JP2011236294A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化した硬化物が比較的高い屈折率と十分な帯電防止能とを併せもつことができる硬化性組成物を提供する。
【解決手段】分子中にフルオレン骨格及び複数の重合性不飽和二重結合を有する重合性フルオレン化合物と、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種、好ましくはリン、が金属酸化物にドープされてなる粒子状のドープ金属酸化物とを含む、さらに好ましくは、ドープされていない粒子状の周期律表4族金属原素の金属酸化物を含む、硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物に関する。
従来、紫外線の照射などにより硬化する硬化性組成物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと粒子状の金属酸化物とを含む組成物が知られている。この種の硬化性組成物は、紫外線の照射などによって(メタ)アクリル酸エステルがラジカル重合反応することで硬化する。また、硬化した硬化物は、光学材料としての反射防止膜における高屈折フィルムなどに用いられる。
この種の硬化性組成物としては、具体的には、例えば、分子中にアクリル基を複数有する多官能アクリル酸エステルと酸化チタン粒子とを含むものが提案されている(特許文献1)。斯かる硬化性組成物は、屈折率の比較的高い酸化チタン粒子を含むことから、硬化物の屈折率が比較的高いものになり得る。
しかしながら、斯かる硬化性組成物は、硬化した硬化物が、光学材料において必要とされる十分な帯電防止能を必ずしも有するものではないという問題がある。
特開2006−28463号公報
本発明は、上記の問題点等に鑑み、硬化した硬化物が比較的高い屈折率と十分な帯電防止能とを併せもつことができる硬化性組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る硬化性組成物は、分子中にフルオレン骨格及び複数の重合性不飽和二重結合を有する重合性フルオレン化合物と、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種が金属酸化物にドープされてなる粒子状のドープ金属酸化物とを含むことを特徴とするものである。
前記硬化性組成物においては、例えば紫外線の照射などによって生じるラジカルによって、前記重合性フルオレン化合物の重合性不飽和二重結合がラジカル重合反応し、前記重合性フルオレン化合物同士が化学的に結合し硬化物を生成し得る。該硬化物は、屈折率を比較的高いものにし得る重合性フルオレン化合物由来のフルオレン骨格を含むため、屈折率が比較的高いものになり得る。また、該硬化物は、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種が金属酸化物にドープされてなる粒子状のドープ金属酸化物をも含む。該粒子状のドープ金属酸化物は、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種でドープされていることにより導電性が比較的高いものになっているため、該粒子を含む硬化物は、表面抵抗値が比較的低いものになり得る。
従って、硬化性組成物は、硬化した硬化物が比較的高い屈折率と十分な帯電防止能とを併せもつことができる。
本発明に係る硬化性組成物は、前記周期律表15族元素のうちの少なくとも1種がリンであることが好ましい。前記周期律表15族元素のうちの少なくとも1種がリンであることによって、より帯電防止能に優れた硬化物を形成することができるという利点がある。
本発明に係る硬化性組成物は、さらに、ドープされていない粒子状の周期律表4族金属元素の金属酸化物を含むことが好ましい。
以上のように、本発明の硬化性組成物は、硬化した硬化物が比較的高い屈折率と十分な帯電防止能とを併せもつことができるという効果を奏する。
合成例1の重合性フルオレン化合物のHPLCチャート図。 合成例2の重合性フルオレン化合物のHPLCチャート図。 合成例3の重合性フルオレン化合物のHPLCチャート図。 合成例3の重合性フルオレン化合物の1H−NMRチャート図。
以下、本発明に係る硬化性組成物の実施形態について説明する。
本実施形態の硬化性組成物は、分子中にフルオレン骨格及び複数の重合性不飽和二重結合を有する重合性フルオレン化合物と、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種が金属酸化物にドープされてなる粒子状のドープ金属酸化物とを含むものである。また、好ましくは、ドープされていない粒子状の周期律表4族金属元素の金属酸化物(以下、非ドープ金属酸化物ともいう)をさらに含む。
前記硬化性組成物においては、例えば、紫外線の照射などによって生じるラジカルによって、前記重合性フルオレン化合物の重合性不飽和二重結合がラジカル重合反応し得る。斯かる反応によって、前記硬化性組成物は、硬化し、前記粒子状のドープ金属酸化物を含む硬化物になり得る。
該硬化物は、重合性フルオレン化合物由来のフルオレン骨格を含むことから比較的高い屈折率を有し、また、上記のごときドープされた粒子状のドープ金属酸化物を含むことから絶縁性が抑制され十分な帯電防止能を有し得る。
従って、前記硬化性組成物が硬化した硬化物は、比較的高い屈折率と十分な帯電防止能とを併せもつものになり得る。
前記重合性フルオレン化合物は、下記一般式(1)で表されるフルオレン骨格と、ラジカル重合反応し得る複数の重合性不飽和二重結合とを分子中に有するものである。
前記重合性フルオレン化合物は、硬化物の屈折率がより高いものになり得るという点で、下記式(2)の分子構造で表されるジフェニルフルオレン骨格を分子中に含むことがより好ましい。
前記重合性フルオレン化合物における重合性不飽和二重結合としては、重合反応がより進行し得るという点で、(メタ)アクリル基の重合性不飽和二重結合が好ましい。
即ち、前記重合性フルオレン化合物としては、(メタ)アクリル基を含む(メタ)アクリル基含有重合性フルオレン化合物が好ましい。
具体的には、前記(メタ)アクリル基含有重合性フルオレン化合物としては、例えば、下記式(3)で示される化合物などが挙げられる。
(式中、Eは、H又は脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を含む1価〜4価の基を示し、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を含んでいてもよく、E’は、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を含む2価〜4価の基を示し、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を含んでいてもよく、R、R’は、それぞれ独立してH又はCH3を示し、p及びqはp+q≧2を満たし、且つ、pは、0〜3の整数であり、qは、1〜3の整数である。)
前記1価〜4価の基(E、E’)に含まれ得る酸素原子としては、例えば、エステル結合若しくはエーテル結合の酸素原子などが挙げられ、窒素原子としては、例えば、ウレタン結合の窒素原子が挙げられ、硫黄原子としては、チオエーテル結合の硫黄原子が挙げられる。
より具体的には、前記(メタ)アクリル基含有重合性フルオレン化合物としては、例えば、下記式(4)で示される化合物、式(5)で示される化合物、式(6)で示される化合物などが挙げられる。
なお、前記重合性フルオレン化合物としては、市販されているものを用いることができる。また、例えば、実施例に記載されている方法によって調製したものを用いることができる。
前記粒子状のドープ金属酸化物は、前記周期律表15族元素のうちの少なくとも1種がドープされた金属酸化物を含む粒子状のものである。詳しくは、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種が金属酸化物にドープ処理されてなる粒子状のものである。
ドープ処理の方法としては、熱拡散を利用する方法(熱拡散方法など)、物理的な手法(イオン打ち込みなど)、成長時に取り込ませる方法(オートドーピングなど)等の従来公知の一般的な方法が挙げられる。
金属酸化物にドープされる前記周期律表15族元素としては、具体的には、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、又はBi(ビスマス)が挙げられる。
即ち、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種がドープされたドープ金属酸化物としては、Nがドープされた窒素ドープ金属酸化物、Pがドープされたリンドープ金属酸化物、Asがドープされたヒ素ドープ金属酸化物、Sbがドープされたアンチモンドープ金属酸化物、Biがドープされたビスマスドープ金属酸化物が挙げられる。なお、周期律表15族元素のうちの複数種がドープされた金属酸化物であってもよい。
前記ドープ金属酸化物としては、硬化物の導電性がより高いものになり硬化物の表面抵抗値がより低いものになり得るという点で、Pがドープされたリンドープ金属酸化物が好ましい。
該リンドープ金属酸化物としては、リン(P)を含む化合物がドープされた金属酸化物であれば、特に限定されるものではないが、硬化物の導電性をさらに高め硬化物の表面抵抗値をさらに低いものにし得るという点で、リン酸がドープされたリン酸ドープ金属酸化物が好ましい。
前記ドープ金属酸化物の金属酸化物としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、12族金属元素の金属酸化物、13族金属元素の金属酸化物、14族金属元素の金属酸化物などが挙げられる。
前記周期律表12族金属元素の金属酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)などが挙げられる。
前記周期律表13族金属元素の金属酸化物としては、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ガリウム(Ga23)、酸化インジウム(In23)などが挙げられる。
前記周期律表14族金属元素の金属酸化物としては、酸化ゲルマニウム(GeO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化鉛(PbO2)などが挙げられる。
なお、粒子状ドープ金属酸化物は、1種が単独で、又は複数種が組み合わされて採用され得る。
なかでも、前記ドープ金属酸化物の金属酸化物としては、硬化物の導電性をより高め硬化物の表面抵抗値をより低いものにし得るという点で、周期律表14族元素の金属酸化物が好ましく、酸化スズ(SnO2)がより好ましい。より具体的には、リンドープ酸化スズがさらに好ましく、リン酸ドープ酸化スズが最も好ましい。
前記粒子状のドープ金属酸化物の形状としては、特に限定されず、具体的には、例えば、球状、楕円状、板状、針状などが挙げられる。
前記粒子状のドープ金属酸化物の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜100nmであり、前記硬化性組成物が硬化した硬化物の屈折率がより高いものになり、硬化物の透明性がより優れたものになり得るという点で、5nm〜50nmであることが好ましく、5nm〜20nmであることがより好ましい。
前記粒子状のドープ金属酸化物としては、市販されているものを用いることができる。また、例えば、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種を従来公知の一般的な方法によって粒子状の金属酸化物にドープすることにより調製したものを用いることができる。
前記硬化性組成物における粒子状ドープ金属酸化物と重合性フルオレン化合物との質量比は、特に限定されるものではないが、重合性フルオレン化合物100質量部に対して粒子状ドープ金属酸化物が5〜40質量部であることが好ましく、15〜30質量部であることがより好ましい。重合性フルオレン化合物100質量部に対して粒子状ドープ金属酸化物が5質量部以上であることにより、硬化した硬化物の帯電防止能がより優れたものになるという利点があり、40質量部以下であることにより、硬化した硬化物の屈折率がより高いものになり得るという利点がある。
前記硬化性組成物に含まれ得る、ドープされていない粒子状の周期律表4族金属元素の金属酸化物(非ドープ金属酸化物)は、ドープ処理されていない周期律表4族金属元素の金属酸化物の粒子である。なお、“ドープ処理されていない”との用語は、上述したドープ金属酸化物におけるようなドープ処理がされていないという意味で用いている。従って、非ドープ金属酸化物は、不純物として周期律表4族金属元素以外の元素を含み得る。
前記非ドープ金属酸化物としては、具体的には例えば、粒子状の酸化チタン(TiO2)、粒子状の酸化ジルコニウム(ZrO2)などが挙げられる。粒子状の該非ドープ金属酸化物が前記硬化性組成物にさらに含まれることにより、前記硬化性組成物が硬化した硬化物の屈折率がより高いものになり得るという利点がある。なかでも、該非ドープ金属酸化物としては、酸化ジルコニウム(ZrO2)がより好ましい。
なお、これらの金属酸化物は、1種が単独で、又は複数種が組み合わされて採用され得る。
前記硬化性組成物における重合性フルオレン化合物と非ドープ金属酸化物との質量比は、特に限定されるものではないが、重合性フルオレン化合物100質量部に対して非ドープ金属酸化物が5〜30質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。重合性フルオレン化合物100質量部に対して非ドープ金属酸化物が5質量部以上であることにより、硬化した硬化物の屈折率がより高いものになり得るという利点があり、30質量部以下であることにより、硬化した硬化物の帯電防止能がより優れたものになり得るという利点がある。
前記粒子状の非ドープ金属酸化物の形状としては、特に限定されず、具体的には、例えば、球状、楕円状、板状、針状などが挙げられる。
前記粒子状の非ドープ金属酸化物の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜100nmであり、前記硬化性組成物が硬化した硬化物の屈折率がより高いものになり且つ硬化物の透明性がより優れたものになり得るという点で、5nm〜50nmであることが好ましく、5nm〜20nmであることがより好ましい。
前記硬化性組成物においては、前記硬化性組成物が硬化した硬化物の屈折率がより高いものになり且つ硬化物の表面抵抗値がより低いものになり得るという点で、前記粒子状ドープ金属酸化物としての粒子状リン酸ドープ酸化スズと、前記粒子状非ドープ金属酸化物としての粒子状酸化ジルコニウムとを含むことがより好ましい。
なお、前記硬化性組成物は、硬化した硬化物の硬度を調整できるという点で、さらに、前記重合性フルオレン化合物以外の他の重合性化合物(分子中に重合性不飽和基を含有しフルオレン骨格を含まない重合性化合物)を含むことが好ましい。また、必要に応じて、分子中に重合性不飽和二重結合とアルコキシシランとを有するシランカップリング剤、重合開始剤、酸化防止剤、重合禁止剤、有機溶媒等をさらに含み得る。
前記他の重合性化合物としては、特に限定されるものではないが、分子中に1つの重合性不飽和基を含有する単官能重合性化合物、分子中に複数の重合性不飽和基を含有する多官能重合性化合物等が挙げられる。
なかでも、硬化性組成物がより硬度の大きい硬化物を形成することができるという点で、多官能重合性化合物が好ましい。
前記単官能重合性化合物としては、モノ(メタ)アクリレート化合物が挙げられ、該モノ(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記多官能重合性化合物としては、ポリ(メタ)アクリレート化合物が挙げられ、該ポリ(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタンジオール1,5−ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、硬化性組成物がより硬化物性に優れた硬化物を形成することができるという点で、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートが好ましい。
前記硬化性組成物における重合性フルオレン化合物と他の重合性化合物との質量比は、特に限定されるものではないが、重合性フルオレン化合物100質量部に対して他の重合性化合物が20〜50質量部であることが好ましく、35〜45質量部であることがより好ましい。重合性フルオレン化合物100質量部に対して他の重合性化合物が20質量部以上であることにより、硬化物がより高い硬度を有しつつ比較的高い屈折率と十分な帯電防止能とを併せもつという利点があり、50質量部以下であることにより、硬化物の屈折率がより高いものとなり硬化物の表面抵抗値がより低いものになり得るという利点がある。
前記シランカップリング剤は、その分子中にある重合性不飽和二重結合がラジカル重合反応により重合性フルオレン化合物の重合性不飽和二重結合と化学的に結合し得る。また、前記シランカップリング剤中にあるアルコキシシランが加水分解反応を経て前記粒子状の金属酸化物と脱水縮合反応し、該粒子状の金属酸化物と化学的に結合し得る。
上記のような化学的な結合によって、前記重合性フルオレン化合物と、前記シランカップリング剤と、前記粒子状の金属酸化物とが化学的に結合し、硬化物が優れた硬度を有し得るという点で、前記硬化性組成物は、前記シランカップリング剤を含むことが好ましい。
前記シランカップリング剤としては、例えば、ビニルアルコキシシラン化合物、又は(メタ)アクリロキシアルコキシシラン化合物などが挙げられる。
前記ビニルアルコキシシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記(メタ)アクリロキシアルコキシシラン化合物としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
前記重合開始剤は、重合反応によって前記硬化性組成物をより確実に硬化させることができるという点で、前記硬化性組成物に含まれていることが好ましい。前記重合開始剤としては、光によって分解してラジカルを発生し得る光重合開始剤、所定温度以上に加熱されることによって分解してラジカルを発生し得る熱重合開始剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、電子線、紫外線、又は可視光線によって分解するものが挙げられる。なかでも、硬化性組成物を硬化させるための光としては紫外線が扱いやすいという点で、紫外線により分解してラジカル化合物を発生し得る紫外線分解性のものが好ましい。
紫外線分解性の光重合開始剤としては、具体的には、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
前記重合開始剤の量は、特に限定されるものではなく、硬化する速度を制御すべく適宜調整され得る。
前記酸化防止剤は、前記重合性フルオレン化合物又は前記他の重合性化合物などの酸化を抑制する目的で硬化性組成物に配合され得るものである。
該酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール BHT)、t−ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
該酸化防止剤としては、これらのうちの1種の単独物、あるいは2種以上を混合したものを採用することができる。なお、用いる量は、適宜調整可能である。
前記重合禁止剤は、前記重合性フルオレン化合物又は前記他の重合性化合物の重合反応を抑制する目的で硬化性組成物に配合され得るものである。
該重合禁止剤としては、例えば、パラメトキシフェノール(メトキノン)、1,4−ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)等が挙げられる。
該重合禁止剤としては、これらのうちの1種の単独物、あるいは2種以上を混合したものを採用することができる。なお、用いる量は、適宜調整可能である。
前記有機溶媒は、硬化性組成物の粘度を下げて硬化物としての硬化塗膜等を作製しやすくする目的で硬化性組成物に配合され得る。また、前記有機溶媒は、前記硬化性組成物を硬化させる際に、通常は、揮発して硬化塗膜等の硬化物には残存しない。前記有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、2−プロパノール、又はテトラヒドロフランなどが挙げられる。
前記硬化性組成物は、例えば、前記重合性フルオレン化合物と前記粒子状のドープ金属酸化物とを混合することにより製造することができる。さらに、前記硬化性組成物には、例えば、前記粒子状の非ドープ金属酸化物、シランカップリング剤、重合開始剤、他の重合性化合物、酸化防止剤、重合禁止剤、有機溶媒等を必要に応じて配合することができる。
製造した前記硬化性組成物は、例えば、光重合開始剤の存在下、光を照射することにより硬化させて硬化物を得ることができるものである。また、例えば、熱重合開始剤の存在下、加熱することにより硬化させて硬化物を得ることができるものである。
前記光としては、具体的には、波長が10〜400nmの紫外線、波長が400nm〜800nmの可視光線等を採用することができる。また、前記フルオレン化合物を硬化させ得るものとしては、例えば、波長が0.0037〜0.0025nmの電子線を採用することができる。光としては、比較的高エネルギーを備えつつ扱いやすいという点で、紫外線を採用することが好ましい。紫外線の照射量としては、形成する硬化物の大きさ等によって適宜調整できるものであるが、通常、20〜2000mJ/cm2程度である。
本発明は、上記例示の硬化性組成物に限定されるものではない。また、本発明では、一般の硬化性組成物において採用される種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明の硬化性組成物についてさらに詳細に説明する。
<重合性フルオレン化合物>
硬化塗膜用途のための硬化性組成物を製造するため、まず、原料として以下の重合性フルオレン化合物を用意した。
・重合性フルオレン化合物A
9,9−ビス[4−(2−アクリロイルエトキシ)フェニル]フルオレン
(商品名「BPEFA」 大阪ガスケミカル社製)
・重合性フルオレン化合物B
前記式(4)で示す下記合成例1で調製した重合性フルオレン化合物
・重合性フルオレン化合物C
前記式(5)で示す下記合成例2で調製した重合性フルオレン化合物
・重合性フルオレン化合物D
前記式(6)で示す下記合成例3で調製した重合性フルオレン化合物
下記に合成例1〜3の重合性フルオレン化合物(B,C,D)を調製する方法について詳しく説明する。
(合成例1)
重合性フルオレン化合物Bの合成
塩化カルシウム管を取り付けた冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
(BPF、和光純薬工業社製)3.5g(0.01mol)、および
1,4−ジオキサン(反応溶媒) 30g
を入れ、溶解させた。さらに、
1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート
(商品名「カレンズBEI」、昭和電工社製)4.78g(0.02mol)、
ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)
(BHT、和光純薬工業社製)0.008g、
p−メトキシフェノール(重合禁止剤)
(メトキノン、精工化学社製)0.008g、
ジ−nブチルスズジラウレート(反応触媒)
(商品名「ネオスタンU100」、日東化成社製)0.033g
を添加し、フラスコ内に乾燥空気を注入しながら、マグネチックスターラーで撹拌し、100℃で48時間反応させた。即ち、上記BPFのヒドロキシ基と、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートのイソシアネート基とをウレタン化反応させた。
反応追跡は、FT−IR(IR−Affinity、島津製作所社製)を用いて、NCO基の残存量を測定することにより行った。得られた溶液の固形分濃度は21.6質量%であった。
(合成例2)
重合性フルオレン化合物Cの合成
塩化カルシウム管を取り付けた冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン
(BPEF、ChemFine社製)8.76g(0.02mol)、および
1,4−ジオキサン(反応溶媒)30g
を添加して、溶解させた。さらに、
1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート
(商品名「カレンズBEI」、昭和電工社製)9.56g(0.04mol)、
ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)
(BHT、和光純薬工業社製)0.018g、
p−メトキシフェノール(重合禁止剤)
(メトキノン、精工化学社製)0.018g、
ジ−nブチルスズジラウレート(反応触媒)
(商品名「ネオスタンU100」、日東化成社製)0.0366g
を添加し、フラスコ内に乾燥空気を注入しながら、マグネチックスターラーで撹拌し、100℃で6時間反応させた。即ち、上記BPEFのヒドロキシ基と、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートのイソシアネート基とをウレタン化反応させた。
反応追跡はFT−IR(IR−Affinity、島津製作所社製)を用いて、NCO基の残存量を測定することにより行った。得られた溶液の固形分濃度は、37.9質量%であった。
(合成例3)
重合性フルオレン化合物Dの合成
「ポリオール中間体合成工程」
重合性フルオレン化合物Dを調製するための中間体(ポリオール中間体)を合成すべく、下記に示すようにポリオール中間体合成工程を行った。
即ち、撹拌器、滴下漏斗、冷却管、および、温度計を備えたフラスコに、下記2成分を仕込み、加熱撹拌し、均一に溶解させた。
9,9−ビス[4−(2−アクリロイルエトキシ)フェニル]フルオレン
(BPEFA、大阪ガスケミカル社製)500g(0.869mol)、
トルエン(反応溶媒)500g
さらに、1−チオグリセロール(TG、旭化学工業社製)188g(1.74mol)を加えて撹拌し、懸濁させた。フラスコ全体を氷冷し、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(反応触媒)
(DBU)1.98g(0.013mol)
を滴下漏斗より滴下した。室温にて3時間撹拌しながら反応させた。即ち、BPEFAのアクリル基に、1−チオグリセロールのチオール基をマイケル付加反応によって付加させた。その後、1時間静置し、2層に分離させた。
そして、トルエン含有の上層をデカンテーションにより除去した。また、トルエン及びポリオール中間体を含む下層を真空乾燥し、ポリオール中間体を得た。
「フルオレン(メタ)アクリレート合成工程」
次に、該ポリオール中間体にアクリルクロライドを反応させて、(メタ)アクリル基を有する重合性フルオレン化合物を調製すべくフルオレン(メタ)アクリレート合成工程を行った。
即ち、撹拌器、滴下漏斗、冷却管、および、温度計を備えたフラスコに、下記2成分を仕込み、加熱撹拌し、均一に溶解させた。
ポリオール中間体 510g(0.668mol)
脱水ジクロロメタン 6805g
これにトリエチルアミン473g(4.68mol)を加えた後、氷冷した。続いて、
アクリロイルクロライド 333g(3.67mol)
を0℃にて滴下ロートを用いて30分かけて加え反応溶液とした。反応溶液を氷冷下10分撹拌し、室温に昇温した。室温で15時間撹拌した後、反応溶液に水2000gを滴下し反応を停止させた。
続いて、反応生成物を含む液をクロロホルムで3回抽出した。そして、クロロホルム層を水、及び飽和食塩水で洗浄した後、乾燥剤として硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。乾燥剤をろ過後、酸化防止剤としてのジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.5gを添加し、減圧下濃縮を行って粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、アクリル基を有する重合性フルオレン化合物を含有するフラクションを集め、これにBHTを添加し、減圧下濃縮を行ってカラム1回目後サンプルを得た。
さらに、カラム1回目後サンプルの再精製を行った。即ち、カラム1回目後サンプルをシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、アクリル基を有する重合性フルオレン化合物を含有するフラクションを集め、これにBHT0.04gを加え、減圧下溶媒を留去し、分子中に4つのアクリル基を有する重合性フルオレン化合物(D)を製造した。
<HPLCによる分析>
合成例1及び2の重合性フルオレン化合物について、以下の条件で、HPLC分析をおこなった。合成例1,2の結果をそれぞれ図1,図2に示す。
カラム : Inertsil ODS-3 4.6mm×150mm 5μm
流速 : 0.5 ml/min
測定波長: UV 220 nm
測定温度: 50℃
移動相A: 水
移動相B: アセトニトリル/メタノール
移動相C: THF
グラジエント条件:A/B/C:50/50/0→0/50/50(0min →35min),
A/B/C:0/50/50→0/50/50(35min →40min),
A/B/C:0/50/50→50/50/0(40.1min →50min)
なお、合成例1で得られた溶液には、式(4)で示す重合性化合物B以外の重合性化合物が含まれ、また、合成例2で得られた溶液には、式(5)で示す重合性化合物C以外の重合性化合物が含まれている。具体的には、例えば、前記一般式(3)において、p=0の重合性化合物が含まれている。
また、合成例3の重合性フルオレン化合物について、以下の条件で、HPLC分析をおこなった。結果を図3に示す。
分析カラム:Inertsil-ODS-3V 4.6mm×250mm
移動相:20% KH2PO4水溶液 / アセトニトリル
HPLC分析流速:1.0 ml/min
検出波長:UV 220 nm
カラム温度:40℃
<NMRによる分析>
製造した重合性フルオレン化合物(D)について、FT−NMR装置(JEOL製 「JNM−ECS400」)にて、溶媒として重クロロホルムを用い、常法により1H−NMR分析を行った。図4に合成例3のNMRチャートを示す。また、以下(表1を含む)にそのNMRスペクトルデータを示す。
1H−NMR(ppm):7.74(d)、7.34(t)、7.26(m)、7.11(d)、6.76(d)、6.42(dd)、6.11(dd)、5.85(dd)、5.25(m)、5.09(m)、4.11(m)2.84(m)、2.79(m)、2.66(m)
次に、上記重合性フルオレン化合物A〜Dと、ドープ金属酸化物と、その他の配合成分とを用いて、硬化性組成物を製造した。
(実施例1)
下記成分を混合した。
重合性フルオレン化合物A(BPEFA)100g
有機溶媒:メチルエチルケトン100g
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液(溶媒として2−プロパノールを含む)
(日産化学工業製、商品名「セルナックCXS−303IP」
粒子径範囲5〜20nm、固形分30質量%)16.7g
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(チバジャパン社製、商品名「イルガキュア184」)
重合性化合物に対して5質量%
(実施例2)
実施例1のリン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を50g(固形分15g)とした点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(実施例3)
実施例1のリン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を100g(固形分30g)とした点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(実施例4)
実施例1のリン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を133g(固形分40g)とした点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(実施例5)
実施例1のリン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を60g(固形分20g)とした点、さらに、下記の酸化ジルコニウム粒子分散液を50g(固形分10g)用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
酸化ジルコニウム粒子分散液(溶媒としてメチルエチルケトンを含む)
(ソーラー社製、商品名「ZR−010−09」
粒子径範囲10〜20nm、固形分20質量%)75g
(実施例6)
実施例1のリン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を50g(固形分15g)とした点、さらに、上記の酸化ジルコニウム粒子分散液を75g(固形分15g)用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(実施例7)
実施例1のリン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を33g(固形分10g)とした点、さらに、上記の酸化ジルコニウム粒子分散液を100g(固形分20g)用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(実施例8)
重合性フルオレン化合物Aを70gにした点、リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を50g(固形分15g)とした点、上記の酸化ジルコニウム粒子分散液を75g(固形分15g)用いた点、さらに下記の他の重合性化合物を30g配合した点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
他の重合性化合物:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート
(新中村化学工業社製、商品名「A−BPE−4」)30g
(実施例9)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を50g(固形分15g)とした点、上記の酸化ジルコニウム粒子分散液を75g(固形分15g)用いた点、シランカップリング剤としての3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、商品名「KBM5103」)2gをさらに加えた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(実施例10)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を50g(固形分15g)とした点、上記の酸化ジルコニウム粒子分散液を75g(固形分15g)用いた点、実施例1の重合性フルオレン化合物A100gに代えて合成例1の重合性フルオレン化合物Bを含む液を463g(固形分濃度21.6質量%)用いた点、メチルエチルケトンを用いなかった点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(実施例11)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を50g(固形分15g)とした点、上記の酸化ジルコニウム粒子分散液を75g(固形分15g)用いた点、実施例1の重合性フルオレン化合物A100gに代えて合成例2の重合性フルオレン化合物Cを含む液を264g(固形分濃度37.9質量%)用いた点、メチルエチルケトンを用いなかった点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(実施例12)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を50g(固形分15g)とした点、上記の酸化ジルコニウム粒子分散液を75g(固形分15g)用いた点、実施例1の重合性フルオレン化合物A100gに代えて合成例3の重合性フルオレン化合物Dを100g用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
各実施例における配合量の一覧表を表2及び表3に示す。
(比較例1)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いなかった点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(比較例2)
重合性フルオレン化合物A及びメチルエチルケトンに代えて合成例1の重合性フルオレン化合物Bを含む液を463g(固形分濃度21.6質量%)用いた点、リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いなかった点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(比較例3)
重合性フルオレン化合物A及びメチルエチルケトンに代えて合成例2の重合性フルオレン化合物Cを含む液を264g(固形分濃度37.9質量%)を用いた点、リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いなかった点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(比較例4)
重合性フルオレン化合物Aに代えて合成例3の重合性フルオレン化合物Dを100g用いた点、リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いなかった点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(比較例5)
重合性フルオレン化合物Aを70g用いた点、リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いなかった点、さらに上述の「エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート」を30g配合した点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(比較例6)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いず酸化ジルコニウム粒子分散液を50g(固形分10g)用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(比較例7)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いず酸化ジルコニウム粒子分散液を150g(固形分30g)用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(比較例8)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いず酸化ジルコニウム粒子分散液を225g(固形分45g)用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
(比較例9)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いず、下記のオルガノシリカゾル分散液を100g(固形分30g)用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
オルガノシリカゾル分散液:溶媒としてメチルイソブチルケトンを含む
(日産化学工業社製、商品名「MIBK−ST」
粒子径範囲10〜15nm、固形分30質量%)
(比較例10)
リン酸ドープ酸化スズ粒子分散液を用いず、下記の酸化ジルコニウム・酸化スズ・シリカ分散液を100g(固形分30g)用いた点以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造した。
酸化ジルコニウム・酸化スズ・シリカ分散液:
溶媒としてメチルイソブチルケトンを含む
(日産化学工業社製、商品名「ナノユースOZ−S30K」
平均粒子径10nm、固形分30質量%)
各比較例における配合量の一覧表を表4及び表5に示す。
続いて、各実施例、各比較例で製造した硬化性組成物を硬化させて硬化物を作製し、その硬化物の各種物性を評価した。
<硬化物の作製方法>
各硬化性組成物をメイヤーバーコーターにて、乾燥膜厚20μmになるように、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績社製、商品名「コスモシャインA4100」)上に塗布し、塗膜を作製した。続いて、100℃条件で1分間脱溶媒後、コンベア型UVランプ(オーク製作所社製、装置名「QRM−2288−Wc」)を用いてメタルハライドランプで紫外線を1000mJ/cm2となるように照射した。そして、塗膜を硬化させたものを硬化物の試験サンプルとした。試験サンプルの物性評価のための各種測定は、以下のようにして行った。
<屈折率>
デジタルアッベ屈折計(アタゴ社製 装置名「DR−A1」)を用いて、25℃にて屈折率を測定した。
<表面抵抗値>
表面抵抗計(エーディーシー社製 装置名「表面抵抗計8340A/12702A」を用いて、25℃にて抵抗値を測定した。
上記の各種物性を評価した結果を表6に示す。
本発明の硬化性組成物は、例えば、光硬化型表面コート剤や光硬化型接着剤などの原料として好適に用いられ得る。また、本発明の硬化性組成物は、他にも、例えば、硬化性、硬化物の固着性などを利用して、絶縁塗料、印刷インキ、コーティング剤等の原料として利用可能である。

Claims (3)

  1. 分子中にフルオレン骨格及び複数の重合性不飽和二重結合を有する重合性フルオレン化合物と、周期律表15族元素のうちの少なくとも1種が金属酸化物にドープされてなる粒子状のドープ金属酸化物とを含むことを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記周期律表15族元素のうちの少なくとも1種がリンである請求項1記載の硬化性組成物。
  3. さらに、ドープされていない粒子状の周期律表4族金属元素の金属酸化物を含む請求項1又は2記載の硬化性組成物。
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