JP4084202B2 - アンモニアガス捕捉複合繊維、アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池 - Google Patents

アンモニアガス捕捉複合繊維、アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンモニアガス捕捉複合繊維、アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池に関する。特には、化学工場、飼料・肥料製造工場、食品製造工場等の工場廃液、畜産・ヘイ獣処理場等の分野でアルカリ溶液中に溶解した悪臭成分であるアンモニアガスや、アルカリ電池の自己放電の原因であるアルカリ電解液中に溶解したアンモニアガスを捕捉するために使用できるアンモニアガス捕捉複合繊維、アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
アンモニアガスは主要な悪臭成分であり、近年、生活レベルの向上と共に高度なアンモニアガス脱臭剤の開発が要望されつつある。従来のアンモニアガス成分を含む臭気成分を取り除く方法として、化学的脱臭法(薬液洗浄法、イオン交換法、直接燃焼法、触媒酸化法、酸化剤法、オゾン脱臭法、消・脱臭剤法)、吸着脱臭法、生物的脱臭法などの方法が挙げられる。これらの方法において、液中のアンモニアガスを除去する方法として、イオン交換法、酸化剤法、吸着法、生物的脱臭法などが主に用いられている。
【0003】
これらの方法はいずれも液体が中性、もしくは酸性の場合にアンモニアガスを除去できるが、アルカリ性では除去することができなかった。仮にできたとしても未反応の物質やイオンが廃液中に残るため、これらの残留イオンを除去する方法が別に必要であった。
【0004】
他方、電池中のアンモニアガスを捕捉することにより、自己放電を抑制した電池として、「ガス透過性を有する材料で形成された容器内に酸が封入され、この容器を内蔵する電池」が提案されている(特許文献1)。この電池はアンモニアガスを捕捉できるため、自己放電抑制作用に優れていることが期待できるものであった。しかしながら、実際にはガス透過性を有する材料で形成された容器内に液体の酸が封入されているため、電池製造時にガス透過性材料が損傷し、液体の酸が流出又は漏洩しやすいため、アンモニアガスの捕捉という目的を達せられないばかりでなく、電解液であるアルカリ溶液と中和反応が進行するため、所望容量を示す電池を安定して製造することが困難であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−85048号公報(特許請求の範囲、段落番号0011〜0012)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、十分にアンモニアガスを捕捉できるアンモニアガス捕捉複合繊維、アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ電池を提供することを目的とする。
【0007】
【発明を解決するための手段】
本発明のアンモニアガス捕捉複合繊維は、「溶融し、固化した後にアンモニアガスを捕捉可能な固体捕捉有機樹脂からなる芯成分が、繊維形成性樹脂からなる鞘成分によって被覆されており、アンモニア水中のアンモニアガスを捕捉できることを特徴とする、アンモニアガス捕捉複合繊維」である。このようなアンモニアガス捕捉複合繊維は、芯成分である固体捕捉有機樹脂が外部の影響を受けにくく、また繊維状態にあって、表面積が広いため、十分にアンモニアガスを捕捉できることを見出したものである。また、アンモニアガス捕捉複合繊維にアンモニアガスが捕捉されるため、新たなイオンが残るなどの弊害もない。
【0008】
前記固体捕捉有機樹脂が、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物、スルホン酸、リン酸の中から選ばれる1種類以上の共重合成分とエチレンとからなるエチレンコポリマーからなると、酸塩基反応によりアンモニアガスを捕捉できるため、アンモニアガスの再放出の可能性がない。また、イオン交換容量が大きいため、小さい体積で多くのアンモニアガスを捕捉することができる。さらに安価である。
【0009】
前記固体捕捉有機樹脂が、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物、スルホン酸、リン酸の中から選ばれる1種類以上の共重合成分とプロピレンとからなるプロピレンコポリマーからなると、酸塩基反応によりアンモニアガスを捕捉できるため、アンモニアガスの再放出の可能性がない。また、イオン交換容量が大きいため、小さい体積で多くのアンモニアガスを捕捉することができる。さらに安価である。
【0010】
前記固体捕捉有機樹脂が、ポリマーに、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる1種類以上の成分がグラフト重合したものからなると、特にアンモニアガスの捕捉性に優れている。これらの固体捕捉有機樹脂は紡糸の際の熱によって分解しないためであると考えられる。
【0011】
前記繊維形成性樹脂がポリオレフィン系樹脂からなると、ガス透過性及び耐薬品性に優れているため、アンモニアガス溶存溶液(特に、アルカリ溶液)中に浸漬して、効率的にアンモニアガスのみを捕捉することができる。
【0012】
前記芯成分が繊維軸方向に不連続であると、アンモニアガス捕捉複合繊維を短繊維として使用するために切断したとしても、切断面からアンモニアガス溶存溶液(特に、アルカリ溶液)が、前記固体捕捉有機樹脂からなる芯成分へ到達しにくく、アンモニアガス溶存溶液の影響を受けにくいため、効率よくアンモニアガスを捕捉することができる。
【0013】
前記繊維横断面において、芯成分を2つ以上備えていると、仮にアンモニアガス溶存溶液(特に、アルカリ溶液)がある芯成分へ到達して、その芯成分がアンモニアガスを捕捉できなくなったとしても、残りの芯成分によってアンモニアガスを捕捉することができる。なお、芯成分は1つであることもできる。
【0014】
前記繊維横断面において、断面積の点で異なる2種類以上の芯成分を備えていると、繊維内に存在する芯成分量を多くすることができるため、繊維1本あたりのアンモニアガス捕捉量を多くすることができる。
【0015】
前記繊維横断面において、断面積の最も大きい最大芯成分が中心に位置していると、繊維内に存在する芯成分量を更に多くすることができるため、繊維1本あたりのアンモニアガス捕捉量を更に多くすることができる。
【0016】
本発明のアンモニアガス捕捉複合繊維は、アルカリ溶液中に溶解したアンモニアガスを捕捉するために好適に使用することができる。
【0017】
本発明のアルカリ電池用セパレータは、上記アンモニアガス捕捉複合繊維を含む繊維シートからなる。そのため、表面積が広く、アルカリ電池における自己放電の原因であるアンモニアガスを十分に捕捉できるものである。また、正極と負極との間に配置することができるので、効率良くアンモニアガスを捕捉できる。つまり、アンモニアガスの移動経路である正極と負極との間にアルカリ電池用セパレータが位置しているため、効率良くアンモニアガスを捕捉して、アンモニアガスによるシャトル効果を抑制し、効率良く自己放電を抑制することができる。
【0018】
本発明のアルカリ電池は、上記アンモニアガス捕捉複合繊維を含む繊維シートをアルカリ電池用セパレータとして備えたものである。この電池用セパレータは表面積が広く、アンモニアガスを十分に捕捉することができるため、自己放電しにくいアルカリ電池である。また、電解液であるアルカリ溶液と中和反応が生じないため、所望容量を示すアルカリ電池であることができる。更に、従来から用いられているセパレータを備えているだけで、特殊な部材を備えている訳ではないため、設置場所が制限されることなく内蔵することができ、製造上好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のアンモニアガス捕捉複合繊維(以下、単に「捕捉複合繊維」ということがある)は、溶融し、固化した後にアンモニアガスを捕捉可能な固体捕捉有機樹脂からなる芯成分を含んでいることによって、アンモニアガスを捕捉することができる。
【0020】
この芯成分である固体捕捉有機樹脂は、溶融し、固化した後に、アンモニアガスを捕捉可能なものであれば良く、特に限定されるものではない。つまり、有機樹脂を融点以上に加熱し、冷却して固化させた後に、次の方法によりアンモニアガスを捕捉可能であるかどうかを測定した結果、アンモニアガスを捕捉可能である有機樹脂は、本発明のアンモニアガスを捕捉可能な固体捕捉有機樹脂である。
【0021】
本発明における「アンモニアガスを捕捉可能」とは、模式的断面図である図1に示すような測定装置1を用いて、下記の操作によりアンモニア水中のアンモニアガス濃度を測定して、アンモニア水中のアンモニアガス濃度を減少させる効果のあることをいう。好ましいアンモニアガスの捕捉の程度は、アンモニアガス濃度の減少の程度が、固体捕捉有機樹脂1gあたり0.1mmol以上であり、より好ましくは、固体捕捉有機樹脂1gあたり0.15mmol以上である。

(1)12mmol/Lの濃度のアンモニア水を用意し、このアンモニア水125mLを250mL三角フラスコ1a(ガラス栓1b付)に入れる。
(2)試料1cを上方が開放した円柱状ガラス容器(大きさ:直径30mm、高さ20mm)に入れ、このガラス容器内にアンモニア水が入り込まず、三角フラスコ1a内の空気と接触できるように、前記ガラス容器を三角フラスコ1a内へ投入した後、ガラス栓1bをする。
(3)この状態で、温度40℃の条件下で3日間放置する。
(4)放置後、ケルダール法によりアンモニア水中に存在するアンモニアガス濃度を測定する。
(5)試料1cを投入せず、同様にして放置後のアンモニアガス濃度をケルダール法により測定する(ブランク試験)。
(6)ブランク試験によるアンモニアガス濃度と試料1cを投入した時のアンモニアガス濃度とを比較し、試料1cを投入した時のアンモニアガス濃度がブランク試験のアンモニアガス濃度よりも減少していれば、その試料1cはアンモニアガスを捕捉可能な固体捕捉有機樹脂である。
【0022】
具体的には、このような固体捕捉有機樹脂として、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物、スルホン酸、リン酸の中から選ばれる1種類以上の共重合成分とエチレンとからなるエチレンコポリマーを挙げることができる。このようなエチレンコポリマーは酸塩基反応によりアンモニアガスを捕捉できるため、再放出の可能性がないという効果を奏する。
【0023】
なお、共重合成分である不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸などを挙げることができ、不飽和カルボン酸誘導体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エステル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステルなどを挙げることができ、不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などを挙げることができ、スルホン酸としては、例えば、スルホキシル酸、亜二チオン酸、亜硫酸、硫酸、ピロ硫酸、ペルオクソ二硫酸、ペルオクソ硫酸、チオ硫酸、ベンゼンスルホン酸等を挙げることができ、リン酸としては、例えば、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、三リン酸、四リン酸等を挙げることができる。これらの中でも不飽和カルボン酸(アクリル酸やメタクリル酸)の共重合成分とエチレンとからなるエチレンコポリマーが好適である。
【0024】
また、別の固体捕捉有機樹脂として、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物、スルホン酸、リン酸の中から選ばれる1種類以上の共重合成分とプロピレンとからなるプロピレンコポリマーを挙げることができる。このようなプロピレンコポリマーは酸塩基反応によりアンモニアガスを捕捉できるため、再放出の可能性がないという効果を奏する。なお、共重合成分である不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物、スルホン酸及びリン酸は、上記エチレンコポリマーを構成する共重合成分と全く同様のものであることができる。これらの中でも不飽和カルボン酸(アクリル酸やメタクリル酸)の共重合成分とプロピレンとからなるプロピレンコポリマーが好適である。
【0025】
更に、別の固体捕捉有機樹脂として、例えば、ポリマーに、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる1種類以上の成分がグラフト重合したものを挙げることができる。これらの固体捕捉有機樹脂は、紡糸の際の熱によって分解しないためか、特にアンモニアガスの捕捉性に優れている。なお、前記ポリマーとしては、ポリオレフィン(プロピレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12)、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂などを挙げることができる。また、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物は、上記エチレンコポリマーを構成する共重合成分と全く同様のものであることができる。これらの中でも、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオリオレフィンに不飽和カルボン酸(アクリル酸やメタクリル酸)をグラフト重合したものが好ましい。
【0026】
本発明の捕捉複合繊維は上述のような固体捕捉有機樹脂を芯成分とし、繊維形成性樹脂からなる鞘成分によって被覆されているため、芯成分である固体捕捉有機樹脂が外部の影響を受けにくいものである。なお、本発明における「被覆」とは、鞘成分は芯成分を完全に覆っている必要はなく、繊維の両端部を覆っていなくても、被覆の概念に含まれる。
【0027】
このように繊維形成性樹脂とは、従来公知の方法によって繊維化可能な樹脂であり、特に溶融紡糸法によって紡糸可能な樹脂であるのが好ましい。
【0028】
なお、本発明の捕捉複合繊維は基本的に繊維形成性樹脂からなる鞘成分を透過したアンモニアガスを捕捉することになるため、鞘成分を構成する繊維形成性樹脂は、窒素または酸素の気体透過係数が1000ml/m・d・MPa以上の樹脂からなるのが好ましい。このような気体透過係数を有する繊維形成性樹脂であると、アンモニアガスの捕捉速度を速くすることができ、固体捕捉有機樹脂全体を無駄なく使うことができるためである。なお、本発明において捕捉するのはアンモニアガスであるが、窒素又は酸素の気体透過係数が前記値以上であれば、アンモニアガスの透過性に優れ、捕捉性にも優れていることを見出したため、アンモニアガスの透過係数ではなく、窒素又は酸素の気体透過係数で表現している。この繊維形成性樹脂の窒素または酸素の気体透過係数が高ければ高い程、前記効果に優れているため、窒素又は酸素の気体透過係数は5000ml/m・d・MPa以上の繊維形成性樹脂であるのがより好ましく、10000ml/m・d・MPa以上の繊維形成性樹脂であるのが更に好ましい。この気体透過係数はJIS K 7126に規定されている方法により測定して得られる値をいう。
【0029】
このような気体透過係数を有する繊維形成性樹脂として、例えば、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレンなどを挙げることができる。前者のポリオレフィン系樹脂としては、より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、塩素化ポリエチレン等を挙げることができる。
【0030】
本発明の捕捉複合繊維はアルカリ溶液中に溶解したアンモニアガスを捕捉するために好適に使用できるが、この場合、繊維形成性樹脂がアルカリ溶液によって浸食されると、固体捕捉有機樹脂のアンモニアガス捕捉性能が得られなくなる傾向があるため、繊維形成性樹脂は耐アルカリ性であるのが好ましい。なお、繊維形成性樹脂が耐アルカリ性であるかどうかは、次のようにして判断することができる。
(1)対象となる樹脂を温度20℃、相対湿度65%の状態で24時間放置した後に、精密天秤で秤量(Mb)する。
(2)対象となる樹脂を30%水酸化カリウム水溶液中で1時間煮沸する。その後、対象となる樹脂を蒸留水で洗浄し、乾燥する。
(3)上記(2)の乾燥した樹脂を温度20℃、相対湿度65%の状態で24時間放置した後に、精密天秤で秤量(Ma)する。
(4)上記煮沸後の樹脂の質量(Ma)が煮沸前の樹脂の質量(Mb)の95%以上あれば、その樹脂は耐アルカリ性であると判断できる。
【0031】
このような耐アルカリ性の樹脂として、例えば、ポリオレフィン系樹脂(特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1)、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂などを挙げることができる。
【0032】
本発明の捕捉複合繊維をアルカリ電池用セパレータ構成繊維として使用する場合には、アルカリ電池の充放電の際に繊維が酸化されて、固体捕捉有機樹脂によるアンモニアガス捕捉作用が低下しないように、捕捉複合繊維の繊維形成性樹脂は耐酸化性を有するのが好ましい。なお、繊維形成性樹脂が耐酸化性であるかどうかは、対象となる樹脂を温度80℃のアルカリ性過マンガン酸カリウム溶液中に60時間浸漬して放置した後の質量が、浸漬前の質量の99%以上(好ましくは99.5%以上)であれば、この樹脂は耐酸化性であると判断できる。このような耐酸化性の繊維形成性樹脂として、例えば、ポリオレフィン系樹脂(特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1)、塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂などを挙げることができる。
【0033】
以上のように、ポリオレフィン系樹脂(特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1)はアンモニアガスの透過性が高く、アンモニアガスの捕捉速度を速めることができ、耐アルカリ性及び耐酸化性に優れているばかりでなく、(イ)溶融紡糸できる、(ロ)撥水性であるため液体が浸透して固体捕捉有機樹脂に到達しにくい、(ハ)入手が容易である、(ニ)安価である、などの様々な利点を有するため、特に好適である。
【0034】
本発明の捕捉複合繊維においては、固体捕捉有機樹脂からなる芯成分は捕捉複合繊維全体の10mass%以上を占めているのが好ましく、他方、固体捕捉有機樹脂は捕捉複合繊維全体の95mass%以下であるのが好ましく、90mass%以下であるのがより好ましい。固体捕捉有機樹脂が10mass%未満であると、捕捉複合繊維によるアンモニアガス捕捉量が少なくなる傾向があり、また鞘成分の層が厚くなり、アンモニアガスを捕捉するのに時間がかかる傾向があるためである。一方、固体捕捉有機樹脂が95mass%を超えると、鞘成分の層が薄くなるなど、液体が固体捕捉有機樹脂に到達しやすくなり、固体捕捉有機樹脂のアンモニアガス捕捉能を低下させる傾向があるためである。また、紡糸性に問題が生じる傾向があるためである。
【0035】
本発明の捕捉複合繊維は固体捕捉有機樹脂からなる芯成分が、繊維形成性樹脂からなる鞘成分によって被覆されているにもかかわらず、アンモニア水中のアンモニアガスを捕捉できる状態にある。そのため、固体捕捉有機樹脂は液体による影響を受けず、固体捕捉有機樹脂のほぼ理論量通りにアンモニアガスを捕捉することができる、アンモニアガス捕捉性の優れるものである。
【0036】
この「アンモニア水中のアンモニアガスを捕捉できる状態」とは、模式的断面図である図2に示すような測定装置2を用いて、下記の操作によりアンモニア水中のアンモニアガス濃度を測定して、アンモニア水中のアンモニアガス濃度を減少させる効果のある場合をいう。好ましくは、アンモニアガス濃度の減少の程度が、固体捕捉有機樹脂1gあたり0.05mmol以上であり、より好ましくは、アンモニアガス濃度の減少の程度が、固体捕捉有機樹脂1gあたり0.10mmol以上である。

(1)12mmol/Lの濃度となるようアンモニア水を用意し、このアンモニア水125mLを250mL三角フラスコ2a(ガラス栓2b付)に入れる。
(2)三角フラスコ2aへ試料2cを投入し、ガラス栓2bをする。
(3)この状態で温度40℃の条件下で3日間放置する。
(4)放置後、ケルダール法によりアンモニア水中に存在するアンモニアガス濃度を測定する。
(5)試料2cを投入せず、同様にして放置後のアンモニアガス濃度をケルダール法により測定する(ブランク試験)。
(6)ブランク試験によるアンモニアガス濃度と試料2cを投入した時のアンモニアガス濃度とを比較し、試料2cを投入した時のアンモニアガス濃度がブランク試験のアンモニアガス濃度よりも減少していれば、試料2cは「アンモニア水中のアンモニアガスを捕捉できる状態」にある。
【0037】
本発明の捕捉複合繊維は前述のような芯成分と鞘成分とからなるが、芯成分は繊維軸方向に不連続であるのが好ましい。このように芯成分が不連続であると、捕捉複合繊維を短繊維として使用するために切断したとしても、切断面からアンモニアガス溶存溶液(特に、アルカリ溶液)が芯成分へ到達しにくく、アンモニアガス溶存溶液の影響を受けにくい結果、効率よくアンモニアガスを捕捉することができるためである。このような捕捉複合繊維は、例えば、混合紡糸法によって製造することができる。
【0038】
本発明の捕捉複合繊維は繊維横断面において、芯成分を2つ以上備えているのが好ましい。このように2つ以上の芯成分を備えていると、仮にアンモニアガス溶存溶液(特に、アルカリ溶液)がある1つの芯成分へ到達して、その芯成分がアンモニアガスを捕捉できなくなったとしても、残りの芯成分によってアンモニアガスを捕捉することができるためである。
【0039】
なお、繊維横断面において芯成分を2つ以上備えている場合、全部の芯成分の断面積が同じであっても良いし、異なる断面積の芯成分を2種類以上備えていても良い。後者のように、異なる断面積の芯成分を2種類以上備えていると、捕捉複合繊維内に存在する芯成分量(固体捕捉有機樹脂量)を多くすることができ、繊維1本あたりのアンモニアガス捕捉量を多くすることができるため好適である。この場合、異なる断面積の芯成分はどのように配置していても良いが、断面積の最も大きい最大芯成分が中心に位置していると、捕捉複合繊維内に存在する芯成分量(固体捕捉有機樹脂量)を更に多くすることができ、繊維1本あたりのアンモニアガス捕捉量を更に多くすることができるため特に好適である。なお、全部の芯成分の断面積が同じである捕捉複合繊維は、例えば、複合紡糸法により製造することができ、異なる断面積の芯成分を2種類以上備えている捕捉複合繊維(断面積の最も大きい最大芯成分が中心に位置している捕捉複合繊維を含む)は、例えば、複合紡糸法、混合紡糸法、或いは複合紡糸する際の鞘成分中に固体捕捉有機樹脂を混合することによって製造することができる。
【0040】
また、本発明の捕捉複合繊維の横断面形状は円形である必要はなく、非円形(例えば、楕円状、長円状、アルファベット状(例えば、T状、Y状など)、プラス(+)状、多角形状など)であっても良い。さらに、繊維の長さ方向に連続または不連続の中空部分(樹脂が存在していない部分)を有していても良い。
【0041】
本発明の捕捉複合繊維の繊度は特に限定するものではないが、0.1〜100tex程度が適当である。また、捕捉複合繊維の繊維長は使用方法によって異なり、例えば、乾式不織布用途に使用する場合には、25〜160mm程度が適当であり、湿式不織布用途に使用する場合には、0.5〜25mm程度が適当である。
【0042】
本発明の捕捉複合繊維を、模式的拡大断面図である図3を基に説明する。
【0043】
図3(a)は固体捕捉有機樹脂3a’’からなる芯成分が、繊維形成性樹脂3a’からなる鞘成分により被覆された状態の捕捉複合繊維3aである。図3(a)においては、繊維形成性樹脂による層が1層だけ形成された状態にあるが、1層である必要はなく2層以上であっても良い。また、図3(a)においては、芯成分である固体捕捉有機樹脂3a’’が横断面の中央にある(中心に位置している)が、固体捕捉有機樹脂3a’’は繊維形成性樹脂3a’に覆われていれば良く、中央から偏って位置していても良い。
【0044】
図3(b)は固体捕捉有機樹脂3b''からなる芯成分が2つ以上存在しており、繊維形成性樹脂3b’からなる鞘成分により被覆された状態の捕捉複合繊維3bである。このように、芯成分は1つである必要はなく、2つ以上であることができる。
【0045】
図3(c)は固体捕捉有機樹脂3c''からなる芯成分が2つ以上存在し、この芯成分は繊維軸方向に不連続な状態にあり、しかも繊維形成性樹脂3c’からなる鞘成分により被覆された状態の捕捉複合繊維3cである。このように、芯成分は繊維軸方向に連続している必要はない。
【0046】
図3(d)は断面積の点で異なる2種類の固体捕捉有機樹脂3d''からなる芯成分が、繊維形成性樹脂3d’からなる鞘成分により被覆された状態の捕捉複合繊維3dである。このように、芯成分は同じ断面積である必要はない。このように断面積の異なる芯成分が2種類以上存在していると、多くの固体捕捉有機樹脂3d’’を含有することができる。このような捕捉複合繊維3dは、断面積が大きい方の固体捕捉有機樹脂Aと、断面積が小さい方の固体捕捉有機樹脂(固体捕捉有機樹脂Aと組成が同じでも異なっていても良い)と繊維形成性樹脂とを混合した混合樹脂Bとを、常法により複合紡糸して製造することができる。
【0047】
なお、図には示していないが、図3(d)とは異なり、断面積が大きい方の固体捕捉有機樹脂が1つだけ存在(好ましくは横断面の中心に位置する)し、断面積が小さい方の固体捕捉有機樹脂が多数存在し、これら固体捕捉有機樹脂が鞘成分により被覆された状態の捕捉複合繊維であっても良い。
【0048】
このような本発明の捕捉複合繊維は、常法の複合紡糸装置又は混合紡糸装置を利用することにより紡糸することができる。例えば、不飽和カルボン酸とプロピレンからなるプロピレンコポリマー(固体捕捉有機樹脂)を芯成分とし、高密度ポリエチレン(繊維形成性樹脂)を鞘成分とする捕捉複合繊維を紡糸する場合、溶融紡糸温度を190〜300℃、好ましくは220〜250℃に設定することにより紡糸できる。
【0049】
このように複合紡糸された未延伸糸は、繊維形成性樹脂の融点以下の温度で2〜10倍延伸して、繊度0.1〜100dtex程度の捕捉複合繊維を製造することができる。なお、この捕捉複合繊維を乾式不織布の原料として、又は紡績糸として使用する場合には、機械的に又は熱的に5〜50個/インチ程度の巻縮を付与するのが好ましい。
【0050】
なお、図3(d)のような捕捉複合繊維3dを紡糸するために、断面積が大きい方の固体捕捉有機樹脂Aと、断面積が小さい方の固体捕捉有機樹脂(固体捕捉有機樹脂Aと組成が同じでも異なっていても良い)と繊維形成性樹脂とを混合した混合樹脂Bとを複合紡糸する場合、混合樹脂Bにおける固体捕捉有機樹脂の混合量は混合樹脂B全体の5〜45mass%であるのが好ましい。5mass%未満では固体捕捉有機樹脂によるアンモニアガス捕捉作用の効果が低く、45mass%を超えると、繊維形成樹脂により被覆することが困難となり、固体捕捉有機樹脂が液体と接触しやすくなるためである。
【0051】
以上のように、本発明の捕捉複合繊維は表面積が広いため十分にアンモニアガスを捕捉でき、また設置場所も制限されないものである。また、固体捕捉有機樹脂にアンモニアガスが捕捉され、新たなイオンが残るなどの弊害も生じないため、各種用途におけるアンモニアガスを捕捉するために使用することができる。特に、本発明の捕捉複合繊維は液体中に浸漬しても液体の影響を受けることなく、液体中のアンモニアガスを捕捉できるため、液体中のアンモニアガスを除去するのが必要な用途、特にアルカリ溶液中に溶解したアンモニアガスを捕捉するために使用することができる。例えば、化学工場、飼料・肥料製造工場、食品製造工場等の工場廃液、畜産・ヘイ獣処理場等のアルカリ溶液中に溶解した悪臭成分であるアンモニアガスを捕捉するために使用することができる。
【0052】
本発明のアルカリ電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがある)は、上述のような捕捉複合繊維を含む繊維シートからなる。そのため表面積が広く、アルカリ電池における自己放電の原因であるアンモニアガスを十分に捕捉できるものである。また、正極と負極との間に配置することができるので、効率良くアンモニアガスを捕捉できる。つまり、アンモニアガスの移動経路である正極と負極との間にセパレータが位置しているため、効率良くアンモニアガスを捕捉して、アンモニアガスによるシャトル効果を抑制し、効率良く自己放電を抑制することができる。
【0053】
本発明のセパレータである繊維シートは、前述のような捕捉複合繊維を含んでいれば良く、捕捉複合繊維の含有量は特に限定されるものではないが、セパレータ全体の10mass%以上を占めているのが好ましい。10mass%未満であると、電池内で発生するアンモニアガスを十分に除去できなくなる傾向があるためである。
【0054】
また、本発明のセパレータを構成する繊維シートの態様は特に限定するものではないが、例えば、織物、編物、不織布などを挙げることができる。これらの中でも、電解液の保持性に優れている不織布を含んでいるのが好ましい。特に、湿式不織布は緻密な構造を採ることができ、電解液の保持性及び絶縁性に優れているため好適である。なお、繊維シートに加えて、微孔フィルムなどが複合されていても良い。
【0055】
なお、本発明のセパレータは電解液の保持性を付与、又は高めることができるように、親水化処理が施されているのが好ましい。この親水化処理としては、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理、放電処理、界面活性剤処理、親水性樹脂付与処理などを挙げることができる。
【0056】
本発明の電池は、上述のような捕捉複合繊維を含む繊維シートをセパレータとして備えたものである。従来から、アルカリ電池のアルカリ電解液中には、正極から発生したアンモニアガスが存在し、このアンモニアガスが自己放電の原因になるといわれているが、本発明のアルカリ電池は上述のようなアンモニアガスの捕捉性に優れる捕捉複合繊維を含む繊維シートをセパレータとして備えていることによって、アンモニアガスを捕捉することができるため、自己放電を抑制することができ、その結果、寿命の長いアルカリ電池であることができる。
【0057】
なお、酸化力の強い正極活物質を使用した場合、高温保存下でセパレータの表面が正極活物質によって酸化され、これに伴って正極活物質が還元される反応が生じやすい。この酸化還元反応によって、発電に寄与できる正極活物質の実効量が目減りし、自己放電による電池容量の低下となって現れる。本発明の捕捉複合繊維を構成する固体捕捉有機樹脂(芯成分)を構成する官能基は、一般的に酸化されやすいものであるが、本発明の捕捉複合繊維の鞘成分である繊維形成性樹脂として、耐酸化性の高いポリオレフィン系樹脂を用いると、耐酸化性が向上するため、自己放電抑制作用が特に優れている。
【0058】
本発明のアルカリ電池は、上述のようなセパレータを使用したこと以外は、従来のアルカリ電池と全く同様であることができる。
【0059】
例えば、円筒型ニッケル−水素電池は、ニッケル正極板と水素吸蔵合金負極板とを、前述のようなセパレータを介して渦巻き状に巻回した極板群を金属のケースに挿入した構造を有する。前記ニッケル正極板としては、例えば、スポンジ状ニッケル多孔体に水酸化ニッケル固溶体粉末からなる活物質を充填したものを使用することができ、水素吸蔵合金負極板としては、例えば、ニッケルメッキ穿孔鋼板、発泡ニッケル、或いはニッケルネットに、AB系(希土類系)合金、AB/AB系(Ti/Zr系)合金、或いはAB(Laves相)系合金を充填したものを使用することができる。なお、電解液として、例えば、水酸化カリウム/水酸化リチウムの二成分系のもの、或いは水酸化カリウム/水酸化ナトリウム/水酸化リチウムの三成分系のものを使用することができる。また、前記ケースは安全弁を備えた封口板により、絶縁ガスケットを介して封口されている。更に、正極集電体や絶縁板を備えており、必要であれば負極集電体を備えている。
【0060】
なお、本発明のアルカリ電池は円筒形である必要はなく、角型、ボタン型などであっても良い。角型の場合には、正極板と負極板との間にセパレータが配置された積層構造を有する。
【0061】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0062】
【実施例】
(実施例1)
芯鞘繊維を生産するための公知の複合紡糸装置を使用し、鞘成分としてポリプロピレン(酸素透過係数:24500ml/m・d・MPa)を、芯成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体(アンモニアガス濃度の減少量:0.52mmol/g)を、紡糸温度230℃でノズルから押出し(芯鞘質量比=50/50)、繊度6.6dtexの巻取り糸を得た。
【0063】
次いで、この巻取り糸を温度90℃で5倍延伸した後に裁断して、繊度が1.5dtexで、長さが5mmの捕捉複合短繊維(横断面形状:円形)を製造した。なお、この捕捉複合短繊維は繊維軸方向に連続し、横断面において中心に位置する、エチレン−メタクリル酸共重合体からなる芯成分を1つ有するものであった(図3(a))。
【0064】
(実施例2)
芯鞘繊維を生産するための公知の複合紡糸装置を使用し、鞘成分として高密度ポリエチレン(酸素透過係数:77420ml/m・d・MPa)に、エチレン−メタクリル酸共重合体(アンモニアガス濃度の減少量:0.52mmol/g)を20mass%混合した混合樹脂を、芯成分としてポリプロピレンにアクリル酸をグラフト重合させた樹脂(アンモニアガス濃度の減少量:0.55mmol/g)を、紡糸温度230℃でノズルから押出し(芯鞘質量比=50/50)、繊度6.6dtexの巻取り糸を得た。
【0065】
次いで、この巻取り糸を温度90℃で5倍延伸した後に裁断して、繊度が1.5dtexで、長さが5mmの捕捉複合短繊維(横断面形状:円形)を製造した。なお、この捕捉複合短繊維は繊維軸方向に連続し、横断面において中心に位置する、ポリプロピレンにアクリル酸をグラフト重合させた樹脂からなる最大芯成分を1つと、繊維繊維軸方向に不連続であり、前記最大芯成分の周りに位置する、エチレン−メタクリル酸共重合体からなる芯成分を多数有するものであった。
【0066】
(実施例3)
芯鞘繊維を生産するための公知の複合紡糸装置を使用し、鞘成分として高密度ポリエチレン(酸素透過係数:77420ml/m・d・MPa)に、エチレン−メタクリル酸共重合体(アンモニアガス濃度の減少量:0.52mmol/g)を20mass%混合した混合樹脂を、芯成分としてポリプロピレン(酸素透過係数:24500ml/m・d・MPa)に、エチレン−メタクリル酸共重合体(アンモニアガス濃度の減少量:0.52mmol/g)を20mass%混合した混合樹脂を、紡糸温度230℃でノズルから押出し(芯鞘質量比=50/50)、繊度6.6dtexの巻取り糸を得た。
【0067】
次いで、この巻取り糸を温度90℃で5倍延伸した後に裁断して、繊度が1.5dtexで、長さが5mmの捕捉複合短繊維(横断面形状:円形)を製造した。なお、この捕捉複合短繊維は、横断面において芯部に、繊維軸方向に不連続なエチレン−メタクリル酸共重合体からなる島成分を多数と、鞘部に、エチレン−メタクリル酸共重合体からなる繊維繊維軸方向に不連続な、島成分を多数有するものであった。
【0068】
(比較例1)
芯鞘繊維を生産するための公知の複合紡糸装置を使用し、鞘成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体(アンモニアガス濃度の減少量:0.52mmol/g)を、芯成分としてポリプロピレン(酸素透過係数:24500ml/m・d・MPa)を、紡糸温度230℃でノズルから押出し(芯鞘質量比=50/50)、繊度6.6dtexの巻取り糸を得た。
【0069】
次いで、この巻取り糸を温度90℃で5倍延伸した後に裁断して、繊度が1.5dtexで、長さが5mmの複合短繊維(横断面形状:円形)を製造した。なお、この複合短繊維は繊維軸方向に連続し、横断面において中心に位置する、ポリプロピレンからなる芯成分を1つ有するものであった(図3(a))。
【0070】
(比較例2)
芯鞘繊維を生産するための公知の複合紡糸装置を使用し、鞘成分として高密度ポリエチレン(酸素透過係数:77420ml/m・d・MPa)を、芯成分としてポリプロピレン(酸素透過係数:24500ml/m・d・MPa)を、紡糸温度230℃でノズルから押出し(芯鞘質量比=50/50)、繊度6.6dtexの巻取り糸を得た。
【0071】
次いで、この巻取り糸を温度90℃で5倍延伸した後に裁断して、繊度が1.5dtexで、長さが5mmの複合短繊維(横断面形状:円形)を製造した。なお、この複合短繊維は繊維軸方向に連続し、横断面において中心に位置する、ポリプロピレンからなる芯成分を1つ有するものであった(図3(a))。
【0072】
(アンモニアガス捕捉量の測定)
図2と同様の測定装置2を使用し、次の手順にしたがってアンモニアガス捕捉量を測定した。
(1)8mol/Lの水酸化カリウム水溶液に、12mmol/Lの濃度となるように塩化アンモニウムを溶解させたアンモニア水を用意し、この溶解液125mLを250mL三角フラスコ2a(ガラス栓2b付)に入れた。
(2)三角フラスコ2aへ各捕捉複合短繊維又は複合短繊維2cを0.4g投入した後、ガラス栓2bをした。
(3)この状態で温度40℃の条件下で3日間放置した。
(4)放置後、ケルダール法によりアンモニア水中に存在するアンモニアガス濃度を測定した。
(5)捕捉複合短繊維又は複合短繊維2cを投入せず、同様にして放置後のアンモニアガス濃度をケルダール法により測定した(ブランク試験)。
(6)ブランク試験によるアンモニアガス濃度と捕捉複合短繊維又は複合短繊維2cを投入した時のアンモニアガス濃度との差(D)を算出した。
(7)次の式から、固体捕捉有機樹脂1gあたりにおけるアンモニアガス捕捉量(mmol/g)を算出した。
アンモニアガス捕捉量(mmol/g)={D÷(1000÷125)}÷0.4÷M=D/3.2M
【0073】
ここで、Dはブランク試験によるアンモニアガス濃度と捕捉複合短繊維又は複合短繊維2cを投入した時のアンモニアガス濃度との差(mmol/L)を意味し、Mは固体捕捉有機樹脂量(g)を意味する。この結果は図4に示す通りであった。なお、比較例2においては、固体捕捉有機樹脂が存在しないため、前記式からは算出できないが、複合短繊維全体のアンモニアガスの捕捉量が0mmolであったため、固体捕捉有機樹脂1gあたりのアンモニアガス捕捉量を0と表記している。この図4の結果から明らかなように、本発明の複合繊維はアルカリ溶液中のアンモニアガスを除去することができた。一方、比較例の複合短繊維はアンモニアガスを除去できなかった。
【0074】
(容量保持率の測定)
実施例により作製した捕捉複合短繊維、又は比較例により作製した複合短繊維100%を使用して、それぞれ湿式法により繊維ウエブを形成し、次いで、繊維ウエブに対して、各繊維ウエブを構成する繊維の鞘成分の融点まで加熱した熱風を通過させることにより溶融接着させ、目付が60g/mで、厚さが0.15mmの不織布5fを作製した。
【0075】
また、図5に示すような放電処理装置、つまり、誘電体5d、5eとしてポリテトラフルオロエチレン膜(実質的に非多孔質、厚さ:0.2mm)を担持した、一対の平板状ステンレススチール電極5b、5c(大きさ:150mm×210mm)を、誘電体5d、5e同士が対向するように配置した放電処理装置5を用意した。
【0076】
次いで、前記放電処理装置5の誘電体5d、5eによって、前記不織布5fを一方の平板状ステンレススチール電極5bの自重を利用して挟持した状態で、大気圧下、空気中で、両極性正弦波電圧(高周波電源AGI−020(春日電気製)5a、出力:800W、単位面積あたりの出力:1.6W/cm2、単位面積あたりのエネルギー:12.7J/cm2、周波数:20kHz)を両電極間に10秒間印加して、不織布5fの内部空隙で放電を発生させて、親水化を実施して、親水化不織布を製造し、これをセパレータとした。
【0077】
また、電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(33mm、182mm長)と、ペースト式水素吸蔵合金負極(メッシュメタル系合金、33mm、247mm長)とを作成した。
【0078】
次いで、35mm幅、410mm長に裁断した各セパレータを、正極と負極との間に挟み込み、渦巻き状に巻回して、SC型対応の電極群を作成した。
【0079】
次いで、この電極群を外装缶に収納した後、電解液として5N−水酸化カリウム及び1N−水酸化リチウムを外装缶に注液し、封緘して円筒型ニッケル−水素電池を作成した。
【0080】
次いで、前記円筒型ニッケル−水素電池を、0.1Cで容量に対して150%充電した後、0.1Cで放電し、終止電圧が1.0Vでの初期容量(A)を測定した。次いで、0.1Cで容量に対して150%充電した後、温度65℃の恒温室内に5日間放置した。その後、再度、0.1Cで放電し、終止電圧が1.0Vでの容量(B)を測定した。これらの結果から、次式により容量保持率を算出した。
(容量保持率、%)=(B/A)×100
【0081】
これらの結果は図4に示す通りであった。この図4の結果から、本発明の捕捉複合繊維を用いたセパレータは、自己放電抑制作用に優れていることがわかった。
【0082】
【発明の効果】
本発明のアンモニアガス捕捉複合繊維は、十分にアンモニアガスを捕捉できるものである。また、アンモニアガス捕捉複合繊維にアンモニアガスが捕捉されるため、新たなイオンが残るなどの弊害もない。
【0083】
本発明のアルカリ電池用セパレータは、アルカリ電池における自己放電の原因であるアンモニアガスを十分に捕捉できるものである。また、正極と負極との間に配置することができるので、効率良くアンモニアガスを捕捉できる。
【0084】
本発明のアルカリ電池は自己放電しにくいアルカリ電池である。また、電解液であるアルカリ溶液と中和反応が生じないため、所望容量を示すアルカリ電池であることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 固体捕捉有機樹脂であるかどうかを判断する測定装置の模式的断面図
【図2】 アンモニア水中のアンモニアガスを捕捉できるかどうかを判断する測定装置の模式的断面図
【図3】(a) 本発明のアンモニアガス捕捉複合繊維の模式的断面図の一例
(b) 本発明のアンモニアガス捕捉複合繊維の模式的断面図の他例
(c) 本発明のアンモニアガス捕捉複合繊維の模式的断面図の他例
(d) 本発明のアンモニアガス捕捉複合繊維の模式的断面図の他例
【図4】 実施例におけるアンモニアガス捕捉複合繊維のアンモニアガス捕捉量と容量保持率を表す表
【図5】 電池用セパレータを親水化するための放電処理装置の模式的断面図
【符号の説明】
1 固体捕捉有機樹脂であるかどうかを判断する測定装置の模式的断面図
1a 三角フラスコ
1b ガラス栓
1c 試料
2 アンモニア水中のアンモニアガスを捕捉できるかどうかを判断する測定装置
2a 三角フラスコ
2b ガラス栓
2c 試料
3a、3b、3c、3d アンモニアガス捕捉複合繊維
3a’、3b’、3c’、3d’ 繊維形成性樹脂(鞘成分)
3a’’、3b’’、3c’’、3d’’ 固体捕捉有機樹脂(芯成分)
5 放電処理装置
5a 高周波電源
5b、5c 平板状ステンレススチール電極
5d、5e 誘電体
5f 不織布

Claims (13)

  1. 溶融し、固化した後にアンモニアガスを捕捉可能な固体捕捉有機樹脂からなる芯成分が、繊維形成性樹脂からなる鞘成分によって被覆されており、アンモニア水中のアンモニアガスを捕捉できることを特徴とする、アンモニアガス捕捉複合繊維。
  2. 固体捕捉有機樹脂が、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物、スルホン酸、リン酸の中から選ばれる1種類以上の共重合成分とエチレンとからなるエチレンコポリマーからなることを特徴とする、請求項1記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  3. 固体捕捉有機樹脂が、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物、スルホン酸、リン酸の中から選ばれる1種類以上の共重合成分とプロピレンとからなるプロピレンコポリマーからなることを特徴とする、請求項1記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  4. 固体捕捉有機樹脂が、ポリマーに、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸誘導体、不飽和カルボン酸無水物の中から選ばれる1種類以上の成分がグラフト重合したものからなることを特徴とする、請求項1記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  5. 繊維形成性樹脂がポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  6. 芯成分は繊維軸方向に不連続であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  7. 繊維横断面において、芯成分を2つ以上備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  8. 繊維横断面において、断面積の点で異なる2種類以上の芯成分を備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  9. 繊維横断面において、断面積の最も大きい最大芯成分が中心に位置していることを特徴とする、請求項8記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  10. 繊維横断面において、芯成分を1つ備えていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  11. アルカリ溶液中に溶解したアンモニアガスを捕捉するために使用することを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれかに記載のアンモニアガス捕捉複合繊維。
  12. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載のアンモニアガス捕捉複合繊維を含む繊維シートからなることを特徴とするアルカリ電池用セパレータ。
  13. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載のアンモニアガス捕捉複合繊維を含む繊維シートをアルカリ電池用セパレータとして備えていることを特徴とするアルカリ電池。
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