JP2003276965A - ロープ振れ止め装置、その装置の補修・交換時期検出方法及びその装置製造方法 - Google Patents
ロープ振れ止め装置、その装置の補修・交換時期検出方法及びその装置製造方法Info
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Abstract
傷を低減することにある。 【解決手段】 メインロープ2にエレベータかご3及び
釣合いおもり4が吊り下げられてなるエレベータ装置で
あって、釣合いおもり4の上下移動経路近傍に互いに対
峙するように取付けられた取付け部材8と、エレベータ
かごの昇降に伴って上下移動する釣合いおもりから所定
距離を隔てて取付け部材間に架設されたフレーム11
と、このフレームの外表面に二重に施された第1及び第
2の弾性体12,13とを設けたロープ振れ止め装置1
0である。
Description
よって揺れるメインロープ、コンペンロープの昇降路内
機器、昇降路内突出部分への衝突、絡まりを防止するロ
ープ振れ止め装置、その装置の補修・交換時期検出方法
及びその装置製造方法に関する。
昇降路内に配置されたメインロープの両端部にエレベー
タかごと釣合いおもりとがそれぞれ吊り下げられ、ま
た、エレベータかごの下面からコンペンシーブを介して
釣合いおもりの下面に導くようにコンペンロープが掛け
渡され、エレベータかご及び釣合いおもりが昇降路内を
昇降する際のメインロープの重量を相殺する。なお、コ
ンペンロープの張力は、コンペンシーブによって与えら
れる。
動数が下がってきている。エレベータロープの固有振動
数は、主にロープの長さと張力とによって決まるので、
エレベータの走行途中で建物の固有振動数に近づいた
り、一致することがある。特に、強風または地震によっ
て建物が揺れている状態では、建物の固有振動数とロー
プの固有振動数が近づくと、ロープの揺れが大きくな
り、ロープが昇降路内機器や壁に衝突したり、絡まった
りする可能性がある。
めるロープ振れ止め装置としては、次の2通りの構成が
考えられている。
れ止め装置の上面図である。同図において51はメイン
ロープ52に吊下されている釣合いおもりであって、こ
の釣合いおもり51は、互いに対峙するレールブラケッ
ト53に取付けられているガイドレール54にガイドさ
れながら上下方向に移動可能になっている。この釣合い
おもり51の両側には、当該釣合いおもり51から所要
の距離を隔てて、同じくレールブラケット53間に跨が
るように外周面にニトリルゴムなどの緩衝材を施したフ
レーム55を取付けた振れ止め装置56が設けられてい
る。このフレーム55の両端部はレールブラケット53
を挟んで両側からナット止めされている。57は昇降路
内に取付けられたファスナープレート、58はエレベー
タかごである。
震により釣合いおもり51が吊下されているメインロー
プ52が揺れたとき、そのメインロープ52が緩衝材が
施されたロープ振れ止め装置56に当たることになり、
ロープ変位が大きくなるのを防いでいる。
走行させようとした場合、エレベータかご58は、メイ
ンロープ52と振れ止め装置56の緩衝材との間で衝突
を繰り返しながら走行する。このとき、通常使用されて
いるニトリルゴムなどの緩衝材では、衝撃に対する耐摩
耗性が低いことから、緩衝材が比較的早く摩耗し、メイ
ンロープ52が直接フレーム55に衝突したり、接触す
る。その結果、ロープ自体の摩耗や素線切れを起こす可
能性がある。また、ロープ自体の損傷を極力低減しよう
とする場合には緩衝材を頻繁に交換しなければならな
い。さらに、緩衝材の摩耗の進み具合が判別し難い問題
がある。
ような構成のロープ振れ止め装置が挙げられる。同図に
おいて61は釣合いおもり51に取付けられ、かつ、ガ
イドレール54に係合する係合部材、62はコンペンロ
ープ、63は制限フレームである。この制限フレーム6
3は対をなすガイドレール54を周回するように配設さ
れ、この制限フレーム63にはローラ63a,63b及
び必要に応じて限界フレーム63cが繋ぎ合わせるよう
に配列され、アタッチメントプレート64のガイドレー
ル54支持面とは反対側面に取付けられているストッパ
部63dの両側に接続されている。
震により釣合いおもり51側のメインロープ52または
釣合いおもり51が揺れた時、制限フレーム63を内側
から外側に広げるように作用する結果、ストッパ部63
dを構成するスイッチが切れ、エレベータを緊急停止さ
せるものである。
たは地震時には、メインロープ52が直接ローラ63
a,63bに接触するために、当該ローラ63a,63
bが摩耗する。これらローラ63a,63bの摩耗が進
行し、制限フレーム63とメインロープ52とが直接接
触するようになると、ロープ自体の摩耗やロープの素線
切れを起こす可能性が出てくる。また、ロープ自体の損
傷を少なくするためには、ローラ63a,63bを頻繁
に交換する必要がある。
振れ止め装置56では、フレーム55、63に取付けら
れりれている緩衝材やローラ63a,63bによってメ
インロープ52等の揺れを拘束するので、緩衝材やロー
ラ63a,63bが比較的早く摩耗し、メインロープ5
2やコンペンロープ62がフレーム55、63に直接衝
突し、或いは接触し、ロープ自体の摩耗や素線切れを起
こす可能性がある。また、ロープ自体の摩耗や素線切れ
を防ぐためには、中程度の風でもロープが振れ止め装置
56に衝突する場合には、エレベータを停止する必要が
ある。
には、緩衝材を頻繁に交換する必要があるが、その交換
時期が判別し難い問題がある。さらに、交換時期が判別
しにくいということは、緩衝材やローラ63a,63b
の交換が遅れ、メインロープ52やコンペンロープ62
がフレーム55、63に衝突或いは接触し、ロープ自体
の摩耗やロープの素線切れを起こす可能性が早くなる問
題がある。
で、衝撃に対する耐摩耗性に優れ、かつ、ロープの損傷
を大幅に低減させるロープ振れ止め装置を提供すること
を目的とする。
するフレームの補修及び交換を容易に判別するロープ振
れ止め装置及びロープ振れ止め装置補修・交換時期検出
方法を提供することにある。
る耐摩耗性に優れ、かつ、ロープの損傷を大幅に低減さ
せるロープ振れ止め装置を製造する製造方法を提供する
ことにある。
するために、本発明は、メインロープにエレベータかご
及び釣合いおもりが吊り下げられ、この釣合いおもり下
面からコンペンシーブを介して前記エレベータかごの下
面にコンペンロープが掛け渡されたエレベータ装置にお
いて、前記釣合いおもりの上下移動経路近傍に互いに対
峙するように取付けられた取付け部材と、前記エレベー
タの昇降に伴って上下移動する前記釣合いおもりから所
定距離を隔てて前記取付け部材間に架設されたフレーム
と、このフレームの外表面に二重に施された第1及び第
2の弾性体とを備えたロープ振れ止め装置である。
より、フレームの外表面に施される上側層の第1の弾性
体の摩耗状態と下側層の第2の弾性体の露見状態から摩
耗の程度,ひいては補修或いは交換等の判断に生かすこ
とが可能である。
いに異なる色で形成した場合、第1の弾性体の摩耗部分
から第2の弾性体が露見したとき、色違いであることか
ら確実に第1の弾性体の摩耗の状態を可視化することが
可能である。
いに異なる色のウレタンにより形成されている場合、他
のゴム材料と比較して機械的強度が高いことやロープの
衝突による衝撃荷重の緩和により、弾性体の長寿命化の
他、弾性体の摩耗による可視化、さらにはロープの健全
性を確保することが可能である。
性体のうち、外側層となる前記第1の弾性体はウレタン
であり、下側層となる前記第2の弾性体は鋼材よりも硬
度の低い金属製部材である場合も、外側層の第1の弾性
体がウレタンであることから、前述と同様な作用効果を
奏する。
層とし、下側層となる第2の弾性体は当該塗料層と異な
る色のウレタンで形成してもよい。
は、前記(1)と同様な構成をとりながら、フレームと
しては取付け部材にボルト止めすれば、第1の弾性体が
摩耗したときにボルトを緩めて手動でフレームを回動さ
せれば、ロープとの接触位置をずらすことが可能とな
り、フレームを交換することなく、再利用を図ることが
でき、結果として弾性体の長寿命化に貢献する。
向に複数の挿通孔を形成し、かつ、前記フレームの両端
部側にネジ孔部を形成し、選択的に前記挿通孔からボル
トを含むネジを挿通し、前記フレームのネジ孔部にネジ
止めすれば、第1の弾性体の摩耗時にボルトを含むネジ
を抜き取って別の挿通孔に挿入し、フレームのネジ孔部
にネジ止めすれば、フレームを交換することなく、再利
用を図ることができ、結果として弾性体の長寿命化に貢
献する。
け部材のうち、一方の取付け部材の対峙面側に筒状体が
取り付けられ、前記フレームの一方端部が当該筒状体に
挿入すれば、両取付け部材間の距離のばらつきを容易に
吸収し、ロープを拘束する機能を発揮することが可能と
なる。
け部材のうち、一方の取付け部材の対峙面側にネジ孔部
を有する筒状体が取り付けられ、この筒状体に取付けら
れる前記フレームの一方端部外周に複数の長孔部が形成
され、この長孔部からボルトを含むネジを挿入し、前記
筒状体のネジ孔部にネジ止めする場合も、両取付け部材
間の距離のばらつきを容易に吸収することが可能であ
る。
の補修・交換時期検出方法は、釣合いおもりの上下移動
経路近傍に互いに対峙するように取付けられた取付け部
材間に前記ロープの振れを拘束する色の異なる二重の弾
性体が施されたフレームが架設され、前記ロープの衝
突、接触により外側層の弾性体の一部が摩耗し、前記下
側層の弾性体が露出されたとき、前記ロープの接触位置
の変更補修を含む前記フレームの交換時期を検出するこ
とが可能である。
の補修・交換時期検出方法は、釣合いおもりの上下移動
経路近傍に互いに対峙するように設置された取付け部材
間に色の異なる二重の弾性体が施された導電性フレーム
が電気絶縁部材を介して取付けられ、当該導電性フレー
ムと他の導電性フレームまたは前記取付け部材との間の
絶縁抵抗を計測し、この絶縁抵抗に応じて前記ロープの
接触位置の変更補修を含む前記フレームの交換時期を検
出することが可能である。
られる釣合いおもりの上下移動経路近傍に互いに対峙す
る取付け部材間に架設される二重の弾性体が施されたフ
レームを備えたロープ振れ止め装置製造方法であって、
分割可能な注形型を縦方向に設定するステップと、この
ステップによって縦方向に設定された前記注形型に対
し、前記下側層の弾性体となる前記金属製パイプ又は当
該金属製パイプが取付けられたフレームを挿通させるス
テップと、このステップにより注形型に挿通させた注形
型を含むフレームの周囲を高温槽またはヒータにより高
温過熱するステップと、このステップで高温過熱した状
態で前記注形型と前記金属製パイプとの隙間に前記上側
層の弾性体となるウレタンを注入し熱硬化させるステッ
プとを有することにより、熱硬化後に注形型を取り外す
せば、二重の弾性体が施されたフレームを製造すること
が可能である。
て図面を参照して説明する。
発明に係わるエレベータのロープ振れ止め装置及びその
ロープ振れ止め装置の補修・交換時期検出方法の一実施
の形態を説明する図である。なお、図1はエレベータロ
ープ振れ止め装置を備えたエレベータ装置の全体構成
図、図2は釣合いおもりとエレベータのロープ振れ止め
装置との関係を示す図、図3は本発明に係る振れ止め装
置の一実施の形態を示す図である。
設置される巻上機1に掛け渡されたメインロープ2と、
このメインロープ2の一方端部に吊下されるエレベータ
かご3と、メインロープ2の他方端部に吊下される釣合
いおもり4と、エレベータかご3の下部からコンペンシ
ーブ5を介して釣合いおもり4下部に掛け渡されるコン
ペンロープ6とによって構成されている。すなわち、エ
レベータかご3及び釣合いおもり4は、メインロープ2
を介して巻上機1により支持されている。一方、コンペ
ンロープ6は、コンペンシーブ5を介してエレベータか
ご3下部と釣合いおもり4下部とを接続することによ
り、エレベータかご3及び釣合いおもり4が昇降路内を
昇降する際のメインロープ2の重量を相殺する役割をも
っている。7は例えば巻上機1を設置する機械室床であ
る。
互いに対峙するように配置されているレールブラケット
などの取付け部材8に固定されている例えばT字状のガ
イドレール9にガイドされつつ上下移動するように設け
られている。
釣合いおもり4から所要の距離を隔てて、前述する対峙
関係にある取付け部材8に跨るようにロープ振れ止め装
置10が設けられている。
すようにフレーム11の外表面に例えばウレタンなどの
弾性体12及びこの弾性体12と色違いの例えばウレタ
ンなどの弾性体13が施されている構成となっている。
例えば弾性体12は生地のままの色とし、これに対して
弾性体13は生地の色とは異なる所望の色に着色したウ
レタンが使用される。そして、これら弾性体12と弾性
体13とが施されたフレーム11の両端部は取付け部材
8にボルト14にて固定されている。
もり4の上下移動経路方向に少なくとも1つ以上配置さ
れる。
ば、強風、地震等により建物が揺れ、それに伴ってメイ
ンロープ2やコンペンロープ6が揺れ、ロープ変位が大
きくなろうとするが、メインロープ2やコンペンロープ
6がロープ振れ止め装置10の外側層となる弾性体12
に衝突し、ロープ変位が拘束される。その結果、昇降路
内機器、建屋突出部等の衝突や絡まりを容易に防止でき
る。
ウレタンを用いた理由は、ロープ2,6が衝突する際の
摩耗量が他の材料よりも著しく小さい為であり、これに
ついて図4及び図5を参照して説明する。
各材料の引っ張り強さを表し、同図(b)は、ウレタン
ゴムを含む各材料の耐摩耗性を計測し、その最高点と最
低点とを抽出し、この抽出範囲を5段階に分けて表した
図である。
耗性の相対的な関係を見れば、ウレタンゴムは他の材料
例えばシリコンゴム、低弾性ゴムと比べて2倍程度であ
り、それほど顕著な耐摩耗性をもっていないが、図5に
示すように衝撃荷重に対する摩耗量が著しく小さい。ま
た、ウレタンゴムは、図4(a)に示すように他の材料
に比べて引張り強さなどの機械的強度が高い。従って、
ウレタンを用いた理由は、機械的的強度が高く、かつ、
金属材料に比べたとき弾性が小さく、衝撃荷重を緩和す
る機能を有するためである。
プ2等の衝突によって加わるウレタンの弾性体12の荷
重領域では、衝突1回当たりの摩耗量は10-5mm程度で
あり、1年間のロープ衝突回数が105程度と想定した
とき、当該弾性体12の荷重領域部分の1年間の摩耗量
は1mm程度である。従って、予めウレタンの厚さに応じ
た衝突回数を設定し、所定衝撃荷重以上,例えば25k
gf以上の衝突回数を計数し、その計数値が設定回数を
越えたとき、ロープ振れ止め装置10を交換するか、或
いは後記するように弾性体12のロープの衝突領域を可
変するための補修が可能となる。少なくとも弾性体12
にウレタンを使用することで、ロープに損傷や摩耗を与
える程度がすくなくなり、ロープの健全性にも大きく貢
献する。
3のウレタンとの色を異ならせることにより、図3に示
すように弾性体12の摩耗が進行し、摩耗部分12aが
削れた状態になると、下層側の弾性体13のロープ接触
部分13aが露出するので、弾性体12とは異なる弾性
体13の色変化が現われ、ウレタンの交換時期を簡単に
判別できる。また、弾性体12と異なる色変化が現われ
たとき、摩耗部分12a,ロープ接触部分13aのロー
プ接触領域を回動させて変更させることも可能となる。
の上下移動経路近傍にそって少なくとも1つ以上ロープ
振れ止め装置10を配設し、しかもロープ振れ止め装置
10としては、フレーム11の外周面に色の異なる弾性
体12,13を二重に施し、さらに少なくとも弾性体1
2にウレタンを用いることにより、弾性体12,13の
長寿命化、弾性体12の補修を含む交換時期の可視化お
よびロープの健全性を確保することができる。このこと
は、強風時あるいは地震時、エレベータの運転可能な建
物の振れ量が大きい場合でも、エレベータを効率よく運
転することが可能である。
性体12および弾性体13にそれぞれウレタンを用いた
が、例えば弾性体12にはウレタン、弾性体13には鋼
材よりも硬度の低い金属製部材(例えばアルミパイプ)
を用いた場合においても、上側層の弾性体12の摩耗が
進行し、摩耗部分12aが削れた状態になると、下側層
の弾性体13である金属製部材が露出するので、同様に
外層側の弾性体12の摩耗状態を目視でき、同様の効果
を期待することができる。
弾性体13が生地色のウレタンを用いた場合において
も、塗料層の摩耗により、当該塗料層とは異なる色の生
地色のウレタンの弾性体13が露見するので、塗料層の
色と弾性体13の色との変化から同様に弾性体12と弾
性体13との摩耗状態を目視でき、前述と同様の効果を
奏することが可能である。
取付けられた取付け部材8間に架設されるロープ振れ止
め装置10を構成するフレーム11の一端面または両端
面にネジ孔部を形成し、取付け部材8の外側からボルト
14を螺入しボルト止めすることにより、前述のように
補修を含む交換時期を判別した際、ボルト14を緩めた
後、フレーム11を手動にて回転させると、弾性体12
のロープ衝突位置を容易に変えることができる。その結
果、弾性体12,13を施したフレーム11において弾
性体12が摩耗した際、直ちに交換する必要がなく、ロ
ープ衝突位置を変えることにより、ロープ振れ止め装置
10のもつ本来の機能を長期間にわたって維持すること
が可能である。
に複数の挿通孔を形成し、またフレーム11の両端部側
にネジ孔部を形成すれば、挿通孔を適宜選択し、この選
択された挿通孔からボルトを含むネジを挿通し、フレー
ム11のネジ孔部にネジ止めするようにすれば、同様に
手動で弾性体12,13のロープ衝突位置を変えること
が可能となり、ロープ振れ止め装置10のもつ本来の機
能を長期間にわたって維持できる。
明に係わるロープ振れ止め装置の他の実施形態を説明す
る図である。
の外周面にウレタンの弾性体12とこの弾性体12とは
色の異なるウレタンの弾性体13又は鋼材よりも硬度の
低い金属製部材(例えばアルミパイプ)の弾性体13と
を施した点は図2と同様である。
ーム11の取付け構成を改良したことにある。つまり、
図6に示すように、図示右側の取付け部材8のフレーム
取付け面側に筒状体16が取付けられ、フレーム11の
図示右端部が筒状体16に着脱可能に挿入し、一方、フ
レーム11の図示左端部は例えば前述するようにボルト
14を用いてボルト止めする構成である。なお、筒状体
16は、逆に図示左側の取付け部材8に取付けた構成で
あってもよい。その他の構成は図1ないし図3と同様で
あるので、詳しくはそれらの図の説明に譲る。
ム11が筒状体16内でフレーム軸方向に移動可能な状
態となっているので、互いに対峙関係にある2つの取付
け部材8−8間の距離にばらつきある場合でも、両取付
け部材8間に容易にエレベーターロープ振れ止め装置1
0を取付けることが可能である。
し、フレーム11の一端部を当該取付け部材7のネジ無
し孔部に単に貫通させる構成であっても同様の効果を期
待できる。フレーム11の他端部は図2と同様に例えば
ボルト14にてボルト止めする構成としてもよい。
て取付けられた取付け部材8のうち、一方の取付け部材
の対峙面側にネジ孔部を有する筒状体17を取り付け、
この筒状体17に取付けられるフレームの一方端部外周
に複数の長孔部を形成し、この長孔部からボルトを含む
ネジ18を挿入し、前記筒状体17のネジ孔部にネジ止
めすれば、両取付け部材8間の距離のばらつきを吸収す
ることができる。
同様に例えばボルト止め、図6に示すように筒状体16
に挿入する構成であっても、図6と同様な効果を奏する
ことができる。
エレベーターロープ振れ止め装置の補修・交換時期検出
方法の一実施の形態を説明する図である。
フレーム11の外表面にウレタンの弾性体12と鋼材よ
りも硬度の低い導電性の金属製部材(例えばアルミパイ
プ)の弾性体13とを施した構成であるが、少なくとも
1つのフレーム11の両端を絶縁部材を介して取付け部
材8に取り付け、同様に上下関係にある他のエレベータ
ーロープ振れ止め装置10のフレーム11の両端部にも
絶縁部材を介して同様に取付け部材に取り付けられてい
る。これら上下関係にある2つのフレーム11、11間
にはそれぞれ信号線を介して絶縁抵抗計測器21が接続
されている。
介して取付け部材8に取り付けられているので、両フレ
ーム11間に接続される絶縁抵抗計測器21は、電気的
に非常に高い絶縁抵抗を計測することになる。このこと
は、強風時にロープ2が揺れてウレタンの弾性体12に
接触しても、ウレタン自体も絶縁材料であるので、電気
的に完全に絶縁され、高絶縁状態を維持する。
レタンの弾性体12に衝突或いは接触した状態を繰り返
し、ウレタンの弾性体12が摩耗し、ロープ2が硬度の
低い導電性の金属製部材の弾性体13に直接む接触する
ようになると、両フレームとロープ2との間で電路が形
成されるので、絶縁抵抗が極端に低下する。
の弾性体12のうち、何れか一方が摩耗し、他方の弾性
体12も摩耗の程度が低い状態においても、絶縁抵抗計
測器21で計測される絶縁抵抗が低くなる。
をモニタすることにより、弾性体12の摩耗の状態を検
出できる。
まで下がったとき、自動的に絶縁低下状態情報をエレベ
ータ制御盤22に送信すれば、絶縁抵抗低下状態を表示
部に表示し、記憶部に記憶し、弾性体12の摩耗状態、
ひいてはロープ2の損傷を未然に防ぐことが可能であ
る。
端をそれぞれ絶縁部材で絶縁し取付け部材8に取り付け
るようにしたが、何れか一方のフレームの両端を絶縁部
材で絶縁し、他方のフレームはを絶縁部材で絶縁しない
状態としてもよい。この場合には、一方のフレーム側の
弾性体12の摩耗による交換時期を自動的に検出でき
る。
おもり4の周囲に、二重の弾性体12,13を施したフ
レーム11の少なくとも1つのフレームを電気絶縁部材
で絶縁し取付け部材8に取り付け、絶縁抵抗をモニタ或
いは記録することにより、弾性体12の交換時期、ロー
プ接触位置の変更時期を自動的に検出できる。
材で絶縁したフレームと当該取付け部材8との間に絶縁
抵抗計測手段を設けた場合でも、絶縁抵抗を計測し、当
該フレーム上の弾性体12の摩耗状態を検出でき、ひい
ては弾性体12の補修及び交換時期、ロープ接触位置の
変更時期を自動的に検出できる。
ロープ振れ止め装置の製造方法の一実施の形態を説明す
る図である。
方向に分割可能な注形型31を設定する。なお、注形型
31の底部には所要径の孔部32が形成されている。こ
の状態において、既に外周面に硬度の低いアルミパイプ
等の金属製部材の弾性体13が施されているフレーム1
1または弾性体13そのものを注形型31内部に挿通
し、さらに注形型31の孔部32を通し、弾性体13と
注形型31とが所定の位置関係となるように設定する。
て、注形型31の周囲及び弾性体13が所定の温度にな
るように暖めた後、注形型31と弾性体13との間にウ
レタンを流し込む。このウレタンが所定量注入された
後、熱硬化させる。ウレタンが十分に熱硬化した後、注
形型31を分解し取り外す。
プ等の金属製部材である弾性体13の表面にウレタンで
ある弾性体12を熱硬化させることにより、シート状の
ウレタンを接着するよりも、簡単に弾性体13に弾性体
12に取付けることが可能である。
13は、金属製部材ではなく、ウレタンを用いる場合に
は、この製造方法を用いてウレタンを注入し熱硬化させ
ることも可能である。
ば、釣合いおもり4の両側に、二重に弾性体12,13
を施したフレーム11を有するロープ振れ止め装置10
を釣合いおもり4の上下移動経路方向に1つまたは複数
配置し、かつ、少なくとも上側層の弾性体12にウレタ
ンを用いることにより、弾性体12,13の長寿命化、
弾性体12,13の補修・交換等の時期を可視化でき、
さらにロープの健全性を確保できる。その結果、強風時
或いは地震時に対し、エレベータの運転可能な建物の揺
れ量の範囲を拡大でき、ひいては運転効率の良いエレベ
ータ装置を実現することが可能となる。
されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変
形して実施できる。また、各実施の形態は可能な限り組
み合わせて実施することが可能であり、その場合には組
み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の
形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、
開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種
々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解
決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの
構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合に
は、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が
周知慣用技術で適宜補われるものである。
レーム上に二重の弾性体を施し、そのうち上側層の弾性
体にウレタンを用いることにより、衝撃に対する耐摩耗
性に優れ、またロープの損傷を大幅に低減化できるロー
プ振れ止め装置を提供できる。
の弾性体を施すことにより、ロープが接触するフレーム
の補修及び交換を容易に判別できるロープ振れ止め装置
及びロープ振れ止め装置の補修・交換時期検出方法を提
供できる。
に優れ、かつ、ロープの損傷を大幅に低減させるロープ
振れ止め装置を製造する製造方法を提供できる。
レベータ装置の一実施の形態を示す構成図。
形態を示す構成図。
の構成図。
レタンと他の材料との機械的強度及び耐摩耗性の比較
図。
レタンと他の材料との衝撃に対する摩耗量の比較図。
形態を示す構成図。
の実施形態を示す構成図。
換時期検出方法の一実施の形態を説明する図。
一実施の形態を説明する図。
る図。
明する斜視図。
れ止め装置の上面図。
Claims (12)
- 【請求項1】 メインロープにエレベータかご及び釣合
いおもりが吊り下げられ、この釣合いおもり下面からコ
ンペンシーブを介して前記エレベータかごの下面にコン
ペンロープが掛け渡されたエレベータ装置において、 前記釣合いおもりの上下移動経路近傍に互いに対峙する
ように取付けられた取付け部材と、 前記エレベータかごの昇降に伴って上下移動する前記釣
合いおもりから所定距離を隔てて前記取付け部材間に架
設されたフレームと、 このフレームの外表面に二重に施された第1及び第2の
弾性体とを備えたことを特徴とするロープ振れ止め装
置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のロープ振れ止め装置に
おいて、 前記第1の弾性体と前記第2の弾性体とは互いに異なる
色で形成されていることを特徴とするロープ振れ止め装
置。 - 【請求項3】 請求項1に記載のロープ振れ止め装置に
おいて、 前記第1の弾性体と前記第2の弾性体は互いに異なる色
のウレタンにより形成されていることを特徴とするロー
プ振れ止め装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載のロープ振れ止め装置に
おいて、 前記二重に施された第1及び第2の弾性体のうち、外側
層となる前記第1の弾性体はウレタンであり、下側層と
なる前記第2の弾性体は鋼材よりも硬度の低い金属製部
材であることを特徴とするロープ振れ止め装置。 - 【請求項5】 請求項1に記載のロープ振れ止め装置に
おいて、 前記二重に施された第1及び第2の弾性体のうち、外側
層となる前記第1の弾性体はウレタンを含む塗料層であ
り、下側層となる前記第2の弾性体は当該塗料層と異な
る色のウレタンであることを特徴とするロープ振れ止め
装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5の何れか一項に
記載のロープ振れ止め装置において、 前記フレームは前記取付け部材に手動で回動可能になる
ようにボルトで固定したことを特徴とするロープ振れ止
め装置。 - 【請求項7】 請求項1ないし請求項5の何れか一項に
記載のロープ振れ止め装置において、 前記第1及び第2の弾性体の両端部周方向に複数の挿通
孔を形成し、かつ、前記フレームの両端部側にネジ孔部
を形成し、選択的に前記挿通孔からボルトを含むネジを
挿通し、前記フレームのネジ孔部にネジ止めすることに
より、手動で前記第1及び第2の弾性体を回動可能な構
成としたことを特徴とするロープ振れ止め装置。 - 【請求項8】 請求項1ないし請求項5の何れか一項に
記載のロープ振れ止め装置において、 前記互いに対峙して取付けられた取付け部材のうち、一
方の取付け部材の対峙面側に筒状体が取り付けられ、前
記フレームの一方端部が当該筒状体に挿入することによ
り、前記両取付け部材間の距離のばらつきを吸収するこ
とを特徴とするロープ振れ止め装置。 - 【請求項9】 請求項1ないし請求項7の何れか一項に
記載のロープ振れ止め装置において、 前記互いに対峙して取付けられた取付け部材のうち、一
方の取付け部材の対峙面側にネジ孔部を有する筒状体が
取り付けられ、 この筒状体に取付けられる前記フレームの一方端部外周
に複数の長孔部が形成され、この長孔部からボルトを含
むネジを挿入し、前記筒状体のネジ孔部にネジ止めする
ことにより、前記両取付け部材間の距離のばらつきを吸
収することを特徴とするロープ振れ止め装置。 - 【請求項10】 エレベータかご及び釣合いおもりを吊
り下げたメインロープ又は当該釣合いおもり下面からコ
ンペンシーブを介して前記エレベータかごの下面に掛け
渡されたコンペンロープの振れを拘束するロープ振れ止
め装置において、 前記釣合いおもりの上下移動経路近傍に互いに対峙する
ように取付けられた取付け部材間に前記ロープの振れを
拘束する色の異なる二重の弾性体が施されたフレームが
架設され、前記ロープの衝突、接触により外側層の弾性
体の一部が摩耗し、前記下側層の弾性体が露出されたと
き、前記ロープの接触位置の変更補修を含む前記フレー
ムの交換時期を検出することを特徴とするロープ振れ止
め装置の補修・交換時期検出方法。 - 【請求項11】 エレベータかご及び釣合いおもりを吊
り下げたメインロープ又は当該釣合いおもり下面からコ
ンペンシーブを介して前記エレベータかごの下面に掛け
渡されたコンペンロープの振れを拘束するロープ振れ止
め装置において、 前記釣合いおもりの上下移動経路近傍に互いに対峙する
ように設置された取付け部材間に色の異なる二重の弾性
体が施された導電性フレームが電気絶縁部材を介して取
付けられ、当該導電性フレームと他の導電性フレームま
たは前記取付け部材との間の絶縁抵抗を計測し、この絶
縁抵抗に応じて前記ロープの接触位置の変更補修を含む
前記フレームの交換時期を検出することを特徴とするロ
ープ振れ止め装置の補修・交換時期検出方法。 - 【請求項12】 メインロープに釣り下げられる釣合い
おもりの上下移動経路近傍に互いに対峙する取付け部材
間に架設される二重の弾性体が施されたフレームを備え
たロープ振れ止め装置製造方法であって、 分割可能な注形型を縦方向に設定するステップと、 このステップによって縦方向に設定された前記注形型に
対し、前記下側層の弾性体となる前記金属製パイプ又は
当該金属製パイプが取付けられたフレームを挿通させる
ステップと、 このステップにより注形型に挿通させた注形型を含むフ
レームの周囲を高温槽またはヒータにより高温過熱する
ステップと、 このステップで高温過熱した状態で前記注形型と前記金
属製パイプとの隙間に前記上側層の弾性体となるウレタ
ンを注入し熱硬化させるステップとを有し、 この熱硬化後に前記注形型を取り外すことにより、前記
二重の弾性体が施されたフレームを製造することを特徴
とするロープ振れ止め装置の製造方法。
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