JP2003285452A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2003285452A
JP2003285452A JP2002093444A JP2002093444A JP2003285452A JP 2003285452 A JP2003285452 A JP 2003285452A JP 2002093444 A JP2002093444 A JP 2002093444A JP 2002093444 A JP2002093444 A JP 2002093444A JP 2003285452 A JP2003285452 A JP 2003285452A
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ink jet
absorbing material
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Shigenori Fukazawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニング動作により発生するインク廃液
の吸収効率を高めることができる廃液吸収材と、これを
収容する廃液タンクの構成を提供すること。 【解決手段】 記録装置の下底部には、ほぼ長方形状に
立設された一連の壁部23に囲まれて、廃液タンク21
が平面状に形成されている。そして、廃液タンク21内
には、この廃液タンク21のほぼ全体の面積を占有する
ようにしてインク吸収材が収容されている。クリーニン
グ動作により発生するインク廃液は、インク吸収材25
に形成された矩形状空間部30に導入され、溝状空間部
31,32を介して廃液タンク21のほぼ中央部付近ま
で誘導される。廃液吸収材27a〜27dと、廃液タン
ク21の下底面との間には、廃液拡散シートが配置され
ている。これにより、インク廃液は廃液タンクの下底面
に沿って効果的に拡散され、廃液吸収材27a〜27d
によって、効率的に吸収保持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷デ−タに対
応してインク滴を吐出する記録ヘッドを備えたインクジ
ェット式記録装置に関し、特に記録ヘッドの印字機能の
メンテナンス処理を施した際に発生するインク廃液を貯
留する廃液タンク、ならびに廃液タンク内に収納された
廃液吸収材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、シリアルプリンティング方式の
インクジェット式記録装置は、キャリッジに搭載されて
記録用紙の幅方向(主走査方向)に往復移動する記録ヘ
ッドと、記録用紙を記録ヘッドの移動方向に対して直交
する方向(副走査方向)に搬送させる紙送り手段が備え
られ、印刷データに基づいて記録ヘッドよりインク滴を
吐出させることにより記録用紙に対して印刷が行われ
る。
【0003】前記したインクジェット式記録ヘッドは、
圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴
として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル
開口からのインク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上
昇や、インクの固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入
などによりノズル開口に目詰まりを発生し、印刷不良を
起こすという問題を抱えている。
【0004】このために、この種の記録装置には、非印
刷時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するためのキャ
ッピング手段を備えている。このキャッピング手段は、
記録ヘッドにおけるノズル開口のインクの乾燥を防止す
る蓋体として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰ま
りが生じた場合には、ノズル形成面を封止し、吸引ポン
プからの負圧を印加してノズル開口からインクを強制的
に吸引排出させることで、ノズル開口の目詰まりを解消
させるメンテナンス機能を備えている。
【0005】記録ヘッドの目詰まり解消のために行う強
制的なインクの吸引排出処理は、クリーニング操作と呼
ばれ、例えば、装置の長時間の休止後に印刷を再開する
場合や、ユーザが印刷不良を認識してクリーニングスイ
ッチを操作した場合などに実行される。そして、クリー
ニング操作の終了後には、例えばゴム素材を短冊状に形
成したワイピング部材により、ノズル形成面を払拭して
清掃するワイピング操作が伴われる。
【0006】また、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆
動信号を印加してインク滴を空吐出させることで、ノズ
ル開口の目詰まりを解消させるメンテナンス機能も備え
ており、これはフラッシング操作と呼ばれている。この
フラッシング操作は、例えば印刷動作中にインク滴の吐
出の機会が少ないノズル開口において、インクの増粘に
よる目詰まりを防止する目的で、一定周期ごと(例えば
10秒ごと)に実行される。
【0007】前記したクリーニング操作およびフラッシ
ング操作の実行によって排出されるインク廃液は、記録
装置の紙送り部材の下側に配置された廃液タンク内に廃
棄される。そして、前記廃液タンク内には廃液タンクの
下底面のほとんどの面積を占めるように廃液吸収材が収
容され、この廃液吸収材によってインク廃液を吸収保持
するように構成されている。さらに、廃液吸収材に吸収
されたインク廃液は、自然乾燥によりインク溶媒を蒸発
させることにより、廃液タンクの実質的な容積を有効利
用するようになされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昨今におい
ては印刷の多様化が進み、インク溶媒中に色材として顔
料を分散させた顔料インクが用いられる記録装置も提供
されている。この顔料インクは、従来において多用され
ていた染料インクに比較すると、廃液タンクに廃棄され
た状態で、前記廃液吸収材に対して目詰まりが発生し易
いという問題点を抱えている。このために、吸引ポンプ
を介して廃棄された顔料インクは、廃液吸収材の全体に
対して浸透し難く、吸引ポンプの排出口の付近にいわゆ
る飽和状態となった形で貯留される状態が発生する。
【0009】このような状態は、記録装置の実使用の経
過と共に吸引ポンプの排出口の付近に顔料成分が蓄積さ
れ、その傾向がはなはだしくなる。したがって、記録装
置を移動させるなどの作業中において、例えば記録装置
が傾けられた場合には、前記廃液タンクからインク廃液
が流れ出し、記録装置内を汚染させるだけでなく、記録
装置から外部にインク廃液が漏出する等の問題も発生し
得る。
【0010】この発明は、前記した問題点に着目してな
されたものであり、例え目詰まりが発生し易いインクを
利用するような記録装置であっても、廃液タンク内の廃
液吸収材の全体に効果的に廃液を拡散させて浸透させる
ことができる廃液吸収材ならびに廃液タンクの構成を具
備し、これにより廃液吸収材の体積を有効利用すること
ができるインクジェット式記録装置を提供することを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされたこの発明にかかるインクジェット式記録
装置は、印刷デ−タに基づく駆動信号によってインク滴
を吐出し、記録用紙に対して印刷を行うインクジェット
式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止
し吸引ポンプからの負圧を受けて前記記録ヘッドからイ
ンクを吸引排出させるキャッピング手段と、前記吸引ポ
ンプを介したインク廃液を受ける廃液タンクとを備えた
インクジェット式記録装置であって、前記廃液タンク内
には、吸引ポンプを介したインク廃液を吸収保持する廃
液吸収材が収納されると共に、前記吸引ポンプのインク
排出口付近における前記廃液タンクの下底面に接して配
置される第1の廃液吸収材と、前記吸引ポンプのインク
排出口から遠い部分における前記廃液タンクの下底面に
接して配置される第2の廃液吸収材とが、異なる素材に
より構成されている点に特徴を有する。
【0012】この場合、好ましい実施の形態において
は、前記第2の廃液吸収材の上面に、さらに第3の廃液
吸収材が重合されて配置された構成とされる。加えて、
前記吸引ポンプにおけるインク排出口付近から連通する
ようにして第1の廃液吸収材に施された空間部と、前記
第2および第3の廃液吸収材に施された空間部とが互い
に連通するように構成され、前記廃液タンクの下底面と
の間で一連の廃液誘導路を構成することが望ましい。
【0013】この場合、さらに好ましくは、前記第1の
廃液吸収材に施された空間部に沿うようにして廃液タン
クの下底面から壁部が立ち上げられ、前記吸引ポンプの
インク排出口から排出されたインク廃液を、前記壁部に
沿って第2および第3の廃液吸収材に施された空間部側
に誘導できるように構成することが望ましい。そして、
前記した構成に加え、好ましくは装置を水平面上に設置
した場合、前記廃液タンクの下底面が水平状態になされ
るように構成される。
【0014】また、前記した構成においては、第1の廃
液吸収材に比較して第2の廃液吸収材が、インク廃液を
拡散し易い素材を用いることが望ましく、好ましくは前
記第1の廃液吸収材が繊維質の素材により構成され、前
記第2の廃液吸収材がシート状に形成された多孔質の樹
脂素材により構成される。
【0015】そして、前記した廃液タンクおよび廃液吸
収材の組み合わせ構成は、記録ヘッドに導入されるイン
クが、インク溶媒に顔料を分散させた顔料インクを用い
るようになされたインクジェット式記録装置に好適に利
用することができる。
【0016】前記した構成の記録装置によると、クリー
ニング動作に伴って吸引ポンプから排出されるインク廃
液は、第1の廃液吸収材に対して導入され、これが第2
の廃液吸収材側に浸透する。そして、第2の廃液吸収材
の上面に、さらに第3の廃液吸収材が重合されて配置さ
れた構成とした場合には、第2の廃液吸収材側に浸透し
たインク廃液は、第3の廃液吸収材によって吸収され保
持される。
【0017】この場合、第1の廃液吸収材にインク排出
口付近から連通するようにして空間部を施し、前記第2
および第3の廃液吸収材にも、前記空間部に連通する空
間部を施すことにより、第1の廃液吸収材から第2およ
び第3の空間部に至る一連の廃液誘導路を形成すること
ができる。したがって、吸引ポンプから排出されるイン
ク廃液は、前記廃液誘導路を介して第2および第3の廃
液吸収材の配置位置に、容易に到達することができる。
【0018】さらに、廃液タンクの下底面に接する第2
の廃液吸収材として、インク廃液を拡散し易い素材を用
いることにより、廃液タンクの下底面の全体にわたり、
インク廃液を効果的に拡散させることができ、広い面積
を備えた第3の廃液吸収材によって、効果的にインク廃
液を吸収保持することができる。
【0019】この場合、第1の廃液吸収材に施された空
間部に沿うようにして、廃液タンクの下底面から壁部を
立ち上げた構成とすることにより、第1の廃液吸収材付
近におけるインク廃液を第2および第3の廃液吸収材側
に積極的に誘導させることができる。したがって、第1
の廃液吸収材付近において、インク廃液が吸収されきれ
ずに残る飽和状態の発生を防止することができ、装置を
傾けた場合等に発生するインク廃液の漏洩を効果的に防
止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるインクジ
ェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づ
いて説明する。図1はこの発明が適用された記録装置本
体の全体構成を示したものである。図中符号1はキャリ
ッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2に
よって駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部
材4に案内されて紙送り部材5の長手方向に沿って往復
駆動されるように構成されている。
【0021】前記キャリッジ1の紙送り部材5と対向す
る面には、記録ヘッド6が搭載されており、またキャリ
ッジ1の上面にはダンパー機能を備えたサブタンクユニ
ット7が搭載されている。そして、記録装置の側端部
(図1における右端部)に、カートリッジホルダ8が備
えられており、このカートリッジホルダ8には、それぞ
れブラックインクを供給するブラックインクカートリッ
ジ9B、シアン、マゼンタおよびイエローの各インクを
それぞれ供給する各カラーインクカートリッジ9C,9
M,9Yが着脱可能に装着されている。
【0022】そして、これら各カートリッジが装着され
たカートリッジホルダ8よりサブタンクユニット7に対
して、可撓性素材により構成されたインク供給チューブ
10がそれぞれ接続されており、各カートリッジからの
インクがサブタンクユニット7に供給されるように構成
されている。この構成により、印刷指令を受けた前記記
録ヘッド6より、紙送り部材上に搬送される図示せぬ記
録用紙に対してインク滴が吐出され、印刷が実行される
ように構成されている。
【0023】記録装置の非印刷領域であるホームポジシ
ョンには、キャリッジ1が当該箇所に移動した時に上昇
して記録ヘッド6のノズル形成面を封止することができ
るキャッピング手段11が配置されている。このキャッ
ピング手段11は、記録装置の休止期間中において記録
ヘッド6のノズル形成面を封止する蓋体として機能し、
記録ヘッド6におけるノズル開口からインク溶媒が揮散
するのを防止するように機能する。また、クリーニング
動作時には、後述する吸引ポンプから負圧を受けて記録
ヘッド6よりインクを強制的に吸引排出させるように機
能する。
【0024】さらに、前記キャッピング手段11は、第
1フラッシングポジションとして機能し、フラッシング
動作時において前記記録ヘッド6に対して一定の間隙を
もって対峙し、前記記録ヘッド6からフラッシング動作
によるインク滴を受けるようにも機能する。そして、キ
ャッピング手段11に隣接する印刷領域側には、ゴムな
どの弾性素材を短冊状に成形したワイピング部材12が
配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段11
側に往復移動する際に、記録ヘッドの移動軌跡に進出し
て、必要に応じて記録ヘッドのノズル形成面を払拭して
清掃するワイピング動作がなされるように構成されてい
る。
【0025】一方、印刷領域を介したキャッピング手段
11の配置位置とは反対側には、第2フラッシングポジ
ションとして機能するフラッシング受け部材13が配置
されている。そして、このフラッシング受け部材13の
上面には開口部が形成されており、この開口部にはシー
ト状に形成された多孔質部材14が配置されている。
【0026】この多孔質部材14は、前記したとおり記
録ヘッドからフラッシング動作により吐出されるインク
滴を跳ね返すことなく受け止めて、受け部材13の下面
側にインク廃液を誘導させる機能を有しており、これに
より、第2フラッシングポジションにおいてなされるフ
ラッシング動作により、インクミストが発生する度合い
を低減させる機能を担っている。
【0027】なお、前記第2フラッシングポジションに
配置された多孔質部材14の下面側には、後述する廃液
タンクに収容された廃液吸収材が露出するように配置さ
れ、多孔質部材14において受け止めたインク廃液は、
廃液吸収材に滴下して吸収されるように構成されてい
る。
【0028】図2は、前記した記録装置に搭載されたキ
ャッピング手段と、吸引ポンプおよび吸引ポンプを介し
て排出されるインク廃液を貯留する廃液タンクの一部を
示したものである。前記キャッピング手段11は、大き
く別けて例えば合成樹脂により矩形状に形成されたキャ
ップホルダ11aと、このキャップホルダ11aにおけ
る上面の開口内にキャップホルダに対して一体に形成さ
れたキャップ部材11bとにより構成されている。前記
キャップ部材11bは、キャップホルダ11aに対し
て、例えば二色成型法により形成されており、これはエ
ラストマー樹脂等の可撓性素材により構成されている。
【0029】そして、前記キャップ部材11bの内部空
間内には、シート状に成型されたインク吸収材11cが
収容されている。また、前記キャップホルダ11aには
吸引孔11dが形成されており、この吸引孔11dはこ
れを取り巻く吸引管11eの端部に接続されたチューブ
16の一端16aに連通されている。前記チューブ16
は、吸引ポンプ17として機能するチューブポンプの一
部を構成しており、このチューブ16の他端、すなわち
吸引ポンプ17の排出口16bは、後述する廃液タンク
21内に位置するように構成されている。
【0030】前記した構成により、キャッピング手段1
1が上方に移動した時、記録ヘッド6のノズル形成面6
aに対してキャッピング手段11を構成する前記キャッ
プ部材11bの端縁が当接し、ノズル形成面6aを封止
することができる。この状態で、前記吸引ポンプ17が
駆動されることにより、負圧により記録ヘッド6よりイ
ンクが吸引されキャッピング手段11内に排出される。
そして、キャッピング手段11内に排出されたインク廃
液は、吸引ポンプ17を介して後述する廃液タンク21
内に排出される。
【0031】図3は、前記した構成の記録装置における
紙送り部材5の下側に配置された廃液タンクおよびこれ
に収容されたインク吸収材の構成を示したものである。
この廃液タンク21は、記録装置の下底部を構成する全
体が合成樹脂により成型された下側ケース22の長手方
向(前記キャリッジ1の主走査方向)に沿って形成され
ている。この下側ケース22の上面には、ほぼ長方形状
に立設された一連の壁部23囲まれて、廃液タンクが平
面状に形成されている。そして、廃液タンク21内に
は、この廃液タンク21のほぼ全体の面積を占有するよ
うにしてインク吸収材が収容されている。
【0032】図4は図3に示すA−A線より矢印方向に
見た状態の断面図で示しており、以下図3および図4を
参照して廃液タンクおよびこれに収容されたインク吸収
材の構成について説明する。廃液タンク21内には、前
記した吸引ポンプ17のインク排出口16bが位置する
部分において配置された第1の廃液吸収材25が、図4
に示すように前記廃液タンクの下底面21aに接して配
置されている。なお、前記廃液タンクの下底面21a
は、記録装置を水平面上に設置した場合、その下底面2
1aが水平状態になされるように構成されている。
【0033】一方、吸引ポンプのインク排出口16bか
ら遠い部分、すなわち、第1の廃液吸収材25が占有す
る部分以外の廃液タンクの下底面21a上には、図4に
示すようにシート状に形成された第2の廃液吸収材26
a,26b,26cが適宜分割されて収容されている。
なお、第2の廃液吸収材としては、図4には現れていな
いが図3における矢印A−A線の手前側に、同じくシー
ト状に形成された廃液吸収材26dも存在している。
【0034】そして、前記第2の廃液吸収材26a〜2
6dの各上面には、第2の廃液吸収材の平面形状と同様
に分割された第3の廃液吸収材27a〜27dが、それ
ぞれ第2の廃液吸収材の上に重合されて、廃液タンク2
1内に収容されている。
【0035】前記第1の廃液吸収材25には、吸引ポン
プにおけるインク排出口16dを収容する矩形状の空間
部30が、第1の廃液吸収材25の一部を切除した状態
で形成されており、この矩形状の空間部30に連通し
て、重合状態の前記第2および第3の廃液吸収材側に延
びるように、溝状の空間部31が形成されている。そし
て、前記溝状の空間部31の一面側に沿うようにして、
廃液タンク21の下底面から壁部21bが立ち上げられ
ている。
【0036】換言すれば、前記壁部21bは、廃液タン
ク21内に収容された第1の廃液吸収材25の位置決め
ガイド体としての機能も果たしている。また、前記第1
の廃液吸収材25は、廃液タンク21を形成する一連の
壁部に23の内側に沿って適宜形成されたリブ部材21
cによっても、位置決めされるようになされている。
【0037】また、前記第2および第3の廃液吸収材に
も溝状の空間部32が、前記第1の廃液吸収材25に施
された溝状の空間部31に連通するように形成されてい
る。なお、この実施の形態においては、第2および第3
の廃液吸収材は、前記したとおり、それぞれ4つに分割
されて構成されている。したがって、前記溝状の空間部
32は、分割された第2および第3の廃液吸収材におけ
る前後方向に対向する第2廃液吸収材26aと26b、
および第3廃液吸収材27aと27dの間に形成されて
いる。この構成により、第1の廃液吸収材から、第2お
よび第3の廃液吸収材に至る一連の廃液誘導路(符号は
空間部と同一の31,32で示す)が、廃液タンクの下
底面21aとの間で形成されている。
【0038】そして、それぞれに分割された前記第2お
よび第3の廃液吸収材の各々は、廃液タンク21を形成
する一連の壁部23の内側に沿って適宜形成されたリブ
部材21c、あるいは廃液タンクの下底面21aより立
設されたリブ部材21cによって、位置決めされてい
る。なお、図3に破線で示した四角状の領域34は、前
記した第2フラッシングポジションを示しており、第2
フラッシングポジションにおいて、フラッシングがなさ
れたインク廃液は、前記領域34の付近に滴下される。
【0039】ここで、前記した第1の廃液吸収材25と
しては、例えばパルプ繊維のような繊維質の素材により
構成されており、また、第2の廃液吸収材26a〜26
dとしては、インク廃液を廃液タンクの下底面21aに
沿った水平方向に拡散し易い素材、例えば多孔質の樹脂
素材をシート状に形成したものが利用されている。そし
て、第2の廃液吸収材の上面に重合された第3の廃液吸
収材27a〜27dとしては、第1の廃液吸収材と同一
の、例えばパルプ繊維のような繊維質の素材により構成
されている。なお、図4に示したように前記第1の廃液
吸収材25の厚さは、第3の廃液吸収材の厚さに比較し
て、半分以下程度になされている。
【0040】前記した構成において、クリーニング動作
の実行により、吸引ポンプ17から排出されたインク廃
液は、第1の廃液吸収材25に形成された矩形状の空間
部30に導入される。この場合、吸引ポンプ17から排
出されたインク廃液には多量の泡が含まれており、第1
の廃液吸収材25は、この泡を効果的に吸収して消滅さ
せるように作用する。そして、第1の廃液吸収材25に
形成された廃液誘導路31を介して、インク廃液を第2
および第3の廃液吸収材26a〜26d,27a〜27
d側に送り込むことができる。
【0041】一方、第2および第3の廃液吸収材にも廃
液誘導路32が形成されており、インク廃液は、これを
伝わって第2および第3の廃液吸収材が配置された領域
のほぼ中央部まで達することができる。そして、廃液タ
ンクの下底面21aに接する第2の廃液吸収材26a〜
26dは、前記したようにインク廃液を廃液タンクの下
底面21aに沿って効果的に拡散させる拡散シートとし
ての機能を果たす。これにより、広い面積を備えた第3
の廃液吸収材27a〜27dによって、効果的にインク
廃液を吸収保持することができる。
【0042】なお、前記した第1の廃液吸収材25に施
された空間部(廃液誘導路)31に沿うようにして、廃
液タンクの下底面から壁部21bが立ち上げられてお
り、この壁部21bは、第1の廃液吸収材付近に廃棄さ
れるインク廃液を、一連の廃液誘導路31,32を介し
て、第2および第3の廃液吸収材側に積極的に誘導させ
るように作用する。これにより、第1の廃液吸収材25
付近において、インク廃液が過剰に貯留され、飽和状態
となるのを防止させることができる。したがって、この
構成によると、記録装置を傾けた場合等に発生するイン
ク廃液の漏洩を効果的に回避することができる。
【0043】なお、前記した実施の形態においては、第
2および第3の廃液吸収材は、それぞれ4つに分割され
て廃液タンク内に収容されているが、これらは、一体に
形成されていてもよく、この場合においても同様の作用
効果を得ることができる。また、前記した説明において
は、特に顔料インクを用いた記録装置において発生する
不都合を解決する点について述べているが、この発明は
特に顔料インクを用いた記録装置に限定されることな
く、他にインク成分の蓄積が予想される記録装置に対し
ても好適に採用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上の説明で明らかなとおり、この発明
にかかるインクジェット式記録装置によると、例えばク
リーニング動作によって吸引ポンプを介して排出される
インク廃液は、廃液タンクの下底面に沿って効果的に拡
散され、廃液吸収材によって吸収保持することができ
る。したがって、廃液吸収材による吸収効率を高めるこ
とができ、廃液吸収材の体積を有効利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された記録装置本体の全体構成
を示した平面図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載された主にキャッピ
ング手段の構成例を示した一部断面図である。
【図3】図1に示す記録装置に搭載された廃液タンクお
よびこれに収容されたインク吸収材の構成を示した平面
図である。
【図4】図3に示すA−A線より矢印方向に見た廃液タ
ンクおよびインク吸収材の構成を示した断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 5 紙送り部材 6 記録ヘッド 9B〜9Y インクカートリッジ 11 キャッピング手段 12 ワイピング部材 16 チューブ 16b 排出口 17 吸引ポンプ 21 廃液タンク 21a タンク下底面 21b 壁部 21c リブ部材 23 壁部 25 第1廃液吸収材 26a〜26d 第2廃液吸収材 27a〜27d 第3廃液吸収材 30 矩形状空間部 31,32 溝状空間部(廃液誘導路)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷デ−タに基づく駆動信号によってイ
    ンク滴を吐出し、記録用紙に対して印刷を行うインクジ
    ェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面
    を封止し吸引ポンプからの負圧を受けて前記記録ヘッド
    からインクを吸引排出させるキャッピング手段と、前記
    吸引ポンプを介したインク廃液を受ける廃液タンクとを
    備えたインクジェット式記録装置であって、 前記廃液タンク内には、吸引ポンプを介したインク廃液
    を吸収保持する廃液吸収材が収納されると共に、前記吸
    引ポンプのインク排出口付近における前記廃液タンクの
    下底面に接して配置される第1の廃液吸収材と、前記吸
    引ポンプのインク排出口から遠い部分における前記廃液
    タンクの下底面に接して配置される第2の廃液吸収材と
    が、異なる素材により構成されていることを特徴とする
    インクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の廃液吸収材の上面に、さらに
    第3の廃液吸収材が重合されて配置された請求項1に記
    載のインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記吸引ポンプにおけるインク排出口付
    近から連通するようにして第1の廃液吸収材に施された
    空間部と、前記第2および第3の廃液吸収材に施された
    空間部とが互いに連通するように構成され、前記廃液タ
    ンクの下底面との間で一連の廃液誘導路を形成した請求
    項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の廃液吸収材に施された空間部
    に沿うようにして廃液タンクの下底面から壁部が立ち上
    げられ、前記吸引ポンプのインク排出口から排出された
    インク廃液を、前記壁部に沿って第2および第3の廃液
    吸収材に施された空間部側に誘導できるように構成した
    請求項3に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 装置を水平面上に設置した場合、前記廃
    液タンクの下底面が水平状態になされるように構成され
    た請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインクジ
    ェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の廃液吸収材に比較して前記第
    2の廃液吸収材が、インク廃液を拡散し易い素材を用い
    た請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のインクジ
    ェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の廃液吸収材が繊維質の素材に
    より構成され、前記第2の廃液吸収材がシート状に形成
    された多孔質の樹脂素材により構成された請求項5に記
    載のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドに導入されるインクが、
    インク溶媒に顔料を分散させた顔料インクを用いるよう
    になされた請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の
    インクジェット式記録装置。
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