JP2006089667A - 粘接着剤、およびこれを用いた粘接着シート - Google Patents

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剛 長谷川
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Abstract

【課題】 硬化前は適度な粘着性を有し、弱い圧力で圧着することができ、硬化後は高い凝集性により、優れた耐クリープ性を有する粘接着剤、特に高温環境下や被着体が無機材質である場合においても耐クリープ性に優れる粘接着剤、およびこれを用いた粘接着シートを提供する。
【解決手段】 アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーからなる粘接着性化合物と、潜在性酸発生剤とを含有してなるように粘接着剤を構成する。基材上に、前記粘接着剤からなる粘接着剤層を形成してなるように粘接着シートを構成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化前は適度な粘着性を有し、硬化後は高い凝集性を有する粘接着剤、および粘接着シートに関するものである。
一般的に接着剤は液状であり、基材に刷毛やローラーで塗布して接着基材とし、これを被着体に接合する。そして接着剤は、溶剤の気化や高分子量化反応によって固体化し、接着基材は被着体に強固に接着される。このような接着剤は接着強度が高い半面、基材に塗布する作業が煩雑で、また反応に比較的時間がかかり、接着剤が固体化するまで何らかの方法で固定しなければならないなど、取扱いに制約がある。
粘着剤については液状であったりもするが、一般にはフィルム状の基材に塗布された形で供給されていることが多い。形態は基本的に吸着感のある半固形の粘弾性体で、被着体に弱い圧力で圧着することができる粘着性を有し、作業性が良好な半面、接着剤ほど高い凝集性が得られないという欠点を有する。
近年、これら接着剤及び粘着剤の欠点を補い、接合時には粘着剤の簡便性を有し、接合後に何らかの方法で接着剤のように固体化する、いわゆる「粘接着剤」が提案されている。このような粘接着剤としては、アクリル系ポリマー、カチオン重合性化合物および光カチオン重合開始剤からなるものが提供されている(特許文献1参照)。この粘接着剤は、透明性に優れ、粘着剤としての役割を果たすアクリル系ポリマーと、接着剤としての役割を果たすカチオン重合性化合物および光カチオン重合開始剤とを混合したものである。
しかしこのような粘接着剤は、粘着剤のような粘弾性体を硬化前の形状として保持するためには、アクリル系ポリマーの添加割合を多くしなければならず、硬化後は凝集性の低下を招いてしまう。例えば、このような粘接着剤を用いた粘接着シートは、被着体に貼付し硬化後も被着体に貼付したまま使用する場合などは、時間の経過とともに少しずつ粘接着剤層にクリープが生じ、粘接着シートが被着体からずれてしまうという問題が生じていた。特に、アクリル系ポリマーが耐熱性に劣ることから、高温環境下での耐クリープ性に劣り、また、被着体が無機材質である場合の耐クリープ性に劣るものであった。
特開平10−338840号公報(請求項1)
そこで本発明は、硬化前は適度な粘着性を有し、弱い圧力で圧着することができ、硬化後は高い凝集性により、優れた耐クリープ性を有する粘接着剤、特に高温環境下や被着体が無機材質である場合においても耐クリープ性に優れる粘接着剤、およびこれを用いた粘接着シートを提供することを目的とする。
即ち、本発明の粘接着剤は、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーからなる粘接着性化合物と、潜在性酸発生剤とを含有してなることを特徴とするものである。
また、本発明の粘接着シートは、基材上に、上記粘接着剤からなる粘接着剤層を形成してなることを特徴とするものである。
本発明の粘接着剤および粘接着シートは、硬化前の初期段階では適度な粘着性を有する一方で、硬化させることにより、凝集性を向上させ、耐クリープ性を良好にすることができる。そして、硬化反応は、潜在性酸発生剤から酸を発生させることにより開始できるため、容易に硬化時期を制御することができる。また、本発明の粘接着剤および粘接着シートは、シリカ成分(アルコキシシリル基)が含まれていることから、アクリル系の粘接着剤でありながら、高温環境下や、被着体が無機材質である場合の耐クリープ性を良好なものとすることができる。
まず、本発明の粘接着剤について説明する。本発明の粘接着剤は、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーからなる粘接着性化合物と、潜在性酸発生剤とを含有してなることを特徴とするものである。
以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
粘接着性化合物は、粘接着力を発現する根元となるものであり、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーからなるものである。
この粘接着性化合物は、初期は適度な粘着性を有するものであるが、後述する潜在性酸発生剤から酸を発生させて硬化させることにより、凝集性に優れ、耐クリープ性に優れた性質に変化するものである。硬化は、粘接着性化合物中に含まれるアルコキシシリル基が加水分解を起こし、さらに縮合重合することにより行われる。また、粘接着性化合物には、シリカ成分(アルコキシシリル基)が含まれていることから、本発明の粘接着剤は、アクリル系の粘接着剤でありながら、高温環境下や被着体が無機成分である場合の耐クリープ性を良好なものとすることができる。
このような粘接着性化合物は、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを含む一種以上のモノマーを、アルコキシシリル基が残存するように重合することにより得ることができる。アルコキシシリル基を加水分解して縮合重合させることなく、アルコキシシリル基を残存させることにより、初期粘着性を有する粘接着剤とすることができる。粘接着性化合物は、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系モノマーが重合成分として含まれていれば、当該モノマーを単独重合してなるものでもよいし、当該モノマーと他のモノマーとを共重合してなるものでもよい。
アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、重合することにより粘着性を発現する(メタ)アクリル系モノマーにアルコキシシリル基を導入したものであれば特に制限されることなく使用することができる。アルコキシシリル基を導入する(メタ)アクリル系モノマーとしては、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、粘着性や凝集性に優れる下記一般式(1)で表されるモノマーが好適である。下記一般式(1)で表されるモノマーとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランがあげられる。
Figure 2006089667
式(1)において、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜12の炭化水素基であり、R3は炭素数1〜5の炭化水素基であり、Xはアルコキシ基を示し、mは0、1または2の整数である。
粘接着性化合物中におけるアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの割合は、50重量%以上であることが好ましい。50重量%以上とすることにより、硬化後の凝集性に優れ、高温環境下や被着体が無機材質である場合の耐クリープ性を良好なものとすることができる。
他のモノマーは、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーを使用することができる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、イタコン酸、無水マレイン酸などのモノマーがあげられる。これら他のモノマーを共重合させることにより、粘接着性化合物の粘着性、凝集性、溶剤への溶解性などを調整することができる。
粘接着性化合物の重量平均分子量は10000以上であることが好ましい。10000以上とすることにより、凝集性を良好なものとすることができる。
粘接着性化合物は、重合開始剤の存在下、上述した各種モノマーを重合することにより得ることができる。この際、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系モノマーのアルコキシシリル基を残存させるように、アルコキシシリル基の加水分解の触媒が存在しない条件で重合を行う。具体的には、反応容器に上述した各種モノマー、溶媒、および重合開始剤を入れ、不活性ガスで容器内を十分に置換した後、反応液を60〜90℃で4〜8時間加熱攪拌して重合反応を行う。溶媒としてはトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤があげられる。重合開始剤としては、アゾイソブチロニトリル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等などがあげられる。
例として、一般式(1)で表したモノマーを単独重合してなる粘接着性化合物を下記の一般式(2)で示す。
Figure 2006089667
式(2)において、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜12の炭化水素基であり、R3は炭素数1〜5の炭化水素基であり、Xはアルコキシ基を示し、mは0、1または2の整数であり、nは40以上の整数である。
潜在性酸発生剤は、上述した粘接着性化合物とともに本発明の粘接着剤を構成するものである。このような潜在性酸発生剤は、熱又は光によってブレンステッド酸、ルイス酸などの酸を発生し、上述した粘接着性化合物の加水分解の速度を速め、硬化反応全体を速める触媒としての役割を果たすものである。
そして、潜在性酸発生剤においては、特定の操作をすることにより初めて酸を発生することから、初期段階では粘着性を発現させながら、その後、所望の時期に硬化反応を開始させ、凝集性を向上させることができる。一方、塩酸などの他の触媒の場合には、酸の発生時期をコントロールできないため、粘接着剤層を形成した時点で硬化反応は完了してしまい、初期粘着性を発現させることはできない。
また、潜在性酸発生剤を使用することにより、硬化反応を完了させるための時間を大幅に短縮することができる。そして、硬化反応時には加熱することが好適であるため、潜在性酸発生剤を使用することにより、加熱時間を大幅に短縮させることができ、かつ、加熱温度も低下させることができる。したがって、粘接着性シートとする際に、比較的耐熱性を有さない基材であっても使用することが可能となる。
なお、潜在性酸発生剤を用いなくても硬化反応(加水分解、縮合重合)は進行させることはできる。しかしながら、反応に著しく時間を要してしまい、実用的ではない。
潜在性酸発生剤としては、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨードニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩等のヨ−ドニウム塩、およびアリールスルホニウム塩、アリールホスホニウム塩、鉄アレーン錯体、さらにベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、o−ニトロベンジルトシレート、2,5−ジニトロベンジルトシレート、N−トシルフタル酸イミド、α−シアノベンジリデントシルアミン、p−ニトロベンジル-9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート等のスルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、シラノールアルミニウム錯体などがあげら、これらの1種又は2種類以上を使用することができる。
潜在性酸発生剤の含有量は、粘接着性化合物100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、粘着性を阻害しない範囲で、加水分解に十分な量の酸を発生させることができ、硬化後は凝集性に優れる粘接着剤を得ることができる。
なお、粘接着剤中には、必要に応じて、他の樹脂、架橋剤、粘着付与剤、酸増殖剤、希釈溶剤、充填剤、着色剤、マット剤、易滑剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、顔料分散剤、流動調整剤、消泡剤などを配合することができる。
次に、本発明の粘接着シートは、基材上に粘接着剤層を設けてなるものであって、前記粘接着剤層が上述した本発明の粘接着剤から形成されてなるものである。
基材は用途に応じて選択されるため特に制限されるものではないが、例えばポリエステルフィルム、アクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、各種フッ素系樹脂フィルムなどのプラスチックフィルムの他、プラスチック板、ガラス板、ステンレス板、アルミニウム板などの金属板、紙などがあげられる。基材の厚みは特に限定されるものではないが、取り扱い性などの観点から5〜300μmのものが好適に使用される。
粘接着剤層は、本発明の粘接着剤を適当な溶剤に溶解させてなる塗布液を、従来から公知の方法、例えば、バーコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷などにより基材上に塗布、乾燥することにより形成することができる。粘接着剤層の厚みは、5〜30μm程度である。なお、取り扱い性向上のために、粘接着剤層上にはセパレータを貼り合わせておくことが好ましい。
上述のような本発明の粘接着剤は、金属、プラスチック、紙、木質材、無機質材、及びこれらの組み合わせなどからなる基材同士の接着に用いることができる。また、本発明の粘接着シートは、金属、プラスチック、紙、木質材、無機質材、及びこれらの組み合わせなどからなる被着体に接着することができる。このような本発明の粘接着剤は、接合する基材と基材との間に塗布し硬化させることにより、また本発明の粘接着シートは被着体に貼付し硬化させて使用することができる。
硬化処理の方法は、まず、粘接着剤に加熱処理または光照射することにより、潜在性酸発生剤から酸を発生させる。
尚、光の照射によって酸を発生させる方法としては、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプなどを用いて、100nm〜400nm、好ましくは200nm〜400nmの波長領域の紫外線を照射すること、あるいは走査型やカーテン型の電子線加速器を用いて、100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
酸が発生した後に、加水分解が速やかに進行する。加水分解の際には、熱や光は必要なく、室温で反応は進行するが、迅速に反応を完了させるため、加熱することが好ましい。加熱温度は70〜120℃程度である。なお、加水分解は空気中の水分があれば反応は進行するが、粘接着剤中に少量の水またはアルコールを含有させておくことが好ましい。
加水分解の後の縮合反応も、熱や光は必要なく、室温で反応を進行させることはできるが、迅速に反応を完了させるため、加熱処理することが好ましい。加熱温度は70〜120℃程度である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
[実施例]
<粘接着性化合物の合成>
攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備えた反応容器で、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン12.4部、脱水トルエン16.2部、アゾイソブチロニトリル(ラジカル重合開始剤)0.2部を混合し、窒素を通じ30分間攪拌した。次いで、反応溶液を75℃に保つように加熱しながら、窒素を通じ6時間攪拌した。次いで、氷浴中で窒素を通じ1時間攪拌した。次いで、脱水トルエンを取り除き、脱水ヘキサンを加えて30分間攪拌し、静置して反応溶液を二層分離させた。二層分離液から上澄み液を取り除き、下層を真空乾燥し、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーからなる粘接着性化合物(以下、適宜「実施例の粘接着性化合物」という)を得た。
<粘接着シートの作製>
2.6cm×7.6cmのガラス(市販品プレパラート)の片面に、下記の実施例の粘接着剤層塗布液をバーコーターを用いて塗布し、60℃、2分間で乾燥して、厚み10μmの粘接着剤層を形成し、実施例の粘接着シートを得た。なお、下記粘接着剤層塗布液で用いた潜在性酸発生剤は、熱により酸を発生するものであり、約110℃、3分間の加熱で完全解離するものである。
<実施例の粘接着剤層塗布液>
・実施例の粘接着性化合物 5部
・潜在性酸発生剤 0.05部
(ヘキサフルオロアンチモン系アリールスルホニウム塩)
(サンエイドSI-100:三新化学社)
・アセトン 10部
・メタノール 10部
[比較例1]
2.6cm×7.6cmのガラス(市販品プレパラート)の片面に、下記の比較例1の粘接着剤層塗布液をバーコーターを用いて塗布し、60℃、5分間で乾燥し、厚み10μmの粘接着剤層を形成し、比較例1の粘接着シートを得た。
<比較例1の粘接着剤層塗布液>
・熱可塑性ポリマー 80部
(ポリアクリル酸エチル、重量平均分子量100万)
・カチオン重合性化合物 20部
(エポキシ樹脂)
(エピコート828:ジャパンエポキシレジン社)
・光カチオン重合開始剤 2部
(ヘキサフルオロホスフェート系アリールスルホニウム塩)
(サイライトキュアUVI-6990:ユニオンカーバイド社)
・メチルエチルケトン 30部
[比較例2]
比較例1の粘接着剤層塗布液の、熱可塑性ポリマーを30部、カチオン重合性化合物を70部、光カチオン重合開始剤を7部に変更した以外は比較例1と同様にして、比較例2の粘接着シートを得た。
[比較例3]
実施例1の粘接着剤層塗布液の、潜在性酸発生剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3の粘接着シートを作製した。
実施例および比較例で得られた粘接着シートについて、以下のようにして硬化前の粘着性と硬化後の凝集性について評価を行った。評価結果を表1に示す。
<粘着性の評価>
粘接着シートの硬化前の初期の保持力を評価した。まず、実施例および比較例1〜3で作製した粘接着シートを、2.6cm×7.6cmのガラスに、接着面積が2.6cm×2.6cmとなるように一直線上に貼り合わせた。次いで、23℃の環境下において、貼り合わせたプレパラートの一端を固定し、他端に1000gの重りを固定具を用いて吊るした。その結果、1時間以上落下しなかったものを「○」、10分未満で落下したものを「×」とした。
<凝集性の評価>
粘接着シートの硬化後の保持力を評価した。まず、上記粘着性の評価と同様に、実施例および比較例1〜3で作製した粘接着シートを、2.6cm×7.6cmのガラスに、接着面積が2.6cm×2.6cmとなるように一直線上に貼り合わせた。次いで、実施例1および比較例3のものは、110℃で3分間加熱し、比較例1、2のものについては、高圧水銀灯で紫外線を1〜2秒照射した。次いで、下記のように、室温環境下と高温環境下においての凝集性を評価した。
(室温環境下)23℃の環境下において、貼り合わせたプレパラートの一端を固定し、他端に1000gの重りを固定具を用いて吊るした。その結果、24時間以上落下しなかったものを「○」、1時間以上落下しないが、24時間までに落下したものを「△」、10分未満で落下したものを「×」とした。
(高温環境下)23℃の環境下において、貼り合わせたプレパラートの一端を固定し、他端に1000gの重りを固定具を用いて吊るした。重りを吊るした後、5分毎に2℃のペースで200℃まで昇温させた。その結果、200℃でも落下しなかったものを「○」とし、途中で落下したものを「×」とした。
Figure 2006089667
実施例の粘接着剤および粘接着シートは、粘接着剤として、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーからなる粘接着性化合物と、潜在性酸発生剤とを含有するものを用いてなることから、十分な初期粘着性を有するものであった。また、潜在性酸発生剤を含有していることから、その後の短時間の加熱で硬化を完了し、凝集性を良好なものとすることができるものであった。また、粘接着剤の成分としてシリカ成分(アルコキシシリル基)を含むことから、アクリル系の粘接着剤でありながら、高温環境下や被着体が無機材質(ガラス)においての凝集性に優れるものであった。
比較例1のものは、粘接着剤中に、カチオン重合性化合物よりも熱可塑性ポリマーを多く配合しているため、硬化前の粘着性は優れた評価となったが、硬化後の凝集性は低い評価となった。
比較例2のものは、粘接着剤中に、熱可塑性ポリマーよりもカチオン重合性化合物を多く配合しているため、硬化前の粘着性は低い評価となった。また、硬化後の凝集性についても、高温環境下では十分なものではなかった。
比較例3のものは、実施例1と同様に硬化前の粘着性は優れた評価となったが、熱潜在性酸発生剤を添加していないため、硬化反応が進まず、凝集性の評価に劣るものであった。

Claims (2)

  1. アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系ポリマーからなる粘接着性化合物と、潜在性酸発生剤とを含有してなることを特徴とする粘接着剤。
  2. 基材上に、請求項1記載の粘接着剤からなる粘接着剤層を形成してなることを特徴とする粘接着シート。
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