JP2003213245A - 熱硬化型粘接着剤組成物、熱硬化型粘接着剤、及びこれを用いた粘接着シート - Google Patents

熱硬化型粘接着剤組成物、熱硬化型粘接着剤、及びこれを用いた粘接着シート

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JP2003213245A
JP2003213245A JP2002010543A JP2002010543A JP2003213245A JP 2003213245 A JP2003213245 A JP 2003213245A JP 2002010543 A JP2002010543 A JP 2002010543A JP 2002010543 A JP2002010543 A JP 2002010543A JP 2003213245 A JP2003213245 A JP 2003213245A
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Shigeru Aoki
茂 青木
Yoshiko Kitamura
佳子 北村
Susumu Kurishima
進 栗嶋
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Kimoto Co Ltd
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Kimoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化前は適度な粘弾性を有し、弱い圧力で圧着
することができ、有色、無色を問わず低温、且つ短時間
の加熱により硬化を完了させることができ、硬化後は高
い凝集力により優れたクリープ性や剥離性を有する硬化
型粘接着剤組成物、硬化型粘接着剤、及びこれを用いた
粘接着シートを提供する。 【解決手段】N−メチロール基を有する化合物と、熱に
よりブレンステッド酸又はルイス酸を発生する熱潜在性
酸発生剤を含む熱硬化型粘接着剤組成物とする。また、
上記熱硬化型粘接着剤組成物を含む熱硬化型粘接着剤と
する。また、支持体の少なくとも一方の面に上記熱硬化
型粘接着剤から形成されてなる粘接着層を設けた粘接着
シートとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化前は適度な粘
弾性を有し、硬化後は高い凝集性を有する熱硬化型粘接
着剤組成物、熱硬化型粘接着剤、及び粘接着シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に接着剤は液状であり、接着基材
に刷毛やローラーで塗布した後に接合される。接合され
た後に、溶剤の気化や高分子量化反応によって固体化
し、接着基材を強固に接着する。接着強度が高い半面、
接着基材に塗布する作業が煩雑で、また反応に比較的時
間がかかり、接着剤が固体化するまで何らかの方法で固
定しなければならないなど、取扱いに制約がある。粘着
剤については液状であったりもするが、一般にはフィル
ム状の支持体に塗布された形で供給されていることが多
い。形態は基本的に吸着感のある半固形の粘弾性体で、
被着体に弱い圧力で圧着する事ができ、作業性が良好な
半面、接着剤ほど高い凝集性が得られないという欠点を
有する。
【0003】近年、これら接着剤及び粘着剤の欠点を補
い、接合時には粘着剤の簡便性を有し、接合後に何らか
の方法で接着剤のように固体化する、いわゆる「粘接着
剤」が提案されている。このような粘接着剤としては、
少なくとも熱可塑性ポリマー、カチオン重合性化合物、
光カチオン重合開始剤などからなるものが提供されてい
る。
【0004】しかしこのような粘接着剤は、粘着剤のよ
うな粘弾性体を硬化前の形状として保持するためには、
熱可塑性ポリマーの添加割合を多くしなければならず、
硬化後は凝集力の低下を招いてしまう。例えば、このよ
うな粘接着剤を用いた粘接着シートは、被着体に貼付し
硬化後も被着体に貼付したまま使用する場合などは、時
間の経過と共に少しずつ粘接着剤層にクリープが生じ、
粘接着シートが被着体からずれてしまうという問題が生
じる。また、硬化後に被着体から粘接着シートを剥離し
て使用する場合なども、粘接着剤が凝集破壊を起こして
しまうため、粘接着シートが被着体からきれいに剥がれ
ず、粘接着剤が被着体に残ってしまうという問題が生じ
る。
【0005】さらに、このような粘接着剤に使用される
光カチオン重合開始剤は、紫外光などの特定波長の光を
照射することによってカチオン重合性化合物の重合を開
始させることから、粘接着剤が比較的濃い色に着色され
た場合や、接着基材、特に粘接着シートとした時の支持
体が比較的濃い色であった場合などは、照射された波長
域の光が遮光されてしまい、光カチオン重合開始剤を十
分に機能させることができないという問題が生じる。ま
た、粘接着剤の耐光性向上のためUV吸収剤を含有させ
た場合などは、照射する光の波長が限定されてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、硬化
前は適度な粘弾性を有し、弱い圧力で圧着することがで
き、特定波長の光を照射することなしに、有色、無色を
問わず低温、且つ短時間の加熱により硬化を完了させる
ことができ、硬化後は高い凝集力により、優れた耐クリ
ープ性や剥離性を有する粘接着剤組成物、粘接着剤、及
びこれを用いた粘接着シートを提供することを目的とす
る。る
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の熱硬化型
粘接着剤組成物は、N−メチロール基を有する粘接着性
化合物と、熱によりブレンステッド酸又はルイス酸を発
生する熱潜在性酸発生剤を含むものである。
【0008】また、本発明の熱硬化型粘接着剤は、上記
熱硬化型粘接着剤組成物を含むものである。
【0009】また、本発明の粘接着シートは、支持体の
少なくとも一方の面に粘接着層を設けた粘接着シートで
あって、前記粘接着層が上記熱硬化型粘接着剤から形成
されてなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱硬化型粘接着剤
組成物、熱硬化型粘接着剤、及び粘接着シートの実施の
形態について詳述する。
【0011】本発明の熱硬化型粘接着剤組成物は、N−
メチロール基を有する粘接着性化合物と、熱によりブレ
ンステッド酸又はルイス酸を発生する熱潜在性酸発生剤
を含むものである。
【0012】本発明におけるN−メチロール基を有する
粘接着性化合物とは、アミン類とアルデヒド類との付加
物、アミド類とアルデヒド類との付加物、及びこれらを
アルコール類によりエーテル化して得られる化合物全般
を指すものである。例えば、メラミンのホルムアルデヒ
ドの付加物、更にこれをアルコール類でエーテル化した
モノマーを含有する化合物、N−メチロール(メタ)ア
クリルアミドとエチレン性不飽和二重結合を有するモノ
マーとの共重合体などがあげられる。
【0013】このようなN−メチロール基を有する粘接
着性化合物を用いることにより、硬化前には適度な粘弾
性を有し、硬化後は優れた凝集性を有した硬化型粘接着
剤組成物とすることができる。上記共重合体とした場合
の重量平均分子量は、硬化前の粘弾性体としての形状を
保持させるという観点から、1000以上、好ましくは
10000以上、更に好ましくは100000以上であ
る。
【0014】次に、本発明における熱によるブレンステ
ッド酸又はルイス酸を発生する熱潜在性酸発生剤とは、
加熱によって酸を発生する化合物であり、酸を発生する
ことにより、上記N−メチロール基を有する粘接着性化
合物の硬化を完了させるための加熱時間を短縮したり、
加熱温度を低下させることができる。したがって、比較
的耐熱性を有さない接着基材などにおいても使用するこ
とが可能となり、後述する粘接着シートとして用いる場
合には、このようなものを支持体として使用することが
可能となる。
【0015】このような熱潜在性酸発生剤としては、例
えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウ
ム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m
−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブ
チルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニ
ル)ヨードニウムなどのヨードニウムのクロリド、ブロ
ミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェ
ート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩等のヨ−ドニウ
ム塩、およびアリールスルホニウム塩、アリールホスホ
ニウム塩、鉄アレーン錯体、さらにベンゾイントシレー
ト、ピロガロールトリメシレート、o−ニトロベンジル
トシレート、2, 5−ジニトロベンジルトシレート、N
−トシルフタル酸イミド、α−シアノベンジリデントシ
ルアミン、p−ニトロベンジル-9,10−ジエトキシ
アントラセン−2−スルホネート等のスルホン酸エステ
ル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシ
スルホニウム塩、シラノールアルミニウム錯体をあげる
ことができるが、これらのうち、特に3分程度の加熱条
件とした時に、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜
130℃、更に好ましくは90℃〜120℃で完全解離
するものが好ましい。50℃以上のものとしたのは、熱
硬化型粘接着剤組成物の貯蔵安定性を保持するためであ
り、150℃以下のものとしたのは、熱硬化型粘接着剤
組成物の硬化温度の低下に寄与すると共に、硬化時間を
短縮させるためである。このような熱潜在性酸発生剤
は、これらに限定されるものではなく、また2種類以上
を混合して用いても良い。
【0016】ここで、このような熱潜在性酸発生剤は、
光を照射することによりビニルエーテル化合物や、エポ
キシ化合物等のカチオン重合性化合物の重合開始剤とし
ても用いられるものであるが、本発明においては、熱を
加えることによって上述のN−メチロール基を有する粘
接着性化合物の自己縮合や、N−メチロール基を有する
粘接着性化合物と後述するその他のモノマーとの縮合反
応における触媒として機能させるために用いたものであ
る。
【0017】したがって、このような熱潜在性酸発生剤
は、従来の光の照射によってカチオン重合性化合物の重
合を開始させる光カチオン重合開始剤として用いる場合
と異なり、光の照射を必要としないため、熱硬化型粘接
着剤組成物や、接着基材、特に後述する粘接着シートと
した時の支持体が比較的濃い色であった場合などでも、
硬化を完了させることが可能となる。
【0018】このような熱潜在性酸発生剤の含有量は、
熱硬化型粘接着剤組成物中に、下限として0.01重量
%以上、好ましくは0.1重量%以上、上限として10
重量%以下、好ましくは5重量%以下である。このよう
な範囲とすることにより、加熱によって酸が十分に発生
すると共に、過剰に発生した酸を含有することなく、硬
化後は凝集性の優れた熱硬化型粘接着剤組成物を得るこ
とができる。
【0019】また、本発明の熱硬化型粘接着剤組成物
は、用途に応じて、その他のモノマー成分などを配合し
てもよく、特にポリオール樹脂などのN−メチロール基
と反応するようなものを配合することにより、粘弾性な
どの物性のコントロールが容易となる。ポリオール樹脂
としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、アルキド樹脂等の側鎖及び/又は末端に水酸基や
カルボキシル基を有するものがあげられる。
【0020】このようなポリオール樹脂を配合すること
により、ポリオール樹脂と上述のN−メチロール基を有
する粘接着性化合物とが共重合するため、従来のような
熱可塑性ポリマーを添加して硬化前の粘弾性の形状を保
持させる場合と比較して、硬化後の凝集力の低下が軽減
できる。ポリオール樹脂の含有率は、より凝集性の優れ
た熱硬化型粘接着剤組成物を得るため、熱硬化型粘接着
剤組成物中に20重量%以下、好ましくは10重量%以
下とすることが望ましい。
【0021】次に、本発明の熱硬化型粘接着剤は、上記
熱硬化型粘接着剤組成物を含むものであり、必要に応じ
て、他の樹脂、架橋剤、粘着付与剤、酸増殖剤、希釈溶
剤、充填剤、着色剤、マット剤、易滑剤、帯電防止剤、
難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、顔料分散剤、流動
調整剤、消泡剤などを配合することができる。
【0022】次に、本発明の粘接着シートは、支持体の
少なくとも一方の面に粘接着層を設けた粘接着シートで
あって、前記粘接着層が上述の熱硬化型粘接着剤から形
成されてなるものである。
【0023】このような粘接着シートは、支持体として
は紙やプラスチックフィルムなどが好ましく、支持体の
表面に、上述の熱硬化型粘接着剤を必要な乾燥膜厚(用
途により異なるが、一般には、1μm〜70μm、好ま
しくは3μm〜40μmの範囲)になるように塗布し、
セパレータと貼合することにより作製することができ
る。塗布の手段は、従来から公知の方法、例えば、バー
コーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロール
コーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレ
ー、スクリーン印刷などで行うことができる。
【0024】上述のような本発明の硬化型粘接着剤は、
金属、プラスチック、紙、木質材、無機質材、及びこれ
らの組み合わせなどによる基材の接着に用いることがで
きる。また、本発明の粘接着シートは、前記基材を材質
とするような被着体に適用することができる。このよう
な本発明の硬化型粘接着剤は、接合する基材と基材の間
に塗布し硬化させることにより、また本発明の粘接着シ
ートは被着体に貼付し硬化させることにより実施するこ
とができる。
【0025】硬化処理の方法は、用途等により異なるの
で一概にいえないが、粘接着剤を塗布した接着基材や、
粘接着シートであれば粘接着シートの支持体や被着体に
適した熱を加えることにより酸を発生させ硬化を促進
し、短時間に硬化を完了させることができる。
【0026】熱硬化処理の温度としては、N−メチロー
ル基を有する粘接着性化合物、熱潜在性酸発生剤、必要
に応じて添加した樹脂等の種類及び含有量や、塗膜の膜
厚、熱硬化処理時間等によって異なってくるので、一概
にいえないが、例えば70℃〜100℃では20分程
度、100℃〜130℃では10分程度、130℃以上
では3分程度である。
【0027】以上のように、本発明によれば、硬化前は
適度な粘弾性を有し、弱い圧力で圧着することができ、
有色、無色を問わずに低温、且つ短時間の加熱により硬
化を完了させ、硬化後は優れた凝集性を有する熱硬化型
粘接着剤組成物、熱硬化型粘接着剤、及びこれを用いた
粘接着シートが得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」
は、特に示さない限り重量基準である。
【0029】[実施例1] <N−メチロール基を有する粘接着性化合物の合成>攪
拌機、コンデンサー、温度計および窒素導入管を備えた
反応容器で、N−メチロールアクリルアミド6部、2−
ヒドロキシエチルメタアクリレート5部、アクリル酸3
部、エチルアクリレート5部、n−ブチルアクリレート
61部、酢酸ビニル10部、メチルアクリレート10
部、酢酸エチル30部、イソプロピルアルコール30
部、α、α’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.0
5部を混合し、窒素を通じ攪拌しながら75℃に加熱し
た。その後、反応溶液を75℃に保ち8時間攪拌し続け
反応を完結させた。これに酢酸エチル70部、イソプロ
ピルアルコール70部を加え、固形分33.3%に調整
し、N−メチロール基を有する粘接着性化合物を合成し
た。
【0030】<粘接着シートの作製>厚み100μmの
透明ポリエステルフィルム(ルミラーT60:東レ社)の
片面に下記熱硬化型粘接着剤をバーコーターを用いて塗
布し、100℃、3分間で乾燥後、セパレータと貼り合
わせ本発明の粘接着シートを作製した。なお、下記熱硬
化型粘接着剤で用いた熱潜在性酸発生剤は、約110
℃、3分の加熱で完全解離するものである。また、乾燥
後の粘接着剤の厚みは約25μmであった。
【0031】<実施例1の熱硬化型粘接着剤> ・N−メチロール基を有する粘接着性化合物79.3部 ・熱潜在性酸発生剤(ヘキサフルオロアンチモン系アリ
ールスルホニウム塩) 0.7部 <サンエイドSI-80:三新化学社> ・酢酸エチル 10.0部 ・トルエン 10.0部
【0032】[実施例2]実施例1の透明ポリエステル
フィルムの代わりに、厚み100μm(ルミラーX30:
東レ社)の黒色ポリエステルフィルムを用いた以外は実
施例1と同様にして、本発明の粘接着シートを作製し
た。
【0033】[比較例1]実施例1の熱硬化型粘接着剤
の代わりに下記硬化型粘接着剤を用いた以外は実施例1
と同様にして、比較例1の粘接着シートを作製した。
【0034】<比較例1の硬化型粘接着剤> ・熱可塑性ポリマー(ポリアクリル酸エチル) 80部 (重量平均分子量100万) ・カチオン重合性化合物(エポキシ樹脂) 20部 <エピコート828:ジャパンエポキシレジン社> ・光カチオン重合開始剤(ヘキサフルオロ ホスフェート系アリールスルホニウム塩) 2部 <サイライトキュアUVI-6990:ユニオンカーバイド社> ・メチルエチルケトン 30部
【0035】[比較例2]比較例1の硬化型粘接着剤
で、熱可塑性ポリマーを50部、カチオン重合性化合物
を50部、光カチオン重合開始剤を5部に変更した以外
は比較例1と同様にして、比較例2の粘接着シートを作
製した。
【0036】[比較例3]比較例1の硬化型粘接着剤
で、熱可塑性ポリマーを30部、カチオン重合性化合物
を70部、光カチオン重合開始剤を7部に変更した以外
は比較例1と同様にして、比較例3の粘接着シートを作
製した。
【0037】[比較例4]比較例3の透明ポリエステル
フィルムの代わりに、実施例2の黒色ポリエステルフィ
ルムを用いた以外は比較例3と同様にして、比較例4の
粘接着シートを作製した。
【0038】[比較例5]実施例1の熱硬化型粘接着剤
で、熱潜在性酸発生剤を添加しなかった以外は実施例1
と同様にして、比較例5の粘接着シートを作製した。
【0039】実施例及び比較例で得られた粘接着シート
について、以下のようにして硬化前の粘弾性と硬化後の
凝集性について評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0040】[硬化前の粘弾性の評価]硬化前の粘弾性
については、硬化前のステンレス板に対する粘着力と糊
残り、及び硬化前の保持力について評価した。
【0041】硬化前のステンレス板に対する粘着力の評
価と糊残りの評価については、これらの粘接着シートを
幅×長さ=10mm×200mmの大きさに切り、この
粘接着シートの粘接着層の全面を、被着体としてステン
レス板に指で圧着して貼りつけ、23℃、65%R.H.
の環境に24時間放置した後、剥離速度300mm/
分、角度180°で剥離し評価した。粘着力の評価は、
粘着力が1000g/10mm程度であったものを
「○」、粘着力が700g/10mm以下であったもの
を「×」とした。また、糊残りの評価は、粘接着層がス
テンレス板にまったく糊残りしなかったものを「○」、
少しでも糊残りしたものを「×」とした。
【0042】硬化前のステンレス板に対する保持力の評
価は、図1及び図2を用いて説明する。幅×長さ=10
mm×110mmの大きさに切った粘接着シート2の粘
接着層側の面を、接触面積が10mm×10mmとなる
ようにステンレス板1に指で圧着して貼りつけて、23
℃、65%R.H. の環境に24時間放置した後、80
℃の環境下で1000gの重り4を固定具3を用いて吊
るし評価した。なお、評価の際には、重りによる粘接着
シート2の伸びや破断を防止するため、接着剤(図示せ
ず)を介してアルミ板5を貼付し、粘接着シート2と共
に固定具で固定した(図2)。評価は、1時間以上落下
しなかったものを「○」、10分未満で落下したものを
「×」とした。
【0043】[硬化後の凝集性の評価]硬化後の凝集性
については、硬化後のステンレス板に対する保持力を評
価した。上記硬化前の保持力の評価と同様に、図1及び
図2を用いて説明する。上記評価と同様の大きさに切っ
た粘接着シート2を、上記評価と同様にして貼りつけ、
下記に示す(イ)実施例1、実施例2、比較例5、
(ロ)実施例1、実施例2、比較例5、(ハ)比較例
1、比較例2、比較例3、比較例4の条件で硬化させた
後、80℃の環境下で2100gの重り4を固定具3を
用いて吊るし評価した。なお、評価の際には、上記評価
と同様にアルミ板5を貼付し、粘接着シート2と共に固
定具で固定した(図2)。評価は、24時間以上落下し
なかったものを「○」、10分未満で落下したものを
「×」とした。
【0044】(イ)100℃、10分間加熱した。 (ロ)130℃、3分間加熱した。 (ハ)メタルハライドランプにより400mJ/cm2
の紫外光を照射した。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、実施例1の粘接
着シートは、硬化前の粘弾性は優れた評価となり、また
約110℃、3分の加熱で完全解離し酸を発生する熱潜
在性酸発生剤を添加しているため、(イ)、(ロ)のど
ちらの条件であっても粘接着剤の硬化を完了させること
ができ、硬化後の凝集性は優れた評価となった。
【0047】実施例2の粘接着シートは、支持体が黒色
ポリエステルフィルムであったが、実施例1の粘接着シ
ートと同様に約110℃、3分の加熱で完全解離し酸を
発生する熱潜在性酸発生剤を添加しているため、
(イ)、(ロ)のどちらの条件であっても粘接着剤の硬
化を完了させることができ、硬化後の凝集性は優れた評
価となった。
【0048】比較例1の粘接着シートは、カチオン重合
性化合物よりも熱可塑性ポリマーを多く配合しているた
め、硬化前の粘弾性は優れた評価となったが、硬化後の
凝集性は低い評価となった。
【0049】比較例2の粘接着シートは、カチオン重合
性化合物と熱可塑性ポリマーとを等量配合しているた
め、硬化前の粘弾性のうち粘着力については優れた評価
となったが、糊残りと保持力については低い評価となっ
た。また、硬化後の凝集性についても低い評価となっ
た。
【0050】比較例3の粘接着シートは、熱可塑性ポリ
マーよりもカチオン重合性化合物を多く配合しているた
め、硬化後の凝集性は優れた評価となったが、硬化前の
粘弾性は低い評価となった。
【0051】比較例4の粘接着シートは、比較例3と同
様に硬化前の粘弾性は低い評価となった。また、支持体
が黒色ポリエステルフィルムであったたため、特定波長
の光を照射したが、十分に光カチオン性重合開始剤が機
能せず、粘接着剤を硬化させることができなかったた
め、硬化後の凝集性についても低い評価となった。
【0052】比較例5の粘接着シートは、実施例1と同
様に硬化前の粘弾性は優れた評価となったが、熱潜在性
酸発生剤を添加していないため、硬化温度の低下及び硬
化時間の短縮ができず、(イ)、(ロ)の条件では粘接
着剤の硬化を完了させることができなかったため、硬化
後の凝集性は低い評価となった。なお、比較例5の粘接
着シートを150℃、20分加熱したところ、硬化は完
了し、硬化後の凝集性は優れたものとなったが、支持体
が比較的耐熱性を有さないものであったため、支持体に
若干の波うちが生じてしまった。
【0053】以上のように、実施例の粘接着シートは、
粘接着性組成物としてN−メチロール基を有する粘接着
性化合物を配合しているため、硬化前は適度な粘弾性を
有し、硬化後は優れた凝集性を有するものとなった。ま
た、熱によりブレンステッド酸又はルイス酸を発生する
熱潜在性酸発生剤を添加しているため、支持体の色は有
色、無色を問わずに、低温、且つ短時間の加熱により粘
接着性化合物の硬化を促進させることができ、比較的耐
熱性を有さない支持体であっても支持体に波うちや変形
などは生じず、使用可能となった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、硬化前は適度な粘弾性
を有し、弱い圧力で圧着することができ、特定波長の光
を照射することなしに、有色、無色を問わず低温、且つ
短時間の加熱により硬化を完了させることができ、硬化
後は高い凝集力により優れた耐クリープ性や剥離性を有
する粘接着剤組成物、粘接着剤、及びこれを用いた粘接
着シートが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 保持力の評価装置の正面図
【図2】 保持力の評価装置の断面図
【符号の説明】
1・・・ステンレス板 2・・・粘接着シート 3・・・固定具 4・・・重り 5・・・アルミ板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗嶋 進 埼玉県さいたま市鈴谷4丁目6番35号 株 式会社きもと技術開発センター内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA12 AA17 AB01 AB05 CC02 EA05 4J040 DF101 EB131 GA19 HB06 HB25 HC09 HD18 HD21 HD24 HD39 HD43 JA09 JB02 JB09 KA14 LA01 LA05 LA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−メチロール基を有する粘接着性化合物
    と、熱によりブレンステッド酸又はルイス酸を発生する
    熱潜在性酸発生剤を含む熱硬化型粘接着剤組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱硬化型粘接着剤組成物を
    含む熱硬化型粘接着剤。
  3. 【請求項3】支持体の少なくとも一方の面に粘接着層を
    設けた粘接着シートであって、前記粘接着層が請求項2
    記載の熱硬化型粘接着剤から形成されてなることを特徴
    とする粘接着シート。
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