JP2003266741A - 廃液吸収材、廃液タンク、およびインクジェット記録装置 - Google Patents

廃液吸収材、廃液タンク、およびインクジェット記録装置

Info

Publication number
JP2003266741A
JP2003266741A JP2002066309A JP2002066309A JP2003266741A JP 2003266741 A JP2003266741 A JP 2003266741A JP 2002066309 A JP2002066309 A JP 2002066309A JP 2002066309 A JP2002066309 A JP 2002066309A JP 2003266741 A JP2003266741 A JP 2003266741A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste liquid
ink
waste
absorbing material
liquid absorbent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002066309A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Takahashi
優 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2002066309A priority Critical patent/JP2003266741A/ja
Publication of JP2003266741A publication Critical patent/JP2003266741A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃インクが速やかに拡散、吸収され易く、以
って顔料インクを使用した場合でも目詰まりを起こし難
い廃液吸収材を提供すること。 【解決手段】 廃液吸収材61は、外形輪郭が略直方体
の板状をした基部71と、平面視かぎ形をしたインク囲
い72とから構成されており、インク溜り部66のある
側から廃液吸収材61の中央付近を通って他端付近まで
切り欠き溝65が形成されている。この切り欠き溝65
は廃液吸収材61の厚み方向全部にわたって設けられ、
インク誘導路を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
記録装置において、廃インクの保持に使用される廃液吸
収材および廃液タンク、並びにこれらを備えたインクジ
ェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、主走査方
向に往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッド
と、印刷用紙等の記録媒体を副走査方向に間欠的に設定
量ずつ送る記録媒体送り手段を備え、記録ヘッドを主走
査方向に移動させつつ該記録ヘッドからインク滴を前記
記録媒体に吐出して記録を行うように構成されている。
【0003】モノカラーのインクジェット式記録装置で
は、記録ヘッドは通常1つ搭載されている。フルカラー
のインクジェット式記録装置では、ブラックインクを吐
出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、シア
ン、マゼンタ等の各色のインクを吐出するカラー用記録
ヘッドが搭載されている。
【0004】前記記録ヘッドからインクを吐出する原理
は、以下のように構成されている。すなわち公知のよう
に圧力発生室でインクを所定圧で加圧し、その圧力に基
づいてインクをノズル形成面にあるノズル開口から前記
記録媒体に向けてコントロールされた大きさのインク滴
として吐出する。従って、記録ヘッドのノズル開口から
のインク吐出特性は、一定に維持される必要があり、該
インク吐出特性が変動すると記録品質の低下に繋がる。
【0005】記録ヘッドのインク吐出特性は、ノズル形
成面におけるインクの固化、塵、埃などの付着によるノ
ズルの目詰まり、ノズルからの気泡の進入等が原因とな
って変動する。そのため、インクジェット式記録装置に
は、記録ヘッドのインク吐出特性を一定に維持するため
に、前記したインク吐出特性の各変動原因を排除し、も
って記録ヘッドの吐出特性を維持する吐出特性維持装置
が設けられている。
【0006】この吐出特性維持装置は、通常、キャッピ
ング装置、吸引ポンプ、ワイピング装置等を備えてい
る。非記録時には、キャッピング装置でノズル形成面を
封止して前記ノズル開口を外部と隔離しておくことによ
り、インクの乾燥を抑制し、インク粘度の上昇を押さえ
ている。また、キャッピング装置でノズル形成面を封止
していてもノズル開口の目詰まりや、インク流路内への
気泡の混入等を完全には防止できない。そこで、前記ノ
ズル開口の目詰まりや混入した気泡を除去するために吸
引装置によってインクをノズル開口から強制的に吸引排
出する吸引排出処理が行われる。吸引装置は、前記キャ
ッピング装置で前記ノズル形成面を封止した状態で、該
ノズル開口に負圧を作用させ、該ノズル開口からインク
を強制的に吸引排出させて前記目詰まりや混入気泡を除
去する。この吸引装置によるインクの強制的な吸引排出
処理は、通常、記録装置の長時間の休止後に記録動作を
再開する場合や、ユーザーが記録画像の品質が低下した
ことを認識して操作パネルにある専用スイッチを操作し
た場合に実行されるようになっている。
【0007】上記のように吸引装置によるインクの強制
的な吸引排出処理によってヘッドから排出された廃イン
クは、廃液タンクに導かれ、廃液タンク内に配置された
吸液性を有する廃液吸収材によって保持される。廃液吸
収材は、インクジェット式記録装置が傾斜したり、振動
などが加わっても廃液タンク内の廃インクが外部に漏出
しないようにインクを保持する役割を果たすものであ
る。
【0008】図8は、従来の廃液吸収材60の一例を示
す斜視図である。この廃液吸収材60は、外形輪郭が略
直方体の板状をした基部71と、平面視かぎ形をしたイ
ンク囲い72とから構成されている。図8の廃液吸収材
60では、基部71の端部の側壁とインク囲い72とに
よって囲まれる部分に、インク溜り部66が形成されて
おり、この場所に吸引装置30で吸引された廃インク9
0が導入される。インク溜り部66に導入された廃イン
ク90は、そこから廃液吸収材60全体に浸透、拡散し
ていくことになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、高画質を実現す
るため高濃度の顔料を含む顔料インクを使用することが
多くなっており、以下のような問題が生じている。
【0010】すなわち、廃インク中に含まれている顔料
によって、廃液吸収材が目詰りを起こし易くなり、廃イ
ンクが廃液吸収材全体に浸透、拡散しにくくなってい
る。前記したように、廃液吸収材は廃液タンク内の廃イ
ンクが外部に漏出しないように廃インクを保持する役割
を果たすものであるから、廃液吸収材の吸収性が損なわ
れると、廃液タンク内のインク保持力が十分でなくな
り、振動等によって外部に廃インクが漏出したり、飛散
したりして被記録物などを汚損する原因となる。
【0011】また、多くのインクジェット式記録装置に
おいては、他の部材との配置上の制約などから、廃液吸
収材の中央付近に廃インクを導入することが困難であ
り、通常は図8の廃液吸収材60のように中央から偏倚
した端部付近に廃インクの被導入部としてのインク溜り
部66が設けられている。このため、廃液吸収材60の
インク溜り部66がある側とは反対側の端部付近(最遠
部)までインクが到達し難い構造になっている。そし
て、顔料インクの場合は特に目詰まりを起こし易いた
め、廃液吸収材60の見かけ上の体積に比べ現実のイン
ク保持容量が大きく目減りしてしまう結果となり、廃イ
ンク90の漏出や飛散の問題に加え、限られた廃液タン
ク容積の有効利用を妨げる一因ともなっていた。
【0012】従って、本発明は、廃インクが速やかに拡
散、吸収され易く、以って顔料インクを使用した場合で
も目詰まりを起こし難い廃液吸収材を提供することを課
題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の廃液吸収材の発明は、記録ヘッド
内のインクを強制的に排出させる吸引手段を備えたイン
クジェット式記録装置において、前記吸引手段により排
出される廃インクを廃液タンク内において保持する廃液
吸収材であって、前記廃液吸収材に、廃インクの吸収を
促すインク誘導路を設けたことを特徴とする。この特徴
によれば、廃液吸収材にインク誘導路を設けたので、廃
液タンク内に導入されたインクを、インク誘導路によっ
て導き、速やかに廃液吸収材全体に浸透させることが可
能になる。
【0014】請求項2に記載の廃液吸収材の発明は、請
求項1において、前記インク誘導路は、前記廃液吸収材
において、廃インクの被導入部がある一端側から、他端
またはその近傍まで形成された溝であることを特徴とす
る。この特徴によれば、請求項1と同様の作用効果に加
え、廃液吸収材の一端側から他端側へ形成された溝によ
ってインクを導くことができるので、速やかに廃液吸収
材の最遠部(廃インクの被導入部からもっとも距離が離
れた廃液吸収材の部位)までインクを行き渡らせること
が可能になる。また、溝の壁面はインク吸収面として機
能するため、廃インクの吸収面積が大幅に増大し、顔料
インクの場合でも目詰りを起こし難くなる。さらに、高
濃度の顔料インクを繰り返し吸収することによって、廃
液吸収材における廃インクの被導入部周囲に目詰まりが
生じ、吸収能力が低下してきた場合でも、溝に沿ってイ
ンクが移動すれば別の部位から吸収することが可能なた
め、インク保持力の低下が起こり難い。
【0015】請求項3に記載に廃液吸収材の発明は、請
求項2において、前記溝は廃液吸収材の下面から厚み方
向の途中まで設けられていることを特徴とする。この特
徴によれば、請求項2と同様の作用効果に加え、溝を廃
液吸収材の下面から厚み方向の途中までとすることによ
り、溝による廃液吸収材のインク保持量の減少を最小限
に抑制することが可能になる。
【0016】すなわち、溝によってインクを拡散させる
機能を付与しながら、溝の上部が吸収材で覆われること
によって、廃液吸収材の体積を確保できるので、インク
保持量を低下させることがない。また、溝の上部を吸収
材で塞ぐ形になるため、蓋の役割を果たし、傾斜や振動
に対する廃インクの漏出や飛散を防止できる。
【0017】請求項4に記載に廃液吸収材の発明は、請
求項2において、溝は廃液吸収材の厚み方向の全部にわ
たって設けられていることを特徴とする。この特徴によ
れば、溝を廃液吸収材の厚み方向の全部に渡って設ける
ことにより、構造簡単にして溝を容易に形成でき、部品
点数も増加させることなく請求項2の効果が達成され
る。
【0018】請求項5に記載に廃液吸収材の発明は、請
求項2から請求項4のいずれか1項において、さらに、
前記溝から派生する2次的な溝を有することを特徴とす
る。この特徴によれば、さらに、2次的な溝を備えるこ
とによって、より速やかに、かつ廃液吸収体の最奥部ま
で廃インクを誘導し吸収させることができる。
【0019】請求項6に記載の廃液タンクの発明は、請
求項1から請求項5のいずれか1項に記載の廃液吸収材
を収納する廃液タンクであって、該廃液タンクの床面に
は、廃インクの導入位置側から前記廃液吸収材の前記イ
ンク誘導路に沿う方向で下り傾斜が設けられていること
を特徴とする。この特徴によれば、廃液タンクの床面
に、廃インクが導入される側からインク誘導路に沿う方
向で下り傾斜を設けたので、この廃液タンクに請求項1
から請求項5のいずれかに記載された廃液吸収材を配備
することにより、インク誘導路(例えば、溝)に沿って
インクが流れ易くなり、インクの拡散が一層容易にな
る。従って、この廃液タンクは、請求項1から請求項5
のいずれかに記載された廃液吸収材の効果を最大限に発
揮させる上で特に適したものである。
【0020】請求項7に記載のインクジェット式記録装
置の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記
載の廃液吸収材を備えたことを特徴とする。この特徴に
よれば、インクジェット式記録装置において請求項1か
ら請求項5のいずれかに記載した効果と同様の作用効果
が得られる。
【0021】請求項8に記載のインクジェット式記録装
置の発明は、請求項6に記載の廃液タンクを備えたこと
を特徴とする。この特徴によれば、インクジェット式記
録装置において請求項6に記載した効果と同様の作用効
果が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施形態に係るインク
ジェットプリンタ50の概要を示す図面である。ここで
は、内部構造を明らかにするため本体カバーをはずした
状態を示している。また、図2は、図1のインクジェッ
ト式記録装置50の要部断面を示す図面である。
【0024】キャリッジ53は、駆動モータ56に接続
されたタイミングベルト57により、キャリッジガイド
軸55に沿って主走査方向に往復移動しながら、記録ヘ
ッド51より記録媒体Pへインクを吐出して画像形成を
行う。キャリッジ53には、ブラック、シアン、マゼン
タ、イエローなど複数の異なる色のインクカートリッジ
54を装着できるようになっている。
【0025】キャリッジ53のホームポジションに対応
する位置には、記録ヘッド51の吐出特性を維持するた
めの吐出特性維持装置40が配設されている。この吐出
特性維持装置40は、ワイピング装置10、キャッピン
グ装置20および吸引装置30から構成されている。そ
して、キャリッジ53がホームポジションに位置してい
る状態のときに、この吐出特性維持装置40によって、
記録ヘッド51の吐出特性を維持するキャッピング動
作、吸引動作およびワイピング動作が行われるようにな
っている。
【0026】吸引装置30は、回転体により可撓性チュ
ーブを圧迫することによって負圧を発生させる機構のチ
ューブポンプを内蔵しており、図示しない紙送りモータ
等の動力によって駆動するものである。吸引装置30に
よる吸引動作は、キャッピング装置20のキャップ部材
21が記録ヘッド51を封止した状態で、吸引装置30
を動作させることにより行われる。吸引装置30によっ
て記録ヘッド51内から排出された廃インクは、導入管
31を介して廃液タンク80内に導入され、廃液吸収材
61の片端のインク溜り部66に滴下される。
【0027】図3は、図2で使用している廃液吸収材6
1の斜視図である。この廃液吸収材61は、外形輪郭が
略直方体の板状をした基部71と、平面視かぎ形をした
インク囲い72とから構成されている。本実施形態で
は、基部71とインク囲い72は別々の部材として分離
しているが、一体に構成することもできる。廃液吸収材
61の材質は、インクに対する吸収性を持ち、インクを
保持できるものであれば特に制限はなく、例えばポリエ
チレンテレフタレート、アクリル、レーヨン等の合成繊
維やパルプなどを原料とするフェルト材や、スポンジな
どの多孔質材を用いることができるが、インク保持能力
に優れている点でフェルトが好ましい。また、廃液吸収
材61の大きさや形状は、予想される排出インクの量
(つまり、廃液吸収材61に保持される廃インク量)、
廃液タンク80の大きさやインクジェット式記録装置5
0における設置スペース等に応じて決定できる。従っ
て、廃液吸収材61の形状は、図3の態様に限定される
ものではないが、吸引装置30との位置関係や設置スペ
ースの関係から、図2に示すように廃液タンク80の端
部から廃インクが導入されることが多いため、図3の廃
液吸収材61では基部71の一端側とインク囲い72に
囲まれる部分に、インク溜り部66が形成されており、
この場所に吸引装置30で吸引された廃インクが導入管
31を通して導入されるようになっている。また、この
廃液吸収材61でインク囲い72の高さ(厚み)が基部
71よりも低くなっているのは、この部分で吸引装置3
0の下部を逃がすためである。
【0028】廃液吸収材61のインク溜り部66の側か
ら廃液吸収材61の中央付近を通って他端付近までは、
切り欠き溝65が形成されている。この切り欠き溝65
は廃液吸収材61の厚み方向全部にわたって設けられ、
インク誘導路を形成している。切り欠き溝65の幅L1
は任意であるが、図示のように廃液吸収材61全体の幅
L2の略1/3程度か、それ以下に設定することが好ま
しい。切り欠き溝65の幅を広く取りすぎると、廃液吸
収材61全体のインク保持量が減少してしまうことがあ
るためである。なお、切り欠き溝65の幅が狭すぎる
と、切り欠き溝65を廃インクが塞いで流れ難くなり、
インク誘導路としての機能が低下する場合がある。
【0029】上記したように、廃インクは、導入管31
によって廃液タンク80内に導入され、インク溜り部6
6に滴下される。インク溜り部66の廃インクは周囲の
廃液吸収材61に浸透し、拡散しながら吸収されてい
く。また、廃液吸収材61に形成された切り欠き溝65
は、廃インクの流路となる。廃インクは、廃液タンクの
床を伝って廃液吸収材61の反対側の端部付近まで誘導
されるとともに、切り欠き溝65の壁面から廃液吸収材
61に吸収される。このように、切り欠き溝65を設け
ることによって、もっともインクが浸透し難い廃液吸収
材61の最遠部まですみやかに廃インクを到達させ、吸
収促進を図ることが可能になる。
【0030】また、切り欠き溝65の壁面はインク吸収
面として機能するため、吸収面積が大きくなり、廃イン
クが素早く吸収される。さらに、高濃度の顔料を含む廃
インクについても、インク吸収面の面積が広いため、目
詰まりを起こしにくく、万一廃液吸収材61の一部で目
詰りが生じても、他の部位から吸収することができるの
で、廃液吸収材61全体に廃インクを浸透、拡散させる
ことが可能になる。
【0031】図4は、本発明の別の実施形態に係る廃液
吸収材62の全体像を表す斜視図である。この廃液吸収
材62は、地板73と、地板73の上に重ね合わされる
天板74とからなり、地板73には、インク溜り部66
のある側から廃液吸収材62の中央付近を通って他端付
近まで、切り欠き溝65が形成されている。本実施形態
では切り欠き溝65は天板74には達しておらず、地板
73に形成されたの上を天板74が覆うようになってい
る。つまり、切り欠き溝65は廃液吸収材62の厚み方
向の途中まで(より具体的には廃液吸収材62の下面か
ら略半分程度の高さまで)トンネルのように形成されて
いる。このように切り欠き溝65を設けることで、第1
実施形態(図3)と同様に切り欠き溝65によって廃イ
ンクの素早い吸収と拡散を実現しながら、廃液吸収材6
2の体積を十分に確保することが可能になるため、廃液
吸収材62に保持できるインク総量を第1実施形態の場
合よりも大きくすることができる。また、天板74は切
り欠き溝65の蓋として機能し、傾斜や振動に対する廃
インクの漏出や飛散を防止する役割も果たす。
【0032】本実施形態では、廃液吸収材62の地板7
3と天板74とを重ね合わせる構成としたが、これは製
造の際の効率を考慮したものであり、切り欠き溝65部
分を含めて一体成形したり、1枚の廃液吸収材62の下
部(下面)にのみ切り欠き溝65を形成したりすること
も可能である。
【0033】図5および図6に、本発明のさらに別の実
施形態に係る廃液吸収材を例示する。図5の廃液吸収材
63は、2本の切り欠き溝65a、65bを設けた態様
である。切り欠き溝65は2本に限らず、複数本設ける
ことができるが、前記したように廃液吸収材63全体の
インク保持量を確保する観点から、切り欠き溝65の本
数を増やす場合には(あくまでも廃液タンク80の幅と
の兼ね合いであるが)1本の切り欠き溝65の幅を狭く
形成することが好ましい。
【0034】また、図5から見て取れるように、切り欠
き溝65a、65bは廃液吸収材63の厚み方向の途中
(半分程度の高さ)までの下部に設けられている。これ
によって、第2実施形態と同様に、切り欠き溝65a、
65bによって廃インクの素早い吸収と拡散を実現しな
がら、廃液吸収材63に保持できるインク総量を十分に
確保するとともに、切り欠き溝65a、65bの上部を
覆う吸収材によって傾斜や振動に対する廃インクの漏出
や飛散の防止が図られる。なお、本実施形態では一体と
なった直方体の形状の廃液吸収材の底面に2本の切り欠
き溝65a、65bを設けることによって作成されてい
る。
【0035】図6の廃液吸収材64は、第2実施形態
(図4)における切り欠き溝65から派生する2次的な
溝として、小溝75a〜75fを設けた態様である。こ
こでは、6本の小溝75a〜75fを、切り欠き溝65
と直交する角度で設けている。廃インクは、廃液吸収材
64に吸収されながら切り欠き溝65を流れていき、さ
らに小溝75a〜75fに入り込み、廃液吸収材64の
壁面から吸収されていく。小溝75a〜75fにより、
廃液吸収材64の全体で速やかに廃インクを吸収できる
ようになる。また、インク吸収面積も著しく増加させる
ことが可能になる。従って、本実施形態のように切り欠
き溝65から派生する小溝75a〜75fを設けること
は、インク誘導路を形成して廃液吸収材64全体への廃
インクの浸透を促すという目的を達成する上で有効な手
段である。なお、溝部分が多くなると、廃液吸収材64
全体としてのインク保持量が減少してしまうため、小溝
75a〜75fの占める体積、長さや幅などは適宜調節
する必要がある。
【0036】以上、図5および図6の廃液吸収材63、
64における他の構成は、図3、図4と同様であるた
め、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0037】図7は、本発明の第2実施形態に係る廃液
吸収材62(図4参照)を配備した廃液タンク81の断
面構造を示す図面である。廃液タンク81は、金属や合
成樹脂等の材質で成形された筐体であり、上部は大気開
放されている。図示のように、この廃液タンク81の床
面82は、廃インクの導入管31がある側(すなわち、
廃液吸収材62のインク溜り部66に対応する場所の
側)から廃液吸収材62の切り欠き溝65に沿う方向で
下り傾斜になっている。このように廃液タンク82の床
面に、インク誘導路に沿う方向で傾斜を設けることによ
って、廃インクの誘導機能を高めることが可能になる。
すなわち、インク溜り部66に導入された廃インクは、
周囲の壁面から吸収される一方で、床面82の傾斜によ
って、切り欠き溝65を流れ易くなるため、廃液吸収材
62の反対側付近まで速やかに流れていく。この過程で
切り欠き溝65を形成する廃液吸収材62の壁面に廃イ
ンクが浸透するとともに、廃液吸収材62の端部まで廃
インクが拡散し、全体で保持されるようになる。このよ
うに、インク誘導路としての切り欠き溝65を備えた廃
液吸収材62と、床面82が傾斜した廃液タンク81を
組み合わせて使用することによって、切り欠き溝65の
効果が最大限に生かされ、廃液吸収材62全体に渡って
廃インクを浸透させ易くなる。
【0038】なお、図7では、廃液タンク81の底板の
厚みを替えることによって床面82に傾斜を持たせた
が、底板を傾斜して形成することによっても同様の効果
が得られる。かかる廃液タンク81は、合成樹脂等の材
質で一体成形すること等により容易に製造できる。な
お、床面82の傾斜角度が大きすぎると廃インクが廃液
吸収材62の末端側へ流れすぎ、廃液タンク81内で廃
インクの片よりが生じてしまうため、廃インクの粘度等
に応じて適宜角度を選択することが好ましい。また、図
7では、第2実施形態に係る図4の廃液吸収材62を用
いたが、他の実施形態の廃液吸収材でも同様の作用効果
が得られる。
【0039】以上、本発明を種々の実施形態に関して述
べたが、本発明は上記実施形態に限られるものではな
く、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の
実施形態についても適用されるものであることは勿論で
ある。
【発明の効果】本発明の廃液吸収材は、インク誘導路を
設けたので、廃液タンク内に導入された廃インクを、イ
ンク誘導路によって導き、速やかに廃液吸収材全体に浸
透させることが可能になる。
【0040】また、本発明の廃液タンクは、床面に廃イ
ンクの導入位置側から廃液吸収材のインク誘導路に沿っ
て下り傾斜を設けたので、この廃液タンクに本発明廃液
吸収材を配備することにより、インク誘導路に沿って廃
インクが流れ易くなり、廃インクの拡散が一層容易にな
る。従って、この廃液タンクは本発明の廃液吸収材の効
果を最大限発揮させることが可能なものである。
【0041】さらに、本発明のインクジェット式記録装
置では、上記廃液吸収材または廃液タンクと同様の作用
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略構成を示す斜視図。
【図2】図1のインクジェット式記録装置の要部断面
図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る廃液吸収材の斜視
図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る廃液吸収材の斜視
図。
【図5】本発明の第3実施形態に係る廃液吸収材の斜視
図。
【図6】本発明の第4実施形態に係る廃液吸収材の斜視
図。
【図7】本発明の一実施形態に係る廃液タンクの断面
図。
【図8】従来の廃液吸収材の説明に供する斜視図。
【符号の説明】
10 ワイピング装置 20 キャッピング装置 21 キャップ部材 30 吸引装置 31 導入管 40 吐出特性維持装置 50 インクジェット式記録装置 51 記録ヘッド 52 ノズル形成面 53 キャリッジ 54 インクカートリッジ 55 キャリッジガイド軸 56 駆動モータ 57 タイミングベルト 58 プラテン 60、61、62、63、64 廃液吸収材 65 切り欠き溝 66 インク溜り部 71 基部 72 インク囲い 73 地板 74 天板 75a〜75f 小溝 80、81 廃液タンク 82 床面 90 廃インク

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッド内のインクを強制的に排出さ
    せる吸引手段を備えたインクジェット式記録装置におい
    て、前記吸引手段により排出される廃インクを廃液タン
    ク内において保持する廃液吸収材であって、 前記廃液吸収材に、廃インクの吸収を促すインク誘導路
    を設けたことを特徴とする、廃液吸収材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記インク誘導路
    は、前記廃液吸収材において廃インクの被導入部がある
    一端側から、他端またはその近傍まで形成された溝であ
    ることを特徴とする、廃液吸収材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記溝は、前記廃液
    吸収材の下面から厚み方向の途中まで設けられているこ
    とを特徴とする、廃液吸収材。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記溝は、廃液吸収
    材の厚み方向の全部にわたって設けられていることを特
    徴とする、廃液吸収材。
  5. 【請求項5】 請求項2から請求項4のいずれか1項に
    おいて、さらに、前記溝から派生する2次的な溝を有す
    ることを特徴とする、廃液吸収材。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか1項に
    記載の廃液吸収材を収納する廃液タンクであって、該廃
    液タンクの床面には、廃インクの導入位置側から前記廃
    液吸収材の前記インク誘導路に沿う方向で下り傾斜が設
    けられていることを特徴とする、廃液タンク。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5のいずれか1項に
    記載の廃液吸収材を備えたことを特徴とする、インクジ
    ェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の廃液タンクを備えたこ
    とを特徴とする、インクジェット式記録装置。
JP2002066309A 2002-03-12 2002-03-12 廃液吸収材、廃液タンク、およびインクジェット記録装置 Pending JP2003266741A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002066309A JP2003266741A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 廃液吸収材、廃液タンク、およびインクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002066309A JP2003266741A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 廃液吸収材、廃液タンク、およびインクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003266741A true JP2003266741A (ja) 2003-09-24

Family

ID=29198160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002066309A Pending JP2003266741A (ja) 2002-03-12 2002-03-12 廃液吸収材、廃液タンク、およびインクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003266741A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005271588A (ja) * 2004-02-26 2005-10-06 Seiko Epson Corp 液体収容容器及び液体噴射装置
JP2006263937A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Seiko Epson Corp 廃インク液吸収体及びそれを含むインクジェット式記録装置
WO2007004686A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-11 Canon Kabushiki Kaisha Waste ink absorbent member, and waste ink container and ink jet recording apparatus equipped with waste ink absorbent member
US8770715B2 (en) 2006-05-09 2014-07-08 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink-jet printer

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005271588A (ja) * 2004-02-26 2005-10-06 Seiko Epson Corp 液体収容容器及び液体噴射装置
JP4720210B2 (ja) * 2004-02-26 2011-07-13 セイコーエプソン株式会社 液体収容容器及び液体噴射装置
JP2006263937A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Seiko Epson Corp 廃インク液吸収体及びそれを含むインクジェット式記録装置
WO2007004686A1 (en) * 2005-06-30 2007-01-11 Canon Kabushiki Kaisha Waste ink absorbent member, and waste ink container and ink jet recording apparatus equipped with waste ink absorbent member
US8152273B2 (en) 2005-06-30 2012-04-10 Canon Kabushiki Kaisha Waste ink absorbent member, and waste ink container and ink jet recording apparatus equipped with waste ink absorbent member
US8353573B2 (en) 2005-06-30 2013-01-15 Canon Kabushiki Kaisha Waste ink absorbent member, and waste ink container and ink jet recording apparatus equipped with waste ink absorbent member
US8770715B2 (en) 2006-05-09 2014-07-08 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink-jet printer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9630413B2 (en) Liquid recovery containers and liquid ejection apparatus
US7052121B2 (en) Ink cartridge and ink jet printer
TW200406316A (en) Ink container, recording head and recording device using same
JP2003080730A (ja) インクカートリッジおよびこれを用いたインクジェット式記録装置
JP2001191557A (ja) インクジェット式記録装置
US7641305B2 (en) Liquid ejecting apparatus
US6193356B1 (en) Ink jet recording device capable of reliably discharging air bubble during purging operations
JP4590672B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2003266741A (ja) 廃液吸収材、廃液タンク、およびインクジェット記録装置
JP4155303B2 (ja) インクカートリッジおよびインクジェットプリンタ
JP3543699B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2003320690A (ja) インクジェット式記録装置
JP2000141705A (ja) インクジェットプリンタの廃インク貯留装置およびこれを備えたインクジェットプリンタ
JPH08323989A (ja) インクカートリッジ、該インクカートリッジを複数備えたインクジェット記録装置
JP4725681B2 (ja) インクジェット式記録装置
US7306330B2 (en) Inkjet printer
JP2004025807A (ja) 排インク処理装置及びインクジェット記録装置
JP4123468B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3783585B2 (ja) インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP2012096502A (ja) 液体噴射装置
JP2006255961A (ja) インクカートリッジ
JPH10296995A (ja) インク溜め装置
JP2004050581A (ja) キャップ部材及び液体噴射装置
JP2010280231A (ja) インクカートリッジ
JP3791524B2 (ja) インクカートリッジおよびインクジェットプリンタ