JP2002198026A - 電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

電池用セパレータ及びその製造方法

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JP2002198026A
JP2002198026A JP2000396134A JP2000396134A JP2002198026A JP 2002198026 A JP2002198026 A JP 2002198026A JP 2000396134 A JP2000396134 A JP 2000396134A JP 2000396134 A JP2000396134 A JP 2000396134A JP 2002198026 A JP2002198026 A JP 2002198026A
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sulfuric acid
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fiber
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Kazuya Sato
和哉 佐藤
Toshiaki Takase
俊明 高瀬
Hiroaki Yamazaki
洋昭 山崎
Masanao Tanaka
政尚 田中
Hiroyuki Imai
浩之 今井
Eiko Kanda
栄子 神田
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Japan Vilene Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
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Japan Vilene Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液の保持性に優れ、しかも、自己放電抑
制作用に優れた電池用セパレータ及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 前記電池用セパレータは、硫酸含有酸化
チタンを含有する多孔質体を含み、セパレータ中のイオ
ウ濃度が0.1mol/m3以上である。前記製造方法
では、焼成温度が300〜700℃である硫酸法により
製造された酸化チタンが、表面に露出するように繊維を
紡糸した後、その繊維を用いて多孔質体を形成するか、
あるいは、多孔質体を形成した後に、前記酸化チタンを
多孔質体表面に固着させるか、あるいは、前記酸化チタ
ンが繊維表面に固着している繊維を形成した後、その繊
維を用いて多孔質体を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルカリ電池の正極と負極と
を分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起
電反応を円滑に行うことができるように、正極と負極と
の間にセパレータが使用されている。このセパレータ
は、電解液(例えば、水酸化カリウムなど)によって侵
されないことが必要であるため、耐アルカリ性に優れる
ポリオレフィン系繊維からなるセパレータが好適に使用
されている。しかしながら、ポリオレフィン系繊維は電
解液との親和性が低いため、電解液保持性が悪いという
欠点があった。従来より、ポリオレフィン系繊維の電解
液保持性を向上させる手段の一つとして、酸化チタンを
セパレータ基材に付与することが提案されている(特開
平11−315472号公報)。しかしながら、このセ
パレータは電解液の保持性の向上はなされるものの、自
己放電抑制効果が悪いという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、従来技術の前記の欠点を解消し、電解液の保持性に
優れ、しかも、自己放電抑制作用に優れた電池用セパレ
ータ及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題は、本
発明による、硫酸含有酸化チタンを含有する多孔質体を
含む電池用セパレータであって、前記電池用セパレータ
中のイオウ濃度が0.1mol/m3以上であることを
特徴とする、前記電池用セパレータにより解決すること
ができる。本発明の好ましい電池用セパレータ(以下、
内含繊維型セパレータと称することがある)では、多孔
質体が繊維を含んでおり、この繊維中に硫酸含有酸化チ
タンが含まれている。本発明の別の好ましい電池用セパ
レータ(以下、表面固着型セパレータと称することがあ
る)では、硫酸含有酸化チタンが、多孔質体表面に固着
している。
【0005】また、本発明は、硫酸含有酸化チタンが表
面に露出するように繊維を紡糸した後、その繊維を用い
て多孔質体を形成する、前記内含繊維型セパレータの製
造方法であって、前記硫酸含有酸化チタンとして、焼成
温度が300〜700℃の硫酸法により製造された酸化
チタンを用いることを特徴とする、前記製造方法に関す
る。また、本発明は、多孔質体を形成した後に、硫酸含
有酸化チタンを前記多孔質体表面に固着させる、前記表
面固着型セパレータの製造方法であって、前記硫酸含有
酸化チタンとして、焼成温度が300〜700℃の硫酸
法により製造された酸化チタンを用いることを特徴とす
る、前記製造方法に関する。更に、本発明は、硫酸含有
酸化チタンが繊維表面に固着している繊維を形成した
後、その繊維を用いて多孔質体を形成する、前記表面固
着型セパレータの製造方法であって、前記硫酸含有酸化
チタンとして、焼成温度が300〜700℃の硫酸法に
より製造された酸化チタンを用いることを特徴とする、
前記製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の電池用セパレータを構成
することのできる多孔質体は、特に限定されるものでは
ないが、例えば、不織布、織物、若しくは編物などの繊
維質多孔質体、又は多孔フィルム、若しくはネット、あ
るいはこれらの複合体であることができる。形態安定
性、極板間の絶縁性、そして、構造的に電解液の保持性
に優れている点で、不織布を含むことが好ましく、不織
布からなることがより好ましい。
【0007】繊維質多孔質体を構成することのできる繊
維の種類は、電池用セパレータに一般に用いられている
繊維である限り、特に限定されるものではないが、耐ア
ルカリ性に優れている点で、ポリオレフィン系繊維又は
ポリアミド系繊維が好ましく、アンモニアを発生しにく
い点で、ポリオレフィン系繊維がより好ましい。
【0008】ポリオレフィン系繊維は、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレ
ン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−プロピ
レンコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマ
ー、エチレン−アクリル酸コポリマー、又はエチレン−
メタクリル酸コポリマーなどの1種又はそれ以上からな
ることができる。ポリアミド系繊維は、例えば、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン12、又はナイロン6と
ナイロン12との共重合体などの1種又はそれ以上から
なることができる。
【0009】また、繊維質多孔質体を構成することので
きる繊維は、単一成分のみからなることができるだけで
なく、複数の樹脂成分を適宜組み合わせた複合繊維、例
えば、2種類の樹脂成分からなる場合には、図1又は図
2に示すように、或る樹脂成分11、及びそれとは異な
る樹脂成分12からなり、横断面の中心部(中心又はそ
の付近)から放射状に延びる直線(図1)又は曲線(図
2)で相互に分割されている横断面を有する複合繊維
1;図3又は図4に示すように、或る樹脂成分11、及
びそれとは異なる樹脂成分12からなり、横断面の中心
部(中心又はその付近)から放射状に延びる直線(図
3)又は曲線(図4)で相互に分割されている横断面で
あって、かつ横断面の中心部(中心又はその付近)に樹
脂成分11若しくは樹脂成分12のいずれかの樹脂成分
を有する横断面を有する複合繊維1;又は図5に示すよ
うに、或る樹脂成分11、及びそれとは異なる樹脂成分
12が層状に積層されている横断面を有する多重バイメ
タル状の複合繊維などを使用することができ、更には、
繊維横断面が同芯円若しくは偏芯の芯鞘型複合繊維、海
島型複合繊維、又はサイドバイサイド型複合繊維などを
使用することができる。これらの複合繊維は、例えば、
機械的作用又は化学的作用によって分割可能であるか、
あるいは、熱の作用によって融着可能であることができ
る。
【0010】繊維質多孔質体を構成する繊維の繊維径
も、特に限定されるものではないが、好ましくは0.0
1〜50μmである。繊維質多孔質体の面密度も、特に
限定されるものではないが、好ましくは30〜100g
/m2である。
【0011】本発明の電池用セパレータに用いることの
できる硫酸含有酸化チタンは、セパレータに含有された
場合に、前記セパレータにおけるイオウ濃度を0.1m
ol/m3以上とすることのできる量の硫酸を含有する
酸化チタンである限り、特に限定されるものではない。
このような硫酸含有酸化チタンは、例えば、通常の焼成
温度よりも低い温度で焼成工程を実施する硫酸法により
得ることができるし、あるいは、通常の硫酸法又は塩素
法で得られた酸化チタンを、スルホン化処理することに
より得ることもできる。前記スルホン化処理としては、
特に限定されるものではないが、例えば、発煙硫酸、硫
酸、三酸化イオウ、クロロ硫酸、又は塩化スルフリルに
よる処理などを挙げることができる。
【0012】酸化チタン製造方法の1つである硫酸法の
基本工程は、(1)濃硫酸による鉱石の溶解、(2)溶
液の清澄化、(3)加水分解による含水酸化チタンの沈
殿、(4)含水酸化チタンの洗浄、(5)焼成、(6)
粉砕、及び(7)表面処理からなる。通常の硫酸法にお
いては、900℃以上で焼成工程(5)を実施すること
により、酸化チタン中の水分及び硫酸を蒸発、分解、及
び脱離させるが、焼成温度を300〜700℃(好まし
くは300〜600℃)に下げることにより、硫酸量の
多い酸化チタンを得ることができる。焼成温度が700
℃を越えると、酸化チタンの硫酸濃度が低くなり、この
ような酸化チタンをそのまま多孔質体に含ませても、ア
ンモニアの吸着を充分に行なうことができず、期待する
自己放電抑制作用が低くなることがある。焼成温度が3
00℃未満であると、加水分解反応による酸化チタンの
結晶化が不充分となり、このような酸化チタンを多孔質
体に含ませると、電解液と反応し、電解液濃度を低下さ
せて、サイクル寿命を低下させる傾向がある。
【0013】本発明の電池用セパレータにおいては、硫
酸含有酸化チタンを含み、セパレータ中のイオウ濃度が
0.1mol/m3以上であるため、優れた自己放電抑
制作用を示し、更に、優れた電解液保持性も示す。その
作用機序は、以下に示す理由によるものと本発明者は考
えているが、但し、本発明は、以下の作用機序に限定さ
れるものではない。すなわち、自己放電は、電池中のア
ンモニアの存在により進行する。アンモニアは、ポリア
ミド繊維から形成されたセパレータの酸化分解によって
発生したり、正極活物質中に存在するものと考えられ
る。これらのアンモニアが正極活物質の充電生成物であ
るNiOOHを還元することにより自己放電が進行す
る。セパレータ中のイオウ濃度が0.1mol/m3
上であれば、このアンモニアと化学結合を起こすことに
よりアンモニアを効率的に吸着することができる。その
ため、正極活物質の充電生成物であるNiOOHとアン
モニアとの接触が抑制され、アンモニアによるNiOO
Hの還元が起こりにくくなり、その結果、自己放電が抑
制される。また、酸化チタンは親水性に優れるため、電
解液の保持性にも優れている。
【0014】本発明の電池用セパレータにおいては、セ
パレータ中のイオウ濃度が0.1mol/m3以上であ
る限り、特に限定されるものではないが、好ましくは
0.4mol/m3以上であり、より好ましくは1.6
mol/m3以上である。0.1mol/m3未満では、
充分な自己放電抑制作用を得ることができない。また、
その上限は特に限定されるものではないが、セパレータ
中のイオウ濃度は、5.6mol/m3以下であること
が好ましく、4.8mol/m3以下であることがより
好ましい。イオウ濃度が5.6mol/m3を越える
と、電解液と反応し、電解液濃度を低下させて、電池の
サイクル寿命を低下させる傾向がある。
【0015】なお、セパレータ中のイオウ濃度は、例え
ば、蛍光X線により測定することができる。より具体的
には、後述の実施例における「物性評価(1)イオウ濃
度の測定」欄に記載の手順により算出することができ
る。
【0016】多孔質体中の硫酸含有酸化チタンの含有量
は、セパレータ中のイオウ濃度が0.1mol/m3
上となる限り、特に限定されるものではなく、酸化チタ
ンに含まれる硫酸濃度に応じて適宜決定することができ
るが、5〜70g/m2であるのが好ましく、20〜6
0g/m2であることがより好ましい。5g/m2未満で
あると、セパレータのイオウ濃度を0.1mol/m3
以上とすることが困難になる傾向があり、70g/m2
を越えると、電解液と反応し、電解液濃度を低下させ
て、電池のサイクル寿命を低下させる傾向がある。な
お、繊維中に硫酸含有酸化チタンを含んでいる場合、7
0g/m2を越えると、繊維中に硫酸含有酸化チタンが
占める割合が大きくなり、充分な繊維強度が得られない
場合がある。
【0017】硫酸含有酸化チタンの比表面積は、10m
2/g以上であることが好ましく、30〜250m2/g
であることがより好ましい。比表面積が10m2/g未
満であると、硫酸含有酸化チタンに吸着されるアンモニ
ア量が少なく、充分な自己放電抑制作用が得られない場
合がある。また、比表面積が250m2/gを越える
と、電解液を吸着し、電解液の濃度を低下させ、電池の
サイクル寿命を低下させる傾向がある。なお、この比表
面積はBET法により得られる値をいう。
【0018】本発明の電池用セパレータにおいて、硫酸
含有酸化チタンは多孔質体に粒子及び/又は凝集体の状
態で含有されている。その含有状態は、前記硫酸含有酸
化チタンが、電池中に発生するアンモニアと接触するこ
とができる限り、特に限定されるものではない。例え
ば、多孔質体表面に硫酸含有酸化チタン粒子及び/又は
硫酸含有酸化チタン凝集体を固着させることもできる
し、あるいは、多孔質体が繊維を含む場合には、繊維中
に硫酸含有酸化チタン粒子及び/又は硫酸含有酸化チタ
ン凝集体を含ませることもできる。
【0019】硫酸含有酸化チタンが多孔質表面に固着し
ている本発明の電池用セパレータは、例えば、常法によ
り多孔質体を形成した後に、所定濃度の硫酸を含有する
酸化チタン(例えば、焼成温度が300〜700℃であ
る硫酸法により製造された酸化チタン)を付与し、固着
するか、あるいは、所定濃度の硫酸を含有する酸化チタ
ン(例えば、焼成温度が300〜700℃である硫酸法
により製造された酸化チタン)が繊維表面に固着してい
る繊維を形成した後に、常法により多孔質体を形成する
ことにより製造することができる。多孔質体の常法によ
る製造方法としては、例えば、不織布の場合には、例え
ば、カード法、エアレイ法、湿式法、スパンボンド法、
又はメルトブロー法などにより得られる繊維ウエブを、
ニードルパンチや水流などの流体流により絡合する方
法、熱融着性繊維を含む繊維ウエブを熱処理、又は熱処
理と加圧処理とにより融着する方法、あるいは、繊維ウ
エブを接着剤により接着する方法などを挙げることがで
きる。
【0020】多孔質体や繊維の表面上に硫酸含有酸化チ
タンを付与し、固着する方法は、特に限定されるもので
はないが、例えば、硫酸含有酸化チタンを結着剤と混合
したペーストを、例えば、ドット加工又は含浸などによ
り多孔質体や繊維の表面上に均一に分散させ、固定する
方法を挙げることができる。この方法によると、硫酸含
有酸化チタンを多孔質体や繊維の表面上に均一に分散さ
せ、固定することができ、しかも、工程が簡単であり、
処理が容易である。結着剤としては、特に限定されるも
のではないが、電池反応に悪影響を及ぼすことがない点
で、親水性結着剤(例えば、カルボキシメチルセルロー
ス又はポリビニルアルコールなど)が好ましい。硫酸含
有酸化チタンが多孔質体表面に固着していると、硫酸含
有酸化チタンによるアンモニア吸着や電解液の保持性に
優れている。
【0021】多孔質体が繊維を含んでおり、この繊維中
に硫酸含有酸化チタンが含まれている本発明の電池用セ
パレータは、例えば、所定濃度の硫酸を含有する酸化チ
タン(例えば、焼成温度が300〜700℃である硫酸
法により製造された酸化チタン)が表面に露出するよう
に繊維を紡糸した後、その繊維を用いて多孔質体を形成
することにより製造することができる。繊維の全質量に
対する硫酸含有酸化チタンの含有量は、例えば、使用す
る繊維の繊度及び硫酸含有酸化チタンの平均粒径に応じ
て適宜選択することができるが、紡糸性が良好であり、
充分な繊維強度を得るためには、繊維質量に対して硫酸
含有酸化チタン含有量が50質量%以下であることが好
ましい。一方、繊維質量に対して硫酸含有酸化チタン含
有量が10質量%未満であると、セパレータ中に含まれ
る硫酸含有酸化チタン量が少なくなり、電池中のアンモ
ニアを充分に吸着することができないことがあるため、
10質量%以上であることが好ましい。また、紡糸する
繊維を芯鞘型複合繊維とし、鞘部のみに硫酸含有酸化チ
タンを練入すると、硫酸含有酸化チタンが表面に出やす
く、しかも、芯部により繊維強度が保たれるため、特に
好ましい。
【0022】硫酸含有酸化チタンが多孔質体を構成する
繊維中に含まれていると、硫酸含有酸化チタンが均一に
分散することができ、電池内部での電解液のバラツキや
アンモニア捕捉のバラツキが低減される。なお、多孔質
体が繊維を含んでおり、この繊維中に硫酸含有酸化チタ
ンが含まれている本発明の電池用セパレータにおいて
は、セパレータ中のイオウ濃度が0.1mol/m3
上であれば良いため、全ての繊維が硫酸含有酸化チタン
を含むこともできるし、あるいは、硫酸含有酸化チタン
を含む繊維と硫酸含有酸化チタンを含まない繊維とが混
合していることもできる。
【0023】本発明の電池用セパレータは、任意の電池
においてセパレータとして用いることができるが、特に
はニッケル−カドミウム電池又はニッケル水素電池に用
いるのが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。なお、酸化チタンが硫酸を含むか否かは、X線光電
子分光計を用いて確認した。
【実施例1】芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分
が低密度ポリエチレンからなる芯鞘型接着性繊維(繊度
=1.2dtex,繊維長=10mm)100mass
%を分散させたスラリーから、湿式抄造法により繊維ウ
エブを形成した。次いで、この繊維ウエブを無圧下及び
温度120℃で10秒間加熱した後、線圧力9.8N/
cmのカレンダーロール間を通すことにより、芯鞘型接
着性繊維の低密度ポリエチレン成分のみを接着し、不織
布(面密度=55g/m2,厚さ=0.18mm)を形
成した。
【0025】次いで、硫酸法(焼成温度=500℃)に
より製造した硫酸含有酸化チタン(平均粒径=0.05
μm,比表面積=105m2/g)50mass%と、
結着剤である1%カルボキシメチルセルロース水溶液5
0mass%との混合ペーストを、直径0.7mmの穴
を5mm間隔のピッチで1cm2当たり約4個ずつ配し
てなるドット加工用スクリーンと、スクリーンコーター
とを用いて、前記不織布上にドット状に付着させた。そ
の後、硫酸含有酸化チタンを付着させた不織布を、温度
80℃のドライヤー中で3時間乾燥し、硫酸含有酸化チ
タンを不織布に固定した。次いで、硫酸含有酸化チタン
を固定した不織布を線圧力9.8N/cmのカレンダー
ロール間に通すことにより、本発明のセパレータ(厚さ
=0.15mm)を得た。このセパレータ中の硫酸含有
酸化チタン量は、40g/m2であった。
【0026】
【実施例2】実施例1において使用した硫酸含有酸化チ
タンの代わりに、硫酸含有酸化チタン(焼成温度=30
0℃,平均粒径=0.02μm,比表面積=200m2
/g)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返す
ことにより、本発明のセパレータを作製した。
【0027】
【実施例3】実施例1において使用した硫酸含有酸化チ
タンの代わりに、硫酸含有酸化チタン(焼成温度=60
0℃,平均粒径=0.1μm,比表面積=60m2
g)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返すこ
とにより、本発明のセパレータを作製した。
【0028】
【実施例4】実施例1において使用した硫酸含有酸化チ
タンの代わりに、硫酸含有酸化チタン(焼成温度=65
0℃,平均粒径=0.1μm,比表面積=50m2
g)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返すこ
とにより、本発明のセパレータを作製した。
【0029】
【実施例5】実施例1において使用した硫酸含有酸化チ
タンの代わりに、硫酸含有酸化チタン(焼成温度=70
0℃,平均粒径=0.2μm,比表面積=40m2
g)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返すこ
とにより、本発明のセパレータを作製した。
【0030】
【比較例1】実施例1において使用した硫酸含有酸化チ
タンの代わりに、硫酸含有酸化チタン(焼成温度=80
0℃,平均粒径=0.3μm,比表面積=30m2
g)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返すこ
とにより、比較用のセパレータを作製した。
【0031】
【比較例2】実施例1において使用した硫酸含有酸化チ
タンの代わりに、塩素法により製造された市販の硫酸を
含まない酸化チタン(P−25;デグサ社製)を用いた
こと以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、比
較用のセパレータを作製した。
【0032】
【比較例3】芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分
が低密度ポリエチレンからなる芯鞘型接着性繊維(繊度
=1.2dtex,繊維長=10mm)100mass
%を分散させたスラリーから、湿式抄造法により繊維ウ
エブを形成した。次いで、この繊維ウエブを無圧下及び
温度120℃で10秒間加熱した後、線圧力9.8N/
cmのカレンダーロール間を通すことにより、芯鞘型接
着性繊維の低密度ポリエチレン成分のみを接着し、比較
用のセパレータ(面密度=55g/m2,厚さ=0.1
8mm)を得た。
【0033】
【物性評価】(1)イオウ濃度の測定 実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した各セパレータ
のイオウ濃度を、以下の手順で測定した。まず、実施例
1〜5及び比較例1〜3で作製した各セパレータの測定
に先だって、既知濃度のイオウを含有する複数の不織布
を用いて、イオウのX線強度とイオウ濃度との関係を導
き出した。すなわち、種々濃度(0.1、1、2、3、
4、及び5mol/m3)のイオウを含有する各不織布
について、蛍光X線(管電圧=50KV,管電流=50
mA,時間=50秒間,照射面積=直径30mmの円
内)により、イオウのX線強度を測定した。続いて、同
じ不織布(すなわち、イオウのX線強度の測定に使用し
た前記不織布)について、酸素燃焼フラスコ法を用い
て、イオンクロマトグラフィーにより、イオウ濃度を測
定した。イオウのX線強度に関する各測定値と、イオウ
濃度に関する各測定値とから、イオウのX線強度とイオ
ウ濃度との関係を示す検量線を作成し、関係式を導き出
した。
【0034】次に、実施例1〜5及び比較例1〜3で作
製した各セパレータについて、蛍光X線(管電圧=50
KV,管電流=50mA,時間=50秒間,照射面積=
直径30mmの円内)により、イオウのX線強度を測定
した。先に導き出した関係式から、実施例1〜5及び比
較例1〜3で作製した各セパレータのイオウ濃度を算出
した。結果を表1に示す。
【0035】(2)自己放電抑制率の測定 電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペース
ト式ニッケル正極(幅=30mm,長さ=190mm)
と、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水素吸蔵合金
(メッシュメタル系合金,幅=30mm,長さ=210
mm)とを作製した。実施例1〜5及び比較例1〜3で
作製した各セパレータを裁断してセパレータサンプル
(幅=35mm,長さ=450mm)を作製し、先に作
製した正極と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回し
て、SC型対応の電極群を作製した。このSC型対応の
電極群を外装缶に収納し、電解液として7.2mol/
L水酸化カリウム及び1.0mol/L水酸化リチウム
を外装缶に注入した後、封缶して円筒型ニッケル−水素
電池を作製した。この円筒型ニッケル−水素電池を、
0.1Cで120%(容量比)充電し、0.1Cで放電
し、終止電圧1.0Vでの初期容量(A)を測定した。
続いて、0.1Cで120%(容量比)充電し、65℃
で5日間放置した後、0.1Cで放電し、終止電圧1.
0Vでの容量(B)を測定した。これらの測定結果か
ら、次式(1)により自己放電抑制率を算出した。 自己放電抑制率(%)=(B/A)×100% (1) 結果を表1に示す。
【0036】(3)加圧保液率の測定 実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した各セパレータ
から、直径30mmの円形に裁断して調製したセパレー
タサンプル(各セパレータ毎に4枚)を、温度20℃且
つ相対湿度65%の状態下で、水分平衡に至らせた後、
質量(M0)を測定した。次に、セパレータサンプル中
の空気を水酸化カリウム溶液で置換するように、比重
1.3(20℃)の水酸化カリウム溶液中に1時間浸漬
し、水酸化カリウム溶液を保持させた。次に、このセパ
レータサンプルを上下3枚ずつの正方形ろ紙(40mm
角)で挟み、加圧ポンプにより、5.7MPaの圧力を
30秒間作用させた後、セパレータサンプルの質量(M
1)を測定した。そして、次の式(2)により、加圧保
液率を求めた。なお、この測定は、各セパレータについ
て、4枚のセパレータサンプルに対して行ない、その平
均を加圧保液率とした。 加圧保液率(%)=[(M1−M0)/M0]×100 (2) 結果を表1に示す。
【0037】 《表1》 イオウ濃度 自己放電抑 加圧保液率 (mol/m3) 制率(%) (%) 実施例1 3.0 50 15 実施例2 4.5 52 15 実施例3 2.0 50 15 実施例4 1.0 40 15 実施例5 0.2 38 14 比較例1 0.05 12 14 比較例2 0 6 14比較例3 0 4 1 表1に示すように、本発明のセパレータは、電池内部の
アンモニアを捕捉することができるため、自己放電抑制
効果に優れると共に、親水性に優れる酸化チタンを含む
ため、保液性に優れるものであった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、電解液の保持性に優
れ、しかも、自己放電抑制作用に優れた電池用セパレー
タを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る別の複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る更に別の複合繊維の断面を模式的に示す断面図であ
る。
【図4】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る更に別の複合繊維の断面を模式的に示す断面図であ
る。
【図5】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る更に別の複合繊維の断面を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1・・・複合繊維;11,12・・・樹脂成分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 俊明 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 山崎 洋昭 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 田中 政尚 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 今井 浩之 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社内 (72)発明者 神田 栄子 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社内 Fターム(参考) 4L031 BA09 BA17 CA08 DA00 4L047 AA14 AA27 BA09 BA21 BB01 BB02 BB09 CC12 DA00 5H021 BB01 BB07 BB09 BB12 BB20 CC02 CC03 CC04 CC05 CC07 CC08 EE04 EE07 EE15 EE18 EE22 EE23 EE27 HH00 HH01 HH06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸含有酸化チタンを含有する多孔質体
    を含む電池用セパレータであって、前記電池用セパレー
    タ中のイオウ濃度が0.1mol/m3以上であること
    を特徴とする、前記電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 多孔質体が繊維を含んでおり、この繊維
    中に硫酸含有酸化チタンが含まれている、請求項1に記
    載の電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 硫酸含有酸化チタンが、多孔質体表面に
    固着している、請求項1又は請求項2に記載の電池用セ
    パレータ。
  4. 【請求項4】 硫酸含有酸化チタンが表面に露出するよ
    うに繊維を紡糸した後、その繊維を用いて多孔質体を形
    成する、請求項2に記載の電池用セパレータの製造方法
    であって、前記硫酸含有酸化チタンとして、焼成温度が
    300〜700℃の硫酸法により製造された酸化チタン
    を用いることを特徴とする、前記製造方法。
  5. 【請求項5】 多孔質体を形成した後に、硫酸含有酸化
    チタンを前記多孔質体表面に固着させる、請求項3に記
    載の電池用セパレータの製造方法であって、前記硫酸含
    有酸化チタンとして、焼成温度が300〜700℃の硫
    酸法により製造された酸化チタンを用いることを特徴と
    する、前記製造方法。
  6. 【請求項6】 硫酸含有酸化チタンが繊維表面に固着し
    ている繊維を形成した後、その繊維を用いて多孔質体を
    形成する、請求項3に記載の電池用セパレータの製造方
    法であって、前記硫酸含有酸化チタンとして、焼成温度
    が300〜700℃の硫酸法により製造された酸化チタ
    ンを用いることを特徴とする、前記製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007095668A (ja) * 2005-08-31 2007-04-12 Asahi Kasei Chemicals Corp セパレータ及びその製造方法
JP2010114173A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Nippon Kodoshi Corp セパレータ及び該セパレータを用いた固体電解コンデンサ
JP2019179678A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社日本触媒 電気化学素子用隔膜、及びその用途

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