JP2003271040A - プロセスカートリッジ、プロセスカートリッジの再生方法、及びプロセスカートリッジの再生装置 - Google Patents

プロセスカートリッジ、プロセスカートリッジの再生方法、及びプロセスカートリッジの再生装置

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JP2003271040A
JP2003271040A JP2002072776A JP2002072776A JP2003271040A JP 2003271040 A JP2003271040 A JP 2003271040A JP 2002072776 A JP2002072776 A JP 2002072776A JP 2002072776 A JP2002072776 A JP 2002072776A JP 2003271040 A JP2003271040 A JP 2003271040A
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JP2002072776A
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English (en)
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Toshiaki Murofushi
利昭 室伏
Katsuhisa Arai
克久 荒井
Fumitaka Nakajima
文隆 中島
Hideo Katayama
英雄 片山
Kazunari Koga
一成 古賀
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Fuji Xerox Co Ltd
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    • G03G21/18Mechanical means for facilitating the maintenance of the apparatus, e.g. modular arrangements using a processing cartridge, whereby the process cartridge comprises at least two image processing means in a single unit
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    • B08BCLEANING IN GENERAL; PREVENTION OF FOULING IN GENERAL
    • B08B3/00Cleaning by methods involving the use or presence of liquid or steam
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄における作業環境を悪化させることな
く、プロセスカートリッジを再生することができるプロ
セスカートリッジの再生方法、それにより再生されるプ
ロセスカートリッジ、及びプロセスカートリッジの再生
装置を提供すること。 【解決手段】使用済みプロセスカートリッジを構成する
部材の筐体10を取出し、筐体10に水14を吹付けて
洗浄する等、水を用いてプロセスカートリッジを洗浄す
る水洗浄工程を有することを特徴とするプロセスカート
リッジの再生方法、それにより再生されるプロセスカー
トリッジ、及びプロセスカートリッジの再生装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に脱
着自在なプロセスカートリッジの再生方法、及びプロセ
スカートリッジ、プロセスカートリッジの再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置には、メンテナンス性、サ
ービス性の観点から、感光体をはじめとする帯電手段、
現像手段、クリーニング手段等の各種部材をハウジング
(筐体)に格納してユニット化したプロセスカートリッ
ジと呼ばれる着脱自在なものがある。
【0003】従来、プロセスカートリッジを再生する際
に、洗浄する方法としては、エアーブロー、エアー吸引
(集塵)やアルコールなどの溶剤によるふき取りが行な
われている。これは、エアーブローとエアー吸引では完
璧な清掃が難しかったため、アルコールなどの溶剤によ
る汚れ残りのふき取りが必要であったためである。
【0004】このような洗浄においては、エアーブロー
とエアー吸引ではトナーの飛び散りによる作業環境の悪
化を引き起こし易いという問題があり、アルコールなど
の溶剤を用いたふき取りでは、溶剤の揮発により作業環
境を悪化させるといった問題があり、改善が求められて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明の目的は、洗浄における作業環
境を悪化させることなく、プロセスカートリッジを再生
することができるプロセスカートリッジの再生方法、そ
れにより再生されるプロセスカートリッジ、及びプロセ
スカートリッジの再生装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、 <1>使用済みのプロセスカートリッジの再生方法であ
って、前記プロセスカートリッジを水で洗浄する水洗浄
工程を有することを特徴とするプロセスカートリッジの
再生方法。
【0007】<2>前記水洗浄工程において、トナーが
付着した前記プロセスカートリッジを洗浄することを特
徴とする前記<1>に記載のプロセスカートリッジの再
生方法。
【0008】<3>前記水の温度が30度〜65度であ
ることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のプロ
セスカートリッジの再生方法。
【0009】<4>前記水洗浄工程おいて、前記プロセ
スカートリッジに水を吹き付け、水圧をかけて洗浄する
ことを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載
のプロセスカートリッジの再生方法。
【0010】<5>吹付ける前記水の水圧が、196k
Pa〜980kPaであることを特徴とする前記<4>
に記載のプロセスカートリッジの再生方法。
【0011】<6>前記水洗浄工程で使用された前記水
から前記トナーを分離するトナー分離工程を有すること
を特徴とする前記<2>〜<5>のいずれかに記載のプ
ロセスカートリッジの再生方法。
【0012】<7>前記トナー分離工程において、水洗
浄後の前記水の上澄みを収集し、前記水とトナーとを分
離することを特徴とする前記<6>に記載のプロセスカ
ートリッジの再生方法。
【0013】<8>前記トナー分離工程で分離された前
記水を回収し、再び前記水洗浄工程で使用することを特
徴とする前記<6>又は<7>に記載のプロセスカート
リッジの再生方法。
【0014】<9>前記水洗浄工程後に、前記プロセス
カートリッジを乾燥する乾燥工程を有することを特徴と
する前記<1>〜<8>のいずれかに記載のプロセスカ
ートリッジの再生方法。
【0015】<10>前記乾燥工程において、前記プロ
セスカートリッジを、空気圧196kPa〜882kP
aでエアーブローして乾燥することを特徴とする前記<
9>に記載のプロセスカートリッジの再生方法。
【0016】<11>前記乾燥工程において、エアーブ
ロー温度が、40度〜90度であることを特徴とする前
記<10>に記載のプロセスカートリッジの再生方法。
【0017】<12>前記プロセスカートリッジが、少
なくとも電子写真感光体を含み、前記水洗浄工程前に前
記プロセスカートリッジから少なくとも前記電子写真感
光体を取り除く分解工程を有することを特徴とする前記
<1>〜<11>のいずれかに記載のプロセスカートリ
ッジの再生方法。
【0018】<13>前記プロセスカートリッジが、プ
ラスチックを主成分とする筐体を有し、前記プロセスカ
ートリッジからプラスチックを主成分とする筐体以外の
部材を取り除く分解工程を有することを特徴とする前記
<1>〜<11>のいずれかに記載のプロセスカートリ
ッジの再生方法。
【0019】<14>前記プラスチックを主成分とする
筐体が、電子写真感光材料周辺に設けられたプロセス手
段の少なくとも一つをユニット化する筐体であることを
特徴とする前記<13>に記載のプロセスカートリッジ
の再生方法。
【0020】<15>前記プロセスカートリッジが、ト
ナーを内部に保持するトナーボトルであることを特徴と
する前記<1>〜<11>に記載のプロセスカートリッ
ジの再生方法。
【0021】<16>前記プロセスカートリッジの構成
部材のうち少なくと1つの部材及び前記トナーが、疎水
性の熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする前記
<2>〜<15>のいずれかに記載のプロセスカートリ
ッジの再生方法。
【0022】<17>トナーが付着されたプラスチック
を主成分とする筐体を有するプロセスカートリッジにお
ける前記筐体を、水温30度以上の水で洗浄されて再生
されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0023】<18>前記筐体に、水を吹き付け、19
6kPa〜980kPaの水圧をかけて洗浄されたこと
を特徴とする前記<17>に記載のプロセスカートリッ
ジ。
【0024】<19>前記水の水温が30度〜65度で
あり、前記水により洗浄され再生された前記筐体が前記
水の熱による変形がないことを特徴とする前記<17>
又は<18>に記載のプロセスカートリッジ。
【0025】<20>前記筐体の外表面にラベルが添付
されてなり、再生された前記筐体の前記ラベル上に残留
する前記トナーがないことを特徴とする前記<17>〜
<19>のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【0026】<21>トナーが付着したプロセスカート
リッジを水で洗浄して、前記トナーを除去して再生する
プロセスカートリッジの再生装置であって、前記プロセ
スカートリッジに水を吹付ける水洗浄ノズルと、前記水
洗浄ノズルから吹付ける水の水圧を制御する水圧制御手
段と、前記水洗浄ノズルから吹付ける水の水温を制御す
る水温調整手段と、を備えることを特徴とするプロセス
カートリッジの再生装置。
【0027】<22>前記水圧制御手段により水圧を1
96kPa〜980kPaに制御され、前記水温調整手
段により水温を30度〜60度に調整されることを特徴
とする前記<22>に記載のプロセスカートリッジの再
生装置。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明のプロセスカートリッジの製造方法と共
に、本発明のプロセスカートリッジの説明も同時に行
う。
【0029】本発明のプロセスカートリッジの再生方法
は、使用済みプロセスカートリッジを水で洗浄する水洗
浄工程を有する。本発明のプロセスカートリッジの再生
方法では、洗浄工程として水洗浄を導入し、主に、プロ
セスカートリッジに付着したトナーを除去して再生する
方法であり、トナーの飛び散りや、溶剤揮発による洗浄
工程の環境悪化を防止することができる。通常、トナー
のような疎水性の熱可塑性樹脂材料(主に結着樹脂であ
るポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンブタ
ジエン共重合体、スチレン系モノマーとアクリル酸エス
テル若しくはメタクリル酸エステルとの共重合体等)が
主成分であるものが付着したものは、水で洗浄し難いと
考えられていたが、プロセスカートリッジの構成部材
(特に筐体)のような疎水性の熱可塑性材料(アクリロ
ニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ハイ
インパクトポリスチレン樹脂(HIPS)、ポリプロピ
レン(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリカーボ
ネート樹脂(PC)、ポリオキシメチレン樹脂(PO
M)、変性ポリフェニレンオキシド(変性PPO)、P
C−ABSなど)を主成分とするものにトナーが付着し
た場合でも、水による洗浄が効果的に行え、洗浄工程に
おける業環境を良好なもとすることができる。
【0030】本発明のプロセスカートリッジの再生方法
において、水洗浄の対象となるプロセスカートリッジ
は、電子写真感光体を含むカートリッジのみならず、電
子写真感光体を含まず現像ロールを含んだ現像ユニット
や、トナー供給を主目的としトナーを内部に保持するト
ナーボトルを含む。これらプロセスカートリッジは、画
像形成装置に着脱自在であり、一般的には、例えば電子
写真感光体と帯電手段、現像手段、クリーニング手段等
等の感光体周辺に設けられるプロセス手段の少なくとも
一つとを筐体により一体に支持しユニット化したカート
リッジ、現像ロール等の現像手段とトナー収容部とを主
として筐体によりユニット化したものが挙げられる。こ
こで、帯電手段としては、帯電ロール方式やコロトロン
方式などが挙げられるが、これらに限定するものではな
い。現像手段はキャリアを使用しない1成分現像方式や
キャリアを使用する2成分現像方式などが挙げられる
が、これらに限定するものではない。クリーニング方式
はドクターブレード方式やワイパーブレード方式やブラ
シ方式などが挙げられるが、これらに限定するものでは
ない。電子写真感光体は感光体ドラム方式や感光体ベル
ト方式などが挙げられるが、これらに限定するものでは
ない。
【0031】プロセスカートリッジの構成として具体的
には、例えば、電子写真感光体と帯電部材とクリーニン
グ部材を一つの筐体でユニット化したカートリッジや、
電子写真感光体、帯電部材、及びクリーニング部材を一
体とした筐体とトナー収納部及び現像ロールを一体とし
た現像筐体とをユニット化としたカートリッジや、電子
写真感光体、帯電部材、及びクリーニング部材を一体と
した筐体とトナー収容部を含むトナー収納筐体(トナー
ボトル)と現像ロールを含む現像筐体とをユニット化と
したカートリッジなどが挙げられ、また、トナー収納部
及び現像ロールを一つの筐体でユニット化したカートリ
ッジや、現像ロールを含まずトナーを内部に保持したト
ナーボトルも挙げられるが、これらに限定するものでは
ない。代表的なプロセスカートリッジの構成例として
は、特開2001−242692等に記載の像担持体
(感光体)を含む像担持体ユニットと現像器(現像ロー
ル)を含む現像ユニットが組み合わされたプロセスカー
トリッジや、現像ユニットに脱着可能な現像剤カートリ
ッジ(トナーボトル)が挙げられる。
【0032】本発明のプロセスカートリッジの再生方法
において、水洗浄工程前には、通常、水洗浄の対象とな
るプロセスカートリッジから非洗浄物を取り除く分解工
程が行われる。分解工程では、電子写真感光体を含む場
合、少なくとも電子写真感光体はプロセスカートリッジ
から取り除かれる、上述のように各部材を一体とする筐
体以外の部材を取り除くことが好適である。即ち、プロ
セスカートリッジのうち、洗浄対象となる部材は筐体で
あることがよい。これら筐体には、上述したようなユニ
ット化したカートリッジのうち、電子写真感光体や、帯
電部材、現像手段、クリーニング部材等を外した筐体部
分や、トナー収納筐体(トナーボトル)、現像筐体等が
含まれる。これらの筐体はプラスチックを主成分として
構成されているが、これに一部スポンジ類や金属類が残
っていても、洗浄効果が低下することはないので、これ
らスポンジ類や金属類は、分解工程において適宜残して
おくこともできる。
【0033】そして、分解工程により非洗浄物が取り除
かれたプロセスカートリッジを水で洗浄する水洗浄工程
が行われる。
【0034】水洗浄工程において使用される水として
は、制限はないが、例えば水道水、地下水、イオン交換
水、純水、超純水が挙げられる。これらに、適量であれ
ば、洗浄効果の向上を目的として、洗剤やアルコール等
の溶媒を含ませることもできる。
【0035】水洗浄工程において使用される水は一度だ
け使用して排水してもよいし、水の使用量と排出量を削
減するために回収・循環させて、再び水洗浄工程で利用
してもよい。水洗浄工程で使用した水には、洗浄により
プロセスカートリッジから除去されるトナーが含まれる
ため、排水する場合でも再利用する場合でも、洗浄後の
水とトナーとを分離する分離工程を行うことが好適であ
る。トナーは一般的に疎水性の熱可塑性樹脂を主成分
(主に結着樹脂成分)として構成されているため、水と
は分離し易く、回収した水の上澄みを取り除くことで、
容易に水とトナーとは分離され、水から容易にトナーを
収集することができる。また、トナーや他の異物を除去
する目的でフィルターに通過させることも行われる。ま
た、溶剤と違って水なので、廃水処理も簡単で、環境に
も優しく、処理コストも安い。
【0036】水洗浄工程において使用される水の温度
は、0度〜70度であることが好ましいが、水温が低い
と洗浄効率が下がり、水温が高すぎるとプラスチックを
主とする部材が変質しやすくなるので、より好ましくは
16度〜65度であり、さらに好ましく30度〜65度
であるり、さらに好ましくは、40度〜65度である。
【0037】水洗浄工程における水洗浄方法としては、
特に制限ないが、水を吹き付ける洗浄方法や、超音波洗
浄方法、界面活性剤洗浄方法等が挙げられるが、洗浄効
率や装置の簡略化など観点から、水を吹き付ける洗浄方
法が好適である。水を吹き付ける洗浄方法を適用する場
合、水圧は、特に制限ないが洗浄効果の観点から、19
6kPa〜980kPa(2kgf/cm2〜10kg
f/cm2)であることが好ましく、より好ましくは2
94kPa〜784kPa(3kgf/cm2〜8kg
f/cm2)であり、さらに好ましくは、392kPa
〜588kPa(4kgf/cm2〜6kgf/cm2
である。
【0038】また、通常、水はノズルから噴出させて吹
付けるが、上記水圧を保てれば、噴出形態を制限され
ず、直線的に吹付けても、放射状に吹付けてもよい。一
つのノズルよる吹付け面積が大きく、プラスチックを主
とする部材に水を多く吹付けられる観点からは、放射状
に吹付けることを好適である。また、プラスチックを主
とする部材を搬送装置で一方方向に或いは反復させて移
動させながら、水を吹付けることも、洗浄効率の観点か
ら好適に行われる。
【0039】水洗浄工程における洗浄時間は、水温や、
水を吹き付ける洗浄方法を適用する場合にはその水圧な
どにより適宜選択されるが、30秒〜30分程度であ
る。
【0040】本発明のプロセスカートリッジの再生方法
において、水洗浄工程終了後には、プロセスカートリッ
ジに付着している水を除去する必要があるため、通常、
乾燥工程が行われる。この乾燥工程としては、特に制限
はないが、放置して自然乾燥させてもよいし、エアーブ
ロー方式や、高温乾燥、低湿度で乾燥させてもよい。乾
燥時間の短縮のから、乾燥工程としてエアーブロー方式
を採用することが好適である。エアーブローの空気圧
は、特に制限は無いが、196kPa〜882kPa
(2kgf/cm2〜9kgf/cm2)が好ましく、空
気圧490kPa〜686kPa(5kgf/cm2
7kgf/cm2)がより好ましい。また、エアーブロ
ー温度は、特に制限なく、常温エアーを用いてもよい
し、高温エアーを用いてよいが、特に高温エアーを用い
ると乾燥時間が短縮できる観点から好適である。ただ
し、高温エアーを用いたエアーブロー温度は、100度
以下が好ましく、より好ましくは40度〜90度であ
る。また、エアーブローによる乾燥工程は複数回行って
もよく、後処理として部分的にエアーを吹付けてエアー
ブローによる乾燥を行ってもよい。
【0041】本発明のプロセスカートリッジの再生方法
において、水洗浄工程を行う前には、プロセスカートリ
ッジに付着しているトナーを自然落下させたり、エアー
ブローやエアー吸引を行うことが、洗浄効果を向上させ
る観点から好適である。また、水洗浄工程を行った後、
アルコールなどの溶剤による追加の溶剤洗浄を行っても
かまわない。これらのエアーブロー/エアー吸引/溶剤
洗浄を行っても、トナーや溶剤による作業環境の悪化
は、水洗浄工程を行わなかった場合に比べて大幅に低減
される。
【0042】本発明のプロセスカートリッジの再生方法
において、プラスチックを主とする部材は、水洗浄工程
を含む各洗浄工程を経て、再び、他の部材と共に組み立
てられてプロセスカートリッジとして再生される。
【0043】本発明のプロセスカートリッジの再生方法
においては、特に、水温30度以上の水で洗浄されるこ
とが洗浄効果の観点から好適であるが、また、水温の上
限は65度であることが、熱によるプロセスカートリッ
ジ(特に筐体)の変形を防止する観点で好適である。洗
浄水の水温30度以上であると、トナーの結着樹脂中の
低分子量成分が流動化しやすくなり、トナーが変形する
ためだと推測される。このとき、上述のように、196
kPa〜980kPaの水圧で水を吹付ける洗浄方式を
採用すると、この水圧によりトナーの変形が促進される
と推測され、より好適である。また、水温が30度以上
であると水の分子運動が適度に活発になることや、熱に
よりトナーの結着樹脂が膨張し、ガラス転移点に近くな
ると、結着樹脂の分子運動も盛んになることも付着した
トナーが除去し易くなる原因の一つと考えられる。さら
に、粉砕方法で製造されたトナーの場合には、トナーの
微小な割れ目に洗浄水が浸透すし、さらに水温30度以
上の洗浄水による熱が加われば、トナーの結着樹脂中の
低分子量成分が、流動化し変形した部分に、水の浸透が
促進されることも付着したトナー除去され易くなる原因
の一つと考えられる。
【0044】本発明においては、特に、上述のような水
温、水圧で水を吹付けることで、プロセスカートリッジ
(特に筐体)の熱による変形することなく、付着したト
ナーをプロセスカートリッジから除去することができ
る。また、プロセスカートリッジを構成する筐体の外表
面には、通常、その使用期間や注意事項などが記載され
たラベルが貼られている。このため、使用済みのプロセ
スカートリッジは、トナーによる内部の汚れだけでな
く、水洗浄工程を行う前におけるプロセスカートリッジ
の分解工程時や上述したようなプロセスカートリッジに
付着しているトナーを自然落下させたり、エアーブロー
やエアー吸引を行う際に、外表面にもトナーが付着する
ことが多く、当然ラベルにも付着する。このようなトナ
ーが付着したラベルにも、本発明においては、トナーが
除去され、残留することがなくなる。なお、トナーが残
留しないとは、指で触って指に付着しない程度であるこ
とをいう。
【0045】ここで、本発明のプロセスカートリッジの
再生方法における水洗浄工程の一例を、これに好適に用
いられる再生装置(本発明のプロセスカートリッジの再
生装置)と共に図面を参照して説明するが、これに限定
されるわけではない。なお、実質的に同様の機能を有す
るものには、全図面通して同じ符号を付して説明し、そ
の説明を省略する場合もある。
【0046】図1は、本発明のプロセスカートリッジの
再生方法における洗浄工程に用いられるプロセスカート
リッジの再生装置の一例を説明するための概要図であ
る。
【0047】図1に示す再生装置は、洗浄室12内に筐
体10に吹付ける水16を噴射するノズル14(水洗浄
ノズル)を備え、洗浄後の水16を回収するタンク20
と、回収された水16を再びノズル14から噴射可能に
循環させ、且つノズル14から噴射される水10の水圧
を制御するポンプ22(水圧制御手段)と、ノズル14
から噴射される水10の水温を調整するヒーター28
(水温調整手段)を備える。
【0048】図1に示す再生装置では、まず、使用済み
プロセスカートリッジからプラスチックを主成分とする
筐体10を取出し(分解工程)、筐体10を洗浄室12
に投入する。そして、ノズル14から水16を噴出さ
せ、筐体10に水を吹付けて、水洗浄を行う(洗浄工
程)。この際、ノズルからは放射状に水16を噴射さ
せ、筐体10に水を吹付けている。また、筐体10をコ
ンベア18により矢印に示すように反復移動させながら
水を吹付けることで、洗浄効率を高めている。ここで、
ポンプ22により上述した範囲のような適切な水圧にな
るように制御され、ヒーター28により上述した範囲の
ような適切な水温になるように調整されている。
【0049】吹付けた水16は、タンク20に回収し、
上澄みを取ったり、フィルターに通過させたりして、ト
ナーなどを除去し、ポンプ22を介して、再び、使用す
る。
【0050】そして、水洗浄を行った筐体10は、同じ
洗浄室12又は別室にてエアーブロー方式などを利用し
た乾燥が行われる(乾燥工程)。
【0051】本発明のプロセスカートリッジの再生方法
における洗浄工程に用いられるプロセスカートリッジの
再生装置の一例を説明するための概要図である。
【0052】図2に示す再生装置は、洗浄室12内に筐
体10に吹付ける水16を噴射するノズル14(水洗浄
ノズル)と、エアーブロ措置24を並列して備え、ノズ
ル14から噴射される水10の水圧を制御するポンプ2
2(水圧制御手段)と、ノズル14から噴射される水1
0の水温を調整するヒーター28(水温調整手段)を備
える。
【0053】図2に示す再生装置では、まず、使用済み
プロセスカートリッジからプラスチックを主成分とする
筐体10を取出し(分解工程)、コンベア18により筐
体10を洗浄室12まで搬送させ、図1で説明したよう
に水洗浄が行われる(水洗浄工程)。但し、筐体10は
搬送方向にそのまま移動させつつ水洗浄が行われる。そ
して、筐体10の搬送に伴い、水洗浄が終了し、続い
て、エアーブロー装置24により、エアー26を筐体1
0に吹付け、乾燥が行われる(乾燥工程)。その後、搬
送に伴い洗浄室12から排出される。
【0054】なお、図1〜2で示した水を噴出させるノ
ズル14の配設位置を、簡略化のためプラスチックを主
成分とする筐体10の上部に位置させて描いたが、ノズ
ル14は、筐体10の上部に限られるわけではなく、筐
体10の上部をはじめとして、側部や、装置の構成によ
っては下部から水が吹付けられるよう配置させることが
できる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体
的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制
限するものではない。
【0056】(実施例1)複写機機能とプリンター機能
を有する富士ゼロックス製DocuCentre705
で使用された、感光体ドラム(感光体)と帯電用コロト
ロン(帯電手段)とクリーニングブレード(クリーニン
グ手段)をユニット化したプロセスカートリッジを回収
し、感光体ドラム/帯電用コロトロン/クリーニングブ
レードなどの金属部品やスポンジ類を除去し、プラスチ
ック筐体(プラスチックを主とする部材)を取出した。
プラスチック筐体の内部に残ったトナーはエアー吸引で
容易に除去できるものを除去した。
【0057】そして、トナーが付着したプラスチック筐
体を、水洗浄装置にセットし、588kPa(6kgf
/cm2)の圧力にて、上下6本づつのノズルから55
度の温水を1分間吹付けた。そのあと、上下各6本/左
右各3本のノズルから686kPa(7kgf/c
2)の圧力にて常温のエアーを1分吹きつけた。その
後、プラスチック筐体を洗浄装置から取りだし、さら
に、686kPa(7kgf/cm2)の圧力で常温エ
アーを1分間吹付けてエアーブローを行い、部分的に残
った水を水を除去した。
【0058】この作業中、トナーの飛び散りは無く、洗
浄における作業環境は良好であった
【0059】洗浄乾燥を終えたプラスチック筐体の全長
を計測したところ、水洗浄前と同一寸法であった。ま
た、プラスチック筐体をプロセスカートリッジの組立工
程に投入し、プロセスカートリッジを組立て、クリーニ
ングブレードの食い込み量を計測したところ、新品筐体
での食い込み量と同一であった。さらに、富士ゼロック
ス製DocuCentre705にてコピーサンプルを
とったが、像濃度/非画像部の状態など画質評価結果は
すべて新品と同一であった。
【0060】(実施例2)複写機機能とプリンター機能
とファックス機能を有する富士ゼロックス製DocuC
entre400FSに使用された、感光体、帯電部
材、及びクリーニング部材を一体とした筐体とトナー収
納部を含む現像筐体とをユニット化したプロセスカート
リッジを回収し、クリーニング部材を有する方の筐体と
現像筐体と分離し、さらに各筐体から感光体ドラム/帯
電ロール/クリーニングブレード/現像ロール/現像ブ
レード/感光体カバー等を外したあと、ネジ止めにて取
りつけてあったカバー類を外して、プラスチック筐体
(プラスチックを主とする部材)を取出した。プラスチ
ック筐体には、一部スポンジ類や金属類がついたまま
で、内部に残ったトナーは筐体を逆さまにして自然落下
させた。
【0061】そして、コンベア付きで水洗浄工程とエア
ーブロー工程を別々に持つ水洗浄装置にプラスチック筐
体を投入し、上下各8本/左右各2本のノズルから40
度の温水を392kPa(4kgf/cm2)の圧力で
放射状に吹付けられる状態にして2分かけて搬送と共に
通過させた。その後、常温のエアーを490kPa(5
kgf/cm2)の圧力で吹付けられる状態にして2分
かけて搬送と共に通過させた。その後、プラスチック筐
体を洗浄装置から取りだし、さらに490kPa(5k
gf/cm2)の圧力で、70度の高温エアーを1分間
吹付けてエアーブローを行い、部分的に残った水を除去
した。
【0062】この作業中、トナーの飛び散りは無く、洗
浄における作業環境は良好であった
【0063】洗浄乾燥を終えたプラスチック筐体の全長
を計測したところ、水洗浄前と同一寸法であった。ま
た、プラスチック筐体をプロセスカートリッジの組立工
程に投入し、プロセスカートリッジを組立て、クリーニ
ングブレードの食い込み量を計測したところ、新品筐体
での食い込み量と同一であった。さらに富士ゼロックス
製DocuCentre400FSにてコピーサンプル
をとったが、像濃度/非画像部の状態など画質評価結果
はすべて新品と同一であった。
【0064】
【発明の効果】以上、本発明によれば、洗浄における作
業環境を悪化させることなく、プロセスカートリッジを
再生することができるプロセスカートリッジの再生方
法、それにより再生されるプロセスカートリッジ、及び
プロセスカートリッジの再生装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプロセスカートリッジの再生方法に
おける洗浄工程に用いられるプロセスカートリッジの再
生装置の一例を説明するための概要図である。
【図2】 本発明のプロセスカートリッジの再生方法に
おける洗浄工程に用いられるプロセスカートリッジの再
生装置の他の一例を説明するための概要図である。
【符号の説明】
10 筐体 12 洗浄室 14 ノズル 16 水 18 コンベア 20 タンク 22 ポンプ 24 エアーブロー装置 26 エアー 28 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 文隆 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 片山 英雄 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 古賀 一成 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H171 FA02 FA26 GA18 GA19 JA23 JA27 JA29 JA31 JA53 JA58 QB02 QB03 QB31 QC22 QC23 UA03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済みのプロセスカートリッジの再生
    方法であって、 前記プロセスカートリッジを水で洗浄する水洗浄工程を
    有することを特徴とするプロセスカートリッジの再生方
    法。
  2. 【請求項2】 前記水洗浄工程において、トナーが付着
    した前記プロセスカートリッジを洗浄することを特徴と
    する請求項1に記載のプロセスカートリッジの再生方
    法。
  3. 【請求項3】 前記水の温度が30度〜65度であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセスカート
    リッジの再生方法。
  4. 【請求項4】 前記水洗浄工程おいて、前記プロセスカ
    ートリッジに水を吹き付け、水圧をかけて洗浄すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス
    カートリッジの再生方法。
  5. 【請求項5】 吹付ける前記水の水圧が、196kPa
    〜980kPaであることを特徴とする請求項4に記載
    のプロセスカートリッジの再生方法。
  6. 【請求項6】 前記水洗浄工程で使用された前記水から
    前記トナーを分離するトナー分離工程を有することを特
    徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のプロセスカー
    トリッジの再生方法。
  7. 【請求項7】 前記トナー分離工程において、水洗浄後
    の前記水の上澄みを収集し、前記水とトナーとを分離す
    ることを特徴とする請求項6に記載のプロセスカートリ
    ッジの再生方法。
  8. 【請求項8】 前記トナー分離工程で分離された前記水
    を回収し、再び前記水洗浄工程で使用することを特徴と
    する請求項6又は7に記載のプロセスカートリッジの再
    生方法。
  9. 【請求項9】 前記水洗浄工程後に、前記プロセスカー
    トリッジを乾燥する乾燥工程を有することを特徴とする
    請求項1〜8のいずれかに記載のプロセスカートリッジ
    の再生方法。
  10. 【請求項10】 前記乾燥工程において、前記プロセス
    カートリッジを、空気圧196kPa〜882kPaで
    エアーブローして乾燥することを特徴とする請求項9に
    記載のプロセスカートリッジの再生方法。
  11. 【請求項11】 前記乾燥工程において、エアーブロー
    温度が、40度〜90度であることを特徴とする請求項
    10に記載のプロセスカートリッジの再生方法。
  12. 【請求項12】 前記プロセスカートリッジが、少なく
    とも電子写真感光体を含み、前記水洗浄工程前に前記プ
    ロセスカートリッジから少なくとも前記電子写真感光体
    を取り除く分解工程を有することを特徴とする請求項1
    〜11のいずれかに記載のプロセスカートリッジの再生
    方法。
  13. 【請求項13】 前記プロセスカートリッジが、プラス
    チックを主成分とする筐体を有し、前記プロセスカート
    リッジからプラスチックを主成分とする筐体以外の部材
    を取り除く分解工程を有することを特徴とする請求項1
    〜11のいずれかに記載のプロセスカートリッジの再生
    方法。
  14. 【請求項14】 前記プラスチックを主成分とする筐体
    が、電子写真感光材料周辺に設けられたプロセス手段の
    少なくとも一つをユニット化する筐体であることを特徴
    とする請求項13に記載のプロセスカートリッジの再生
    方法。
  15. 【請求項15】 前記プロセスカートリッジが、トナー
    を内部に保持するトナーボトルであることを特徴とする
    請求項1〜11に記載のプロセスカートリッジの再生方
    法。
  16. 【請求項16】 前記プロセスカートリッジの構成部材
    のうち少なくと1つの部材及び前記トナーが、疎水性の
    熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項2
    〜15のいずれかに記載のプロセスカートリッジの再生
    方法。
  17. 【請求項17】 トナーが付着されたプラスチックを主
    成分とする筐体を有するプロセスカートリッジにおける
    前記筐体を、水温30度以上の水で洗浄されて再生され
    たことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 【請求項18】 前記筐体に、水を吹き付け、196k
    Pa〜980kPaの水圧をかけて洗浄されたことを特
    徴とする請求項17に記載のプロセスカートリッジ。
  19. 【請求項19】 前記水の水温が30度〜65度であ
    り、前記水により洗浄され再生された前記筐体が前記水
    の熱による変形がないことを特徴とする請求項17又は
    18に記載のプロセスカートリッジ。
  20. 【請求項20】 前記筐体の外表面にラベルが添付され
    てなり、再生された前記筐体の前記ラベル上に残留する
    前記トナーがないことを特徴とする請求項17〜19の
    いずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  21. 【請求項21】 トナーが付着したプロセスカートリッ
    ジを水で洗浄して、前記トナーを除去して再生するプロ
    セスカートリッジの再生装置であって、 前記プロセスカートリッジに水を吹付ける水洗浄ノズル
    と、 前記水洗浄ノズルから吹付ける水の水圧を制御する水圧
    制御手段と、 前記水洗浄ノズルから吹付ける水の水温を制御する水温
    調整手段と、 を備えることを特徴とするプロセスカートリッジの再生
    装置。
  22. 【請求項22】 前記水圧制御手段により水圧を196
    kPa〜980kPaに制御され、前記水温調整手段に
    より水温を30度〜60度に調整されることを特徴とす
    る請求項22に記載のプロセスカートリッジの再生装
    置。
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