JP2002198024A - 電池用セパレータ - Google Patents

電池用セパレータ

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JP2002198024A
JP2002198024A JP2000396133A JP2000396133A JP2002198024A JP 2002198024 A JP2002198024 A JP 2002198024A JP 2000396133 A JP2000396133 A JP 2000396133A JP 2000396133 A JP2000396133 A JP 2000396133A JP 2002198024 A JP2002198024 A JP 2002198024A
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fiber
battery
acidic
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JP2000396133A
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English (en)
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Kazuya Sato
和哉 佐藤
Toshiaki Takase
俊明 高瀬
Hiroaki Yamazaki
洋昭 山崎
Masanao Tanaka
政尚 田中
Hiroyuki Imai
浩之 今井
Eiko Kanda
栄子 神田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電解液の保持性に優れ、しかも、自己放電抑
制作用に優れた電池用セパレータを提供する。 【解決手段】 前記電池用セパレータは、アルカリ電解
液中で安定である天然鉱物又は金属酸化物、あるいはそ
れらの粒子に酸を付着させた酸性固体をポリオレフィン
又はポリアシド繊維からなる多孔質体に固着したもの
で、酸強度が4.8以下、酸性固体の含有量が5〜70
g/mである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルカリ電池の正極と負極と
を分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起
電反応を円滑に行うことができるように、正極と負極と
の間にセパレータが使用されている。このセパレータ
は、電解液(例えば、水酸化カリウムなど)によって侵
されないことが必要であるため、耐アルカリ性に優れる
ポリオレフィン系繊維からなるセパレータが好適に使用
されている。しかしながら、ポリオレフィン系繊維は電
解液との親和性が低いため、電解液保持性が悪いという
欠点があった。従来より、ポリオレフィン系繊維の電解
液保持性を向上させる手段の一つとして、無機粉体をシ
ートに含ませることが提案されている。しかしながら、
このセパレータは電解液保持性の向上はなされるもの
の、自己放電抑制効果が悪いという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、従来技術の前記の欠点を解消し、電解液の保持性に
優れ、しかも、自己放電抑制作用に優れた電池用セパレ
ータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題は、本
発明による、酸強度が+4.8以下である酸性固体を含
む多孔質体を含むことを特徴とする、電池用セパレータ
により解決することができる。本発明の好ましい電池用
セパレータでは、電池用セパレータ中の酸性固体の含有
量が、5〜70g/m2である。本発明の更に好ましい
電池用セパレータでは、酸性固体の比表面積が10m2
/g以上である。本発明の更に好ましい電池用セパレー
タでは、多孔質体が繊維を含んでおり、この繊維中に酸
性固体が含まれている。本発明の更に好ましい電池用セ
パレータでは、酸性固体が、多孔質体表面に固着してい
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の電池用セパレータを構成
することのできる多孔質体は、特に限定されるものでは
ないが、例えば、不織布、織物、若しくは編物などの繊
維質多孔質体、又は多孔フィルム、若しくはネット、あ
るいはこれらの複合体であることができる。形態安定
性、極板間の絶縁性、そして、構造的に電解液の保持性
に優れている点で、不織布を含むことが好ましく、不織
布からなることがより好ましい。
【0006】繊維質多孔質体を構成することのできる繊
維の種類は、電池用セパレータに一般に用いられている
繊維である限り、特に限定されるものではないが、耐ア
ルカリ性に優れている点で、ポリオレフィン系繊維又は
ポリアミド系繊維が好ましく、アンモニアを発生しにく
い点で、ポリオレフィン系繊維がより好ましい。
【0007】ポリオレフィン系繊維は、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレ
ン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−プロピ
レンコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマ
ー、エチレン−アクリル酸コポリマー、又はエチレン−
メタクリル酸コポリマーなどの1種又はそれ以上からな
ることができる。ポリアミド系繊維は、例えば、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン12、又はナイロン6と
ナイロン12との共重合体などの1種又はそれ以上から
なることができる。
【0008】また、繊維質多孔質体を構成することので
きる繊維は、単一成分のみからなることができるだけで
なく、複数の樹脂成分を適宜組み合わせた複合繊維、例
えば、2種類の樹脂成分からなる場合には、図1又は図
2に示すように、或る樹脂成分11、及びそれとは異な
る樹脂成分12からなり、横断面の中心部(中心又はそ
の付近)から放射状に延びる直線(図1)又は曲線(図
2)で相互に分割されている横断面を有する複合繊維
1;図3又は図4に示すように、或る樹脂成分11、及
びそれとは異なる樹脂成分12からなり、横断面の中心
部(中心又はその付近)から放射状に延びる直線(図
3)又は曲線(図4)で相互に分割されている横断面で
あって、かつ横断面の中心部(中心又はその付近)に樹
脂成分11若しくは樹脂成分12のいずれかの樹脂成分
を有する横断面を有する複合繊維1;又は図5に示すよ
うに、或る樹脂成分11、及びそれとは異なる樹脂成分
12が層状に積層されている横断面を有する多重バイメ
タル状の複合繊維などを使用することができ、更には、
繊維横断面が同芯円若しくは偏芯の芯鞘型複合繊維、海
島型複合繊維、又はサイドバイサイド型複合繊維などを
使用することができる。これらの複合繊維は、例えば、
機械的作用又は化学的作用によって分割可能であるか、
あるいは、熱の作用によって融着可能であることができ
る。
【0009】繊維質多孔質体を構成する繊維の繊維径
も、特に限定されるものではないが、好ましくは0.0
1〜50μmである。繊維質多孔質体の面密度も、特に
限定されるものではないが、好ましくは30〜100g
/m2である。
【0010】本発明の電池用セパレータに用いることの
できる酸性固体は、酸強度(Ho:ハメット定数)が+
4.8以下である酸性固体である限り、特に限定される
ものではない。本明細書において、「酸性固体」とは、
塩基にプロトンを与えることができるか、あるいは、塩
基から電子対を受け取ることができる酸性点を、表面に
有する固体を意味する。
【0011】酸性固体の酸強度は、中性塩基(B)の指
示薬群を用いて、酸性固体を含む溶液がこれらの指示薬
にプロトン移動させる傾向を、その指示薬の変色で判断
することができる。前記の「酸強度(Ho:ハメット定
数)」は、「溶液の酸度(ho)」から算出することが
でき、その「溶液の酸度(ho)」は、以下の式(1)
から算出することができる。 ho = KBH+(CBH+/CB) (1) ここで、KBH+は、指示薬の酸型BH+の解離定数であ
り、CBH+/CBは指示薬の共役酸BH+とその共役塩基
Bの濃度比を意味する。続いて、前記の「溶液の酸度
(ho)」から「酸強度(Ho:ハメット定数)」を以
下の式(2)により算出することができる。 Ho = −log ho (2) この酸強度(Ho)が小さい値になるほど、酸性固体を
含む溶液の中性塩基に対するプロトン供与性が大きく、
酸性度が高いことを示す。
【0012】この酸性固体の酸強度は、より具体的に
は、次のようにして判断することができる。すなわち、
酸性固体0.1g程度を試験管に入れ、ベンゼン3〜5
mlを加えた後、約0.1%の指示薬を含むベンゼン溶
液の少量を加えて色の変化を観察する。そして、使用し
た指示薬の色の変化によって、酸強度を判断することが
できる。
【0013】本発明の電池用セパレータに用いることの
できる酸性固体は、酸強度が+4.8以下である酸性固
体である限り、特に限定されるものではないが、アルカ
リ電解液中で安定である天然鉱物又は金属酸化物、ある
いは、それらの粒子に、酸(例えば、硫酸、リン酸、又
はマロン酸など)を付着させて調製した固形化酸が好ま
しい。前記天然鉱物としては、例えば、酸性白土、ベン
トナイト、ゼオライト、カオリナイト、又はフィルトロ
ールなどを挙げることができ、これらの天然鉱物1種類
又はそれ以上を酸性固体として用いることができる。金
属酸化物としては、例えば、SiO2、MgO、Ca
O、FeO、TiO2、ZrO2、V25、TaO5、又
はNb25などを挙げることができ、アルカリ電解液中
で安定であり、しかも、粒径のコントロールが容易であ
る点で、TiO2が好ましい。これらの金属酸化物1種
類又はそれ以上を酸性固体として用いることができる。
【0014】本発明の電池用セパレータは、酸強度が+
4.8以下である酸性固体を含むため、優れた自己放電
抑制作用を示し、更に、優れた電解液保持性も示す。そ
の作用機序は、以下に示す理由によるものと本発明者は
考えているが、但し、本発明は、以下の作用機序に限定
されるものではない。すなわち、自己放電は、電池中の
アンモニアの存在により進行する。アンモニアは、ポリ
アミド繊維から形成されたセパレータの酸化分解によっ
て発生したり、正極活物質中に存在するものと考えられ
る。これらのアンモニアが正極活物質の充電生成物であ
るNiOOHを還元することにより自己放電が進行す
る。セパレータ中の酸性固体の酸強度が+4.8以下で
あれば、このアンモニアと化学結合を起こすことにより
アンモニアを効率的に吸着することができる。そのた
め、正極活物質の充電生成物であるNiOOHとアンモ
ニアとの接触が抑制され、アンモニアによるNiOOH
の還元が起こりにくくなり、その結果、自己放電が抑制
される。また、酸強度が+4.8以下の酸性固体は親水
性に優れるため、酸性固体を含んでいることによって、
電解液との親和性が向上し、起電反応が円滑に進む。
【0015】本発明の電池用セパレータに用いることの
できる酸性固体の酸強度は、+4.8以下である限り、
特に限定されるものではないが、アンモニア吸着性に優
れ、しかも、電解液の濃度を低下させることがない点
で、−8.2〜+4.8であることが好ましく、−5.
6〜+3.3であることがより好ましい。酸強度が−
8.2未満であると、電解液と反応し、電解液濃度を低
下させて、電池のサイクル寿命を低下させることがあ
る。
【0016】本発明の電池用セパレータ中の酸性固体の
含有量は、充分なアンモニア吸着作用を示す限り、特に
限定されるものではないが、5〜70g/m2であるこ
とが好ましく、20〜60g/m2であることがより好
ましい。5g/m2未満であると、電池中のアンモニア
との充分な量の化学結合がなされないため、酸性固体に
よるアンモニア吸着の効果が得られず、自己放電抑制の
効果が得られない傾向がある。また、70g/m2を越
えると、電解液と反応し、電解液濃度を低下させ、電池
のサイクル寿命を低下させる不具合が生じる傾向があ
る。なお、繊維中に酸性固体を含んでいる場合、70g
/m2を越えると、繊維中に酸性固体が占める割合が大
きくなり、充分な繊維強度が得られない場合がある。
【0017】酸性固体の比表面積は、特に限定されるも
のではないが、10m2/g以上であることが好まし
く、30〜250m2/gであることがより好ましい。
比表面積が10m2/g未満であると、酸性固体に吸着
されるアンモニア量が少なく、充分な自己放電抑制作用
が得られない場合がある。また、比表面積が250m2
/gを越えると、電解液を吸着し、電解液の濃度を低下
させ、電池のサイクル寿命を低下させる傾向がある。な
お、この比表面積はBET法により得られる値をいう。
【0018】本発明の電池用セパレータにおいて、酸性
固体は多孔質体に粒子及び/又は凝集体として含有され
ている。その含有状態は、前記酸性固体が、電池中に発
生するアンモニアと接触することができる限り、特に限
定されるものではない。例えば、多孔質体表面に酸性固
体粒子及び/又は酸性固体凝集体を固着させることもで
きるし、あるいは、多孔質体が繊維を含む場合には、繊
維中に酸性固体粒子及び/又は酸性固体凝集体を含ませ
ることもできる。
【0019】酸性固体が多孔質表面に固着している本発
明の電池用セパレータは、例えば、常法により多孔質体
を形成した後に、酸性固体を付与し、固着するか、ある
いは、酸性固体が繊維表面に固着している繊維を形成し
た後に、常法により多孔質体を形成することにより製造
することができる。多孔質体の常法による製造方法とし
ては、例えば、不織布の場合には、例えば、カード法、
エアレイ法、湿式法、スパンボンド法、又はメルトブロ
ー法などにより得られる繊維ウエブを、ニードルパンチ
や水流などの流体流により絡合する方法、熱融着性繊維
を含む繊維ウエブを熱処理、又は熱処理と加圧処理とに
より融着する方法、あるいは、繊維ウエブを接着剤によ
り接着する方法などを挙げることができる。
【0020】多孔質体や繊維の表面上に酸性固体を付与
し、固着する方法は、特に限定されるものではないが、
例えば、酸性固体を結着剤と混合したペーストを、例え
ば、ドット加工又は含浸などにより多孔質体や繊維の表
面上に均一に分散させ、固定する方法を挙げることがで
きる。この方法によると、酸性固体を多孔質体や繊維の
表面上に均一に分散させ、固定することができ、しか
も、工程が簡単であり、処理が容易である。結着剤とし
ては、特に限定されるものではないが、電池反応に悪影
響を及ぼすことがない点で、親水性結着剤(例えば、カ
ルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコールな
ど)が好ましい。酸性固体が多孔質体表面に固着してい
ると、酸性固体によるアンモニア吸着や電解液の保持性
に優れている。
【0021】多孔質体が繊維を含んでおり、この繊維中
に酸性固体が含まれている本発明の電池用セパレータ
は、例えば、酸性固体が表面に露出するように繊維を紡
糸した後、その繊維を用いて多孔質体を形成することに
より製造することができる。繊維の全質量に対する酸性
固体の含有量は、例えば、使用する繊維の繊度及び酸性
固体の平均粒径に応じて適宜選択することができるが、
紡糸性が良好であり、充分な繊維強度を得るためには、
繊維質量に対して酸性固体含有量が50質量%以下であ
ることが好ましい。一方、繊維質量に対して酸性固体含
有量が10質量%未満であると、セパレータ中に含まれ
る酸性固体量が少なくなり、電池中のアンモニアを充分
に吸着することができないことがあるため、10質量%
以上であることが好ましい。また、紡糸する繊維を芯鞘
型複合繊維とし、鞘部のみに酸性固体を練入すると、酸
性固体が表面に出やすく、しかも、芯部により繊維強度
が保たれるため、特に好ましい。
【0022】酸性固体が多孔質体を構成する繊維中に含
まれていると、酸性固体を均一に分散することができ、
電池内部での電解液のバラツキやアンモニア捕捉のバラ
ツキが低減される。なお、多孔質体が繊維を含んでお
り、この繊維中に酸性固体が含まれている本発明の電池
用セパレータにおいては、自己放電抑制効果を得るのに
充分な量で酸性固体が含有されていればよいため、全て
の繊維が酸性固体を含むこともできるし、あるいは、酸
性固体を含む繊維と酸性固体を含まない繊維とが混合し
ていることもできる。
【0023】本発明の電池用セパレータは、任意の電池
においてセパレータとして用いることができるが、特に
はニッケル−カドミウム電池又はニッケル水素電池に用
いるのが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分
が低密度ポリエチレンからなる芯鞘型接着性繊維(繊度
=1.2dtex,繊維長=10mm)100mass
%を分散させたスラリーから、湿式抄造法により繊維ウ
エブを形成した。次いで、この繊維ウエブを無圧下及び
温度120℃で10秒間加熱した後、線圧力9.8N/
cmのカレンダーロール間を通すことにより、芯鞘型接
着性繊維の低密度ポリエチレン成分のみを接着し、不織
布(面密度=55g/m2,厚さ=0.18mm)を形
成した。
【0025】次いで、直径0.7mmの穴を5mm間隔
のピッチで1cm2当たり約4個ずつ配してなるドット
加工用スクリーンと、スクリーンコーターとを用いて、
酸化チタン(酸強度=−3.0〜−5.6,平均粒径=
0.05μm,比表面積=105m2/g)50mas
s%と、結着剤である1%カルボキシメチルセルロース
水溶液50mass%との混合ペーストを、前記不織布
上にドット状に付着させた。その後、酸化チタンを付着
させた不織布を、温度80℃のドライヤー中で3時間乾
燥し、酸化チタンを不織布に固定した。次いで、酸化チ
タンを固定した不織布を線圧力9.8N/cmのカレン
ダーロール間に通すことにより、本発明のセパレータ
(厚さ=0.15mm)を得た。このセパレータ中の酸
化チタン量は、40g/m2であった。
【0026】
【実施例2】実施例1において使用した酸化チタンの代
わりに、天然ゼオライト(酸強度=+1.0〜+3.
3,平均粒径=5μm,比表面積=200m2/g)を
用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返すことによ
り、本発明のセパレータを作製した。
【0027】
【実施例3】芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分
が酸化チタン(酸強度=−3.0〜−5.6,平均粒径
=0.5μm,比表面積=105m2/g)を20ma
ss%(繊維全体の質量基準)含む低密度ポリエチレン
からなる芯鞘型接着性繊維(繊度=1.2dtex,繊
維長=10mm)100mass%を分散させたスラリ
ーから、湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。次い
で、この繊維ウエブを無圧下にて温度120℃で10秒
間加熱した後、線圧力9.8N/cmのカレンダーロー
ル間を通すことにより、芯鞘型接着性繊維の低密度ポリ
エチレン成分のみを接着し、本発明のセパレータ(面密
度=55g/m2,厚さ=0.15mm)を得た。この
セパレータ中の酸化チタン量は、11g/m2であっ
た。
【0028】
【実施例4】実施例1において使用した酸化チタンの代
わりに、酸化チタン(酸強度=+3.3〜+4.8,平
均粒径=0.1μm,比表面積=60m2/g)を用い
たこと以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、
本発明のセパレータを作製した。
【0029】
【実施例5】実施例1において使用した酸化チタンの代
わりに、酸化チタン(酸強度=<−8.2,平均粒径=
0.02μm,比表面積=200m2/g)を用いたこ
と以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、本発
明のセパレータを作製した。
【0030】
【比較例1】芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分
が低密度ポリエチレンからなる芯鞘型接着性繊維(繊度
=1.2dtex,繊維長=10mm)100mass
%を分散させたスラリーから、湿式抄造法により繊維ウ
エブを形成した。次いで、この繊維ウエブを無圧下にて
温度120℃で10秒間加熱した後、線圧力9.8N/
cmのカレンダーロール間を通すことにより、芯鞘型接
着性繊維の低密度ポリエチレン成分のみを接着し、比較
用のセパレータ(面密度=55g/m2,厚さ=0.1
5mm)を得た。
【0031】
【比較例2】実施例1において使用した酸化チタンの代
わりに、酸化亜鉛(酸強度=>+4.8)を用いたこと
以外は、実施例1の操作を繰り返すことにより、比較用
のセパレータを作製した。
【0032】
【物性評価】(1)加圧保液率の測定 実施例1〜5及び比較例1〜2で作製した各セパレータ
から、直径30mmの円形に裁断して調製したセパレー
タサンプル(各セパレータ毎に4枚)を、温度20℃且
つ相対湿度65%の状態下で、水分平衡に至らせた後、
質量(M0)を測定した。次に、セパレータサンプル中
の空気を水酸化カリウム溶液で置換するように、比重
1.3(20℃)の水酸化カリウム溶液中に1時間浸漬
し、水酸化カリウム溶液を保持させた。次に、このセパ
レータサンプルを上下3枚ずつの正方形ろ紙(40mm
角)で挟み、加圧ポンプにより、5.7MPaの圧力を
30秒間作用させた後、セパレータサンプルの質量(M
1)を測定した。そして、次の式(1)により、加圧保
液率を求めた。なお、この測定は、各セパレータについ
て、4枚のセパレータサンプルに対して行ない、その平
均を加圧保液率とした。 加圧保液率(%)=[(M1−M0)/M0]×100 (1) 結果を表1に示す。なお、表1における「酸強度」欄の
記号「(−)」は、酸性固体を含まないことを意味す
る。
【0033】(2)縦方向における引張強度の測定 実施例1〜5及び比較例1〜2で作製したセパレータを
50mmの幅にそれぞれ切断してセパレータサンプルを
調製した後、引張試験機(テンシロンUCT−500;
オリエンテック製)を用いて行なった。100mmの間
隔を有する一対のチャックに幅50mmのセパレータサ
ンプルを設置した後、一方のチャックを300mm/分
の速度で引っ張ってセパレータサンプルが破断するまで
の最大荷重を測定した。結果を表1に示す。
【0034】(3)自己放電抑制率の測定 電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペース
ト式ニッケル正極(幅=30mm,長さ=190mm)
と、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水素吸蔵合金
(メッシュメタル系合金,幅=30mm,長さ=210
mm)とを作製した。実施例1〜5及び比較例1〜2で
作製したセパレータを裁断してセパレータサンプル(幅
=35mm,長さ=450mm)を、先に作製した正極
と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回して、SC型
対応の電極群を作製した。このSC型対応の電極群を外
装缶に収納し、電解液として7.2mol/L水酸化カ
リウム及び1.0mol/L水酸化リチウムを外装缶に
注入した後、封缶して円筒型ニッケル−水素電池を作製
した。この円筒型ニッケル−水素電池を、0.1Cで1
20%(容量比)充電し、0.1Cで放電し、終止電圧
1.0Vでの初期容量(A)を測定した。続いて、0.
1Cで120%(容量比)充電し、65℃で5日間放置
した後、0.1Cで放電し、終止電圧1.0Vでの容量
(B)を測定した。これらの測定結果から、次式(2)
により自己放電抑制率を算出した。 自己放電抑制率(%)=(B/A)×100% (2) 結果を表1に示す。
【0035】(4)電池サイクル寿命の測定 自己放電抑制率の測定と全く同様な電池を作製し、0.
2Cでの150%充電と、1Cで放電し、終止電圧1.
0Vになるまでの放電とからなる充放電サイクルを繰り
返し、放電容量が初期容量の50%となるまでの、充放
電サイクル数を測定した。結果を表1に示す。
【0036】 《表1》 酸強度 加圧保液率 引張強度 自己放電抑 サイクル寿命 (%) (N/5cm) 制率(%) (サイクル) 実施例1 -3.0〜-5.6 15 160 50 1000< 実施例2 +1.0〜+3.3 15 160 50 1000< 実施例3 -3.0〜-5.6 13 150 50 1000< 実施例4 +3.3〜+4.8 15 160 50 1000< 実施例5 <−8.2 15 160 50 1000< 比較例1 (−) 2 160 7 50>比較例2 >+4.8 14 160 8 1000<
【0037】表1に示すように、本発明のセパレータ
は、親水性に優れる酸性固体を含むため、保液性に優れ
るものであった。また、引張強度の劣化がなく、結果と
して電池生産時のショート不良率を低減することができ
ることが予想された。更に、電池内部のアンモニアを捕
捉することができるため、自己放電抑制効果に優れるも
のであった。更にまた、サイクル寿命の長いものであっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、電解液の保持性に優
れ、しかも、自己放電抑制作用に優れた電池用セパレー
タを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る別の複合繊維の断面を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る更に別の複合繊維の断面を模式的に示す断面図であ
る。
【図4】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る更に別の複合繊維の断面を模式的に示す断面図であ
る。
【図5】本発明の電池用セパレータに用いることができ
る更に別の複合繊維の断面を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・複合繊維;11,12・・・樹脂成分。
フロントページの続き (72)発明者 高瀬 俊明 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 山崎 洋昭 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 田中 政尚 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 (72)発明者 今井 浩之 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社内 (72)発明者 神田 栄子 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社内 Fターム(参考) 5H021 AA06 BB11 CC02 EE04 EE07 EE21 EE22 EE27 HH00 HH01 HH04 5H028 AA01 AA06 EE05 FF05 FF10 HH00 HH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸強度が+4.8以下である酸性固体を
    含む多孔質体を含むことを特徴とする、電池用セパレー
    タ。
  2. 【請求項2】 電池用セパレータ中の酸性固体の含有量
    が、5〜70g/m 2である、請求項1に記載の電池用
    セパレータ。
  3. 【請求項3】 酸性固体の比表面積が10m2/g以上
    である、請求項1又は2に記載の電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 多孔質体が繊維を含んでおり、この繊維
    中に酸性固体が含まれている、請求項1〜3のいずれか
    一項に記載の電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 酸性固体が、多孔質体表面に固着してい
    る、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池用セパレ
    ータ。
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