JP2003277388A - フェニルシランの製造方法 - Google Patents

フェニルシランの製造方法

Info

Publication number
JP2003277388A
JP2003277388A JP2002084628A JP2002084628A JP2003277388A JP 2003277388 A JP2003277388 A JP 2003277388A JP 2002084628 A JP2002084628 A JP 2002084628A JP 2002084628 A JP2002084628 A JP 2002084628A JP 2003277388 A JP2003277388 A JP 2003277388A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
reaction
chemical
phenylsilane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002084628A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Ishizaki
謙一 石崎
Katsuhiko Komuro
勝彦 小室
Hisatoyo Kato
久豊 加藤
Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP2002084628A priority Critical patent/JP2003277388A/ja
Publication of JP2003277388A publication Critical patent/JP2003277388A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化アリールとして安価な塩素化アリー
ルを用いて円滑にフェニルシランを生成させることがで
きる安価な工業的製造方法を提供する。 【解決手段】下記一般式[1]のジアミン化合物と遷移
金属化合物からなる有機金属触媒の存在下で、塩素化ア
リールとヒドロシランとを液相で反応させる。 【化1】 (上式において、R1、R2、R3、R4、R5、R6
7、R8、R9及びR10はそれぞれ同一または相異な
り、水素原子、シリル基を有していても良い炭化水素基
又はシリル基を示す。mは0または1の整数を示す。ま
た、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9
びR10はこれら2個以上が相互に連結して環を形成して
も良い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機金属触媒を用
いたフェニルシランの新規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェニルシランの合成方法として、直接
法及びグリニャール法が一般的に知られているが、各々
問題がある。即ち、直接法には、以下の問題がある(日
本化学会編, 1992, 実験化学講座24,p126, 丸善株式会
社) 1)副生成物が多い。 2)原料のタイプが限られる。 3)複雑な精製工程が必要である。 一方、グリニャール反応には、以下の問題がある(日本
化学会編, 1992, 実験化学講座24, p123, 丸善株式会
社)。 1)反応温度の制御が困難である。 2)基質、溶媒の脱水工程が必要である。 3)高コストである。 これらの理由により、直接法又はグリニャール法を工業
的にスケールアップさせることは、困難な場合が多い。
【0003】ロシアでは気相反応の研究が盛んであり、
クロロベンゼンとトリクロロシランからフェニルトリク
ロロシランを得る気相反応が知られている(Zn. Obshch.
Khim. 1995, 65, 1869-1872)。しかし、気相反応は、
500〜700℃という高い反応温度を必要とするた
め、工業的なスケールアップは極めて困難である。
【0004】田中らは、o-ビス(ジメチルシリル)ベンゼ
ンと芳香族化合物との反応により、モノアリール化ヒド
ロシランが選択的に得られることを報告している(Organ
ometallics, 1993, 12, 2065-2069)。本反応は、o-ビス
(ジメチルシリル)ベンゼン特有の反応である。
【0005】最近、増田らは、ヨードベンゼンとトリエ
トキシシランからフェニルトリエトキシシランを得る新
規な製造法を報告している (J. Org. Chem. 1997, 62,
8569-8571)。この報告において、ヨードベンゼンにおけ
るハロゲンが塩素又は臭素である場合、反応が殆ど進行
しないと報告されている。ヨードベンゼンを用いる製造
法では、コストが極めて高くなることから、増田らの製
造応を工業的にスケールアップさせることは困難であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、増田らの製
造法において、原料であるハロゲン化アリールとして安
価な塩素化アリールを用いても円滑にフェニルシランを
生成させることができる安価な工業的製造方法を提供す
ることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
[1]のジアミン化合物と遷移金属化合物からなる有機
金属触媒の存在下で、塩素化アリール[2]とヒドロシ
ラン[3]とを液相で反応させることを特徴とするフェ
ニルシラン[4]の製造方法である。
【0008】
【化5】
【0009】(上式において、R1、R2、R3、R4、R
5、R6、R7、R8、R9及びR10はそれぞれ同一または
相異なり、水素原子、シリル基を有していても良い炭化
水素基又はシリル基を示す。mは0または1の整数を示
す。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
9及びR10はこれら2個以上が相互に連結して環を形成
しても良い。)
【0010】
【化6】
【0011】(上式において、R11は有機基であり、X
は塩素であり、nは0〜5の整数である。)
【0012】
【化7】
【0013】(上式において、R12、R13及びR14は炭
素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキ
シ基、アリール基または塩素であり、互いに同一であっ
ても異なっていてもよい。)
【0014】
【化8】
【0015】(上式において、R11、R12、R13、R14
及びnは上記と同義である。)
【0016】以下、本発明について詳述する。
【0017】
【発明の実施の形態】「塩素化アリール」本発明におけ
る塩素化アリールは、上式[2]で表されるものであ
る。好ましい例は、クロロベンゼンである。上式[2]
におけるR11は、本発明における有機金属触媒の形成を
阻害するものでない限り、制限されない。
【0018】「ヒドロシラン」本発明におけるヒドロシ
ランは上式[3]で表されるものである。上式[3]に
おいて、R12、R13、R14は炭素数1から6のアルキル
基、炭素数1から6のアルコキシ基、アリール基または
塩素であり、互いに同一であっても異なっていてもよ
い。好ましいヒドロシランとして、トリクロロシラン、
ジメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン等のクロ
ロシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、
ジメチルエトキシシラン等のアルコキシシラン、トリエ
チルシラン等のアルキルシランがある。その中でも、原
料の得やすさ、生成物の機能を考慮すると、トリアルコ
キシシランが最も好ましい。
【0019】「有機金属触媒」本発明における触媒は、
遷移金属化合物とジアミン化合物から形成することがで
きる。ジアミン化合物は遷移金属原子と配位結合を形成
し、触媒の活性、選択性を向上させる効果がある。
【0020】「遷移金属化合物」本発明における遷移金
属化合物とは、触媒の活性中心たる金属を含む化合物で
ある。反応機構、触媒活性を考慮すると、好ましい中心
金属としては鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロ
ジウム、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金等
の第VIII族の遷移金属があげられる。その中にあっ
て、パラジウムが最も好ましい。パラジウム化合物とし
ては、一般的に0価または2価のパラジウムが使用でき
る。触媒前駆体であるパラジウム化合物の好ましい例と
して、パラジウムブラック、アリルパラジウム クロラ
イド ダイマー、クロチルパラジウムクロライドダイマ
ー、ジアセテートビス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム
(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(I
I)、ジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム(I
I)、トランス-ジクロロジアミン パラジウム (II)、
パラジウム(II) アセテート、パラジウム(II) アセ
チルアセトン、パラジウム(II) クロライド、パラジ
ウム (II) オキサイド、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセ
トン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)ジパラジウム(0) クロロホルムアダクト 等がある。
その中でも、触媒の得やすさ、活性を考慮すると、トリ
ス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) クロロホ
ルムアダクトが最も好ましい。
【0021】「ジアミン化合物」本発明におけるジアミ
ン化合物は、遷移金属化合物と反応して有機金属触媒を
形成するものであり、下記式[1]に示す構造式で表さ
れるものである。
【0022】
【化9】
【0023】(上式において、R1、R2、R3、R4、R
5、R6、R7、R8、R9及びR10はそれぞれ同一または
相異なり、水素原子、シリル基を有していても良い炭化
水素基又はシリル基を示す。mは0または1の整数を示
す。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
9及びR10はこれら2個以上が相互に連結して環を形成
しても良い。)
【0024】上記式[1]におけるR1、R2、R3
4、R5、R6、R7、R8、R9及びR1 0はそれぞれ同一
または相異なり、水素原子、シリル基を有していても良
い炭化水素基又はシリル基を表す。具体例としては、水
素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基
等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、o
−トリル基、p−トリル基、メシチル基、2,6−ジイ
ソプロピルフェニル基、2,4,6−トリ−t−ブチル
フェニル基等のアルキルアリール基、ベンジル基等のア
リールアルキル基、トリメチルシリル基、トリブチルシ
リル基等のシリル基等が挙げられる。
【0025】また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R
7、R8、R9及びR10はこれら2個以上、好ましくは隣接
する基が互いにに連結して環を形成しても良い。
【0026】下記[化10],[化11]にその具体的
な例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】上記21個の構造式をまとめて式[10]
という。上記式[10]中のMeはメチル基を、i-Prはis
o-プロピル基を、t-Buはtert-ブチル基を表す。
【0030】ジアミン化合物と遷移金属化合物との好ま
しい反応割合は、遷移金属化合物における遷移金属1モ
ル当たりジアミン化合物1モルとなる割合である。この
割合で反応させた場合、遷移金属1個当たり2個のNが
配位する二座配位構造を形成すると推測され、触媒活性
が最も高くなる。
【0031】「反応溶媒」本発明の製造方法において、
有機金属触媒を溶解させるため反応溶媒を用いることが
好ましい。好ましい反応溶媒は、N-メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド、N, N-ジメチルホルムアミドの
非プロトン性の極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4-ジ
オキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジ-n-ブチルエーテル等のエーテル類、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブチルア
ルコール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族、ヘキサン、オクタン、デカンなどの脂肪族
炭化水素等である。反応の収率を考慮すると、これらの
中でN-メチルピロリドンが最も好ましい。反応溶媒の使
用量について特に制限はなく、反応系における反応基質
濃度が1〜99%となる範囲内で所望に応じて適宜調整
すれば良い。
【0032】「塩基」本発明における反応を円滑に進行
させるには、生成する酸を捕捉するために塩基を反応系
に共存させることが望ましい。好ましい塩基は、トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム及び水酸化リチウム等である。反応の収率
を考慮すると、これらの中でトリアルキルアミンが最も
好ましい。塩基の濃度は、反応系において捕捉する酸の
発生量に応じて適宜調整すればよく、通常塩素化アリー
ル1モル当たり塩基1〜5モルとなる割合とする。
【0033】「触媒濃度、反応温度」触媒の好ましい使
用量は、塩素化アリールの仕込み量に対して、0.001 mo
l%から20 mol%である。また、反応温度の制御操作は、
外部からの加熱に依存するため、一概に決められない
が、通常、反応温度を室温〜120℃の範囲に保持する
ことで、反応を円滑に継続させることができる。
【0034】「反応操作」 「反応操作」反応系を不活性ガス雰囲気とした後、上記
の遷移金属化合物(触媒前駆体)、ジアミン化合物、反
応溶媒、反応原料及び塩基を各々所定量添加して、所定
の温度で数分〜数時間攪拌して反応させる。この際、反
応系に添加する順序に特に制限はないが、塩素化アリー
ルとヒドロシランとを反応させる際には、本発明におけ
る有機金属触媒を存在させるようにすることが必要であ
る。反応系における塩素化アリールとヒドロシランの仕
込割合は、理論的には等モル比であるが、反応を効率的
に進行させるために、ヒドロシランをやや過剰に供給す
ることが好ましい。好ましい仕込み割合は、塩素化アリ
ール1モル当たりヒドロシラン1〜3モルである。
【0035】
【実施例】以下、本発明を参考例および実施例によって
具体的に説明する。
【0036】実施例1 (化合物[A−1]の合成)磁気攪拌子、還流冷却器付
き水分定量管を備えた100mlの2口フラスコにトルエン50
ml、2,6−ジイソプロピルアニリン8.51g(48mmo
l)、2,3−ブタンジオン1.72g(20mmol)、p-トルエ
ンスルホン酸・1水和物 0.038g(0.20mmol)を採取し、
8時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残査をシリ
カゲルカラムにて精製し、化合物[A−1]を黄色結晶
として5.83g得た(収率72.0%)。
【0037】
【化12】
【0038】得られた化合物[A−1]の同定データを
下記に示す。1 H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=1.14(d,12H);
δ=1.20 (d,12H);δ=2.08 (s,6H);δ=2.77 (m,4
H);δ=7.05-7.21 (m,6H)
【0039】(化合物[A−2]の合成)窒素雰囲気
下、還流冷却器、磁気攪拌子、ラバーセプタムを備えた
2口フラスコに乾燥テトラヒドロフラン 20mlを採取し
た。氷冷下、水素化リチウムアルミニウム 0.75g(19.8
mmol)を懸濁させた。化合物[A−1]2.00g(4.94mmo
l)を乾燥テトラヒドロフラン 4mlに溶解したものを注
射器にてセプタムラバーからゆっくり滴下した。滴下終
了後、室温で30分、加熱還流下3時間攪拌した。反応液
を氷冷後、水2mlをゆっくり加えた。得られた懸濁液
をろ過・減圧濃縮後、クロロホルムで抽出し、水洗し
た。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減
圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムにて精製し、化合
物[A−2]を淡黄色オイルとして1.09g得た(収率54.1
%)。
【0040】
【化13】
【0041】得られた化合物[A−2]の同定データを
下記に示す。1 H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=0.92-1.29(m,30
H);δ=3.19-3.56 (m,6H);δ=6.94-7.21 (m,6H)
【0042】(フェニルトリエトキシシランの合成反
応)乾燥窒素雰囲気下、磁気攪拌子、冷却管、ラバーセ
プタムを備えた反応器にトリス(ジベンジリデンアセト
ン)ジパラジウム(0) クロロホルムアダクト31mg(0.03m
mol)、化合物[A−2] 25mg(0.06mmol)を仕込んだ。N
-メチルピロリドン 4mLを加え、室温にて15分間攪拌
した。反応系内にトリエトキシシラン 0.49g(3.0mmol)
を加え、室温にて5分間攪拌した。予め調製した混合液
〔トルエン(内部標準)0.2mL、クロロベンゼン 0.23g(2.
0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン0.78g(6.0mmol)〕
を加えた。室温にて1時間攪拌後、ガスクロマトグラフ
ィーにてフェニルトリエトキシシランの収率を求めた。
その結果は以下の通りである。
【0043】フェニルトリエトキシシランの収率:22
% 質量分析(EI) 観測ピーク:195、240 ライブラリー(フェニルトリエトキシシラン):195(M
+-OC2H5)、240(M+)
【0044】質量分析(CI) 観測ピーク:241 ライブラリー(フェニルトリエトキシシラン):241(M
++1)
【0045】実施例2 (化合物[B−1]の合成)磁気攪拌子、還流冷却器付
き水分定量管を備えた100mlの2口フラスコにトルエン60
ml、2,6−ジイソプロピルアニリン12.76g(72mmo
l)、アセナフテンキノン 5.47g(30mmol)、p-トルエ
ンスルホン酸・1水和物 0.114g(0.60mmol)を採取し、
12時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、エタノール
から再結晶し、化合物[B−1]を橙色結晶として12.18
g得た(収率83.5%)。
【0046】
【化14】
【0047】得られた化合物[B−1]の同定データを
下記に示す。1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=0.
97(d,12H);δ=1.24 (d,12H);δ=2.98-3.08 (m,4
H);δ=6.64 (d,2H);δ=7.13-7.39 (m,8H) ;δ=7.
87 (d,2H)
【0048】(化合物[B−2]の合成)窒素雰囲気
下、還流冷却器、磁気攪拌子、ラバーセプタムを備えた
2口フラスコに乾燥テトラヒドロフラン 20mlを採取し
た。氷冷下、水素化リチウムアルミニウム 0.75g(19.8
mmol)を懸濁させた。化合物[B−1]2.40g(4.94mmo
l)を乾燥テトラヒドロフラン 4mlに溶解したものを注
射器にてセプタムラバーからゆっくり滴下した。滴下終
了後、室温で30分、加熱還流下3時間攪拌した。反応液
を氷冷後、水2mlをゆっくり加えた。得られた懸濁液
をろ過・減圧濃縮後、クロロホルムで抽出し、水洗し
た。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減
圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムにて精製し、化合
物[B−2]を黄褐色粘稠オイルとして1.21g得た(収率
50.3%)。
【0049】
【化15】
【0050】得られた化合物[B−2]の同定データを
下記に示す。1 H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=1.04(d,12H);
δ=1.32 (d,12H);δ=3.26-3.37 (m,4H);δ=4.73
(s,2H);δ=6.52-7.42 (m,12H)
【0051】(フェニルトリエトキシシランの合成反
応)実施例1の化合物[A−2]を化合物[B−2]29
mg(0.06mmol)とした以外、同様の仕込にて、室温で1時
間反応させた。反応結果は以下の通りである。 フェニルトリエトキシシランの収率:20%
【0052】実施例3 (化合物[C−1]の合成)磁気攪拌子を備えた100ml
のナス型フラスコにエタノール20ml、m−トリアルデヒ
ド5.00g(41.6mmol)、エチレンジアミン 1.25g(20.8m
mol)を採取し、室温下で8時間攪拌した。反応液を減
圧濃縮後、シリカゲルカラムにより精製し、化合物[C
−1]を茶褐色オイルとして5.12g得た(収率93.0
%)。
【0053】
【化16】
【0054】得られた化合物[C−1]の同定データを
下記に示す。1 H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=2.35(s,6H);δ
=3.95 (s,4H);δ=7.12-7.57 (m,8H) ;δ=8.25 (s,
2H)
【0055】(化合物[C−2]の合成)50mlのナス型
フラスコにメタノール 20ml、化合物[C−1]2.66g
(10mmol)を採取した。ここへ室温で攪拌しながら水素
化ホウ素ナトリウム1.53g(40mmol)を少しずつ加え、
そのまま室温で1時間攪拌を続けた。反応液を減圧濃縮
後、クロロホルムで抽出し、水洗した。有機相を無水硫
酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧濃縮した。残査を
シリカゲルカラムにて精製し、化合物[C−2]を黄褐
色オイルとして2.10g得た(収率77.9%)。
【0056】得られた化合物[C−2]の同定データを
下記に示す。1 H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=2.33(s,6H);δ
=2.76 (s,4H);δ=3.73 (s,4H) ;δ=7.02-7.25 (m,
8H)
【0057】(フェニルトリエトキシシランの合成反
応)実施例1の化合物[A−2]を化合物[C−2]16
mg(0.06mmol)とした以外、同様の仕込にて、室温で1時
間反応させた。反応結果は以下の通りである。フェニル
トリエトキシシランの収率:24%
【0058】
【発明の効果】本発明によって、温和な条件下で、種々
のフェニルシランを低コストで製造することができる。
本発明により製造されるフェニルアルコキシシラン及び
フェニルクロロシランは、ケイ素原子に結合した加水分
解性の官能基が存在するため、他の有機ケイ素化合物
(ポリマーを含む)との反応によりシロキサン結合を形
成したり、無機化合物中のシラノール基とカップリング
反応させることができる。また、フェニル基を含有する
ため、耐熱性シルセスキオキサンの原料となる。そのた
め、有機合成の中間原料、ポリマー樹脂の合成原料、ポ
リマーの改質剤、無機化合物の表面処理剤、ハードコー
ト剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 浩 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社新製品開発研究所内 Fターム(参考) 4H039 CA92 CD10 CD20 4H049 VN01 VP01 VQ21 VR21 VR43 VS21 VT16 VT17 VT30 VU36 VW01 VW02 VW33

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[1]のジアミン化合物と遷移
    金属化合物からなる有機金属触媒の存在下で、塩素化ア
    リール[2]とヒドロシラン[3]とを液相で反応させ
    ることを特徴とするフェニルシラン[4]の製造方法。 【化1】 (上式において、R1、R2、R3、R4、R5、R6
    7、R8、R9及びR10はそれぞれ同一または相異な
    り、水素原子、シリル基を有していても良い炭化水素基
    又はシリル基を示す。mは0または1の整数を示す。ま
    た、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9
    びR10はこれら2個以上が相互に連結して環を形成して
    も良い。) 【化2】 (上式において、R11は有機基であり、Xは塩素であ
    り、nは0〜5の整数である。) 【化3】 (上式において、R12、R13及びR14は炭素数1から6
    のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、アリー
    ル基または塩素であり、互いに同一であっても異なって
    いてもよい。) 【化4】 (上式において、R11、R12、R13、R14及びnは上記
    と同義である。)
  2. 【請求項2】ヒドロシランがトリアルコキシシランであ
    ることを特徴とする請求項1記載のフェニルシランの製
    造方法。
JP2002084628A 2002-03-25 2002-03-25 フェニルシランの製造方法 Pending JP2003277388A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002084628A JP2003277388A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 フェニルシランの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002084628A JP2003277388A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 フェニルシランの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003277388A true JP2003277388A (ja) 2003-10-02

Family

ID=29231874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002084628A Pending JP2003277388A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 フェニルシランの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003277388A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20020059446A (ko) 수소화규소첨가 반응용 촉매
CN103288863B (zh) 一种硅氢加成反应的方法
JP5429745B2 (ja) 脱水素シリル化反応用触媒、及び有機ケイ素化合物の製造方法
JP2011001343A (ja) 含ケイ素置換基で置換された芳香環を配位子とするルテニウム錯体及びその製造方法
Shen et al. Regio-and stereoselective cobalt-catalyzed hydrosilylation of 1, 3-diynes with primary and secondary silanes
JP2003277388A (ja) フェニルシランの製造方法
JP2003277389A (ja) フェニルシランの製造方法
JPH07330786A (ja) 光学活性3級ホスフィン化合物、これを配位子とする遷移金属錯体およびこれを用いる製造法
JP4096669B2 (ja) 有機金属触媒およびこれを用いたフェニルシランの製造方法
JP2003212884A (ja) フェニルシランの製造方法
JP5886876B2 (ja) 新規な(トリオルガノシリル)アルキン及びその誘導体、並びに、新規な及び慣用の置換(トリオルガノシリル)アルキンと、その誘導体を得るための新規な触媒法
JP4470886B2 (ja) 環状有機ケイ素化合物の製造方法
JP3856083B2 (ja) トリオルガノシラノール化合物の製造方法
JP3856088B2 (ja) ビスシリルノルボルナン化合物の製造方法
JP2004284963A (ja) 芳香族シラン化合物の製造方法
JPH04124189A (ja) 有機ケイ素化合物の製造方法
JP3564530B2 (ja) テトラキス(ジアリールシリル)ベンゼンの製造方法
JPH02108692A (ja) アリ―ルジメチル(3‐アリールプロピル)シランの製造方法
JP2863838B2 (ja) (4−スタニル−2−アルケン−1−イル)ボラン化合物およびその製造方法
JP3650156B2 (ja) トリアルキルシリルトリアルキルシロキシメチレン化合物の製造方法
JP2002338583A (ja) 保護されたカテコール基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP4172342B2 (ja) 環状有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP2004099546A (ja) フェニルシランの製造方法
JP3985521B2 (ja) ラクトン環を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP2009107981A (ja) アルコキシジシラン