JP2003286378A - 光反応性組成物 - Google Patents

光反応性組成物

Info

Publication number
JP2003286378A
JP2003286378A JP2002092388A JP2002092388A JP2003286378A JP 2003286378 A JP2003286378 A JP 2003286378A JP 2002092388 A JP2002092388 A JP 2002092388A JP 2002092388 A JP2002092388 A JP 2002092388A JP 2003286378 A JP2003286378 A JP 2003286378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
photoreactive composition
photoreactive
compound
anhydride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002092388A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3987749B2 (ja
Inventor
Katsunori Takahashi
克典 高橋
Koji Fukui
弘司 福井
Kazuhiro Kawabata
和裕 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2002092388A priority Critical patent/JP3987749B2/ja
Publication of JP2003286378A publication Critical patent/JP2003286378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3987749B2 publication Critical patent/JP3987749B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性化するための光を照射する前は、優れた
貯蔵安定性を有し、且つ、光を照射した後は、室温で速
やかに重合反応や架橋反応が深部にまで進行して、優れ
た物性を発現する硬化体を得ることができる光反応性組
成物を提供する。 【解決手段】 イソブチレンからなる重合体であって、
下記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以
上有する重合体(A)、及び、水素ラジカル供与剤
(B)を含有することを特徴とする光反応性組成物。 (式中、Xは、加水分解性官能基を示し、Rは、炭化水
素基を示し、nは、1〜3の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮光下では安定で
あり、光を照射することにより速やかに重合反応や架橋
反応が進行して、重合体、架橋体又は硬化体(以下、重
合体、架橋体及び硬化体を総称して単に硬化体と記す)
を得ることができる光反応性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルコキシシリル基のような
加水分解性シリル基を有する化合物を加水分解・縮合反
応により重合又は架橋するに際し、加水分解及び縮合反
応を促進するための酸、塩基又は公知の有機錫や有機チ
タンのような有機金属化合物を用いることが良く知られ
ている(例えば、ゾル−ゲル法の科学、アグネ承風社、
1988;第4版実験化学講座、16巻、49−55
頁、1993や、特開昭56−67366号公報)。
【0003】上記加水分解性シリル基を有する化合物
は、重合又は架橋後、堅くて脆い性質から柔軟性や弾力
性に富んだ性質まで非常に幅広い硬化体を得ることがで
きるし、グリースのような非常に粘稠な物質や粘着性物
質まで得ることができる。
【0004】このような加水分解性シリル基を有する化
合物の硬化体は、その性質を利用して、コーティング
材、グリース、粘着剤、接着剤、シーリング材、エラス
トマー、離型剤等の工業的用途に用いられている。例え
ば、接着剤として使用される場合には、歪みを吸収しな
ければならない接合箇所や歪みの履歴を受ける接合箇
所、耐衝撃性や耐クリープ性の要求される接合箇所等に
頻繁に利用されている。又、同様の応力を受けるシーリ
ング箇所にもシーリング材として多用されている。
【0005】しかし、従来より知られている上記加水分
解性シリル基を有する化合物を含有する組成物を特に利
便性に優れる1液型の接着剤やシーリング材として用い
る場合には、上記組成物は空気中の湿気により重合又は
架橋するので、貯蔵時に湿気を遮断するような工夫が必
要であり、常に空気中の湿度を低く保つか、又は、気密
性に優れる容器等で保管する必要があった。
【0006】従って、このような接着剤等は、気密性容
器に封入された接着剤等を容器開封後は短時間で使い切
る現場での施工用としての利用が中心であり、長時間の
解放系での貯蔵安定性を必要とする使用態様、例えば、
生産ライン等に用いられている一般的な塗布装置で利用
することは困難であった。即ち、一般的な塗布装置では
接着剤等の貯蔵や供給時に湿気を遮断するような工夫が
施されておらず、一部の塗布装置では構造上湿気を遮断
する工夫を施すことができないものもあるからである。
【0007】又、生産ライン等に用いるためには、ライ
ン生産性を考慮して、混合が不要であり、しかも速やか
に接着力を発現することから、加水分解性シリル基を有
する化合物と加水分解及び縮合反応を促進する化合物と
を共存させた1液型組成物が好ましいが、このような組
成物は貯蔵安定性に優れるものにはならないという問題
点がある。
【0008】一方、貯蔵安定性に優れる組成物とするた
めに加水分解及び縮合反応を促進するための化合物を選
択すると、使用に際し速やかな重合反応や架橋反応が起
こらないという問題点がある。即ち、加水分解性シリル
基を有する化合物と加水分解及び縮合反応を促進する化
合物とを1液化し、且つ、貯蔵安定性に優れ、速やかに
重合反応や架橋反応が進行する組成物を得ることは困難
である。
【0009】上記問題点を解決する技術として、例え
ば、特開昭53−97098号公報には、アルコキシシ
リル基又はアルキルアルコキシシリル基を有する加水分
解可能なシラン化合物と有機芳香族オニウム触媒からな
る、貯蔵安定性に優れ、しかも速やかに重合反応や架橋
反応が進行する重合性組成物が開示されている。上記重
合性組成物は、Radiation Curing i
n Polymer Science and Tec
hnology,vol 2,ElsevierApp
lied Science,London,1993に
記載されているように、有機芳香族オニウム触媒に輻射
線を照射し、有機芳香族オニウム触媒を活性化させて有
機芳香族オニウム触媒からプロトン酸を発生させ、発生
したプロトン酸が加水分解可能なシラン化合物を縮合さ
せるものである。
【0010】しかし、上記公報に開示されている重合性
組成物の場合、有機芳香族オニウム触媒は加水分解可能
なシラン化合物に対する溶解性が乏しく、特にシラン化
合物が重合体である場合には溶解性が低く、組成物が不
透明となるので、組成物の輻射線透過性が劣り、輻射線
の照射表面のみが反応し架橋又は硬化するという欠点が
あり、そのため、加水分解可能なシラン化合物と有機芳
香族オニウム触媒との組み合わせが狭い範囲に制約され
るという問題点がある。
【0011】又、光により活性化されるベンゾインスル
フォネートとアクリロイル基を有する加水分解可能なシ
ラン化合物とを組み合わせて、光架橋させる技術が開示
されている(H.Inoueら,J.Photopol
ym.Sci.,12巻,129−132頁,199
9)。上記技術によれば、ベンゾインスルフォネート
は、アクリロイル基を光重合させる増感剤であると共
に、加水分解性シリル基の加水分解及び縮合反応を光開
始させるとされている。
【0012】しかし、上記文献に開示されている技術の
場合、アクリロイル基の光重合や加水分解性シリル基の
加水分解及び縮合反応には長時間の光照射や多量の照射
エネルギーが必要であるという問題点がある。
【0013】更に、特開平6−273936号公報に
は、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解及び
縮合させたシロキサンポリマーと活性化学線によって塩
基を発生する塩基発生剤とからなる感光性樹脂組成物が
開示されている。
【0014】しかし、上記公報に開示されている感光性
樹脂組成物の場合、活性化学線照射後、通常50〜15
0℃に加熱してポストキュア(後硬化)させる必要があ
り、室温で速やかに硬化体を得ることは困難であるとい
う問題点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、活性化するための光を照射する前は、優
れた貯蔵安定性を保有し、且つ、光を照射した後は、室
温で速やかに重合反応や架橋反応が深部にまで進行し
て、優れた物性を発現する硬化体を得ることができる光
反応性組成物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の光反応性組成物
は、イソブチレンからなる重合体であって、下記一般式
(1)で表される官能基を1分子中に1個以上有する重
合体(A)、及び、水素ラジカル供与剤(B)を含有す
ることを特徴とする。
【化3】 (式中、Xは、加水分解性官能基を示し、Rは、炭化水
素基を示し、nは、1〜3の整数を示す)
【0017】本発明の光反応性組成物に含有される重合
体(A)は、イソブチレンからなる重合体であって、上
記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以上
有する重合体であり、一般式(1)で表されるように、
珪素原子に加水分解性官能基(X)が1〜3個置換した
官能基構造を有する化合物である。
【0018】上記イソブチレンからなる重合体として
は、特に限定されるものではないが、例えば、イソブチ
レンの低重合体であって末端に1個の不飽和二重結合を
有する液状ポリイソブチレンや、イソブチレンに少量の
イソプレンを共重合させた液状ブチルゴム等が挙げられ
る。これらのイソブチレンからなる重合体は、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0019】一般式(1)中の加水分解性官能基(X)
とは、珪素原子と官能基との結合が加水分解性を有する
官能基のことであり、その具体例としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、アルコキシル基、オキシ
ム基、アルケニルオキシ基、アセトキシ基等や、これら
に塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基を置換させたも
の等が挙げられるが、なかでも、重合体(A)や光反応
性組成物が貯蔵安定性に優れるものとなることから、ア
ルコキシル基が好適に用いられる。これらの加水分解性
官能基(X)は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0020】上記アルコキシル基としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキ
シ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジル
オキシ基等が挙げられる。加水分解性官能基(X)がジ
アルコキシル基又はトリアルコキシル基である場合、ア
ルコキシル基は、同一のものであっても良いし、異なる
ものであっても良い。
【0021】一般式(1)中の炭化水素基(R)として
は、特に限定されるものではないが、例えば、飽和脂肪
族系炭化水素基、不飽和脂肪族系炭化水素、芳香族系炭
化水素基等や、これらにアミノ基、水酸基、エーテル
基、エポキシ基、重合性不飽和基、ウレタン基、ウレア
基、イミド基、エステル基などの置換基を置換させたも
の等が挙げられる。これらの炭化水素基(R)は、単独
で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0022】一般式(1)で表される官能基の具体例と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメ
トキシメチルシリル基、シクロヘキシルジメトキシシリ
ル基、ジエトキシメチルシリル基、ジメトキシオクチル
シリル基、ジエトキシビニルシリル基、クロロメチル
(ジイソプロポキシ)シリル基、ジメトキシフェニルシ
リル基、ジエトキシフェニルシリル基、トリメトキシシ
リル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシプロピルシ
リル基、イソブチルジメトキシシリル基、オクチルジメ
トキシシリル基、オクタデシルジメトキシシリル基、メ
チルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、
イソブチルジエトキシシリル基、オクチルジエトキシシ
リル基、ビニルジメトキシシリル基、ビニルジエトキシ
シリル基、アリルジエトキシシリル基、(3−クロロプ
ロピル)ジメトキシシリル基、クロロメチルジエトキシ
シリル基、ビス(2−メトキシエトキシ)ビニルシリル
基、3−グリシドキシプロピルジメトキシシリル基、ジ
エトキシ(3−グリシドキシプロピル)シリル基、ジメ
トキシ{2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]−ヘ
プト−3−イル)エチル}シリル基、クロロジメトキシ
シリル基、クロロジエトキシシリル基、クロロビス
(1,3−ジメチルブトキシ)シリル基、クロロジエト
キシシリル基、3−(トリエトキシシリル)プロピオニ
トリル基、4−(トリエトキシシリル)ブチロニトリル
基、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネー
ト基、3−(トリエトキシシリル)プロピルチオイソシ
アネート基、フェニルジメトキシシリル基、フェニルジ
エトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキ
シシリル基、トリプロポキシシリル基、トリブトキシシ
リル基、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)、ジア
セトキシジフェニルシリル基、メチルトリス(エチルメ
チルケトオキシム)シリル基、メチルトリス(N,N−
ジエチルアミノキシ)シリル基、ビス(エチルメチルケ
トオキシム)メチルイソプロポキシシリル基、ビス(エ
チルメチルケトオキシム)エトキシメチルシリル基、2
−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメチ
ルシリル基、トリス(1−メチルビニロキシ)ビニルシ
リル基、メチルトリイソプロペノキシシリル基、エチル
トリアセトキシシリル基、メチルトリアセトキシシリル
基、ジアセトキシジメチルシリル基、トリアセトキシビ
ニルシリル基、テトラアセトキシシリル基、ジアセトキ
シメチルフェニルシリル基、ジメトキシエチルメチルケ
トオキシムメチルシリル基等が挙げられる。これらの一
般式(1)で表される官能基は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。又、これらの一
般式(1)で表される官能基は、イソブチレンからなる
重合体の末端に位置していても良いし、側鎖に位置して
いても良い。
【0023】上記重合体(A)の具体例としては、特に
限定されるものではないが、例えば、鐘淵化学工業社製
の商品名「エピオンEP−103S」、「エピオンEP
−303S」、「エピオンEP−505S」などの市販
品等が挙げられる。これらの重合体(A)は、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0024】本発明の光反応性組成物に含有される水素
ラジカル供与剤(B)は、上記重合体(A)を光反応さ
せて、重合、架橋、硬化させる化合物であって、分子中
に水素ラジカル供与性基を有する化合物である。
【0025】上記水素ラジカル供与剤(B)としては、
水素ラジカルを引き抜かれ易い化合物であれば良く、例
えば、チオール類やアリール位に水素を有する化合物類
などのようなフリーラジカル重合において連鎖移動性を
示す化合物が挙げられる。
【0026】上記水素ラジカル供与剤(B)の具体例と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、n−
ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、シクロヘ
キシルメルカプタン、1,6−ヘキサンジチオールなど
のチオール類;ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−n−ジ
スルフィド、テトラヒドロチオフェン、ペンタメチレン
スルフィド、1,4−ジチアン、ジフェニルスルフィド
などのスルフィド類;トルエン、キシレン、メシチレ
ン、イソプロピルベンゼン、エチルベンゼン、ベンジル
メチルエーテルなどのアリール位に水素を有する化合物
類;トリエチルアミン、ブチルアミン、アニリン、メチ
ルアニリン、ジ(p−アミノフェニル)メタンなどのア
ミン類;n−ブチルアイオダイド、n−ブチルブロマイ
ド、n−ブチルクロライド、2−クロロブタン、クロロ
ホルムなどのハロゲン化アルキル類;ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、ジ
フェニルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタ
ノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどのア
ルコール類;酢酸、プロピオン酸、酪酸、シクロヘキサ
ン−1,4−ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸などの
カルボン酸類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチ
ルベンゼン、ジアセチルベンゼンなどのケトン類;ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、tert−ブチルベ
ンゼンなどの炭化水素類等が挙げられる。これらの水素
ラジカル供与剤(B)は、単独で用いられても良いし、
2種類以上が併用されても良い。
【0027】本発明の光反応性組成物中における上記水
素ラジカル供与剤(B)の含有量は、特に限定されるも
のではないが、前記重合体(A)100重量部に対し
て、上記水素ラジカル供与剤(B)0.01〜30重量
部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20
重量部である。
【0028】水素ラジカル供与剤(B)の含有量が重合
体(A)100重量部に対して0.01重量部未満であ
ると、光反応性組成物の光反応性が不十分となることが
あり、逆に重合体(A)100重量部に対して30重量
部を超えると、光反応性組成物の光透過性が低下して、
光照射面の表面のみに重合、架橋、硬化が起こり、深部
反応性が不十分となることがある。
【0029】本発明の光反応性組成物は、更に、光反応
性を調整するために、下記一般式(2)で表される分子
骨格を有する化合物(C)を含有することが好ましい。
【化4】 (式中、Yは、周期表のIVB族、周期表のVB族又は
周期表のVIB族の原子を示し、Zは、水素原子、炭化
水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン
基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキ
シ基及びオキソ基からなる群より選択される置換基を示
し、mは、2〜5の整数を示す)
【0030】上記化合物(C)は、周期表のIVB族、
周期表のVB族又は周期表のVIB族の原子、即ち、酸
素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子及び炭素原子か
らなる群より選択される原子Yに対して、カルボニル基
が2個結合し、原子Yの価数に応じて上記置換基Zが適
宜結合した分子骨格を有する化合物である。
【0031】上記化合物(C)において、一般式(2)
で表される分子骨格は、単一のものであっても良いし、
複数個が組み合わされたものであっても良い。
【0032】上記一般式(2)において、原子Yは、同
一のものであっても良いし、異なるものであっても良
い。又、mが4又は5である場合、置換基Zは、同一の
ものであっても良いし、異なるものであっても良い。
【0033】上記化合物(C)としては、特に限定され
るものではないが、例えば、有機基によって環状構造に
した化合物、環状構造であって同じ環状鎖の中に複数個
の同種もしくは異種の一般式(2)で表される分子骨格
を有する化合物、複数個の同種もしくは異種の環状化合
物を適宜の有機基で結合した化合物、複数個の同種もし
くは異種の環状化合物をユニットとして1個以上有する
双環化合物等が挙げられる。これらの化合物(C)は、
単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても
良い。
【0034】一般式(2)において原子Yが酸素原子で
ある場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、酢酸無水物、プロピオン
酸無水物、ブチル酸無水物、イソブチル酸無水物、バレ
リック酸無水物、2−メチルブチル酸無水物、トリメチ
ル酢酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、
デカン酸無水物、ラウリル酸無水物、ミリスチリル酸無
水物、パルミチン酸無水物、ステアリル酸無水物、ドコ
サン酸無水物、クロトン酸無水物、アクリル酸無水物、
メタクリル酸無水物、オレイン酸無水物、リノレイン酸
無水物、クロロ酢酸無水物、ヨード酢酸無水物、ジクロ
ロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、クロロジフル
オロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、ペンタフルオ
ロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブチル酸無水
物、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、2,2−
ジメチルコハク酸無水物、イソブチルコハク酸無水物、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、ヘキサヒ
ドロ−4−メチルフタル酸無水物、イタコン酸無水物、
1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,
4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸
無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチ
ルマレイン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジ
カルボン酸無水物、グルタル酸無水物、1−ナフチル酢
酸無水物、安息香酸無水物、フェニルコハク酸無水物、
フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイ
ン酸無水物、フタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水
物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸ジ無水物、4,4’−(ヘキサフルオロプロピリデ
ン)ジフタル酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテト
ラカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸
無水物等;マレイン酸無水物と例えば(メタ)アクリレ
ート、スチレン、ビニルエーテルなどのラジカル重合性
二重結合を有する化合物との共重合体等が挙げられる。
【0035】又、一般式(2)において原子Yが酸素原
子である場合の化合物(C)の市販品としては、特に限
定されるものではないが、例えば、旭電化工業社製の商
品名「アデカハードナーEH−700」、「アデカハー
ドナーEH−703」、「アデカハードナーEH−70
5A」、新日本理化社製の商品名「リカシッドTH」、
「リカシッドHT−1」、「リカシッドHH」、「リカ
シッドMH−700」、「リカシッドMH−700
H」、「リカシッドMH」、「リカシッドSH」、「リ
カレジンTMEG」、日立化成社製の商品名「HN−5
000」、「HN−2000」、油化シェルエポキシ社
製の商品名「エピキュア134A」、「エピキュアYH
306」、「エピキュアYH307」、「エピキュアY
H308H」、住友化学工業社製の商品名「スミキュア
ーMS」等が挙げられる。
【0036】一般式(2)において原子Yが酸素原子で
ある場合のこれらの化合物(C)は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0037】一般式(2)において原子Yが硫黄原子で
ある場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、チオ酢酸無水物、チオプ
ロピオン酸無水物、チオブチル酸無水物、チオイソブチ
ル酸無水物、チオバレリック酸無水物、チオトリメチル
酢酸無水物、チオヘキサン酸無水物、チオヘプタン酸無
水物、チオデカン酸無水物、チオラウリル酸無水物、チ
オミリスチル酸無水物、チオパルミチン酸無水物、チオ
ステアリル酸無水物、チオドコサン酸無水物、チオクロ
トン酸無水物、チオアクリル酸無水物、チオメタクリル
酸無水物、チオオレイン酸無水物、チオリノレイン酸無
水物、チオクロロ酢酸無水物、チオヨード酢酸無水物、
チオジクロロ酢酸無水物、チオトリフルオロ酢酸無水
物、チオクロロジフルオロ酢酸無水物、チオトリクロロ
酢酸無水物、チオペンタフルオロプロピオン酸無水物、
チオペンタフルオロブチル酸無水物、チオコハク酸無水
物、チオメチルコハク酸無水物、チオイソブチルコハク
酸無水物、チオイタコン酸無水物、チオマレイン酸無水
物、チオグルタル酸無水物、チオフェニルコハク酸無水
物、チオフェニルマレイン酸無水物、チオフタル酸無水
物、チオ安息香酸無水物、チオジグリコール酸無水物、
チオ乳酸無水物等が挙げられる。一般式(2)において
原子Yが硫黄原子である場合のこれらの化合物(C)
は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用され
ても良い。
【0038】一般式(2)において原子Yが窒素原子で
ある場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、コハク酸イミド、N−メ
チルコハク酸イミド、α,α−ジメチル−β−メチルコ
ハク酸イミド、αメチル−α−プロピルコハク酸イミ
ド、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマ
レイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブ
チルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−
(2−クロロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレ
イミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、3−メチル
−N−フェニルマレイミド、N,N’−1,2−フェニ
レンジマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンジマ
レイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミ
ド、N,N’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビ
スマレイミド、1,1’−(メチレンジ−1,4−フェ
ニレン)ビスマレイミド、フタルイミド、N−メチルフ
タルイミド、N−エチルフタルイミド、N−プロピルフ
タルイミド、N−フェニルフタルイミド、N−ベンジル
フタルイミド、ピロメリット酸ジイミド等;N−アルキ
ルマレイミドと例えば(メタ)アクリレート、スチレ
ン、ビニルエーテルなどのラジカル重合性二重結合を有
する化合物との共重合体等が挙げられる。一般式(2)
において原子Yが窒素原子である場合のこれらの化合物
(C)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。
【0039】一般式(2)において原子Yがリン原子で
ある場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ビス(2,6−ジメトキ
シベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォ
スフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシ
ルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。一般式
(2)において原子Yがリン原子である場合のこれらの
化合物(C)は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0040】一般式(2)において原子Yが炭素原子で
ある場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、2,4−ペンタンジオ
ン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、3−エチル
−2,4−ペンタンジオン、3−クロロ−2,4−ペン
タンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペン
タンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ
−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメ
チル−3,5−−ヘプタンジオン、1−ベンゾイルアセ
トン、ジベンゾイルメタンなどのジケトン類;ジメチル
マロネート、ジエチルマロネート、ジメチルメチルマロ
ネート、テトラエチル−1,1,2,2−エタンテトラ
カルボン酸などのポリカルボン酸エステル類;メチルア
セチルアセトナート、エチルアセチルアセトナート、メ
チルプロピオニルアセテートなどのα−カルボニル酢酸
エステル類等が挙げられる。一般式(2)において原子
Yが炭素原子である場合のこれらの化合物(C)は、単
独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0041】本発明においては、前記一般式(2)で表
される分子骨格を有する上記化合物(C)のなかでも、
前記重合体(A)に対する溶解性、光反応性、経済性等
に優れることから、カルボン酸無水物又はカルボン酸イ
ミドが好適に用いられる。上記カルボン酸無水物及びカ
ルボン酸イミドは、それぞれ単独で用いられても良い
し、両者が併用されても良い。
【0042】本発明の光反応性組成物中における上記化
合物(C)の含有量は、特に限定されるものではない
が、前記重合体(A)100重量部に対して、上記化合
物(C)0.01〜30重量部であることが好ましく、
より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0043】化合物(C)の含有量が重合体(A)10
0重量部に対して0.01重量部未満であると、光反応
性組成物の光反応性が不十分となることがあり、逆に重
合体(A)100重量部に対して30重量部を超える
と、光反応性組成物の光透過性が低下して、光照射面の
表面のみに重合、架橋、硬化が起こり、深部反応性が不
十分となることがある。
【0044】本発明の光反応性組成物は、更に、光反応
性を向上させるために、即ち、光の照射時間を短くした
り、光の照射エネルギーを低くするためや、深部反応性
を向上させるために、光ラジカル発生剤(D)を含有す
ることが好ましい。
【0045】上記光ラジカル発生剤(D)としては、特
に限定されるものではないが、例えば、紫外線や可視光
線等の光によりラジカルに分解する化合物、水素引き抜
きによりラジカルを発生させる化合物、電子移動等のエ
ネルギー移動によりラジカルを発生させる化合物等が挙
げられるが、なかでも、アクリル酸エステルやメタクリ
ル酸エステル又はそれらの誘導体等に対して重合開始能
を有する化合物が好適に用いられる。
【0046】上記光ラジカル発生剤(D)の具体例とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ
−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−
ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなど
のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインプロピルエーテルなどのベンゾインエ
ーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタ
ール誘導体化合物;ハロゲン化ケトン;アシルフォスフ
ィンオキシド;アシルフォスフォナート;2−メチル−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1
−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルフォスフィンオキシド、ビス(η5−シクロペンタジ
エニル)ビス(ペンタフルオロフェニル)チタニウム、
ビス(η5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジ
フルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]チ
タニウム、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラ
セン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビ
ン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導
体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオ
キサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4
−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチ
オキサントン、イソプロピルチオキサントン等が挙げら
れる。これらの光ラジカル発生剤(D)は、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、
アシルフォスフィン系化合物には、前記一般式(2)で
表される分子骨格を有する化合物(C)と光ラジカル発
生剤(D)との双方の機能を同時に発現する化合物が含
まれる。
【0047】本発明の光反応性組成物中における上記光
ラジカル発生剤(D)の含有量は、特に限定されるもの
ではないが、前記重合体(A)100重量部に対して、
上記光ラジカル発生剤(D)0.001〜10重量部で
あることが好ましく、より好ましくは0.01〜5重量
部である。
【0048】光ラジカル発生剤(D)の含有量が重合体
(A)100重量部に対して0.001重量部未満であ
ると、光反応性組成物の光反応性が十分に向上しないこ
とがあり、逆に重合体(A)100重量部に対して10
重量部を超えると、光反応性組成物の光透過性が低下し
て、光照射面の表面のみに重合、架橋、硬化が起こり、
深部反応性が不十分となることがある。
【0049】本発明の光反応性組成物は、更に、ラジカ
ル重合性不飽和基を有する化合物(E)を含有すること
が好ましい。
【0050】本発明の光反応性組成物において、前記重
合体(A)と前記水素ラジカル供与剤(B)との組み合
わせが特定の組み合わせである場合、光反応の立ち上が
りが遅くなって、光照射直後には所望の凝集力を得られ
ず、光照射直後の利用が制約されるという問題点が発生
することがある。しかし、光反応性組成物中に上記ラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物(E)を含有させる
ことにより、光反応の立ち上がりを速め、上記問題点の
発生を効果的に抑制することができる。
【0051】上記ラジカル重合性不飽和基を有する化合
物(E)としては、特に限定されるものではないが、例
えば、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル
基、ビニルエステル基、ビニロキシ基などのラジカル重
合性不飽和基を1分子中に1個有する化合物や、上記ラ
ジカル重合性不飽和基の同種もしくは異種を1分子中に
少なくとも2個以上有する化合物等が挙げられる。これ
らのラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)は、
単独で用いられても良い。
【0052】ラジカル重合性不飽和基としてスチリル基
を有する化合物としては、特に限定されるものではない
が、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ク
ロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−te
rt−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げら
れる。これらのスチリル基を有する化合物は、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0053】ラジカル重合性不飽和基としてアクリロイ
ル基又はメタクリロイル基を有する化合物としては、特
に限定されるものではないが、例えば、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル
(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)ア
クリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステ
ルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6
−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2
−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロ
イルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸
等や、CH2 =CH−C(O)O−CH2 CH2 O−
[C(O)CH2CH2 CH2 CH2 CH2 O]n−H
(n=1〜10)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O
−CH2 CH2 O−[C(O)CH2 CH2 CH2 CH
2 CH2 O]n−H(n=1〜10)、CH2 =CH−
C(O)O−(CH2 CH2 O)n−H(n=1〜1
2)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−(CH2
2 O)n−H(n=1〜12)、CH2 =CH−C
(O)O−[CH2 CH(CH3)O]n−H(n=1
〜12)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−[CH
2CH(CH3 )O]n−H(n=1〜12)、CH2
=C(CH3 )−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−
[CH2 CH(CH3 )O]m−H(n=1〜12)、
CH2 =CH−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−
[CH2 CH(CH3)O]m−H(n=1〜12)、
CH2 =C(CH3 )−C(O)O−(CH2CH
2 O)n−(CH2 CH2 CH2 CH2 O)m−H(n
=1〜12)、CH 2 =CH−C(O)O−(CH2
2 O)n−(CH2 CH2 CH2 CH2 O)m−H
(n=1〜12)、CH2 =CH−C(O)O−(CH
2 CH2 O)n−CH3 (n=1〜10)、CH2 =C
(CH3 )−C(O)O−(CH2 CH 2 O)n−CH
3 (n=1〜30)、CH2 =CH−C(O)O−[C
2 CH(CH3 )O]n−CH3 (n=1〜10)、
CH2 =C(CH3 )−C(O)O−[CH2 CH(C
3 )O]n−CH3 (n=1〜10)、CH2 =C
(CH3 )−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−[C
2 CH(CH3 )O]m−H(n=1〜10)、CH
2 =CH−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−[CH
2 CH(CH3 )O]m−H(n=1〜10)、CH2
=CH−C(O)O−[CH2 CH(CH3 )O]n−
C(O)−CH=CH2 (n=1〜20)、CH2 =C
(CH3 )−C(O)O−[CH2 CH(CH3 )O]
n−C(O)−C(CH3 )=CH2 (n=1〜2
0)、CH2 =CH−C(O)O−[CH2CH2 O]
n−C(O)−CH=CH2 (n=1〜20)、CH2
=C(CH3)−C(O)O−[CH2 CH2 O]n−
C(O)−C(CH3 )=CH2 (n=1〜20)等が
挙げられる。これらのアクリロイル基又はメタクリロイ
ル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2
種類以上が併用されても良い。
【0054】ラジカル重合性不飽和基としてビニルエス
テル基を有する化合物としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮
酸ビニル等が挙げられる。これらのビニルエステル基を
有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0055】ラジカル重合性不飽和基としてビニロキシ
基を有する化合物としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ter
t−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘ
キシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オク
タデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエー
テル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリ
チレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4
−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエ
ーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリ
エチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレン
グリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオー
ル−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−
ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロ
キシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチ
ル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、トリメチロ
ールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、
ジエチレングリコールモノビニルエーテル、3−アミノ
プロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミ
ノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、
ポリエステルビニルエーテル等が挙げられる。これらの
ビニロキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。
【0056】上記ラジカル重合性不飽和基を有する化合
物(E)のなかでも、反応性が高くて重合反応が速やか
に進行し、光が照射された直後から優れた初期凝集力を
発現することから、ラジカル重合性不飽和基としてアク
リロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物が好適
に用いられる。
【0057】本発明の光反応性組成物中における上記ラ
ジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)の含有量
は、特に限定されるものではないが、上記化合物(E)
/前記重合体(A)が1重量部/99重量部〜90重量
部/10重量部であることが好ましい。
【0058】化合物(E)/重合体(A)が1重量部/
99重量部未満であると、光反応性組成物の初期凝集力
発現性が不十分となることがあり、逆に化合物(E)/
重合体(A)が90重量部/10重量部を超えると、光
反応性組成物の硬化体の機械的強度が不十分となること
がある。
【0059】本発明の光反応性組成物に上記ラジカル重
合性不飽和基を有する化合物(E)を含有させる場合、
光反応性組成物の使用時に偶発的又は必然的に光非照射
部が発生して未反応の化合物(E)が残存するのを防止
するために、加熱するとラジカルを発生する熱ラジカル
発生剤や嫌気性条件下でラジカルを発生する嫌気ラジカ
ル発生剤を添加しても良い。
【0060】熱ラジカル発生剤としては、特に限定され
るものではないが、例えば、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパー
オキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイ
ド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハ
イドロパーオキサイド類;α,α’−ビス(tert−
ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキ
ュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビ
ス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert
−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチ
ルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t
ert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアル
キルパーオキサイド類;ケトンパーオキサイド類;パー
オキシケタール類;ジアシルパーオキサイド類;パーオ
キシジカーボネート類;パーオキシエステル類等の有機
過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、
2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニト
リル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)などのアゾ化合物等が挙げられる。これらの
熱ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種
類以上が併用されても良い。
【0061】嫌気ラジカル発生剤としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、キュメンハイドロパーオ
キサイドとベンゾキノンとの混合物のような有機過酸化
物とキノン化合物との混合物等が挙げられる。これらの
嫌気ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2
種類以上が併用されても良い。又、上記熱ラジカル発生
剤及び嫌気ラジカル発生剤は、それぞれ単独で用いられ
ても良いし、両者が併用されても良い。
【0062】本発明の光反応性組成物は、更に、前記重
合体(A)の加水分解・縮合反応を促進するために、有
機金属化合物(F)を含有することが好ましい。
【0063】上記有機金属化合物(F)としては、特に
限定されるものではないが、例えば、ゲルマニウム、
錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、
チタニウム、ジルコニウムなどの金属元素と有機基を置
換してなる有機金属化合物等が挙げられる。
【0064】上記有機金属化合物(F)の具体例として
は、特に限定されるものではないが、例えば、ジブチル
錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジ
アセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫
ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセ
トナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、
オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫
オキサイドなどの錫化合物や、テトラ−n−ブトキシチ
タネート、テトライソプロポキシチタネートなどのチタ
ニウム化合物等が挙げられる。これらの有機金属化合物
(F)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併
用されても良い。
【0065】本発明の光反応性組成物中における上記有
機金属化合物(F)の含有量は、特に限定されるもので
はないが、前記重合体(A)100重量部に対して、上
記有機金属化合物(F)0.01〜10重量部であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.1〜8重量部であ
る。
【0066】有機金属化合物(F)の含有量が重合体
(A)100重量部に対して0.01重量部未満である
と、光照射後の重合体(A)の加水分解・縮合反応が十
分に促進されないことがあり、逆に重合体(A)100
重量部に対して10重量部を超えると、光照射後の重合
体(A)の加水分解・縮合反応は十分に促進されるもの
の、硬化体への好ましくない影響が現れることがある。
【0067】本発明の光反応性組成物には、本発明の課
題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、光反
応性組成物の粘性特性を調整するための増粘剤やチキソ
トロープ剤、光反応性組成物の硬化体の引っ張り特性等
を向上させるための物性調整剤、増量剤、可塑剤、感光
性増感剤、補強剤、タレ防止剤、難燃剤、帯電防止剤、
酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、着色剤、香料、
酸、有機溶媒等の各種添加剤の1種類もしくは2種類以
上を添加しても良い。
【0068】増粘剤は、前記重合体(A)との相溶性の
良い高分子化合物から選ばれることが好ましく、使用さ
れる重合体(A)の種類によって適宜選択されれば良
い。増粘剤としては、特に限定されるものではないが、
例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリ
ビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレ
ン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリオレ
フィン類、ポリアルキレンオキサイド類、ポリウレタン
類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添N
BR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等や、こ
れらの共重合体や官能基変性体等が挙げられる。これら
の増粘剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0069】チキソトロープ剤は、前記重合体(A)に
親和性の高い表面を有する物質から選ばれることが好ま
しく、使用される重合体(A)の種類によって適宜選択
されれば良い。チキソトロープ剤としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、コロイダルシリカ、ポリ
ビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバル
ーン、ガラスビーズ等が挙げられる。これらのチキソト
ロープ剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0070】物性調整剤としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメ
トキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’
−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチ
レンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシ
シリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’
−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキ
サエチレンジアミンなどのシランカップリング剤や、チ
タンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が
挙げられる。これらの物性調整剤は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0071】増量剤としては、光反応性組成物にチキソ
トロピー性を付与しないものが好ましく、特に限定され
るものではないが、例えば、タルク、クレー、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、珪酸
カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げ
られる。これらの増量剤は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0072】可塑剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジ
ルなどのリン酸エステル類;フタル酸ジオクチルなどの
フタル酸エステル類;グリセリンモノオレイル酸エステ
ルなどの脂肪酸−塩基酸エステル類;アジピン酸ジオク
チルなどの脂肪酸二塩基酸エステル類;ポリプロピレン
グリコール類等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独
で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0073】本発明の光反応性組成物に光を照射する際
に利用できる光源は、光源が発する光により光反応性組
成物が光活性を示し、前記重合体(A)の光反応により
硬化体が生成する光源である限り如何なる光源であって
も良く、特に限定されるものではない。又、光反応性組
成物の用途に応じて光源を適宜選択しても良い。
【0074】上記光源の具体例としては、特に限定され
るものではないが、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザー、ケミカ
ルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励
起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、
ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電
子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で
用いられても良いし、2種類以上が組み合わされて用い
られても良い。
【0075】光反応性組成物に対する複数の光源による
光照射手順は、特に限定されるものではなく、同時照射
であっても良いし、時間差をおいての逐次照射であって
も良いし、同時照射と逐次照射との組み合わせであって
も良い。又、上記光照射に際しては、例えばフィルター
等を用いて不要な波長成分を低減もしくは除去しても良
い。
【0076】本発明の光反応性組成物の使用方法は、特
に限定されるものではないが、例えば、被着体(被塗
物)に光反応性組成物を公知の方法で塗布もしくは充填
した後、光を照射して、光反応性組成物を重合又は架橋
させることにより、光反応性組成物の塗膜もしくは充填
物を形成させる方法を採れば良い。
【0077】上記被着体への塗布もしくは充填は、全面
塗布もしくは全面充填であっても良いし、部分塗布もし
くは部分充填であっても良い。又、光の照射も全面照射
であっても良いし、部分照射であっても良い。光の照射
が部分照射である場合、パターン化した光を照射するこ
とにより、光反応性組成物の塗膜に所望のパターンを形
成させることもできる。
【0078】本発明の光反応性組成物の用途としては、
特に限定されるものではないが、例えば、光後硬化性組
成物、光反応性接着剤組成物、光反応性シーリング材組
成物や、光反応性のコーティング材、酸化珪素膜、層間
絶縁膜、塗料、インク、表面保護材、表面処理剤、ポッ
ティング材、製版材料、レジスト材料、成形材料、造形
材料、増粘材等が挙げられる。
【0079】本発明の光反応性組成物は、これらの用途
に好適に用いられるが、なかでも光後硬化性組成物、光
反応性接着剤組成物及び光反応性シーリング材組成物と
して特に好適に用いられる。
【0080】従来の光反応性組成物を光透過性に劣る被
着体に適用する場合、被着体に塗布もしくは充填した
後、光照射を行っても、もはや光反応を進行させること
が困難な場合があるが、本発明の光反応性組成物は、光
照射後も重合反応又は架橋反応が持続的に進行する光後
硬化性を有するため、光透過性に劣る被着体への適用に
際しては、先ず光反応性組成物に光を照射し、次いで、
被着体へ塗布もしくは充填する方法を採ることができ
る。
【0081】本発明の光反応性組成物を光反応性接着剤
組成物として用いる場合、被着体の少なくとも一方が光
透過性に優れる場合には、一方の被着体に光反応性組成
物を塗布し、次いで、他方の被着体を貼り合わせた後
に、上記光透過性に優れる被着体を介して光照射を行え
ば良い。又、被着体の双方が光透過性に劣る場合には、
本発明の光反応性組成物が有する光後硬化性を利用し
て、先ず光反応性組成物に光を照射した後に、この光反
応性組成物を一方の被着体に塗布し、次いで、他方の被
着体を貼り合わせても良いし、又、先ず一方の被着体に
光反応性組成物を塗布し、この光反応性組成物の露出面
に光を照射した後に、他方の被着体を貼り合わせても良
い。
【0082】本発明の光反応性組成物を光反応性シーリ
ング材組成物として用いる場合、充填箇所に光反応性組
成物を充填した後に、この光反応性組成物の露出面に光
を照射しても良いし、又、本発明の光反応性組成物が有
する光後硬化性を利用して、先ず光反応性組成物に光を
照射した後に、この光反応性組成物を充填箇所に充填し
ても良い。
【0083】本発明を更に詳しく説明するため以下に実
施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。尚、本実施例においては以下に示す
原材料を用いた。
【0084】1.重合体(A) (1)ポリイソブチレンの末端に加水分解性官能基含有
シリル基を有する化合物(商品名「エピオンEP−10
3S」、鐘淵化学工業社製) 2.水素ラジカル供与剤(B) (1)ベンジルメチルエーテル (2)ラウリルメルカプタン (3)トルエン (4)キシレン 3.化合物(C) (1)マレイン酸無水物 (2)ブチル酸無水物 (3)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェ
ニルフォスフィンオキサイド(商品名「イルガキュア8
19」、チバスペシャルティケミカルズ社製) 4.湿気硬化触媒 (1)1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウ
リルオキシカルボニル−ジスタノキサン
【0085】(実施例1)重合体(A)として「エピオ
ンEP−103S」100重量部及び水素ラジカル供与
剤(B)としてベンジルメチルエーテル10重量部を適
宜加熱しながら均一に攪拌混合して、光反応性組成物を
作製した。
【0086】(実施例2〜実施例6)光反応性組成物を
それぞれ表1に示す配合組成としたこと以外は実施例1
の場合と同様にして、それぞれの光反応性組成物を作製
した。
【0087】(比較例1)水素ラジカル供与剤(B)を
含有させることなく、重合体(A)として「エピオンE
P−103S」100重量部及び湿気硬化触媒(1,
1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウリルオキシ
カルボニル−ジスタノキサン)2重量部を適宜加熱しな
がら均一に攪拌混合して、湿気硬化性組成物を作製し
た。
【0088】実施例1〜実施例6で得られた光反応性組
成物及び比較例1で得られた湿気硬化性組成物の性能
(外観、糸曳き発現時間、ゲル分率、硬化厚
み、貯蔵安定性)を以下の方法で評価した。その結果
は表1に示すとおりであった。
【0089】外観:光反応性組成物及び湿気硬化性組
成物の外観を目視で観察して、透明であるか、白濁等が
認められるかを確認した。 糸曳き発現時間:光反応性組成物をポリエチレン板上
に厚みが350μmとなるように塗工し、高圧水銀灯
(商品名「TOSCURE401」、東芝ライテック社
製)を用いて、それぞれ表1に示す光照射エネルギー量
の紫外線(365nm)を照射した後、指で光反応性組
成物に触れ、糸曳き発現時間を確認した。又、湿気硬化
性組成物については、紫外線照射を行うことなく、20
℃−50%RHの雰囲気下に放置した後、上記と同様に
して糸曳き発現時間を確認した。 ゲル分率:光反応性組成物をポリエチレン板上に厚み
が350μmとなるように塗工し、高圧水銀灯「TOS
CURE401」を用いて、それぞれ表1に示す光照射
エネルギー量の紫外線(365nm)を照射した後、2
0℃−50%RHの雰囲気下に所定時間放置して養生し
た。次いで、各養生物の一部をテトラヒドロフラン中に
室温で1日間浸漬し、その後5時間振蕩した後に、テト
ラヒドロフランを乾燥して除去し、残渣をゲルとして定
量した。尚、ゲル分率としては、光反応性組成物中のゲ
ル量の割合を重量%で示した。又、湿気硬化性組成物に
ついては、紫外線照射を行うことなく、上記と同様にし
てゲル分率を求めた。 硬化厚み:4周を堰(高さ2mm)で囲ったポリエチ
レン板上に光反応性組成物を厚みが2mmとなるように
注ぎ、高圧水銀灯「TOSCURE401」を用いて、
それぞれ表1に示す光照射エネルギー量の紫外線(36
5nm)を照射した後、20℃−50%RHの雰囲気下
に遮光下で1週間放置して養生し、生成した皮膜の厚み
を測定し、硬化厚みを求めた。又、湿気硬化性組成物に
ついては、紫外線照射を行うことなく、上記と同様にし
て硬化厚みを求めた。 貯蔵安定性:光反応性組成物及び湿気硬化性組成物
を、密栓状態(遮光下及び遮湿下)で、25℃の雰囲気
下に1ケ月放置した後、外観を目視で観察し、下記判定
基準により貯蔵安定性を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥粘度上昇やゲルの発生は認められなかった。 △‥‥若干の粘度上昇やゲルの発生が認められた。 ×‥‥著しい粘度上昇やゲルの発生が認められた。
【0090】
【表1】
【0091】(実施例7〜実施例20)光反応性組成物
をそれぞれ表2に示す配合組成としたこと以外は実施例
1の場合と同様にして、それぞれの光反応性組成物を作
製した。
【0092】実施例7〜実施例20で得られた光反応性
組成物の性能(外観、糸曳き発現時間、ゲル分
率)を上記方法で評価した。その結果は表2に示すとお
りであった。
【0093】
【表2】
【0094】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜実施例6の光反応性組成物は、いずれも外観、
糸曳き発現時間、ゲル分率、硬化厚み及び貯蔵安定性の
全てについて優れていた。これに対し、比較例1の湿気
硬化性組成物は、外観が白濁しており、且つ、硬化速度
が遅いため、糸曳き発現時間、ゲル分率及び硬化厚みが
劣っていた。
【0095】又、表2から明らかなように、本発明によ
る実施例7〜実施例20の光反応性組成物は、いずれも
外観、糸曳き発現時間及びゲル分率の全てについて優れ
ていた。
【0096】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の光反応性組
成物は、遮光下では優れた貯蔵安定性を有し、且つ、光
を照射した後は、室温で速やかに重合反応や架橋反応が
深部にまで進行して、優れた物性を発現する硬化体を得
ることができるので、光後硬化性組成物、光反応性接着
剤組成物、光反応性シーリング材組成物等としての用途
を始め、各種工業用途に好適に用いられる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA04 AB15 AC08 4J002 BB201 CH022 EA016 EA026 EA049 EA056 EA068 EA069 EB016 EB026 EB046 EB119 EC026 EC046 EC056 ED026 ED056 ED088 EE028 EE036 EE038 EE046 EE047 EF036 EF049 EF096 EF106 EF116 EF127 EH079 EH097 EH147 EL066 EL088 EL106 EL137 EN026 EN076 EU027 EU038 EU138 EV026 EV046 EV097 EV306 EV308 EW128 EW147 EW148 EZ039 FD202 FD206 FD208 FD209 FD330 GH00 GJ00 4J040 DA141 FA062 FA132 GA31 HB01 HB03 HB04 HB18 HB20 HB22 HB30 HC01 HC18 HD03 HD05 HD07 HD21 HD41 JB08 KA11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソブチレンからなる重合体であって、
    下記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以
    上有する重合体(A)、及び、水素ラジカル供与剤
    (B)を含有することを特徴とする光反応性組成物。 【化1】 (式中、Xは、加水分解性官能基を示し、Rは、炭化水
    素基を示し、nは、1〜3の整数を示す)
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、Xがアルコキシ
    ル基であることを特徴とする請求項1に記載の光反応性
    組成物。
  3. 【請求項3】 更に、下記一般式(2)で表される分子
    骨格を有する化合物(C)を含有することを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の光反応性組成物。 【化2】 (式中、Yは、周期表のIVB族、周期表のVB族又は
    周期表のVIB族の原子を示し、Zは、水素原子、炭化
    水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン
    基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキ
    シ基及びオキソ基からなる群より選択される置換基を示
    し、mは、2〜5の整数を示す)
  4. 【請求項4】 化合物(C)がカルボン酸無水物又はカ
    ルボン酸イミドであることを特徴とする請求項3に記載
    の光反応性組成物。
  5. 【請求項5】 更に、光ラジカル発生剤(D)を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項
    に記載の光反応性組成物。
  6. 【請求項6】 更に、ラジカル重合性不飽和基を有する
    化合物(E)を含有することを特徴とする請求項1〜請
    求項5のいずれか1項に記載の光反応性組成物。
  7. 【請求項7】 更に、重合体(A)の加水分解・縮合反
    応を促進する有機金属化合物(F)を含有することを特
    徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光
    反応性組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記
    載の光反応性組成物からなることを特徴とする光後硬化
    性組成物。反応性組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記
    載の光反応性組成物からなることを特徴とする光反応性
    接着剤組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項7のいずれか1項に
    記載の光反応性組成物からなることを特徴とする光反応
    性シーリング材組成物。
JP2002092388A 2002-03-28 2002-03-28 光反応性組成物 Expired - Fee Related JP3987749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002092388A JP3987749B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 光反応性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002092388A JP3987749B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 光反応性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003286378A true JP2003286378A (ja) 2003-10-10
JP3987749B2 JP3987749B2 (ja) 2007-10-10

Family

ID=29237230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002092388A Expired - Fee Related JP3987749B2 (ja) 2002-03-28 2002-03-28 光反応性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3987749B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006089667A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Kimoto & Co Ltd 粘接着剤、およびこれを用いた粘接着シート
KR20200007245A (ko) * 2018-07-12 2020-01-22 율촌화학 주식회사 습기차단성 점착 필름 및 점착 테이프, 및 그 제조방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006089667A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Kimoto & Co Ltd 粘接着剤、およびこれを用いた粘接着シート
KR20200007245A (ko) * 2018-07-12 2020-01-22 율촌화학 주식회사 습기차단성 점착 필름 및 점착 테이프, 및 그 제조방법
KR102094963B1 (ko) 2018-07-12 2020-03-30 율촌화학 주식회사 습기차단성 점착 필름 및 점착 테이프, 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3987749B2 (ja) 2007-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100881301B1 (ko) 광반응성 조성물
WO1999005215A1 (fr) Composition adhesive polymerisable
JP2014156585A (ja) 光硬化性組成物
JPWO2016104787A1 (ja) 光硬化性組成物
JP2021143338A (ja) 硬化性組成物
JP2003213001A (ja) 光反応性組成物
JPH1060114A (ja) 鉄化合物を用いるポリチオールおよびポリエンの貯蔵−安定性の1パーツ系空気活性化される配合組成物
JP3987749B2 (ja) 光反応性組成物
JP5164942B2 (ja) 硬化性組成物、接着剤及びシーリング材
JP2018062590A (ja) 光硬化性組成物
WO2019073979A1 (ja) 光硬化性粘着剤組成物、及び接着方法
JPWO2019073980A1 (ja) 光硬化性粘着剤組成物、及び接着方法
JPWO2019073978A1 (ja) 接着方法、及び光硬化性粘着剤組成物
JP5507357B2 (ja) 硬化性組成物、接着剤及びシーリング材
JP2004269678A (ja) 光反応性組成物、並びに、光後硬化性組成物、光反応性接着剤及び光反応性シーリング剤
JP4426866B2 (ja) 加熱消滅性材料
JP2015183045A (ja) 光硬化性樹脂、カルボン酸無水物基含有樹脂、光硬化性樹脂組成物及び光硬化性組成物
JP2004259875A (ja) 電気・電子部品の封止方法、及び、その封止方法により封止されてなる電気・電子部品
JP2004047415A (ja) フレキシブルフラットケーブル、接着剤及びその接合体
JP2004241489A (ja) 異方導電性光後硬化型ペースト、それを用いた電気部品の接合方法及び電気部品
JP2004137433A (ja) 光反応性組成物、並びに、それを用いた光後硬化性組成物、光反応性接着剤組成物及び光反応性シーリング材組成物
JP2004237669A (ja) 構造体の製造方法及び構造体
JP2004269677A (ja) 光反応性組成物、接着構造体及びその製造方法
JP2003041077A (ja) 硬化性組成物
JP2004331926A (ja) 接着構造体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070713

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100720

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110720

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120720

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130720

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees