JP2003277820A - 底吹き転炉の炉口付着地金の除去方法 - Google Patents

底吹き転炉の炉口付着地金の除去方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】本発明は、炉の生産能率を従来より低下させ
ず、且つ内張り耐火物の溶損を抑制可能な底吹き転炉の
炉口付着地金の除去方法を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】底吹き転炉に保持した溶銑に、炉底羽口を
介して酸化性ガスを吹き込み脱炭精錬するに際して、前
記転炉の上方からそのフリーボードの上部に、平面視
で、該転炉のトラニオン軸に沿う方向にはストレートノ
ズル22の先端が、該軸に垂直な方向には急拡大ノズル
13の先端が向くガス吹きランス14を挿入すると共
に、各ノズルから酸素ガスを噴射させ、炉口部に付着す
る地金を溶解して脱炭精錬中の前記溶銑に流下させる。
この場合、前記ストレートノズルに代え、ラバールノズ
ルを使用しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、底吹き転炉の炉口
付着地金の除去方法に係わり、詳しくは、鋼の脱炭精錬
に使用される酸素底吹き転炉の炉口部に付着する地金
を、脱炭精錬中に溶解除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の脱炭精錬に使用される酸素底吹き
転炉(以下、単に底吹き転炉という)では、図1に模式
的に示すように、脱炭精錬時に底吹き羽口1を介して炉
内に吹込まれる酸素ガス2のジェットにより、あるいは
該精錬時の脱炭反応によって発生するCOガス気泡の破
裂等に起因して、溶銑又は溶鋼3が炉内で飛散し、その
一部が地金4としてフリーボード(鋼浴面より上方の空
間)5の内壁耐火物6に付着することが多い。その付着
した地金4のうち、該転炉の比較的低い位置(例えば、
直胴部7や絞り部8の下部)に付着したものは、鋼浴面
からの輻射熱等によって再溶解して容易に鋼浴に戻る
が、炉口9の直下から絞り部8の上部にかけての領域
(この領域を、本発明では炉口部10という)に付着し
たものは、鋼浴面から遠いため再溶解せずに残存し、多
数ヒート(チャージともいう)の精錬を続けるうちに次
第に厚く肥大する。この底吹き転炉11の炉口9は、溶
銑やスクラップ等の製鋼原料を装入するのに使用される
ので、該炉口部10の付着地金4が肥大してくると、こ
れらの原料装入に支障をきたすことになる。また、炉口
部10に地金4が付着し、精錬中に再溶解しないと、溶
鋼3になる鉄歩留りの低下という問題をも引き起こす。
【0003】従来、このような炉口部10に付着した地
金4は、以下のような方法で除去していた。その一つ
は、炉を倒立して底吹き羽口から酸素及び炭化水素を噴
出させ、生成する火炎で炉口に付着した地金を溶解し、
炉の下方に配置した地金回収容器に流下させる方法(こ
の方法をスウェッティングと呼ぶ)である。しかしなが
ら、この方法は、精錬を行っていない時にしか実施する
ことができない上に、炉口部の地金を十分に溶解するに
は長時間を要するので、頻繁に行うと、転炉の生産能率
を低下させることになる。また、底吹き羽口の周囲にあ
る耐火物が長時間にわたり高温で、且つ酸化性の雰囲気
にさらされるので、損耗が激しいという問題もあった。
【0004】他の除去方法として、やはり脱炭精錬を行
っていない時に、正立させたままの炉口から特殊な治具
を装着した酸素吹きランスを挿入し、該ランスの先端か
ら炉口部の内周面に付着した地金に酸素ガスを吹き付
け、該地金を酸化発熱させつつ溶解する方法がある(例
えば、特開2001−192722号公報参照)。とこ
ろが、この方法も精錬を行っていない時にしか実施でき
ないので、この作業を頻繁に行うと、前記した方法と同
様に、転炉の生産能率を低下させる。また、炉口部に向
けて酸素を直接吹き付けるので、過度に行うと、地金だ
けでなく内張り耐火物までも溶損してしまう恐れがあっ
た。
【0005】さらに、別の除去方法として、脱炭精錬を
行っている底吹き転炉の上方から、水平方向に酸素を噴
射するノズルを備え、回転及び昇降自在な酸素吹きラン
スを挿入し、該ノズルを介して地金に酸素ガスを直接吹
き付け、地金を酸化発熱させつつ溶解する方法もある
(例えば、特開平5−320732号公報参照)。この
除去方法は、脱炭精錬中に実施できるので、転炉の生産
能率を阻害することはない。しかしながら、地金に向け
て酸素ガスを直接吹き付けるので、過度に行うと、地金
だけでなく内張り耐火物まで溶損してしまう恐れがあ
り、実用し難いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、炉の生産能率を従来より低下させず、且つ内張
り耐火物の溶損を抑制可能な底吹き転炉の炉口付着地金
の除去方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化
した。
【0008】すなわち、本発明は、底吹き転炉に保持し
た溶銑に、炉底羽口を介して酸化性ガスを吹き込み脱炭
精錬するに際して、前記転炉の上方からそのフリーボー
ドの上部に、平面視で、該転炉のトラニオン軸に沿う方
向にはストレートノズルの先端が、該軸に垂直な方向に
は急拡大ノズルの先端が向くガス吹きランスを挿入する
と共に、各ノズルから酸素ガスを噴射させ、炉口部に付
着する地金を溶解して脱炭精錬中の前記溶銑に流下させ
ることを特徴とする底吹き転炉の炉口付着地金の除去方
法である。この場合、前記ストレートノズルに代え、ラ
バールノズルを使用しても良い。
【0009】本発明によれば、酸素ガスを炉口地金に直
接吹き付けないので、内張り耐火物の溶損を促進せず
に、該炉口地金の溶解除去が可能になる。また、脱炭精
錬中に実施されるので、炉の生産能率が従来より低下し
ない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯を
まじえ、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】まず、本発明者は、転炉の生産能率を低下
させないためには、図1に示した炉口部10の地金4の
溶解は、精錬中に行うのが良いと考えた。しかし、該炉
口部10の付着地金4に酸素ガスを直接吹き付ける従来
の技術(例えば、特開平5−320732号公報記載)
では、炉口部10の地金4だけでなく、それが付着して
いる内張り耐火物6まで溶損する恐れがある。
【0012】そこで、本発明者は、酸素ガスと地金とを
反応させて発生した熱で、地金を直接加熱するのではな
く、脱炭精錬で発生したCOガスを下記のように二次燃
焼し、それによって生じた雰囲気によって地金を間接的
に加熱することを想到した。かかる間接加熱であれば、
加熱が穏やかに行われるので、地金が多少過度に加熱さ
れたとしても、直接加熱ほどに急激に耐火物が溶損する
リスクが少ないからである。
【0013】底吹き転炉での溶銑の脱炭精錬では、該転
炉内に供給された酸素ガス等の酸化性ガスによる燃焼反
応は、溶鋼中の炭素等の成分元素が酸素と反応し、
(1)式に示すようなCOガスの生成反応(これを一次
燃焼と称す)と、この一次燃焼で生成したCOがさらに
炉内のフリーボードで酸素ガスと反応して(2)式に示
すようなCO2を生成する反応(これを二次燃焼と称
す)の二種類がある。
【0014】 C+1/2・O2→CO…(1) CO+1/2・O2→CO2…(2) これらの反応の燃焼熱は、二次燃焼の方が一次燃焼に比
較して2.5倍大きいので、この二次燃焼を利用すれ
ば、炉口部に付着した地金を溶解除去することができる
と考えたのである。酸素底吹き転炉では、炉底羽口を介
して吹き込まれる脱炭精錬用の酸素は、鋼浴中に直接吹
込まれるので、すべての酸素が(1)の反応にほぼ消費
されてしまい、(2)式の二次燃焼を起こす余地がな
い。従って、二次燃焼を起こさせるには、転炉の上方か
らガス吹きランス(以下、上吹きランスという)を別途
炉内へ挿入して酸素ガスを炉内に供給しなくてはならな
い。ところが、該上吹きランスからの酸素の噴射を鉛直
下向きで行うと、酸素の大部分が鋼浴中Cとの(1)式
に示した一次燃焼反応に消費されてしまう。一方、酸素
ガスを横向きに噴射すると、前記特開平5−32073
2号公報記載の技術のように、地金を直接酸化するばか
りでなく、耐火物の溶損をも招く恐れがある。そのた
め、二次燃焼を効果的に生じさせるには、ランスからの
酸素の噴射方向を適切に定める必要があった。
【0015】転炉内で前記二次燃焼の比率を向上させて
銑(鋼)浴への入熱を増大し、主に上吹き転炉へのスク
ラップや鉱石の装入量を増やす試みは、従来から知られ
ていた。例えば、本出願人が先に実開平1−l1024
6号公報にて開示したように、通常の脱炭精錬に供され
る酸素(すなわち、一次燃焼に寄与する酸素)を供給す
るためのラバールノズル12(ラッパのように孔径が先
端に向けて大きくなる)と、二次燃焼に寄与する酸素を
供給するための急拡大ノズル13とを一本のランス14
内に備えるようにしたランス(図2(b)の平断面図参
照)を介して、酸素ガス2を炉内へ吹き込む技術であ
る。ここで、上記の急拡大ノズル13とは、図2(a)
の横断面図で示すように、ランス14内の酸素流路15
に連通する円筒状の絞り部16とその出口からランス1
4の外に向けて設けられ、前記絞り部16の直径に対し
て急に拡大した直径を有する拡大孔17を有するノズル
である。この急拡大ノズル13によれば、ランス内の酸
素流路15から絞り部16によって圧縮された酸素ガス
2は、拡大孔17に入ったところで急に体積が膨張し、
ガス流の内部に乱流を発生すると共に、急速に流速を低
下しつつ、ランス外の空間へと噴出する。この流速の低
下によって、急拡大ノズル13からの酸素噴流は、銑
(鋼)浴面にまで達することが少なくなり、また乱流に
より巻き込むCOガスの量が増えて、二次燃焼の比率を
向上させる。
【0016】なお、前記図2(b)の平断面図では、急
拡大ノズル13を内側の径が小さい二重丸で、ラバール
ノズル12を内側の径が大きい二重丸で表示した。ま
た、以後において、ストレートノズルを表示する場合に
は、単に丸印とする。
【0017】本発明の対象である底吹き転炉11では、
銑(鋼)浴の脱炭は、ほとんど炉底に設けた底吹き羽口
1から吹込む酸素ガス2によって行われるので、二次燃
焼用の上吹きランスには専ら二次燃焼に寄与することだ
けが求められる。そこで、本発明者は、二次燃焼用の上
吹きランスの先端に急拡大ノズル13だけを複数備えた
図3(a)及び(b)に示すようなランス14を試作し
た。そして,各急拡大ノズル13の先端を、平面視で転
炉を傾動させるトラニオン軸19に沿った方向20及び
該トラニオン軸19に垂直な方向21に向けて酸素ガス
2を噴射し、炉口地金4の溶解、除去をする試験操業を
行った。ところが、その結果は、図4に示すように,酸
素ガス2が噴射する方向の地金は溶解できたが、隣り合
うノズル間に対向する位置に付着する地金4は残存した
ままであった。ランス14の先端に隙間無く急拡大ノズ
ル13を配設することは、ランス14の太さが限られて
いる以上困難であり、残存地金が発生しないようにする
には、別の手段を考える必要があった。
【0018】本発明者は、上記のように急拡大ノズル1
3のみを配置したランス14では、炉内のガス流れのパ
ターンが一定方向で定常化してしまうと考え、そのよう
なガス流れを解消することを鋭意研究した。そして、炉
の内周方向でのガス流れのバランスを崩すには、上記の
ようにランス14に設けるノズルをすべて急拡大ノズル
13にするのではなく、図5(a)及び(b)に示すよ
うなストレートノズル22を一部に配設したランス14
を試作し、急拡大ノズル13を平面視で転炉のトラニオ
ン軸19に沿った方向20に向けた場合及び軸に垂直な
方向21に向けた場合の二通りについて試験操業を行っ
た。その結果、急拡大ノズル13をトラニオン軸19に
沿う方向20に向けて配置した場合は、図6に示すよう
に、該軸に垂直な方向で地金の残存が見られたばかりで
なく、トラニオン軸19に沿う方向20では、炉口部1
0の内張り耐火物6に溶損が発生した。一方、急拡大ノ
ズル13をトラニオン軸19に垂直な方向20に向けて
配置した場合には、図7に示すように、トラニオン軸1
9に沿う方向20及び該垂直な方向21の地金4は十分
に溶解できており、また耐火物6の溶損も発生しなかっ
た。また、前記ストレートノズル22に代え、ラバール
ノズル12を使用したところ、図8に示すように、全く
同様の結果が得られた。
【0019】そこで、この図7に示した結果に基き、底
吹き転炉に保持した溶銑に、炉底羽口を介して酸化性ガ
スを吹き込み脱炭精錬するに際して、前記転炉の上方か
らそのフリーボードの上部に、平面視で、該転炉のトラ
ニオン軸に沿う方向にはストレートノズルの先端が、該
軸に垂直な方向には急拡大ノズルの先端が向くガス吹き
ランスを挿入すると共に、各ノズルから酸素ガスを噴射
させ、炉口部に付着する地金を溶解して脱炭精錬中の前
記溶銑に流下させることを本発明としたのである。な
お、この場合、図8に基き、前記ストレートノズルに代
え、ラバールノズルを使用しても良い。
【0020】
【実施例】容量280トンの底吹き転炉に地金溶解用の
上吹きランスを配設し、溶銑の脱炭精錬中に炉口部に付
着した地金を溶解、除去する試験操業を行った。主原料
は、予め予備脱燐処理を施した1200〜1260℃の
溶銑であり、下記の本発明例1、本発明例2及び比較例
のいずれにおいても、それぞれ100ヒート実施した。
上吹きランスは、ノズルの形状及び配設位置を除いて
は、本発明例1、本発明例2及び比較例の各操業とも共
通であり、酸素ガスの供給速度が200m3/min
(標準状態)で、1ヒート当たりの平均酸素供給量は2
000m3/ヒートである。また、ランスは、その先端
が炉口からの距離で1.0mの位置になるように挿入し
た。 (本発明例1)上吹きランスとして、図5に示したよう
なノズルを備えたものを用いた。急拡大ノズルの寸法
は、絞り部の直径が22mm、拡大孔の直径が44mm
であり、拡大孔の長さは125mmとした。ストレート
ノズルは、全長にわたって直径が22mmである。この
ようなランスを、急拡大ノズルがトラニオン軸と平面視
で垂直な方向に、ストレートノズルがトラニオン軸に沿
う方向に向けて転炉内に挿入した。 (本発明例2)上吹きランスとして、図2に示したよう
なノズルを備えたものを用いた。急拡大ノズルの寸法
は、本発明例1と同じで絞り部の直径が22mm、拡大
孔の直径が44mmであり、拡大孔の長さは125mm
とした。ラバールノズルは、スロート部23の直径を2
5mm、出口部の直径を33mm(開口比1.32)と
した。このようなランスを、急拡大ノズルがトラニオン
軸と平面視で垂直な方向に、ラバールノズルがトラニオ
ン軸に沿う方向に向けて転炉内に挿入した。 (比較例)上吹きランスとして、図3に示したようなノ
ズルを備えたものを用いた。急拡大ノズルの寸法は、本
発明例1及び本発明例2と同じで、絞り部の直径が22
mm、拡大孔の直径が44mmであり、拡大部の長さ
は、125mmとした。
【0021】以上の3種類のランスによる試験操業の結
果を、表1にまとめて示す。なお、表1の地金の付着状
況は、脱炭精錬後の溶鋼を出鋼した後に、炉体を傾動さ
せ、作業者が炉口から内部を観察すると共に、レーザ距
離計を用いて多くの位置で地金の厚みを測定し、模式的
に図示したものである。
【0022】
【表1】
【0023】表1より、本発明例1及び本発明例2で
は、転炉の全内周にわたって炉口付着地金を溶解するこ
とができ、しかも炉口部の耐火物の溶損は生じていない
ことが明らかである。また、本発明例2では、急拡大ノ
ズルではない方のノズルをラバールノズルとしたが、そ
のラバールノズルから噴出した酸素ガスの直進性が高ま
り、そのために脱炭速度が向上し、平均の吹錬時間が1
6.5分/ヒートであった。一方、急拡大ノズルではな
い方のノズルをストレートノズルとした本発明例1で
は、本発明例2の場合より脱炭速度が遅く、平均の吹錬
時間は17.2分/ヒートであったが、全ノズルを急拡
大ノズルとした比較例よりは、短時間で吹錬が完了でき
た。
【0024】これに対して、比較例では、排ガス分析の
結果を利用して計算した二次燃焼率は、本発明例より高
くなったが、実際の炉口付着地金の溶解状況は、本発明
例1及び本発明2のいずれよりも劣ったものとなった。
しかも、トラニオン軸に沿う方向の炉口耐火物に溶損が
発生していた。さらに、ランスを介しての上吹き酸素
は、ほとんど脱炭反応には寄与しなかったので、転炉の
吹錬時間は平均で18.1分/ヒートとなり、上記の本
発明例1及び本発明例2のいずれよりも劣ることとなっ
た。ここで、上記二次燃焼率は、(上吹き酸素のうち二
次燃焼に使用された量/上吹き酸素全量)×100とし
て定義される。
【0025】なお、上述の本発明の説明においては、4
孔ノズルのランスを例にして説明したが、ランスに設け
るノズルの数は、必ずしも4個である必要はない。例え
ば、急拡大ノズルを4個とストレートまたはラバールノ
ズルを2個有する6孔ノズル、あるいは急拡大ノズルを
2個とストレート又はラバールノズルを4個有する6孔
ノズル、また、急拡大ノズルを4個とストレートまたは
ラバールノズルを4個有する8孔ノズル等、ランスの径
によって許容しうる寸法のノズルを本発明の趣旨に合致
するように配置したものであればノズル数を問うもので
はない。
【0026】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明により、
転炉の生産能率を低下させたり、耐火物を傷める等の問
題を生じることなく、底吹き転炉の炉口付着地金を溶
解、除去できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な底吹き転炉を示す横断面図である。
【図2】急拡大ノズル及びラバールノズルを同時に備え
たランスを示す図であり、(b)は横断面、(a)は
(b)のA−A矢視である。
【図3】急拡大ノズルだけを複数備えたランスを示す図
であり、(b)は横断面、(a)は(b)のB−B矢視
である。
【図4】図3のランスを用いた試験操業の結果としての
地金溶解状況を示す平面図である。
【図5】急拡大ノズル及びストレートノズルを同時に備
えたランスを示す図であり、(b)は横断面、(a)は
(b)のC−C矢視である。
【図6】図5に示したランスの急拡大ノズルを、平面視
で、転炉のトラニオン軸に沿った方向に向けて行った試
験操業の結果の地金溶解状況を示す平面図である。
【図7】図5に示したランスの急拡大ノズルを、平面視
で、転炉のトラニオン軸に垂直な方向に向けて行った試
験操業の結果の地金溶解状況を示す平面図である。
【図8】図5のストレートノズルに代えてラバールノズ
ルを使用し、急拡大ノズルを、平面視で、転炉のトラニ
オン軸に垂直な方向に向けて行った試験操業の結果の地
金溶解状況を示す平面図である。
【符号の説明】
1 底吹き羽口 2 酸素ガス 3 溶銑又は溶鋼 4 地金(付着地金) 5 フリーボード 6 内壁耐火物(内張り耐火物) 7 直胴部 8 絞り部 9 炉口 10 炉口部 11 底吹き転炉 12 ラバールノズル 13 急拡大ノズル 14 ランス(上吹きランス) 15 酸素流路 16 ノズルの絞り部 17 拡大孔 18 銑(鋼)浴面 19 トラニオン軸 20 トラニオン軸に沿う方向(矢印) 21 トラニオン軸に垂直な方向(矢印) 22 ストレートノズル 23 スロート部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 嘉久 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4K070 AB15 AC03 BB02 BE01 BE08 CE03 CF03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底吹き転炉に保持した溶銑に、炉底羽口
    を介して酸化性ガスを吹き込み脱炭精錬するに際して、 前記転炉の上方からそのフリーボードの上部に、平面視
    で、該転炉のトラニオン軸に沿う方向にはストレートノ
    ズルの先端が、該軸に垂直な方向には急拡大ノズルの先
    端が向くガス吹きランスを挿入すると共に、各ノズルか
    ら酸素ガスを噴射させ、炉口部に付着する地金を溶解し
    て脱炭精錬中の前記溶銑に流下させることを特徴とする
    底吹き転炉の炉口付着地金の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記ストレートノズルに代え、ラバール
    ノズルを使用することを特徴とする請求項1記載の底吹
    き転炉の炉口付着地金の除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009108388A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Nippon Steel Corp 転炉炉口に付着した地金のプロフィール測定方法
CN114015829A (zh) * 2021-10-20 2022-02-08 阳春新钢铁有限责任公司 一种转炉炉帽粘渣清理的方法

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