JP2003293506A - 鉄筋コンクリート床構造体 - Google Patents

鉄筋コンクリート床構造体

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JP2003293506A
JP2003293506A JP2002093888A JP2002093888A JP2003293506A JP 2003293506 A JP2003293506 A JP 2003293506A JP 2002093888 A JP2002093888 A JP 2002093888A JP 2002093888 A JP2002093888 A JP 2002093888A JP 2003293506 A JP2003293506 A JP 2003293506A
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reinforced concrete
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concrete floor
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Hisayoshi Ishibashi
久義 石橋
Keiji Sakao
恵司 坂尾
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対向する柱間連結梁を連結する複数の梁間連
結梁を備える鉄筋コンクリート床構造体においては、複
数のプレキャスト小梁を1つ1つ設置したり、小梁を現
場打ちする作業が必要となり、作業が煩雑であった。 【解決手段】 矩形状の枠を構成する枠構成梁(3)
と、対向する枠構成梁間を連結する複数の連結梁(4)
とで構成される鉄筋コンクリート床構造体において、一
体とした上記複数の連結梁(プレキャスト格子梁5)を
枠構成梁に結合して成るものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
床構造体、例えば、クリーンルームに採用される鉄筋コ
ンクリート床構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体工場のクリーンルームの床
は、図14に示すように、ユーティリティエリアの床S
に一定の間隔で立設される各鉄骨柱100の上端側を鉄
骨大梁101で連結して矩形状の枠を形成していって、
この矩形状の枠において対向する鉄骨大梁101同士を
鉄骨小梁102で連結して成る鉄骨床構造体103の上
に、例えば60cm間隔で複数の鉄骨根太104を平行
に並設し、この鉄骨根太104の上に60cm角のグレ
ーチング床パネル105(有孔床パネル)を設置して構
成していた。即ち、4本の鉄骨柱100の上端側を連結
して矩形状の枠を形成する鉄骨大梁101(柱間連結
梁)と、対向する鉄骨大梁101を連結する複数の鉄骨
小梁102(梁間連結梁)とで構成される鉄骨床構造体
103が水平方向に複数連設されてクリーンルームのプ
ロセスエリアの鉄骨床構造が構築される。クリーンルー
ムにおいてはグレーチング床パネル105の上に各種半
導体製造関連装置が設置され、グレーチング床パネル1
05の有孔を介してグレーチング床パネル105の上の
空間であるプロセスエリアとグレーチング床パネル10
5の下の空間であるユーティリティエリア間を空気が循
環する。半導体生産工程の中には、写真製版技術を基本
とする微細加工技術を利用した露光装置で線幅0.数ミ
クロンの回路をウエハーに焼き付ける工程があるが、こ
の工程において振動が生じると回路線がぼやけたり、線
同士が接触したりして、製品に不具合が生じてしまう。
よって、露光装置を載せる床は振動を生じにくい剛性の
高い床にする必要がある。このため、上記鉄骨床構造の
場合においては、周りの鉄骨床構造体103から縁を切
り、強固な基礎から立ち上げた独立した鉄骨架台上に上
記露光装置を設置することが多かった。しかし最近にな
って、半導体製品の多様化及び高度化により生産ライン
の変更が比較的多く生じることが予想され始めたこと、
また、高度化した半導体生産においてはこれまで以上に
振動の影響を受けることから、上述のような鉄骨床構造
では対応できなくなってきた。
【0003】そこで、上述のような半導体製品の多様化
及び高度化に対応できるようにするため、最近では、ク
リーンルームのプロセスエリアの床全体を上述のような
鉄骨床構造に比べて高い剛性を確保できる鉄筋コンクリ
ート構造で構築する例が見られるようになってきた。こ
の鉄筋コンクリート構造の床は、図15に示すように、
一定の間隔で立設される各鉄筋コンクリート柱20の上
端側を鉄筋コンクリート製の大梁(柱間連結梁)30で
連結して矩形状の枠を形成していって、この矩形状の枠
において対向する大梁30を鉄筋コンクリート製の小梁
40(梁間連結梁)で連結して成る鉄筋コンクリート床
構造体10を構成していき、この鉄筋コンクリート床構
造体10が水平方向に複数連設されてクリーンルームの
鉄筋コンクリート床構造10Aが構築された後に、この
鉄筋コンクリート床構造10Aの上に、上記と同じよう
に例えば60cm間隔で複数の鉄骨根太104を平行に
並設し、この鉄骨根太104の上に60cm角のグレー
チング床パネル(有孔床パネル)105を設置して構成
される。即ち、4本の鉄筋コンクリート柱20の上端側
を連結して上から見て矩形状の枠を形成する鉄筋コンク
リート製の大梁30(柱間連結梁)と、対向する大梁3
0を連結する複数の鉄筋コンクリート製の小梁40(梁
間連結梁)とで構成される鉄筋コンクリート床構造体1
0が水平方向に複数連設されてクリーンルームのプロセ
スエリアの鉄筋コンクリート床構造10Aが構築され
る。上記鉄筋コンクリート床構造体10は、クリーンル
ーム内の空気を循環させるためにできるだけ多くの開口
が設けれるように、大梁30と、小梁40が格子状に配
設された格子梁40Aとで構成されるものであって、一
般には、ワッフルスラブと呼ばれる。尚、格子梁40A
は、例えば、一方向(図15のX方向)に配設されるプ
レキャスト小梁41と、このプレキャスト小梁41と直
交方向(図15のY方向)に配設される現場でのコンク
リートの打設により作製される(現場打ち)小梁42と
から構成され、この小梁42は、予め一体成形されて大
梁30間に取付けられる各プレキャスト小梁41間及び
プレキャスト小梁41と大梁30との間に、型枠を用い
て現場でコンクリートを打設することにより施工され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の場合、
鉄筋コンクリート床構造体10の格子梁40Aを構成す
る複数のプレキャスト小梁41を1つ1つ大梁30間に
設置しなければならず、作業が煩雑となる。また、小梁
42は、各プレキャスト小梁41間及びプレキャスト小
梁41と大梁30との間に、型枠を用いて現場でコンク
リートを打設して製作しなければならず、型枠設置作
業、配筋作業、足場設置が必要になり、作業が煩雑にな
るという課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、矩形状の枠を
構成する枠構成梁と、対向する枠構成梁間を連結する複
数の連結梁とで構成される鉄筋コンクリート床構造体に
おいて、一体とした上記複数の連結梁を枠構成梁に結合
して成るものとした。また、一体の複数の連結梁の上側
あるいは下側に、別体に形成した梁材を結合するように
した。また、一体の複数の連結梁は、枠において対向す
る一方の一対の枠構成梁間を連結する複数の連結梁と、
枠において対向する他方の一対の枠構成梁間を連結する
複数の連結梁とが直交状態に組み合わされた格子梁より
成るものとした。また、複数の連結梁同士の間隔を、矩
形状のグレーチング床パネルの一辺の長さに対応させ
た。また、上記連結梁の端部に形成された切り欠き凹部
と、枠構成梁の側面に設けられて上記連結梁の切り欠き
凹部に対応する突出部とから成る結合部を備えた。ま
た、上記突出部の上面より突出する如く設けられた連結
棒と、上記連結梁の端部における上部に上下に連通する
如く設けられ上記連結棒が挿入される上下連通孔部と、
上記連結棒が上下連通孔部に挿入された状態で上下連通
孔部内に充填される固着手段とから成る結合手段を備え
た。
【0006】
【発明の実施の形態】実施の形態1 図1は実施の形態1による鉄筋コンクリート床構造体を
示す斜視図、図2は図1の平面図、図3は複数の小梁が
一体成形されて成るプレキャスト格子梁を示す斜視図で
ある。実施の形態1による鉄筋コンクリート床構造体1
は、4本の鉄筋コンクリート製の柱2の上端側を連結し
て矩形状の枠2aを形成する枠構成梁としての鉄筋コン
クリート製の大梁(柱間連結梁)3と、対向する大梁3
間を連結する複数の連結梁としての鉄筋コンクリート製
の小梁(梁間連結梁)4が予め一体成形されたプレキャ
スト格子梁5とで構成され、この鉄筋コンクリート床構
造体1が図13と同じように水平方向に複数連設されて
鉄筋コンクリート床構造が構築されるものである。クリ
ーンルームにおいては、クリーンルームのユーティリテ
ィエリアの床上に縦横に一定の間隔で複数の柱2を立設
し、隣合う4本の柱2の上端側を大梁3で連結していっ
て、上から見た場合に、柱2の上端側及び大梁3で形成
される矩形状の枠2aの開口が複数並んだ状態になるよ
うにし、各開口に上記プレキャスト格子梁5を設置接続
していってクリーンルームのプロセスエリアにおける鉄
筋コンクリート床構造が構築される。
【0007】プレキャスト格子梁5は、対向する一方の
一対の大梁3,3(以下「第1大梁3A」と言う)間を
連結する複数の小梁4(以下「第1小梁4A」と言う)
と、対向する他方の一対の大梁3,3(以下「第2大梁
3B」と言う)間を連結する複数の小梁4(以下「第2
小梁4B」と言う)とで構成される。即ち、第1小梁4
Aは図1のX方向に延長するものであり、第2小梁4B
は図1のY方向に延長するものである。尚、柱2の立設
間隔が例えば6mとすれば、プレキャスト格子梁5は縦
横6m程度の大きな寸法になるので、このような大きな
プレキャスト格子梁5を工場から現場に運搬することは
容易ではない。従って、現場で製作することが好まし
い。
【0008】複数の第1小梁4Aは、第2大梁3B,3
B間の中央側に位置されている。例えば、3本の第1小
梁4A,4A1,4Aが第2大梁3B,3B間の中央側
に位置されている。これら各第1小梁4A,4A1,4
A間の間隔aは、第2大梁3Bとこの第2大梁3Bに一
番近くに位置する第1小梁4Aとの間の間隔bよりも小
さくなっている。即ち、これにより、後述するように、
プレキャスト格子梁5の最も剛性の低い中央Cの剛性を
高くできる。
【0009】また、3本の第1小梁4A,4A1,4A
のうちの真ん中の第1小梁4A1は、第2大梁3B,3
B間の中央に位置されている。これにより、プレキャス
ト格子梁5の最も剛性の低い中央部分の剛性をさらに高
くできる。
【0010】また、第2大梁3B,3Bを連結する複数
の第2小梁4B同士の配置間隔cは、矩形状のグレーチ
ング床パネル105の一辺の長さ(例えば60cm)に
対応する長さに設定されており、これにより、第2小梁
4B上にグレーチング床パネル105を直接設置するこ
とができるので、従来のように、別途、鉄骨根太104
を設ける必要がなく、鉄骨根太104を所定間隔(例え
ば60cm間隔)でレベル等の精度を確保しながら鉄筋
コンクリート床構造の上に設置していく必要がなくな
り、プロセスエリアの床施工作業の大幅な簡略化が図れ
る。
【0011】尚、プレキャスト格子梁5は、図3に示す
ように、複数の第2小梁4Bの端部同士を連結する端部
連結小梁4Cを備えたものでもよい。この場合、各第1
小梁4A,4A1,4A間の間隔aは、端部連結小梁4
Cとこの端部連結小梁4Cに一番近くに位置する第1小
梁4Aとの間の間隔b1よりも小さくなっている。
【0012】次に、大梁3とプレキャスト格子梁5の結
合方法を図3,4に基づいて説明する。プレキャスト格
子梁5の各小梁4の端部4eの下部側は切り欠かれた凹
部4aとなっている。そして、各大梁3の内側面には、
上記各小梁4の切り欠き凹部4aに対応するように突出
する突出部3aが設けられている。この突出部3aには
上面3bより上方に突出するように鉄筋3cが植設され
ており、この突出部3aに対応する各小梁4の端部4e
の上部側には上下連通孔4bが形成され、この上下連通
孔4b内にはスリーブ継ぎ手4cが挿入されている。従
って、内部面に凹凸を有するスリーブ継ぎ手4c内に鉄
筋3cを挿入嵌合し、突出部3aの上面3bに上記各小
梁4の端部4eの上部側の下面4dを載置させた状態
で、上下連通孔4bの上方から上下連通孔4b内にモル
タルを充填して一体化することにより、プレキャスト格
子梁5を大梁3に結合する。即ち、上記切り欠き凹部4
a,突出部3a,上下連通孔4bとスリーブ継ぎ手4c
とからなる上下連通孔部,連結棒としての鉄筋3c,充
填モルタルによる結合手段で結合されている。また、切
り欠き凹部4aと突出部3aとをボルト等の結合手段で
結合してもよい。尚、図3の場合、端部連結小梁4C自
体が、各第2小梁4Bにおける端部4eの上部側として
機能する。従来は、小梁の端部より梁主筋を突出させ、
大梁を挟んだ小梁同士の梁主筋を大梁の上方で連結し、
大梁の上方にコンクリートを打設するようにして小梁と
大梁とを結合したり、あるいは、大梁の上部に切り欠き
凹部を設け、この切り欠き凹部に小梁の端部を嵌め込む
ようにして小梁と大梁とを結合していた。これによれ
ば、小梁同士の梁主筋の接続作業が煩雑であったり、セ
メント材料の使用量が多くなったり、大梁の剛性が低下
する虞があった。これに対して、本実施の形態の結合構
造によれば、鉄筋3cをスリーブ継ぎ手4c内に挿入す
るだけで簡単にかつ確実に接続作業が行え、また、上下
連通孔4b内にモルタルを充填するだけなのでセメント
材料の使用量を少なくでき、また、大梁3に切り欠きを
設けないので、大梁3の剛性を低下させることもない。
【0013】次に、柱2と大梁3との結合方法を図5に
基づいて説明する。柱主筋12を柱の上端2tより突出
させ、これら柱主筋12の周囲にフープ筋13を設け
る。大梁3においては、大梁3の端面14の上部側から
のみ梁主筋15を突出させ、梁主筋15の先端15t側
は下方に折曲しておく。折曲した先端15t側を柱2の
上端2t上に位置するようにして柱2の上端2t上に大
梁3の端部を設置し、大梁3間との境目付近と、柱2の
上端2tの大梁3が設置されていない側に型枠を設置し
て囲まれた空間を形成し、その空間内にコンクリートを
打設して大梁3と柱2とをピン接合として接合すること
ができる。従来、例えば複数階の鉄筋コンクリート造の
建物では、耐震性の確保から、大梁の端面における上部
側及び下部側の両方から梁主筋を突出させてこれらを柱
主筋やフープ筋とともに接合部内で定着するようにコン
クリートを打設することにより、剛接合としていた。し
かし、実施の形態1のコンクリート床構造体による床構
造によれば、通常、一層であること、柱2の数が多いこ
と、柱2及び大梁3の断面が大きいこと等から、コンク
リート床構造の耐震性は柱2のみで確保されていると考
えられる。そこで、実施の形態1のコンクリート床構造
体による床構造としては、大梁3及び小梁4の自重及び
半導体製造装置等の積載荷重を支えれば良いと考えられ
ることに着目し、柱2と大梁3との接合、及び大梁3同
士の接合を簡略化し、大梁3の端面14における下部側
からは梁主筋15を突出させない構成としたので、大梁
3の製作作業、大梁3と柱2の接合作業を簡略化でき
る。
【0014】以下、本実施の形態1で得られる剛性につ
いての効果を詳細に説明する。図6は、図8と図9に示
す鉄筋コンクリート床構造体1の中央部に位置する小梁
部分(梁間連結梁部分)の剛性を構造計算した結果を比
較した図である。尚、ここでは、上記第1大梁3Aの代
わりに第1小梁4Aと同じ小梁4Xを設けた構造で計算
している。図8は図12と同様に第1小梁同士の配置間
隔を均等にした構造のモデル図(第1小梁4A同士の間
隔は1.2m)、図9は第1小梁同士の配置間隔を実施
の形態1とほぼ同様にした構造のモデル図である(第1
小梁4A,4A1,4A同士の間隔は1.0m)。実験
は、鉄筋コンクリート床構造体1の中央Cにおける小梁
部分に上方から1kgfの力Fを加えて振動(周波数)
を与えた場合を想定し、その時の動的剛性を求めたもの
である。図6の点線aは図8の構造における周波数−動
的剛性の値を示し、実線bは図9の構造における周波数
−動的剛性の値を示す。図6から判るように、常用され
る周波数30Hz近辺までの剛性は、図9の構造の方が
大きい。
【0015】図7は、図8と図10の構造において上記
と同様の構造計算をした結果を示す図である。図10は
4本の第1小梁を設けるが、第1大梁3A,3Aの代わ
りの小梁4X,4X間の中央側に近くなるほど第1小梁
同士の配置間隔を小さくした(中央側2本の第1小梁4
A1同士の間隔は0.6m、中央側の第1小梁4A1と
第1小梁4A2との間隔は1.2m、第1小梁4A2と
第2大梁3Bとの間隔は1.5m)構造である。図7の
点線aは図8の構造における周波数−動的剛性の値を示
し、実線bは図10の構造における周波数−動的剛性の
値を示す。図7から判るように、この場合も、常用され
る周波数30Hz近辺までの剛性は、図10の構造の方
が大きい。
【0016】上記図6,7によれば、対向する一方の一
対の柱連結梁(第1大梁3A,3Aの代わりの小梁4
X,4X)を連結する複数の梁間連結梁(第1小梁)
を、対向する他方の一対の柱連結梁間(第2大梁3B,
3B間)の中央側に位置するように設置すれば、鉄筋コ
ンクリート床構造体1の中央Cにおける梁間連結梁部分
の剛性が上がることが判る。よって、例えば、対向する
他方の一対の柱連結梁間の中央側に2本の第1小梁を位
置するように設置してもよい。この場合でも、対向する
他方の一対の柱連結梁間を4等分するように2本の第1
小梁を配置する構造に比べて、鉄筋コンクリート床構造
体1の中央Cにおける梁間連結梁部分(小梁部分)の剛
性が上がる。また、後に鉄骨根太104を設置する場合
は、対向する(一方あるいは他方の)一対の柱連結梁間
の中央側にのみ2本の小梁を設置するだけで良い(例え
ば、図14のような小梁構成とし、この場合に、鉄筋コ
ンクリート製の大梁間の中央側に位置するように鉄筋コ
ンクリート製の2本の小梁を設置するようにする。即
ち、図9で説明すれば、第2小梁4Bが無く第2大梁3
B,3B間の中央側に2本の第1小梁4Aが設置された
構造)。この場合、この2本の小梁が一体となったプレ
キャスト小梁群を結合するだけでもよい。
【0017】また、上記図6によれば、上記一方の一対
の柱連結梁を連結する複数の梁間連結梁(第1小梁4
A)のうちの1つを、上記他方の一対の柱連結梁間の中
央に位置するように設置した(図9の第1小梁4A1参
照)ことによっても、鉄筋コンクリート床構造体1の中
央Cにおける梁間連結梁部分(小梁部分)の剛性が上が
ると考えられる。
【0018】また、上記図7によれば、対向する一方の
一対の柱連結梁を連結する複数の梁間連結梁は、対向す
る他方の一対の柱連結梁間の中央側に位置するに従って
梁間連結梁同士の配置間隔を小さくする(第1小梁4A
1と4A1との間<第1小梁4A2と4A1との間とい
うような関係にする)ことによって、鉄筋コンクリート
床構造体1の中央Cにおける梁間連結梁部分(小梁部
分)の剛性が上がることが判る。この場合も、後に鉄骨
根太104を設置する場合は、例えば図10において第
2小梁4Bが無い構造でもよい。
【0019】尚、上記では、第1大梁3Aの代わりに第
1小梁4Aと同じ小梁4Xを設けた構造で計算した結果
を示したが、第1大梁3Aを設けた場合であっても同様
な結果が得られる。
【0020】実施の形態2 実施の形態1では、第1小梁の間隔及び第2小梁の間隔
を所定の条件に設定したプレキャスト格子梁5を用いた
が、図11に示すように小梁間の間隔が均等に設定され
たプレキャスト格子梁50を用いてもよい。この場合、
鉄筋コンクリート構造の上に鉄骨根太104を別途設置
する必要がある。
【0021】尚、図1,2には図示していないが、大梁
3は、図4,11に示すように、両方の側面3s,3s
の下部側に、鉄筋3cを上方に突出させた突出部3aを
備えている。
【0022】実施の形態3 大きな格子梁を工場で一体成形したプレキャスト格子梁
を現場に運搬することは容易ではないが、現場にこのよ
うな大きなプレキャスト格子梁を製作するためのスペー
スがあればこのようなプレキャスト格子梁を現場で製作
して大梁間に設置すれば作業が容易になる。しかし、プ
レキャスト格子梁を揚重する必要があるので、プレキャ
スト格子梁が大きくて重量のある場合、大容量の揚重機
が必要になる。このような場合、図12に示すように、
格子梁を梁背方向に分割した上下分割体50A,50B
を用いるようにすれば、揚重重量を小さくできるので、
大きな揚重機を導入できない場合に有効である。
【0023】実施の形態4 実施の形態3では、格子梁を完全に上下に2分割した上
下分割体50A,50Bを用いたので、下分割体50B
を構成する梁の梁背高さが低くなり、このため大梁3に
設ける下突出部3aの高さも小さくなってしまうので、
下分割体50Bと大梁3との結合部の強度が小さくなる
おそれがある。そこで、図13に示すように、格子梁の
中央部分だけを上下2分割する。即ち、上中央側分割体
50Cと、上中央側分割体50Cを装着する凹部60を
備えて大梁3に結合される下側分割体50Dとを用いる
ようにすれば、下側分割体50Dと大梁3との結合部の
強度を大きくできる。
【0024】尚、実施の形態3の上下分割体50A,5
0B同士の結合は、下分割体50Bの上面側にネジ式イ
ンサート55を埋め込んでおき、これに対応するように
上分割体50Aにはボルト56を挿通させる上下連通孔
57を形成しておき、上分割体50Aを下分割体50B
の上に設置した後に、ボルト56を上下連通孔57を介
してネジ式インサート55に螺着させ、その後、上下連
通孔57にモルタルを充填する。また、実施の形態4の
分割体同士の結合も同様とする。また、ネジ式インサー
ト55が埋め込まれる面は粗い面59に仕上げておく。
このようにすれば、モルタルを粗い面59の凹凸に入り
込ませて分割体同士を確実に固着できる。
【0025】即ち、本発明では、実施の形態3,4のよ
うに、一体成形された複数の梁間連結梁、即ち格子梁で
ある例えば分割体50Bや50Dの上側に、別体に形成
した梁材(例えば格子梁である分割体50Aや50C)
を結合するようにしてもよい。逆に、分割体50Aを大
梁3に結合するのであれば、分割体50Aの下側に、別
体に形成した梁材(例えば格子梁である分割体50B)
を結合するようにしてもよい。
【0026】尚、上記では、柱間連結梁で枠を構成し、
これら柱間連結梁間を連結する梁間連結梁を備えた鉄筋
コンクリート床構造体を説明したが、本発明は、複数立
設される柱の上端側を繋ぐ平面上において矩形状の枠を
構成する枠構成梁と、対向する枠構成梁間を連結する一
体の複数の連結梁とで構成された鉄筋コンクリート床構
造体であればよい。
【0027】また、上記では、クリーンルームの床に採
用される鉄筋コンクリート床構造体を説明したが、本発
明の鉄筋コンクリート床構造体は、クリーンルームの床
以外に適用してもかまわない。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、一体とした複数の連結
梁を枠構成梁に結合するようにしたので、複数のプレキ
ャスト小梁を1つ1つ設置したり、現場でのコンクリー
ト打設による小梁の製作作業が不要となり、対向する枠
構成梁間を連結する複数の連結梁を備える鉄筋コンクリ
ート床、特にクリーンルームの床に採用される鉄筋コン
クリート床の施工を簡単にしかも精度良くできる。ま
た、一体の複数の連結梁の上側あるいは下側に、別体に
形成した梁材を結合するようにしたので、一体の複数の
連結梁の揚重重量を小さくできる。また、一体の複数の
連結梁を格子梁としたので、ワッフルスラブを構築でき
る。また、複数の連結梁同士の間隔を、矩形状のグレー
チング床パネルの一辺の長さに対応させたことにより、
鉄筋コンクリート床構造の上に別途鉄骨根太を設置して
いく必要がなくなり、作業の簡略化が図れる。また、一
体とした複数の連結梁と枠構成梁とを結合部を介して容
易に位置合わせでき、また、結合手段により簡単に結合
できるので、作業を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の鉄筋コンクリート床
構造体を示す斜視図。
【図2】 図1の平面図。
【図3】 プレキャスト格子梁を示す斜視図。
【図4】 大梁と小梁の結合状態を示す断面図。
【図5】 柱と大梁の結合方法を説明するための斜視
図。
【図6】 本発明により得られる剛性についての効果を
示すグラフ。
【図7】 本発明により得られる剛性についての効果を
示すグラフ。
【図8】 従来の鉄筋コンクリート床構造体と同様なモ
デル構成を示す図。
【図9】 本発明の鉄筋コンクリート床構造体のモデル
構成を示す図。
【図10】 本発明の鉄筋コンクリート床構造体のモデ
ル構成を示す図。
【図11】 実施の形態2の鉄筋コンクリート床構造体
を示す斜視図。
【図12】 実施の形態3の鉄筋コンクリート床構造体
を示す斜視図。
【図13】 実施の形態4の鉄筋コンクリート床構造体
を示す斜視図。
【図14】 従来の鉄骨床構造体を示す斜視図。
【図15】 従来の鉄筋コンクリート床構造体を示す斜
視図。
【符号の説明】
1 鉄筋コンクリート床構造体、2a 枠、3 大梁
(枠構成梁)、3a 突出部、3c 鉄筋(連結棒)、
4 小梁(連結梁)、4a 切り欠き凹部、4b 上下
連通孔、4c スリーブ継ぎ手、5,50 プレキャス
ト格子梁、105 グレーチング床パネル。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形状の枠を構成する枠構成梁と、対向
    する枠構成梁間を連結する複数の連結梁とで構成される
    鉄筋コンクリート床構造体において、 一体とした上記複数の連結梁を枠構成梁に結合して成る
    ことを特徴とする鉄筋コンクリート床構造体。
  2. 【請求項2】 一体の複数の連結梁の上側あるいは下側
    に、別体に形成した梁材を結合したことを特徴とする請
    求項1に記載の鉄筋コンクリート床構造体。
  3. 【請求項3】 一体の複数の連結梁は、枠において対向
    する一方の一対の枠構成梁間を連結する複数の連結梁
    と、枠において対向する他方の一対の枠構成梁間を連結
    する複数の連結梁とが直交状態に組み合わされた格子梁
    より成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の鉄筋コンクリート床構造体。
  4. 【請求項4】 複数の連結梁同士の間隔を、矩形状のグ
    レーチング床パネルの一辺の長さに対応させたことを特
    徴とする請求項3に記載の鉄筋コンクリート床構造体。
  5. 【請求項5】 上記連結梁の端部に形成された切り欠き
    凹部と、枠構成梁の側面に設けられて上記連結梁の切り
    欠き凹部に対応する突出部とから成る結合部を備えたこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の鉄筋コンクリート床構造体。
  6. 【請求項6】 上記突出部の上面より突出する如く設け
    られた連結棒と、上記連結梁の端部における上部に上下
    に連通する如く設けられ上記連結棒が挿入される上下連
    通孔部と、上記連結棒が上下連通孔部に挿入された状態
    で上下連通孔部内に充填される固着手段とから成る結合
    手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の鉄筋コ
    ンクリート床構造体。
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