JPH07331737A

JPH07331737A - Ｒｃ大梁と鉄骨小梁との接合構造

Info

Publication number: JPH07331737A
Application number: JP14220694A
Authority: JP
Inventors: Katsuya Ogura; 克也小椋; Tetsuya Oishi; 哲哉大石; Ka Ou; 珂王; Runa Takahashi; ルナ高橋
Original assignee: Taisei Corp
Current assignee: Taisei Corp
Priority date: 1994-06-02
Filing date: 1994-06-02
Publication date: 1995-12-19

Abstract

(57)【要約】【目的】現場での施工が容易で施工工期を短縮化する
ことができ、かつ鉄骨小梁等における撓みの発生を抑制
することができるとともに、若干の施工誤差を吸収する
ことも可能となる、ＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合構造を
得る。【構成】鉄筋コンクリート大梁３０に、この鉄筋コン
クリート大梁の上面３３に沿う天板部３６と側面３４に
沿う側板部３７とが一体に形成された接合プレート３５
を配設し、この接合プレート３５の側板部３７に鉄骨小
梁３２のウエブ４１の端部を接合した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＰＣ大梁等の鉄筋コン
クリート大梁に、鉄骨小梁を接合するための接合構造に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＲＣ積層工法等において、工期の
短縮や床スラブにおけるレベル精度確保等の要請から、
ＰＣ（プレキャスト・コンクリート）大梁や現場打ちし
た鉄筋コンクリート大梁等の鉄筋コンクリート大梁（以
下、ＲＣ大梁と略称する。）間に、鉄骨小梁を架設する
場合が増加しつつある。従来、このようになＲＣ大梁と
鉄骨小梁との接合構造としては、例えば特公平５−２２
７７７号公報において提案されている、図５に示すよう
な、ＰＣ大梁１に切欠き２を設け、この切欠き２の水平
面にプレート３を埋め込んで、上記プレート３に鉄骨小
梁４の端部を接合したものや、あるいは図６に示すよう
な、ＰＣ大梁５の側面にアンカー筋６を有するＴ字状の
金物７を埋め込んで、この金物７に鉄骨小梁８をボルト
接合したものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図５お
よび図６に示す上記従来の接合構造にあっては、いずれ
もＰＣ大梁１、５を成形する際に、プレート３や金物７
を埋め込む必要があるために、当該プレート３や金物７
を埋設するための位置割出し作業やその寸法精度の保持
等、施工管理上多大の手間を要するという欠点があっ
た。

【０００４】そこで、このような欠点を解決し得るもの
として、実開平３−１８３０４号公報（図７および図８
を参照。）に見られるような、ＰＣ梁躯体１０から埋設
された肋筋１１を突出させた半ＰＣ大梁１２の上面に、
鉄骨小梁１３の上部フランジ１３ａ端部にボルト接合さ
れた溝形鋼製のブラケット１４を載置し、上記大梁１２
の上半部およびスラブのコンクリート１５を打設して、
上記半ＰＣ大梁１２と鉄骨小梁１３とを一体に接合する
ものや、現場打ちＲＣ大梁１６の型枠１７上部に、鉄骨
小梁１８の上部フランジ１８ａ端部にボルト接合された
ブラケット１９を載置し、上記型枠１７内に大梁のコン
クリート２０を打設するとともに、スラブとなるコンク
リート２１を打設することにより、上記ＲＣ大梁１６と
鉄骨小梁１８とを一体に接合するものが提案されてい
る。

【０００５】これら、図７および図８に示すＲＣ大梁と
鉄骨小梁との接合構造にあっては、鉄骨小梁１３、１８
の上部フランジ１３ａ、１８ａにブラケット１４、１９
をボルト接合しているため、予め半ＰＣ大梁１２やＲＣ
大梁１６を成形する際に、鉄骨小梁を接合するための上
記プレート等を埋設する必要がなく、施工が容易である
とともに、大梁１２、１６に対する鉄骨小梁１３、１８
の取付位置を適宜調整することができるといった利点が
ある。

【０００６】しかしながら、これらのＲＣ大梁と鉄骨小
梁との接合構造においては、鉄骨小梁１３、１８の上部
フランジ１３ａ、１８ａに接合されたブラケット１４、
１９のみが、上記大梁１２、１６の上部に載置されてい
るために、当該鉄骨小梁１３、１８やその上部に打設さ
れたスラブに、僅かながら撓みや振動が発生しやすいと
いう難点があった。

【０００７】本発明は、上記従来のＲＣ大梁と鉄骨小梁
との接合構造が有する各種の課題を解決すべくなされた
もので、現場での施工が容易で施工工期を短縮化するこ
とができ、かつ鉄骨小梁等における撓みの発生を抑制す
ることができるとともに、若干の施工誤差を吸収するこ
とも可能となる、ＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合構造を提
供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、ＲＣ大梁に、このＲＣ大梁の上面に沿う天板部と側
面に沿う側板部とが一体に形成された接合プレートを配
設し、この接合プレートの側板部に鉄骨小梁のウエブの
端部を接合したことを特徴とするものである。

【０００９】ここで、請求項２に記載の発明のように、
請求項１に記載の上記接合プレートの側板部に、上記鉄
骨小梁のウエブ方向に延びるブラケットを一体的に設
け、このブラケットに複数のボルト挿入孔を上下方向に
穿設するとともに、鉄骨小梁のウエブに、上記ボルト挿
入孔と連通する複数のボルト挿入孔を穿設し、これらボ
ルト挿入孔に挿通したボルトにより、鉄骨小梁を接合プ
レートに結合すれば好適である。

【００１０】また、請求項３に記載の発明は、上記請求
項１または２に記載の上記ＲＣ大梁の上面と側面との交
差部に、当該上面と側面とに開口する段部を形成し、他
方上記接合プレートの上記天板部と上記側板部との交差
部にＲ加工を施すとともに、上記段部と上記Ｒ加工部と
の間にさん木を介装したものである。さらに、請求項４
に記載の発明は、上記請求項１〜３に記載の発明を、Ｐ
Ｃ大梁と鉄骨小梁との接合に適用したものである。

【００１１】

【作用】請求項１に記載の発明によれば、ＲＣ大梁に配
設した接合プレートの側板部に、強度に優れる鉄骨小梁
のウエブを接合しているので、接合に安定性があり、鉄
骨小梁等の撓みや振動を生じるおそれがない。加えて、
従来のもののようにＲＣ大梁にプレート等を埋め込む必
要がなく、予め上記接合プレートを製作しておくことに
より現場での施工が容易となる。しかも、上記接合プレ
ートにより若干の水平方向における施工誤差も吸収する
ことができる。

【００１２】また、請求項２に記載の発明のように、上
記接合プレートの側板部のブラケットと鉄骨小梁のウエ
ブとに、上下方向に複数のボルト挿入孔を穿設して、こ
れら鉄骨小梁を接合プレートに結合すれば、一段と接合
強度を高めることができるため、確実に鉄骨小梁等の撓
み等を防止することができて一層好適である。

【００１３】また、請求項３に記載の発明は、上記請求
項１または２に記載の上記ＲＣ大梁の上面と側面との交
差部に段部を形成し、上記接合プレートの天板部と側板
部との交差部に積極的にＲ加工部を形成して、上記段部
と上記Ｒ加工部との間にさん木を介装しているので、上
記ＲＣ大梁の角部と接合プレートの折り曲げ部とが干渉
することがなく、よって上記天板部を確実にＲＣ大梁の
上面に密着させることができるため、鉄骨小梁を接合し
た後に、上記ＲＣ大梁との間に高い剛接合強度を得るこ
とができる。したがって、請求項１〜３に記載の接合構
造は、特に上記ＲＣ大梁が、現場における施工工期の短
縮化が図れるＰＣ大梁である場合に用いて好適である。

【００１４】

【実施例】図１〜図４は、本発明のＲＣ大梁と鉄骨小梁
との接合構造をＰＣ大梁と鉄骨小梁との接合に適用した
一実施例を示すものである。図１〜図３において、図中
符号３０はＰＣ大梁を示すもので、このＰＣ大梁３０の
上面には、剪断補強筋３１…が所定の間隔をもって配設
されている。そして、上記ＰＣ大梁３０の鉄骨小梁３２
を接合すべき所定箇所に、当該ＰＣ大梁３０の上面３３
から側面３４にわたって鋼製の接合プレート３５が載置
されている。この接合プレート３５は、上記ＰＣ大梁３
０の上面３３に当接する天板部３６の両端部に、側面３
４に当接する側板部３７が一体に形成された門型の板状
部材で、上記天板部３６と側板部３７との交差角部に
は、Ｒ加工が施されている。

【００１５】他方、ＰＣ大梁３０の上面３３と側面３４
との交差部には、当該上面３３と側面３４とに開口する
段部３８が形成されており、この段部３８と上記接合プ
レート３５のＲ加工部３９との間には、さん木４０が介
装されている。また、上記接合プレート３５の両側板部
３７には、上記鉄骨小梁３２のウエブ４１方向に延びる
ブラケット４２が溶接により一体に接合されている。こ
のブラケット４２には、上下方向に向けて複数（図では
２つ）のボルト挿入孔４３、４３が穿設されており、さ
らに上記鉄骨小梁３２のウエブ４１の端部には、上記接
合プレート３５のボルト挿入孔４３、４３と連通する複
数のボルト挿入孔４４、４４が穿設されている。そし
て、上記鉄骨小梁３２は、これらボルト挿入孔４３、４
４に挿通されたボルト４５とナット４６とにより、上記
接合プレート３５を介してＰＣ大梁３０に接合されてい
る。

【００１６】次に、図１〜図４に基づき、以上の構成か
らなるＰＣ大梁３０と鉄骨小梁３２との接合方法につい
て説明する。まず、ＰＣ大梁３０を柱（図示せず）間に
仮設した後に、剪断補強材３１間に位置するＰＣ大梁３
０の上記所定箇所に、接合プレート３５を上方から落と
し込む。この際に、ＰＣ大梁３０の段部３８と接合プレ
ート３５のＲ加工部３９との間にさん木４０を介装す
る。次に、揚重手段により上面にスタッド４７…が立設
された鉄骨小梁３５を吊り上げて、その端部が上記接合
プレート３５に臨む位置に配置する。そして、接合プレ
ート３５のボルト挿入孔４３と鉄骨小梁３５のウエブ４
１に形成されたボルト挿入孔４４とを一致させて、ボル
ト４５およびナット４６によりこれら接合プレート３５
と鉄骨小梁３２とを接合する。次いで、ＲＣスラブ４８
を形成するためのコンクリートを打設するとともに接合
プレート３５を打込む。これにより、上記鉄骨小梁３２
は、接合プレート３５を介してＰＣ大梁３０に接合され
る。

【００１７】ところで、上記接合プレート３５および鉄
骨小梁３２は、上記スラブ４８を打設する際のスラブ支
保工の代替として使用することもできる。すなわち、上
記スラブ４８を打設する際の堰板を支持すべき位置に、
上述した手順と同様にして、予めＰＣ大梁３０上に接合
プレート３５を載置し、これら接合プレート３５間に鉄
骨小梁３２を仮設しておく。この際に、これら仮設の鉄
骨小梁３２には、スタッド４７を立設しない。そして、
上記スラブ４８打設後に、仮設の鉄骨小梁３２のみを接
合プレート３２から取り外すことにより、スラブ支保工
を仮設することなくスラブ４８を打設することができ
る。

【００１８】このように、上記ＰＣ大梁３０と鉄骨小梁
３２との接合構造によれば、従来のもののようにＲＣ大
梁にプレート等を埋め込む必要がないために、予め上記
接合プレート３５を製作しておけば、現場における施工
が容易となり、よって作業工数の低減化を図ることがで
きる。このため、特にＰＣ大梁３０を用いることによる
現場における施工工程の短縮化と相俟って、全体の施工
工程をより一層短縮化することが可能となる。加えて、
上記接合プレート３５により、現場において若干の水平
方向の施工誤差も吸収することができる。

【００１９】加えて、ＰＣ大梁３０に配設した門型の接
合プレート３５の側板部３７に、強度に優れる鉄骨小梁
３２のウエブ４１をボルト４５およびナット４６により
接合しているので、接合に安定性があり、しかも接合プ
レート３５のブラケット４２と鉄骨小梁３２のウエブ４
１とに、上下方向に複数のボルト挿入孔４３、４４を穿
設して、鉄骨小梁３２を接合プレート３５に結合してい
る結果、高い接合強度を得ることができるため、鉄骨小
梁３２やＲＣスラブ４８に撓みや振動を生じるおそれが
ない。

【００２０】ところで、一般に、上記門型の接合プレー
ト３５は、帯板状の鋼板を曲げ加工することにより天板
部３６と側板部３７とに成形することになる。ところ
が、上記曲げ加工を行う際に、天板部３６と側板部３７
との交差部を直角に折り曲げることは難しい。このた
め、得られた接合プレート３５をそのままＰＣ大梁３０
上に載置すると、当該ＰＣ大梁３０の角部と接合プレー
ト３５の折り曲げ部とが干渉して、接合プレート３５の
天板部３６とＰＣ大梁３０の上面との間に隙間が生じて
しまう。この結果、鉄骨小梁３２から接合プレート３５
を介してＰＣ大梁３０に垂直荷重が作用すると、経時的
にＰＣ大梁３０の角部に欠けが生じたり、あるいは接合
プレート３５の天板部３６に歪みを生じたりして好まし
くない。この点、上記接合構造においては、ＰＣ大梁３
０の上面３３と側面３４との交差部に段部３８を形成
し、接合プレート３５の天板部３６と側板部３７との交
差部に、積極的にＲ加工部３９を形成し、これら段部３
８とＲ加工部３９との間にさん木４０を介装しているの
で、ＰＣ大梁３０の角部と接合プレート３５の折り曲げ
部とが干渉することがなく、よって天板部３６を確実に
ＰＣ大梁３０上面に密着させることができるため、ＰＣ
大梁３０に鉄骨小梁３２を接合した後に、高い剛接合強
度を得ることができる。

【００２１】また、上記接合プレート３５および鉄骨小
梁３２は、スラブ４８を打設する際のスラブ支保工の代
替として使用することも可能であり、よってスラブ支保
工の省力化および床スラブ施工の簡素化にも対応するこ
とができる。

【００２２】なお、上記実施例においては、本発明をＰ
Ｃ大梁３０に鉄骨小梁３２を接合する構造に適用した例
について説明したが、これに限るものではなく、上記大
梁が現場打ち鉄筋コンクリート等の他のＲＣ大梁である
場合に適用しても、同様の作用効果を得ることができ
る。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のＲＣ大梁
と鉄骨小梁との接合構造は、ＲＣ大梁に、このＲＣ大梁
の上面に沿う天板部と側面に沿う側板部とが一体に形成
され、好ましくは上記側板部に複数のボルト挿入孔を有
するブラケットが接合された接合プレートを配設し、こ
の接合プレートの側板部に、鉄骨小梁のウエブの端部
を、好ましくは上記ボルト挿入孔に挿通されたボルトに
より接合したものであり、さらに上記ＲＣ大梁の上面と
側面との交差部に段部を形成し、他方上記接合プレート
の天板部と側板部との交差部にＲ加工部を形成して、こ
れら段部とＲ加工部との間にさん木を介装したものであ
るので、従来のもののようにＲＣ大梁にプレート等を埋
め込む必要がなく、よって現場における施工が容易とな
り、作業工数の低減化を図ることができるとともに、高
い接合強度を得ることができるため、鉄骨小梁等に撓み
や振動を生じるおそれがなく、しかも上記接合プレート
により現場における若干の水平方向の施工誤差も吸収す
ることが可能となる。

【００２４】加えて、上記段部とＲ加工部とを形成し、
これらの間にさん木を介装すれば、天板部を確実にＲＣ
大梁の上面に密着させることができるため、高い剛接合
強度を得ることができる。したがって、上記ＲＣ大梁と
して、特にＰＣ大梁を用いた場合には、ＰＣ大梁による
現場施工工程の短縮化と相俟って、全体の施工工程をよ
り一層短縮化することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合構造
の一実施例を示す分解斜視図である。

【図２】図１の要部の縦断面図である。

【図３】図１における鉄骨小梁を接合した状態を示す平
面図である。

【図４】図３の側面図である。

【図５】従来のＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合構造を示す
縦断面図である。

【図６】図５の変形例を示す縦断面図である。

【図７】従来の他のＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合構造を
示す縦断面図である。

【図８】図７の変形例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

３０ＰＣ（プレキャスト）大梁３２鉄骨小梁３３上面３４側面３５接合プレート３６天板部３７側板部３８段部３９Ｒ加工部４０さん木４１ウエブ４２ブラケット４３、４４ボルト挿入孔４５ボルト４６ナット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者高橋ルナ東京都新宿区西新宿一丁目25番１号大成建設株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鉄筋コンクリート大梁に、この鉄筋コン
クリート大梁の上面に沿う天板部と側面に沿う側板部と
が一体に形成された接合プレートを配設し、この接合プ
レートの側板部に鉄骨小梁のウエブの端部を接合したこ
とを特徴とするＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合構造。
【請求項２】上記接合プレートの側板部に、上記鉄骨
小梁のウエブ方向に延びるブラケットを一体的に設け、
このブラケットに複数のボルト挿入孔を上下方向に穿設
するとともに、上記鉄骨小梁のウエブに、上記ボルト挿
入孔と連通する複数のボルト挿入孔を穿設し、これらボ
ルト挿入孔に挿通したボルトにより、上記鉄骨小梁を上
記接合プレートに結合したことを特徴とする請求項１に
記載のＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合構造。
【請求項３】上記鉄筋コンクリート大梁の上面と側面
との交差部に当該上面と側面とに開口する段部を形成
し、他方上記接合プレートの上記天板部と上記側板部と
の交差部にＲ加工を施すとともに、上記段部と上記Ｒ加
工部との間にさん木を介装したことを特徴とする請求項
２または３に記載のＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合構造。
【請求項４】上記鉄筋コンクリート大梁は、プレキャ
スト・コンクリート大梁であることを特徴とする請求項
１〜３のいずれかに記載のＲＣ大梁と鉄骨小梁との接合
構造。