JP3987749B2 - 光反応性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遮光下では安定であり、光を照射することにより速やかに重合反応や架橋反応が進行して、重合体、架橋体又は硬化体(以下、重合体、架橋体及び硬化体を総称して単に硬化体と記す)を得ることができる光反応性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルコキシシリル基のような加水分解性シリル基を有する化合物を加水分解・縮合反応により重合又は架橋するに際し、加水分解及び縮合反応を促進するための酸、塩基又は公知の有機錫や有機チタンのような有機金属化合物を用いることが良く知られている(例えば、ゾル−ゲル法の科学、アグネ承風社、1988;第4版実験化学講座、16巻、49−55頁、1993や、特開昭56−67366号公報)。
【0003】
上記加水分解性シリル基を有する化合物は、重合又は架橋後、堅くて脆い性質から柔軟性や弾力性に富んだ性質まで非常に幅広い硬化体を得ることができるし、グリースのような非常に粘稠な物質や粘着性物質まで得ることができる。
【0004】
このような加水分解性シリル基を有する化合物の硬化体は、その性質を利用して、コーティング材、グリース、粘着剤、接着剤、シーリング材、エラストマー、離型剤等の工業的用途に用いられている。例えば、接着剤として使用される場合には、歪みを吸収しなければならない接合箇所や歪みの履歴を受ける接合箇所、耐衝撃性や耐クリープ性の要求される接合箇所等に頻繁に利用されている。又、同様の応力を受けるシーリング箇所にもシーリング材として多用されている。
【0005】
しかし、従来より知られている上記加水分解性シリル基を有する化合物を含有する組成物を特に利便性に優れる1液型の接着剤やシーリング材として用いる場合には、上記組成物は空気中の湿気により重合又は架橋するので、貯蔵時に湿気を遮断するような工夫が必要であり、常に空気中の湿度を低く保つか、又は、気密性に優れる容器等で保管する必要があった。
【0006】
従って、このような接着剤等は、気密性容器に封入された接着剤等を容器開封後は短時間で使い切る現場での施工用としての利用が中心であり、長時間の解放系での貯蔵安定性を必要とする使用態様、例えば、生産ライン等に用いられている一般的な塗布装置で利用することは困難であった。即ち、一般的な塗布装置では接着剤等の貯蔵や供給時に湿気を遮断するような工夫が施されておらず、一部の塗布装置では構造上湿気を遮断する工夫を施すことができないものもあるからである。
【0007】
又、生産ライン等に用いるためには、ライン生産性を考慮して、混合が不要であり、しかも速やかに接着力を発現することから、加水分解性シリル基を有する化合物と加水分解及び縮合反応を促進する化合物とを共存させた1液型組成物が好ましいが、このような組成物は貯蔵安定性に優れるものにはならないという問題点がある。
【0008】
一方、貯蔵安定性に優れる組成物とするために加水分解及び縮合反応を促進するための化合物を選択すると、使用に際し速やかな重合反応や架橋反応が起こらないという問題点がある。即ち、加水分解性シリル基を有する化合物と加水分解及び縮合反応を促進する化合物とを1液化し、且つ、貯蔵安定性に優れ、速やかに重合反応や架橋反応が進行する組成物を得ることは困難である。
【0009】
上記問題点を解決する技術として、例えば、特開昭53−97098号公報には、アルコキシシリル基又はアルキルアルコキシシリル基を有する加水分解可能なシラン化合物と有機芳香族オニウム触媒からなる、貯蔵安定性に優れ、しかも速やかに重合反応や架橋反応が進行する重合性組成物が開示されている。上記重合性組成物は、Radiation Curing in Polymer Science and Technology,vol 2,ElsevierApplied Science,London,1993に記載されているように、有機芳香族オニウム触媒に輻射線を照射し、有機芳香族オニウム触媒を活性化させて有機芳香族オニウム触媒からプロトン酸を発生させ、発生したプロトン酸が加水分解可能なシラン化合物を縮合させるものである。
【0010】
しかし、上記公報に開示されている重合性組成物の場合、有機芳香族オニウム触媒は加水分解可能なシラン化合物に対する溶解性が乏しく、特にシラン化合物が重合体である場合には溶解性が低く、組成物が不透明となるので、組成物の輻射線透過性が劣り、輻射線の照射表面のみが反応し架橋又は硬化するという欠点があり、そのため、加水分解可能なシラン化合物と有機芳香族オニウム触媒との組み合わせが狭い範囲に制約されるという問題点がある。
【0011】
又、光により活性化されるベンゾインスルフォネートとアクリロイル基を有する加水分解可能なシラン化合物とを組み合わせて、光架橋させる技術が開示されている(H.Inoueら,J.Photopolym.Sci.,12巻,129−132頁,1999)。上記技術によれば、ベンゾインスルフォネートは、アクリロイル基を光重合させる増感剤であると共に、加水分解性シリル基の加水分解及び縮合反応を光開始させるとされている。
【0012】
しかし、上記文献に開示されている技術の場合、アクリロイル基の光重合や加水分解性シリル基の加水分解及び縮合反応には長時間の光照射や多量の照射エネルギーが必要であるという問題点がある。
【0013】
更に、特開平6−273936号公報には、加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解及び縮合させたシロキサンポリマーと活性化学線によって塩基を発生する塩基発生剤とからなる感光性樹脂組成物が開示されている。
【0014】
しかし、上記公報に開示されている感光性樹脂組成物の場合、活性化学線照射後、通常50〜150℃に加熱してポストキュア(後硬化)させる必要があり、室温で速やかに硬化体を得ることは困難であるという問題点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、活性化するための光を照射する前は、優れた貯蔵安定性を保有し、且つ、光を照射した後は、室温で速やかに重合反応や架橋反応が深部にまで進行して、優れた物性を発現する硬化体を得ることができる光反応性組成物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の光反応性組成物は、イソブチレンからなる重合体であって、下記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以上有する重合体(A)、及び、水素ラジカル供与剤(B)を含有することを特徴とする。
【化3】
Figure 0003987749
(式中、Xは、加水分解性官能基を示し、Rは、炭化水素基を示し、nは、1〜3の整数を示す)
【0017】
本発明の光反応性組成物に含有される重合体(A)は、イソブチレンからなる重合体であって、上記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以上有する重合体であり、一般式(1)で表されるように、珪素原子に加水分解性官能基(X)が1〜3個置換した官能基構造を有する化合物である。
【0018】
上記イソブチレンからなる重合体としては、特に限定されるものではないが、例えば、イソブチレンの低重合体であって末端に1個の不飽和二重結合を有する液状ポリイソブチレンや、イソブチレンに少量のイソプレンを共重合させた液状ブチルゴム等が挙げられる。これらのイソブチレンからなる重合体は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0019】
一般式(1)中の加水分解性官能基(X)とは、珪素原子と官能基との結合が加水分解性を有する官能基のことであり、その具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルコキシル基、オキシム基、アルケニルオキシ基、アセトキシ基等や、これらに塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基を置換させたもの等が挙げられるが、なかでも、重合体(A)や光反応性組成物が貯蔵安定性に優れるものとなることから、アルコキシル基が好適に用いられる。これらの加水分解性官能基(X)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0020】
上記アルコキシル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。加水分解性官能基(X)がジアルコキシル基又はトリアルコキシル基である場合、アルコキシル基は、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。
【0021】
一般式(1)中の炭化水素基(R)としては、特に限定されるものではないが、例えば、飽和脂肪族系炭化水素基、不飽和脂肪族系炭化水素、芳香族系炭化水素基等や、これらにアミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、重合性不飽和基、ウレタン基、ウレア基、イミド基、エステル基などの置換基を置換させたもの等が挙げられる。これらの炭化水素基(R)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0022】
一般式(1)で表される官能基の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメトキシメチルシリル基、シクロヘキシルジメトキシシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジメトキシオクチルシリル基、ジエトキシビニルシリル基、クロロメチル(ジイソプロポキシ)シリル基、ジメトキシフェニルシリル基、ジエトキシフェニルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシプロピルシリル基、イソブチルジメトキシシリル基、オクチルジメトキシシリル基、オクタデシルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、イソブチルジエトキシシリル基、オクチルジエトキシシリル基、ビニルジメトキシシリル基、ビニルジエトキシシリル基、アリルジエトキシシリル基、(3−クロロプロピル)ジメトキシシリル基、クロロメチルジエトキシシリル基、ビス(2−メトキシエトキシ)ビニルシリル基、3−グリシドキシプロピルジメトキシシリル基、ジエトキシ(3−グリシドキシプロピル)シリル基、ジメトキシ{2−(7−オキサビシクロ[4,1,0]−ヘプト−3−イル)エチル}シリル基、クロロジメトキシシリル基、クロロジエトキシシリル基、クロロビス(1,3−ジメチルブトキシ)シリル基、クロロジエトキシシリル基、3−(トリエトキシシリル)プロピオニトリル基、4−(トリエトキシシリル)ブチロニトリル基、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート基、3−(トリエトキシシリル)プロピルチオイソシアネート基、フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリプロポキシシリル基、トリブトキシシリル基、1,2−ビス(メチルジクロロシリル)、ジアセトキシジフェニルシリル基、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シリル基、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シリル基、ビス(エチルメチルケトオキシム)メチルイソプロポキシシリル基、ビス(エチルメチルケトオキシム)エトキシメチルシリル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメチルシリル基、トリス(1−メチルビニロキシ)ビニルシリル基、メチルトリイソプロペノキシシリル基、エチルトリアセトキシシリル基、メチルトリアセトキシシリル基、ジアセトキシジメチルシリル基、トリアセトキシビニルシリル基、テトラアセトキシシリル基、ジアセトキシメチルフェニルシリル基、ジメトキシエチルメチルケトオキシムメチルシリル基等が挙げられる。これらの一般式(1)で表される官能基は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、これらの一般式(1)で表される官能基は、イソブチレンからなる重合体の末端に位置していても良いし、側鎖に位置していても良い。
【0023】
上記重合体(A)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、鐘淵化学工業社製の商品名「エピオンEP−103S」、「エピオンEP−303S」、「エピオンEP−505S」などの市販品等が挙げられる。これらの重合体(A)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0024】
本発明の光反応性組成物に含有される水素ラジカル供与剤(B)は、上記重合体(A)を光反応させて、重合、架橋、硬化させる化合物であって、分子中に水素ラジカル供与性基を有する化合物である。
【0025】
上記水素ラジカル供与剤(B)としては、水素ラジカルを引き抜かれ易い化合物であれば良く、例えば、チオール類やアリール位に水素を有する化合物類などのようなフリーラジカル重合において連鎖移動性を示す化合物が挙げられる。
【0026】
上記水素ラジカル供与剤(B)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、1,6−ヘキサンジチオールなどのチオール類;ジ−n−ブチルスルフィド、ジ−n−ジスルフィド、テトラヒドロチオフェン、ペンタメチレンスルフィド、1,4−ジチアン、ジフェニルスルフィドなどのスルフィド類;トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、エチルベンゼン、ベンジルメチルエーテルなどのアリール位に水素を有する化合物類;トリエチルアミン、ブチルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジ(p−アミノフェニル)メタンなどのアミン類;n−ブチルアイオダイド、n−ブチルブロマイド、n−ブチルクロライド、2−クロロブタン、クロロホルムなどのハロゲン化アルキル類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;酢酸、プロピオン酸、酪酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、安息香酸、フタル酸などのカルボン酸類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルベンゼン、ジアセチルベンゼンなどのケトン類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、tert−ブチルベンゼンなどの炭化水素類等が挙げられる。これらの水素ラジカル供与剤(B)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】
本発明の光反応性組成物中における上記水素ラジカル供与剤(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、前記重合体(A)100重量部に対して、上記水素ラジカル供与剤(B)0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0028】
水素ラジカル供与剤(B)の含有量が重合体(A)100重量部に対して0.01重量部未満であると、光反応性組成物の光反応性が不十分となることがあり、逆に重合体(A)100重量部に対して30重量部を超えると、光反応性組成物の光透過性が低下して、光照射面の表面のみに重合、架橋、硬化が起こり、深部反応性が不十分となることがある。
【0029】
本発明の光反応性組成物は、更に、光反応性を調整するために、下記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(C)を含有することが好ましい。
【化4】
Figure 0003987749
(式中、Yは、周期表のIVB族、周期表のVB族又は周期表のVIB族の原子を示し、Zは、水素原子、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基及びオキソ基からなる群より選択される置換基を示し、mは、2〜5の整数を示す)
【0030】
上記化合物(C)は、周期表のIVB族、周期表のVB族又は周期表のVIB族の原子、即ち、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子及び炭素原子からなる群より選択される原子Yに対して、カルボニル基が2個結合し、原子Yの価数に応じて上記置換基Zが適宜結合した分子骨格を有する化合物である。
【0031】
上記化合物(C)において、一般式(2)で表される分子骨格は、単一のものであっても良いし、複数個が組み合わされたものであっても良い。
【0032】
上記一般式(2)において、原子Yは、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。又、mが4又は5である場合、置換基Zは、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。
【0033】
上記化合物(C)としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機基によって環状構造にした化合物、環状構造であって同じ環状鎖の中に複数個の同種もしくは異種の一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物、複数個の同種もしくは異種の環状化合物を適宜の有機基で結合した化合物、複数個の同種もしくは異種の環状化合物をユニットとして1個以上有する双環化合物等が挙げられる。これらの化合物(C)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】
一般式(2)において原子Yが酸素原子である場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、ブチル酸無水物、イソブチル酸無水物、バレリック酸無水物、2−メチルブチル酸無水物、トリメチル酢酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、デカン酸無水物、ラウリル酸無水物、ミリスチリル酸無水物、パルミチン酸無水物、ステアリル酸無水物、ドコサン酸無水物、クロトン酸無水物、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、オレイン酸無水物、リノレイン酸無水物、クロロ酢酸無水物、ヨード酢酸無水物、ジクロロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、クロロジフルオロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブチル酸無水物、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、2,2−ジメチルコハク酸無水物、イソブチルコハク酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸無水物、イタコン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、グルタル酸無水物、1−ナフチル酢酸無水物、安息香酸無水物、フェニルコハク酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、フタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、4,4’−(ヘキサフルオロプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物等;マレイン酸無水物と例えば(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエーテルなどのラジカル重合性二重結合を有する化合物との共重合体等が挙げられる。
【0035】
又、一般式(2)において原子Yが酸素原子である場合の化合物(C)の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカハードナーEH−700」、「アデカハードナーEH−703」、「アデカハードナーEH−705A」、新日本理化社製の商品名「リカシッドTH」、「リカシッドHT−1」、「リカシッドHH」、「リカシッドMH−700」、「リカシッドMH−700H」、「リカシッドMH」、「リカシッドSH」、「リカレジンTMEG」、日立化成社製の商品名「HN−5000」、「HN−2000」、油化シェルエポキシ社製の商品名「エピキュア134A」、「エピキュアYH306」、「エピキュアYH307」、「エピキュアYH308H」、住友化学工業社製の商品名「スミキュアーMS」等が挙げられる。
【0036】
一般式(2)において原子Yが酸素原子である場合のこれらの化合物(C)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0037】
一般式(2)において原子Yが硫黄原子である場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、チオ酢酸無水物、チオプロピオン酸無水物、チオブチル酸無水物、チオイソブチル酸無水物、チオバレリック酸無水物、チオトリメチル酢酸無水物、チオヘキサン酸無水物、チオヘプタン酸無水物、チオデカン酸無水物、チオラウリル酸無水物、チオミリスチル酸無水物、チオパルミチン酸無水物、チオステアリル酸無水物、チオドコサン酸無水物、チオクロトン酸無水物、チオアクリル酸無水物、チオメタクリル酸無水物、チオオレイン酸無水物、チオリノレイン酸無水物、チオクロロ酢酸無水物、チオヨード酢酸無水物、チオジクロロ酢酸無水物、チオトリフルオロ酢酸無水物、チオクロロジフルオロ酢酸無水物、チオトリクロロ酢酸無水物、チオペンタフルオロプロピオン酸無水物、チオペンタフルオロブチル酸無水物、チオコハク酸無水物、チオメチルコハク酸無水物、チオイソブチルコハク酸無水物、チオイタコン酸無水物、チオマレイン酸無水物、チオグルタル酸無水物、チオフェニルコハク酸無水物、チオフェニルマレイン酸無水物、チオフタル酸無水物、チオ安息香酸無水物、チオジグリコール酸無水物、チオ乳酸無水物等が挙げられる。一般式(2)において原子Yが硫黄原子である場合のこれらの化合物(C)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0038】
一般式(2)において原子Yが窒素原子である場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、コハク酸イミド、N−メチルコハク酸イミド、α,α−ジメチル−β−メチルコハク酸イミド、αメチル−α−プロピルコハク酸イミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、3−メチル−N−フェニルマレイミド、N,N’−1,2−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビスマレイミド、1,1’−(メチレンジ−1,4−フェニレン)ビスマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミド、N−エチルフタルイミド、N−プロピルフタルイミド、N−フェニルフタルイミド、N−ベンジルフタルイミド、ピロメリット酸ジイミド等;N−アルキルマレイミドと例えば(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエーテルなどのラジカル重合性二重結合を有する化合物との共重合体等が挙げられる。一般式(2)において原子Yが窒素原子である場合のこれらの化合物(C)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0039】
一般式(2)において原子Yがリン原子である場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。一般式(2)において原子Yがリン原子である場合のこれらの化合物(C)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0040】
一般式(2)において原子Yが炭素原子である場合の化合物(C)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,4−ペンタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3−クロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−−ヘプタンジオン、1−ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのジケトン類;ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジメチルメチルマロネート、テトラエチル−1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸などのポリカルボン酸エステル類;メチルアセチルアセトナート、エチルアセチルアセトナート、メチルプロピオニルアセテートなどのα−カルボニル酢酸エステル類等が挙げられる。一般式(2)において原子Yが炭素原子である場合のこれらの化合物(C)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0041】
本発明においては、前記一般式(2)で表される分子骨格を有する上記化合物(C)のなかでも、前記重合体(A)に対する溶解性、光反応性、経済性等に優れることから、カルボン酸無水物又はカルボン酸イミドが好適に用いられる。上記カルボン酸無水物及びカルボン酸イミドは、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【0042】
本発明の光反応性組成物中における上記化合物(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、前記重合体(A)100重量部に対して、上記化合物(C)0.01〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20重量部である。
【0043】
化合物(C)の含有量が重合体(A)100重量部に対して0.01重量部未満であると、光反応性組成物の光反応性が不十分となることがあり、逆に重合体(A)100重量部に対して30重量部を超えると、光反応性組成物の光透過性が低下して、光照射面の表面のみに重合、架橋、硬化が起こり、深部反応性が不十分となることがある。
【0044】
本発明の光反応性組成物は、更に、光反応性を向上させるために、即ち、光の照射時間を短くしたり、光の照射エネルギーを低くするためや、深部反応性を向上させるために、光ラジカル発生剤(D)を含有することが好ましい。
【0045】
上記光ラジカル発生剤(D)としては、特に限定されるものではないが、例えば、紫外線や可視光線等の光によりラジカルに分解する化合物、水素引き抜きによりラジカルを発生させる化合物、電子移動等のエネルギー移動によりラジカルを発生させる化合物等が挙げられるが、なかでも、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル又はそれらの誘導体等に対して重合開始能を有する化合物が好適に用いられる。
【0046】
上記光ラジカル発生剤(D)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール誘導体化合物;ハロゲン化ケトン;アシルフォスフィンオキシド;アシルフォスフォナート;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ビス(ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]チタニウム、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。これらの光ラジカル発生剤(D)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、アシルフォスフィン系化合物には、前記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(C)と光ラジカル発生剤(D)との双方の機能を同時に発現する化合物が含まれる。
【0047】
本発明の光反応性組成物中における上記光ラジカル発生剤(D)の含有量は、特に限定されるものではないが、前記重合体(A)100重量部に対して、上記光ラジカル発生剤(D)0.001〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5重量部である。
【0048】
光ラジカル発生剤(D)の含有量が重合体(A)100重量部に対して0.001重量部未満であると、光反応性組成物の光反応性が十分に向上しないことがあり、逆に重合体(A)100重量部に対して10重量部を超えると、光反応性組成物の光透過性が低下して、光照射面の表面のみに重合、架橋、硬化が起こり、深部反応性が不十分となることがある。
【0049】
本発明の光反応性組成物は、更に、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)を含有することが好ましい。
【0050】
本発明の光反応性組成物において、前記重合体(A)と前記水素ラジカル供与剤(B)との組み合わせが特定の組み合わせである場合、光反応の立ち上がりが遅くなって、光照射直後には所望の凝集力を得られず、光照射直後の利用が制約されるという問題点が発生することがある。しかし、光反応性組成物中に上記ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)を含有させることにより、光反応の立ち上がりを速め、上記問題点の発生を効果的に抑制することができる。
【0051】
上記ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルエステル基、ビニロキシ基などのラジカル重合性不飽和基を1分子中に1個有する化合物や、上記ラジカル重合性不飽和基の同種もしくは異種を1分子中に少なくとも2個以上有する化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)は、単独で用いられても良い。
【0052】
ラジカル重合性不飽和基としてスチリル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらのスチリル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0053】
ラジカル重合性不飽和基としてアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸等や、CH2 =CH−C(O)O−CH2 CH2 O−[C(O)CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 O]n−H(n=1〜10)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−CH2 CH2 O−[C(O)CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 O]n−H(n=1〜10)、CH2 =CH−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−H(n=1〜12)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−H(n=1〜12)、CH2 =CH−C(O)O−[CH2 CH(CH3 )O]n−H(n=1〜12)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−[CH2 CH(CH3 )O]n−H(n=1〜12)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−[CH2 CH(CH3 )O]m−H(n=1〜12)、CH2 =CH−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−[CH2 CH(CH3 )O]m−H(n=1〜12)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−(CH2 CH2 CH2 CH2 O)m−H(n=1〜12)、CH2 =CH−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−(CH2 CH2 CH2 CH2 O)m−H(n=1〜12)、CH2 =CH−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−CH3 (n=1〜10)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−CH3 (n=1〜30)、CH2 =CH−C(O)O−[CH2 CH(CH3 )O]n−CH3 (n=1〜10)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−[CH2 CH(CH3 )O]n−CH3 (n=1〜10)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−[CH2 CH(CH3 )O]m−H(n=1〜10)、CH2 =CH−C(O)O−(CH2 CH2 O)n−[CH2 CH(CH3 )O]m−H(n=1〜10)、CH2 =CH−C(O)O−[CH2 CH(CH3 )O]n−C(O)−CH=CH2 (n=1〜20)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−[CH2 CH(CH3 )O]n−C(O)−C(CH3 )=CH2 (n=1〜20)、CH2 =CH−C(O)O−[CH2 CH2 O]n−C(O)−CH=CH2 (n=1〜20)、CH2 =C(CH3 )−C(O)O−[CH2 CH2 O]n−C(O)−C(CH3 )=CH2 (n=1〜20)等が挙げられる。これらのアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0054】
ラジカル重合性不飽和基としてビニルエステル基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等が挙げられる。これらのビニルエステル基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0055】
ラジカル重合性不飽和基としてビニロキシ基を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等が挙げられる。これらのビニロキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0056】
上記ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)のなかでも、反応性が高くて重合反応が速やかに進行し、光が照射された直後から優れた初期凝集力を発現することから、ラジカル重合性不飽和基としてアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物が好適に用いられる。
【0057】
本発明の光反応性組成物中における上記ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)の含有量は、特に限定されるものではないが、上記化合物(E)/前記重合体(A)が1重量部/99重量部〜90重量部/10重量部であることが好ましい。
【0058】
化合物(E)/重合体(A)が1重量部/99重量部未満であると、光反応性組成物の初期凝集力発現性が不十分となることがあり、逆に化合物(E)/重合体(A)が90重量部/10重量部を超えると、光反応性組成物の硬化体の機械的強度が不十分となることがある。
【0059】
本発明の光反応性組成物に上記ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)を含有させる場合、光反応性組成物の使用時に偶発的又は必然的に光非照射部が発生して未反応の化合物(E)が残存するのを防止するために、加熱するとラジカルを発生する熱ラジカル発生剤や嫌気性条件下でラジカルを発生する嫌気ラジカル発生剤を添加しても良い。
【0060】
熱ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;ケトンパーオキサイド類;パーオキシケタール類;ジアシルパーオキサイド類;パーオキシジカーボネート類;パーオキシエステル類等の有機過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物等が挙げられる。これらの熱ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0061】
嫌気ラジカル発生剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、キュメンハイドロパーオキサイドとベンゾキノンとの混合物のような有機過酸化物とキノン化合物との混合物等が挙げられる。これらの嫌気ラジカル発生剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、上記熱ラジカル発生剤及び嫌気ラジカル発生剤は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【0062】
本発明の光反応性組成物は、更に、前記重合体(A)の加水分解・縮合反応を促進するために、有機金属化合物(F)を含有することが好ましい。
【0063】
上記有機金属化合物(F)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ゲルマニウム、錫、鉛、硼素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウムなどの金属元素と有機基を置換してなる有機金属化合物等が挙げられる。
【0064】
上記有機金属化合物(F)の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイドなどの錫化合物や、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネートなどのチタニウム化合物等が挙げられる。これらの有機金属化合物(F)は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0065】
本発明の光反応性組成物中における上記有機金属化合物(F)の含有量は、特に限定されるものではないが、前記重合体(A)100重量部に対して、上記有機金属化合物(F)0.01〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜8重量部である。
【0066】
有機金属化合物(F)の含有量が重合体(A)100重量部に対して0.01重量部未満であると、光照射後の重合体(A)の加水分解・縮合反応が十分に促進されないことがあり、逆に重合体(A)100重量部に対して10重量部を超えると、光照射後の重合体(A)の加水分解・縮合反応は十分に促進されるものの、硬化体への好ましくない影響が現れることがある。
【0067】
本発明の光反応性組成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、光反応性組成物の粘性特性を調整するための増粘剤やチキソトロープ剤、光反応性組成物の硬化体の引っ張り特性等を向上させるための物性調整剤、増量剤、可塑剤、感光性増感剤、補強剤、タレ防止剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、着色剤、香料、酸、有機溶媒等の各種添加剤の1種類もしくは2種類以上を添加しても良い。
【0068】
増粘剤は、前記重合体(A)との相溶性の良い高分子化合物から選ばれることが好ましく、使用される重合体(A)の種類によって適宜選択されれば良い。増粘剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系高分子、メタクリル系高分子、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキサイド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添NBR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等や、これらの共重合体や官能基変性体等が挙げられる。これらの増粘剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0069】
チキソトロープ剤は、前記重合体(A)に親和性の高い表面を有する物質から選ばれることが好ましく、使用される重合体(A)の種類によって適宜選択されれば良い。チキソトロープ剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、コロイダルシリカ、ポリビニルピロリドン、疎水化炭酸カルシウム、ガラスバルーン、ガラスビーズ等が挙げられる。これらのチキソトロープ剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0070】
物性調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミンなどのシランカップリング剤や、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。これらの物性調整剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0071】
増量剤としては、光反応性組成物にチキソトロピー性を付与しないものが好ましく、特に限定されるものではないが、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、珪酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらの増量剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0072】
可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類;フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類;グリセリンモノオレイル酸エステルなどの脂肪酸−塩基酸エステル類;アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル類;ポリプロピレングリコール類等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0073】
本発明の光反応性組成物に光を照射する際に利用できる光源は、光源が発する光により光反応性組成物が光活性を示し、前記重合体(A)の光反応により硬化体が生成する光源である限り如何なる光源であっても良く、特に限定されるものではない。又、光反応性組成物の用途に応じて光源を適宜選択しても良い。
【0074】
上記光源の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザー、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられても良いし、2種類以上が組み合わされて用いられても良い。
【0075】
光反応性組成物に対する複数の光源による光照射手順は、特に限定されるものではなく、同時照射であっても良いし、時間差をおいての逐次照射であっても良いし、同時照射と逐次照射との組み合わせであっても良い。又、上記光照射に際しては、例えばフィルター等を用いて不要な波長成分を低減もしくは除去しても良い。
【0076】
本発明の光反応性組成物の使用方法は、特に限定されるものではないが、例えば、被着体(被塗物)に光反応性組成物を公知の方法で塗布もしくは充填した後、光を照射して、光反応性組成物を重合又は架橋させることにより、光反応性組成物の塗膜もしくは充填物を形成させる方法を採れば良い。
【0077】
上記被着体への塗布もしくは充填は、全面塗布もしくは全面充填であっても良いし、部分塗布もしくは部分充填であっても良い。又、光の照射も全面照射であっても良いし、部分照射であっても良い。光の照射が部分照射である場合、パターン化した光を照射することにより、光反応性組成物の塗膜に所望のパターンを形成させることもできる。
【0078】
本発明の光反応性組成物の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、光後硬化性組成物、光反応性接着剤組成物、光反応性シーリング材組成物や、光反応性のコーティング材、酸化珪素膜、層間絶縁膜、塗料、インク、表面保護材、表面処理剤、ポッティング材、製版材料、レジスト材料、成形材料、造形材料、増粘材等が挙げられる。
【0079】
本発明の光反応性組成物は、これらの用途に好適に用いられるが、なかでも光後硬化性組成物、光反応性接着剤組成物及び光反応性シーリング材組成物として特に好適に用いられる。
【0080】
従来の光反応性組成物を光透過性に劣る被着体に適用する場合、被着体に塗布もしくは充填した後、光照射を行っても、もはや光反応を進行させることが困難な場合があるが、本発明の光反応性組成物は、光照射後も重合反応又は架橋反応が持続的に進行する光後硬化性を有するため、光透過性に劣る被着体への適用に際しては、先ず光反応性組成物に光を照射し、次いで、被着体へ塗布もしくは充填する方法を採ることができる。
【0081】
本発明の光反応性組成物を光反応性接着剤組成物として用いる場合、被着体の少なくとも一方が光透過性に優れる場合には、一方の被着体に光反応性組成物を塗布し、次いで、他方の被着体を貼り合わせた後に、上記光透過性に優れる被着体を介して光照射を行えば良い。又、被着体の双方が光透過性に劣る場合には、本発明の光反応性組成物が有する光後硬化性を利用して、先ず光反応性組成物に光を照射した後に、この光反応性組成物を一方の被着体に塗布し、次いで、他方の被着体を貼り合わせても良いし、又、先ず一方の被着体に光反応性組成物を塗布し、この光反応性組成物の露出面に光を照射した後に、他方の被着体を貼り合わせても良い。
【0082】
本発明の光反応性組成物を光反応性シーリング材組成物として用いる場合、充填箇所に光反応性組成物を充填した後に、この光反応性組成物の露出面に光を照射しても良いし、又、本発明の光反応性組成物が有する光後硬化性を利用して、先ず光反応性組成物に光を照射した後に、この光反応性組成物を充填箇所に充填しても良い。
【0083】
本発明を更に詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、本実施例においては以下に示す原材料を用いた。
【0084】
1.重合体(A)
(1)ポリイソブチレンの末端に加水分解性官能基含有シリル基を有する化合物(商品名「エピオンEP−103S」、鐘淵化学工業社製)
2.水素ラジカル供与剤(B)
(1)ベンジルメチルエーテル
(2)ラウリルメルカプタン
(3)トルエン
(4)キシレン
3.化合物(C)
(1)マレイン酸無水物
(2)ブチル酸無水物
(3)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名「イルガキュア819」、チバスペシャルティケミカルズ社製)
4.湿気硬化触媒
(1)1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウリルオキシカルボニル−ジスタノキサン
【0085】
(実施例1)
重合体(A)として「エピオンEP−103S」100重量部及び水素ラジカル供与剤(B)としてベンジルメチルエーテル10重量部を適宜加熱しながら均一に攪拌混合して、光反応性組成物を作製した。
【0086】
(実施例2〜実施例6)
光反応性組成物をそれぞれ表1に示す配合組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、それぞれの光反応性組成物を作製した。
【0087】
(比較例1)
水素ラジカル供与剤(B)を含有させることなく、重合体(A)として「エピオンEP−103S」100重量部及び湿気硬化触媒(1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウリルオキシカルボニル−ジスタノキサン)2重量部を適宜加熱しながら均一に攪拌混合して、湿気硬化性組成物を作製した。
【0088】
実施例1〜実施例6で得られた光反応性組成物及び比較例1で得られた湿気硬化性組成物の性能(▲1▼外観、▲2▼糸曳き発現時間、▲3▼ゲル分率、▲4▼硬化厚み、▲5▼貯蔵安定性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0089】
▲1▼外観:光反応性組成物及び湿気硬化性組成物の外観を目視で観察して、透明であるか、白濁等が認められるかを確認した。
▲2▼糸曳き発現時間:光反応性組成物をポリエチレン板上に厚みが350μmとなるように塗工し、高圧水銀灯(商品名「TOSCURE401」、東芝ライテック社製)を用いて、それぞれ表1に示す光照射エネルギー量の紫外線(365nm)を照射した後、指で光反応性組成物に触れ、糸曳き発現時間を確認した。又、湿気硬化性組成物については、紫外線照射を行うことなく、20℃−50%RHの雰囲気下に放置した後、上記と同様にして糸曳き発現時間を確認した。
▲3▼ゲル分率:光反応性組成物をポリエチレン板上に厚みが350μmとなるように塗工し、高圧水銀灯「TOSCURE401」を用いて、それぞれ表1に示す光照射エネルギー量の紫外線(365nm)を照射した後、20℃−50%RHの雰囲気下に所定時間放置して養生した。次いで、各養生物の一部をテトラヒドロフラン中に室温で1日間浸漬し、その後5時間振蕩した後に、テトラヒドロフランを乾燥して除去し、残渣をゲルとして定量した。尚、ゲル分率としては、光反応性組成物中のゲル量の割合を重量%で示した。又、湿気硬化性組成物については、紫外線照射を行うことなく、上記と同様にしてゲル分率を求めた。
▲4▼硬化厚み:4周を堰(高さ2mm)で囲ったポリエチレン板上に光反応性組成物を厚みが2mmとなるように注ぎ、高圧水銀灯「TOSCURE401」を用いて、それぞれ表1に示す光照射エネルギー量の紫外線(365nm)を照射した後、20℃−50%RHの雰囲気下に遮光下で1週間放置して養生し、生成した皮膜の厚みを測定し、硬化厚みを求めた。又、湿気硬化性組成物については、紫外線照射を行うことなく、上記と同様にして硬化厚みを求めた。
▲5▼貯蔵安定性:光反応性組成物及び湿気硬化性組成物を、密栓状態(遮光下及び遮湿下)で、25℃の雰囲気下に1ケ月放置した後、外観を目視で観察し、下記判定基準により貯蔵安定性を評価した。
〔判定基準〕
○‥‥粘度上昇やゲルの発生は認められなかった。
△‥‥若干の粘度上昇やゲルの発生が認められた。
×‥‥著しい粘度上昇やゲルの発生が認められた。
【0090】
【表1】
Figure 0003987749
【0091】
(実施例7〜実施例20)
光反応性組成物をそれぞれ表2に示す配合組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、それぞれの光反応性組成物を作製した。
【0092】
実施例7〜実施例20で得られた光反応性組成物の性能(▲1▼外観、▲2▼糸曳き発現時間、▲3▼ゲル分率)を上記方法で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0093】
【表2】
Figure 0003987749
【0094】
表1から明らかなように、本発明による実施例1〜実施例6の光反応性組成物は、いずれも外観、糸曳き発現時間、ゲル分率、硬化厚み及び貯蔵安定性の全てについて優れていた。これに対し、比較例1の湿気硬化性組成物は、外観が白濁しており、且つ、硬化速度が遅いため、糸曳き発現時間、ゲル分率及び硬化厚みが劣っていた。
【0095】
又、表2から明らかなように、本発明による実施例7〜実施例20の光反応性組成物は、いずれも外観、糸曳き発現時間及びゲル分率の全てについて優れていた。
【0096】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の光反応性組成物は、遮光下では優れた貯蔵安定性を有し、且つ、光を照射した後は、室温で速やかに重合反応や架橋反応が深部にまで進行して、優れた物性を発現する硬化体を得ることができるので、光後硬化性組成物、光反応性接着剤組成物、光反応性シーリング材組成物等としての用途を始め、各種工業用途に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. イソブチレンからなる重合体であって、下記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以上有する重合体(A)、並びに、チオール類、スルフィド類、アリール位に水素を有する化合物類、ハロゲン化アルキル類、エーテル類、ケトン類及び炭化水素類からなる群より選択される少なくとも1種の水素ラジカル供与剤(B)を含有することを特徴とする光反応性組成物。
    Figure 0003987749
    (式中、Xは、加水分解性官能基を示し、Rは、炭化水素基を示し、nは、1〜3の整数を示す)
  2. 水素ラジカル供与剤(B)は、ベンジルメチルエーテル、ラウリルメルカプタン、トルエン又はキシレンであることを特徴とする請求項1に記載の光反応性組成物。
  3. 一般式(1)において、Xがアルコキシル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光反応性組成物。
  4. 更に、下記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(C)を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光反応性組成物。
    Figure 0003987749
    (式中、Yは、周期表のIVB族、周期表のVB族又は周期表のVIB族の原子を示し、Zは、水素原子、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基及びオキソ基からなる群より選択される置換基を示し、mは、2〜5の整数を示す)
  5. イソブチレンからなる重合体であって、下記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以上有する重合体(A)、及び、水素ラジカル供与剤(B)を含有する光反応性組成物であって、更に、下記一般式(2)で表される分子骨格を有する化合物(C)を含有するものであり、前記化合物(C)がカルボン酸無水物又はカルボン酸イミドであることを特徴とする光反応性組成物。
    Figure 0003987749
    (式中、Xは、加水分解性官能基を示し、Rは、炭化水素基を示し、nは、1〜3の整数を示す)
    Figure 0003987749
    (式中、Yは、周期表のIVB族、周期表のVB族又は周期表のVIB族の原子を示し、Zは、水素原子、炭化水素基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキ シル基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基及びオキソ基からなる群より選択される置換基を示し、mは、2〜5の整数を示す)
  6. イソブチレンからなる重合体であって、下記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以上有する重合体(A)、及び、水素ラジカル供与剤(B)を含有する光反応性組成物であって、更に、光ラジカル発生剤(D)を含有することを特徴とする光反応性組成物。
    Figure 0003987749
    (式中、Xは、加水分解性官能基を示し、Rは、炭化水素基を示し、nは、1〜3の整数を示す)
  7. イソブチレンからなる重合体であって、下記一般式(1)で表される官能基を1分子中に1個以上有する重合体(A)、及び、水素ラジカル供与剤(B)を含有する光反応性組成物であって、更に、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(E)を含有することを特徴とする光反応性組成物。
    Figure 0003987749
    (式中、Xは、加水分解性官能基を示し、Rは、炭化水素基を示し、nは、1〜3の整数を示す)
  8. 更に、重合体(A)の加水分解・縮合反応を促進する有機金属化合物(F)を含有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光反応性組成物。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光反応性組成物からなることを特徴とする光後硬化性組成物
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光反応性組成物からなることを特徴とする光反応性接着剤組成物。
  11. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光反応性組成物からなることを特徴とする光反応性シーリング材組成物。
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