M・Paで測定した時の粘度(以
下、単にS粘と記す。)が30poise以下であり、
下記式(1)から求められるプラスチゾルの粘度経時安
定性が1.6未満であるペースト加工用塩化ビニル系樹
脂となることを特徴とする塩化ビニル系樹脂ラテックス
に関するものである。 粘度経時安定性=η72H/η2H (1) (η72H:25℃、72時間放置後、ローターNo.4
を装着するB8H型粘度計を使用し20rpmで測定し
た粘度を示し、η2H:25℃、2時間放置後、ローター
No.4を装着するB8H型粘度計を使用し20rpm
で測定した粘度を示す。) また、本発明の第2の発明は、塩化ビニル系単量体を
a)界面活性剤、b)塩化ビニル系単量体に可溶な重合
開始剤を含有し、平均重合度700〜1300、平均粒
径0.3〜0.8μmのシード粒子、c)塩化ビニル系
単量体に可溶な重合開始剤を含有せず、平均重合度50
0〜1600、平均粒径0.1〜0.4μmのシード粒
子、及びd)緩衝剤、必要に応じて重合度調整剤の存在
下、水性媒体中でシードミクロ懸濁重合することを特徴
とする塩化ビニル系樹脂ラテックスの製造方法に関する
ものであり、第3の発明は、ペースト加工用塩化ビニル
系樹脂が、該ペースト加工用塩化ビニル系樹脂100重
量部に対し、ジ−2−エチルヘキシルフタレート60重
量部を配合し、ディゾルバー式ミキサーを用い、回転数
800rpmで3分間混練して得られたプラスチゾル
が、該プラスチゾルを25℃、2時間放置した後のB粘
が30poise以下であり、かつS粘が30pois
e以下であり、下記式(1)から求められるプラスチゾ
ルの粘度経時安定性が1.6未満であることを特徴とす
るペースト加工用塩化ビニル系樹脂に関するものであ
る。 粘度経時安定性=η72H/η2H (1) (η72H:25℃、72時間放置後、ローターNo.4
を装着するB8H型粘度計を使用し20rpmで測定し
た粘度を示し、η2H:25℃、2時間放置後、ローター
No.4を装着するB8H型粘度計を使用し20rpm
で測定した粘度を示す。) 以下に本発明をより詳細に説明する。
【0007】本発明の塩化ビニル系樹脂ラテックスは、
レーザー回折式粒度分布測定機により測定した粒径が
0.05〜8μmの範囲内で連続に分布するとともに、
その粒径分布の頻度に少なくとも二つの極大値を有する
ものである。そして、その小粒子群の極大値を与える粒
径は0.1〜0.4μmの範囲であり、好ましくは0.
2〜0.3μmの範囲である。また、大粒子群の極大値
を与える粒径は1.0〜3.0μmの範囲であり、好ま
しくは1.5〜2.5μmの範囲である。そして、大粒
子群の極大値を与える粒径/小粒子群の極大値を与える
粒径は5〜10の範囲であり、好ましくは6〜8の範囲
である。
【0008】ここで、小粒子群の極大値を与える粒径が
0.1μm未満である場合、塩化ビニル系樹脂ラテック
スを噴霧乾燥しペースト塩ビとした際、乾燥時の凝集力
が高くなりこれら凝集体に可塑剤が捕捉されるためペー
スト塩ビ組成物した際の粘度が高くなり本発明の目的を
達成する事が出来ない。一方、小粒子群の極大値を与え
る粒径が0.4μmを超える場合、得られたペースト塩
ビを加工する際に粒子の溶融速度が遅くなり、発泡性が
劣るものとなる。また、大粒子群の極大値を与える粒径
が1.0μm未満である場合、塩化ビニル系樹脂ラテッ
クスを噴霧乾燥しペースト塩ビとした際、乾燥時の凝集
力が高くなるとともに、最適な小粒子の粒径との粒径比
が確保しにくいことなどからペースト塩ビ組成物とした
際の粘度が高くなる。一方、大粒子群の極大値を与える
粒径が3.0μmを超える場合、得られたペースト塩ビ
を加工する際に粒子の溶融速度が遅くなり、発泡性が劣
るものとなるとともに、重合によりラテックスを生産す
る場合に、重合が著しく不安定となりラテックス自体を
得ることが困難になる。そして、大粒子群の極大値を与
える粒径/小粒子群の極大値を与える粒径が5未満であ
る場合、又は10を超える場合、得られたペースト塩ビ
は粒子の充填密度が低く、ペースト塩ビ組成物とする際
には流動に寄与しない可塑剤量を増加することが必要と
なり、その結果ペースト塩ビ組成物の粘度が高くなり本
発明の目的を達成することが出来ない。
【0009】また、本発明の塩化ビニル系樹脂ラテック
スは、平均重合度700〜1300の範囲、好ましくは
800〜1100を有する内核とその回りに該内核の平
均重合度より小さい平均重合度で、かつ平均重合度60
0〜1200の範囲、好ましくは600〜900を有す
る外殻からなる大粒子群を構成する粒子及び平均重合度
500〜1600の範囲、好ましくは600〜1300
を有する小粒子群を構成する粒子からなるものである。
ここで、大粒子群を構成する粒子の内核の平均重合度が
700未満である場合、該ラテックス製造時の重合温度
が高くなりすぎ、重合缶の耐圧要求が高くなり生産性が
劣る。一方、内核の平均重合度が1300を超える場
合、得られるペースト塩ビの溶融性が低下し、成形加工
に供した際の発泡性が低下する。また、大粒子群を構成
する粒子の外殻の平均重合度が600未満である場合、
前述のように重合缶の耐圧要求が高くなるとともに、得
られるペースト塩ビを発泡エンボス加工に供した際に発
泡セルのつぶれが起こり本発明の目的を達成することが
出来ない。一方、外殻の平均重合度が1200を超える
場合、発泡性が低下するので好ましくない。外殻の平均
重合度が内核の平均重合度以上である場合、得られるペ
ースト塩ビの溶融速度が遅くなり発泡成形に供した際の
発泡性が低下する。
【0010】さらに、本発明の塩化ビニル系樹脂ラテッ
クスは、該塩化ビニル系樹脂ラテックスから得られるペ
ースト塩ビが該ペースト塩ビ100重量部に対し、ジ−
2−エチルヘキシルフタレート60重量部を配合し、デ
ィゾルバー式ミキサーを用い、回転数800rpmで3
分間混練して得られたプラスチゾルを25℃、2時間放
置した後のB粘で30poise以下、かつS粘で30
poise以下であり、下記式(1)より求められる粘
度経時安定性が1.6未満を有するペースト塩ビが得ら
れる塩化ビニル系樹脂ラテックスである。 粘度経時安定性=η72H/η2H (1) (η72H:25℃、72時間放置後、ローターNo.4
を装着するB8H型粘度計を使用し20rpmで測定し
た粘度を示し、η2H:25℃、2時間放置後、ローター
No.4を装着するB8H型粘度計を使用し20rpm
で測定した粘度を示す。) 本発明でいうB粘とは、ペースト塩ビ100重量部に対
しジ−2−エチルヘキシルフタレート60重量部を配合
し、ディゾルバー式ミキサーを用い、回転数800rp
mで3分間混練して得られたプラスチゾルを25℃で2
時間放置し、その後ローターNo.4を装着するB8H
型粘度計を使用し20rpmで測定した粘度をいう。ま
た、S粘とは、ペースト塩ビ100重量部に対しジ−2
−エチルヘキシルフタレート60重量部を配合し、ディ
ゾルバー式ミキサーを用い、回転数800rpmで3分
間混練して得られたプラスチゾルを25℃で2時間放置
し、その後径2mmのオレフィスを装着するSever
s粘度計を使用し、圧力1.176M・Paで測定した
粘度をいう。ディゾルバー式ミキサー、B8H型粘度
計、Severs粘度計としては、一般の市販されてい
るものでも使用することが可能である。
【0011】ここで、B粘が30poiseを越える場
合、得られるペースト塩ビを成形加工に供する際には粘
度調整として希釈剤の添加量を多くすることが必要とな
り本発明の目的を達成することができない。一方、S粘
が30poiseを越える場合、成形加工に供する際に
は粘度調整として希釈剤の添加量を多くすることが必要
となるとともに、コーティング時にトラブルを起こしや
すくなる問題がある。さらに粘度経時安定性が1.6を
越える場合、得られるペースト塩ビを成形加工に適した
際に流動性を示さなくなるという問題を生じる。
【0012】本発明の塩化ビニル系樹脂ラテックスは、
本発明の目的の範囲内に属するものであれば、塩化ビニ
ル単独重合体、塩化ビニル共重合体のいずれからなるラ
テックスでもよく、本発明の塩化ビニル系樹脂ラテック
スの製造方法としてはいかなる方法も用いることが可能
であり、以下にその好ましい製造方法の一例を具体的に
説明するが本発明の塩化ビニル系樹脂ラテックスの製造
方法はこれに限定されるものではない。
【0013】本発明の塩化ビニル系樹脂ラテックスの製
造方法としては、例えば塩化ビニル系単量体をa)界面
活性剤、b)塩化ビニル系単量体に可溶な重合開始剤を
含有し、平均重合度700〜1300、平均粒径0.3
〜0.8μmのシード粒子(以下、単に開始剤等含有シ
ードと記す。)、c)塩化ビニル系単量体に可溶な重合
開始剤を含有せず、平均重合度500〜1600、平均
粒径0.1〜0.4μmのシード粒子(以下、単に単量
体可溶重合開始剤を含有しないシード記す。)、及び
d)緩衝剤、必要に応じて重合度調整剤の存在下、水性
媒体中でシードミクロ懸濁重合する方法を挙げることが
できる。また、この際の重合温度としては40〜70℃
であることが好ましい。
【0014】ここで、塩化ビニル系単量体とは、塩化ビ
ニル単量体単独又は塩化ビニル単量体を主体としこれと
共重合し得る単量体との混合物を挙げることができ、混
合物である場合、塩化ビニル単量体が80重量%以上で
あることが好ましく、90重量%以上であることがより
好ましい。塩化ビニル単量体と共重合し得る単量体とし
ては、例えばエチレン、プロピレンなどのオレフィン
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエス
テル類;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカ
ルボン酸類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸−N,N−ジメチルアミノエチルなどの不飽和
モノカルボン酸エステル類;アクリルアミド、メタクリ
ルアミドなどの不飽和アミド類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;マレイン
酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸類、これらのエ
ステル及びこれらの無水物;N−置換マレイミド類;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニ
ルエーテル類;さらに塩化ビニリデンなどのビニリデン
化合物などを挙げることができる。
【0015】また、a)界面活性剤としては、アニオン
性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤が挙げられ、ア
ニオン性界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン
酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナト
リウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム、ジへキシルスルホコハク酸ナト
リウムなどのスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウ
ム、半硬化牛脂脂肪酸カリウムなどの脂肪酸塩;ポリオ
キシエチレンラウリルエーテルサルフェートナトリウム
塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフ
ェートナトリウム塩などのエトキシサルフェート塩;ア
ルカンスルホン酸塩;アルキルエーテル燐酸エステルナ
トリウム塩などを挙げることができる。また、ノニオン
性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラ
ウリルエステルなどを挙げることができる。そして、界
面活性剤としてはより安定に重合を行い塩化ビニル系樹
脂ラテックスの製造が可能となることから、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩又はアル
キルベンゼンスルホン酸塩とアルキル硫酸エステル塩の
混合物を使用することが好ましい。
【0016】b)開始剤等含有シードとは、本発明の塩
化ビニル系樹脂ラテックスにおいて主に大粒子群を供給
するものであり、例えば以下のようなミクロ懸濁重合法
で調整することが可能である。まず、塩化ビニル系単量
体、塩化ビニル系単量体に可溶な重合開始剤、界面活性
剤、緩衝剤、高級アルコール,高級脂肪酸,高級脂肪酸
エステル,塩素化パラフィンなどの分散助剤、必要に応
じて重合度調整剤を加えてプレミックスし、ホモジナイ
ザーにより均質化処理して油滴の調整を行う。この際の
ホモジナイザーとしては、例えばコロイドミル、振動攪
拌機、二段式高圧ポンプなどを用いることができる。そ
して、均質化処理した液を重合器に送り、緩やかに攪拌
しながら重合器内の温度を上げて重合反応を開始し、所
定の転化率に達するまで重合を行うことにより開始剤等
含有シードを調整することが可能である。この際の重合
温度としては30〜55℃であることが好ましい。
【0017】塩化ビニル系単量体に可溶な重合開始剤と
しては、10時間半減期温度30〜70℃のジアシルパ
ーオキサイドが好ましく、そのような重合開始剤として
は、例えばイソブチリルパーオキサイド、3,3,5−
トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロ
イルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイドなどがあ
げられる。また、界面活性剤としては、後述する界面活
性剤を単独又は2種類以上を混合しても用いることがで
き、必要に応じて用いられる重合度調整剤は後述するも
のを用いることができる。
【0018】c)単量体可溶重合開始剤を含有しないシ
ードは、本発明の塩化ビニル系樹脂ラテックスにおいて
主に小粒子群を供給するものであり、例えば以下のよう
な乳化重合法で調整することが可能である。塩化ビニル
系単量体、純水、界面活性剤、水溶性重合開始剤などを
仕込み、重合器内の脱気あるいは必要に応じて窒素など
の不活性気体による置換を行い、塩化ビニル系単量体を
仕込み、撹拌して塩化ビニル系単量体を可溶化した乳化
剤ミセル層を形成しつつ、重合器内の温度を上げて重合
を進める。その際には反応速度や粒径の制御のために、
乳化剤、開始剤、還元剤などを重合反応中に添加するこ
ともできる。また、重合温度は40〜70℃の範囲が好
ましい。界面活性剤としては、前述のミクロ懸濁重合法
で使用したものと同様のものをあげることができる。ま
た、水溶性重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などの水溶性過酸
化物;これらの過酸化物又はクメンヒドロパーオキシ
ド、t−ブチルヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオ
キシドに、酸性亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウ
ム、アスコルビン酸、第1鉄イオンのエチレンジアミン
四酢酸ナトリウム錯塩、ピロリン酸第1鉄などの還元剤
を組み合わせたレドックス系開始剤;2,2’−アゾビ
ス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩などの水
溶性アゾ化合物などをあげることができる。
【0019】d)緩衝剤としては、例えばリン酸一水素
アルカリ金属塩、リン酸二水素アルカリ金属塩、フタル
酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどがあげられ
る。
【0020】必要に応じて用いられる重合度調整剤とし
ては、例えばトリクロルエチレン、四塩化炭素等のハロ
ゲン系炭化水素;2−メルカプトエタノール、3−メル
カプトプロピオン酸オクチル、ドデシルメルカプタン等
のメルカプタン類;アセトン、n−ブチルアルデヒド等
のアルデヒド類などがあげられ、重合度を調整できるも
のであればいかなるものを用いてもよい。
【0021】本発明の塩化ビニル系樹脂ラテックスより
得られるペースト塩ビは、該ペースト塩ビ100重量部
に対し、ジ−2−エチルヘキシルフタレート60重量部
を配合し、ディゾルバー式ミキサーを用い、回転数80
0rpmで3分間混練して得られたプラスチゾルを25
℃、2時間放置した後のB粘が30poise以下、か
つS粘が30poise以下であり、下記式(1)より
求められる粘度経時安定性が1.6未満を有するペース
ト塩ビである。 粘度経時安定性=η72H/η2H (1) (η72H:25℃、72時間放置後、ローターNo.4
を装着するB8H型粘度計を使用し20rpmで測定し
た粘度を示し、η2H:25℃、2時間放置後、ローター
No.4を装着するB8H型粘度計を使用し20rpm
で測定した粘度を示す。) 本発明の塩化ビニル系樹脂ラテックスから、ペースト塩
ビを得る方法としてはいかなる方法をも用いることが可
能であり、効率よく該塩化ビニル系樹脂ラテックスから
水分を除去することができることから、噴霧乾燥による
方法が好ましい。このような噴霧乾燥に使用する乾燥機
は、一般的に使用されているものでよく、例えば「SP
RAY DAYING HANDBOOK」(K.Mas
ters著、3版、1979年、George god
win Limitedより出版)の121頁第4.1
0図に記載されている各種のスプレー乾燥機があげられ
る。また、この際の乾燥条件としては、例えば乾燥温度
は、乾燥機の入口で80〜200℃、また出口では40
〜70℃、特に45℃〜65℃が好ましい。そして、噴
霧乾燥後に得られるペースト塩ビは、塩化ビニル系樹脂
ラテックスを構成する粒子の凝集体であり、通常10〜
150μmの顆粒状である。乾燥機出口温度が52℃を
超える場合には、得られるペースト塩ビは可塑剤への分
散性が劣るため顆粒状ペースト塩ビを粉砕して用いるこ
とが好ましく、乾燥出口温度が52℃以下である場合
は、顆粒状のままでも粉砕して用いてもどちらでもよ
い。
【0022】また、本発明により得られるペースト塩ビ
は、可塑剤及び所望により用いられる各種添加剤、例え
ば充填剤、その他配合剤を配合することにより、ペース
ト塩ビ樹脂組成物として用いることが可能であり、その
際には得られるペースト塩ビ樹脂組成物の粘度が低く、
粘度の経時安定性が良く、さらに良好な加工特性が得ら
れることから、ペースト塩ビ100重量部に対し、可塑
剤30〜300重量部、安定剤1〜5重量部、充填剤3
00重量部以下、発泡剤20重量部以下を配合しペース
ト塩ビ組成物として用いることが好ましい。
【0023】その際の可塑剤としては、特に制限がなく
従来塩化ビニル系樹脂組成物の可塑剤として慣用されて
いるものを使用することができ、例えばジメチルフタレ
ート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイ
ソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−
エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ジノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジ
ウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、
ジフェニルフタレート、ジベンジルフタレートなどのフ
タル酸エステル系可塑剤;ジメチルイソフタレート、ジ
−2−エチルヘキシルイソフタレート、ジイソオクチル
イソフタレートなどのイソフタル酸エステル系可塑剤;
ジ−2−エチルヘキシルテトラヒドロフタレート、ジ−
n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテ
トラヒドロフタレートなどのテトラヒドロフタル酸エス
テル系可塑剤;ジ−n−ブチルアジペート、ジ−2−エ
チルヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ
イソデシルアジペートなどのアジピン酸エステル系可塑
剤;ジ−n−ヘキシルアゼレート、ジ−2−エチルヘキ
シルアゼレート、ジイソオクチルアゼレートなどのアゼ
ライン酸エステル系可塑剤;ジ−n−ブチルセバケー
ト、ジ−2−エチルヘキシルセバケートなどのセバシン
酸エステル系可塑剤;ジ−n−ブチルマレエート、ジメ
チルマレエート、ジエチルマレエート、ジ−2−エチル
ヘキシルマレエートなどのマレイン酸エステル系可塑
剤;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシ
ルフマレートなどのフマル酸エステル系可塑剤;トリ−
n−ヘキシルトリメリテート、トリ−2−エチルヘキシ
ルトリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテー
ト、トリイソオクチルトリメリテート、トリイソノニル
トリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどの
トリメリット酸エステル系可塑剤;テトラ−2−エチル
ヘキシルピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメ
リテートなどのピロメリット酸エステル系可塑剤;トリ
エチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセ
チルトリエチルシトレート、アセチルトリ−2−エチル
ヘキシルシトレートなどのクエン酸エステル系可塑剤;
モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジ
メチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチル
イタコネート、ジ−2−エチルヘキシルイタコネートな
どのイタコン酸エステル系可塑剤;ブチルオレエート、
グリセリルモノオレエート、ジエチレングリコールモノ
オレエートなどのオレイン酸エステル系可塑剤;メチル
アセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、
グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモ
ノリシノレートなどのリシノール酸エステル系可塑剤;
n−ブチルステアレート、グリセリンモノステアレー
ト、ジエチレングリコールジステアレートなどのステア
リン酸エステル系可塑剤;ジエチレングリコールモノラ
ウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペ
ンタエリスリトールの各種脂肪酸エステルなどのその他
の脂肪酸エステル系可塑剤;トリエチルホスフェート、
トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホ
スフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフ
ェート、トリス(クロロエチル)ホスフェートなどのリ
ン酸エステル系可塑剤;ジエチレングリコールジベンゾ
エート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリ
エチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリ
コール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリ
コール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルメチ
レンビスチオグリコレートなどのグリコール系可塑剤;
グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテ
ート、グリセロールトリブチレートなどのグリセリン系
可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレー
ト、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エ
ポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチ
ル、エポキシ化オレイン酸デシルなどのエポキシ系可塑
剤;アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエス
テル、フタル酸系ポリエステルなどのポリエステル系可
塑剤;部分水添ターフェニル、接着性可塑剤、さらには
ジアリルフタレート、アクリル系モノマーやオリゴマー
などの重合性可塑剤;トリオクチルトリメリテート、ジ
オクチルアジペート、エポキシ化大豆油、エポキシ化脂
肪酸エステル、塩素化脂肪酸エステル、リン酸トリス−
β−クロルエチル、塩素化パラフィン等の可塑剤を挙げ
ることができる。これらの可塑剤は2種以上を混合して
用いることもできる。また、安定剤としては、特に制限
がなく従来塩化ビニル系樹脂組成物の安定剤として慣用
されているものを使用することができ、例えばエポキシ
系安定剤、バリウム系安定剤、カルシウム系安定剤、ス
ズ系安定剤、亜鉛系安定剤等が挙げられ、これらは1種
類以上を併用することもできる。また、市販のカルシウ
ム−亜鉛系(Ca−Zn系)、バリウム−亜鉛系(Ba
−Zn系)等の複合安定剤を使用することもできる。
【0024】充填剤としては、特に制限がなく、従来塩
化ビニル系樹脂組成物の充填剤として慣用されているも
のを使用することができ、例えば炭酸カルシウム、ケイ
ソウ土、炭酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられ
る。
【0025】発泡剤としては、特に制限がなく、従来塩
化ビニル系樹脂組成物の発泡剤として慣用されているも
のを使用することができ、例えば重炭酸ナトリウム、炭
酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニ
ウム、アミド化合物、ホウ水素化ナトリウム等の無機系
発泡剤;イソシアネート化合物、アゾジカーボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカル
ボキシレートらのアゾ化合物;p,p’−オキシビスベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニル
ヒドラジドらのヒドラジン誘導体;セミカルバジド化合
物;アジ化合物;ジニトロソペンタメチレンテトラミン
らのニトロソ化合物;トリアゾール化合物等の有機系発
泡剤が挙げられ、これらの各種発泡剤を2種以上組み合
わて使用することもできる。また、必要に応じて上記発
泡体と亜鉛華(酸化亜鉛)等の分解促進剤を併用するこ
とも可能である。
【0026】本発明により得られるペースト塩ビを用い
て調整されたペースト塩ビ組成物は、粘度が低く、粘度
の経時安定性に優れることから成型加工性に優れたもの
であり、更には、該ペースト塩ビ組成物を発泡した際に
は発泡体表面の平滑性および発泡セル構造が良好あり、
また発泡体を作製した後、再度加熱した時の厚み減少率
が小さいことから特に壁紙用途に適したものとなる。
【0027】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を更に詳細に
説明するが、それらの内容は本発明の範囲を特に制限す
るものではない。
【0028】なお、以下に実施例により得られた塩化ビ
ニル系樹脂ラテックス及びペースト塩ビの評価の方法を
示す。
【0029】〜塩化ビニル系樹脂ラテックスの平均粒径
および粒径分布の測定〜 レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所
製、商品名LA−700)を使用し、屈折率1.3の条
件にて2回測定を行い、その平均値を平均粒径として測
定した。
【0030】〜平均重合度の測定〜 JIS−K6721のウベローデ粘度計を用いて、溶液
粘度測定法により平均重合度を算出した。
【0031】〜開始剤等含有シード中の開始剤含有量測
定〜 200ml三角フラスコに塩化ビニル樹脂固形分で1g
となるように開始剤等含有シードラテックスを秤量し
た。続いてベンゼン20ml、イソプロピルアルコール
80ml、10%酢酸溶液20ml、10%ヨウ化カリ
ウム水溶液20mlを添加した。該三角フラスコに五球
コンデンサを付設し、スターラーで攪拌しながら15分
間加熱し、冷却後、1/100Nチオ硫酸ナトリウムで
滴定した。
【0032】開始剤等含有シード中の開始剤含有量は、
次式(2)及び(3)により算出した。 A=(V1−V2)/1000×(1/100N)×(1/2) (2) (ここで、Aは開始剤等含有シードラテックス中の開始
剤のモル数を示し、V1はサンプルの1/100Nチオ
硫酸ナトリウムの滴定量(ml)を示し、V2はブラン
クの1/100Nチオ硫酸ナトリウムの滴定量(ml)
を示し、Nは1/100Nチオ硫酸ナトリウムの規定度
を示す。) 塩化ビニル樹脂中の開始剤含有量(%)=A/W×398×100 (3 ) (ここで、Wは開始剤等含有シード固形分(g)を示
す。) 〜B粘の測定〜 得られたペースト塩ビ100重量部に対しジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート60重量部を配合し、ディゾルバ
ー式ミキサーを用い、回転数800rpmで3分間混練
して得られたプラスチゾルを25℃、2時間放置した
後、ローターNo.4を装着したB8H型粘度計(東京
計器製)用い、20rpmで測定した。
【0033】〜S粘の測定〜 得られたペースト塩ビ100重量部に対しジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート60重量部を配合し、ディゾルバ
ー式ミキサーを用い、回転数800rpmで3分間混練
して得られたプラスチゾルを25℃、2時間放置した
後、径2mmのオレフィスを装着したSevers粘度
計(柴山科学機械製作所製)を用い、圧力1.176M
・Paで測定した。
【0034】〜粘度経時安定性の測定〜 得られたペースト塩ビ100重量部に対しジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート60重量部を配合し、ディゾルバ
ー式ミキサーを用い、回転数800rpmで3分間混練
して得られたプラスチゾルを25℃、2時間又は72時
間放置した後、ローターNo.4を装着したB8H型粘
度計(東京計器製)を用い20rpmで測定し、下記式
(1)によって粘度経時安定性を求めた。 粘度経時安定性=η72H/η2H (1) (ここで、η72Hは得られたプラスチゾルを25℃、7
2時間放置後測定した粘度を示し、η2Hは得られたプラ
スチゾルを25℃、2時間放置後測定した粘度を示
す。) 以下に実施例により得られたペースト塩ビ組成物、発泡
体の評価方法を示す。
【0035】〜ペースト塩ビ組成物のB’粘の測定〜 得られたペースト塩ビ組成物を25℃、2時間放置した
後、ローターNo.4を装着したB8H型粘度計(東京
計器製)用い、20rpmで測定した。
【0036】〜ペースト塩ビ組成物のS’粘の測定〜 得られたペースト塩ビ組成物を25℃、2時間放置した
後、径3mmのオレフィスを装着したBurrel S
evers extrusion Rheometer
(Burrel社製、商品名modelA−120)を
用い、圧力60psiの条件で測定を行った。
【0037】〜ペースト塩ビ組成物の粘度経時安定性の
測定〜 得られたペースト塩ビ組成物を25℃、2時間又は72
時間放置した後、ローターNo.4を装着したB8H型
粘度計(東京計器製)を用い20rpmで測定し、下記
式(1)によって粘度経時安定性を求めた。 粘度経時安定性=η72H/η2H (1) (ここで、η72Hは得られたペースト塩ビ組成物を25
℃、72時間放置後測定した粘度を示し、η2Hは得られ
たペースト塩ビ組成物を25℃、2時間放置後測定した
粘度を示す。) 〜発泡体表面の平滑性〜 得られた発泡体の表面平滑性を目視により観察すること
により評価した。発泡表面平滑性の評価基準を以下に示
す。 :表面が平滑である。 ×:表面が粗い。
【0038】〜発泡体セル構造〜 得られた発泡体の発泡セル構造を光学顕微鏡を用い観察
することにより評価した。 発泡セル構造の評価基準を以下に示す。 :セルが緻密である。 ×:セルが粗い。
【0039】〜発泡体の色相〜 得られた発泡体の表面のYI値を分光色差計(日本電色
製、商品名Spectro Color Meter
SE2000)にて測定した。
【0040】〜厚み減少率〜 得られた発泡体を室温まで冷却後、230℃に加熱した
オーブン中で10秒加熱することにより、加熱前後の厚
みを測定し次式(4)により厚み減少率を算出した。厚
み減少率が少ないほど良好な発泡体であることの指標と
した。厚み減少率(%)=(加熱前の発泡体厚み(m
m)−加熱後の発泡体厚み(mm ))/加熱前の発泡体厚み(mm)×100 (4) 〜合成例1(開始剤等含有シード(1)の製造例)〜 1m3オートクレーブ中に脱イオン水360kg、塩化
ビニル単量体300kg、過酸化ラウロイル(以下、単
にLPOと記す。)10kg及び15重量%ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30kg、ドデシル
メルカプタン1.5kgを仕込み、該重合液をホモジナ
イザーにより2時間循環し、均質化処理を行った後、温
度を45℃に上げて重合反応を開始した。圧力が低下し
た後、未反応塩化ビニル単量体を回収した。
【0041】得られた開始剤等含有シード(1)ラテッ
クスの平均粒径は0.60μm、LPO含有量は3.3
重量%、平均重合度は1000であった。
【0042】〜合成例2(開始剤等含有シード(2)の
製造例)〜 LPOを5kgとし、ホモジナイザーでの循環時間を3
時間とした以外は合成例1と同様の方法で開始剤等含有
シード(2)を得た。
【0043】得られた開始剤等含有シード(2)ラテッ
クスの平均粒径は0.55μm、LPO含有量は1.7
重量%、平均重合度は1900であった。
【0044】〜合成例3(単量体可溶重合開始剤を含有
しないシード(3)の製造例)〜 1m3オートクレーブ中に脱イオン水400kg、塩化
ビニル単量体350kg、16重量%ラウリン酸カリウ
ム水溶液2kg及び16重量%ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム水溶液5kgを仕込み、温度を54℃に
上げて重合反応を開始した。そして、圧力が低下した
後、未反応塩化ビニル単量体を回収し、単量体可溶重合
開始剤を含有しないシード(3)ラテックスを得た。
【0045】得られた単量体可溶重合開始剤を含有しな
いシード(3)ラテックスは、平均粒径0.15μmで
あり、平均重合度は1200であった。
【0046】〜合成例4(単量体可溶重合開始剤を含有
しないシード(4)の製造例)〜 16重量%ラウリン酸カリウム水溶液を1kg、重合温
度を66℃とした以外は、合成例3と同様の方法で単量
体可溶重合開始剤を含有しないシード(4)ラテックス
を得た。
【0047】得られた単量体可溶重合開始剤を含有しな
いシード(4)ラテックスは、平均粒径0.20μmで
あり、平均重合度は750であった。
【0048】実施例1 1m3オートクレーブ中に脱イオン水350kg、塩化
ビニル単量体400kg、20重量%ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム2kg、合成例1により得られた
開始剤等含有シード(1)を塩化ビニル単量体に対して
3重量%、合成例3により得られた単量体可溶重合開始
剤を含有しないシード(3)を塩化ビニル単量体に対し
て7.5重量%、ドデシルメルカプタンを塩化ビニル単
量体100重量部に対し0.1重量部仕込み、この反応
混合物の温度を66℃に上げて重合を開始した。重合開
始してから重合終了までの間、塩化ビニル単量体に対し
て0.7重量部の20重量%ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを連続的に添加した。重合圧が66℃にお
ける塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降
下した時に重合を停止し、未反応塩化ビニル単量体を回
収し、塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。
【0049】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスの平均
粒径、粒径分布を測定した。その結果を表1に示す。
【0050】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスを回転
円盤式のスプレードライヤーを用い、熱風温度200
℃、出口温度60℃で噴霧乾燥し、得られた乾燥後の顆
粒状ペースト塩ビを粉砕して、ペースト塩ビを得た。
【0051】得られたペースト塩ビは、平均重合度を測
定した後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結
果を表1に示した。
【0052】得られたペースト塩ビ100重量部に対
し、ジ−2−エチルヘキシルフタレート40重量部、炭
酸カルシウム(備北粉化工業(株)製、商品名BF−6
00S)40重量部、Ba−Zn系安定剤(旭電化
(株)製、商品名FL−116)3重量部、顔料(テイ
カ(株)製、商品名JR−600A)15重量部、化学
発泡剤(永和化成工業(株)製、商品名AC1C)3重
量部、希釈剤(大伸化学(株)製、商品名ミネラルスピ
リット)15重量部を配合し、T.K.ホモディスパー
(特殊機化工業製)を用い3000rpmで2分間混練
し、ペースト塩ビ組成物を調整した。
【0053】得られたペースト塩ビ組成物及び該組成物
より得られる発泡体の評価結果を表2に示す。得られた
ペースト塩ビ組成物は、粘度が低く、粘度の経時安定性
が良好であった。また、得られた発泡体は、発泡表面平
滑性、セル構造が良好で、厚み減少率が小さいものであ
った。
【0054】実施例2 ドデシルメルカプタンを添加せず、重合温度を64℃と
した以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い塩化ビ
ニル樹脂ラテックスを得た。得られた塩化ビニル樹脂ラ
テックスの平均粒径、粒径分布を測定した。その結果を
表1に示す。
【0055】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、実
施例1と同様の方法で噴霧乾燥後粉砕してペースト塩ビ
を得た。得られたペースト塩ビは、平均重合度を測定し
た後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結果を
表1に示した。
【0056】得られたペースト塩ビを用いた以外は、実
施例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡
体を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評
価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ組成物は、
粘度が低く、粘度の経時安定性が良好であった。また、
得られた発泡体は、発泡表面平滑性、セル構造が良好
で、厚み減少率が小さいものであった。
【0057】実施例3 単量体可溶重合開始剤を含有しないシード(3)7.5
重量%の代わりに合成例4により得られた単量体可溶重
合開始剤を含有しないシード(4)7.5重量%を使用
した以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い塩化ビ
ニル樹脂ラテックスを得た。得られた塩化ビニル樹脂ラ
テックスの平均粒径、粒径分布を測定した。その結果を
表1に示す。
【0058】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、実
施例1と同様の方法で噴霧乾燥後粉砕してペースト用塩
ビを得た。得られたペースト塩ビは、平均重合度を測定
した後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結果
を表1に示した。
【0059】得られたペースト塩ビを用いた以外は、実
施例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡
体を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評
価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ組成物は、
粘度が低く、粘度の経時安定性が良好であった。また、
得られた発泡体は、発泡表面平滑性、セル構造が良好
で、厚み減少率が小さいものであった。
【0060】実施例4 合成例1により得られた開始剤等含有シード(1)を塩
化ビニル単量体に対して2重量%とした以外は、実施例
1と同様の方法で重合を行い塩化ビニル樹脂ラテックス
を得た。得られた塩化ビニル樹脂ラテックスの平均粒
径、粒径分布を測定した。その結果を表1に示す。
【0061】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、実
施例1と同様の方法で噴霧乾燥後粉砕してペースト用塩
ビを得た。得られたペースト塩ビは、平均重合度を測定
した後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結果
を表1に示した。
【0062】得られたペースト塩ビを用いた以外は、実
施例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡
体を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評
価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ組成物は、
粘度が低く、粘度の経時安定性が良好であった。また、
得られた発泡体は、発泡表面平滑性、セル構造が良好
で、厚み減少率が小さいものであった。
【0063】比較例1 合成例1により得られた開始剤等含有シード(1)3.
0重量%の代わりに合成例2により得られた開始剤等含
有シードシード(2)2.7重量%を用いた以外は、実
施例1と同様の方法で重合を行い塩化ビニル樹脂ラテッ
クスを得た。得られた塩化ビニル樹脂ラテックスの平均
粒径、粒径分布を測定した。その結果を表1に示す。得
られた塩化ビニル系樹脂ラテックスの大粒子群の粒子内
核の平均重合度は1800と大きいものであった。
【0064】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、実
施例1と同様の方法で噴霧乾燥後粉砕してペースト用塩
ビを得た。得られたペースト塩ビは、平均重合度を測定
した後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結果
を表1に示した。
【0065】得られたペースト塩ビを用いた以外は、実
施例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡
体を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評
価結果を表2に示す。得られた発泡体は、発泡表面平滑
性とセル構造に劣り、厚み減少率も大きいものであっ
た。
【0066】比較例2 合成例1により得られた開始剤等含有シード(1)を塩
化ビニル単量体に対し6重量%とした以外は、実施例1
と同様の方法で重合を行い塩化ビニル樹脂ラテックスを
得た。得られた塩化ビニル樹脂ラテックスの平均粒径、
粒径分布を測定した。その結果を表1に示す。得られた
塩化ビニル系樹脂ラテックスの大粒子群の極大値を与え
る粒径/小粒子群の極大値を与える粒径は4.4であっ
た。
【0067】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、実
施例1と同様の方法で噴霧乾燥後粉砕してペースト用塩
ビを得た。得られたペースト塩ビは、平均重合度を測定
した後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結果
を表1に示した。得られたペースト塩ビはプラスチゾル
とした際のB粘が37poise、S粘が43pois
eと高いものであった。
【0068】得られたペースト塩ビを用いた以外は、実
施例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡
体を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評
価結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ組成物は
S’粘が高く、粘度経時安定性に劣るものであった。
【0069】比較例3 合成例3により得られた単量体可溶重合開始剤を含有し
ないシード(3)を使用しない以外は、実施例1と同様
の方法で重合を行い塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。
得られた塩化ビニル樹脂ラテックスの平均粒径、粒径分
布を測定した。その結果を表1に示す。得られた塩化ビ
ニル樹脂ラテックスは、その粒度分布に1つの極大値し
か有さないものであった。
【0070】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、実
施例1と同様の方法で噴霧乾燥後粉砕してペースト用塩
ビを得た。得られたペースト塩ビは、平均重合度を測定
した後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結果
を表1に示した。得られたペースト塩ビはプラスチゾル
とした際のS粘が65poiseと高いものであった。
【0071】得られたペースト塩ビを用いた以外は、実
施例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡
体を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評
価結果を表2に示す。得られた発泡体は、発泡体表面の
平滑性、セル構造に劣り、YI値が高く、厚み減少率も
大きいものであった。
【0072】比較例4 重合温度を52℃にした以外は、実施例1と同様の方法
で重合を行い塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。得られ
た塩化ビニル樹脂ラテックスの平均粒径、粒径分布を測
定した。その結果を表1に示す。得られた塩化ビニル樹
脂ラテックスの大粒子群の粒子外殻の平均重合度は13
00と高いものであった。
【0073】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、実
施例1と同様の方法で噴霧乾燥後粉砕してペースト用塩
ビを得た。得られたペースト塩ビは、平均重合度を測定
した後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結果
を表1に示した。
【0074】得られたペースト塩ビを用いた以外は、実
施例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡
体を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評
価結果を表2に示す。得られた発泡体は、発泡体表面の
平滑性、セル構造に劣り、YI値が高く、厚み減少率も
大きいものであった。
【0075】比較例5 重合温度を52℃にした以外は、比較例1と同様の方法
で重合を行い塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。得られ
た塩化ビニル樹脂ラテックスの平均粒径、粒径分布を測
定した。その結果を表1に示す。得られた塩化ビニル樹
脂ラテックスの大粒子群の粒子内核の平均重合度は18
00と高く、粒子外殻の平均重合度も1300と高いも
のであった。
【0076】得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、実
施例1と同様の方法で噴霧乾燥後粉砕してペースト用塩
ビを得た。得られたペースト塩ビは、平均重合度を測定
した後、前記方法にて評価し、ペースト塩ビの評価結果
を表1に示した。
【0077】得られたペースト塩ビを用いた以外は、実
施例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡
体を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評
価結果を表2に示す。得られた発泡体は、発泡体表面の
平滑性、セル構造に劣るのであった。
【0078】比較例6 市販品ペースト塩ビ(新第一塩ビ製、商品名PQB8
3)を用い評価を行った。結果を表1に示した。B粘が
37poiseと高いものであった。
【0079】市販のペースト塩ビを用いた以外は、実施
例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡体
を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価
結果を表2に示す。得られた発泡体は、厚み減少率が大
きいものであった。
【0080】比較例7 市販品ペースト塩ビ(鐘淵化学製、商品名PSL−67
5)を用い評価を行った。結果を表1に示した。B粘が
34poise、S粘が32poiseと高いものであ
った。
【0081】市販のペースト塩ビを用いた以外は、実施
例1と同様の方法にて、ペースト塩ビ組成物及び発泡体
を得た。得られたペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価
結果を表2に示す。得られたペースト塩ビ組成物は粘度
経時変化が大きく、得られた発泡体は、厚み減少率が大
きいものであった。
【0082】
【表1】
【表2】
【発明の効果】本発明により得られたペースト塩ビは、
加工に際しペースト塩ビ組成物を調整した際に、粘度が
低く、かつ粘度の経時変化が低いという優れた特性を有
するペースト塩ビ組成物が得られることからその工業的
価値はきわめて高いものであり、特に壁紙用途に優れた
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA22 AC43 AE02 CA02 CA18 CB14 4J002 AE042 BD041 BD051 BD061 BD071 BD081 BD091 EH046 EH096 EH106 EH146 EH156 EL026 EW046 FD010 FD022 FD026 FD030 FD320 GF00 GL00 4J011 JA06 JA13 JB07 JB08 JB13 JB18 JB22 JB29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザー回折式粒度分布測定機により測定
    した粒径が0.05〜8μmの範囲内で連続的に分布
    し、その頻度に少なくとも二つの極大値を有し、小粒子
    群の極大値を与える粒径が0.1〜0.4μm、大粒子
    群の極大値を与える粒径が1.0〜3.0μmであり、
    大粒子群の極大値を与える粒径/小粒子群の極大値を与
    える粒径=5〜10であり、大粒子群を構成する粒子が
    平均重合度700〜1300の内核とその回りに内核の
    平均重合度より小さい平均重合度で、かつ平均重合度6
    00〜1200の外殻からなり、小粒子群を構成する粒
    子が平均重合度500〜1600からなる塩化ビニル系
    樹脂ラテックスであって、該ラテックスより得られるペ
    ースト加工用塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、ジ
    −2−エチルヘキシルフタレート60重量部を配合し、
    ディゾルバー式ミキサーを用い、回転数800rpmで
    3分間混練して得られたプラスチゾルが、該プラスチゾ
    ルを25℃、2時間放置した後、ローターNo.4を装
    着するB8H型粘度計を使用し20rpmで測定した時
    の粘度が30poise以下であり、かつ径2mmのオ
    レフィスを装着するSevers粘度計を使用し、圧力
    1.176M・Paで測定した時の粘度が30pois
    e以下であり、下記式(1)から求められるプラスチゾ
    ルの粘度経時安定性が1.6未満であるペースト加工用
    塩化ビニル系樹脂となることを特徴とする塩化ビニル系
    樹脂ラテックス。 粘度経時安定性=η72H/η2H (1) (η72H:25℃、72時間放置後、ローターNo.4
    を装着するB8H型粘度計を使用し20rpmで測定し
    た粘度を示し、η2H:25℃、2時間放置後、ローター
    No.4を装着するB8H型粘度計を使用し20rpm
    で測定した粘度を示す。)
  2. 【請求項2】塩化ビニル系単量体をa)界面活性剤、
    b)塩化ビニル系単量体に可溶な重合開始剤を含有し、
    平均重合度700〜1300、平均粒径0.3〜0.8
    μmのシード粒子、c)塩化ビニル系単量体に可溶な重
    合開始剤を含有せず、平均重合度500〜1600、平
    均粒径0.1〜0.4μmのシード粒子、及びd)緩衝
    剤、必要に応じて重合度調整剤の存在下、水性媒体中で
    シードミクロ懸濁重合することを特徴とする請求項1に
    記載の塩化ビニル系樹脂ラテックスの製造方法。
  3. 【請求項3】塩化ビニル系単量体に可溶な重合開始剤
    が、10時間半減期温度30〜70℃を有するジアシル
    系パーオキサイドであり、b)のシード粒子中に含まれ
    る塩化ビニル系単量体に可溶な重合開始剤量が2〜5重
    量%であることを特徴とする請求項2に記載の塩化ビニ
    ル系樹脂ラテックスの製造方法。
  4. 【請求項4】a)の界面活性剤がアルキルベンゼンスル
    ホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩またはアルキルベン
    ゼンスルホン酸塩とアルキル硫酸エステル塩の混合物で
    あることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載
    の塩化ビニル系樹脂ラテックスの製造方法。
  5. 【請求項5】ペースト加工用塩化ビニル系樹脂が、該ペ
    ースト加工用塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、ジ
    −2−エチルヘキシルフタレート60重量部を配合し、
    ディゾルバー式ミキサーを用い、回転数800rpmで
    3分間混練して得られたプラスチゾルが、該プラスチゾ
    ルを25℃、2時間放置した後、ローターNo.4を装
    着するB8H型粘度計を使用し20rpmで測定した時
    の粘度が30poise以下であり、かつ径2mmのオ
    レフィスを装着するSevers粘度計を使用し、圧力
    1.176M・Paで測定した時の粘度が30pois
    e以下であり、下記式(1)から求められるプラスチゾ
    ルの粘度経時安定性が1.6未満であることを特徴とす
    るペースト加工用塩化ビニル系樹脂。 粘度経時安定性=η72H/η2H (1) (η72H:25℃、72時間放置後、ローターNo.4
    を装着するB8H型粘度計を使用し20rpmで測定し
    た粘度を示し、η2H:25℃、2時間放置後、ローター
    No.4を装着するB8H型粘度計を使用し20rpm
    で測定した粘度を示す。)
  6. 【請求項6】請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂ラテッ
    クスを噴霧乾燥することを特徴とする請求項5に記載の
    ペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項5に記載のペースト加工用塩化ビニ
    ル系樹脂100重量部に対し、可塑剤30〜300重量
    部、安定剤1〜5重量部、充填剤300重量部以下、発
    泡剤20重量部以下を配合してなることを特徴とするペ
    ースト加工用塩化ビニル系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のペースト加工用塩化ビニ
    ル系樹脂組成物からなることを特徴とする壁紙。
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