JPH0735952Y2 - 屋根葺構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、家屋等建築物の屋根を平板瓦を用いて葺く
場合の屋根葺構造に関し、詳しくは、屋根パネルを使用
して葺く屋根葺構造の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来、プレハブ工法として、予め単位大きさとされた野
地板上にルーフィングシート及び屋根瓦を葺上げてお
き、この単位大きさとされた屋根パネルを屋根上に配置
固定することで一気に屋根を仕上げる工法が採られるこ
とがある（例えば実公昭25−1041号公報）。

このような工法により屋根を葺上げる際、屋根パネルの
連設部に発生する隙間部分を覆う必要上、屋根パネルの
突合わせ両側面に、野地板上に葺かれる屋根瓦を交互に
凹凸状に延出させておき、屋根瓦の凹となる部分に差込
板を差込配置し防水性を確保しつつ接続すること（上掲
の実公昭25−1041号公報）や、図７に見られるように屋
根パネルの突合わせ両側面の屋根板Ａを屋根野地板Ｂの
縁に切り揃え、屋根板Ａと屋根野地板Ｂとの間に水切基
板Ｃを介在させ、これらを突き合わせて両屋根板Ａ、Ａ
間から上方に突出する基板Ｃに対し水切り役物Ｄを嵌着
しかして両屋根板Ａ、Ａを基板Ｃと水切り役物Ｄで挟み
つけると共に、隙間Ｅのシールを施すようにしていた。

〔従来技術の問題点〕

しかしながら、上記方法による場合、前者の屋根材延出
の屋根パネルによる場合、屋根パネルを接続配置した
時、野地板の突き合わせ縁はこれを覆うように延出させ
て予め葺かれた屋根板で覆われているので野地板間の隙
間を防水シートなどの防水層で覆うことが出来ず、また
差込板は延出した屋根板の下面に差込まれるので釘打ち
ができず固定が不確実となり、また無理に釘止め使用と
すると差込板の露出部に釘を打つこととなるので防水上
不都合となる問題があった。

一方、後者の水切り役物Ｄを使用する手段の場合、水切
り役物Ｄは金属またはアルミ軽合金製で、屋根瓦Ａとは
異種材料であるため葺上げ後の屋根瓦上に露呈して屋根
面の屋根瓦Ａによる連続的な外観体裁が損なわれ、また
水切り役物Ｄと基板Ｃとの接続不完全により漏水が発生
し易い欠点があった。

さらに、水切り役物Ｄと基板Ｃとを一体の成形品とした
場合でも、隙間長手方向の隣接する水切り用成形品同士
の接続が困難なため、該接続部で漏水が生じる問題があ
った。

〔考案が解決しようとする課題〕

この考案は上記問題点に鑑み、屋根板の連続的な外観体
裁を保つことができると共に、屋根野地板隙間部分の防
水性を好適に保つことができる屋根葺構造の提供を目的
とする。

〔課題を解決するに至った技術〕

即ち、この考案の屋根葺構造は、下縁輪郭形状として同
一形状の凹凸縁を１単位として横幅方向に２以上繰り返
し設けた形状をなす屋根板の屋根葺き構造において、屋
根野地板間の屋根傾斜方向に位置する目地状隙間が防水
テープで封止され、この防水テープ上に、前記屋根板と
同材質で、かつ前記屋根板の複数分の１の横幅で下縁輪
郭に前記凹凸縁と同一の凹凸縁を１単位以上の整数単位
有する第１のジョイント板と、この第１のジョイント板
の２倍の横幅で下縁輪郭に同様に２単位以上の整数単位
の凹凸縁を有する第２のジョイント板とが屋根板葺き上
げ方向に幅方向中心線を整列させて交互に重ねて配置さ
れ、これらジョイント板を基準としてその両側に各段列
の前記屋根板が葺かれたことを特徴とするものである。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面を用いて説明する。

図１はこの実施例の屋根葺構造の平面図、図２は図１の
断面図、図３および図４はこの実施例に用いるジョイン
ト板１、２の平面図である。

この考案の屋根葺構造は、図５又は図６に示すように下
縁輪郭形状として同一形状の凹凸縁を１単位として横幅
方向に２単位以上繰り返し設けた形状をなす屋根板３、
７（図５は３単位、図６は２単位の場合を示す。）を用
いて上下の段列の屋根板３、７を上下に一部ずつ重ね合
わせて屋根を葺き上げるにあたり、この屋根板３と同材
質で、かつ屋根板３の３分の１の横幅で下縁輪郭に前記
凹凸縁と同一の凹凸縁を１単位有する第１のジョイント
板１（図３）と、この第１のジョイント板１の２倍の横
幅（従って屋根板３の2/3の横幅）を有する第２のジョ
イント板２とが、防水テープ６で封止した屋根野地板
４、４の目地部の隙間５の上に、第１のジョイント板１
と第２のジョイント板２とが屋根板葺き上げ方向に幅方
向中心線を整列させて交互に重ねて配置され、これらジ
ョイント板1,2を基準としてその両側に各段列の屋根板
３が葺かれた状態に構成されている。

また、屋根板７が図６のような形状の場合は、その1/2
の横幅の第１のジョイント板８と、この第１のジョイン
ト板８の２倍の横幅の第２ジョイント板９（つまり屋根
板７自体）を用いて同様に屋根野地板４、４の目地部隙
間５の防水テープ６上に葺き重ねられる。

尚、図３の第１のジョイント板１を屋根板３の1/3の横
幅にしたのは、この屋根板３の下縁の輪郭形状が方形状
の凹凸輪郭を単位形状として３個並べた如き形状と横幅
を有するからであり、同様に図６の第１ジョイント板８
を屋根板７の1/2横幅にしたのは、この屋根板７の下縁
の輪郭形状が三角形状の凹凸輪郭を単位形状として２個
並べた如き形状と横幅を有するからであって、屋根板の
下縁輪郭を形成する凹凸縁の繰り返し単位数によって第
１のジョイント板の横幅は変化する。

〔作用〕

上記の構造によれば、屋根野地板の目地部の隙間対策と
して従来のような金属またはアルミニウムのような水切
り役物を用いずとも、防水テープ６と、その上に葺き重
ねられた、屋根板３、７と同様のジョイント板１、２、
８、９により防水処理が施される。

また、ジョイント板１、２、８、９を葺く場合、目地部
の隙間において下段のジョイント板１を両野地板にかけ
配置後釘固定し、その釘部分を覆って上段のジョイント
板２を重ね、再び両野地板にかけ配置後釘固定していく
ため、ジョイント板は両野地板にかけて固定され止着強
度の向上が図られる。また釘穴上のジョイント板の重な
り量も充分とれ、防水性も良好となる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案の屋根葺構造では、屋根
外面に異種部材の露呈がなく、屋根葺材の連続性が保た
れる結果、外観体裁が向上する。

また、屋根野地板の目地状隙間が防水テープおよびジョ
イント板により覆われることにより防水性が好適に保た
れ、さらにジョイント板は夫々両野地板に釘固定される
ので止着強度に優れるなど種々の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例にかかる屋根葺構造の平面
図、第２図はこの考案の実施例にかかる屋根葺構造の断
面図、第３図はこの考案のジョイント板の平面図、第４
図はこの考案のジョイント板の平面図、第５図はこの考
案の屋根板の平面図、第６図はこの考案の変形例を示す
屋根葺構造の平面図、第７図は従来構造の断面図であ
る。 １…第１のジョイント板、２…第２のジョイント板、３
…屋根板、４…屋根野地板、５…隙間、６…防水テー
プ、７…他の実施例における屋根板、８…同第１のジョ
イント板、９…同第２のジョイント板、。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下縁輪郭形状として同一形状の凹凸縁を１
   単位として横幅方向に２以上繰り返し設けた形状をなす
   屋根板の屋根葺き構造において、屋根野地板間の屋根傾
   斜方向に位置する目地状隙間が防水テープで封止され、
   この防水テープ上に、前記屋根板と同材質で、かつ前記
   屋根板の複数分の１の横幅で下縁輪郭に前記凹凸縁と同
   一の凹凸縁を１単位以上の整数単位有する第１のジョイ
   ント板と、この第１のジョイント板の２倍の横幅で下縁
   輪郭に同様に２単位以上の整数単位の凹凸縁を有する第
   ２のジョイント板とが屋根板葺き上げ方向に幅方向中心
   線を整列させて交互に重ねて配置され、これらジョイン
   ト板を基準としてその両側に各段列の前記屋根板が葺か
   れたことを特徴とする屋根葺構造。