JP4857830B2 - 転炉製鋼方法 - Google Patents

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本発明は、転炉を用いて溶銑から溶鋼を製造する転炉製鋼方法に関し、詳しくは、鉄スクラップや冷銑などの冷鉄源の溶解を効率的に行うことのできる転炉製鋼方法に関するものである。
高炉から出銑された溶銑を転炉にて脱炭吹錬して溶鋼を製造するに当たり、従来、溶銑段階で予備脱燐処理を行い、溶銑中の燐を或る程度除去してから、転炉で脱炭吹錬を実施する製鋼方法が発展してきた。この予備脱燐処理では、石灰系の脱燐剤とともに気体酸素、固体酸化鉄などの酸素源を添加して行っている。添加した酸素源は溶銑中の燐と反応する以外にも炭素、珪素と反応し、これにより溶銑温度が上昇するが、脱燐反応は熱力学的に低温の方が有利であるため、冷却材を添加して、処理後の溶銑温度を1300℃前後に制御している。
処理容器が取鍋型容器及びトーピード型容器の場合には、攪拌力が弱く、しかも、インジェクションランスを溶銑中に浸漬することが多く、冷却材として鉄スクラップなどの冷鉄源を添加することは実質的に不可能であるが、転炉型の処理容器の場合には、底吹きガスによる攪拌力が大きく、またランスを浸漬させる必要がないので、冷鉄源の装入が可能となる。
そこで、転炉型の処理容器を用いた予備脱燐処理中に多量の冷鉄源を溶解する方法が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、脱燐剤の一部と鉄スクラップと炭材とを溶銑に添加し、気体酸素を上吹きして鉄スクラップを溶解した後に、残りの脱燐剤を添加して脱燐処理を行う方法が提案されている。しかしながら、この方法では、鉄スクラップの溶解期と脱燐期とに分かれることから、吹錬時間が長くなり、生産性を阻害するという問題がある。
また、特許文献2には、2基の転炉を利用して一方を脱燐炉、他方を脱炭炉とし、冷鉄源を双方の炉に装入して精錬する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、1チャージ当たり2回の冷鉄源を装入することから、クレーンによるスクラップシュートのハンドリングに時間を要し、1チャージ当たりの処理時間が長くなり、生産性を阻害するという問題がある。
特開平1−316409号公報 特開平8−209228号公報
上記のように、溶銑の予備脱燐処理中に多量の冷鉄源を溶解しながら低燐溶銑を製造する方法は様々の問題を抱えていた。特に、溶銑の予備脱燐処理段階では溶銑温度は高くても1400℃程度であるため、1600℃以上の高温となる脱炭吹錬に比べて温度が低く、冷鉄源の装入量が多い場合には未溶解が発生することから、冷鉄源の装入量は制限されているのが現状である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、転炉を用いて溶銑の脱燐処理及び脱炭吹錬を実施し、溶銑から溶鋼を製造するに当たり、転炉の生産性を阻害することなく、鉄スクラップなどの冷鉄源の配合量を従来に比べて増大させることができ、且つ、装入した冷鉄源を効率的に溶解することのできる転炉製鋼方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、鋭意検討・研究を実施した。その結果、同一の転炉を用いて脱燐処理を実施し、更に、その後に脱炭吹錬を実施する場合には、脱燐処理開始前に装入した冷鉄源が脱燐処理の終了時点までに溶解しなくても、その後の脱炭吹錬時に溶解するので、何ら問題なく操業可能であるとの知見を得た。また、このようにすることで、多量の冷鉄源を溶解可能であることも知見した。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、第1の発明に係る転炉製鋼方法は、第一工程として冷鉄源及び溶銑を転炉に装入し、第二工程として気体酸素を上吹きまたは底吹きするとともに炉底から不活性ガスを吹き込んで溶銑を攪拌しながら脱燐剤を添加して溶銑の脱燐処理を実施し、第三工程として前記転炉を傾動させて第二工程で生成したスラグを炉外へ排出し、第四工程として前記転炉を元の直立した状態に戻して溶銑の脱炭吹錬を実施し、これらの工程により溶銑から溶鋼を製造する転炉製鋼方法において、第二工程の終了時点には、第一工程で転炉内に装入した冷鉄源の総質量に対して質量比で10%以上60%以下の冷鉄源が未溶解の状態で転炉内に残留するように、第一工程における冷鉄源の転炉内への装入量を調整することを特徴とするものである。
本発明によれば、同一の転炉を用いて、脱燐処理を実施し、その後に脱炭吹錬を実施して溶銑から溶鋼を製造する際に、脱燐処理だけでは溶解しきれない量の冷鉄源を脱燐処理前に転炉に装入し、脱燐処理と脱炭吹錬との両方の精錬によって冷鉄源を溶解するので、冷鉄源の装入は1回で済み、また、多量の冷鉄源を装入することができる。その結果、生産性を阻害することなく、冷鉄源の配合量を従来に比べて増大させることができ、且つ、装入した冷鉄源を効率的に溶解することができ、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明者等は、複数の転炉を用いて溶銑の予備脱燐処理及び脱炭吹錬を実験的に実施して、鉄スクラップや冷銑などの冷鉄源を効率的に溶解する方法を検討した。その結果、転炉を1基のみ使用して、先ず、溶銑の脱燐処理を実施し、この脱燐処理後に転炉を傾動して脱燐処理で生成したスラグを一旦排出し、その後、転炉を直立させて再度酸素吹錬して溶銑の脱炭吹錬を実施し、かくして溶銑から溶鋼を製造する際には、脱燐処理開始前に装入した冷鉄源が脱燐処理の終了時点までに溶解していなくても、その後の脱炭吹錬時に溶解するので、何ら問題にならないことを確認した。つまり、脱炭吹錬終了時までに溶解するだけの冷鉄源を脱燐処理開始前に装入しても全く問題なく操業可能であり、しかも多量の冷鉄源を装入可能であることが分かった。
これは、2基の転炉を使用して一方を脱燐炉、他方を脱炭炉とする場合には、脱燐処理後に脱燐処理した溶銑を一旦脱燐炉から溶銑容器に排出する必要があり、この場合に未溶解の冷鉄源が存在すると、未溶解の冷鉄源が炉内に付着して出湯が困難になるなどして操業の安定性が損なわれたり、脱燐溶銑とともに未溶解の冷鉄源が溶銑容器に排出すると、冷鉄源の落下により溶銑が飛散して、歩留まり、安全性が損なわれたりするが、1基の転炉を使用して脱燐処理及び脱炭吹錬を実施する場合には、途中に出湯作業がないことから、未溶解の冷鉄源が存在しても何ら問題にならないからである。
また、脱燐処理終了時における未溶解の冷鉄源の量にも適切な範囲があることも分かった。具体的には、未溶解の冷鉄源の質量が、装入した冷鉄源の総質量に対して質量比で60%を超える場合には、溶銑中の燐濃度が十分に低下しない結果となった。これは、未溶解の冷鉄源によって脱燐処理中の溶銑の流動が妨げられて、脱燐反応の進行する場所であるスラグ界面に溶銑が効率良く供給されないこと、及び、未溶解の冷鉄源の間に溶銑が澱んでしまうことに起因しているものと考えられる。つまり、脱燐処理終了時における未溶解の冷鉄源の質量を、装入した冷鉄源の総質量に対して質量比で60%以下にすることが必要であることが分かった。この場合、未溶解の冷鉄源が少なすぎる場合には、次工程の脱炭吹錬では熱的余裕が十分であり、温度調整のために鉄鉱石などの冷却材の投入が必要になるので、これを防止するために、脱燐処理終了時における未溶解の冷鉄源の質量は、装入した冷鉄源の総質量に対して質量比で10%以上を確保することが好ましい。
即ち、本発明は、上記検討結果に基づくもので、第一工程として冷鉄源及び溶銑を転炉に装入し、第二工程として気体酸素を上吹きまたは底吹きするとともに炉底から不活性ガスを吹き込んで溶銑を攪拌しながら脱燐剤を添加して溶銑の脱燐処理を実施し、第三工程として前記転炉を傾動させて第二工程で生成したスラグを炉外へ排出し、第四工程として前記転炉を元の直立した状態に戻して溶銑の脱炭吹錬を実施し、これらの工程により溶銑から溶鋼を製造する転炉製鋼方法において、第二工程の終了時点には、第1工程で装入した冷鉄源の総質量に対して質量比で60%以下の冷鉄源が未溶解の状態で転炉内に残留するように、第一工程における冷鉄源の転炉内への装入量を調整することを特徴とする。
第二工程終了時点で未溶解の冷鉄源が存在していても、第四工程の脱炭吹錬では溶鋼温度が1600℃以上の高温に達するので、未溶解の冷鉄源が装入した冷鉄源の総質量に対して質量比で60%以下であるならば、脱炭吹錬終了時までには未溶解の冷鉄源は全て溶解し、脱炭吹錬終了時には未溶解の冷鉄源は存在しない。
本発明において、精錬炉として転炉を使用する理由は、転炉はフリーボードが大きく、溶銑を強攪拌することができるので、脱燐処理及び脱炭精錬ともに高い反応効率を得られるからである。また、使用する溶銑はどのような成分であっても構わず、予め脱珪処理や脱流処理が施された溶銑であってもよい。
第二工程の脱燐処理は、上吹きランスから気体酸素を溶銑浴面に向けて吹き付ける、或いは、底吹き羽口から気体酸素を溶銑浴面中に吹き込むとともに、炉底の羽口から不活性ガスを吹き込んで溶銑を攪拌しながら脱燐剤を添加して実施する。脱燐剤としては石灰系の媒溶剤を使用することができる。この場合、酸素源として、ダスト、鉄鉱石、焼結した鉄鉱石のような酸化鉄を含有する物質を、気体酸素の一部として使用することもできる。
第四工程の脱炭吹錬も第二工程の脱燐処理と同様に、気体酸素を上吹きまたは底吹きするとともに炉底から不活性ガスを吹き込んで溶銑を攪拌しながら溶銑の脱炭吹錬を実施する。脱炭吹錬では、必要に応じて、生石灰を生成されるスラグの塩基度調整用の造滓剤として転炉内に添加する。また、Mn源としてMn鉱石を炉内に添加して、溶銑中の炭素によって還元してもよい。脱炭吹錬が終了したなら、得られた溶鋼を取鍋などに出湯し、次工程に搬送する。
このようにして溶銑から溶鋼を製造することで、多量の冷鉄源を鉄源として利用することが可能となる。また、冷鉄源の装入は1回で済むので、冷鉄源の装入作業によって転炉の生産性が損なわれることはない。その結果、冷鉄源の配合量を従来に比べて増大させることができ、且つ、装入した冷鉄源を効率的に溶解することのでき、製造コストを大幅に削減することができる。
高炉から出銑された溶銑を、機械攪拌式脱硫装置を用いて脱硫処理した後に、図1に示す300トン規模の転炉で脱燐処理並びに脱炭処理を行った。図1は、本発明を実施する際に用いた転炉設備の1例を示す概略断面図である。
図1において、転炉設備1には、溶銑14を収容し精錬するための転炉本体2と、転炉本体2の内部に挿入され、転炉本体2の内部へ気体酸素を供給するための上吹きランス6と、転炉本体2の炉口を覆い、転炉本体2から発生するガスを集塵機(図示せず)へ導入するためのフード5と、脱燐剤17を収容するためのホッパー7と、造滓剤18を収容するためのホッパー8と、ホッパー7及びホッパー8に接続し、ホッパー7から切り出される脱燐剤17及びホッパー8から切り出される造滓剤18を搬送して転炉本体2の内部へ添加するための添加装置11と、添加装置11に接続し、フード5を貫通する、脱燐剤17及び造滓剤18を転炉本体2の内部に導入するためのシュート12と、鉄スクラップ15などの冷鉄源を転炉本体2の内部に供給するためのスクラップシュート13と、を備えている。ホッパー7には脱燐剤17の添加量を調整するための切出装置9が設けられ、ホッパー8には造滓剤18の添加量を調整するための切出装置10が設けられており、また、転炉本体2には、その底部に、気体窒素またはArなどの攪拌用ガスを吹き込むための複数の底吹き羽口4が設けられ、また、その側壁上部には、脱燐処理した後の溶銑や脱炭吹錬により得られた溶鋼を出湯するための出湯口3が設けられている。スクラップシュート13は、クレーンによって、吊り上げられて移動すると共に傾斜して鉄スクラップ15を転炉本体2の内部に供給するものであるが、図1ではクレーンを省略している。
このような構成の転炉設備1を用いて、第一工程として、スクラップシュート13を用いて鉄スクラップ15を転炉本体2に装入し、次いで、溶銑14を溶銑鍋(図示せず)から転炉本体2に装入した。鉄スクラップ15及び溶銑14の装入完了後、第二工程として、上吹きランス6を介して気体酸素を上吹きしながら、生石灰を脱燐剤17として添加するとともに、底吹き羽口4から気体窒素を吹き込んで脱燐処理を行った。脱燐処理後、第三工程として、転炉本体2を出湯口3が上部側になるように傾動させ、第二工程で生成したスラグ16を炉口から排出した。その後、転炉本体2を再び直立させ、少量の生石灰及び鉄鉱石を造滓剤18として添加して、上吹きランス6を介して気体酸素を上吹きし、底吹き羽口4から気体窒素、Arを時期により変更しながら吹き込んで脱炭吹錬を行った。
この操業において、第一工程における鉄スクラップの装入量と、第二工程における気体酸素供給時間を調整して、第二工程終了時点における鉄スクラップの未溶解比率を変化させた。ここで、鉄スクラップの未溶解比率とは、装入した鉄スクラップの総質量に対する未溶解鉄スクラップ質量の質量比である。
第二工程では、気体酸素を1.5〜3.5Nm3 /min・tの供給速度で溶銑浴面に吹き付けながら、底吹きガスの気体窒素を0.08〜0.12Nm3 /min・tの供給速度で吹き込み、気体酸素供給時間を3〜8分間に調整した。脱燐剤である生石灰は、処理前の溶銑中珪素濃度に応じて、14〜20kg/t添加し、滓化促進剤である蛍石は使用しなかった。鉄スクラップの溶解量は、第三工程においてスラグを排出している処理中に、炉外に設置したモニターにより炉内を観察し、モニターの観察画面を目視して評価した。
また、第四工程では、気体酸素を2.5〜4.0Nm3 /min・tの供給速度で溶銑浴面に吹き付けながら、底吹きガスとして前半は気体窒素、後半はArを0.08〜0.15Nm3/min・tの供給速度で吹き込んで脱炭吹錬を実施した。そして、処理チャージ間の出湯から出湯までの時間(以下、「脱炭吹錬処理時間」と呼ぶ)を計測した。尚、造滓剤中の鉄鉱石の量を調整して、脱炭吹錬終点時の炭素濃度及び温度が、ほぼ一定になるように調整した。
また、比較例の場合で、脱燐炉及び脱炭炉の2基が必要な場合には、図1に示す転炉設備を2基用いて試験を行った。この場合、先ず、脱燐炉では、前述した第一工程から第二工程までを同様に行い、脱燐処理が終了した段階で転炉本体を傾動して出湯口から溶銑及びスラグを溶銑鍋に出湯し、溶銑鍋からスラグを除去した後、別の転炉本体に溶銑を装入し、前述した第四工程と同様に脱炭吹錬を実施した。脱炭炉へ鉄スクラップを装入する場合には、溶銑を装入する前に、スクラップシュートを介して鉄スクラップを装入した。表1に試験条件及び試験結果を示す。
Figure 0004857830
表1に示すように、試験No.1〜5の本発明例では多量の鉄スクラップを溶解することが可能であり、溶銑配合率(溶銑質量×100/(溶銑質量+冷鉄源質量))は、目標値の90%以下まで低下しており、また、第二工程の脱燐処理後の溶銑中燐濃度は、目標値の0.04質量%以下となっていた。脱燐処理後の燐濃度が高いと、第四工程の脱炭吹錬において造滓剤の量を増やす必要があり、これにより鉄歩留りも悪化するので、製造コストの増加を招くことになる。また、生産性の基準となる脱炭吹錬処理時間は目標値の40分未満を達成しており、十分な生産性も確保されていた。表1に示す綜合評価は、溶銑配合率、脱燐処理後の燐濃度、脱炭吹錬処理時間の3項目で評価しており、3項目全てが目標知を達成した場合を「○」、2項目が目標値を達成した場合を「△」、目標達成が1項目以下の場合を「×」で表示している。
試験No.6〜8の比較例は、一基の転炉設備を用いた場合の例であるが、試験No.6は第一工程で装入する鉄スクラップが少なく、溶銑配合率が目標に達せず、試験No.7,8は鉄スクラップの未溶解が多く、脱燐処理後の溶銑の燐濃度が目標値を達成していない。試験No.9,10の比較例は二基の転炉設備を用いた場合であるが、試験No.9の場合には、脱炭炉でも鉄スクラップを装入したので、クレーンを使用しての装入に時間を費やし、脱炭吹錬処理時間が長くなり、生産性が満たされていない。また、試験No.10の場合には、鉄スクラップの装入量が少なく、溶銑配合率が目標値を達成していない。
試験No.1〜8において得られた、脱燐処理後の溶銑中燐濃度と第二工程終了時点の鉄スクラップの未溶解比率との関係を図2に示す。図2からも明らかなように、第二工程終了時点の鉄スクラップの未溶解比率が60%を超えると、溶銑中燐濃度が上昇することが確認できた。これは、未溶解の鉄スクラップにより溶銑の流動が妨げられ、脱燐反応に悪影響を及ぼすためと考えられる。
本発明を実施する際に用いた転炉設備の1例を示す概略断面図である。 脱燐処理後の溶銑中燐濃度と第二工程終了時点の鉄スクラップの未溶解比率との関係を示す図である。
符号の説明
1 転炉設備
2 転炉本体
3 出湯口
4 底吹き羽口
5 フード
6 上吹きランス
7 ホッパー
8 ホッパー
9 切出装置
10 切出装置
11 添加装置
12 シュート
13 スクラップシュート
14 溶銑
15 鉄スクラップ
16 スラグ
17 脱燐剤
18 造滓剤

Claims (1)

  1. 第一工程として冷鉄源及び溶銑を転炉に装入し、第二工程として気体酸素を上吹きまたは底吹きするとともに炉底から不活性ガスを吹き込んで溶銑を攪拌しながら脱燐剤を添加して溶銑の脱燐処理を実施し、第三工程として前記転炉を傾動させて第二工程で生成したスラグを炉外へ排出し、第四工程として前記転炉を元の直立した状態に戻して溶銑の脱炭吹錬を実施し、これらの工程により溶銑から溶鋼を製造する転炉製鋼方法において、第二工程の終了時点には、第一工程で転炉内に装入した冷鉄源の総質量に対して質量比で10%以上60%以下の冷鉄源が未溶解の状態で転炉内に残留するように、第一工程における冷鉄源の転炉内への装入量を調整することを特徴とする転炉製鋼方法。
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