JP2015183045A - 光硬化性樹脂、カルボン酸無水物基含有樹脂、光硬化性樹脂組成物及び光硬化性組成物 - Google Patents

光硬化性樹脂、カルボン酸無水物基含有樹脂、光硬化性樹脂組成物及び光硬化性組成物 Download PDF

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つばさ 伊藤
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Abstract

【課題】接着強度が高い光硬化性樹脂組成物、これに用いる光硬化性樹脂、当該光硬化性樹脂の中間体であるカルボン酸無水物基含有樹脂、及び接着強度が高い光硬化性組成物の提供。【解決手段】主鎖がポリイソブチレン骨格であり少なくとも1つの末端に特定の式で示される基を有する光硬化性樹脂、(メタ)アクリロイルオキシ基及びカルボキシ基を有するポリイソブチレン樹脂(a)と光重合開始剤とを含む、光硬化性樹脂組成物、主鎖がポリイソブチレン骨格であり少なくとも1つの末端に特定の式で示される基を有するカルボン酸無水物基含有樹脂、並びに、カルボン酸無水物基を有するポリイソブチレン樹脂(b)とヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと光重合開始剤とを含む、光硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性樹脂、カルボン酸無水物基含有樹脂、光硬化性樹脂組成物及び光硬化性組成物に関する。
近年、シーリング材や接着剤として、アクリル官能性炭化水素ポリマーを含有する光硬化性樹脂組成物が知られている。
アクリル官能性炭化水素ポリマーについて、例えば、特許文献1には、少なくとも50モル%の反復単位がイソブチレン単位であるアクリル官能性ポリイソブチレンポリマーを製造する方法において、(A)少なくとも50モル%の反復単位がイソブチレン単位であり、かつ少なくとも一つの炭素に結合されたシラノール基がその分子内に存在するポリイソブチレンポリマー、および(B)特定の式のシラン、を反応させることから成る前記のアクリル官能性ポリイソブチレンポリマーを製造する方法等が記載されている([請求項1])。
また、特許文献2には、式(1)で表されるカチオン重合によって得られるハロゲン末端炭化水素系重合体(イ)と、式(2)で表される、保護された水酸基および炭素−炭素二重結合を有する化合物(ロ)との反応により得られる、保護された水酸基を末端に有する重合体主鎖が飽和な炭化水素系重合体(ハ)を、さらに脱保護して得られる、水酸基を末端に有する重合体主鎖が飽和な炭化水素系重合体(ニ)と、一般式3で表される化合物(ホ)(例えば、酸クロライド)との反応により得られる、一般式4で表される基を分子末端に有する炭化水素系重合体(ヘ)、並びに、当該炭化水素系重合体を含有する硬化性組成物が記載されている([請求項1〜6])。
特開平10−87726号公報 特開2001−31714号公報
しかしながら、特許文献1および2などに記載されたアクリル官能性炭化水素ポリマーを用いた光硬化性樹脂組成物は、接着強度が低くなる場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、接着強度が高い光硬化性樹脂組成物、これに用いる光硬化性樹脂、当該光硬化性樹脂の中間体でもあるカルボン酸無水物基含有樹脂、及びこれを用いる光硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、主鎖がポリイソブチレン骨格であり末端にカルボキシ基及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有する光硬化性樹脂、又は、当該光硬化性樹脂を製造するための中間体であり主鎖がポリイソブチレン骨格であり末端にカルボン酸無水物基を有するカルボン酸無水物基含有樹脂を用いることにより、接着強度が高い、光硬化性樹脂組成物、光硬化性組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
1. 主鎖がポリイソブチレン骨格であり、少なくとも1つの末端に下記式(I)で示される基を有する、光硬化性樹脂。
Figure 2015183045
(式中、R1〜R4は炭素数1〜10の炭化水素基でありR1〜R4は同一でも異なっていても良く、R5は水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、lは1以上であり、m、nはそれぞれ独立に1〜10であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
2. 少なくとも2つの末端のそれぞれに前記基を有する、上記1に記載の光硬化性樹脂。
3. (メタ)アクリロイルオキシ基及びカルボキシ基を有するポリイソブチレン樹脂(a)と、光重合開始剤とを含む、光硬化性樹脂組成物。
4. 前記ポリイソブチレン樹脂(a)が上記1又は2に記載の光硬化性樹脂である、上記3に記載の光硬化性樹脂組成物。
5. 更に(メタ)アクリレートモノマーを含む、上記3又は4に記載の光硬化性樹脂組成物。
6. 主鎖がポリイソブチレン骨格であり、少なくとも1つの末端に下記式(II)で示される基を有する、カルボン酸無水物基含有樹脂。
Figure 2015183045
(式中、R1〜R4は炭素数1〜10の炭化水素基でありR1〜R4は同一でも異なっていても良く、lは1以上であり、mは1〜10であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
7. 少なくとも2つの末端のそれぞれに前記基を有する、上記6に記載のカルボン酸無水物基含有樹脂。
8. カルボン酸無水物基を有するポリイソブチレン樹脂(b)と、ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、光重合開始剤とを含む、光硬化性組成物。
9. 前記ポリイソブチレン樹脂(b)が上記6又は7に記載のカルボン酸無水物基含有樹脂である、上記8に記載の光硬化性組成物。
10. 更に(メタ)アクリレートモノマー(但し前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを除く。)を含む、上記8又は9に記載の光硬化性組成物。
以下に示すように、本発明によれば、接着強度が高い光硬化性樹脂組成物、これに用いる光硬化性樹脂、当該光硬化性樹脂の中間体であるカルボン酸無水物基含有樹脂、及び接着強度が高い光硬化性組成物を提供することができる。
本発明の光硬化性樹脂について以下に説明する。
本発明の光硬化性樹脂は、主鎖がポリイソブチレン骨格であり、少なくとも1つの末端に下記式(I)で示される基を有する、光硬化性樹脂である。
Figure 2015183045
(式中、R1〜R4は炭素数1〜10の炭化水素基でありR1〜R4は同一でも異なっていても良く、R5は水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、lは1以上であり、m、nはそれぞれ独立に1〜10であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
本発明の光硬化性樹脂は(メタ)アクリロイルオキシ基を有することによって光硬化性を有する。本発明において、(メタ)アクリロイルオキシ基はアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を意味する。
また、本発明の光硬化性樹脂はカルボキシ基を有することによって密着性に優れ、接着強度を高くすることができる。
そして、本発明の光硬化性樹脂は主鎖がポリイソブチレン骨格であることによって、耐候性に優れる。
本発明の光硬化性樹脂の主鎖はポリイソブチレン骨格である。主鎖はイソブテンのホモポリマーであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。また主鎖は直鎖状のポリイソブチレンであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂は、少なくとも1つの末端に上記式(I)で示される基を有する。当該基は主鎖の末端に結合するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。当該基は主鎖の両末端に結合するのが好ましい。当該基は主鎖の末端に直接又は炭化水素基を介して結合することができる。炭化水素基は特に制限されない。例えば、炭素数1〜10の2価の炭化水素基が挙げられる。
1〜R4としての炭素数1〜10の炭化水素基は、特に制限されない。炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらの組み合わせが挙げられ、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、不飽和結合を有してもよい。脂肪族炭化水素基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基が挙げられる。脂環式炭化水素基としては例えば、シクロヘキシル基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては例えば、フェニル基が挙げられる。
5としての、炭素数1〜4の炭化水素基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
lは1以上であり、1〜10が好ましく、4〜7であるのがより好ましい。また、lを1とすることができる。
m、nはそれぞれ独立に1〜10であり、2〜5が好ましい。
*は前記主鎖との結合位置を表す。当該基は*において主鎖の末端と結合する。
本発明の光硬化性樹脂は、少なくとも2つの末端のそれぞれに前記基を有するのが好ましい。光硬化性に優れ、硬化物にポリイソブチレン骨格、カルボキシ基等が導入されることによって、密着性、耐候性に優れ、接着強度を高くすることができるからである。
本発明の光硬化性樹脂の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、ヒドロシリル化反応に使用できる触媒の存在下において、末端ビニル系官能基ポリイソブチレン樹脂(例えば両末端ビニル系官能基ポリイソブチレン樹脂が好ましい。)と、2つ以上のヒドロシリル基を有するシロキサンとを反応させることによって、末端にSiH官能基を有するポリイソブチレン樹脂(例えば、両末端にSiH官能基を有するポリイソブチレン樹脂が好ましい。)を製造することができる。
ヒドロシリル化反応に使用できる触媒としては、例えば、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金溶液のような白金触媒が挙げられる。
末端ビニル系官能基ポリイソブチレン樹脂は、主鎖がポリイソブチレン骨格であり、末端にビニル系官能基(例えば、ビニル基、アリル基(CH2=CH−CH2−))を有する、ポリイソブチレン樹脂であれば特に制限されない。末端ビニル系官能基ポリイソブチレン樹脂の重量平均分子量は、1,000〜50,000であるのが好ましく、3,000〜30,000であるのがより好ましい。末端ビニル系官能基ポリイソブチレン樹脂の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で得られた。
2つ以上のヒドロシリル基を有するシロキサンは、1分子中に、2つ以上のヒドロシリル基(SiH基)と1つ以上のシロキサン結合を有する化合物であれば特に制限されない。シロキサン結合を構成するケイ素原子とヒドロシリル基を構成するケイ素原子が同じであってもよい。
シロキサン結合は、ケイ素原子と酸素原子が交互に並ぶ結合である。本発明において、シロキサン結合は(Si−O)l−Si(lは1以上である。)とすることができる。当該lは上記式(I)のlと対応する。シロキサン結合において、ケイ素原子には炭素数1〜10の炭化水素基が結合することができる。当該炭素数1〜10の炭化水素基は、上記式(I)のR1〜R4と対応する。
2つ以上のヒドロシリル基を有するシロキサンの骨格としては、例えば、Si−O−Si(l=1);ポリシロキサン骨格(lが2以上)が挙げられる。
2つ以上のヒドロシリル基及びSi−O−Siを有する化合物としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンのようなジシロキサンが挙げられる。
2つ以上のヒドロシリル基及びポリシロキサン骨格を有する化合物としては、例えば、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサンのようなトリシロキサン;1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサンのようなテトラシロキサン;(Si−O)l−Siにおいてlが4以上であり、両末端にSiH基を有する、ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン;両末端にSiH基を有するポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。
2つ以上のヒドロシリル基を有するシロキサンの分子量は、60〜5,000であるのが好ましく、100〜3,000であるのがより好ましい。2つ以上のヒドロシリル基を有するシロキサンがポリシロキサンである場合、その分子量は、THFを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算による重量平均分子量とすることができる。
2つ以上のヒドロシリル基を有するシロキサンはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
2つ以上のヒドロシリル基を有するシロキサンの量は、末端ビニル系官能基ポリイソブチレン樹脂が有するビニル系官能基1モルに対して0.8〜3モルであるのが好ましい。
当該反応によって得られるポリイソブチレン樹脂は、両末端にSiH官能基及びシロキサン結合を有するのが好ましい。この反応によって得られるポリイソブチレン樹脂は、1分子当たりケイ素原子を2個以上有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
当該反応の反応条件は特に制限されない。
次に、上記のとおり得られた末端SiH官能基ポリイソブチレン樹脂と、酸無水物化合物とを反応させて、カルボン酸無水物基含有樹脂を製造することができる。
本発明において、カルボン酸無水物基含有樹脂は光硬化性樹脂の製造用の中間体である。また、カルボン酸無水物基含有樹脂を、後述する本発明の光硬化性組成物に使用することができる。
酸無水物化合物は、1分子中に、カルボン酸無水物基を1個以上とビニル系官能基(例えば、ビニル基、アリル基)を1個以上とを有する化合物であれば特に制限されない。例えば、アリルこはく酸無水物、(2−メチル-2−プロペニル)こはく酸無水物、2−ブテン-1−イルこはく酸無水物、イタコン酸無水物のような飽和の酸無水物化合物;アリルマレイン酸無水物のような不飽和結合を有する酸無水物化合物が挙げられる。
酸無水物化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸無水物化合物の量は、末端SiH官能基ポリイソブチレン樹脂が有するハイドロシリル基(SiH基)1モルに対して、0.8〜1.2モルであるのが好ましく、0.9〜1.1モルであるのがより好ましい。
カルボン酸無水物基含有樹脂は両末端にカルボン酸無水物基を有するポリイソブチレン樹脂であるのが好ましい。
当該反応の反応条件は特に制限されない。
次に、上記のとおり得られたカルボン酸無水物基含有樹脂と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとを反応させて、光硬化性樹脂を製造することができる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートは、1分子中にヒドロキシ基を1個以上有する(メタ)アクリレートであれば特に制限されない。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートのようなヒドロキシ基を1個有するモノ(メタ)アクリレート;2官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの量は、カルボン酸無水物基含有樹脂が有するカルボン酸無水物基1モルに対して、0.8〜20.0モルであるのが好ましく、0.9〜4.0モルであるのがより好ましい。
当該反応には例えば、トリエチルアミンのような触媒を使用してもよい。触媒の量は特に制限されない。
当該反応の反応条件は特に制限されない。
光硬化性樹脂は、両末端に式(I)で示される基を有するポリイソブチレン樹脂であるのが好ましい。
以上の方法によって、本発明の光硬化性樹脂、本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂を製造することができる。
上記製造方法においては、酸クロライドのようなハロゲン化酸化物を使用しないので、反応によって有害なハロゲン物質が生成することはなく作業環境性に優れる。
本発明の光硬化性樹脂は、接着性、耐候性、光硬化性に優れる。
本発明の光硬化性樹脂の用途としては、例えば、接着剤、シーリング材、コーティング材が挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物について以下に説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルオキシ基及びカルボキシ基を有するポリイソブチレン樹脂(a)と、光重合開始剤とを含む、光硬化性樹脂組成物である。本発明の光硬化性樹脂組成物を本発明の組成物1ということがある。
本発明の組成物1は、ポリイソブチレン樹脂(a)を含むことによって、接着強度が高く、耐候性、光硬化性に優れる。
(メタ)アクリロイルオキシ基及びカルボキシ基を有するポリイソブチレン樹脂(a)について以下に説明する。本発明の組成物1に含まれるポリイソブチレン樹脂(a)は、主鎖がポリイソブチレン骨格であり、1分子中に、少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び少なくとも1個のカルボキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。
ポリイソブチレン樹脂(a)は本発明の光硬化性樹脂であるのが好ましい。
ポリイソブチレン樹脂(a)はその製造について特に制限されない。例えば、上記と同様のものが挙げられる。
ポリイソブチレン樹脂(a)はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤について以下に説明する。
本発明の組成物1に含まれる光重合開始剤は(メタ)アクリロイル基を重合させることができる化合物であれば特に制限されない。例えば、アルキルフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物のようなカルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
より具体的には、例えば、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4′−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、下記式(1)で表される1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物:等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2015183045
これらのうち、光安定性、光開裂の高効率性、上記光硬化性樹脂との相溶性、低揮発、低臭気という観点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの市販品としては、例えば、イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)が挙げられる。
光重合開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤の含有量は、上記光硬化性樹脂100質量部に対して1〜10質量部であるのが好ましく、2〜8質量部であるのがより好ましい。
本発明の組成物1は更に(メタ)アクリレートモノマーを含むことができる。(メタ)アクリレートモノマーは、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレートが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、上記光硬化性樹脂への相溶性が良好となり、光硬化性、耐候性にも優れる理由から、モノ(メタ)アクリレートが好ましく、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレートであるのがより好ましい。
本発明において(メタ)アクリレートモノマーを反応性希釈剤として使用してもよい。
(メタ)アクリレートモノマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、上記光硬化性樹脂100質量部に対して、10〜200質量部であるのが好ましく、30〜100質量部であるのがより好ましい。
次に、本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂について以下に説明する。
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂は、主鎖がポリイソブチレン骨格であり、少なくとも1つの末端に下記式(II)で示される基を有する、カルボン酸無水物基含有樹脂である。
Figure 2015183045
(式中、R1〜R4は炭素数1〜10の炭化水素基でありR1〜R4は同一でも異なっていても良く、lは1以上であり、mは1〜10であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂はその主鎖がポリイソブチレン骨格であることによって耐候性に優れる。
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂の主鎖がポリイソブチレン骨格であること、及びその好ましい態様等は本発明の光硬化性樹脂と同様である。
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂は、少なくとも1つの末端に下記式(II)で示される基を有する。当該基と主鎖との結合等については、本発明の光硬化性樹脂における、式(I)で示される基と主鎖との結合と同様である。
式(II)において、R1〜R4としての炭素数1〜10の炭化水素基は、特に制限されない。炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらの組み合わせが挙げられ、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、不飽和結合を有してもよい。脂肪族炭化水素基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基が挙げられる。脂環式炭化水素基としては例えば、シクロヘキシル基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては例えば、フェニル基が挙げられる。
lは1以上であり、1〜10が好ましく、4〜7であるのがより好ましい。またlを1とすることができる。
mは1〜10であり、2〜5が好ましい。
*は主鎖との結合位置を表すことは本発明の光硬化性樹脂と同様である。
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂の製造方法としては、例えば、まず、ヒドロシリル化反応に使用できる触媒の存在下において末端ビニル系官能基ポリイソブチレン樹脂と、2つ以上のヒドロシリル基を有するシロキサンとを反応させて、SiH官能基を有するポリイソブチレン樹脂を製造し、次いで、上記のとおり得られた末端SiH官能基ポリイソブチレン樹脂と、ビニル系官能基を有する酸無水物化合物とを反応させて、カルボン酸無水物基含有樹脂を製造することができる。
本発明において、カルボン酸無水物基含有樹脂は本発明の光硬化性樹脂の製造用の中間体である。本発明の光硬化性樹脂の製造方法は上記のとおりであり、その中にカルボン酸無水物基含有樹脂の製造方法も記載されている。本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂の製造方法において各反応に使用される成分、その量、反応条件等は本発明の光硬化性樹脂の製造方法において記載したものと同様である。
カルボン酸無水物基含有樹脂は、両末端にカルボン酸無水物基を有するポリイソブチレン樹脂であるのが好ましい。
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂は、カルボン酸無水物基を有することによって反応性を有することができる。カルボン酸無水物基と反応しうる官能基は特に制限されない。例えば、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基が挙げられる。
カルボン酸無水物基含有樹脂が有するカルボン酸無水物基は例えば上記官能基を有する(メタ)アクリレートと反応することによってカルボキシ基を生成し、当該反応後の樹脂は密着性に優れる。また、当該反応後の樹脂は(メタ)アクリレート基が導入されて光硬化が可能となる。また、当該反応後の樹脂はポリイソブチレン骨格、カルボキシ基を有することができ、耐候性、密着性に優れる。
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂は、少なくとも2つの末端のそれぞれに前記基を有するのが好ましい。この場合、1つのカルボン酸無水物基含有樹脂からカルボキシ基が複数生成できるので、密着性に優れる。
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂は、接着性、耐候性、光硬化性に優れる。
本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂の用途としては、例えば、接着剤(例えば電子材料用)、シーリング材、エポキシ樹脂用硬化剤が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物について以下に説明する。
本発明の光硬化性組成物は、カルボン酸無水物基を有するポリイソブチレン樹脂(b)と、ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、光重合開始剤とを含む、光硬化性組成物である。本発明の光硬化性組成物を本発明の組成物2ということがある。本発明の組成物2はヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを含むことによって光硬化性を有する。
カルボン酸無水物基を有するポリイソブチレン樹脂(b)について以下に説明する。
本発明の組成物2に含まれるポリイソブチレン樹脂(b)は、主鎖がポリイソブチレン骨格であり、1分子中に少なくとも1つのカルボン酸無水物基を有する化合物であれば特に制限されない。
ポリイソブチレン樹脂(b)は、本発明のカルボン酸無水物基含有樹脂であるのが好ましい。
ポリイソブチレン樹脂(b)はその製造について特に制限されない。例えば、上記と同様のものが挙げられる。ポリイソブチレン樹脂(b)はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートについて以下に説明する。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが有するヒドロキシ基は、ポリイソブチレン樹脂(b)が有するカルボン酸無水物基と反応して、カルボキシ基を生成することができる。
本発明の組成物2に含まれるヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートは、1分子中にヒドロキシ基を1個以上有する(メタ)アクリレートであれば特に制限されない。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートのようなヒドロキシ基を1個有するモノ(メタ)アクリレート;ヒドロキシ基を1個以上有する、2官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
当該反応を促進するために、本発明の組成物2は更に例えば、トリエチルアミンのような触媒を含むことができる。触媒の量は特に制限されない。
光重合開始剤について以下に説明する。本発明の組成物2に含まれる光重合開始剤は本発明の組成物1に含まれる光重合開始剤と同様である。その量についても同様である。
本発明の組成物2は、更に(メタ)アクリレートモノマーを含むことができる。本発明の組成物2に含まれる(メタ)アクリレートモノマーは本発明の組成物1に含まれる(メタ)アクリレートモノマーと同様である。その量についても同様である。但し、本発明の組成物2において、(メタ)アクリレートモノマーはヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを含まない。
本発明の組成物1、2は、本発明の目的を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、充填剤、老化防止剤、トリメチルフェノールのような酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系化合物等)、染料、顔料、溶剤等を含有することができる。
本発明の組成物1、2はその製造方法について特に限定されず、例えば、容器に上記の各必須成分と任意成分とを入れ、減圧下で混合ミキサー等のかくはん機を用いて十分に混合する方法等により製造することができる。
本発明の組成物1、2は、光硬化性を有する。本発明の組成物1、2を硬化させる条件は特に制限されない。光としては例えば、紫外線が挙げられる。具体的には例えば、光源としてメタルハイドロランプを有する光照射装置を使用して、波長250〜380nmの紫外線を本発明の組成物1、2に照射することによって、本発明の組成物1、2を硬化させることができる。
本発明の組成物1、2の用途としては、例えば、接着剤、シーリング材、コーティング材が挙げられる。
適用される基材は特に制限されない。例えば、ガラス、ゴム、プラスチック、金属が挙げられる。
以下実施例を用いて本発明について詳細に説明する。ただし本発明はこれに限定されない。
<光硬化性樹脂(A−1)の製造>
両末端アリル官能基ポリイソブチレン樹脂(重量平均分子量15,000、主鎖はイソブテンのホモポリマーである。商品名エピオン600A、株式会社カネカ製。以下同様。)100gに対し、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン([HSi(Me)22O、東京化成工業株式会社製)5g[(1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン/両末端アリル官能基ポリイソブチレン樹脂が有するアリル官能基)のモル比=2.8/1.0]を混合し、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金溶液(触媒、商品名Pt−VTS−トルエン溶液、N.Eケムキャット製。以下同様。)を白金量で5ppm混合して、この混合物を65℃の条件下で4時間反応させた。その後、過剰の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを減圧下で除去し、両末端SiH官能基ポリイソブチレン樹脂を合成した。得られたポリイソブチレン樹脂についてIR測定を行い、アリル基が消失し、SiH基はないことを確認した。両末端SiH官能基ポリイソブチレン樹脂が末端に有するSiH官能基は下記式(H)で表される。式中*はポリイソブチレン骨格との結合位置である。
Figure 2015183045
次に、上記のとおり得られた両末端SiH官能基ポリイソブチレン樹脂(100g)に対して、アリルこはく酸無水物(東京化成工業株式会社製)1.87g[(アリルこはく酸無水物/両末端SiH官能基ポリイソブチレン樹脂が有するSiH官能基)のモル比=1.0/1.0]を加え、この混合物を65℃の条件下で4時間反応させ、両末端にカルボン酸無水物基を有するポリイソブチレン樹脂を製造した。得られたポリイソブチレン樹脂についてIR測定を行い、SiH基が消失し、アリル基はないことを確認した。また、1H−NMR測定(溶媒:重クロロホルム)によって、得られたポリイソブチレン樹脂に酸無水物基が導入されたことを確認した。得られたポリイソブチレン樹脂をカルボン酸無水物基含有樹脂(B−1)とする。カルボン酸無水物基含有樹脂(B−1)が末端に有する基は下記式(II−1)で表される。式中*はポリイソブチレン骨格との結合位置である。
Figure 2015183045
次に、上記のとおり得られたカルボン酸無水物基含有樹脂(B−1)の全量に対して、2−ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)5.27g[(2−ヒドロキシエチルアクリレート/カルボン酸無水物基含有樹脂(B−1)が有するカルボン酸無水物基)のモル比=3.5/1.0]、トリメチルフェノール0.053g及びトリエチルアミン0.03gを加え、この混合物を80℃の条件下で3時間反応させ、両末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂を製造した。得られた両末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂について、IR測定を行ってカルボキシ基に由来する1,725〜1700cm-1の吸収を確認した。また、1H−NMR測定(溶媒:重クロロホルム)を行って5.8〜6.5ppmにブロードなアクリル基(CH2=CH−CO−)のピークを確認した。得られた両末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂を光硬化性樹脂(A−1)とする。
光硬化性樹脂(A−1)が末端に有する基は下記式(I−1)で表される。
Figure 2015183045
<光硬化性樹脂(A−2)の製造>
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5gを、両末端SiHポリジメチルシロキサン(商品名DMS−H03、Mw450、Gelest社製)6g[(両末端SiHポリジメチルシロキサン/両末端アリル官能基ポリイソブチレン樹脂が有するアリル官能基)のモル比=1.0/1.0]に代えたほかは、上記の光硬化性樹脂(A−1)と同様に製造を行って、両末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂を製造した。得られた両末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂について、IR測定を行ってカルボキシ基に由来する1,725〜1700cm-1の吸収を確認した。また、1H−NMR測定(溶媒:重クロロホルム)を行って5.8〜6.5ppmにブロードなアクリル基のピークを確認した。得られた両末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂を光硬化性樹脂(A−2)とする。
光硬化性樹脂(A−2)が末端に有する基は下記式(I−2)で表される。
Figure 2015183045
式中、lは約5〜約6である。
<比較樹脂1の合成>
両末端アリル官能基ポリイソブチレン樹脂300gに対して1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金溶液を白金量で5ppm混合し、この混合物を70℃に加熱し、その後、これにジメチルクロロシラン(SiMe2Cl2、東京化成工業社製)8gを滴下して加え、反応させた。反応終了後過剰のジメチルクロロシランを減圧下で除去し、両末端ジメチルクロロシリル官能基ポリイソブチレン樹脂を合成した。
次に、上記のとおり得られた両末端ジメチルクロロシリル官能基ポリイソブチレン樹脂の全量を200gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、得られたTHF溶液に重炭酸ナトリウムを10質量%濃度で含む重炭酸ナトリウム水溶液200gを45℃の条件下で滴下し、その後1時間攪拌した。反応後、反応液から有機層を分離し、溶媒を除去し両末端ジメチルシラノール官能基ポリイソブチレン樹脂を合成した。
次に、上記のとおり製造された両末端ジメチルシラノール官能基ポリイソブチレン樹脂300gに3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルクロロシラン(シグマ・アルドリッチ社製)10gを混合し、ここにトリエチルアミン1gを窒素雰囲気下で加え、60℃の条件下で30分間攪拌し、両末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂を合成した。得られた両末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂を比較樹脂1とする。比較樹脂1はメタクリロイルオキシ基を有するがカルボキシ基は有さない。
<比較樹脂2の合成>
水酸基末端ポリイソブチレン樹脂100g(両末端にOHを有する。)とn−ブチルクロライド100gとを混合し、ここにピリジン5mLを加え、窒素置換した後、混合物を0℃に冷却し、メタクリル酸クロライド(保土ヶ谷化学株式会社製)8.3mLを添加し、その後反応液を23℃まで昇温してこれを2時間攪拌した。その後、反応液を水で洗浄しn−ブチルクロライドを除去して、末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂を合成した。得られた末端アクリル官能基ポリイソブチレン樹脂を比較樹脂2とする。比較樹脂2はメタクリロイルオキシ基を有するが、カルボキシ基及びケイ素原子は有さない。
<組成物の製造>
下記表1に示す各成分を、同表に示す組成(質量部)で、かくはん機を用いて混合し、各組成物を製造した。
<接着サンプルの作製>
2枚のガラス基板(長さ25mm、幅25mm)を準備し、各組成物を直径5mm、接着厚み0.3mmとなるように1枚のガラス基板に塗布し、上記ガラス基板と別のガラス基板とが十文字になるようにこれらを貼り合わせた後、以下の硬化条件で各組成物を硬化させ、接着サンプルを作製した。
・硬化条件
光照射装置(GS UVSYSTEM TYPE S250―01、ジーエス・ユアサ ライティング社製)を用い、光源としてメタルハイドロランプを使用し、波長250〜380nmの紫外線を光量120mW/cmで積算光量1000mJ/cm2となるよう照射した。
<評価>
上記のとおり得られた接着サンプルを用いて以下の評価をした。結果を表1に示す。
・接着強度
接着強度は、上記のとおり得られた接着サンプルの一方のガラス基板を固定して、他のガラス基板を引張り試験速度5mm/min.(分)にて引張り試験を行って測定された。ガラス基板同士が剥がれたときの最大値を接着強度とした。
・耐候性試験
上記のとおり得られた接着サンプルについて、メタルハライド式の耐候性試験機(商品名:メタルウエザー、ダイプラウィンテス社製)を用いて、100時間の耐候性試験を行ない、耐候性試験後の接着サンプルも目視で確認し、下記基準で評価した。評価結果が「A」であれば、耐候性に優れるものとして評価できる。
「A」:外観の変化が全くなかった。
「B」:接着剤に黄変が見られた。
Figure 2015183045
上記表1に示す成分のうち、光硬化性樹脂(A−1)、(A−2)、比較樹脂1、2、およびカルボン酸無水物基含有樹脂(B−1)は上述の、光硬化性樹脂(A−1)、(A−2)、比較樹脂1、2、およびカルボン酸無水物基含有樹脂(B−1)と同様であり、これら以外の成分の詳細は、以下のとおりである。
・ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート1:2−ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)
・(メタ)アクリレートモノマー1:ジシクロペンテニルアクリレート
・光重合開始剤1:イルガキュア184(BASF社製)
上記表1おいて、実施例1、2と比較例1、2を比較すると、カルボキシ基を有さない光硬化性樹脂を用いた場合には、接着強度が低くなることが分かった(比較例1〜2)。
これに対し、カルボキシ基を有する光硬化性樹脂を用いた場合には、いずれも接着強度が高いことが分かった(実施例1、2)。
また、実施例3と比較例3を比較すると、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを含まない比較例3ではヒドロキシ基によるカルボン酸無水物基の開環反応が起きず、カルボキシ基が生成しないため、接着強度が低く、耐候性に劣ることがわかった。
これに対して、実施例3は接着強度が高く、耐候性に優れることが分かった。これは、ヒドロキシ基がカルボン酸無水物基と反応してカルボン酸無水物基が開環し、カルボキシ基が生成するためであると考えられる。

Claims (10)

  1. 主鎖がポリイソブチレン骨格であり、少なくとも1つの末端に下記式(I)で示される基を有する、光硬化性樹脂。
    Figure 2015183045
    (式中、R1〜R4は炭素数1〜10の炭化水素基でありR1〜R4は同一でも異なっていても良く、R5は水素又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、lは1以上であり、m、nはそれぞれ独立に1〜10であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
  2. 少なくとも2つの末端のそれぞれに前記基を有する、請求項1に記載の光硬化性樹脂。
  3. (メタ)アクリロイルオキシ基及びカルボキシ基を有するポリイソブチレン樹脂(a)と、光重合開始剤とを含む、光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記ポリイソブチレン樹脂(a)が請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂である、請求項3に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 更に(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項3又は4に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 主鎖がポリイソブチレン骨格であり、少なくとも1つの末端に下記式(II)で示される基を有する、カルボン酸無水物基含有樹脂。
    Figure 2015183045
    (式中、R1〜R4は炭素数1〜10の炭化水素基でありR1〜R4は同一でも異なっていても良く、lは1以上であり、mは1〜10であり、*は前記主鎖との結合位置を表す。)
  7. 少なくとも2つの末端のそれぞれに前記基を有する、請求項6に記載のカルボン酸無水物基含有樹脂。
  8. カルボン酸無水物基を有するポリイソブチレン樹脂(b)と、ヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、光重合開始剤とを含む、光硬化性組成物。
  9. 前記ポリイソブチレン樹脂(b)が請求項6又は7に記載のカルボン酸無水物基含有樹脂である、請求項8に記載の光硬化性組成物。
  10. 更に(メタ)アクリレートモノマー(但し前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを除く。)を含む、請求項8又は9に記載の光硬化性組成物。
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