JP2004283675A - 洗浄装置、カートリッジ再生方法、およびカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄物にドライアイス粉体を含むガスを噴射して該洗浄物を洗浄する洗浄装置等に関し、作業環境の悪化を抑え、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄する。
【解決手段】ドライアイス粉体を含むガスを噴射する噴射ノズル971と、噴射ノズル971に、ドライアイス粉体およびガスを供給する供給部94,96とを備え、噴射ノズル971が、ドライアイス粉体を含むガスを0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力で噴射するものである。
【選択図】 図6
【解決手段】ドライアイス粉体を含むガスを噴射する噴射ノズル971と、噴射ノズル971に、ドライアイス粉体およびガスを供給する供給部94,96とを備え、噴射ノズル971が、ドライアイス粉体を含むガスを0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力で噴射するものである。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄物にドライアイス粉体を含むガスを噴射して該洗浄物を洗浄する洗浄装置、その洗浄装置を用いてカートリッジを洗浄しカートリッジを再生するカートリッジ再生方法、およびそのカートリッジ再生方法によって再生されたカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真プロセスを応用した複写機やプリンタなどの画像形成装置では、感光体表面に現像像を得るため、まず、回転する感光体を帯電装置により帯電させる。続いて、帯電された感光体を像露光することにより、その感光体表面に静電潜像を形成する。次に、現像装置内に収納されたトナーを感光体に転移させることにより感光体上の静電潜像を現像して感光体上にトナー像を形成する。さらに、感光体上に形成されたトナー像を、所定の記録媒体上に転写して定着することにより記録媒体上に画像を最終的に形成する。一方、トナー像の記録媒体への転写後、感光体上に残留した転写残トナーは、クリーニング装置により清掃される。
【0003】
ここで、感光体、帯電装置、現像装置、あるいはクリーニング装置は、一定期間使用すると、交換する必要が生じ、また、現像装置に備えられている、トナーを収納したトナー収容体も、一定期間使用すると、トナーの補充を行う必要が生じる。
【0004】
そこで、これらの装置等の、画像形成装置からの取り外しおよび画像形成装置への取り付けを容易にするため、感光体、帯電装置、現像装置、およびクリーニング装置の4つの装置を一つの筐体内に収納してカートリッジ化したものや、これら4つの装置から現像装置を除いた3つの部材を同じようにしてカートリッジ化したもの等がある。また、トナー収容体をカートリッジ化したものもある。
【0005】
ところで、従来より、画像形成装置に限らず事務機器や電気機器等でも、構成部材のカートリッジ化は行われている。これらの機器から取り外されたカートリッジでは、交換の必要がある部材は取り除かれ、残った部材は洗浄して再利用される。ここでの洗浄方法としては、エアーブロー、エアー吸引やアルコールなどの溶剤によるふき取りが行なわれている。ところが、従来から行なわれているエアーブローやエアー吸引では、完璧な洗浄が難しくアルコールなどの溶剤によるふき取りを併せて行う必要があり、二度手間になる。また、画像形成装置に装着されていたカートリッジを例にあげると、カートリッジの筐体や、その筐体に取り付けられていた小物類等は再利用ため洗浄されることが多いが、筐体や小物類等にはトナーが付着しており、エアーブローでは、付着していたトナーが周囲に飛び散り、作業環境を悪化させやすい。さらに、アルコールなどの溶剤によるふき取りも、溶剤の臭気によって作業環境を悪化させる。
【0006】
そこで、作業環境の悪化を抑え、効率よく洗浄を行うことができる洗浄装置として、洗浄物にドライアイス粉体を噴射するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−177828号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カートリッジの筐体に取り付けられている小物類等の中には、剛性の低い部材があることもあり、特許文献1に記載された洗浄装置を用いて洗浄を行うと、その剛性の低い部材が、噴射されたドライアイス粉体で変形してしまい、再利用することができなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、作業環境の悪化を抑え、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる洗浄装置、その洗浄装置を用いてカートリッジを洗浄しカートリッジを再生するカートリッジ再生方法、およびそのカートリッジ再生方法によって再生されたカートリッジを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のうちの洗浄装置は、洗浄物にドライアイス粉体を含むガスを噴射してその洗浄物を洗浄する洗浄装置において、
ドライアイス粉体を含むガスを噴射する噴射ノズルと、
上記噴射ノズルに、ドライアイス粉体およびガスを供給する供給部とを備え、上記噴射ノズルが、ドライアイス粉体を含むガスを0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力で噴射するものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の洗浄装置によれば、上記噴射ノズルの噴射圧力を0.2MPa以上0.5MPa以下の範囲内にしたことで、洗浄物の、剛性が低い部分の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる。すなわち、その噴射圧力が、0.2MPa未満では、付着物等を完全に除去することができす、反対に0.5MPaより大きいと、剛性が低い部材が変形してしまう。なお、上記噴射ノズルから噴射されたドライアイス粉体が洗浄物に衝突すると、衝突したドライアイス粉体が気化する。このドライアイス粉体が気化することで、付着物の除去が促進され、さらには、そのメカニズムは明らかでないが、除去された付着物が周囲に飛び散ることが抑えられる。このようなドライアイス粉体の気化効果を最大限に発揮させるには、ドライアイス粉体の粒径を0.1mm以上1.0mm以下にすることが好ましい。
【0012】
また、本発明の洗浄装置において、上記噴射ノズルが、ドライアイス粉体を含むガスを0.2m3/min以上0.7m3/min以下の風量で噴射するものであることが好ましい。
【0013】
圧力だけでなく風量もこのようにすることで、より確実に、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる。
【0014】
上記目的を達成する本発明のうちのカートリッジ再生方法は、所定の移動方向に移動する被帯電体上に電荷を与えその被帯電体上の電荷によってトナーの移動を制御するプロセスを含む画像形成プロセスを経て最終的に記録媒体上にトナー像を転写および定着することによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に装着される、上記画像形成プロセスの実施中に内部でトナーの移動が生じる筐体と、その筐体に取り付けられた複数の部材とかなるカートリッジを再生するカートリッジ再生方法において、
上記画像形成装置に装着されていたカートリッジの筐体から、上記複数の部材のうちの一部の部材を取り外す分解工程と、
上記分解工程で一部の部材が取り外された筐体と、その筐体に取り付けられたままの部材との双方を洗浄物とし、その洗浄物に、0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、その洗浄物を洗浄する洗浄工程と、
上記洗浄工程で洗浄された洗浄物を用いて、上記カートリッジを組立てる組立工程とを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のカートリッジ再生方法において、上記洗浄工程が、フィルム類およびスポンジ類のうち少なくともいずれか一方を備えた洗浄物を洗浄する工程であってもよい。
【0016】
本発明のカートリッジ再生方法によれば、とくに変形しやすい、フィルム類やスポンジ類であっても、その形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる。
【0017】
さらに、本発明のカートリッジ再生方法において、上記洗浄工程が、上記洗浄物に、0.2m3/min以上0.7m3/min以下の風量に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、その洗浄物を洗浄する工程であることが好ましい。
【0018】
上記目的を達成する本発明のうちのカートリッジは、本発明のカートリッジ再生方法を実施することで再生されたものであることを特徴とするカートリッジ。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
まず、本発明のうちのカートリッジの一実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態のカートリッジが取り付けられた画像形成装置としてのデジタルプリンタの内部構造を示す模式図である。
【0022】
図1に示すデジタルプリンタ1は、図示しないパーソナルコンピュータや画像読取装置等から送られてくる画像情報に基づいて、一連の画像形成プロセスを実行することにより、画像を形成する。このデジタルプリンタ1の本体1aの内部には、図1に示すように、感光体ドラム3、現像装置5等の画像形成部材を一体的にユニット化したプロセスカートリッジ2が配設されている。このプロセスカートリッジ2は、プラスチック製の筐体2aを備えており、この筐体2aが、本体1aに対して着脱自在に装着される。
【0023】
図2は、図1に示すプロセスカートリッジを拡大して示した図である。
【0024】
プロセスカートリッジ2の筐体2aには、図2及び図3に示すように、像担持体としての感光体ドラム3と、帯電手段としての帯電ロール4と、現像手段としての現像装置5と、ドクターブレード方式を採用したクリーニング装置6とが取り付けられている。なお、像担持体としては感光体ベルト等であってもよく、帯電手段としてはコロトロン方式を採用した帯電装置等であってもよい。また、クリーニング装置6としては、ワイパーブレード方式を採用したものや、あるいはブラシ方式を採用したもの等であってもよい。
【0025】
図2に示す感光体ドラム3としては、例えば、有機光導電体(OPC)からなるものが用いられ、この感光体ドラム3は、図示しない駆動手段により矢印方向に沿って、所定の回転速度で駆動されるようになっている。この感光体ドラム3の表面は、帯電ロール4によって所定の電位に一様に帯電された後、露光手段としてのROS(Raster Output Scanner)7(図1参照)によって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が感光体ドラム3の表面に形成される。図1に示すROS7は、画像処理装置8で所定の画像処理が施された画像情報に基づくレーザービームLBを、コリメータレンズ、反射ミラー、ポリゴンミラー、f−θレンズ等からなる結像光学系を介して、感光体ドラム3上に走査露光することにより、感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、一成分現像剤(トナー)を収容した現像装置5によって現像され、トナー像になる。なお、現像装置5としては、二成分現像剤を使用したものであってもよい。
【0026】
感光体ドラム3上に形成されたトナー像は、図1に示す、転写手段としての転写ロール9によって、記録媒体としての記録用紙10上に転写される。この記録用紙10は、フィードロール11によって給紙カセット12から給紙され、分離ロール13とリタードロール14によって1枚ずつ分離された状態でレジストロール15まで搬送され、一旦停止される。そして、レジストロール15まで搬送された記録用紙10は、トナー像が形成された感光体ドラム3の回転に同期して、レジストロール15により感光体ドラム3の表面に搬送され、記録用紙10上には、トナー像が感光体ドラム3から転写ロール9によって転写される。
【0027】
トナー像が転写された記録用紙10は、感光体ドラム3から分離された後、図1に示す定着装置16へ搬送される。定着装置16へ搬送された記録用紙10は、定着装置16の加熱ロール17と加圧ロール18によって、熱及び圧力でトナー像が定着され、排出ロール19によって本体1aの上部に設けられた排紙トレイ20上に排出され、一連の画像形成プロセスが終了する。一方、トナー像の転写が終了した後の感光体ドラム3の表面は、クリーニング装置6によって残留トナーが除去される。このクリーニング装置6による残留トナーの除去も、一連の画像形成プロセスに含まれる。
【0028】
図2に示すプロセスカートリッジ2は、上部カートリッジ21と、下部カートリッジ22とから構成されており、図2では、これら2つのカートリッジ21,22が連結されているが、これら2つのカートリッジ21,22は分離可能である。
【0029】
図3は、上部カートリッジと下部カートリッジとが分離した状態を示す斜視図であり、図4は、上部カートリッジと下部カートリッジが連結した状態を示す斜視図である。
【0030】
図2に示す上部カートリッジ21と下部カートリッジ22はいずれも、プラスチック製の筐体21a,22aを備えており、これらの筐体21a,22aの表面には、図3に示すように、いくつかのラベル20が貼り付けられている。上部カートリッジ21の筐体21aには、図2に示す感光体ドラム3と、帯電ロール4と、クリーニング装置6が取り付けられている。一方、下部カートリッジ22は、現像装置5そのものを構成するようになっており、下部カートリッジ22の筐体22a内には、現像ロール27等が取り付けられている。また、これらの筐体21a,22aの内部には、様々な細かな金属部品が取り付けられている。
【0031】
また、両者の筐体21a,21bには、図3に示すように、幅方向の両端部それぞれに係合部23、24が設けられている。上部カートリッジ21と下部カートリッジ22は、図4に示すように、これらの係合部23、24に係合ピン25が挿入されることで連結される。また、図3に示すように、下部カートリッジ22の筐体22aは上蓋221を有し、この上蓋221の表面には、スプリング26が設けられている。上部カートリッジ21は、このスプリング26よって上方に向けて付勢され、図2に示す感光体ドラム3と、現像ロール27の両端部に設けられた不図示のトラッキングロールとが、所定の圧力(例えば、片側2kg)で圧接するように構成されている。さらに、この上蓋221の表面には、図1に示すROS7から照射されるレーザービームLBを、感光体ドラム3の表面に露光するための照射スペース29が、略扇形状に設けられている(図3参照)。また、密封性を高めるため、この上蓋221の裏面には、蓋の周囲を囲むように、スポンジからなるシール部材(不図示)が取り付けられている。
【0032】
上部カートリッジ21の筐体21aには、図2に示す感光体ドラム3が回転可能に取り付けられており、この感光体ドラム3の近傍には、帯電ロール4が設けられているとともに、クリーニング装置6のクリーニングブレード31が設けられている。また、クリーニング装置6は、クリーニングブレード31によって除去された回収トナーを搬送する回収トナー搬送部材32と、その回収トナー搬送部材32によって搬送されてきた回収トナーを収容する、上部カートリッジ21の殆どを占める回収トナー収容室33とを備えている。さらに、クリーニングブレード31よりも、感光体ドラム3の回転方向上流側には、フィルム状のシール部材35が取り付けられている。このシール部材35は、回収トナーが感光体ドラム3の回転方向上流側に逆戻りすることを防止するためのものである。またさらに、上部カートリッジ21には、感光体ドラム3の表面の一部を覆うカバー34が開閉自在に設けられている。このカバー34は、プロセスカートリッジ2が図1に示す本体1aから取り外された状態では、図2に示すように、感光体ドラム3の表面の一部を覆い、感光体ドラム3が外部の光により露光されることで劣化してしまうことを防止している。一方、カバー34は、プロセスカートリッジ2が図1に示すように本体1a内の所定位置に装着された状態では、下部カートリッジ22側へ移動し、感光体ドラム3の表面の一部が転写ロール9に対向する。
【0033】
図3に示すように、上部カートリッジ21の筐体21aも上蓋211を有し、密封性を高めるため、この上蓋211の裏面にも、蓋の周囲を囲むように、スポンジからなるシール部材(不図示)が取り付けられている。また、上部カートリッジ21の上蓋211を外すと、図2に示す回収トナー搬送部材32や回収トナー収容室33にアクセスすることができる。さらに、上部カートリッジ21の筐体21aの底面側は開口しており、感光体ドラム3や帯電ロール4には、この底面側からアクセスすることができる。
【0034】
下部カートリッジ22の筐体22aには、図2に示す現像ロール27が回転自在に取り付けられており、下部カートリッジ22の上から上部カートリッジ21が取り除かれると、現像ロール27にアクセスすることができる。この現像ロール27の表面には、その表面に形成されるトナー層の厚さを規制する層厚規制部材36が当接している。現像ロール27の背面側には、現像ロール27の表面にトナーを供給するトナー供給部材37が、回転可能に配備されている。このトナー供給部材37の背面側には、この下部カートリッジ22の大部分を占めるトナー収容部39が設けられており、下部カートリッジ22の筐体22a内の、トナー供給部材37が配備された空間と、トナー収容部39の空間とは、トナー供給用の開口部38でつながっている。トナー収容部39には、トナー(図示省略)が収容されている。下部カートリッジ22の筐体22aの、トナー収容部39を画定する部分の底面40の形状は、断面略円弧状の部分を2つ連ねた形状であり、ここでは、現像ロール27側の断面略円弧状の部分を第1トナー収容部41と称し、奥側の断面略円弧状の部分を第2トナー収容部42と称することにする。第1トナー収容部41と第2トナー収容部42との境には、トナー収容部39に新たなトナーを補充するためのトナー補充口46(図3参照)が設けられている。図2に示すトナー収容部39の内部には、収容されたトナーを撹拝しつつ第2トナー収容部42から第1トナー収容部41へと順次搬送するトナー撹拝搬送部材43、44がそれぞれ配設されている。したがって、現像装置5内でのトナーの流れは、第2トナー収容部42→第1トナー収容部41→開口部38→トナー供給部材37→現像ロール27になる。なお、第1トナー収容部41の底面には、図2に示すように、トナーの有無を検知するトナーセンサ45が設けられている。
【0035】
下部カートリッジ22の上蓋221を外すと、トナー供給部材37やトナー撹拝搬送部材43、44にアクセスすることができる。
【0036】
以上説明した上部カートリッジ21、および下部カートリッジ22はいずれも、本発明にいうカートリッジの一例に相当するものであり、これら2つのカートリッジ21,22から構成されるプロセスカートリッジ2も、本発明にいうカートリッジの一例に相当する。
【0037】
感光体ドラム3等の部材が寿命に達した場合には、図1に示すプロセスカートリッジ2を本体1aから取り外し、新たなプロセスカートリッジ2と交換する。取り外されたプロセスカートリッジ2は、以下に説明する再生方法によって再生される。
【0038】
図5は、本発明のうちのカートリッジ再生方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0039】
本実施形態のカートリッジ再生方法は、分解工程S1、洗浄工程S2、および組立工程S3をこの記載順に実施する方法である。
【0040】
図5に示す分解工程S1では、本体1aから取り外されたプロセスカートリッジ2を、まず、上部カートリッジ21と下部カートリッジ22に分離し、各カートリッジの上蓋211,221を取り外す。次に、各筐体21a,22aから、交換が必要な部材を取り外す。ここでは、上部カートリッジ21からは、図3に示すラベル20、図2に示すフィルム状のシール部材35、上蓋211の裏面に取り付けられたスポンジからなるシール部材(不図示)、および細かな金属部品等を残して、図2に示す感光体ドラム2、帯電ロール4、およびクリーニングブレード31等を取り外す。また、下部カートリッジ22からは、図3に示すラベル20、上蓋221の裏面に取り付けられたスポンジからなるシール部材(不図示)、および細かな金属部品等を残して、図2に示す現像ロール27やトナー供給部材37等を取り外す。各筐体21a,22aや各筐体21a,22aに取り付けられている部材には、本体1a内におけるトナーの飛散によりトナーが付着していたり、本体1a内に設けられた電気回路で発生する静電気により塵埃が吸着していたりする。
【0041】
図5に示す洗浄工程S2では、各筐体21a,22aと各筐体21a,22aに取り付けられたままの部材との双方に、0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、各筐体21a,22aおよびこれらの部材を洗浄する。ドライアイス粉体が洗浄物に衝突すると、衝突したドライアイス粉体が気化し、この気化により付着物の除去が促進される。この洗浄工程S2における洗浄についての詳しい説明は後述する。
【0042】
図5に示す組立工程S3では、分解工程S1で取り外した部材の新品部材を用意し、洗浄工程S2で洗浄した筐体および部材と、用意した新品部材とを用いて、各カートリッジ21,22を組み立てる。また、図3に示すトナー補充口46からトナーを補充する。その後、上部カートリッジ21と下部カートリッジ22を連結させ、図2に示すプロセスカートリッジ2を得る。
【0043】
こうして再生されたプロセスカートリッジ2は、プロセスカートリッジを交換する際に、新たなプロセスカートリッジとして使用される。
【0044】
続いて、本発明のうちのの一実施形態について説明する。
【0045】
図6は、本実施形態の洗浄装置の概略構成を示す図である。
【0046】
図6に示す洗浄装置90は、図5に示す洗浄工程S2における洗浄作業に用いられる。この洗浄装置9は、ホッパ91、フィーダ92、粉砕器93、ドライアイス供給管94、ガス調整装置95、ガス供給管96、および洗浄ガン97を備えている。
【0047】
図6に示すホッパ91は、上方に向けて開口しており、その開口は、断熱材からなる蓋体911で覆われている。また、このホッパ91の周囲も、断熱材によって覆われている。ホッパ91の底部は、フィーダ92につながっている。ホッパ91には、大粒のドライアイスペレットが投入される。ホッパ91内には、モータ912,913によってそれぞれ回転する2つの撹拌羽根914,915が配備されている。これら2つの撹拌羽根914,915のうちの一方の撹拌羽根914は、ホッパ91の底部を撹拌するものであり、もう一方の撹拌羽根915はホッパ91の中央部を撹拌するものである。ホッパ91内に投入されたドライアイスペレットは、これら2つの撹拌羽根914,915によって撹拌されながら、徐々にフィーダ92に送り込まれる。
【0048】
図6に示すフィーダ92は、モータ921によって回転するスクリュー922を有する。フィーダ92に送り込まれたドライアイスペレットは、このスクリュー922によってさらに搬送され、粉砕器93に到達する。
【0049】
図6に示す粉砕器93は、大粒のドライアイスペレットを直径0.3mm程度の微小な粒に粉砕する。すなわち、この粉砕器93では、大粒のドライアイスペレットを粉砕し、ドライアイス粉体にする。粉砕器93と洗浄ガン97はドライアイス供給管94で繋がれており、ドライアイス粉体は、このドライアイス供給管94を通って洗浄ガン97に供給される。
【0050】
また、図6に示すガス調整装置95には、不図示のコンプレッサから空気が導入される。このガス調整装置95と洗浄ガン97はガス供給管96で繋がれており、ガス調整装置95は、洗浄ガン97に供給するガスの圧力および風量を調整する。また、ガス調整装置95は、ガスの温度も、マイナス25℃以上マイナス20℃以下になるように調整する。
【0051】
図6に示す洗浄ガン97には、ドライアイス粉体を含むガスを噴射する噴射ノズル971と、この噴射ノズル971からの噴射のオン/オフを切り替えるトリガ972が設けられている。トリガ972が操作され、ガス供給管96を通って送られてきたガスが噴射ノズル971から噴射されると負圧が生じ、ドライアイス供給管94からドライアイス粉体が吸い出され、噴射ノズル971からは、ドライアイス粉体を含むガスが噴射される。この噴射ノズル971から噴射される、ドライアイス粉体を含むガスの圧力は、ガス調整装置95により0.2MPaから0.5MPaの範囲に入るように制御されているとともに、そのガスの風量も0.2m3/minから0.7m3/minの範囲に入るように制御されている。噴射圧力が、0.2MPa未満では、付着したトナー等を完全に除去することができす、反対に0.5MPaより大きいと、図3に示すラベル20や、図2に示すフィルム状のシール部材35や、上蓋211,221の裏面に取り付けられたスポンジからなる不図示のシール部材や、細かな金属部品といった剛性が低い部材が変形してしまう。また、風量についても同様なことがいえ、0.2m3/min未満では、トナー等を完全に除去することができす、0.7m3/minより大きいと、剛性が低い部材が変形してしまう。また、噴射ノズル971から噴射されるガスに含まれているドライアイス粉体の大きさも、剛性が低い部材の形状を損なわずに付着したトナー等を完全に除去することに関係し、ここでは、噴射ノズル971から噴射されるガスに、直径0.3mm程度の微小なドライアイスの粒を含ませているが、直径が0.1mm以上1.0mm以下のドライアイスの粒を含ませてもよい。
【0052】
図5に示す洗浄工程S2では、作業者が、図6に示す洗浄ガン97を手に持ち、手作業で洗浄作業を行うが、自動化することもできる。
【0053】
図7は、図1に示す画像形成装置とは異なるタイプの画像形成装置に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを示す斜視図である。
【0054】
図7に示すトナーカートリッジ8の中にはトナーが収納される。このトナーカートリッジ8は円筒状の筐体81を備えている。この筐体81の周壁の長手方向一端側には、トナー排出口811が設けられている。また、筐体81の周壁の、トナー排出口811近傍には、トナー排出口811を開閉時債に覆うシャッタ部材82が取り付けられている。さらに、筐体81の内部には、ワイヤを螺旋状に巻いたアジテータ83が回転自在に取り付けられている。アジテータ83は、画像形成装置に備えられた不図示のモータによって回転させられるものであり、筐体81の一方の端面81aには、アジテータ83とこのモータを連結し、モータの回転力をアジテータ83に伝えるカップリング部材84が配備されている。カップリング部材84は、筐体81の端面81aを貫通しており、密閉性を確保するため、カップリング部材84の周囲にはシール部材85が取り付けられている。また、筐体81の他方の端面81bは取り外し自在な蓋体86になっている。
【0055】
画像形成装置に取り付けられたトナーカートリッジ8では、アジテータ83が回転することで、収納されたトナーが撹拌されながらトナー排出口811に向かって搬送されトナー排出口811から排出される。排出されたトナーは、トナー供給部材によって現像ロールに供給される。
【0056】
図7に示すトナーカートリッジ8も、本発明にいうカートリッジの一例に相当する。
【0057】
トナーカートリッジ8内のトナーがなくなると、画像形成装置からトナーカートリッジ8を取り外し、新たなトナーカートリッジに交換する。取り外されたトナーカートリッジ8は、図5に示すカートリッジ再生方法が実施されることで再生される。すなわち、ここでは、分解工程S1において、トナーカートリッジ8の筐体81から、蓋体86とシャッター部材82を取り外す。なお、アジテータ83を取り外すことができるトナーカートリッジ8であれば、アジテータ83も取り外す。次に、洗浄工程S2において、筐体81と、筐体に取り付けられたままの部材(シール部材85等)との双方に、0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、筐体81および部材を洗浄する。組立工程S3においては、洗浄した筐体81に、シャッター部材82を取り付け、トナーを補充する。そして、蓋体86を取り付けることで、図7に示すトナーカートリッジ8を得る。
【0058】
こうして再生されたトナーカートリッジ8は、トナーカートリッジを交換する際に、新たなトナーカートリッジとして使用される。
【0059】
【実施例】
以下、本発明のカートリッジ再生方法を適用してカートリッジを実際に再生してみた2つの実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
複写機機能とプリンター機能を有する富士ゼロックス製DocuCentre705に装着され使用されていたプロセスカートリッジを回収した。このプロセスカートリッジの筐体は、プラスチック製であり、感光体ドラム、帯電用コロトロン、クリーニングブレード、フィルムシール、スポンジ、および細かな金属部品等が取り付けられたものである。
【0060】
ここではまず、プロセスカートリッジの筐体から、フィルムシール、スポンジ、および細かな金属部品を残して、感光体ドラム、帯電コロトロン、およびクリーニングブレードなどを取り外した。次に、フィルムシール、スポンジ、および金属部品が取り付けられたままの筐体の内部に残ったトナーをエアー吸引により除去した後、この筐体およびこの筐体に取り付けられたままの部材に、ドライアイス粉体を含むガスを、圧力0.3MPa、風量0.5m3/minの条件にて3分間噴射し洗浄を行った。洗浄の際に、周囲へのトナーの飛び散りは生じなかった。洗浄を終えた筐体の全長を計測したところ、その全長は洗浄前の全長と同じであった。その後、洗浄を終えた筐体と部材を用いて、プロセスカートリッジを組み立て、プロセスカートリッジを再生した。再生したプロセスカートリッジにおけるクリーニングブレードの食い込み量を計測したところ、その食い込み量は、一度もリサイクルをしていない筐体および部材からなる新品のプロセスカートリッジにおける食い込み量と同一であった。さらに富士ゼロックス製DocuCentre705に、再生したプロセスカートリッジを装着し、コピーサンプルをとったところ、像濃度/非画像部の状態などの画質評価結果が、新品のプロセスカートリッジを装着したときの画質評価結果と同等であった。
(実施例2)
複写機機能とプリンター機能とファックス機能を有する富士ゼロックス製Color DocuTech 60に装着され使用されていたトナーカートリッジを回収した。このトナーカートリッジの筐体は、プラスチック製の円柱体であり、蓋体やシャッター部材やアジテータ等が取り付けられたものである。また、この筐体には、ラベルが貼り付けられていた。
【0061】
ここではまず、トナーカートリッジの筐体から、蓋体とシャッター部材を取り外した。次に、筐体を逆さまにすることで筐体の内部に残ったトナーを自然落下させた後、この筐体およびこの筐体に取り付けられたままのアジテータやラベル等に、ドライアイス粉体を含むガスを、圧力0.4MPa、風量0.55m3/minの条件にて2分間噴射し洗浄を行った。洗浄の際に、周囲へのトナーの飛び散りは生じなかった。洗浄を終えた筐体の全長を計測したところ、その全長は洗浄前の全長と同じであった。その後、洗浄を終えた筐体と部材を用いて、トナーカートリッジを組み立て、トナーカートリッジを再生した。富士ゼロックス製Color DocuTech 60に、再生したプロセスカートリッジを装着し、コピーサンプルをとったところ、像濃度/非画像部の状態などの画質評価結果が、新品のトナーカートリッジを装着したときの画質評価結果と同等であった。
【0062】
以上、2つの実施例から、本発明のカートリッジ再生方法を適用してカートリッジを再生すると、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができることがわかる。また、洗浄時に、周囲へのトナーの飛び散りが生じなかったことから、作業環境の悪化は生じないことがわかる。
【0063】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、作業環境の悪化を抑え、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる洗浄装置、その洗浄装置を用いてカートリッジを洗浄しカートリッジを再生するカートリッジ再生方法、およびそのカートリッジ再生方法によって再生されたカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のカートリッジが取り付けられた画像形成装置としてのデジタルプリンタの内部構造を示す模式図である。
【図2】図1に示すプロセスカートリッジを拡大して示した図である。
【図3】上部カートリッジと下部カートリッジとが分離した状態を示す斜視図である。
【図4】上部カートリッジと下部カートリッジが連結した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明のうちのカートリッジ再生方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の洗浄装置の概略構成を示す図である。
【図7】図1に示す画像形成装置とは異なるタイプの画像形成装置に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 デジタルプリンタ
1a 本体
2 プロセスカートリッジ
20 ラベル
2a 筐体
21 上部カートリッジ
21a 筐体
211 上蓋
22 下部カートリッジ
22a 筐体
221 上蓋
3 感光体ドラム
4 帯電ロール
5 現像装置
27 現像ロール
37 トナー供給部材
39 トナー収容部
6 クリーニング装置
31 クリーニングブレード
35 シール部材
80 トナーカートリッジ
81 筐体
82 シャッタ部材
83 アジテータ
84 カップリング部材
85 シール部材
86 蓋体
90 洗浄装置
91 ホッパ
92 フィーダ
93 粉砕器
94 ドライアイス供給管
95 ガス調整装置
96 ガス供給管
97 洗浄ガン
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄物にドライアイス粉体を含むガスを噴射して該洗浄物を洗浄する洗浄装置、その洗浄装置を用いてカートリッジを洗浄しカートリッジを再生するカートリッジ再生方法、およびそのカートリッジ再生方法によって再生されたカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真プロセスを応用した複写機やプリンタなどの画像形成装置では、感光体表面に現像像を得るため、まず、回転する感光体を帯電装置により帯電させる。続いて、帯電された感光体を像露光することにより、その感光体表面に静電潜像を形成する。次に、現像装置内に収納されたトナーを感光体に転移させることにより感光体上の静電潜像を現像して感光体上にトナー像を形成する。さらに、感光体上に形成されたトナー像を、所定の記録媒体上に転写して定着することにより記録媒体上に画像を最終的に形成する。一方、トナー像の記録媒体への転写後、感光体上に残留した転写残トナーは、クリーニング装置により清掃される。
【0003】
ここで、感光体、帯電装置、現像装置、あるいはクリーニング装置は、一定期間使用すると、交換する必要が生じ、また、現像装置に備えられている、トナーを収納したトナー収容体も、一定期間使用すると、トナーの補充を行う必要が生じる。
【0004】
そこで、これらの装置等の、画像形成装置からの取り外しおよび画像形成装置への取り付けを容易にするため、感光体、帯電装置、現像装置、およびクリーニング装置の4つの装置を一つの筐体内に収納してカートリッジ化したものや、これら4つの装置から現像装置を除いた3つの部材を同じようにしてカートリッジ化したもの等がある。また、トナー収容体をカートリッジ化したものもある。
【0005】
ところで、従来より、画像形成装置に限らず事務機器や電気機器等でも、構成部材のカートリッジ化は行われている。これらの機器から取り外されたカートリッジでは、交換の必要がある部材は取り除かれ、残った部材は洗浄して再利用される。ここでの洗浄方法としては、エアーブロー、エアー吸引やアルコールなどの溶剤によるふき取りが行なわれている。ところが、従来から行なわれているエアーブローやエアー吸引では、完璧な洗浄が難しくアルコールなどの溶剤によるふき取りを併せて行う必要があり、二度手間になる。また、画像形成装置に装着されていたカートリッジを例にあげると、カートリッジの筐体や、その筐体に取り付けられていた小物類等は再利用ため洗浄されることが多いが、筐体や小物類等にはトナーが付着しており、エアーブローでは、付着していたトナーが周囲に飛び散り、作業環境を悪化させやすい。さらに、アルコールなどの溶剤によるふき取りも、溶剤の臭気によって作業環境を悪化させる。
【0006】
そこで、作業環境の悪化を抑え、効率よく洗浄を行うことができる洗浄装置として、洗浄物にドライアイス粉体を噴射するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−177828号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カートリッジの筐体に取り付けられている小物類等の中には、剛性の低い部材があることもあり、特許文献1に記載された洗浄装置を用いて洗浄を行うと、その剛性の低い部材が、噴射されたドライアイス粉体で変形してしまい、再利用することができなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、作業環境の悪化を抑え、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる洗浄装置、その洗浄装置を用いてカートリッジを洗浄しカートリッジを再生するカートリッジ再生方法、およびそのカートリッジ再生方法によって再生されたカートリッジを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のうちの洗浄装置は、洗浄物にドライアイス粉体を含むガスを噴射してその洗浄物を洗浄する洗浄装置において、
ドライアイス粉体を含むガスを噴射する噴射ノズルと、
上記噴射ノズルに、ドライアイス粉体およびガスを供給する供給部とを備え、上記噴射ノズルが、ドライアイス粉体を含むガスを0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力で噴射するものであることを特徴とする。
【0011】
本発明の洗浄装置によれば、上記噴射ノズルの噴射圧力を0.2MPa以上0.5MPa以下の範囲内にしたことで、洗浄物の、剛性が低い部分の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる。すなわち、その噴射圧力が、0.2MPa未満では、付着物等を完全に除去することができす、反対に0.5MPaより大きいと、剛性が低い部材が変形してしまう。なお、上記噴射ノズルから噴射されたドライアイス粉体が洗浄物に衝突すると、衝突したドライアイス粉体が気化する。このドライアイス粉体が気化することで、付着物の除去が促進され、さらには、そのメカニズムは明らかでないが、除去された付着物が周囲に飛び散ることが抑えられる。このようなドライアイス粉体の気化効果を最大限に発揮させるには、ドライアイス粉体の粒径を0.1mm以上1.0mm以下にすることが好ましい。
【0012】
また、本発明の洗浄装置において、上記噴射ノズルが、ドライアイス粉体を含むガスを0.2m3/min以上0.7m3/min以下の風量で噴射するものであることが好ましい。
【0013】
圧力だけでなく風量もこのようにすることで、より確実に、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる。
【0014】
上記目的を達成する本発明のうちのカートリッジ再生方法は、所定の移動方向に移動する被帯電体上に電荷を与えその被帯電体上の電荷によってトナーの移動を制御するプロセスを含む画像形成プロセスを経て最終的に記録媒体上にトナー像を転写および定着することによりその記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に装着される、上記画像形成プロセスの実施中に内部でトナーの移動が生じる筐体と、その筐体に取り付けられた複数の部材とかなるカートリッジを再生するカートリッジ再生方法において、
上記画像形成装置に装着されていたカートリッジの筐体から、上記複数の部材のうちの一部の部材を取り外す分解工程と、
上記分解工程で一部の部材が取り外された筐体と、その筐体に取り付けられたままの部材との双方を洗浄物とし、その洗浄物に、0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、その洗浄物を洗浄する洗浄工程と、
上記洗浄工程で洗浄された洗浄物を用いて、上記カートリッジを組立てる組立工程とを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のカートリッジ再生方法において、上記洗浄工程が、フィルム類およびスポンジ類のうち少なくともいずれか一方を備えた洗浄物を洗浄する工程であってもよい。
【0016】
本発明のカートリッジ再生方法によれば、とくに変形しやすい、フィルム類やスポンジ類であっても、その形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる。
【0017】
さらに、本発明のカートリッジ再生方法において、上記洗浄工程が、上記洗浄物に、0.2m3/min以上0.7m3/min以下の風量に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、その洗浄物を洗浄する工程であることが好ましい。
【0018】
上記目的を達成する本発明のうちのカートリッジは、本発明のカートリッジ再生方法を実施することで再生されたものであることを特徴とするカートリッジ。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
まず、本発明のうちのカートリッジの一実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態のカートリッジが取り付けられた画像形成装置としてのデジタルプリンタの内部構造を示す模式図である。
【0022】
図1に示すデジタルプリンタ1は、図示しないパーソナルコンピュータや画像読取装置等から送られてくる画像情報に基づいて、一連の画像形成プロセスを実行することにより、画像を形成する。このデジタルプリンタ1の本体1aの内部には、図1に示すように、感光体ドラム3、現像装置5等の画像形成部材を一体的にユニット化したプロセスカートリッジ2が配設されている。このプロセスカートリッジ2は、プラスチック製の筐体2aを備えており、この筐体2aが、本体1aに対して着脱自在に装着される。
【0023】
図2は、図1に示すプロセスカートリッジを拡大して示した図である。
【0024】
プロセスカートリッジ2の筐体2aには、図2及び図3に示すように、像担持体としての感光体ドラム3と、帯電手段としての帯電ロール4と、現像手段としての現像装置5と、ドクターブレード方式を採用したクリーニング装置6とが取り付けられている。なお、像担持体としては感光体ベルト等であってもよく、帯電手段としてはコロトロン方式を採用した帯電装置等であってもよい。また、クリーニング装置6としては、ワイパーブレード方式を採用したものや、あるいはブラシ方式を採用したもの等であってもよい。
【0025】
図2に示す感光体ドラム3としては、例えば、有機光導電体(OPC)からなるものが用いられ、この感光体ドラム3は、図示しない駆動手段により矢印方向に沿って、所定の回転速度で駆動されるようになっている。この感光体ドラム3の表面は、帯電ロール4によって所定の電位に一様に帯電された後、露光手段としてのROS(Raster Output Scanner)7(図1参照)によって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が感光体ドラム3の表面に形成される。図1に示すROS7は、画像処理装置8で所定の画像処理が施された画像情報に基づくレーザービームLBを、コリメータレンズ、反射ミラー、ポリゴンミラー、f−θレンズ等からなる結像光学系を介して、感光体ドラム3上に走査露光することにより、感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、一成分現像剤(トナー)を収容した現像装置5によって現像され、トナー像になる。なお、現像装置5としては、二成分現像剤を使用したものであってもよい。
【0026】
感光体ドラム3上に形成されたトナー像は、図1に示す、転写手段としての転写ロール9によって、記録媒体としての記録用紙10上に転写される。この記録用紙10は、フィードロール11によって給紙カセット12から給紙され、分離ロール13とリタードロール14によって1枚ずつ分離された状態でレジストロール15まで搬送され、一旦停止される。そして、レジストロール15まで搬送された記録用紙10は、トナー像が形成された感光体ドラム3の回転に同期して、レジストロール15により感光体ドラム3の表面に搬送され、記録用紙10上には、トナー像が感光体ドラム3から転写ロール9によって転写される。
【0027】
トナー像が転写された記録用紙10は、感光体ドラム3から分離された後、図1に示す定着装置16へ搬送される。定着装置16へ搬送された記録用紙10は、定着装置16の加熱ロール17と加圧ロール18によって、熱及び圧力でトナー像が定着され、排出ロール19によって本体1aの上部に設けられた排紙トレイ20上に排出され、一連の画像形成プロセスが終了する。一方、トナー像の転写が終了した後の感光体ドラム3の表面は、クリーニング装置6によって残留トナーが除去される。このクリーニング装置6による残留トナーの除去も、一連の画像形成プロセスに含まれる。
【0028】
図2に示すプロセスカートリッジ2は、上部カートリッジ21と、下部カートリッジ22とから構成されており、図2では、これら2つのカートリッジ21,22が連結されているが、これら2つのカートリッジ21,22は分離可能である。
【0029】
図3は、上部カートリッジと下部カートリッジとが分離した状態を示す斜視図であり、図4は、上部カートリッジと下部カートリッジが連結した状態を示す斜視図である。
【0030】
図2に示す上部カートリッジ21と下部カートリッジ22はいずれも、プラスチック製の筐体21a,22aを備えており、これらの筐体21a,22aの表面には、図3に示すように、いくつかのラベル20が貼り付けられている。上部カートリッジ21の筐体21aには、図2に示す感光体ドラム3と、帯電ロール4と、クリーニング装置6が取り付けられている。一方、下部カートリッジ22は、現像装置5そのものを構成するようになっており、下部カートリッジ22の筐体22a内には、現像ロール27等が取り付けられている。また、これらの筐体21a,22aの内部には、様々な細かな金属部品が取り付けられている。
【0031】
また、両者の筐体21a,21bには、図3に示すように、幅方向の両端部それぞれに係合部23、24が設けられている。上部カートリッジ21と下部カートリッジ22は、図4に示すように、これらの係合部23、24に係合ピン25が挿入されることで連結される。また、図3に示すように、下部カートリッジ22の筐体22aは上蓋221を有し、この上蓋221の表面には、スプリング26が設けられている。上部カートリッジ21は、このスプリング26よって上方に向けて付勢され、図2に示す感光体ドラム3と、現像ロール27の両端部に設けられた不図示のトラッキングロールとが、所定の圧力(例えば、片側2kg)で圧接するように構成されている。さらに、この上蓋221の表面には、図1に示すROS7から照射されるレーザービームLBを、感光体ドラム3の表面に露光するための照射スペース29が、略扇形状に設けられている(図3参照)。また、密封性を高めるため、この上蓋221の裏面には、蓋の周囲を囲むように、スポンジからなるシール部材(不図示)が取り付けられている。
【0032】
上部カートリッジ21の筐体21aには、図2に示す感光体ドラム3が回転可能に取り付けられており、この感光体ドラム3の近傍には、帯電ロール4が設けられているとともに、クリーニング装置6のクリーニングブレード31が設けられている。また、クリーニング装置6は、クリーニングブレード31によって除去された回収トナーを搬送する回収トナー搬送部材32と、その回収トナー搬送部材32によって搬送されてきた回収トナーを収容する、上部カートリッジ21の殆どを占める回収トナー収容室33とを備えている。さらに、クリーニングブレード31よりも、感光体ドラム3の回転方向上流側には、フィルム状のシール部材35が取り付けられている。このシール部材35は、回収トナーが感光体ドラム3の回転方向上流側に逆戻りすることを防止するためのものである。またさらに、上部カートリッジ21には、感光体ドラム3の表面の一部を覆うカバー34が開閉自在に設けられている。このカバー34は、プロセスカートリッジ2が図1に示す本体1aから取り外された状態では、図2に示すように、感光体ドラム3の表面の一部を覆い、感光体ドラム3が外部の光により露光されることで劣化してしまうことを防止している。一方、カバー34は、プロセスカートリッジ2が図1に示すように本体1a内の所定位置に装着された状態では、下部カートリッジ22側へ移動し、感光体ドラム3の表面の一部が転写ロール9に対向する。
【0033】
図3に示すように、上部カートリッジ21の筐体21aも上蓋211を有し、密封性を高めるため、この上蓋211の裏面にも、蓋の周囲を囲むように、スポンジからなるシール部材(不図示)が取り付けられている。また、上部カートリッジ21の上蓋211を外すと、図2に示す回収トナー搬送部材32や回収トナー収容室33にアクセスすることができる。さらに、上部カートリッジ21の筐体21aの底面側は開口しており、感光体ドラム3や帯電ロール4には、この底面側からアクセスすることができる。
【0034】
下部カートリッジ22の筐体22aには、図2に示す現像ロール27が回転自在に取り付けられており、下部カートリッジ22の上から上部カートリッジ21が取り除かれると、現像ロール27にアクセスすることができる。この現像ロール27の表面には、その表面に形成されるトナー層の厚さを規制する層厚規制部材36が当接している。現像ロール27の背面側には、現像ロール27の表面にトナーを供給するトナー供給部材37が、回転可能に配備されている。このトナー供給部材37の背面側には、この下部カートリッジ22の大部分を占めるトナー収容部39が設けられており、下部カートリッジ22の筐体22a内の、トナー供給部材37が配備された空間と、トナー収容部39の空間とは、トナー供給用の開口部38でつながっている。トナー収容部39には、トナー(図示省略)が収容されている。下部カートリッジ22の筐体22aの、トナー収容部39を画定する部分の底面40の形状は、断面略円弧状の部分を2つ連ねた形状であり、ここでは、現像ロール27側の断面略円弧状の部分を第1トナー収容部41と称し、奥側の断面略円弧状の部分を第2トナー収容部42と称することにする。第1トナー収容部41と第2トナー収容部42との境には、トナー収容部39に新たなトナーを補充するためのトナー補充口46(図3参照)が設けられている。図2に示すトナー収容部39の内部には、収容されたトナーを撹拝しつつ第2トナー収容部42から第1トナー収容部41へと順次搬送するトナー撹拝搬送部材43、44がそれぞれ配設されている。したがって、現像装置5内でのトナーの流れは、第2トナー収容部42→第1トナー収容部41→開口部38→トナー供給部材37→現像ロール27になる。なお、第1トナー収容部41の底面には、図2に示すように、トナーの有無を検知するトナーセンサ45が設けられている。
【0035】
下部カートリッジ22の上蓋221を外すと、トナー供給部材37やトナー撹拝搬送部材43、44にアクセスすることができる。
【0036】
以上説明した上部カートリッジ21、および下部カートリッジ22はいずれも、本発明にいうカートリッジの一例に相当するものであり、これら2つのカートリッジ21,22から構成されるプロセスカートリッジ2も、本発明にいうカートリッジの一例に相当する。
【0037】
感光体ドラム3等の部材が寿命に達した場合には、図1に示すプロセスカートリッジ2を本体1aから取り外し、新たなプロセスカートリッジ2と交換する。取り外されたプロセスカートリッジ2は、以下に説明する再生方法によって再生される。
【0038】
図5は、本発明のうちのカートリッジ再生方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0039】
本実施形態のカートリッジ再生方法は、分解工程S1、洗浄工程S2、および組立工程S3をこの記載順に実施する方法である。
【0040】
図5に示す分解工程S1では、本体1aから取り外されたプロセスカートリッジ2を、まず、上部カートリッジ21と下部カートリッジ22に分離し、各カートリッジの上蓋211,221を取り外す。次に、各筐体21a,22aから、交換が必要な部材を取り外す。ここでは、上部カートリッジ21からは、図3に示すラベル20、図2に示すフィルム状のシール部材35、上蓋211の裏面に取り付けられたスポンジからなるシール部材(不図示)、および細かな金属部品等を残して、図2に示す感光体ドラム2、帯電ロール4、およびクリーニングブレード31等を取り外す。また、下部カートリッジ22からは、図3に示すラベル20、上蓋221の裏面に取り付けられたスポンジからなるシール部材(不図示)、および細かな金属部品等を残して、図2に示す現像ロール27やトナー供給部材37等を取り外す。各筐体21a,22aや各筐体21a,22aに取り付けられている部材には、本体1a内におけるトナーの飛散によりトナーが付着していたり、本体1a内に設けられた電気回路で発生する静電気により塵埃が吸着していたりする。
【0041】
図5に示す洗浄工程S2では、各筐体21a,22aと各筐体21a,22aに取り付けられたままの部材との双方に、0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、各筐体21a,22aおよびこれらの部材を洗浄する。ドライアイス粉体が洗浄物に衝突すると、衝突したドライアイス粉体が気化し、この気化により付着物の除去が促進される。この洗浄工程S2における洗浄についての詳しい説明は後述する。
【0042】
図5に示す組立工程S3では、分解工程S1で取り外した部材の新品部材を用意し、洗浄工程S2で洗浄した筐体および部材と、用意した新品部材とを用いて、各カートリッジ21,22を組み立てる。また、図3に示すトナー補充口46からトナーを補充する。その後、上部カートリッジ21と下部カートリッジ22を連結させ、図2に示すプロセスカートリッジ2を得る。
【0043】
こうして再生されたプロセスカートリッジ2は、プロセスカートリッジを交換する際に、新たなプロセスカートリッジとして使用される。
【0044】
続いて、本発明のうちのの一実施形態について説明する。
【0045】
図6は、本実施形態の洗浄装置の概略構成を示す図である。
【0046】
図6に示す洗浄装置90は、図5に示す洗浄工程S2における洗浄作業に用いられる。この洗浄装置9は、ホッパ91、フィーダ92、粉砕器93、ドライアイス供給管94、ガス調整装置95、ガス供給管96、および洗浄ガン97を備えている。
【0047】
図6に示すホッパ91は、上方に向けて開口しており、その開口は、断熱材からなる蓋体911で覆われている。また、このホッパ91の周囲も、断熱材によって覆われている。ホッパ91の底部は、フィーダ92につながっている。ホッパ91には、大粒のドライアイスペレットが投入される。ホッパ91内には、モータ912,913によってそれぞれ回転する2つの撹拌羽根914,915が配備されている。これら2つの撹拌羽根914,915のうちの一方の撹拌羽根914は、ホッパ91の底部を撹拌するものであり、もう一方の撹拌羽根915はホッパ91の中央部を撹拌するものである。ホッパ91内に投入されたドライアイスペレットは、これら2つの撹拌羽根914,915によって撹拌されながら、徐々にフィーダ92に送り込まれる。
【0048】
図6に示すフィーダ92は、モータ921によって回転するスクリュー922を有する。フィーダ92に送り込まれたドライアイスペレットは、このスクリュー922によってさらに搬送され、粉砕器93に到達する。
【0049】
図6に示す粉砕器93は、大粒のドライアイスペレットを直径0.3mm程度の微小な粒に粉砕する。すなわち、この粉砕器93では、大粒のドライアイスペレットを粉砕し、ドライアイス粉体にする。粉砕器93と洗浄ガン97はドライアイス供給管94で繋がれており、ドライアイス粉体は、このドライアイス供給管94を通って洗浄ガン97に供給される。
【0050】
また、図6に示すガス調整装置95には、不図示のコンプレッサから空気が導入される。このガス調整装置95と洗浄ガン97はガス供給管96で繋がれており、ガス調整装置95は、洗浄ガン97に供給するガスの圧力および風量を調整する。また、ガス調整装置95は、ガスの温度も、マイナス25℃以上マイナス20℃以下になるように調整する。
【0051】
図6に示す洗浄ガン97には、ドライアイス粉体を含むガスを噴射する噴射ノズル971と、この噴射ノズル971からの噴射のオン/オフを切り替えるトリガ972が設けられている。トリガ972が操作され、ガス供給管96を通って送られてきたガスが噴射ノズル971から噴射されると負圧が生じ、ドライアイス供給管94からドライアイス粉体が吸い出され、噴射ノズル971からは、ドライアイス粉体を含むガスが噴射される。この噴射ノズル971から噴射される、ドライアイス粉体を含むガスの圧力は、ガス調整装置95により0.2MPaから0.5MPaの範囲に入るように制御されているとともに、そのガスの風量も0.2m3/minから0.7m3/minの範囲に入るように制御されている。噴射圧力が、0.2MPa未満では、付着したトナー等を完全に除去することができす、反対に0.5MPaより大きいと、図3に示すラベル20や、図2に示すフィルム状のシール部材35や、上蓋211,221の裏面に取り付けられたスポンジからなる不図示のシール部材や、細かな金属部品といった剛性が低い部材が変形してしまう。また、風量についても同様なことがいえ、0.2m3/min未満では、トナー等を完全に除去することができす、0.7m3/minより大きいと、剛性が低い部材が変形してしまう。また、噴射ノズル971から噴射されるガスに含まれているドライアイス粉体の大きさも、剛性が低い部材の形状を損なわずに付着したトナー等を完全に除去することに関係し、ここでは、噴射ノズル971から噴射されるガスに、直径0.3mm程度の微小なドライアイスの粒を含ませているが、直径が0.1mm以上1.0mm以下のドライアイスの粒を含ませてもよい。
【0052】
図5に示す洗浄工程S2では、作業者が、図6に示す洗浄ガン97を手に持ち、手作業で洗浄作業を行うが、自動化することもできる。
【0053】
図7は、図1に示す画像形成装置とは異なるタイプの画像形成装置に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを示す斜視図である。
【0054】
図7に示すトナーカートリッジ8の中にはトナーが収納される。このトナーカートリッジ8は円筒状の筐体81を備えている。この筐体81の周壁の長手方向一端側には、トナー排出口811が設けられている。また、筐体81の周壁の、トナー排出口811近傍には、トナー排出口811を開閉時債に覆うシャッタ部材82が取り付けられている。さらに、筐体81の内部には、ワイヤを螺旋状に巻いたアジテータ83が回転自在に取り付けられている。アジテータ83は、画像形成装置に備えられた不図示のモータによって回転させられるものであり、筐体81の一方の端面81aには、アジテータ83とこのモータを連結し、モータの回転力をアジテータ83に伝えるカップリング部材84が配備されている。カップリング部材84は、筐体81の端面81aを貫通しており、密閉性を確保するため、カップリング部材84の周囲にはシール部材85が取り付けられている。また、筐体81の他方の端面81bは取り外し自在な蓋体86になっている。
【0055】
画像形成装置に取り付けられたトナーカートリッジ8では、アジテータ83が回転することで、収納されたトナーが撹拌されながらトナー排出口811に向かって搬送されトナー排出口811から排出される。排出されたトナーは、トナー供給部材によって現像ロールに供給される。
【0056】
図7に示すトナーカートリッジ8も、本発明にいうカートリッジの一例に相当する。
【0057】
トナーカートリッジ8内のトナーがなくなると、画像形成装置からトナーカートリッジ8を取り外し、新たなトナーカートリッジに交換する。取り外されたトナーカートリッジ8は、図5に示すカートリッジ再生方法が実施されることで再生される。すなわち、ここでは、分解工程S1において、トナーカートリッジ8の筐体81から、蓋体86とシャッター部材82を取り外す。なお、アジテータ83を取り外すことができるトナーカートリッジ8であれば、アジテータ83も取り外す。次に、洗浄工程S2において、筐体81と、筐体に取り付けられたままの部材(シール部材85等)との双方に、0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、筐体81および部材を洗浄する。組立工程S3においては、洗浄した筐体81に、シャッター部材82を取り付け、トナーを補充する。そして、蓋体86を取り付けることで、図7に示すトナーカートリッジ8を得る。
【0058】
こうして再生されたトナーカートリッジ8は、トナーカートリッジを交換する際に、新たなトナーカートリッジとして使用される。
【0059】
【実施例】
以下、本発明のカートリッジ再生方法を適用してカートリッジを実際に再生してみた2つの実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
複写機機能とプリンター機能を有する富士ゼロックス製DocuCentre705に装着され使用されていたプロセスカートリッジを回収した。このプロセスカートリッジの筐体は、プラスチック製であり、感光体ドラム、帯電用コロトロン、クリーニングブレード、フィルムシール、スポンジ、および細かな金属部品等が取り付けられたものである。
【0060】
ここではまず、プロセスカートリッジの筐体から、フィルムシール、スポンジ、および細かな金属部品を残して、感光体ドラム、帯電コロトロン、およびクリーニングブレードなどを取り外した。次に、フィルムシール、スポンジ、および金属部品が取り付けられたままの筐体の内部に残ったトナーをエアー吸引により除去した後、この筐体およびこの筐体に取り付けられたままの部材に、ドライアイス粉体を含むガスを、圧力0.3MPa、風量0.5m3/minの条件にて3分間噴射し洗浄を行った。洗浄の際に、周囲へのトナーの飛び散りは生じなかった。洗浄を終えた筐体の全長を計測したところ、その全長は洗浄前の全長と同じであった。その後、洗浄を終えた筐体と部材を用いて、プロセスカートリッジを組み立て、プロセスカートリッジを再生した。再生したプロセスカートリッジにおけるクリーニングブレードの食い込み量を計測したところ、その食い込み量は、一度もリサイクルをしていない筐体および部材からなる新品のプロセスカートリッジにおける食い込み量と同一であった。さらに富士ゼロックス製DocuCentre705に、再生したプロセスカートリッジを装着し、コピーサンプルをとったところ、像濃度/非画像部の状態などの画質評価結果が、新品のプロセスカートリッジを装着したときの画質評価結果と同等であった。
(実施例2)
複写機機能とプリンター機能とファックス機能を有する富士ゼロックス製Color DocuTech 60に装着され使用されていたトナーカートリッジを回収した。このトナーカートリッジの筐体は、プラスチック製の円柱体であり、蓋体やシャッター部材やアジテータ等が取り付けられたものである。また、この筐体には、ラベルが貼り付けられていた。
【0061】
ここではまず、トナーカートリッジの筐体から、蓋体とシャッター部材を取り外した。次に、筐体を逆さまにすることで筐体の内部に残ったトナーを自然落下させた後、この筐体およびこの筐体に取り付けられたままのアジテータやラベル等に、ドライアイス粉体を含むガスを、圧力0.4MPa、風量0.55m3/minの条件にて2分間噴射し洗浄を行った。洗浄の際に、周囲へのトナーの飛び散りは生じなかった。洗浄を終えた筐体の全長を計測したところ、その全長は洗浄前の全長と同じであった。その後、洗浄を終えた筐体と部材を用いて、トナーカートリッジを組み立て、トナーカートリッジを再生した。富士ゼロックス製Color DocuTech 60に、再生したプロセスカートリッジを装着し、コピーサンプルをとったところ、像濃度/非画像部の状態などの画質評価結果が、新品のトナーカートリッジを装着したときの画質評価結果と同等であった。
【0062】
以上、2つの実施例から、本発明のカートリッジ再生方法を適用してカートリッジを再生すると、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができることがわかる。また、洗浄時に、周囲へのトナーの飛び散りが生じなかったことから、作業環境の悪化は生じないことがわかる。
【0063】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、作業環境の悪化を抑え、剛性が低い部材の形状を損なうことなく効率よく洗浄することができる洗浄装置、その洗浄装置を用いてカートリッジを洗浄しカートリッジを再生するカートリッジ再生方法、およびそのカートリッジ再生方法によって再生されたカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のカートリッジが取り付けられた画像形成装置としてのデジタルプリンタの内部構造を示す模式図である。
【図2】図1に示すプロセスカートリッジを拡大して示した図である。
【図3】上部カートリッジと下部カートリッジとが分離した状態を示す斜視図である。
【図4】上部カートリッジと下部カートリッジが連結した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明のうちのカートリッジ再生方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の洗浄装置の概略構成を示す図である。
【図7】図1に示す画像形成装置とは異なるタイプの画像形成装置に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 デジタルプリンタ
1a 本体
2 プロセスカートリッジ
20 ラベル
2a 筐体
21 上部カートリッジ
21a 筐体
211 上蓋
22 下部カートリッジ
22a 筐体
221 上蓋
3 感光体ドラム
4 帯電ロール
5 現像装置
27 現像ロール
37 トナー供給部材
39 トナー収容部
6 クリーニング装置
31 クリーニングブレード
35 シール部材
80 トナーカートリッジ
81 筐体
82 シャッタ部材
83 アジテータ
84 カップリング部材
85 シール部材
86 蓋体
90 洗浄装置
91 ホッパ
92 フィーダ
93 粉砕器
94 ドライアイス供給管
95 ガス調整装置
96 ガス供給管
97 洗浄ガン
Claims (6)
- 洗浄物にドライアイス粉体を含むガスを噴射して該洗浄物を洗浄する洗浄装置において、
ドライアイス粉体を含むガスを噴射する噴射ノズルと、
前記噴射ノズルに、ドライアイス粉体およびガスを供給する供給部とを備え、前記噴射ノズルが、ドライアイス粉体を含むガスを0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力で噴射するものであることを特徴とする洗浄装置。 - 前記噴射ノズルが、ドライアイス粉体を含むガスを0.2m3/min以上0.7m3/min以下の風量で噴射するものであることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
- 所定の移動方向に移動する被帯電体上に電荷を与え該被帯電体上の電荷によってトナーの移動を制御するプロセスを含む画像形成プロセスを経て最終的に記録媒体上にトナー像を転写および定着することにより該記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に装着される、前記画像形成プロセスの実施中に内部でトナーの移動が生じる筐体と、該筐体に取り付けられた複数の部材とかなるカートリッジを再生するカートリッジ再生方法において、
前記画像形成装置に装着されていたカートリッジの筐体から、前記複数の部材のうちの一部の部材を取り外す分解工程と、
前記分解工程で一部の部材が取り外された筐体と、該筐体に取り付けられたままの部材との双方を洗浄物とし、該洗浄物に、0.2MPa以上0.5MPa以下の圧力に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、該洗浄物を洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程で洗浄された洗浄物を用いて、前記カートリッジを組立てる組立工程とを有することを特徴とするカートリッジ再生方法。 - 前記洗浄工程が、フィルム類およびスポンジ類のうち少なくともいずれか一方を備えた洗浄物を洗浄する工程であることを特徴とする請求項3記載のカートリッジ再生方法。
- 前記洗浄工程が、前記洗浄物に、0.2m3/min以上0.7m3/min以下の風量に調整された、ドライアイス粉体を含むガスを吹付け、該洗浄物を洗浄する工程であることを特徴とする請求項3記載のカートリッジ再生方法。
- 前記請求項4記載のカートリッジ再生方法を実施することで再生されたものであることを特徴とするカートリッジ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003076735A patent/JP2004283675A/ja not_active Withdrawn
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