JP2003288902A - 電池用集電材及びそれを用いた電池 - Google Patents
電池用集電材及びそれを用いた電池Info
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Abstract
能の良い電池を製造できる集電体及びそれを用いた電池
を提供する。 【解決手段】 本発明の集電材10は、不織布11と、
この不織布11の表面に形成されためっき膜12とを有
する。不織布11の構成繊維の繊度は、望ましくは0.
01dtex〜30dtexの範囲である。この細い構
成繊維により、繊維束13が形成されている。また、不
織布11には、流体流例えば水流によって開孔14が形
成される。不織布11に開孔14を形成する流体流条件
としては、ノズル径0.05〜0.3mm、ピッチ0.
2〜3mmで一列に配置したノズルプレート等を使用
し、水圧10〜300kg/cm2の流体流で処理す
る。開孔14の形状は、不織布11上に開孔14が均一
に分散しているのであれば特に限定するものではなく、
四角形、円形、楕円形その他種々の形状であってもよ
い。
Description
それを用いた電池、特に、流体流による開孔を有する不
織布にめっきした集電材及びそれを用いた電池に関する
ものである。
高信頼性でかつ小型軽量化が可能であるため、ポータブ
ル機器から産業用大型設備までの各種装置の電源として
多用されている。このアルカリ二次電池には、ほとんど
の場合正極としては、水酸化ニッケル電極が使用され
る。水酸化ニッケル電極としては、集電機能を分担する
集電材に、電池反応を生起させるための正極活物質を担
持させた構造である。その場合の集電材としては、従来
からニッケル粉末を焼結した焼結ニッケル板やパンチン
グニッケル板などが広く用いられてきた。電池の容量は
このようなニッケル板の空隙中に充填させる活物質の量
によって決定され、当該活物質の充填量はニッケル板の
空隙率によって決定されるため、ニッケル板の空隙率を
できるだけ大きくすることが望まれる。
ケル板を基材としており、この基材は空隙率が75〜8
0%と低い上、硝酸塩溶液中のニッケル含有量が少ない
ため、活物質を所定量充填するためには含浸及び中和の
充填サイクルを数回以上繰り返す必要があり、充填サイ
クルを繰り返すに従い硝酸塩溶液のニッケル板内部への
浸透が悪化するため、活物質を高密度に充填することが
困難である。そこで、最近では、電池の小型化、高容量
化の要請に伴い、集電材の活物質の充填密度を高めるた
めに、空隙率が大きく、それ故活物質の充填密度を高め
ることができる三次元網状構造体からなる集電材が採用
されている。
えば特開平8−329956号公報に記載されているよ
うに、有機繊維を抄造してなる不織布に所定量のニッケ
ルめっきを施し、不織布を熱分解除去することなしに、
不織布の表面のみが導電性を発揮できるようにした三次
元網状構造からなる集電材が知られている。
されたニッケルめっき膜とを備えたアルカリ二次電池用
集電材も知られている。
8−329956号公報に示された集電材に使用する有
機繊維を抄造してなる不織布は、その表面に施されるニ
ッケルめっき量が多いため、空隙率が低くなると同時に
孔径が小さくなるため、電池の活物質を十分に充填でき
ず電池の高容量化が困難であるという問題点があった。
き膜が形成された集電材では、抵抗が高く集電性能が悪
いという問題点があった。
するためになされたもので、電池を高容量化することが
でき、かつ集電性能の良い電池を製造できる集電体及び
それを用いた電池を提供することを目的とする。
発明は、電池用集電材であって、流体流による開孔を有
する不織布と、前記不織布に施されためっきとを備える
ことを特徴とする電池用集電材である。
繊維の繊度が、0.01dtex〜30dtexの範囲
であることを特徴とする。
記載された集電材を用いることを特徴とする電池であ
る。
して流体流による開孔を有する不織布を使用するので、
流体流(特に水流)により形成された開孔には、繊維が
残存しているため、活物質を充填し易く活物質が抜けに
くく、活物質の充填量を多くすることができる。結果と
して、この集電材を使用した電池は、容量が増大する。
また、流体流により形成された開孔に残存した不織布の
繊維によっても集電できるため、集電性能も優れてい
る。さらに、不織布の繊維が束状となり、1本のめっき
断面積が広くなるため、電気抵抗を低くすることがで
き、この点からも集電性能に優れる。
維の繊度が0.01dtex〜30dtexの範囲であ
るので、繊維束を形成し易く十分な孔の面積を確保でき
るため活物質の充填密度を高めることができ、繊維表面
積が大きくなるため十分な集電性能が得られる。
又は2に記載された集電材を用いるので、電池容量が大
きく、集電性能も優れた電池が得られる。
に基づいて説明する。
の一部を拡大して示す概略平面図である。図に示すよう
に、本発明の集電材10は、不織布11と、この不織布
11の表面に形成されためっき膜12とを有する。不織
布11の構成繊維の繊度は、望ましくは0.01dte
x〜30dtexの範囲である。この細い構成繊維によ
り、繊維束13が形成されている。また、不織布11に
は、流体流例えば水流によって開孔14が形成されてい
る。本発明による集電材10は、種々の一次電池及び二
次電池、例えばアルカリ電池やリチウム電池に使用する
ことができるが、望ましい電池の例として、アルカリ二
次電池を例に説明する。
件としては、ノズル径0.05〜0.3mm、ピッチ
0.2〜3mmで一列に配置したノズルプレートや、ノ
ズルを2列以上に配列したノズルプレートを使用し、水
圧10〜300kg/cm2の流体流で処理する。開孔
成形用支持体は、金属又はプラスチックのネットからな
るコンベア−ベルトや前記ネットを巻いた水透過性のド
ラムを用いるか、又は金属、プラスチックで作製され孔
の開いた水透過性のドラム等を用いることができる。ネ
ットの場合は、平織り、綾織り等各種の織り構造のネッ
トを用いることができ、5〜60メッシュの織り組織が
適している。60メッシュを超える織り組織を用いた場
合は、開孔した不織布を形成するのが困難となる。5メ
ッシュ未満であると、形態安定性が悪い。
孔面積として1〜25mm2の範囲が好ましい。開孔面
積が1mm2未満であると、開孔14が小さく活物質が
入りずらいため充填密度が低くなる。一方、開孔面積が
25mm2を超えると、開孔14が大きいため、活物質
の充填時に開孔14の部分の活物質が抜けやすく充填密
度が低くなる。また、開孔14に入り込む繊維15が開
孔14の中心部に届きずらくなるため、集電性が悪くな
る。開孔面積は、4〜16mm2がより好ましい。開孔
14についての開孔面積比は、開孔面積比={開孔面積
÷開孔がないとみなした開孔した不織布の面積}×10
0)で求められ、10〜85%の範囲が好ましい。開孔
面積比が10%未満であると、充填密度向上の効果が少
ない。一方、開孔面積比が85%を超えると、形態安定
性を失う、すなわち活物質の充填時に不織布11が伸び
やすい。開孔14の形状は、不織布11上に開孔14が
均一に分散しているのであれば特に限定するものではな
く、四角形、円形、楕円形その他種々の形状であっても
よい。
維又はポリアミド樹脂系繊維のいずれか一方又は双方で
構成することができる。ポリオレフィン系繊維の樹脂成
分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレンコポリマ
ー、エチレン−ブテン−プロピレンコポリマー又はエチ
レン−ビニルアルコールコポリマーなどが挙げられ、ポ
リオレフィン系の繊維は、これらの樹脂成分を一種以上
含むことが好ましい。ポリアミド樹脂系繊維の樹脂成分
としては、例えば、ナイロン6,ナイロン66,ナイロ
ン12,又はナイロン6とナイロン12との共重合体等
が挙げられ、ポリアミド樹脂系繊維はこれらの樹脂成分
を1種以上含むことが好ましい。
系繊維のいずれか一方又は双方で構成された不織布11
を使用できるのは、ポリオレフィン系繊維及びポリアミ
ド樹脂系繊維自体がすでに電池のセパレータとして使用
されている実績があり、電解液としての20〜35重量
%KOH水溶液と接触してもポリオレフィン系繊維及び
ポリアミド樹脂系繊維は溶解しないため物性の変化がな
く、耐アルカリ性が優れており、非常に安価に購入でき
て汎用性が高いからである。
アルカリ性及び耐酸性に優れているポリエチレン樹脂又
はポリプロピレン樹脂であることが特に好ましい。ポリ
オレフィン系繊維はポリプロピレン樹脂のみでも、ポリ
エチレン樹脂のみでも、或いはこれらの樹脂を組み合わ
せた繊維でもよい。特に、ポリプロピレン(芯)の周囲
がポリエチレン(鞘)で覆われている芯鞘型複合繊維
は、耐アルカリ性と強度特性の両者を同時に満たすこと
ができるので好適である。図1ではポリオレフィン系繊
維又はポリアミド系繊維を示しているが、本発明はそれ
に限定されるものではない。
に限定されるものではないが、巻縮を有する繊維を使用
することが好ましい。不織布11が巻縮を有する繊維を
含むと、不織布11が嵩高となるためその空隙体積が大
きくなり、活物質を多く充填できるので高容量の電池と
なる。また、平均孔径が大きくなるため活物質の充填が
容易となる。巻縮繊維としては巻縮数が3個/インチ以
上であるのが好ましく、5個/インチ以上であるのが更
に好ましい。また、適度な空隙率を保持できるように、
巻縮を有する繊維は、不織布中5重量%以上混在してい
るのが好ましく、より好ましくは20重量%以上の比率
で混在するのが良く、50重量%以上の比率で混在して
いるのが更に好ましい。この巻縮繊維は機械的に巻縮を
付与しても良いし、熱により巻縮が発現する繊維でも良
い。熱により巻縮が発現する繊維としては、収縮温度の
異なる2種の樹脂からなるサイドバイサイド繊維又は偏
芯タイプの芯鞘型繊維などが挙げられる。また、分割繊
維は分割後の表面積が大きいため、集電性に優れ好まし
い。この分割繊維の横断面形状は、オレンジ型、多重バ
イメタル型、海島型等であるのが好適である。
(a)カード法やエアレイ法、又は(b)紡糸状態から
連続的にシート化するメルトブロー法やスパンボンド法
のような乾式法、或いは(c)繊維を水に分散し、それ
を抄きとる湿式法等により繊維ウェブを形成した後、流
体流を作用させることにより開孔を形成して得ることが
できる。特に、湿式法により得られた繊維ウェブから製
造した不織布は、乾式法により得られた繊維ウェブから
製造した不織布と比較してその目付及び厚みのばらつき
が小さいので、均一な集電材を得ることができる。この
ため、この集電材を使用すると厚みが均一な電極が形成
され、その電極を巻回すると密着性に優れた極群が形成
でき、結果として充放電特性に優れた電池を得ることが
できる。
て、繊維を互いの接触点で局部的に融着させることによ
り全体の強度特性を高めることができる。しかし、繊維
の熱分解温度以上の温度で熱処理を行うと、繊維が熱分
解して消失してしまうので、その処理温度は繊維の熱分
解温度未満に設定して行うことが必要である。
相互の熱融着は十分といえないので、得られた不織布の
強度は低くなり、活物質合成ペーストの充填時に破断な
どが起こりやすい。一方、あまり高温にすると繊維の溶
融が進行して空隙率の低下を招き、これもまた、活物質
合成ペーストの充填密度を低めることになりやすい。こ
のため、上述した繊維が軟化する温度から融点よりも3
0℃高い温度の範囲内に設定するのが好ましく、例え
ば、繊維としてポリプロピレンの周囲がポリエチレンで
覆われている前述の芯鞘型複合繊維を用いた場合、熱処
理の温度は110〜140℃であることが好ましい。
あることが好ましい。この場合の空隙率とは、不織布全
体(開孔も不織布の一部であるとみなす)の容積に対す
る空孔の百分率をいう。空隙率を70%より小さくする
と、得られた不織布11の強度特性は向上するが、活物
質合成ペーストの充填密度が低くなり、結果として高容
量電池の電極用集電材10としての性能低下を招く。よ
り好ましくは、空隙率は75%以上である。一方、空隙
率をあまり高くすると、大幅な強度の低下が引き起こさ
れるので、空隙率を75〜98%となるようにすること
がさらに好ましい。
ン系繊維又はポリアミド樹脂系繊維のいずれか一方又は
双方で構成された不織布11を使用するのが好ましい。
好ましくは、不織布11を親水化処理する。これによ
り、不織布の繊維とめっき膜との密着度が上昇し、めっ
き膜の表面抵抗が低下するため、ハイレート充放電が可
能となる。親水化処理は、スルホン化処理,フッ素ガス
処理又はビニルモノマーのグラフト処理、界面活性剤処
理、親水性樹脂付与処理及び放電処理により行われる。
特に、スルホン化処理、フッ素ガス処理又はビニルモノ
マーのグラフト処理は電池に使用される電解液である2
0〜35重量%KOHの水溶液中で長期間におけるめっ
き膜の脱落や表面抵抗の上昇がなく好ましい。集電材1
0は、その親水化処理された不織布11をめっき処理し
て作られる。
のではないが、例えば発煙硫酸、硫酸、三酸化イオウ、
クロロ硫酸、又は塩化スルフリルなどへの浸漬による処
理がある。これらの中でも発煙硫酸によるスルホン化処
理は、反応性が高く、比較的容易にスルホン化できるた
め、好適である。フッ素ガス処理についても、特に限定
するものではないが、例えば、不活性ガス(例えば窒素
ガス、アルゴンガス等)で希釈したフッ素ガスと、酸素
ガス、二酸化炭素ガス、及び二酸化イオウガスなどの中
から選んだ少なくとも一種類のガスとの混合ガスヘの接
触による処理を挙げることができる。なお、不織布に二
酸化イオウガスを予め付着させた後に、フッ素ガスを接
触させる方法は、より効率的で、恒久的な親水化処理方
法である。ビニルモノマーのグラフト処理についても、
特に限定するものではないが、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、ビニルピリジン、或いはスチレンの中から選んだ少
なくとも1種類のグラフト重合液を不織布に含浸し、紫
外線を照射する処理を挙げることができる。これらの中
でも、アクリル酸は電解液であるKOH水溶液中での長
時間におけるめっき膜の脱落や表面抵抗の上昇がなく好
ましい。
布、好ましくは親水化処理した開孔を有する不織布のめ
っき処理を行う。このめっき処理は、無電解めっき法で
あることが好ましく、必要に応じて無電解めっき法によ
り形成された無電解めっき膜に更に電解めっき法により
電解めっき膜を形成し、不織布11の表面をめっき膜1
2で被覆する。めっきを行う金属としては、代表的には
ニッケルであるが、使用する電池に応じて種々の金属、
例えば銅、金、アルミニウムなどを使用することができ
る。
れためっき不織布繊維表面のめっき断面積は、10μm
2〜130μm2の範囲であることが望ましい。めっき断
面積が10μm2未満であると、めっき膜12の表面抵
抗が高くなり、ハイレート充放電が困難となるので、2
0μm2以上であるのがより好ましく、30μm2以上で
あるのがさらに好ましい。また、めっき断面積が130
μm2を超えると、繊維が太くなり、空隙率が低下し、
活物質の充填量が減り、電池の高容量化が困難となるの
で、120μm2以下であるのがより好ましく、110
μm2以下であるのがさらに好ましい。
として、繊度が0.01〜30dtexの範囲であるこ
とが好ましい。繊度が0.01dtex未満であると、
強度が弱く、活物質の充填時に繊維の破断が起こりやす
くなる。また、開孔以外の束状に繊維が集合した部分が
繊密なため活物質が入りずらく充填密度が低くなりやす
い。一方、繊度が30dtexを超えると、繊維の表面
積が小さくなり集電性が不十分となりやすい。また、繊
維の自由度が下がるため流体流で開孔を形成しずらくな
りやすい。より好ましい繊度は、0.1〜12dtex
の範囲である。
媒付与化工程と無電解めっき工程とに分けられる。触媒
付与化工程は、塩化第一錫の塩酸水溶液で処理した後に
塩化パラジウムの塩酸水溶液で触媒化する方法と、硬化
剤のアミノ基を含む塩化パラジウムの塩酸溶液のみで固
定化する方法などがあるが、前者による方法が、最もめ
っき膜厚の均一性に優れるので好ましい。無電解めっき
工程は、一般的に硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニ
ッケル等のニッケル塩を含有する水溶液中でニッケルを
還元剤にて還元する方法であり、必要に応じて錯化剤、
pH調整剤、緩衝剤、安定化剤等が投入される。特に純
度の高いニッケル皮膜を得るため、還元剤として水和ヒ
ドラジン、硫酸ヒドラジン、酸化ヒドラジン等のヒドラ
ジン誘導体を使用する方法が好ましい。無電解めっきす
る際の不織布の性状は、連続した長尺を巻き取りながら
触媒付与槽からめっき槽へと連続にめっきする方法や、
ロール状に巻き取った状態で、チーズ染色機を使用して
強制的に液を循環させてめっきする方法などが挙げられ
る。ロール状に巻き取った状態での処理にあっては、触
媒付与工程のみ或いは無電解めっき工程のみを行っても
良く、又はその両工程をロール状に巻き取った状態で行
っても良い。
る。電解めっき法は、めっき浴を用いて行われる。めっ
き浴としては、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴が
知られている。これに、pH緩衝剤、界面緩衝剤等の添
加剤が使用される場合もある。この浴に無電解めっきし
た不織布を陰極に、ニッケル対極板を陽極に接続して直
流或いはパルス断続電流を通電させることにより、無電
解めっき膜を形成した上に更に電解めっき膜を形成し、
めっき膜12とする。
例として、アルカリ二次電池を図面に基づいて説明す
る。
有する不織布にニッケルめっきを施した集電材を用いた
アルカリ二次電池であり、この集電材からなる帯状の正
極102と帯状の負極103を備える。そして正極10
2と負極103との間には第1セパレータ104aが介
装されており、正極102の内側に第2セパレータ10
4bが介装されたロール状発電体106を備えている
(図2)。そしてこの電池101は、発電体106を収
容し負極を兼ねる導電性の電池ケース107と、このケ
ース107を封止し正極を兼ねる封入板108とを備え
ている。
に形成し、端子を取り付ける箇所を押しつぶした後、集
電材全体の空隙部に正極活物質を含む正極ペーストを充
填し、その後乾燥及び圧延する。そして押しつぶした箇
所に集電用外部端子としてのニッケル片102aをスポ
ット溶接することにより作られる。また、負極103は
上述の集電材を帯状に形成し、端子を取り付ける箇所を
押しつぶした後、集電材全体の空隙部に負極活物質を含
む負極ペーストを充填し、その後乾燥及び圧延する。そ
してその押しつぶした箇所に集電用外部端子としてのニ
ッケル片(図示せず)をスポット溶接することにより作
られる。一方、セパレータ104は多孔質シートにより
帯状に形成され、上記正極102及び負極103間に介
装された第1セパレータ104aと、正極102の内面
に積層された第2セパレータ104bとを有する。第1
及び第2セパレータ104a,104bは正極102及
び負極103の短絡を防止し、かつ電解液を保持するよ
うに構成される。
有する筒状に形成され、封入板108はこの電池ケース
107の上端の開口部を塞ぐように構成される。電池ケ
ース107はその内周面に負極103が接触するように
発電体106が収容可能に構成される。また、封入板1
08の中央には電池の正極端子を形成する突起108a
が形成される。また、缶底107aと発電体106との
間にはロア絶縁体109aが介装される。発電体106
はロア絶縁体109aが挿入された電池ケース107に
挿入され、発電体106の上端にはアッパ絶縁体109
bが配置される。
ット溶接されたニッケル片が挿通可能なスリットが形成
され、アッパ絶縁体109bには正極102にスポット
溶接されたニッケル片102aが挿通可能なスリットが
形成される。負極103にスポット溶接されたニッケル
片はロア絶縁体109aに形成されたスリットを挿通し
て缶底107a側に突出し、正極102にスポット溶接
されたニッケル片102aはアッパ絶縁体109bに形
成されたスリットを挿通して封止板108側に突出する
ように構成される。ロア絶縁体109aのスリットから
突出したニッケル片は缶底107aに接続され、アッパ
絶縁体109bのスリットから突出したニッケル片10
2aは封止板108に接続される。
に挿入された状態で、電池ケース107の開口部近傍の
上部にリング状のくびれ部107bが形成され、次いで
電解液が注入される。その後、正極102のニッケル片
102aが接続された封止板108がそのくびれ部10
7bにリング状の絶縁用パッキン111を介して配置さ
れる。その後電池ケース107の上端縁を折返して封入
板108の外周縁に絶縁用パッキン111とともに被せ
ることにより封入板108が電池ケース107と電気的
に絶縁され、電池ケースはその封入板108により封止
される。
2セパレータ104b、正極102、第1セパレータ1
04a、負極103の順に積層する。このように積層さ
れた状態で、負極103が外側となるようにロール状に
巻回することにより発電体106は製造されるが、開孔
した不織布にニッケルめっきを施した集電材は、従来の
ニッケルからなる網状骨格からなる集電材に比較して比
較的柔軟であるため、この集電材を用いた正極102及
び負極103も比較的柔軟なものになり、ロール状に巻
回することが比較的容易であり、電池101自体の組み
立てが容易になる。
っきを施した集電材の場合、ニッケルめっきの密着性が
高いので、電池の組み立てや充放電を繰り返してもめっ
き膜質が変化することや部分的に欠落することはない。
このため、この集電材を用いた電池ではハイレート放電
特性及び容量を従来の電池より向上させることができ
る。
池ケース107にロール状に巻かれた発電体106が挿
入された電池を説明したが、電池ケースは角筒状のもの
であっても良く、発電体は図4に示すように正極102
及び負極103を渦巻き角状に巻回したもの、又は図5
に示すように蛇腹状に屈曲積層したものであっても良
い。
に具体的に説明する。
た。すなわち、繊度2.2dtex、繊維長38mmの
分割性複合繊維(ポリプロピレンと高密度ポリエチレン
とからなり、繊度0.138detxのポリプロピレン
繊維と繊度0.138dtexの高密度ポリエチレン繊
維とに分割可能、横断面形状:オレンジ状)100%を
カード機により開繊し、目付20(後述する比較例1で
は31)g/m2の一方向繊維ウェブと、クロスレイヤ
ーにより繊維を交差させた、目付80(後述する比較例
1では125)g/m2の交差繊維ウェブとを積層し
て、積層繊維ウェブを形成した。
水流によりパターンをつけた。得られた不織布は、目付
100g/m2、厚み0.50mm及び空隙率76.5
%であり、2mm角の開孔(4mm2)が3mmピッチ
で存在していた。これは、0.81cm2中に0.36
cm2の開孔面積となる(開孔面積比:44.4%)。
また、開孔には多少繊維が入り込んでいた。
合した後、パンチ加工により、直径2.26mmの開孔
を3mmピッチで開けた。得られた不織布は目付100
g/m2、厚み0.50mm及び空隙率76.5%であ
った。これは、0.8lcm2中に0.36cm2の開孔
面積であった(開孔面積比:44.4%)。また、開孔
には繊維が入り込んでいなかった。
合した。得られた不織布は目付100g/m2、厚み
0.50mm及び空隙率76.5%であった。この不織
布は、開孔していなかった。
を次のようにして無電解ニッケルめっきして、集電材1
0を作成した。
80℃の発煙硫酸液に浸漬することによりスルホン化処
理を行い、得られた親水化処理不織布をニッケルめっき
処理した。このニッケルめっき処理は、親水化処理不織
布を染色機のキャリヤーに巻き付け、精錬剤を循環、水
洗いし、次に、塩化第1スズ10g/リットル、塩酸2
0ml/リットルを含んだ水溶液を循環し、水洗後、塩
化パラジウム1g/リットル、塩酸20ml/リットル
を含む水溶液を循環させて触媒化を行った。
8g/リットル、クエン酸ナトリウム10g/リット
ル、水和ヒドラジン50ml/リットル、25%アンモ
ニア水100ml/リットルに各濃度となる無電解ニッ
ケルめっき液を、めっき後の集電材の全重量に対するニ
ッケルめっき重量が100g/m2となるニッケルを含
有する液量で、80℃に加熱して循環した。1時間循環
させてめっき液がほぼ透明となった後にその循環を止め
て開孔した不織布を取り出し、水洗し更に乾燥を行って
集電材10を得た。
行った。
て1%CMC水溶液16%、純水4%を混合し、粘度1
500poisのペーストを作製した。5cm角の集電
材をこのペースト中に浸漬し、0.5mm間隔のスリッ
トに通し、表面についたペーストを除去した。100℃
のドライヤー中で30分乾燥後、プレス機で0.3mm
に調厚した。この集電材の重量を測定し、活物質の充填
密度を計算した。充填密度は、充填密度(g/cm3)
=(充填後重量−開孔した不織布の重量)÷25÷0.
03の計算式により求めた。得られた充填密度及び後述
する他の試験項目を表2に示した。
維が入り込んでいるため、充填時に開孔部14にも活物
質が詰まりやすく充填密度が高かった。また、充填時に
面からの充填のみではなく、開孔14の断面方向からの
充填もされるためより活物質が充填され易かった。比較
例1の集電材は充填時に開孔部分の活物質が抜けやすく
充填密度が低かった。比較例2の集電材は活物質が入り
づらく充填密度が低かった。
m間)の1kHz交流抵抗を測定した。実施例の集電材
は繊維の方向が揃っているため、数本の単繊維が集まっ
た繊維束がメッキにより1本になりやすく、メッキの断
面積が大きくなるため抵抗が低かった。比較例1及び2
の集電材では、高い抵抗値であった。
Aサイズのニッケル水素電池を作製した。極板のサイズ
は4×8cmに統一した。理論容量は830〜1160
mAhである。なお、充填密度が異なるので理論容量も
異なる。0.1Cで電池を活性化(充電:理論容量×
0.1mAh、12時間、充電休止15分、放電:理論
容量×0.1mAh、1.0V、終止、次いで放電休止
15分を1サイクルとし、5サイクル実施)した後、1
kHzで電池正負間の交流抵抗を測定した。実施例の集
電材は抵抗が低いため、電池内部抵抗も低かった。これ
に対して比較例1及び2の集電材では、電池内部抵抗が
比較的高いものであった。
算した。活物質利用率は、活物質利用率(%)=5サイ
クル目の放電容量(mAh)÷理論容量(mAh)×1
00の計算式により求めた。実施例の集電材は開孔部に
も繊維が入り込んでおり、開孔部に充填された活物質か
らの集電も優れているため、活物質利用率が高かった。
比較例2の集電材は10cm抵抗が高いため、電池内部
抵抗も高くなり、多少利用率が低かった。
よれば、電池用集電材として流体流による開孔を有する
不織布を使用するので、流体流(特に水流)により形成
された開孔には、繊維が残存しているため、活物質を充
填し易く活物質が抜けにくく、活物質の充填量を多くす
ることができる。結果として、この集電材を使用した電
池は、容量が増大する。また、流体流により形成された
開孔に残存した不織布の繊維によっても集電できるた
め、集電性能も優れている。さらに、不織布の繊維が束
状となり、1本のめっき断面積が広くなるため、電気抵
抗を低くすることができ、この点からも集電性能に優れ
た集電材が得られるという効果を奏する。
維の繊度が0.01dtex〜30dtexの範囲であ
るので、繊維束を形成し易く十分な孔の面積を確保でき
るため活物質の充填密度を高めることができ、繊維表面
積が大きくなるため十分な集電性能が得られるという効
果を奏する。
又は2に記載された集電材を用いるので、電池容量が大
きく、集電性能も優れた電池が得られるという効果を奏
する。
して示す概略平面図である。
斜視図である。
線断面図である。
る断面図である。
る断面図である。
繊維束、14…開孔、15…繊維、101…アルカリ二
次電池、102…正極、102a…ニッケル片、103
…負極、104…セパレータ、104a…第1セパレー
タ、104b…第2セパレータ、106…発電体、10
7…電池ケース、107a…缶底、108…封入板、1
09a…ロア絶縁体、109b…アッパ絶縁体。
Claims (3)
- 【請求項1】 電池用集電材であって、 流体流による開孔を有する不織布と、 前記不織布に施されためっきとを備えることを特徴とす
る電池用集電材。 - 【請求項2】 前記不織布の構成繊維の繊度は、0.0
1dtex〜30dtexの範囲であることを特徴とす
る、請求項1に記載の電池用集電材。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載された集電材を用
いることを特徴とする電池。
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