JP2003293522A - 屋根葺き材、この屋根葺き材を使用する屋根葺き構造及び屋根 - Google Patents

屋根葺き材、この屋根葺き材を使用する屋根葺き構造及び屋根

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JP2003293522A
JP2003293522A JP2002100139A JP2002100139A JP2003293522A JP 2003293522 A JP2003293522 A JP 2003293522A JP 2002100139 A JP2002100139 A JP 2002100139A JP 2002100139 A JP2002100139 A JP 2002100139A JP 2003293522 A JP2003293522 A JP 2003293522A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平方向の長さが異なる屋根葺き材を同一屋
根面に葺いても、縦のラインが一直線上に、又は千鳥状
に揃い、美観が向上する屋根葺き材を得る。 【解決手段】 屋根葺き材10は水平方向の一方の側に
裏面側重ね合わせ部12と、他方の側に表面側重ね合わ
せ部13とを備え、裏面側重ね合わせ部の表面には、排
水用の凹溝15が形成してあり、表面側重ね合わせ部の
裏面には、凹溝15内に嵌合する凸部16が形成してあ
り、凸部の水平方向幅W3,W4は、凹溝の水平方向幅
W1,W2より小さく形成し、凸部は凹溝内を2つの水
平方向幅の差に相当する調整代C1を持って水平方向に
移動可能である。屋根葺き材10は、水平方向の有効長
(働き幅)Lと、調整代C1を有し、屋根葺き材20
は、働き幅Lより長い有効長(働き幅)2Lを有すると
共に、調整代C1より長い調整代C2を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根葺き材と、こ
れを使用する屋根葺き構造、及び屋根葺き材を葺いた屋
根に係り、特に、水平方向の有効長さが異なる屋根葺き
材を多数葺いたときに縦のラインが整然として美観が向
上する屋根葺き材と、この屋根葺き材を使用する屋根葺
き構造及び屋根に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の屋根葺き材としては、特
開2001−32450号に記載の太陽電池瓦モジュー
ルは、瓦本体の両側部には左右に隣り合う瓦本体と雄雌
関係で嵌合するオーバーラップ部が設けられている。オ
ーバーラップ部は通常、凸部と凹部とが形成され、凹部
の水平方向の幅に対して凸部の水平方向の幅を小さく設
定し、凹部に凸部を嵌合させたとき水平方向に僅かに移
動できる調整代を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した太
陽電池瓦モジュールは、オーバーラップ部の水平方向の
調整代が一定であり、水平方向長さの大きい太陽電池瓦
モジュールと水平方向長さの小さい通常の瓦とを混在し
て葺いたとき、調整代がオーバーラップ部で所定量に規
定されているため、大きく水平方向に移動させることが
できず、縦方向ラインの位置が一定とならず見栄えが悪
くなってしまう。また、千鳥状に配列するときは、縦ラ
インが千鳥状に揃わないため、ラインが不揃いとなって
美観に問題が生じる。
【0004】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、水平方向の
有効長が異なる屋根葺き材、すなわち第一の水平方向の
有効長(働き幅)を有する屋根葺き材と、第二の水平方
向の有効長(働き幅)を有する屋根葺き材とを混在させ
て同一屋根面に葺いたとき、縦のラインが一直線上に揃
って美観が向上する屋根葺き材と、この屋根葺き材を使
用した屋根葺き構造と、屋根葺き材を葺いた屋根を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係る屋根葺き材は、水平方向の一方の側に裏面
側重ね合わせ部と、他方の側に表面側重ね合わせ部とを
形成し、裏面側重ね合わせ部の表面と表面側重ね合わせ
部の裏面とのいずれか一方に凹溝を形成し、他方に凸部
を形成し、凹溝と凸部との水平方向の幅の差を、屋根葺
き材の水平方向の有効長に基づいて設定することを特徴
とする。すなわち、有効長(働き幅)の小さい屋根葺き
材は凹溝の幅と凸部の幅の差を小さく設定し、有効長
(働き幅)の大きい屋根葺き材は前記の差を大きく設定
する。
【0006】また、本発明に係る屋根葺き材の好ましい
具体的な態様としては、屋根葺き材は、所定厚を有する
本体部を備え、裏面側重ね合わせ部は、本体部の表面か
らの段差面で薄肉に突出形成され、表面側重ね合わせ部
は、本体部の裏面からの段差面で陥没して形成される構
成される。
【0007】本発明に係る屋根葺き構造は、一方の側に
裏面側重ね合わせ部を形成し、他方の側に表面側重ね合
わせ部を形成した屋根葺き材の前記裏面側重ね合わせ部
に、他の屋根葺き材の表面側重ね合わせ部とを重ねて葺
くものであって、屋根葺き材は、裏面側重ね合わせ部の
表面と表面側重ね合わせ部の裏面とのいずれか一方に凹
溝を形成し、他方に凹溝に嵌合する凸部を形成し、凸部
の水平方向の幅は、凹溝の水平方向の幅より小さく形成
し、凸部は凹溝内を前記2つの水平方向の幅の差に相当
する調整代を持って水平方向に移動可能であり、屋根葺
き材は、第一の水平方向の有効長と、第一の水平方向の
調整代を有し、他の屋根葺き材は、第一の水平方向の有
効長より長い第二の水平方向の有効長を有すると共に、
第一の水平方向の調整代より長い第二の水平方向の調整
代を有することを特徴とする。前記第二の働き幅は、前
記第一の働き幅の整数倍であることが好ましい。
【0008】さらに、本発明に係る屋根は、前記した屋
根葺き材を使用し、裏面側重ね合わせ部の上方に他の屋
根葺き材の表面側重ね合わせ部を重ね、所定の働き幅の
屋根葺き材と前記働き幅より大きい働き幅の屋根葺き材
を、同一屋根面に混在して葺いたことを特徴としてい
る。
【0009】このように構成された本発明の屋根葺き材
と、この屋根葺き材を使用する屋根葺き構造、及び屋根
葺き材を葺いた屋根は、屋根葺き材の裏面側重ね合わせ
部に、他の屋根葺き材の表面側重ね合わせ部を重ね合わ
せて葺くと、屋根葺き材は凹溝と凸部との水平方向の幅
の差に相当する距離だけ水平方向に移動でき、この距離
が水平方向の調整代となる。すなわち、小さい有効長に
対して小さい調整代を有し、大きい有効長に対して大き
い調整代を有するので、有効長の大きい屋根葺き材は、
有効長の小さい屋根葺き材より水平方向に大きく移動で
きるため、異なる有効長(働き幅)を有する屋根葺き材
を混在して同一屋根に葺いたとき、縦のラインが揃って
見えるため、美観を向上させることができる。
【0010】また、縦のラインを揃えるために、屋根葺
き材を無理に整列させることがなくなり、施工が容易と
なると共に、屋根葺き材の欠損を防止できる。裏面側重
ね合わせ部を表面からの段差面で形成し、表面側重ね合
わせ部を裏面からの段差面で形成すると、裏面側重ね合
わせ部に表面側重ね合わせ部を重ね合わせたとき、本体
部の厚さと略同じにできるため、整列葺設や、千鳥葺設
が容易に行える。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る屋根葺き材の
一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実
施形態に係る屋根葺き構造を用いて葺いた屋根の斜視図
であり、(a)は整列して配列した状態、(b)は千鳥
状に配列した状態を示す。図1において、屋根1は第一
の屋根葺き材10と第二の屋根葺き材20とを混在して
同一屋根面に葺いており、第一の屋根葺き材10は働き
幅L(水平方向の有効長)が小さく、第二の屋根葺き材
20は働き幅(水平方向の有効長)が大きく、2倍の2
Lとなっている。(a)は短尺の屋根葺き材10と、長
尺の屋根葺き材20とを下辺から上部まで同じ配列で葺
いており、(b)は短尺の屋根葺き材10と、長尺の屋
根葺き材20とが交互になるように下辺から上部まで葺
いている。屋根葺き材10の働き幅は60cm程度に、
屋根葺き材20の働き幅は120cm程度に設定され
る。
【0012】第一の屋根葺き材10について、図2,3
を参照して説明する。図2(a)は屋根葺き材10の正
面図、図2(b)は(a)の右側面図、図2(c)は、
(a)のA−A線に沿う要部拡大断面図、図3は図2の
屋根葺き材10同士を重ね合わせた状態の要部断面図で
ある。図2,3において、屋根葺き材10は薄板セメン
ト基材で形成され、働き幅がLで、垂直方向の高さがH
である矩形状の本体部11を備え、本体部11の右方の
側に薄肉の裏面側重ね合わせ部12を突出形成し、裏面
側重ね合わせ部12は本体部11の表面からの段差面で
薄肉に突出形成されている。また、本体部11の左方の
側に表面側重ね合わせ部13が裏面から凹んだ状態で形
成されている。表面側重ね合わせ部13は本体部11の
裏面からの段差面で陥没して形成される。裏面側重ね合
わせ部12は本体部11より突出し、表面側重ね合わせ
部13は本体部11内に形成される。
【0013】本体部11の厚さがTであるとき、裏面側
重ね合わせ部12と表面側重ね合わせ部13の厚さは、
T/2程度に設定され、裏面側重ね合わせ部12の上に
表面側重ね合わせ部13を重ね合わせることができ、両
者を重ね合わせたとき、2つの屋根葺き材10,10は
略平坦となるように設定され、千鳥状(市松状)に葺く
ことができる。したがって、屋根葺き材10を水平方向
に連続して葺くときは、働き幅Lと枚数をかけることに
より、実質的な有効長となる。本体部11の上部は所定
幅の上部重なり部14となっており、この上部重なり部
14の上に上段の他の屋根葺き材が重ね合わされて葺か
れるものである。上部重なり部14に水平方向の溝(図
示せず)を形成してもよい。
【0014】裏面側重ね合わせ部12の表面には、排水
用の凹溝15が凹んだ状態で形成されている。この凹溝
15は上方に隆起部15aが形成された2本の溝が中間
部で合流して下方では1本の溝となっている。表面側重
ね合わせ部13の裏面には、別の屋根葺き材10の排水
用の凹溝15に嵌合する凸部16が形成されている。こ
の凸部も上方が溝部16aで2本に分けられ、中間部で
合流して下方は1本となっている。この構成により、重
なり部分の上方で奥まで浸入した雨水は本体部側の1本
の溝に排水されるため、屋根葺き材10を葺く下地に雨
水が浸入することを防止できる。なお、隆起部15a、
溝部16aは、共に断面が半円形であるが適宜の形状で
もよく、また隆起部、溝部は無くて1つの幅広の凹溝、
凸部でもよい。
【0015】この凸部16と凹溝15は、嵌合したとき
に水平方向にわずかに移動できるように、水平方向の調
整代を有している。例えば、凹溝15の水平方向の幅が
W1,W2とすると、凸部16の水平方向の幅はW1,
W2より小さいW3,W4に設定され、凹溝15に別の
屋根葺き材の凸部16が嵌合したときに(W1−W
3)、(W2−W4)の差分だけ水平方向に隙間が生
じ、この差分が調整代C1となる。例えば、W1は6m
m程度で、W3は5mm程度に設定され、W2とW4も
同程度の差に設定され、調整代C1は1〜1.5mm程
度となる。したがって、屋根葺き材10同士を並べて葺
くとき、水平方向の調整代C1により1〜1.5mm程
度の範囲を持って、水平方向に調整しながら葺くことが
できる。なお、図示していないが、凹溝15の下方の1
本の溝部と、凸部16の下方の1本の凸部部分も同様に
溝部の幅が大きく、同様の調整代を有している。
【0016】つぎに、第二の屋根葺き材20について、
図4,5を参照して説明する。図4(a)は屋根葺き材
20の正面図、図4(b)は(a)のB−B線に沿う要
部拡大断面図である。図4,5において、第二の屋根葺
き材20は、前記した第一の屋根葺き材10と同様、薄
板セメント基材で形成され、働き幅Lの2倍の働き幅2
Lを有し、垂直方向の高さがHで水平方向の有効長がL
である矩形状の本体部21を備え、側面形状は屋根葺き
材10と同じである。屋根葺き材20は屋根葺き材10
と同様に、本体部21の右方の側に薄肉の裏面側重ね合
わせ部22を突出形成し、本体部21の左方の側に薄肉
の表面側重ね合わせ部23を凹んだ状態で形成してい
る。本体部21の上部には、上部重なり部24が形成さ
れている。
【0017】長尺の屋根葺き材20の裏面側重ね合わせ
部22及び表面側重ね合わせ部23は、屋根葺き材10
の裏面側重ね合わせ部12及び表面側重ね合わせ部13
と、略同一形状をしており、両者を重ね合わせることが
できる。そして、裏面側重ね合わせ部22の表面には排
水用の凹溝25が形成され、表面側重ね合わせ部23に
は別の屋根葺き材の凹溝25に嵌合する凸部26が形成
されている。凹溝25には凸部26が嵌合できると共に
屋根葺き材10の凸部16が嵌合でき、また凹溝15に
は凸部16が嵌合できると共に屋根葺き材20の凸部2
6が嵌合でき、これにより、屋根葺き材10と屋根葺き
材20とを混在して、同一屋根面に葺くことができる。
すなわち、屋根葺き材10と屋根葺き材20は同一嵌合
構造を持っている。
【0018】屋根葺き材20の凹溝25の水平方向の幅
はW5,W6であり、屋根葺き材10の凹溝15の幅よ
り僅かに大きく、或いは同等に設定されている。凸部2
6の水平方向の幅はW7,W8に設定され、屋根葺き材
10の凸部16の幅より僅かに小さく、或いは同等に設
定されている。凹溝25の中間の隆起部25aは、凹溝
15の中間の隆起部15aの断面が半円状なのに対し、
断面形状が1/4円形状をしている。凸部26の中間の
溝部26aは、凸部16の溝部16aより幅広となって
いる。なお、隆起部25aは1/4円形状でなく、単に
幅を狭くしたものでもよい。
【0019】そして、凹溝25の幅と凸部26の幅との
差(W5−W7)、(W6−W8)が屋根葺き材20の
水平方向の調整代C2となる。例えば、W5は6mm程
度で、W7は4mm程度に設定され、この調整代C2は
2〜2.5mmに設定され、前記した屋根葺き材10の
調整代C1より大きくなっている。すなわち、凹溝と凸
部との水平方向の幅の差を、屋根葺き材の水平方向の働
き幅(有効長)に基づいて設定している。したがって、
屋根葺き材20同士を並べて葺くとき、水平方向の調整
代C2により2〜2.5mm程度の範囲を持って、水平
方向に調整しながら葺くことができる。
【0020】このように、屋根葺き材10の働き幅Lに
対して、調整代C1は約1mmであり、屋根葺き材20
の働き幅2Lに対して、調整代C2は約2mmであり、
働き幅と調整代の比は、1対2となっている。すなわ
ち、2L/L=C2/C1の関係となっている。なお、
働き幅と調整代との関係は、前記の関係に限られるもの
でなく、第一の働き幅をX1、第二の働き幅をX2、第
一の調整代をS1、第二の調整代をS2としたときに、
(S2)2=(S1)2×(X2/X1)、の関係となる
ように設定してもよい。この場合、働き幅の比(X1/
X2)を1/2とすると、調整代の比(S1/S2)は
1/1.4となる。
【0021】前記の如く構成された本実施形態の屋根葺
き構造の葺設動作について以下に説明する。屋根葺き材
10同士を葺くときは、図3に示すように屋根葺き材1
0の右端の裏面側重ね合わせ部12の上部に、他の屋根
葺き材10Aの左端の表面側重ね合わせ部13を重ね
る。このときの水平方向の調整代C1を、例えば1mm
とすると、固定された屋根葺き材10に対して、次の屋
根葺き材10Aは1mmの許容範囲で水平方向に移動し
ながら固定することができる。すなわち、図3(a)の
中間状態に対し、(b)のように接近させた状態と、
(c)のように離した状態の移動距離が1mmで、これ
が調整代C1となり、この範囲で屋根葺き材10Aを移
動することができる。
【0022】屋根葺き材20同士を葺くときは、図5に
示すように屋根葺き材20の右端の裏面側重ね合わせ部
22の上部に、他の屋根葺き材20Aの左端の表面側重
ね合わせ部23を重ねる。凹溝25に凸部26が嵌合
し、このときの水平方向の調整代C2は例えば(W5−
W7)で2mmとなり、屋根葺き材10同士の調整代C
1より大きくなる。このように、働き幅の大きい長尺の
屋根葺き材20は調整代が大きいため、水平方向に大き
く移動させて葺くことができ、長尺の屋根葺き材20の
大きい寸法誤差を吸収できる。
【0023】屋根葺き材10,20を混在させて葺くと
きは、図6に示すように、屋根葺き材10の右端の裏面
側重ね合わせ部12の上部に、屋根葺き材20の左端の
表面側重ね合わせ部23を重ねる。このときの水平方向
の調整代C3は、凹溝15の水平方向の幅W1,W2
と、凸部26の水平方向の幅W7,W8との差、例えば
(W1−W7)となり、(6−4)mmで2mm程度と
なり、屋根葺き材10同士の調整代C1より大きくな
る。
【0024】また、屋根葺き材20の上に屋根葺き材1
0を葺くときは、図7に示すように屋根葺き材20の右
端の裏面側重ね合わせ部22の上部に、他の屋根葺き材
10の左端の表面側重ね合わせ部13を重ねる。このと
きの水平方向の調整代C4は、凹溝25の水平方向の幅
W5,W6と、凸部16の水平方向の幅W3,W4との
差の小さい方である、例えば(W6−W4)となり、例
えば(6−5)mmで1mm程度となり、屋根葺き材1
0同士の調整代C1と同等になる。
【0025】このように、働き幅である水平方向の有効
長の異なる屋根葺き材10,20を混在して同一屋根面
に葺くとき、働き幅の大きい屋根葺き材20は寸法誤差
が大きくなるが、例えば凹溝25の水平方向の幅W5と
凸部26の水平方向の幅W7との差である調整代C2が
大きく設定されているため水平方向に大きく移動でき、
屋根葺き材10,20の縦ラインを揃えることが容易に
行え、葺き上がった屋根面は縦のラインがきれいに揃っ
て、屋根全体の美観が向上する。また、千鳥状に葺いた
場合は、例えば1,3,5…の奇数段と、2,4,6…
の偶数段との縦ラインが揃って整然と配列され、屋根全
体の美観が向上する。さらに、働き幅の大きい屋根葺き
材20は調整代C2が大きいため容易に施工することが
でき、調整するときに屋根葺き材の端部等が欠損するこ
とを防止できる。
【0026】本発明の他の実施形態を図8に基づき詳細
に説明する。図8は本発明に係る屋根葺き構造の他の実
施形態を示す分解した概略斜視図である。なお、この実
施形態は前記した実施形態に対し、裏面側重ね合わせ部
は本体部と同じ厚さに形成され、表面側重ね合わせ部は
本体部から上方に浮き上がっていると共に、凹溝及び凸
部は、それぞれ1本であることを特徴とする。そして、
他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0027】図8に示す屋根葺き構造は、働き幅がLの
屋根葺き材30と、働き幅が2Lの屋根葺き材40とを
混在して葺いている。屋根葺き材30は右方に裏面側重
ね合わせ部31が、左方に表面側重ね合わせ部32が形
成され、裏面側重ね合わせ部の表面に凹溝33が、表面
側重ね合わせ部の裏面に凸部34が形成されている。こ
の凹溝と凸部の水平方向の幅は、前記の実施形態と同様
に設定され、水平方向の調整代はC1となっている。ま
た、水平方向に長い屋根葺き材40も、右方に裏面側重
ね合わせ部41が、左方に表面側重ね合わせ部42が形
成され、裏面側重ね合わせ部の表面に凹溝43が、表面
側重ね合わせ部の裏面に凸部44が形成され、水平方向
の調整代はC2と大きくなっている。
【0028】この例では、屋根葺き材30及び屋根葺き
材40は、表面側重ね合わせ部の凸部34,44が同一
形状であり、裏面側重ね合わせ部の凹溝の幅が変化して
いる。すなわち、短尺の屋根葺き材30の裏面側重ね合
わせ部に形成された凹溝33の幅d1より、長尺の屋根
葺き材40の裏面側重ね合わせ部に形成された凹溝43
の幅d2が大きくなっており、これにより長尺の屋根葺
き材40の水平方向の調整代C2が大きくなるように構
成されている。そして、凹溝43に凸部34,44が嵌
合したときの水平方向の調整代C2は、屋根葺き材30
の調整代C1よりも大きく設定されている。
【0029】この実施形態においても、働き幅の大きい
屋根葺き材40は水平方向の調整代C2が働き幅の小さ
い屋根葺き材30の調整代C1より大きく設定されてお
り、屋根下地に固定するとき水平方向に大きく移動する
ことができるため、施工作業が容易となり、屋根葺き材
の欠損等を防止できる。また、長尺の屋根葺き材の調整
代が大きいため寸法誤差を吸収でき、屋根葺き材の縦ラ
インを揃えることができ、屋根の美観を向上させること
ができる。
【0030】なお、本発明は、屋根葺き材として太陽電
池パネルを固定した屋根葺き材にも適用できるものであ
り、通常の所定長を有する屋根瓦と、この屋根瓦の2倍
の有効長を有する太陽電池付き屋根葺き材とを混在して
葺くとき等、好適に使用することができる。また、所定
の働き幅に対して、2倍の働き幅を有する屋根葺き材の
例を示したが、整数倍や1.5倍等の適宜の倍率として
もよいのは勿論である。
【0031】前記した実施形態では、屋根葺き材は薄板
セメント基材で形成した例を示したが、金属板材をプレ
ス成形したものや、金属板材と発泡樹脂等から形成され
るバックアップ材とから構成するものでもよく、粘土を
焼き固めた屋根葺き材から構成してもよい。凹溝は上半
部が2本で下半部が1本に合流する例を示したが、垂直
方向の1本又は複数本の凹溝としてもよい。この場合の
凹溝に嵌合する突部は、同様に垂直方向の1本又は複数
本となる。
【0032】また、調整代として、凹溝と凸部の幅の両
方が変化する例と、凸部の幅は一定で凹溝の幅が異なる
例を示したが、凹溝の幅を一定として凸部の幅が異なる
ようにしても水平方向の調整代を変化させることができ
る。さらに、凹溝と凸部は逆に形成してもよく、裏面側
重ね合わせ部の表面に凸部を形成し、表面側重ね合わせ
部の裏面に凹溝を形成するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発
明の屋根葺き材、これを使用する屋根葺き構造、及び屋
根葺き材を葺いた屋根は、働き幅の異なる2種類の屋根
葺き材を混在して同一屋根面に葺いても、水平方向の有
効長の大きい屋根葺き材は水平方向調整代が大きいた
め、施工が容易となる。また、混在して整列状態に葺く
とき、隣接する屋根葺き材の間の縦ラインが整然と並ん
で見え、千鳥状に葺くときは縦ラインが交互に揃って葺
くことができるため、美観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屋根葺き構造を用いた屋根を示
し、(a)は整列配列した状態の概略斜視図、(b)は
千鳥状配列した状態の概略斜視図。
【図2】(a)は図1に使用する屋根葺き材の一実施形
態の正面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は
(a)のA−A線に沿う要部拡大要部断面図。
【図3】図2の屋根葺き材同士を重ね合わせた状態を示
し、(a)は中間状態、(b)は接近した状態、(c)
は離した状態を示す要部断面図。
【図4】(a)は図1に使用する長尺の屋根葺き材の一
実施形態の正面図、(b)は(a)のB−B線に沿う要
部拡大要部断面図。
【図5】図4の屋根葺き材同士を重ね合わせた状態を示
し、(a)は中間状態、(b)は接近した状態、(c)
は離した状態を示す要部断面図。
【図6】図2の屋根葺き材に図4の長尺の屋根葺き材を
重ね合わせた状態を示し、(a)は接近状態、(b)は
離した状態の要部断面図。
【図7】図4の長尺の屋根葺き材に図2の屋根葺き材を
重ね合わせた状態を示し、(a)は接近状態、(b)は
離した状態の要部断面図。
【図8】本発明に係る屋根葺き構造の他の実施形態を示
す分解した概略斜視図。
【符号の説明】
1 屋根、 10,30 屋根葺き材(第一の屋根葺き材)、 20,40 屋根葺き材(第二の屋根葺き材)、 12,22,31,41 裏面側重ね合わせ部、 13,23,32,42 表面側重ね合わせ部、 15,25,33,43 凹溝、 16,26,34,44 凸部、 L 第一の働き幅(有効長)、 2L 第二の働き幅(有効長)、 W1,W2,W5,W6 凹溝の水平方向の幅、 W3,W4,W7,W8 凸部の水平方向の幅、 C1 第一の調整代、 C2 第二の調整代

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向の一方の側に裏面側重ね合わせ
    部と、他方の側に表面側重ね合わせ部とを形成し、前記
    裏面側重ね合わせ部の表面と前記表面側重ね合わせ部の
    裏面とのいずれか一方に凹溝を形成し、他方に凸部を形
    成した屋根葺き材であって、 前記凹溝と凸部との水平方向の幅の差を、前記屋根葺き
    材の水平方向の有効長に基づいて設定することを特徴と
    する屋根葺き材。
  2. 【請求項2】 前記凹溝と凸部との水平方向の幅の差
    は、水平方向の有効長の小さい屋根葺き材では小さく設
    定することを特徴とする請求項1記載の屋根葺き材。
  3. 【請求項3】 前記屋根葺き材は、所定厚を有する本体
    部を備え、前記裏面側重ね合わせ部は、前記本体部の表
    面からの段差面で薄肉に突出形成され、前記表面側重ね
    合わせ部は、前記本体部の裏面からの段差面で陥没して
    形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の屋
    根葺き材。
  4. 【請求項4】 一方の側に裏面側重ね合わせ部を形成
    し、他方の側に表面側重ね合わせ部を形成した屋根葺き
    材の前記裏面側重ね合わせ部に、他の屋根葺き材の表面
    側重ね合わせ部とを重ねて葺く屋根葺き構造であって、 前記屋根葺き材は、前記裏面側重ね合わせ部の表面と前
    記表面側重ね合わせ部の裏面とのいずれか一方に凹溝を
    形成し、他方に前記凹溝に嵌合する凸部を形成し、前記
    凸部の水平方向の幅は、前記凹溝の水平方向の幅より小
    さく形成し、前記凸部は前記凹溝内を前記2つの水平方
    向の幅の差に相当する調整代を持って水平方向に移動可
    能であり、 前記屋根葺き材は、第一の水平方向の有効長と、第一の
    水平方向の調整代を有し、前記他の屋根葺き材は、前記
    第一の水平方向の有効長より長い第二の水平方向の有効
    長を有すると共に、前記第一の水平方向の調整代より長
    い第二の水平方向の調整代を有することを特徴とする屋
    根葺き構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の屋
    根葺き材を使用し、前記裏面側重ね合わせ部の上方に他
    の屋根葺き材の表面側重ね合わせ部を重ね、前記所定の
    有効長の屋根葺き材と前記有効長より大きい有効長の屋
    根葺き材を、同一屋根面に混在して葺いたことを特徴と
    する屋根。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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