JP2004259875A - 電気・電子部品の封止方法、及び、その封止方法により封止されてなる電気・電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】光照射されることにより表面が速やかに硬化して光非照射部や深部に存在する未硬化の液状組成物が流出せず、且つ、後硬化性を有するので、常温で養生することにより、未硬化の液状組成物も確実に後硬化し得る光後硬化型液状組成物を封止剤として用いる電気・電子部品の封止方法、及び、上記電気・電子部品の封止方法により封止されてなる電気・電子部品を提供する。
【解決手段】リード線と回路基板上の回路端子とを接合し、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆もしくは充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させる電気・電子部品の封止方法、及び、光後硬化型液状組成物が、特定の架橋可能な加水分解性シリル基を有する化合物(A)及び特定の分子骨格を有する化合物(B)を含有してなる上記電気・電子部品の封止方法、並びに、上記電気・電子部品の封止方法により封止されてなる電気・電子部品。
【選択図】 なし
【解決手段】リード線と回路基板上の回路端子とを接合し、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆もしくは充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させる電気・電子部品の封止方法、及び、光後硬化型液状組成物が、特定の架橋可能な加水分解性シリル基を有する化合物(A)及び特定の分子骨格を有する化合物(B)を含有してなる上記電気・電子部品の封止方法、並びに、上記電気・電子部品の封止方法により封止されてなる電気・電子部品。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子部品の封止方法、及び、その封止方法により封止されてなる電気・電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気・電子部品のリード線と回路基板上又はボックス中の回路端子とを接合し、その接合部位に硬化性液状組成物を被覆もしくは充填した後、何らかの硬化方法により硬化性液状組成物を硬化させる、所謂ポッティング法が電気・電子部品の接続端子の保護を目的として広く行われている。
【0003】
上記ポッティング法に用いられる硬化性液状組成物(ポッティング剤)としては、一般的に、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シロキサン系樹脂等を主成分としてなる硬化性液状組成物が多用されている。又、上記硬化性液状組成物の硬化方法としては、一般的に、常温硬化、加熱硬化、湿気硬化、2液混合硬化、紫外線等による光硬化、嫌気硬化等の様々な硬化方法が採られている。
【0004】
しかし、上記一般的に多用されている従来の硬化性液状組成物には様々な問題点がある。例えば、エポキシ系樹脂等を主成分としてなる加熱硬化型液状組成物は、硬化させるのに数十分以上の中温加熱もしくは高温加熱が必要であるという問題点がある。又、ウレタン系樹脂等を主成分としてなる湿気硬化型液状組成物は、空気中の湿気を吸収して表面から徐々に硬化していくため、厚膜硬化させる場合、深部まで硬化するのに長時間を要するという問題点がある。
【0005】
又、アクリル系オリゴマー及びアクリル系モノマーを主成分としてなる光(紫外線)硬化型液状組成物も開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
しかし、上記光硬化型液状組成物は、光照射された表面の硬化は非常に速いものの、光の影になる部分、即ち、光の非照射部は殆ど硬化しないという問題点がある。又、この問題点に対応するために、光硬化型液状組成物中に湿気硬化性成分や嫌気硬化性成分等を共存させると、光硬化型液状組成物そのものの安定性が損なわれるという問題点が発生する。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−320284号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、光照射されることにより表面が速やかに硬化して光非照射部や深部に存在する未硬化の光後硬化型液状組成物が流出せず、且つ、後硬化性を有するので、常温で養生することにより、未硬化の光後硬化型液状組成物も確実に後硬化し得る光後硬化型液状組成物を封止剤として用いる電気・電子部品の封止方法、及び、上記電気・電子部品の封止方法により封止されてなる電気・電子部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(本発明)による電気・電子部品の封止方法は、リード線と回路基板上の回路端子とを接合し、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆もしくは充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明による電気・電子部品の封止方法は、上記請求項1に記載の電気・電子部品の封止方法において、光後硬化型液状組成物が、少なくとも下記一般式(1)で表される架橋可能な加水分解性シリル基を有する化合物(A)及び下記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(B)を含有してなることを特徴とする。
【化3】
(式中、Xは加水分解性を有する官能基を示す)
【化4】
(式中、nは2、3、4又は5の整数を示し、Yは周期表のIVB族、VB族又はVIB族の原子を示し、Zは水素基、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基を示す)
【0011】
請求項3に記載の発明による電気・電子部品の封止方法は、上記請求項1又は請求項2に記載の電気・電子部品の封止方法において、光後硬化型液状組成物の23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明による電気・電子部品の封止方法は、上記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法において、光後硬化型液状組成物の硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明による電気・電子部品の封止方法は、上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法において、光後硬化型液状組成物の硬化体の破断伸びが200%以上であることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明(本発明)による電気・電子部品は、上記請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法により封止されてなることを特徴とする。
以下、本発明を詳述する。
【0015】
本発明の電気・電子部品の封止方法は、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位が存在するものであれば如何なる電気・電子部品にも適用され、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、図1や図2に示すような電気・電子部品に好適に適用される。
【0016】
図1は本発明の電気・電子部品の封止方法による電気・電子部品の一例を示す図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
【0017】
本発明の電気・電子部品の封止方法においては、図1に示すように、リード線と回路基板上の回路端子とを常法により接合し、次いで、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることにより、電気・電子部品を封止する方法を採っても良い。このような封止方法を採ることにより、回路基板上におけるリード線と回路端子との接合部位を効果的に保護することができる。
【0018】
又、図2は本発明の電気・電子部品の封止方法による電気・電子部品の他の例を示す図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
【0019】
本発明の電気・電子部品の封止方法においては、図2に示すように、リード線とボックス中に収納された回路基板上の回路端子とを常法により接合し、次いで、その接合部位に光後硬化型液状組成物を充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることにより、電気・電子部品を封止する方法を採っても良い。このような封止方法を採ることにより、ボックス中に収納された回路基板上におけるリード線と回路端子との接合部位を効果的に保護することができる。
【0020】
本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物としては、光後硬化性を有し、常温で液状のものであれば如何なる光後硬化型液状組成物であっても良く、特に限定されるものではないが、中でも、光照射されることにより表面が速やかに硬化し、且つ、常温で養生することにより、未硬化部分まで容易に後硬化して、優れた物性を有する硬化体となり得ることから、少なくとも前記一般式(1)で表される架橋可能な加水分解性シリル基を有する化合物(A)及び前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(B)を含有してなる光後硬化型液状組成物が好適に用いられる。
【0021】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物に含有される化合物(A)は、少なくとも前記一般式(1)で表される架橋可能な加水分解性シリル基を有する化合物であって、Xで示される加水分解性を有する官能基(以下、加水分解性官能基と記す)が珪素原子に少なくとも2個以上結合した官能基構造を有する。上記化合物(A)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、加水分解性官能基(X)が珪素原子に少なくとも2個以上結合した官能基構造とは、同じ珪素原子を介して加水分解性官能基(X)が複数個結合していても良いし、1分子中に珪素原子が2個以上ある場合には、各珪素原子に少なくとも1個以上の加水分解性官能基(X)が結合していても良い。
【0022】
上記加水分解性官能基(X)は、珪素原子と加水分解性官能基(X)との結合が加水分解反応により切断され得る官能基である。上記加水分解性官能基(X)としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルコキシル基、オキシム基、アルケニルオキシ基、アセトキシ基等や、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基等が挙げられ、中でも、安定性と汎用性に優れることから、アルコキシル基が好適に用いられる。これらの加水分解性官能基(X)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】
上記アルコキシル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。ジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基の場合には、同じアルコキシル基を用いても良いし、異なるアルコキシル基を組み合わせて用いても良い。又、種類の異なる加水分解性官能基(X)を組み合わせて用いても良いし、異なる化合物(A)を複数個組み合わせて用いても良い。更に、化合物(A)の加水分解性官能基(X)は、全て同じ種類のものであっても良いし、全て異なる種類のものであっても良い。
【0024】
前記一般式(1)で表される化合物(A)としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(1−1)で表される珪素原子に加水分解性官能基(X)が1〜4個結合した分子骨格を有する化合物(A1)、又は、下記一般式(1−2)で表される官能基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物(A2)が好適に用いられる。但し、下記一般式(1−2)においてmが1である場合には、化合物(A2)は一般式(1−2)で表される官能基を1分子中に少なくとも2個以上有する。
【化5】
(式中、mは1、2、3又は4の整数を示し、Rは炭化水素基を示し、Xは加水分解性官能基を示す)
【化6】
(式中、mは1、2又は3の整数を示し、Rは炭化水素基を示し、Xは加水分解性官能基を示す)
【0025】
上記一般式(1−1)又は上記一般式(1−2)において、Rで示される炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。これらの炭化水素基(R)は、例えば、アミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、重合性不飽和基、ウレタン結合、ウレア基、イミド基、エステル結合等の架橋反応を阻害しない官能基又は結合を有していても良い。又、これらの炭化水素基(R)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0026】
上記化合物(A1)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメトキシジメチルシラン、シクロヘキシルジメトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルオクチルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、クロロメチル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメトキシプロピルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシドキシプロピル)メチルシラン、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]−ヘプト−3−イル)エチル]シラン、クロロトリメトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、クロロトリス(1,3−ジメチルブトキシ)−シラン、ジクロロジエトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)−プロピオニトリル、4−(トリエトキシシリル)−ブチロニトリル、3−(トリエトキシシリル)−プロピルイソシアネート、3−(トリエトキシシリル)−プロピルチオイソシアネート、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、1,3,5,7−テトラエトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラプロキシシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトライソプロポキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラブトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタエトキシ−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシラザン、1,7−ジアセトキシオクタメチルテトラシロキサン、1,7−ジクロロオクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジクロロトリシロキサン、1,3−ジクロロテトライソプロピルジシロキサン、1,3−ジエトキシテトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジクロロジシロキサン、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン、ジアセトキシジフェニルシラン、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)メチルイソプロポキシシラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)エトキシメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメチルシラン、トリス(1−メチルビニロキシ)ビニルシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、トリアセトキシビニルシラン、テトラアセトキシシラン、ジアセトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシエチルメチルケトオキシムメチルシラン等が挙げられる。これらの化合物(A1)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】
上記化合物(A2)としては、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコールなどのアルキレングリコールをモノマーユニットとするポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリオレフィンなどのポリマー、これらのポリマーの共重合体であって、一般式(1−2)で表される官能基を有する重合体等が挙げられる。これらのポリマーはオリゴマーであっても良い。又、これらの化合物(A2)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。更に、上記化合物(A1)及び化合物(A2)は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。尚、本発明で言う例えば(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0028】
上記化合物(A2)に含有される一般式(1−2)で表される官能基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメトキシメチルシリル基、シクロヘキシルジメトキシシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジメトキシオクチルシリル基、ジエトキシビニルシリル基、クロロメチル(ジイソプロポキシ)シリル基、ジメトキシフェニルシリル基、ジエトキシフェニルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシプロピルシリル基、イソブチルジメトキシシリル基、オクチルジメトキシシリル基、オクタデシルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、イソブチルジエトキシシリル基、オクチルジエトキシシリル基、ビニルジメトキシシリル基、ビニルジエトキシシリル基、アリルジエトキシシリル基、(3−クロロプロピル)ジメトキシシリル基、クロロメチルジエトキシシリル基、ビス(2−メトキシエトキシ)ビニルシリル基、3−グリシドキシプロピルジメトキシシリル基、ジエトキシ(3−グリシドキシプロピル)シリル基、ジメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]−ヘプト−3−イル)エチル]シリル基、クロロジメトキシシリル基、クロロジエトキシシリル基、クロロビス(1,3−ジメチルブトキシ)−シリル基、クロロジエトキシシリル基、3−(トリエトキシシリル)−プロピオニトリル基、4−(トリエトキシシリル)−ブチロニトリル基、3−(トリエトキシシリル)−プロピルイソシアネート基、3−(トリエトキシシリル)−プロピルチオイソシアネート基、フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリプロポキシシリル基、トリブトキシシリル基、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)、ジアセトキシジフェニルシリル基、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シリル基、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シリル基、ビス(エチルメチルケトオキシム)メチルイソプロポキシシリル基、ビス(エチルメチルケトオキシム)エトキシメチルシリル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメチルシリル基、トリス(1−メチルビニロキシ)ビニルシリル基、メチルトリイソプロペノキシシリル基、エチルトリアセトキシシリル基、メチルトリアセトキシシリル基、ジアセトキシジメチルシリル基、トリアセトキシビニルシリル基、テトラアセトキシシリル基、ジアセトキシメチルフェニルシリル基、ジメトキシエチルメチルケトオキシムメチルシリル基等が挙げられる。これらの一般式(1−2)で表される官能基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0029】
上記化合物(A2)において、一般式(1−2)で表される官能基は、ポリマーの末端に位置していても良いし、ポリマーの側鎖に位置していても良い。又、ポリマーの末端と側鎖との両方に位置していても良い。
【0030】
上記化合物(A2)は、更に、重合性不飽和基を有することが好ましい。上記重合性不飽和基としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチリル基、(メタ)アクリル基などのアニオン重合性基、スチリル基、ビニロキシ基などのカチオン重合性基、ラジカル重合性不飽和基等が挙げられ、中でも、ラジカル重合性不飽和基が好適に用いられる。これらの重合性不飽和基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】
上記ラジカル重合性不飽和基とは、ラジカルの攻撃を受けて生成したラジカルが、連鎖反応的に別の不飽和基を攻撃しラジカル又はラジカルが生成するような化学反応性を有する炭素−炭素二重結合以上の官能基を言う。このようなラジカル重合性不飽和基としては、上記化学反応性を有する炭素−炭素二重結合以上の官能基であれば如何なる官能基であっても良く、特に限定されるものではないが、中でも、(メタ)アクリロイル基が好適に用いられる。これらのラジカル重合性不飽和基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0032】
上記化合物(A2)は、前記一般式(1−2)で表される官能基と上記ラジカル重合性不飽和基とを、複数個及び/又は複数種組み合わせた化合物であっても良い。又、複数の化合物(A2)を組み合わせて用いても良い。
【0033】
前記一般式(1−2)で表される官能基と上記ラジカル重合性不飽和基とを併せ持つ化合物(A2)としては、特に限定されるものではないが、例えば、N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビンルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルジメチル−2−[(2−エトキシエトキシ)エトキシ]シラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの一般式(1−2)で表される官能基とラジカル重合性不飽和基とを併せ持つ化合物(A2)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】
上記化合物(A)の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、鐘淵化学工業社製の商品名「MSポリマー」シリーズとして「MSポリマーS−203」、「MSポリマーS−303」、「MSポリマーS−903」、「MSポリマーエピオン」等、商品名「サイリル」シリーズとして「サイリルSAT−200」、「サイリルMA−403」、「サイリルMA−447」、「サイリルMA−903」等、旭硝子社製の商品名「エクセスター」シリーズとして「エクセスターESS−2410」、「エクセスターESS−2420」、「エクセスターESS−3630」等、チッソ社製のアセトキシ末端ポリジメチルシロキサン(商品名「PS363.5」)、ジメチルアミノ末端ポリジメチルシロキサン(商品名「PS383」)、エトキシ末端ポリジメチルシロキサン(商品名「PS393」)、ステアリロキシ末端ポリジメチルシロキサン(商品名「PS053.5」)、トリエトキシシリル変性ポリ(1,2−ブタジエン)(商品名「PS078.5」)、(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリアザミド(商品名「PS075」)、(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリエチレンイミン(商品名「PS076」)、(N−トリメトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキサイドウレタン(商品名「PS077」)等が挙げられる。
【0035】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物に含有される化合物(B)は、上記化合物(A)を光の照射により硬化させる機能を有するものであって、前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物である。上記化合物(B)は、異なる一般式(2)で表される分子骨格を1分子中に複数組み合わせた化合物であっても良い。又、上記光後硬化型液状組成物においては、異なる一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物を複数組み合わせて用いても良い。尚、本発明で言う硬化には後硬化も含む。
【0036】
前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(B)は、周期表のIVB族、VB族又はVIB族の原子、即ち、酸素、硫黄、窒素、リン及び炭素より選ばれる原子Yに対し、カルボニル基が2個結合した分子骨格を有する化合物であって、原子Yの置換基として原子Yの価数に応じ、適宜、水素基、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基であるZを有する。
【0037】
上記Zとしての炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。尚、これらの炭化水素基は、例えば、アミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、重合性不飽和基、ウレタン結合、ウレア基、イミド基、エステル結合等の架橋反応を阻害しない官能基もしくは結合を有していても良い。
【0038】
前記一般式(2)で表される分子骨格としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(2A)、下記一般式(2B)、下記一般式(2C)、下記一般式(2D)、下記一般式(2E)で表される官能基等が挙げられる。
【0039】
【化7】
【0040】
又、上記化合物(B)としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(2−1)で表される環状化合物や、下記一般式(2−1)のような同じ環状鎖の中に複数個の同種又は異種の前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物等が挙げられる。更に、複数個の同種又は異種のこれら環状化合物を、適宜な有機基で結合した化合物や、複数個の同種又は異種のこれら環状化合物をユニットとして少なくとも1個以上含む双環化合物等が挙げられる。
【0041】
【化8】
【0042】
上記一般式(2−1)中、nは2、3、4又は5の整数を示し、Yは周期表のIVB族、VB族又はVIB族の原子を示し、Zは水素基、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基を示し、Aは有機基を示す。
【0043】
上記化合物(B)としては、Yが酸素の場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、ブチル酸無水物、イソブチル酸無水物、バレリック酸無水物、2−メチルブチル酸無水物、トリメチル酢酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、デカン酸無水物、ラウリル酸無水物、ミリスチリル酸無水物、パルミチン酸無水物、ステアリル酸無水物、ドコサン酸無水物、クロトン酸無水物、(メタ)アクリル酸無水物、オレイン酸無水物、リノレイン酸無水物、クロロ酢酸無水物、ヨード酢酸無水物、ジクロロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、クロロジフルオロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブチル酸無水物、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、2,2−ジメチルコハク酸無水物、イソブチルコハク酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸無水物、イタコン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、グルタル酸無水物、1−ナフチル酢酸無水物、安息香酸無水物、フェニルコハク酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、フタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、4,4’−(ヘキサフルオロプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物等等や、マレイン酸無水物と(メタ)アクリレートとの共重合体、マレイン酸無水物とスチレンとの共重合体、マレイン酸無水物とビニルエーテルとの共重合体などのマレイン酸無水物と重合性不飽和基を有する化合物との共重合体等が挙げられる。これらのYが酸素の場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0044】
このようなYが酸素の場合の化合物(B)の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカハードナー」シリーズとして「アデカハードナーEH−700」、「アデカハードナーEH−703」、「アデカハードナーEH−705A」等、新日本理化社製の商品名「リカシッド」シリーズとして「リカシッドTH」、「リカシッドHT−1」、「リカシッドHH」、「リカシッドMH−700」、「リカシッドMH−700H」、「リカシッドMH」、「リカシッドSH」、商品名「リカレジンTMEG」等、日立化成社製の商品名「HN」シリーズとして「HN−2000」、「HN−5000」等、油化シェルエポキシ社製の商品名「エピキュア」シリーズとして「エピキュア134A」、「エピキュアYH306」、「エピキュアYH307」、「エピキュアYH308H」等、住友化学工業社製の商品名「スミキュアー」シリーズとして「スミキュアーMS」等が挙げられる。
【0045】
上記化合物(B)としては、Yが硫黄の場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、チオ酢酸無水物、チオプロピオン酸無水物、チオブチル酸無水物、チオイソブチル酸無水物、チオバレリック酸無水物、チオトリメチル酢酸無水物、チオヘキサン酸無水物、チオヘプタン酸無水物、チオデカン酸無水物、チオラウリル酸無水物、チオミリスチル酸無水物、チオパルミチン酸無水物、チオステアリル酸無水物、チオドコサン酸無水物、チオクロトン酸無水物、チオアクリル酸無水物、チオメタクリル酸無水物、チオオレイン酸無水物、チオリノレイン酸無水物、チオクロロ酢酸無水物、チオヨード酢酸無水物、チオジクロロ酢酸無水物、チオトリフルオロ酢酸無水物、チオクロロジフルオロ酢酸無水物、チオトリクロロ酢酸無水物、チオペンタフルオロプロピオン酸無水物、チオペンタフルオロブチル酸無水物、チオコハク酸無水物、チオメチルコハク酸無水物、チオイソブチルコハク酸無水物、チオイタコン酸無水物、チオマレイン酸無水物、チオグルタル酸無水物、チオフェニルコハク酸無水物、チオフェニルマレイン酸無水物、チオフタル酸無水物、チオ安息香酸無水物、チオジグリコール酸無水物、チオ乳酸無水物等が挙げられる。これらのYが硫黄の場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0046】
上記化合物(B)としては、Yが窒素の場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、コハク酸イミド、N−メチルコハク酸イミド、α,α−ジメチル−β−メチルコハク酸イミド、α−メチル−α−プロピルコハク酸イミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、3−メチル−N−フェニルマレイミド、N,N’−1,2−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビスマレイミド、1,1’−(メチレンジ−1,4−フェニレン)ビスマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミド、N−エチルフタルイミド、N−プロピルフタルイミド、N−フェニルフタルイミド、N−ベンジルフタルイミド、ピロメリット酸ジイミド等や、N−アルキルマレイミドと(メタ)アクリレートとの共重合体、N−アルキルマレイミドとスチレンとの共重合体、N−アルキルマレイミドとビニルエーテルとの共重合体などのN−アルキルマレイミドと重合性不飽和基を有する化合物との共重合体等が挙げられる。これらのYが窒素の場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0047】
上記化合物(B)としては、Yがリンの場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらのYがリンの場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0048】
上記化合物(B)としては、Yが炭素の場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、2,4−ペンタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3−クロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1−ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのジケトン類、ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジメチルメチルマロネート、テトラエチル−1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸などのポリカルボン酸エステル類、メチルアセチルアセトネート、エチルアセチルアセトネート、メチルプロピオニルアセテートなどのα−カルボニル−酢酸エステル類等が挙げられる。これらのYが炭素の場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0049】
上記化合物(B)の中でも、前記化合物(A)の光の照射による硬化速度が速くなり、化合物(A)に対する溶解性にも優れていることから、カルボン酸無水物、カルボン酸イミド、アシルホスフィンオキサイド等が好適に用いられる。
【0050】
上記化合物(B)の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、化合物(B)0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0051】
化合物(A)100重量部に対する化合物(B)の配合量が0.01重量部未満であると、光の照射による化合物(A)の硬化性が不十分となることがあり、逆に化合物(A)100重量部に対する化合物(B)の配合量が30重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の光透過性が低下するため、光照射面のみが硬化し、深部硬化性が不十分となることがある。
【0052】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、光硬化性を向上させるために、即ち、光の照射時間を短くし光の照射エネルギーを低くするために、又、光後硬化型液状組成物の深部まで速やかに硬化させるために、必要に応じて、光ラジカル発生剤(増感剤)を含有していても良い。
【0053】
上記光ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線や可視光線等の光によりラジカルに分解する化合物、水素引き抜きによりラジカルを発生させる化合物、電子移動等のエネルギー移動によりラジカルを発生させる化合物等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸エステル等に対してラジカル重合開始能を有する化合物が好適に用いられる。
【0054】
上記光ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物、ベンジルジメチルケタールなどのケタール誘導体化合物、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスフォナート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフェニル)−チタニウム、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]−チタニウム、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。これらの光ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0055】
尚、市販されている光ラジカル重合開始剤を光ラジカル発生剤として用いても良い。又、ジアシルホスフィン化合物は光照射によりラジカルに分解する光ラジカル発生剤であると共に、分解後のラジカルを含めて前記一般式(2)で表される分子骨格を有しているので、前記化合物(B)と上記光ラジカル発生剤との両方を満たす化合物であり好ましい。
【0056】
上記光ラジカル発生剤の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対し、光ラジカル発生剤0.001〜10重量部であることが好ましい。
【0057】
化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対する光ラジカル発生剤の配合量が0.001重量部未満であると、光ラジカル発生剤による光硬化性向上効果を十分に得られないことがあり、逆に化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対する光ラジカル発生剤の配合量が10重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の光透過性が低下して、光が照射された表面のみが硬化し、深部が十分に硬化しなくなることがある。
【0058】
尚、光ラジカル発生剤がジアシルホスフィン化合物である場合の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、光ラジカル発生剤(ジアシルホスフィン化合物)0.001〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5重量部である。
【0059】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、光硬化性を更に向上させるために、必要に応じて、水素ラジカル供与剤を含有していても良い。
【0060】
上記水素ラジカル供与剤としては、水素ラジカルを引き抜かれ易く、フリーラジカル重合において連鎖移動性を示す化合物であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、1,6−ヘキサンジチオールなどのチオール類、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−n−ブチルスルフィド、テトラヒドロチオフェン、ペンタメチレンスルフィド、1,4−ジチアン、ジフェニルスルフィドなどのスルフィド類、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、エチルベンゼン、ベンジルメチルエーテルなどのアリール位に水素を有する化合物、トリエチルアミン、ブチルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジ(p−アミノフェニル)メタンなどのアミン類、n−ブチルアイオダイド、n−ブチルブロマイド、n−ブチルクロライド、2−クロロブタン、クロロホルムなどのハロゲン化アルキル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸などのカルボン酸類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルベンゼン、ジアセチルベンゼンなどのケトン類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、t−ブチルベンゼンなどの炭化水素類等が挙げられる。これらの水素ラジカル供与剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0061】
上記水素ラジカル供与剤の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対し、水素ラジカル供与剤0.1〜20重量部であることが好ましい。
【0062】
化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対する水素ラジカル供与剤の配合量が0.1重量部未満であると、水素ラジカル供与剤による光硬化性向上効果を十分に得られないことがあり、逆に化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対する水素ラジカル供与剤の配合量が20重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の硬化体の凝集力が不十分となることがある。
【0063】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、前記化合物(A)の加水分解・縮合反応を更に促進させるために、必要に応じて、有機金属化合物を含有していても良い。
【0064】
上記光後硬化型液状組成物は、例えば、光後硬化型液状組成物を気密性の容器に封入して貯蔵したり、開封後短時間の間に使い切ったりする場合や、光後硬化型液状組成物の貯蔵時や供給時に湿気を遮断する工夫が施された塗工装置を利用する場合に、偶発的又は必然的に光非照射部が発生する状況において用いられる場合がある。このような場合に有機金属化合物を配合すれば、光照射後の化合物(A)の硬化を促進させることができる。又、光非照射部ももれなく硬化させることができる。
【0065】
上記有機金属化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウムなどの金属元素と有機基とを置換してなる有機金属化合物等が挙げられ、その具体例としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイドなどの錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネートなどのチタネート系化合物等が挙げられる。これらの有機金属化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0066】
上記有機金属化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、有機金属化合物0.01〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜8重量部である。
【0067】
化合物(A)100重量部に対する有機金属化合物の配合量が0.01重量部未満であると、光照射後の化合物(A)の硬化促進を期待できなくなることがあり、逆に化合物(A)100重量部に対する有機金属化合物の配合量が10重量部を超えると、光照射後の硬化促進はするものの、光後硬化型液状組成物の硬化体への好ましくない影響が著しく現れるようになることがある。
【0068】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、必要に応じて、更に、重合性基を有する化合物(以下、重合性化合物と記す)を含有していても良い。上記重合性化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0069】
前記化合物(A)と前記化合物(B)との特定の組み合わせにおいては、光照射直後暫くしてから硬化体が生成する場合があり、光照射直後には所望の凝集力が不足し、光照射直後からの利用に制限が加わるといった問題がある。しかし、上記重合性化合物を配合することにより、光照射直後の凝集力をより高めることができる。
【0070】
上記重合性化合物における重合性基としては、ラジカル重合性不飽和基又はカチオン重合性基が好適に用いられる。
【0071】
上記ラジカル重合性不飽和基としては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニルエステル基、ビニロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニロキシカルボニル基、ビニルカルボニル基、N−ビニルアミノ基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好適に用いられる。これらのラジカル重合性不飽和基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0072】
上記(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸等や、下記一般式(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)、下記一般式(6)、下記一般式(7)、下記一般式(8)、下記一般式(9)、下記一般式(10)、下記一般式(11)、下記一般式(12)、下記一般式(13)、下記一般式(14)、下記一般式(15)、下記一般式(16)、下記一般式(17)、下記一般式(18)、下記一般式(19)、下記一般式(20)、下記一般式(21)、下記一般式(22)で表される化合物等が挙げられる。これらの(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0073】
【化9】
【0074】
【化10】
【0075】
【化11】
【0076】
【化12】
【0077】
【化13】
【0078】
【化14】
【0079】
【化15】
【0080】
【化16】
【0081】
【化17】
【0082】
【化18】
【0083】
【化19】
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】
【化22】
【0087】
【化23】
【0088】
【化24】
【0089】
【化25】
【0090】
【化26】
【0091】
【化27】
【0092】
【化28】
【0093】
上記スチリル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのスチリル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0094】
上記ビニルエステル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等が挙げられる。これらのビニルエステル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0095】
上記ビニロキシ基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル−3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等が挙げられる。これらのビニロキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0096】
上記カチオン重合性基とは、プロトン酸やルイス酸のような酸の存在下で連鎖反応的に重合や架橋を起こす官能基のことであり、その具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチリル基、オキセタニル基、ビニロキシ基、エポキシ基等が挙げられる。これらのカチオン重合性基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0097】
上記スチリル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン、インデン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのスチリル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0098】
上記オキセタニル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−へキシルオキシメチルオキセタン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン等が挙げられる。これらのオキセタニル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0099】
上記ビニロキシ基を有する化合物として、特に限定されるものではないが、例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル−3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等が挙げられる。これらのビニロキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0100】
上記重合性化合物としてカチオン重合性基を有する化合物を選択する場合には、上記重合性化合物は、更に、前記一般式(1−2)で表される官能基を有していても良い。即ち、上記重合性化合物は、カチオン重合性基と一般式(1−2)で表される官能基とを併せ持つ化合物であって、複数個、複数種のカチオン重合性基と一般式(1−2)で表される官能基とが組み合わされて含まれる化合物であっても良い。
【0101】
このような重合性化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]−ヘプト−3−イル)エチル]シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、3−(3−テトラエトキシシリルプロポキシ)メチル−3−エチルオキセタン等が挙げられる。これらの重合性化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0102】
又、上記重合性化合物としてカチオン重合性基を有する化合物を選択する場合には、本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、更に、光照射によりカチオン重合性基を有する化合物を重合又は架橋させる化合物を含有していても良い。
【0103】
このような化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミニウム錯体−シラノール塩、ハロゲン化アルキル置換トリアジン誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、ベンゼンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、メタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0104】
又、これらの化合物の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名「イルガキュア−261」、旭電化工業社製の商品名「オプトマー」シリーズとして「オプトマーSP−150」、「オプトマーSP−151」、「オプトマーSP−170」、「オプトマーSP−171」等、ゼネラルエレクトロニクス社製の商品名「UVE−1014」、サートマー社製の商品名「CD−1012」、三新化学工業社製の商品名「サンエイド」シリーズとして「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」、「サンエイドSI−100L」等、日本曹達社製の商品名「CI」シリーズとして「CI−2064」、「CI−2481」、「CI−2624」、「CI−2639」等、ローヌプーラン社製の商品名「RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074」、ユニオンカーバイド社製の商品名「UVIー6990」、ミドリ化学社製の商品名「BBIー103」、「MPIー103」、「TPSー103」、「MDSー103」、「DTSー103」、「NATー103」、「NDSー103」等が挙げられる。
【0105】
上記光照射によりカチオン重合性基を有する化合物を重合又は架橋させる化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、カチオン重合性基を有する化合物100重量部に対し、上記化合物0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0106】
カチオン重合性基を有する化合物100重量部に対する上記化合物の配合量が0.01重量部未満であると、光硬化性を示すことが困難となることがあり、逆にカチオン重合性基を有する化合物100重量部に対する上記化合物の配合量が30重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の光透過性が低下して、光が照射された表面のみが硬化し、深部が十分に硬化しなくなることがある。
【0107】
上記重合性化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)10〜99重量部に対し、重合性化合物1〜90重量部であることが好ましい。重合性化合物の配合量が1重量部未満であると、光後硬化型液状組成物の硬化体の凝集力発現が困難となることがあり、逆に重合性化合物の配合量が90重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の硬化体の強度が不十分となることがある。
【0108】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物が上記重合性化合物を含有する場合には、光後硬化型液状組成物の使用時に偶発的又は必然的な光非照射部の発生によって未反応の重合性化合物を残さないようにするために、更に、重合性化合物の重合開始剤を含有していても良い。
【0109】
上記重合性化合物の重合開始剤としては、重合性化合物がラジカル重合性不飽和基を有する化合物の場合にあっては、熱ラジカル発生剤や嫌気性条件下で加熱するとラジカルを発生する嫌気性ラジカル発生剤が挙げられる。又、重合性化合物がカチオン重合性基を有する化合物の場合にあっては、熱活性によりカチオン重合性基を重合させる化合物、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩などのオニウム塩や、3フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体、3フッ化ホウ素ピリジン錯体などのルイス酸−ルイス塩基錯体等が挙げられる。更に、重合性化合物がエポキシ基を有する化合物の場合にあっては、ジシアンジアミドやケチミン等の熱又は湿気によりアミンを発生する化合物が挙げられる。
【0110】
上記熱ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機過酸化物、即ち、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物等が挙げられる。これらの熱ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0111】
上記嫌気性ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、キュメンハイドロパーオキサイドとベンゾキノンとの混合物などの有機過酸化物とキノン化合物との混合物等が挙げられる。これらの嫌気性ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0112】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、リード線、回路端子、回路基板等の被着体に対する密着性や接着力、耐熱性等を更に向上させるために、必要に応じて、更に、エポキシ基を有する化合物を含有していても良い。
【0113】
上記エポキシ基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂、例えば水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのアルコール型エポキシ樹脂、例えば臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、エポキシシラン系化合物、グリシジルエステル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化SBS(SBSはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を示す)等が挙げられ、中でも、前記一般式(1−2)で表される官能基を有するエポキシ系化合物や1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物が好適に用いられる。これらのエポキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0114】
一般式(1−2)で表される官能基を有するエポキシ系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの一般式(1−2)で表される官能基を有するエポキシ系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0115】
又、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物の内の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート」シリーズとして「エピコート152」、「エピコート154」、「エピコート604」等、ダイセル化学社製の商品名「エポリード」シリーズとして「エポリードGT301」、「エポリードGT302」、「エポリードGT401」、「エポリードGT403」等が挙げられる。これらの1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0116】
上記エポキシ基を有する化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、エポキシ基を有する化合物0.1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。
【0117】
化合物(A)100重量部に対するエポキシ基を有する化合物の配合量が0.1重量部未満であると、光後硬化型液状組成物の上記被着体に対する密着性や接着力、耐熱性等が十分に向上しないことがあり、逆に化合物(A)100重量部に対するエポキシ基を有する化合物の配合量が30重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の上記被着体に対する密着性や接着力、耐熱性等は十分に向上するものの、光後硬化型液状組成物の硬化体への好ましくない影響が大きくなり過ぎることがある。
【0118】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、リード線、回路端子、回路基板等の被着体に対する密着性や接着力を更に向上させるために、必要に応じて、更に、イソシアネート基を有する化合物を含有していても良い。
【0119】
上記イソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル) メタン、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェイト、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロキサン等や、これらのアダクト体、イソシアヌレート体、プレポリマー、オリゴマー、ビウレット体、共重合体、ウレトジオン等が挙げられる。これらのイソシアネート基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、これらのイソシアネート基を有する化合物は、必要に応じて、例えば、酢酸エチルや酢酸ブチル等の有機溶剤で溶解もしくは希釈されていても良い。
【0120】
このようなイソシアネート基を有する化合物として、特に限定されるものではないが、例えば、三井化学社製の商品名「コスモネート」、住友バイエルウレタン社製の商品名「スミジュール」や「デスモジュール」、日本ポリウレタン社製の商品名「コロネート」や「ミリオネート」、武田薬品工業社製の商品名「タケネート」や「タケラック」、旭化成社製の商品名「デュラネート」等の市販品を用いても良い。
【0121】
上記イソシアネート基を有する化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、イソシアネート基を有する化合物0.1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。
【0122】
化合物(A)100重量部に対するイソシアネート基を有する化合物の配合量が0.1重量部未満であると、光後硬化型液状組成物の上記被着体に対する密着性や接着力が十分に向上しないことがあり、逆に化合物(A)100重量部に対するイソシアネート基を有する化合物の配合量が30重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の硬化体の強度が不十分となることがある。
【0123】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、必要に応じて、例えば、粘接着性を向上させるための粘接着性付与剤、粘度を調整するための粘度調整剤、チキソトロープ性(揺変性)を付与するためのチキソトロープ剤(揺変性付与剤)、引っ張り特性等の物性を改善するための物性調整剤、増量剤、補強剤、可塑剤(軟化剤)、タレ防止剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、香料、有機溶剤等の公知の機能を有する各種配合剤の1種類もしくは2種類以上を含有していても良い。
【0124】
上記粘接着性付与剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、これらロジンのグリセリンエステルやペンタエリスリトールエステル、これらの水素添加物などのロジン系樹脂、テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂、これらの水素添加物などのテルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂の水素添加物などのテルペンフェノール系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ピュアーモノマー系石油樹脂、これらの水素添加物などの石油系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ダンマル、コーパル、シェラック等が挙げられる。これらの粘接着性付与剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0125】
上記粘度調整剤としては、前記化合物(A)との相溶性の良い高分子化合物から選択されることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、アクリルゴムなどの(メタ)アクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキサイド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、NBR、SBS、SIS、水添NBR、水添SBS、水添SIS等や、これらの共重合体や官能基変成体等が挙げられる。これらの粘度調整剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0126】
上記チキソトロープ剤としては、前記化合物(A)に対して親和性の高い表面を有するものから選択されることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等が挙げられる。これらのチキソトロープ剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0127】
上記物性調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミンなどのシランカップリング剤、イソプロピルトリスイソステアロイルチタネート、イソプロピル−n−ドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホシフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリドデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートなどのチタンカップリング剤、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスファイト、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物等が挙げられる。これらの物性調整剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0128】
上記増量剤としては、光後硬化型液状組成物中に配合してチキソトロープ性を発現しないものから選択されることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水シリカ、含水シリカ、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらの増量剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0129】
上記補強剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックスバルーンなどの無機中空体、塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーンなどの有機中空体、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコーンビーズ、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体粒子、末端カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体粒子などの有機球状体、ガラス、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、セルロースなどの単繊維等が挙げられる。これらの補強剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0130】
上記可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステルなどの脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0131】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物の製造方法は、特別なものではなく、例えば、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、2本ロール、3本ロール、押出機等の公知の各種混練機を単独で用いるか又は併用して、必須成分である化合物(A)及び化合物(B)の各所定量と、含有していても良いその他の各種成分の1種類もしくは2種類以上の各所定量とを、常温下もしくは加熱下で、常圧下、減圧下、加圧下もしくは不活性ガス気流下等の条件下で均一に混練することにより、所望の光後硬化型液状組成物を得ることができる。
【0132】
本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物は、23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであることが好ましい。
【0133】
光後硬化型液状組成物の23℃における粘度が0.01Pa・s未満であると、回路基板上におけるリード線と回路端子との接合部位を被覆する際に、硬化前の光後硬化型液状組成物が流出して、十分な被覆厚みを得られなくなることがあり、逆に光後硬化型液状組成物の23℃における粘度が100Pa・sを超えると、電気・電子部品の封止箇所の隙間に気泡を発生させることなく充填することが困難となることがある。
【0134】又、本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物は、硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であることが好ましい。尚、上記体積抵抗値とは、JIS K−6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定される体積抵抗値(Ω・cm)を意味する。
【0135】
光後硬化型液状組成物の硬化体の上記体積抵抗値が1×106 Ω・cm未満であると、回路に生じている電位差によっては、接合端子間で電気的短絡が発生することがある。
【0136】
更に、本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物は、硬化体の破断伸びが200%以上であることが好ましい。尚、上記破断伸びとは、JIS K−6301「加硫ゴム物理試験方法」に準拠して、3号形ダンベル状試験片、クロスヘッド速度500mm/分の条件で測定される破断伸び(%)を意味する。
【0137】
光後硬化型液状組成物の硬化体の上記破断伸びが200%未満であると、この光後硬化型液状組成物を封止箇所が歪みを吸収しなくてはならない可動式の接合部分である場合やヒートサイクル(冷熱繰り返し)によって体積収縮が起こるような接合部分である場合の封止に適用することが困難となることがある。
【0138】
本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物は、光後硬化性を有し、常温で液状のものであれば如何なる光後硬化型液状組成物であっても良く、特に限定されるものではないが、中でも、前記化合物(A)及び化合物(B)を含有してなり、且つ、好ましくは23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであり、好ましくは硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であり、好ましくは硬化体の破断伸びが200%以上である光後硬化型液状組成物であることが特に好ましい。
【0139】
このような光後硬化型液状組成物は、本発明の電気・電子部品の封止方法において、優れた作業性で、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位を極めて効果的に保護することができる。
【0140】
本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物に光を照射する際に利用できる光源としては、光源が発する光により光後硬化型液状組成物が光活性を示し、前記化合物(A)の光硬化により硬化体が生成する光源であれば良く、特に限定されるものではない。又、光後硬化型液状組成物の種類や電気・電子部品の用途等に対応して光源を適宜選択しても良い。
【0141】
このような光源の好適な例としては、前記化合物(B)に起因する光後硬化型液状組成物の吸収する波長を含む光を発する光源が挙げられる。又、光ラジカル発生剤を含有する光後硬化型液状組成物については、化合物(B)及び光ラジカル発生剤の双方に起因する光後硬化型液状組成物の吸収する波長を含む光を発する光源であることが好ましい。
【0142】
このような光源として、複数の光源を組み合わせて用いる場合には、各種の光源からの光を同時に光後硬化型液状組成物に照射することが好ましい。又、それぞれの光源からの光を順番に照射しても良いし、それぞれの光源からの光を交互に照射しても良い。
【0143】
上記光源の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザー、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源の使用に際しては、例えばフィルター等を用いて不要な波長成分を低減もしくは除去しても良いし、各種光源を組み合わせて用いても良い。又、各種光源の光後硬化型液状組成物への照射手順としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手順を採っても良い。
【0144】
次に、本発明の電気・電子部品は、上述した本発明の電気・電子部品の封止方法により封止されてなる。
【0145】
上記本発明の電気・電子部品としては、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位を有するものであれば如何なる電気・電子部品であっても良く、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、図1や図2に示すような電気・電子部品が挙げられる。
【0146】
即ち、本発明の電気・電子部品は、図1に示すように、リード線と回路基板上の回路端子とを常法により接合し、次いで、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることにより、上記接合部位を封止した電気・電子部品であっても良いし、又、図2に示すように、リード線とボックス中に収納された回路基板上の回路端子とを常法により接合し、次いで、その接合部位に光後硬化型液状組成物を充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることにより、上記接合部位を封止した電気・電子部品であっても良い。
【0147】
本発明の電気・電子部品は、前記本発明の電気・電子部品の封止方法により封止されてなるので、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位が極めて効果的に保護されているものである。
【0148】
【作用】
本発明の電気・電子部品の封止方法は、リード線と回路基板上の回路端子とを接合し、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆もしくは充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射するので、光照射された光後硬化型液状組成物の表面が速やかに硬化して光非照射部や深部に存在する未硬化の液状組成物が流出せず、且つ、上記光後硬化型液状組成物は後硬化性を有するので、常温で養生することにより、未硬化の液状組成物も後硬化し得るものであり、優れた作業性で、上記接合部位を効果的に保護することができる。
【0149】
特に、光後硬化型液状組成物として前記化合物(A)及び化合物(B)を含有してなり、且つ、好ましくは23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであり、好ましくは硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であり、好ましくは硬化体の破断伸びが200%以上である光後硬化型液状組成物を用いることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0150】
又、本発明の電気・電子部品は、上記本発明の電気・電子部品の封止方法により封止されてなるので、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位が効果的に保護されているものであり、優れた信頼性や耐久性を発現する。
【0151】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0152】
(実施例)
5Lのプラネタリーミキサー中で、60℃の遮光下、化合物(A)としてアルコキシシリル変成ポリプロピレングリコール(商品名「MSポリマーS−203」、鐘淵化学工業社製)80g、化合物(B)として無水マレイン酸(和光純薬工業社製)5g、同じく化合物(B)としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(商品名「イルガキュア819」、チバスペシャルティケミカルズ社製)3g及び粘度調整剤としてポリプロピレングリコール(商品名「エクセノール3020」、旭硝子社製)20gを均一に攪拌混練し、減圧脱泡して、光後硬化型液状組成物を調製した。
【0153】
(比較例)
1Lのセパラブルビーカー中で、60℃の遮光下、化合物(A)を用いることなく、両末端アクリレートポリプロピレングリコール(商品名「アロニックスM−270」、東亜合成社製)100g及び光ラジカル重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド「イルガキュア819」1gを均一に攪拌混練し、減圧脱泡して、光硬化型液状組成物を調製した。
【0154】
実施例で得られた光後硬化型液状組成物及び比較例で得られた光硬化型液状組成物の23℃における粘度を測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0155】
次に、実施例で得られた光後硬化型液状組成物及び比較例で得られた光硬化型液状組成物のそれぞれを堰で囲いが形成されているポリエチレン樹脂板上に厚みが0.5mmとなるように流延(キャスト)し、高圧水銀灯を用いて、上記液状組成物の表面に照射量が500mJ/cm2 となるように波長365nmの紫外線を照射した後、25℃の雰囲気下で7日間養生して、それぞれの硬化体を作製した。
【0156】
JIS K−6911に準拠して、上記で得られたそれぞれの硬化体の体積抵抗値を測定した。又、JIS K−6301に準拠して、3号形ダンベル状試験片、クロスヘッド速度500mm/分の条件で、上記で得られたそれぞれの硬化体の破断伸びを測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0157】
次に、図2に示すように、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位をボックス中に有する電気・電子部品のボックス中に実施例で得られた光後硬化型液状組成物及び比較例で得られた光硬化型液状組成物のそれぞれを充填し、高圧水銀灯を用いて、上記液状組成物の表面に照射量が500mJ/cm2 となるように波長365nmの紫外線を照射した後、23℃の雰囲気下で62時間養生して、電気・電子部品をそれぞれ封止した。
【0158】
上記電気・電子部品の封止工程において、液状組成物の性能(▲1▼表面硬化性、▲2▼未硬化の液状組成物の流出の有無、▲3▼深部硬化性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0159】
▲1▼表面硬化性
紫外線照射直後の液状組成物の表面が皮張りしているか否かを目視で観察し、皮張りしている場合は○、皮張りしていない場合は×とした。
▲2▼未硬化の液状組成物の流出の有無
液状組成物に紫外線を照射した直後にボックスを横にして、未硬化の液状組成物の流出の有無を確認した。尚、未硬化の液状組成物の存在は液状組成物の表面から針を突き刺すことによって確認した。
▲3▼深部硬化性
23℃の雰囲気下で62時間養生した後、液状組成物の表面から針を突き刺して液状組成物の深部まで硬化しているか否かを確認し、深部まで硬化している場合は○、深部が硬化していない場合は×とした。
【0160】
【表1】
【0161】
表1から明らかなように、本発明の電気・電子部品の封止方法による実施例の電気・電子部品においては、封止剤として光後硬化型液状組成物を用いているので、光照射直後の表面硬化性(表面皮張り性)に優れ、従って未硬化の光後硬化型液状組成物の流出が無く、且つ、常温で所定時間養生した後は深部まで確実に硬化しており、リード線と回路端子との接合部位の保護効果に優れていた。
【0162】
これに対し、比較例の電気・電子部品においては、封止剤として後硬化性を有しない光硬化型液状組成物を用いているので、光照射直後の表面硬化性(表面皮張り性)には優れ、従って未硬化の光硬化型液状組成物の流出も無かったものの、常温で所定時間養生した後でも深部は未硬化状態のままであり、リード線と回路端子との接合部位の保護効果が劣っていた。
【0163】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の電気・電子部品の封止方法によれば、封止剤として光後硬化型液状組成物を用いるので、光照射されることにより表面が速やかに硬化して光非照射部や深部に存在する未硬化の光後硬化型液状組成物が流出せず、且つ、常温で養生することにより、未硬化の光後硬化型液状組成物も確実に後硬化することが可能であり、従ってリード線と回路基板上の回路端子との接合部位の保護効果に優れる電気・電子部品を得ることができる。
【0164】
特に、光後硬化型液状組成物として前記化合物(A)及び化合物(B)を含有してなり、且つ、好ましくは23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであり、好ましくは硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であり、好ましくは硬化体の破断伸びが200%以上である光後硬化型液状組成物を用いることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0165】
又、本発明の電気・電子部品は、上記本発明の電気・電子部品の封止方法により封止されてなるので、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位が効果的に保護されているものであり、優れた信頼性や耐久性を発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気・電子部品の封止方法による電気・電子部品の一例を示す図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図2】本発明2の電気・電子部品の封止方法による電気・電子部品の他の例を示す図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子部品の封止方法、及び、その封止方法により封止されてなる電気・電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気・電子部品のリード線と回路基板上又はボックス中の回路端子とを接合し、その接合部位に硬化性液状組成物を被覆もしくは充填した後、何らかの硬化方法により硬化性液状組成物を硬化させる、所謂ポッティング法が電気・電子部品の接続端子の保護を目的として広く行われている。
【0003】
上記ポッティング法に用いられる硬化性液状組成物(ポッティング剤)としては、一般的に、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シロキサン系樹脂等を主成分としてなる硬化性液状組成物が多用されている。又、上記硬化性液状組成物の硬化方法としては、一般的に、常温硬化、加熱硬化、湿気硬化、2液混合硬化、紫外線等による光硬化、嫌気硬化等の様々な硬化方法が採られている。
【0004】
しかし、上記一般的に多用されている従来の硬化性液状組成物には様々な問題点がある。例えば、エポキシ系樹脂等を主成分としてなる加熱硬化型液状組成物は、硬化させるのに数十分以上の中温加熱もしくは高温加熱が必要であるという問題点がある。又、ウレタン系樹脂等を主成分としてなる湿気硬化型液状組成物は、空気中の湿気を吸収して表面から徐々に硬化していくため、厚膜硬化させる場合、深部まで硬化するのに長時間を要するという問題点がある。
【0005】
又、アクリル系オリゴマー及びアクリル系モノマーを主成分としてなる光(紫外線)硬化型液状組成物も開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
しかし、上記光硬化型液状組成物は、光照射された表面の硬化は非常に速いものの、光の影になる部分、即ち、光の非照射部は殆ど硬化しないという問題点がある。又、この問題点に対応するために、光硬化型液状組成物中に湿気硬化性成分や嫌気硬化性成分等を共存させると、光硬化型液状組成物そのものの安定性が損なわれるという問題点が発生する。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−320284号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、光照射されることにより表面が速やかに硬化して光非照射部や深部に存在する未硬化の光後硬化型液状組成物が流出せず、且つ、後硬化性を有するので、常温で養生することにより、未硬化の光後硬化型液状組成物も確実に後硬化し得る光後硬化型液状組成物を封止剤として用いる電気・電子部品の封止方法、及び、上記電気・電子部品の封止方法により封止されてなる電気・電子部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(本発明)による電気・電子部品の封止方法は、リード線と回路基板上の回路端子とを接合し、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆もしくは充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明による電気・電子部品の封止方法は、上記請求項1に記載の電気・電子部品の封止方法において、光後硬化型液状組成物が、少なくとも下記一般式(1)で表される架橋可能な加水分解性シリル基を有する化合物(A)及び下記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(B)を含有してなることを特徴とする。
【化3】
(式中、Xは加水分解性を有する官能基を示す)
【化4】
(式中、nは2、3、4又は5の整数を示し、Yは周期表のIVB族、VB族又はVIB族の原子を示し、Zは水素基、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基を示す)
【0011】
請求項3に記載の発明による電気・電子部品の封止方法は、上記請求項1又は請求項2に記載の電気・電子部品の封止方法において、光後硬化型液状組成物の23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明による電気・電子部品の封止方法は、上記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法において、光後硬化型液状組成物の硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明による電気・電子部品の封止方法は、上記請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法において、光後硬化型液状組成物の硬化体の破断伸びが200%以上であることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明(本発明)による電気・電子部品は、上記請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法により封止されてなることを特徴とする。
以下、本発明を詳述する。
【0015】
本発明の電気・電子部品の封止方法は、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位が存在するものであれば如何なる電気・電子部品にも適用され、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、図1や図2に示すような電気・電子部品に好適に適用される。
【0016】
図1は本発明の電気・電子部品の封止方法による電気・電子部品の一例を示す図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
【0017】
本発明の電気・電子部品の封止方法においては、図1に示すように、リード線と回路基板上の回路端子とを常法により接合し、次いで、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることにより、電気・電子部品を封止する方法を採っても良い。このような封止方法を採ることにより、回路基板上におけるリード線と回路端子との接合部位を効果的に保護することができる。
【0018】
又、図2は本発明の電気・電子部品の封止方法による電気・電子部品の他の例を示す図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
【0019】
本発明の電気・電子部品の封止方法においては、図2に示すように、リード線とボックス中に収納された回路基板上の回路端子とを常法により接合し、次いで、その接合部位に光後硬化型液状組成物を充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることにより、電気・電子部品を封止する方法を採っても良い。このような封止方法を採ることにより、ボックス中に収納された回路基板上におけるリード線と回路端子との接合部位を効果的に保護することができる。
【0020】
本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物としては、光後硬化性を有し、常温で液状のものであれば如何なる光後硬化型液状組成物であっても良く、特に限定されるものではないが、中でも、光照射されることにより表面が速やかに硬化し、且つ、常温で養生することにより、未硬化部分まで容易に後硬化して、優れた物性を有する硬化体となり得ることから、少なくとも前記一般式(1)で表される架橋可能な加水分解性シリル基を有する化合物(A)及び前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(B)を含有してなる光後硬化型液状組成物が好適に用いられる。
【0021】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物に含有される化合物(A)は、少なくとも前記一般式(1)で表される架橋可能な加水分解性シリル基を有する化合物であって、Xで示される加水分解性を有する官能基(以下、加水分解性官能基と記す)が珪素原子に少なくとも2個以上結合した官能基構造を有する。上記化合物(A)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、加水分解性官能基(X)が珪素原子に少なくとも2個以上結合した官能基構造とは、同じ珪素原子を介して加水分解性官能基(X)が複数個結合していても良いし、1分子中に珪素原子が2個以上ある場合には、各珪素原子に少なくとも1個以上の加水分解性官能基(X)が結合していても良い。
【0022】
上記加水分解性官能基(X)は、珪素原子と加水分解性官能基(X)との結合が加水分解反応により切断され得る官能基である。上記加水分解性官能基(X)としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルコキシル基、オキシム基、アルケニルオキシ基、アセトキシ基等や、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基等が挙げられ、中でも、安定性と汎用性に優れることから、アルコキシル基が好適に用いられる。これらの加水分解性官能基(X)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】
上記アルコキシル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。ジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基の場合には、同じアルコキシル基を用いても良いし、異なるアルコキシル基を組み合わせて用いても良い。又、種類の異なる加水分解性官能基(X)を組み合わせて用いても良いし、異なる化合物(A)を複数個組み合わせて用いても良い。更に、化合物(A)の加水分解性官能基(X)は、全て同じ種類のものであっても良いし、全て異なる種類のものであっても良い。
【0024】
前記一般式(1)で表される化合物(A)としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(1−1)で表される珪素原子に加水分解性官能基(X)が1〜4個結合した分子骨格を有する化合物(A1)、又は、下記一般式(1−2)で表される官能基を1分子中に少なくとも1個以上有する化合物(A2)が好適に用いられる。但し、下記一般式(1−2)においてmが1である場合には、化合物(A2)は一般式(1−2)で表される官能基を1分子中に少なくとも2個以上有する。
【化5】
(式中、mは1、2、3又は4の整数を示し、Rは炭化水素基を示し、Xは加水分解性官能基を示す)
【化6】
(式中、mは1、2又は3の整数を示し、Rは炭化水素基を示し、Xは加水分解性官能基を示す)
【0025】
上記一般式(1−1)又は上記一般式(1−2)において、Rで示される炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。これらの炭化水素基(R)は、例えば、アミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、重合性不飽和基、ウレタン結合、ウレア基、イミド基、エステル結合等の架橋反応を阻害しない官能基又は結合を有していても良い。又、これらの炭化水素基(R)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0026】
上記化合物(A1)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメトキシジメチルシラン、シクロヘキシルジメトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルオクチルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、クロロメチル(ジイソプロポキシ)メチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメトキシプロピルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシドキシプロピル)メチルシラン、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]−ヘプト−3−イル)エチル]シラン、クロロトリメトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、クロロトリス(1,3−ジメチルブトキシ)−シラン、ジクロロジエトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)−プロピオニトリル、4−(トリエトキシシリル)−ブチロニトリル、3−(トリエトキシシリル)−プロピルイソシアネート、3−(トリエトキシシリル)−プロピルチオイソシアネート、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、1,3,5,7−テトラエトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラプロキシシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトライソプロポキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラブトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタエトキシ−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシラザン、1,7−ジアセトキシオクタメチルテトラシロキサン、1,7−ジクロロオクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジクロロトリシロキサン、1,3−ジクロロテトライソプロピルジシロキサン、1,3−ジエトキシテトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジクロロジシロキサン、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン、ジアセトキシジフェニルシラン、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)メチルイソプロポキシシラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)エトキシメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメチルシラン、トリス(1−メチルビニロキシ)ビニルシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、トリアセトキシビニルシラン、テトラアセトキシシラン、ジアセトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシエチルメチルケトオキシムメチルシラン等が挙げられる。これらの化合物(A1)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】
上記化合物(A2)としては、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコールなどのアルキレングリコールをモノマーユニットとするポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリオレフィンなどのポリマー、これらのポリマーの共重合体であって、一般式(1−2)で表される官能基を有する重合体等が挙げられる。これらのポリマーはオリゴマーであっても良い。又、これらの化合物(A2)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。更に、上記化合物(A1)及び化合物(A2)は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。尚、本発明で言う例えば(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0028】
上記化合物(A2)に含有される一般式(1−2)で表される官能基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメトキシメチルシリル基、シクロヘキシルジメトキシシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジメトキシオクチルシリル基、ジエトキシビニルシリル基、クロロメチル(ジイソプロポキシ)シリル基、ジメトキシフェニルシリル基、ジエトキシフェニルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシプロピルシリル基、イソブチルジメトキシシリル基、オクチルジメトキシシリル基、オクタデシルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、イソブチルジエトキシシリル基、オクチルジエトキシシリル基、ビニルジメトキシシリル基、ビニルジエトキシシリル基、アリルジエトキシシリル基、(3−クロロプロピル)ジメトキシシリル基、クロロメチルジエトキシシリル基、ビス(2−メトキシエトキシ)ビニルシリル基、3−グリシドキシプロピルジメトキシシリル基、ジエトキシ(3−グリシドキシプロピル)シリル基、ジメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]−ヘプト−3−イル)エチル]シリル基、クロロジメトキシシリル基、クロロジエトキシシリル基、クロロビス(1,3−ジメチルブトキシ)−シリル基、クロロジエトキシシリル基、3−(トリエトキシシリル)−プロピオニトリル基、4−(トリエトキシシリル)−ブチロニトリル基、3−(トリエトキシシリル)−プロピルイソシアネート基、3−(トリエトキシシリル)−プロピルチオイソシアネート基、フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリプロポキシシリル基、トリブトキシシリル基、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)、ジアセトキシジフェニルシリル基、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シリル基、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シリル基、ビス(エチルメチルケトオキシム)メチルイソプロポキシシリル基、ビス(エチルメチルケトオキシム)エトキシメチルシリル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメチルシリル基、トリス(1−メチルビニロキシ)ビニルシリル基、メチルトリイソプロペノキシシリル基、エチルトリアセトキシシリル基、メチルトリアセトキシシリル基、ジアセトキシジメチルシリル基、トリアセトキシビニルシリル基、テトラアセトキシシリル基、ジアセトキシメチルフェニルシリル基、ジメトキシエチルメチルケトオキシムメチルシリル基等が挙げられる。これらの一般式(1−2)で表される官能基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0029】
上記化合物(A2)において、一般式(1−2)で表される官能基は、ポリマーの末端に位置していても良いし、ポリマーの側鎖に位置していても良い。又、ポリマーの末端と側鎖との両方に位置していても良い。
【0030】
上記化合物(A2)は、更に、重合性不飽和基を有することが好ましい。上記重合性不飽和基としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチリル基、(メタ)アクリル基などのアニオン重合性基、スチリル基、ビニロキシ基などのカチオン重合性基、ラジカル重合性不飽和基等が挙げられ、中でも、ラジカル重合性不飽和基が好適に用いられる。これらの重合性不飽和基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0031】
上記ラジカル重合性不飽和基とは、ラジカルの攻撃を受けて生成したラジカルが、連鎖反応的に別の不飽和基を攻撃しラジカル又はラジカルが生成するような化学反応性を有する炭素−炭素二重結合以上の官能基を言う。このようなラジカル重合性不飽和基としては、上記化学反応性を有する炭素−炭素二重結合以上の官能基であれば如何なる官能基であっても良く、特に限定されるものではないが、中でも、(メタ)アクリロイル基が好適に用いられる。これらのラジカル重合性不飽和基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0032】
上記化合物(A2)は、前記一般式(1−2)で表される官能基と上記ラジカル重合性不飽和基とを、複数個及び/又は複数種組み合わせた化合物であっても良い。又、複数の化合物(A2)を組み合わせて用いても良い。
【0033】
前記一般式(1−2)で表される官能基と上記ラジカル重合性不飽和基とを併せ持つ化合物(A2)としては、特に限定されるものではないが、例えば、N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビンルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルジメチル−2−[(2−エトキシエトキシ)エトキシ]シラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの一般式(1−2)で表される官能基とラジカル重合性不飽和基とを併せ持つ化合物(A2)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】
上記化合物(A)の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、鐘淵化学工業社製の商品名「MSポリマー」シリーズとして「MSポリマーS−203」、「MSポリマーS−303」、「MSポリマーS−903」、「MSポリマーエピオン」等、商品名「サイリル」シリーズとして「サイリルSAT−200」、「サイリルMA−403」、「サイリルMA−447」、「サイリルMA−903」等、旭硝子社製の商品名「エクセスター」シリーズとして「エクセスターESS−2410」、「エクセスターESS−2420」、「エクセスターESS−3630」等、チッソ社製のアセトキシ末端ポリジメチルシロキサン(商品名「PS363.5」)、ジメチルアミノ末端ポリジメチルシロキサン(商品名「PS383」)、エトキシ末端ポリジメチルシロキサン(商品名「PS393」)、ステアリロキシ末端ポリジメチルシロキサン(商品名「PS053.5」)、トリエトキシシリル変性ポリ(1,2−ブタジエン)(商品名「PS078.5」)、(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリアザミド(商品名「PS075」)、(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリエチレンイミン(商品名「PS076」)、(N−トリメトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキサイドウレタン(商品名「PS077」)等が挙げられる。
【0035】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物に含有される化合物(B)は、上記化合物(A)を光の照射により硬化させる機能を有するものであって、前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物である。上記化合物(B)は、異なる一般式(2)で表される分子骨格を1分子中に複数組み合わせた化合物であっても良い。又、上記光後硬化型液状組成物においては、異なる一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物を複数組み合わせて用いても良い。尚、本発明で言う硬化には後硬化も含む。
【0036】
前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(B)は、周期表のIVB族、VB族又はVIB族の原子、即ち、酸素、硫黄、窒素、リン及び炭素より選ばれる原子Yに対し、カルボニル基が2個結合した分子骨格を有する化合物であって、原子Yの置換基として原子Yの価数に応じ、適宜、水素基、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基であるZを有する。
【0037】
上記Zとしての炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。尚、これらの炭化水素基は、例えば、アミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、重合性不飽和基、ウレタン結合、ウレア基、イミド基、エステル結合等の架橋反応を阻害しない官能基もしくは結合を有していても良い。
【0038】
前記一般式(2)で表される分子骨格としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(2A)、下記一般式(2B)、下記一般式(2C)、下記一般式(2D)、下記一般式(2E)で表される官能基等が挙げられる。
【0039】
【化7】
【0040】
又、上記化合物(B)としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(2−1)で表される環状化合物や、下記一般式(2−1)のような同じ環状鎖の中に複数個の同種又は異種の前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物等が挙げられる。更に、複数個の同種又は異種のこれら環状化合物を、適宜な有機基で結合した化合物や、複数個の同種又は異種のこれら環状化合物をユニットとして少なくとも1個以上含む双環化合物等が挙げられる。
【0041】
【化8】
【0042】
上記一般式(2−1)中、nは2、3、4又は5の整数を示し、Yは周期表のIVB族、VB族又はVIB族の原子を示し、Zは水素基、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基を示し、Aは有機基を示す。
【0043】
上記化合物(B)としては、Yが酸素の場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、ブチル酸無水物、イソブチル酸無水物、バレリック酸無水物、2−メチルブチル酸無水物、トリメチル酢酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、デカン酸無水物、ラウリル酸無水物、ミリスチリル酸無水物、パルミチン酸無水物、ステアリル酸無水物、ドコサン酸無水物、クロトン酸無水物、(メタ)アクリル酸無水物、オレイン酸無水物、リノレイン酸無水物、クロロ酢酸無水物、ヨード酢酸無水物、ジクロロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、クロロジフルオロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブチル酸無水物、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、2,2−ジメチルコハク酸無水物、イソブチルコハク酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸無水物、イタコン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、グルタル酸無水物、1−ナフチル酢酸無水物、安息香酸無水物、フェニルコハク酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、フタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、4,4’−(ヘキサフルオロプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物等等や、マレイン酸無水物と(メタ)アクリレートとの共重合体、マレイン酸無水物とスチレンとの共重合体、マレイン酸無水物とビニルエーテルとの共重合体などのマレイン酸無水物と重合性不飽和基を有する化合物との共重合体等が挙げられる。これらのYが酸素の場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0044】
このようなYが酸素の場合の化合物(B)の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカハードナー」シリーズとして「アデカハードナーEH−700」、「アデカハードナーEH−703」、「アデカハードナーEH−705A」等、新日本理化社製の商品名「リカシッド」シリーズとして「リカシッドTH」、「リカシッドHT−1」、「リカシッドHH」、「リカシッドMH−700」、「リカシッドMH−700H」、「リカシッドMH」、「リカシッドSH」、商品名「リカレジンTMEG」等、日立化成社製の商品名「HN」シリーズとして「HN−2000」、「HN−5000」等、油化シェルエポキシ社製の商品名「エピキュア」シリーズとして「エピキュア134A」、「エピキュアYH306」、「エピキュアYH307」、「エピキュアYH308H」等、住友化学工業社製の商品名「スミキュアー」シリーズとして「スミキュアーMS」等が挙げられる。
【0045】
上記化合物(B)としては、Yが硫黄の場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、チオ酢酸無水物、チオプロピオン酸無水物、チオブチル酸無水物、チオイソブチル酸無水物、チオバレリック酸無水物、チオトリメチル酢酸無水物、チオヘキサン酸無水物、チオヘプタン酸無水物、チオデカン酸無水物、チオラウリル酸無水物、チオミリスチル酸無水物、チオパルミチン酸無水物、チオステアリル酸無水物、チオドコサン酸無水物、チオクロトン酸無水物、チオアクリル酸無水物、チオメタクリル酸無水物、チオオレイン酸無水物、チオリノレイン酸無水物、チオクロロ酢酸無水物、チオヨード酢酸無水物、チオジクロロ酢酸無水物、チオトリフルオロ酢酸無水物、チオクロロジフルオロ酢酸無水物、チオトリクロロ酢酸無水物、チオペンタフルオロプロピオン酸無水物、チオペンタフルオロブチル酸無水物、チオコハク酸無水物、チオメチルコハク酸無水物、チオイソブチルコハク酸無水物、チオイタコン酸無水物、チオマレイン酸無水物、チオグルタル酸無水物、チオフェニルコハク酸無水物、チオフェニルマレイン酸無水物、チオフタル酸無水物、チオ安息香酸無水物、チオジグリコール酸無水物、チオ乳酸無水物等が挙げられる。これらのYが硫黄の場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0046】
上記化合物(B)としては、Yが窒素の場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、コハク酸イミド、N−メチルコハク酸イミド、α,α−ジメチル−β−メチルコハク酸イミド、α−メチル−α−プロピルコハク酸イミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、3−メチル−N−フェニルマレイミド、N,N’−1,2−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビスマレイミド、1,1’−(メチレンジ−1,4−フェニレン)ビスマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミド、N−エチルフタルイミド、N−プロピルフタルイミド、N−フェニルフタルイミド、N−ベンジルフタルイミド、ピロメリット酸ジイミド等や、N−アルキルマレイミドと(メタ)アクリレートとの共重合体、N−アルキルマレイミドとスチレンとの共重合体、N−アルキルマレイミドとビニルエーテルとの共重合体などのN−アルキルマレイミドと重合性不飽和基を有する化合物との共重合体等が挙げられる。これらのYが窒素の場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0047】
上記化合物(B)としては、Yがリンの場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらのYがリンの場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0048】
上記化合物(B)としては、Yが炭素の場合にあっては、特に限定されるものではないが、例えば、2,4−ペンタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3−クロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1−ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのジケトン類、ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジメチルメチルマロネート、テトラエチル−1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸などのポリカルボン酸エステル類、メチルアセチルアセトネート、エチルアセチルアセトネート、メチルプロピオニルアセテートなどのα−カルボニル−酢酸エステル類等が挙げられる。これらのYが炭素の場合の化合物(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0049】
上記化合物(B)の中でも、前記化合物(A)の光の照射による硬化速度が速くなり、化合物(A)に対する溶解性にも優れていることから、カルボン酸無水物、カルボン酸イミド、アシルホスフィンオキサイド等が好適に用いられる。
【0050】
上記化合物(B)の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、化合物(B)0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0051】
化合物(A)100重量部に対する化合物(B)の配合量が0.01重量部未満であると、光の照射による化合物(A)の硬化性が不十分となることがあり、逆に化合物(A)100重量部に対する化合物(B)の配合量が30重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の光透過性が低下するため、光照射面のみが硬化し、深部硬化性が不十分となることがある。
【0052】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、光硬化性を向上させるために、即ち、光の照射時間を短くし光の照射エネルギーを低くするために、又、光後硬化型液状組成物の深部まで速やかに硬化させるために、必要に応じて、光ラジカル発生剤(増感剤)を含有していても良い。
【0053】
上記光ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線や可視光線等の光によりラジカルに分解する化合物、水素引き抜きによりラジカルを発生させる化合物、電子移動等のエネルギー移動によりラジカルを発生させる化合物等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸エステル等に対してラジカル重合開始能を有する化合物が好適に用いられる。
【0054】
上記光ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体化合物、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物、ベンジルジメチルケタールなどのケタール誘導体化合物、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィンオキシド、アシルホスフォナート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフェニル)−チタニウム、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]−チタニウム、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。これらの光ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0055】
尚、市販されている光ラジカル重合開始剤を光ラジカル発生剤として用いても良い。又、ジアシルホスフィン化合物は光照射によりラジカルに分解する光ラジカル発生剤であると共に、分解後のラジカルを含めて前記一般式(2)で表される分子骨格を有しているので、前記化合物(B)と上記光ラジカル発生剤との両方を満たす化合物であり好ましい。
【0056】
上記光ラジカル発生剤の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対し、光ラジカル発生剤0.001〜10重量部であることが好ましい。
【0057】
化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対する光ラジカル発生剤の配合量が0.001重量部未満であると、光ラジカル発生剤による光硬化性向上効果を十分に得られないことがあり、逆に化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対する光ラジカル発生剤の配合量が10重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の光透過性が低下して、光が照射された表面のみが硬化し、深部が十分に硬化しなくなることがある。
【0058】
尚、光ラジカル発生剤がジアシルホスフィン化合物である場合の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、光ラジカル発生剤(ジアシルホスフィン化合物)0.001〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5重量部である。
【0059】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、光硬化性を更に向上させるために、必要に応じて、水素ラジカル供与剤を含有していても良い。
【0060】
上記水素ラジカル供与剤としては、水素ラジカルを引き抜かれ易く、フリーラジカル重合において連鎖移動性を示す化合物であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、1,6−ヘキサンジチオールなどのチオール類、ジ−n−ブチルジスルフィド、ジ−n−ブチルスルフィド、テトラヒドロチオフェン、ペンタメチレンスルフィド、1,4−ジチアン、ジフェニルスルフィドなどのスルフィド類、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、エチルベンゼン、ベンジルメチルエーテルなどのアリール位に水素を有する化合物、トリエチルアミン、ブチルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジ(p−アミノフェニル)メタンなどのアミン類、n−ブチルアイオダイド、n−ブチルブロマイド、n−ブチルクロライド、2−クロロブタン、クロロホルムなどのハロゲン化アルキル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸などのカルボン酸類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルベンゼン、ジアセチルベンゼンなどのケトン類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、t−ブチルベンゼンなどの炭化水素類等が挙げられる。これらの水素ラジカル供与剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0061】
上記水素ラジカル供与剤の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対し、水素ラジカル供与剤0.1〜20重量部であることが好ましい。
【0062】
化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対する水素ラジカル供与剤の配合量が0.1重量部未満であると、水素ラジカル供与剤による光硬化性向上効果を十分に得られないことがあり、逆に化合物(A)及び化合物(B)の合計量100重量部に対する水素ラジカル供与剤の配合量が20重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の硬化体の凝集力が不十分となることがある。
【0063】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、前記化合物(A)の加水分解・縮合反応を更に促進させるために、必要に応じて、有機金属化合物を含有していても良い。
【0064】
上記光後硬化型液状組成物は、例えば、光後硬化型液状組成物を気密性の容器に封入して貯蔵したり、開封後短時間の間に使い切ったりする場合や、光後硬化型液状組成物の貯蔵時や供給時に湿気を遮断する工夫が施された塗工装置を利用する場合に、偶発的又は必然的に光非照射部が発生する状況において用いられる場合がある。このような場合に有機金属化合物を配合すれば、光照射後の化合物(A)の硬化を促進させることができる。又、光非照射部ももれなく硬化させることができる。
【0065】
上記有機金属化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウムなどの金属元素と有機基とを置換してなる有機金属化合物等が挙げられ、その具体例としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイドなどの錫化合物、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネートなどのチタネート系化合物等が挙げられる。これらの有機金属化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0066】
上記有機金属化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、有機金属化合物0.01〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜8重量部である。
【0067】
化合物(A)100重量部に対する有機金属化合物の配合量が0.01重量部未満であると、光照射後の化合物(A)の硬化促進を期待できなくなることがあり、逆に化合物(A)100重量部に対する有機金属化合物の配合量が10重量部を超えると、光照射後の硬化促進はするものの、光後硬化型液状組成物の硬化体への好ましくない影響が著しく現れるようになることがある。
【0068】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、必要に応じて、更に、重合性基を有する化合物(以下、重合性化合物と記す)を含有していても良い。上記重合性化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0069】
前記化合物(A)と前記化合物(B)との特定の組み合わせにおいては、光照射直後暫くしてから硬化体が生成する場合があり、光照射直後には所望の凝集力が不足し、光照射直後からの利用に制限が加わるといった問題がある。しかし、上記重合性化合物を配合することにより、光照射直後の凝集力をより高めることができる。
【0070】
上記重合性化合物における重合性基としては、ラジカル重合性不飽和基又はカチオン重合性基が好適に用いられる。
【0071】
上記ラジカル重合性不飽和基としては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニルエステル基、ビニロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニロキシカルボニル基、ビニルカルボニル基、N−ビニルアミノ基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好適に用いられる。これらのラジカル重合性不飽和基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0072】
上記(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸等や、下記一般式(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)、下記一般式(6)、下記一般式(7)、下記一般式(8)、下記一般式(9)、下記一般式(10)、下記一般式(11)、下記一般式(12)、下記一般式(13)、下記一般式(14)、下記一般式(15)、下記一般式(16)、下記一般式(17)、下記一般式(18)、下記一般式(19)、下記一般式(20)、下記一般式(21)、下記一般式(22)で表される化合物等が挙げられる。これらの(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0073】
【化9】
【0074】
【化10】
【0075】
【化11】
【0076】
【化12】
【0077】
【化13】
【0078】
【化14】
【0079】
【化15】
【0080】
【化16】
【0081】
【化17】
【0082】
【化18】
【0083】
【化19】
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】
【化22】
【0087】
【化23】
【0088】
【化24】
【0089】
【化25】
【0090】
【化26】
【0091】
【化27】
【0092】
【化28】
【0093】
上記スチリル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのスチリル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0094】
上記ビニルエステル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等が挙げられる。これらのビニルエステル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0095】
上記ビニロキシ基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル−3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等が挙げられる。これらのビニロキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0096】
上記カチオン重合性基とは、プロトン酸やルイス酸のような酸の存在下で連鎖反応的に重合や架橋を起こす官能基のことであり、その具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチリル基、オキセタニル基、ビニロキシ基、エポキシ基等が挙げられる。これらのカチオン重合性基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0097】
上記スチリル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン、インデン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのスチリル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0098】
上記オキセタニル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−へキシルオキシメチルオキセタン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシメチル)ベンゼン等が挙げられる。これらのオキセタニル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0099】
上記ビニロキシ基を有する化合物として、特に限定されるものではないが、例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル−3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等が挙げられる。これらのビニロキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0100】
上記重合性化合物としてカチオン重合性基を有する化合物を選択する場合には、上記重合性化合物は、更に、前記一般式(1−2)で表される官能基を有していても良い。即ち、上記重合性化合物は、カチオン重合性基と一般式(1−2)で表される官能基とを併せ持つ化合物であって、複数個、複数種のカチオン重合性基と一般式(1−2)で表される官能基とが組み合わされて含まれる化合物であっても良い。
【0101】
このような重合性化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリメトキシ[2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]−ヘプト−3−イル)エチル]シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、3−(3−テトラエトキシシリルプロポキシ)メチル−3−エチルオキセタン等が挙げられる。これらの重合性化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0102】
又、上記重合性化合物としてカチオン重合性基を有する化合物を選択する場合には、本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、更に、光照射によりカチオン重合性基を有する化合物を重合又は架橋させる化合物を含有していても良い。
【0103】
このような化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム、アルミニウム錯体−シラノール塩、ハロゲン化アルキル置換トリアジン誘導体、トリフルオロメタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、ベンゼンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、メタンスルホン酸−N−イミドエステル誘導体、トリブロモメチルフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0104】
又、これらの化合物の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名「イルガキュア−261」、旭電化工業社製の商品名「オプトマー」シリーズとして「オプトマーSP−150」、「オプトマーSP−151」、「オプトマーSP−170」、「オプトマーSP−171」等、ゼネラルエレクトロニクス社製の商品名「UVE−1014」、サートマー社製の商品名「CD−1012」、三新化学工業社製の商品名「サンエイド」シリーズとして「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」、「サンエイドSI−100L」等、日本曹達社製の商品名「CI」シリーズとして「CI−2064」、「CI−2481」、「CI−2624」、「CI−2639」等、ローヌプーラン社製の商品名「RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074」、ユニオンカーバイド社製の商品名「UVIー6990」、ミドリ化学社製の商品名「BBIー103」、「MPIー103」、「TPSー103」、「MDSー103」、「DTSー103」、「NATー103」、「NDSー103」等が挙げられる。
【0105】
上記光照射によりカチオン重合性基を有する化合物を重合又は架橋させる化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、カチオン重合性基を有する化合物100重量部に対し、上記化合物0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0106】
カチオン重合性基を有する化合物100重量部に対する上記化合物の配合量が0.01重量部未満であると、光硬化性を示すことが困難となることがあり、逆にカチオン重合性基を有する化合物100重量部に対する上記化合物の配合量が30重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の光透過性が低下して、光が照射された表面のみが硬化し、深部が十分に硬化しなくなることがある。
【0107】
上記重合性化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)10〜99重量部に対し、重合性化合物1〜90重量部であることが好ましい。重合性化合物の配合量が1重量部未満であると、光後硬化型液状組成物の硬化体の凝集力発現が困難となることがあり、逆に重合性化合物の配合量が90重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の硬化体の強度が不十分となることがある。
【0108】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物が上記重合性化合物を含有する場合には、光後硬化型液状組成物の使用時に偶発的又は必然的な光非照射部の発生によって未反応の重合性化合物を残さないようにするために、更に、重合性化合物の重合開始剤を含有していても良い。
【0109】
上記重合性化合物の重合開始剤としては、重合性化合物がラジカル重合性不飽和基を有する化合物の場合にあっては、熱ラジカル発生剤や嫌気性条件下で加熱するとラジカルを発生する嫌気性ラジカル発生剤が挙げられる。又、重合性化合物がカチオン重合性基を有する化合物の場合にあっては、熱活性によりカチオン重合性基を重合させる化合物、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩などのオニウム塩や、3フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体、3フッ化ホウ素ピリジン錯体などのルイス酸−ルイス塩基錯体等が挙げられる。更に、重合性化合物がエポキシ基を有する化合物の場合にあっては、ジシアンジアミドやケチミン等の熱又は湿気によりアミンを発生する化合物が挙げられる。
【0110】
上記熱ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機過酸化物、即ち、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物等が挙げられる。これらの熱ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0111】
上記嫌気性ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、キュメンハイドロパーオキサイドとベンゾキノンとの混合物などの有機過酸化物とキノン化合物との混合物等が挙げられる。これらの嫌気性ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0112】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、リード線、回路端子、回路基板等の被着体に対する密着性や接着力、耐熱性等を更に向上させるために、必要に応じて、更に、エポキシ基を有する化合物を含有していても良い。
【0113】
上記エポキシ基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂、例えば水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのアルコール型エポキシ樹脂、例えば臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、エポキシシラン系化合物、グリシジルエステル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化SBS(SBSはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を示す)等が挙げられ、中でも、前記一般式(1−2)で表される官能基を有するエポキシ系化合物や1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物が好適に用いられる。これらのエポキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0114】
一般式(1−2)で表される官能基を有するエポキシ系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの一般式(1−2)で表される官能基を有するエポキシ系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0115】
又、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物の内の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート」シリーズとして「エピコート152」、「エピコート154」、「エピコート604」等、ダイセル化学社製の商品名「エポリード」シリーズとして「エポリードGT301」、「エポリードGT302」、「エポリードGT401」、「エポリードGT403」等が挙げられる。これらの1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0116】
上記エポキシ基を有する化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、エポキシ基を有する化合物0.1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。
【0117】
化合物(A)100重量部に対するエポキシ基を有する化合物の配合量が0.1重量部未満であると、光後硬化型液状組成物の上記被着体に対する密着性や接着力、耐熱性等が十分に向上しないことがあり、逆に化合物(A)100重量部に対するエポキシ基を有する化合物の配合量が30重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の上記被着体に対する密着性や接着力、耐熱性等は十分に向上するものの、光後硬化型液状組成物の硬化体への好ましくない影響が大きくなり過ぎることがある。
【0118】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、リード線、回路端子、回路基板等の被着体に対する密着性や接着力を更に向上させるために、必要に応じて、更に、イソシアネート基を有する化合物を含有していても良い。
【0119】
上記イソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル) メタン、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェイト、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロキサン等や、これらのアダクト体、イソシアヌレート体、プレポリマー、オリゴマー、ビウレット体、共重合体、ウレトジオン等が挙げられる。これらのイソシアネート基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、これらのイソシアネート基を有する化合物は、必要に応じて、例えば、酢酸エチルや酢酸ブチル等の有機溶剤で溶解もしくは希釈されていても良い。
【0120】
このようなイソシアネート基を有する化合物として、特に限定されるものではないが、例えば、三井化学社製の商品名「コスモネート」、住友バイエルウレタン社製の商品名「スミジュール」や「デスモジュール」、日本ポリウレタン社製の商品名「コロネート」や「ミリオネート」、武田薬品工業社製の商品名「タケネート」や「タケラック」、旭化成社製の商品名「デュラネート」等の市販品を用いても良い。
【0121】
上記イソシアネート基を有する化合物の配合量は、特に限定されるものではないが、前記化合物(A)100重量部に対し、イソシアネート基を有する化合物0.1〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。
【0122】
化合物(A)100重量部に対するイソシアネート基を有する化合物の配合量が0.1重量部未満であると、光後硬化型液状組成物の上記被着体に対する密着性や接着力が十分に向上しないことがあり、逆に化合物(A)100重量部に対するイソシアネート基を有する化合物の配合量が30重量部を超えると、光後硬化型液状組成物の硬化体の強度が不十分となることがある。
【0123】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物は、必要に応じて、例えば、粘接着性を向上させるための粘接着性付与剤、粘度を調整するための粘度調整剤、チキソトロープ性(揺変性)を付与するためのチキソトロープ剤(揺変性付与剤)、引っ張り特性等の物性を改善するための物性調整剤、増量剤、補強剤、可塑剤(軟化剤)、タレ防止剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、香料、有機溶剤等の公知の機能を有する各種配合剤の1種類もしくは2種類以上を含有していても良い。
【0124】
上記粘接着性付与剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、これらロジンのグリセリンエステルやペンタエリスリトールエステル、これらの水素添加物などのロジン系樹脂、テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂、これらの水素添加物などのテルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂の水素添加物などのテルペンフェノール系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ピュアーモノマー系石油樹脂、これらの水素添加物などの石油系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、キシレン系樹脂、ダンマル、コーパル、シェラック等が挙げられる。これらの粘接着性付与剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0125】
上記粘度調整剤としては、前記化合物(A)との相溶性の良い高分子化合物から選択されることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、アクリルゴムなどの(メタ)アクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキサイド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、NBR、SBS、SIS、水添NBR、水添SBS、水添SIS等や、これらの共重合体や官能基変成体等が挙げられる。これらの粘度調整剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0126】
上記チキソトロープ剤としては、前記化合物(A)に対して親和性の高い表面を有するものから選択されることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等が挙げられる。これらのチキソトロープ剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0127】
上記物性調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミンなどのシランカップリング剤、イソプロピルトリスイソステアロイルチタネート、イソプロピル−n−ドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホシフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリドデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートなどのチタンカップリング剤、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスファイト、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物等が挙げられる。これらの物性調整剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0128】
上記増量剤としては、光後硬化型液状組成物中に配合してチキソトロープ性を発現しないものから選択されることが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水シリカ、含水シリカ、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらの増量剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0129】
上記補強剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックスバルーンなどの無機中空体、塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーンなどの有機中空体、ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコーンビーズ、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体粒子、末端カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体粒子などの有機球状体、ガラス、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、セルロースなどの単繊維等が挙げられる。これらの補強剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0130】
上記可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステルなどの脂肪酸−塩基酸エステル類、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリプロピレングリコール類等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0131】
本発明の電気・電子部品の封止方法に好適に用いられる光後硬化型液状組成物の製造方法は、特別なものではなく、例えば、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、2本ロール、3本ロール、押出機等の公知の各種混練機を単独で用いるか又は併用して、必須成分である化合物(A)及び化合物(B)の各所定量と、含有していても良いその他の各種成分の1種類もしくは2種類以上の各所定量とを、常温下もしくは加熱下で、常圧下、減圧下、加圧下もしくは不活性ガス気流下等の条件下で均一に混練することにより、所望の光後硬化型液状組成物を得ることができる。
【0132】
本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物は、23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであることが好ましい。
【0133】
光後硬化型液状組成物の23℃における粘度が0.01Pa・s未満であると、回路基板上におけるリード線と回路端子との接合部位を被覆する際に、硬化前の光後硬化型液状組成物が流出して、十分な被覆厚みを得られなくなることがあり、逆に光後硬化型液状組成物の23℃における粘度が100Pa・sを超えると、電気・電子部品の封止箇所の隙間に気泡を発生させることなく充填することが困難となることがある。
【0134】又、本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物は、硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であることが好ましい。尚、上記体積抵抗値とは、JIS K−6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定される体積抵抗値(Ω・cm)を意味する。
【0135】
光後硬化型液状組成物の硬化体の上記体積抵抗値が1×106 Ω・cm未満であると、回路に生じている電位差によっては、接合端子間で電気的短絡が発生することがある。
【0136】
更に、本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物は、硬化体の破断伸びが200%以上であることが好ましい。尚、上記破断伸びとは、JIS K−6301「加硫ゴム物理試験方法」に準拠して、3号形ダンベル状試験片、クロスヘッド速度500mm/分の条件で測定される破断伸び(%)を意味する。
【0137】
光後硬化型液状組成物の硬化体の上記破断伸びが200%未満であると、この光後硬化型液状組成物を封止箇所が歪みを吸収しなくてはならない可動式の接合部分である場合やヒートサイクル(冷熱繰り返し)によって体積収縮が起こるような接合部分である場合の封止に適用することが困難となることがある。
【0138】
本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物は、光後硬化性を有し、常温で液状のものであれば如何なる光後硬化型液状組成物であっても良く、特に限定されるものではないが、中でも、前記化合物(A)及び化合物(B)を含有してなり、且つ、好ましくは23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであり、好ましくは硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であり、好ましくは硬化体の破断伸びが200%以上である光後硬化型液状組成物であることが特に好ましい。
【0139】
このような光後硬化型液状組成物は、本発明の電気・電子部品の封止方法において、優れた作業性で、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位を極めて効果的に保護することができる。
【0140】
本発明の電気・電子部品の封止方法に用いられる光後硬化型液状組成物に光を照射する際に利用できる光源としては、光源が発する光により光後硬化型液状組成物が光活性を示し、前記化合物(A)の光硬化により硬化体が生成する光源であれば良く、特に限定されるものではない。又、光後硬化型液状組成物の種類や電気・電子部品の用途等に対応して光源を適宜選択しても良い。
【0141】
このような光源の好適な例としては、前記化合物(B)に起因する光後硬化型液状組成物の吸収する波長を含む光を発する光源が挙げられる。又、光ラジカル発生剤を含有する光後硬化型液状組成物については、化合物(B)及び光ラジカル発生剤の双方に起因する光後硬化型液状組成物の吸収する波長を含む光を発する光源であることが好ましい。
【0142】
このような光源として、複数の光源を組み合わせて用いる場合には、各種の光源からの光を同時に光後硬化型液状組成物に照射することが好ましい。又、それぞれの光源からの光を順番に照射しても良いし、それぞれの光源からの光を交互に照射しても良い。
【0143】
上記光源の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザー、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源の使用に際しては、例えばフィルター等を用いて不要な波長成分を低減もしくは除去しても良いし、各種光源を組み合わせて用いても良い。又、各種光源の光後硬化型液状組成物への照射手順としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手順を採っても良い。
【0144】
次に、本発明の電気・電子部品は、上述した本発明の電気・電子部品の封止方法により封止されてなる。
【0145】
上記本発明の電気・電子部品としては、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位を有するものであれば如何なる電気・電子部品であっても良く、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、図1や図2に示すような電気・電子部品が挙げられる。
【0146】
即ち、本発明の電気・電子部品は、図1に示すように、リード線と回路基板上の回路端子とを常法により接合し、次いで、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることにより、上記接合部位を封止した電気・電子部品であっても良いし、又、図2に示すように、リード線とボックス中に収納された回路基板上の回路端子とを常法により接合し、次いで、その接合部位に光後硬化型液状組成物を充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることにより、上記接合部位を封止した電気・電子部品であっても良い。
【0147】
本発明の電気・電子部品は、前記本発明の電気・電子部品の封止方法により封止されてなるので、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位が極めて効果的に保護されているものである。
【0148】
【作用】
本発明の電気・電子部品の封止方法は、リード線と回路基板上の回路端子とを接合し、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆もしくは充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射するので、光照射された光後硬化型液状組成物の表面が速やかに硬化して光非照射部や深部に存在する未硬化の液状組成物が流出せず、且つ、上記光後硬化型液状組成物は後硬化性を有するので、常温で養生することにより、未硬化の液状組成物も後硬化し得るものであり、優れた作業性で、上記接合部位を効果的に保護することができる。
【0149】
特に、光後硬化型液状組成物として前記化合物(A)及び化合物(B)を含有してなり、且つ、好ましくは23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであり、好ましくは硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であり、好ましくは硬化体の破断伸びが200%以上である光後硬化型液状組成物を用いることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0150】
又、本発明の電気・電子部品は、上記本発明の電気・電子部品の封止方法により封止されてなるので、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位が効果的に保護されているものであり、優れた信頼性や耐久性を発現する。
【0151】
【発明の実施の形態】
本発明を更に詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0152】
(実施例)
5Lのプラネタリーミキサー中で、60℃の遮光下、化合物(A)としてアルコキシシリル変成ポリプロピレングリコール(商品名「MSポリマーS−203」、鐘淵化学工業社製)80g、化合物(B)として無水マレイン酸(和光純薬工業社製)5g、同じく化合物(B)としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(商品名「イルガキュア819」、チバスペシャルティケミカルズ社製)3g及び粘度調整剤としてポリプロピレングリコール(商品名「エクセノール3020」、旭硝子社製)20gを均一に攪拌混練し、減圧脱泡して、光後硬化型液状組成物を調製した。
【0153】
(比較例)
1Lのセパラブルビーカー中で、60℃の遮光下、化合物(A)を用いることなく、両末端アクリレートポリプロピレングリコール(商品名「アロニックスM−270」、東亜合成社製)100g及び光ラジカル重合開始剤としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド「イルガキュア819」1gを均一に攪拌混練し、減圧脱泡して、光硬化型液状組成物を調製した。
【0154】
実施例で得られた光後硬化型液状組成物及び比較例で得られた光硬化型液状組成物の23℃における粘度を測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0155】
次に、実施例で得られた光後硬化型液状組成物及び比較例で得られた光硬化型液状組成物のそれぞれを堰で囲いが形成されているポリエチレン樹脂板上に厚みが0.5mmとなるように流延(キャスト)し、高圧水銀灯を用いて、上記液状組成物の表面に照射量が500mJ/cm2 となるように波長365nmの紫外線を照射した後、25℃の雰囲気下で7日間養生して、それぞれの硬化体を作製した。
【0156】
JIS K−6911に準拠して、上記で得られたそれぞれの硬化体の体積抵抗値を測定した。又、JIS K−6301に準拠して、3号形ダンベル状試験片、クロスヘッド速度500mm/分の条件で、上記で得られたそれぞれの硬化体の破断伸びを測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0157】
次に、図2に示すように、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位をボックス中に有する電気・電子部品のボックス中に実施例で得られた光後硬化型液状組成物及び比較例で得られた光硬化型液状組成物のそれぞれを充填し、高圧水銀灯を用いて、上記液状組成物の表面に照射量が500mJ/cm2 となるように波長365nmの紫外線を照射した後、23℃の雰囲気下で62時間養生して、電気・電子部品をそれぞれ封止した。
【0158】
上記電気・電子部品の封止工程において、液状組成物の性能(▲1▼表面硬化性、▲2▼未硬化の液状組成物の流出の有無、▲3▼深部硬化性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0159】
▲1▼表面硬化性
紫外線照射直後の液状組成物の表面が皮張りしているか否かを目視で観察し、皮張りしている場合は○、皮張りしていない場合は×とした。
▲2▼未硬化の液状組成物の流出の有無
液状組成物に紫外線を照射した直後にボックスを横にして、未硬化の液状組成物の流出の有無を確認した。尚、未硬化の液状組成物の存在は液状組成物の表面から針を突き刺すことによって確認した。
▲3▼深部硬化性
23℃の雰囲気下で62時間養生した後、液状組成物の表面から針を突き刺して液状組成物の深部まで硬化しているか否かを確認し、深部まで硬化している場合は○、深部が硬化していない場合は×とした。
【0160】
【表1】
【0161】
表1から明らかなように、本発明の電気・電子部品の封止方法による実施例の電気・電子部品においては、封止剤として光後硬化型液状組成物を用いているので、光照射直後の表面硬化性(表面皮張り性)に優れ、従って未硬化の光後硬化型液状組成物の流出が無く、且つ、常温で所定時間養生した後は深部まで確実に硬化しており、リード線と回路端子との接合部位の保護効果に優れていた。
【0162】
これに対し、比較例の電気・電子部品においては、封止剤として後硬化性を有しない光硬化型液状組成物を用いているので、光照射直後の表面硬化性(表面皮張り性)には優れ、従って未硬化の光硬化型液状組成物の流出も無かったものの、常温で所定時間養生した後でも深部は未硬化状態のままであり、リード線と回路端子との接合部位の保護効果が劣っていた。
【0163】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の電気・電子部品の封止方法によれば、封止剤として光後硬化型液状組成物を用いるので、光照射されることにより表面が速やかに硬化して光非照射部や深部に存在する未硬化の光後硬化型液状組成物が流出せず、且つ、常温で養生することにより、未硬化の光後硬化型液状組成物も確実に後硬化することが可能であり、従ってリード線と回路基板上の回路端子との接合部位の保護効果に優れる電気・電子部品を得ることができる。
【0164】
特に、光後硬化型液状組成物として前記化合物(A)及び化合物(B)を含有してなり、且つ、好ましくは23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであり、好ましくは硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であり、好ましくは硬化体の破断伸びが200%以上である光後硬化型液状組成物を用いることにより、上記効果はより確実なものとなる。
【0165】
又、本発明の電気・電子部品は、上記本発明の電気・電子部品の封止方法により封止されてなるので、リード線と回路基板上の回路端子との接合部位が効果的に保護されているものであり、優れた信頼性や耐久性を発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気・電子部品の封止方法による電気・電子部品の一例を示す図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
【図2】本発明2の電気・電子部品の封止方法による電気・電子部品の他の例を示す図であって、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。
Claims (6)
- リード線と回路基板上の回路端子とを接合し、その接合部位に光後硬化型液状組成物を被覆もしくは充填した後、光後硬化型液状組成物に光を照射して、光後硬化型液状組成物を硬化させることを特徴とする電気・電子部品の封止方法。
- 光後硬化型液状組成物の23℃における粘度が0.01〜100Pa・sであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気・電子部品の封止方法。
- 光後硬化型液状組成物の硬化体の体積抵抗値が1×106 Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法。
- 光後硬化型液状組成物の硬化体の破断伸びが200%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電気・電子部品の封止方法により封止されてなることを特徴とする電気・電子部品。
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