JP2003268182A - 低温フッ素系エラストマー組成物 - Google Patents
低温フッ素系エラストマー組成物Info
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Abstract
性に優れたフッ素系エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 フッ素ゴム(A)、水素添加ニトリルゴ
ム(B)、可塑剤(C)、有機過酸化物加硫剤(D)お
よび共架橋剤(E)を必須成分として含有し、前記フッ
素ゴム(A)は、ビニリデンフルオライド・テトラフル
オロエチレン・パーフルオロメチルビニルエーテル共重
合体であり、前記水素添加ニトリルゴム(B)は、結合
アクリロニトリル量が30重量%未満、かつ、ヨウ素価
が30(mg/100mg)以下のものであり、前記フ
ッ素ゴム(A)と前記水素添加ニトリルゴム(B)の相
互割合が(A)/(B)=51/49〜79/21(重
量比)であり、前記フッ素ゴム(A)と前記水素添加ニ
トリルゴム(B)の合計量に対する前記可塑剤(C)の
配合割合が0.1〜30重量%である、フッ素系エラス
トマー組成物。
Description
よび耐油性を同時に必要とする極めて厳しい環境下での
使用を可能にし、しかも、加工性の改善されたフッ素系
エラストマーに関する。
高い特性を持つため、使用条件の厳しい部位で汎用され
ている。フッ素ゴムの特徴としては耐熱性と耐薬品性が
主に挙げられる。耐熱性についてみれば、他のエラスト
マーでは使用のできない200℃を超える高温下での使
用が可能である。耐薬品性も一部の薬品を除きほぼ対応
可能であり、このため、非常に広い範囲での使用が可能
である。しかし、構造上の点から低温下での使用性(以
下、「低温性」と言う)が非常に悪く、一般に、精々−
20℃までの環境でしか使用できず、それよりも低温で
の使用が困難であった。フッ素ゴムの加工性が他のエラ
ストマー(NBR、EPDM、Q等)のそれに比べて悪
いことも否定できない。
るなら、そこに使用されるゴム材料は、−30℃を下回
る超寒冷下(例えば、−35℃の極低温下)での使用を
可能とするものでなければならない。しかも、エンジン
周りの高熱に耐え得るだけの耐熱性(例えば、150℃
はクリア)も持つべきである。ATF・ギヤ油・ガソリ
ンなどに対する耐性を持つ必要もある。低温性の優れた
フッ素ゴムもごく少数ではあるが市場に存在している。
これら低温性の優れたフッ素ゴムのうちで、もっとも優
れた低温性(−50℃)を示すフッ素ゴムはパーフルオ
ロポリエーテル単位を含む共重合フッ素ゴムである。し
かし、パーフルオロポリエーテル単位を含む共重合フッ
素ゴムは、非常に高価であるので、シール材等として量
産するなど、通常の用途に使い難く、汎用性の面で劣
る。
は、フッ素ゴムが持つ耐熱性と耐油性を生かしながら、
超寒冷下(例えば、−35℃の極低温下)での使用を可
能とし、しかも、安価であって量産性に富み、加工性も
良いフッ素系エラストマーを提供することである。
るために種々検討し、試行錯誤を重ねた結果、量産性を
も考慮して、フッ素ゴムとしてビニリデンフルオライド
・テトラフルオロエチレン・パーフルオロメチルビニル
エーテル共重合体を採用することにし、低温性を高める
ために、これに、水素添加ニトリルゴムを練り込むとと
もに、さらに可塑剤をも練り込むことを思いついた。す
なわち、通常のフッ素樹脂の有する耐熱性、耐油性、耐
薬品性を損なわずに、かつ、量産可能なコストで用いる
ことができ、しかも、低温性にも比較的に優れていると
言う理由で、フッ素ゴムとして、ビニリデンフルオライ
ド・テトラフルオロエチレン・パーフルオロメチルビニ
ルエーテル共重合体を選んだのである。
ある。そこで、より優れた低温性を得るために、これに
水素添加ニトリルゴム(水添NBR)を練りこむことに
した。水素添加ニトリルゴム(水添NBR)は、フッ素
ゴムに比較して、低温性に優れており、加工性も非常に
良好であるからである。さらに、安価でもあるので、水
素添加ニトリルゴムの練り込みはコスト面でも優れてい
る。フッ素ゴムに水素添加ニトリルゴムを練りこんで、
フッ素ゴムだけでは得られない低温性を得ることはすで
に知られている(特許第2894353号公報)。しか
し、フッ素ゴムとして低温性の比較的優れたビニリデン
フルオライド・テトラフルオロエチレン・パーフルオロ
メチルビニルエーテル共重合体(低温性−30℃程度)
に水素添加ニトリルゴムを練り込んでも、その低温性は
精々、−33℃程度であり、超寒冷下(例えば、−35
℃の極低温下)での使用可能と言う厳しい条件に到底適
うものではないことが分かった。
より高めるためには発想の転換が必要であり、従来知ら
れていない工夫が必要であると考え、さらに検討を進
め、実験を重ねた。その過程で、可塑剤の練り込みを着
想したのである。そして、可塑剤の練り込みにより、低
温性の壁である「−35℃」を簡単にクリアできること
を実験により確認した。フッ素ゴム・水素添加ニトリル
ゴムの2成分系への可塑剤の練り込みは、耐熱性・耐油
性を維持しつつ、超寒冷下(例えば、−35℃の極低温
下)での使用を可能とすると言う極低温性を達成しなが
ら、しかも、フッ素ゴムの欠点である加工性の問題をも
解消することもできる。
を得たので、可塑剤の効果を見るために、上記ビニリデ
ンフルオライド・テトラフルオロエチレン・パーフルオ
ロメチルビニルエーテル共重合体に、水素添加ニトリル
ゴムは練り込まず、可塑剤だけを練り込んでみた。そう
すると、低温性の改善は出来るものの、フッ素ゴムに低
温性を改善し得るだけの可塑剤、加工助剤を配合する
と、可塑剤がブリードアウト(滲み出し)することが分
かった。この相溶性の問題のほかに、フッ素ゴムの持つ
特性を維持できなくなると言う問題のあることも分かっ
た。ところが、このフッ素ゴム・水素添加ニトリルゴム
の2成分系に可塑剤を練り込むと上記可塑剤のブリード
アウトが解消されるとともに、フッ素ゴムの長所である
耐熱性・耐油性の維持も容易であった。
ルゴムは、どのようなものであっても良いのではなく、
特殊な水素添加ニトリルゴム、すなわち、結合アクリロ
ニトリル量が30重量%未満でヨウ素価が30(mg/
100mg)以下の水素添加ニトリルゴムである必要が
ある。ヨウ素価が30(mg/100mg)以下の水素
添加ニトリルゴムとは、水素添加率でみたとき、添加率
89%以上の水素添加ニトリルゴムを意味する。フッ素
ゴムが持つ耐熱性と耐油性を維持しながら、低温性の改
善を図るためには、フッ素ゴムと水素添加ニトリルゴム
の相互割合を一定の範囲内に保つとともに、可塑剤の配
合割合をも一定の範囲内に保っておくことも必要であ
る。
物は、上記多くの考察と実験を経て完成されたものであ
って、フッ素ゴム(A)、水素添加ニトリルゴム
(B)、可塑剤(C)、有機過酸化物加硫剤(D)およ
び共架橋剤(E)を必須成分として含有し、前記フッ素
ゴム(A)は、ビニリデンフルオライド・テトラフルオ
ロエチレン・パーフルオロメチルビニルエーテル共重合
体であり、前記水素添加ニトリルゴム(B)は、結合ア
クリロニトリル量が30重量%未満、かつ、ヨウ素価が
30(mg/100mg)以下のものであり、前記フッ
素ゴム(A)と前記水素添加ニトリルゴム(B)の相互
割合が(A)/(B)=51/49〜79/21(重量
比)であり、前記フッ素ゴム(A)と前記水素添加ニト
リルゴム(B)の合計量に対する前記可塑剤(C)の配
合割合が0.1〜30重量%である。
(B)は、JIS K6261に準じたTR試験におけ
るTR−10値が−31℃以下であることが好ましい。
有機過酸化物加硫剤(D)の含有量が0.1〜20重量
部であり、共架橋剤(E)の含有量が0.1〜20重量
部であることが好ましい。
オライド・テトラフルオロエチレン・パーフルオロメチ
ルビニルエーテルを主鎖に含有するフッ素ゴム(A)と
しては、例えば、デュポン社製バイトンGLT、GFL
T、ダイキン社製LT302、アウジモント社製テクノ
フロンPL855等がある。フッ素系エラストマー
(A)は、耐寒性に極めて優れ、汎用の2元系フッ素ゴ
ムであるビニリデンフルオライド・ヘキサフルオロプロ
ピレンや3元系フッ素ゴムであるビニリデンフルオライ
ド・ヘキサフルオロプロピレン・テトラフルオロエチレ
ンでは得ることの困難な−30℃以下のTR−10値を
得ることが出来る。
(B)は、これをフッ素系エラストマー(A)に配合す
ることで、耐寒性と加工性の向上および高含油性の達成
を可能とさせる。水素添加ニトリルゴム(B)は、ビニ
リデンフルオライド・テトラフルオロエチレン・パーフ
ルオロメチルビニルエーテルより低温性が優れている必
要があり、少なくともTR−10値が−35℃以下であ
ることが好ましい。そのためには、水素添加ニトリルゴ
ム(B)としては結合アクリロニトリル量30%以下の
ものを用いることが必要である。ただし、結合アクリロ
ニトリル量が少なすぎると、耐油性が大幅に低下するた
め、結合アクリロニトリル量は15%以上が好ましい。
ヨウ素価は低温性をあげるために高い方が良いが、高す
ぎると耐熱性が低下するため30(mg/100mg)
以下であることが必要である。本発明において用いる水
素添加ニトリルゴム(B)としては、例えば、日本ゼオ
ン社製ゼットポール3310やゼットポール4310等
が好ましい。
(B)をフッ素ゴム(A)に配合することで、フッ素ゴ
ムに比較して高含油を行なうことが可能になる。フッ素
ゴム(A)と水素添加ニトリルゴム(B)の配合比率は
フッ素ゴム(A)/水素添加ニトリルゴム(B)=51
/49〜79/21であり、55/45〜70/30が
望ましい。水素添加ニトリルゴム(B)の比率が51/
49よりも高くなると、耐油性と耐熱性に問題が生じる
ようになり、他方、79/21よりも少ないと、耐寒性
と加工性に問題が生じるようになり、高含油も困難にな
る。本発明においては、可塑剤(C)を配合すること
で、低温性を一挙に下げる(例えば、−35℃以下)こ
とが可能となり、加工性の一層の向上を図ることができ
るようにもなる。本発明において用いる可塑剤(C)と
しては、フタレート系、アジペート系、セバケート系、
ホスフェート系、ポリエーテル系、ポリエステル系、パ
ラフィン系等が挙げられる。具体的には、サンソサイザ
ーDOA(アジペート系)(新日本理化社製)、サンソ
サイザーDOS(セバケート系)(新日本理化社製)な
どが挙げられる。これらのうちで、耐熱性があり凝固点
が−40℃以下の可塑剤を採用することが好ましい。可
塑剤(C)の配合量は、フッ素ゴム(A)と水素添加ニ
トリルゴム(B)の合計100重量部に対し0.1〜3
0重量部である。好ましくは、1〜20重量部、より好
ましくは4〜10重量部である。
温度の高さから可塑剤がエラストマー中に留まりにく
く、揮発もしくはブリードしてしまう恐れがあるが、水
素添加ニトリルゴムを配合することで、可塑剤を用いる
ことが可能になる。本発明において用いる有機過酸化物
加硫剤(D)としては、具体的には、ジクミルパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルジクミルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、パラクロルベンゾイルパーオキサ
イド、t−ブチルパーベンゾエート等が挙げられる。通
常、加硫剤としてフッ素ゴムでは有機過酸化物、ポリオ
ール、ポリアミン等が用いられ、水素添加ニトリルゴム
では有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物、酸化亜鉛、フェ
ノール樹脂系、ビスマレイミド系等が知られているが、
本発明では、フッ素ゴム(A)と水素添加ニトリルゴム
(B)とで共用できる有機過酸化物(D)を用いるよう
にする。有機過酸化物(D)の配合量としてはフッ素ゴ
ム(A)と水素添加ニトリルゴム(B)の合計100重
量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。さらに好
ましくは1〜10重量部である。
することで、架橋密度をあげることが可能になり、耐熱
性および耐油性を向上させることができる。共架橋剤
(E)無しでも成形することは可能であるが、配合され
たものと比較すると耐熱性が非常に悪く、引張り強度も
弱いものになるため、共架橋剤Dを用いないことは現実
的ではない。共架橋剤(E)としては、具体的には、硫
黄、硫黄系、キノンジオキシム、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリールフタレ
ート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロルプロ
パントリメタクリレート、1,2−ポリブタジエン、メ
タクリル酸金属塩、アクリル酸金属塩等が挙げられる。
共架橋剤(E)の配合量としては、フッ素ゴム(A)と
水素添加ニトリルゴム(B)の合計100重量部に対し
て0.1〜20重量部が好ましい。さらに好ましくは1
〜10重量部である。
耐熱性、耐油性、耐寒性のすべてをあわせ持つ。−35
℃以下の環境下でギヤ油、ガソリン等の油中で使用でき
る材料は現実にはほとんど存在せず、そのため、本発明
にかかるフッ素系エラストマーの材料的意義は極めて高
い。本発明にかかるフッ素系エラストマーは、一般的製
造装置を用いて作製することが出来る。例えば、ロール
混練り機、加圧ニーダー、インターナルミキサー(バン
バリーミキサー)を用いることが可能である。混練り温
度は、常温附近が好ましい。
一般のゴム組成物同様に、例えば、100〜200℃の
加熱温度、約0.5〜120分程度の加熱時間で、加熱
しつつ、加圧成形法、射出成形法等により成形すること
が可能である。本発明にかかるフッ素系エラストマーの
使用可能部位として具体例をあげるなら、極寒地での駆
動機器に用いられるギヤ油、ガソリンシール等である。
とにより、実施例と比較例のフッ素系エラストマーを得
て、各種物性を測定、評価した。表中の化合物名は以下
の内容を指す。 フッ素ゴム: FKM(VDF−TFE−PMVE):ダイエルLT3
02 ダイキン工業社製 水素添加ニトリルゴム: 耐寒性HNBR:ゼットポール4310〔ヨウ素価=5
(mg/100mg) 、結合アクリロニトリル量(ACN)=19(重量
%)〕 日本ゼオン社製 汎用HNBR:ゼットポール2010〔ヨウ素価=11
(mg/100mg) 、結合アクリロニトリル量(ACN)=36(重量
%)〕 日本ゼオン社製 NBR:ペルブナンNT1845〔ヨウ素価>100
(mg/100mg)、結合アクリロニトリル量(AC
N)=18(重量%)〕 バイエル社製 可塑剤: CTFE:ダイフロイル#1 ダイキン工業社製 フッ化シリコーンオイル:FL100 信越化学社製 ジオクチルアジペート:サンソサイザーDOA 新日本
理化社製 共架橋剤: トリアリルイソシアヌレート:TAIC 日本化成社製 有機過酸化物加硫剤: 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン:パーヘキサ25B 日本油脂社製 充填剤: FEFカーボン:シーストGSO 東海カーボン社製 MTカーボン:MTサーマックスFLOFORM N−
990 昭和キャボット社製 ゴム薬品: ステアリン酸:ルナックS−10 花王石鹸社製 酸化亜鉛:亜鉛華 堺化学社製 置換ジフェニルアミン:Naugard445 Uni
royal Chem社製 2−メルカプトベンズイミダゾール:ノクラックMBZ
大内新興社製 配合の仕方は、具体的には、フッ素ゴム(A)、水素添
加ニトリルゴム(B)、可塑剤(C)、有機過酸化物加
硫剤(D)および共架橋剤(E)を所定量秤量し、ロー
ル混練り機で配合する。この時の混練り条件は、温度2
5℃、ロール回転速度20rpm、配合時間30分であ
った。
成形により2mm厚のシートを成形し、このシートから
切出した試験片を以下の評価に供した。試験方法は以下
のとおりである。 常態物性試験:25℃条件下、引張強さ、破断伸び、硬
度を測定する。硬度はデュロメータタイプA硬さ試験で
測定。JISK6251、6253に準拠。判定基準
は、引張り強度9.8MPa以上、引張り伸び150%
以上、引張り応力1.96MPa以上を合格とした。 浸せき試験:150℃×72時間(ガソリンのみ130
℃×72時間)。試験油としてASTMNo1、IRM
903、ガソリンを用いた引張強さ変化、伸び変化、引
張応力変化および硬度変化を測定した。JISK625
8準拠。
圧縮率25%、φ29×12.5ディスク使用。JIS
K6262準拠。耐熱性の判定は圧縮永久歪み率25%
以下を合格とした。 低温弾性回復試験(TR試験):低温時のエラストマー
の復元性を確認する。JISK6261準拠。低温性の
判定はTR−10値−32℃以下を合格とした。
実施例1〜4とも、フッ素ゴム(A)のみの比較例1に
比較して、大幅に改善されており、フッ素ゴム(A)に
水素添加ニトリルゴム(B)だけを配合した比較例2や
フッ素ゴム(A)に可塑剤(C)だけを配合した比較例
3〜5に比較して改善されている。圧縮永久歪み率は、
実施例1〜4とも、フッ素ゴム(A)のみの比較例1に
比較して、ほとんど差が見られない。耐油性は、実施例
1〜4とも、フッ素ゴム(A)のみの比較例1からみて
少し低下しているが、フッ素ゴム(A)に水素添加ニト
リルゴム(B)だけを配合した比較例2よりも良い。
(A)に対する配合割合が所定範囲を超える比較例6、
7は耐熱性、耐油性が劣る。水素添加ニトリルゴム
(B)のフッ素ゴム(A)に対する配合割合が所定範囲
を下回る比較例8は耐寒性に劣り、可塑剤量を所定範囲
よりも多くした比較例9は、耐寒性が改善されているも
のの、成形品にブリード現象が確認された。結合アクリ
ロニトリル量が所定範囲量を超えている水素添加ニトリ
ルゴムを用いた比較例10は耐寒性および耐熱性に劣
る。水素添加していないニトリルゴム(通常、ヨウ素価
は100を超える)を用いた比較例11は、耐寒性は得
られているが、耐熱性に劣る。
(C)を配合しただけの比較例12は耐寒性が−37℃
程度と極めて低いが耐油性が全くない。共架橋剤(E)
が配合されていない比較例13は、引張り強度が大幅に
低下し、圧縮永久歪みが悪く、シール材としての特性が
不十分であり、耐熱性、耐油性も劣る。
性に優れ、油中でも使用可能であって、しかも、量産性
にも優れたフッ素系エラストマーを提供することが出来
る。
Claims (4)
- 【請求項1】フッ素ゴム(A)、水素添加ニトリルゴム
(B)、可塑剤(C)、有機過酸化物加硫剤(D)およ
び共架橋剤(E)を必須成分として含有し、 前記フッ素ゴム(A)は、ビニリデンフルオライド・テ
トラフルオロエチレン・パーフルオロメチルビニルエー
テル共重合体であり、 前記水素添加ニトリルゴム(B)は、結合アクリロニト
リル量が30重量%未満、かつ、ヨウ素価が30(mg
/100mg)以下のものであり、 前記フッ素ゴム(A)と前記水素添加ニトリルゴム
(B)の相互割合が(A)/(B)=51/49〜79
/21(重量比)であり、 前記フッ素ゴム(A)と前記水素添加ニトリルゴム
(B)の合計量に対する前記可塑剤(C)の配合割合が
0.1〜30重量%である、フッ素系エラストマー組成
物。 - 【請求項2】前記水素添加ニトリルゴム(B)は、JI
S K6261に準じたTR試験におけるTR−10値
が−31℃以下である、請求項1に記載のフッ素系エラ
ストマー組成物。 - 【請求項3】有機過酸化物加硫剤(D)の含有量が0.
1〜20重量部である、請求項1または2に記載のフッ
素系エラストマー組成物。 - 【請求項4】共架橋剤(E)の含有量が0.1〜20重
量部である、請求項1から3までのいずれかに記載のフ
ッ素系エラストマー組成物。
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---|---|---|---|
JP2002076915A JP3950353B2 (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | 低温フッ素系エラストマー組成物 |
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