JP2003268134A - ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルムの製造方法

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JP2003268134A
JP2003268134A JP2002077875A JP2002077875A JP2003268134A JP 2003268134 A JP2003268134 A JP 2003268134A JP 2002077875 A JP2002077875 A JP 2002077875A JP 2002077875 A JP2002077875 A JP 2002077875A JP 2003268134 A JP2003268134 A JP 2003268134A
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bis
acid
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mol
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Takahisa Ono
隆央 大野
Tsutomu Nakamura
勤 中村
Jirou Sadanobu
治朗 定延
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的かつプロセスコストを低減したポリイ
ミドフィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリアミック酸と有機アミン化合物と脱
水縮合剤を主成分とする溶液から成るイミド基分率が9
5%以上であるゲル状フィルムを少なくとも一方向に延
伸後、水洗し、乾燥熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はポリイミドフィルム
の効率的かつプロセスコストを低減する製造方法に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】全芳香族ポリイミドはその優れた耐熱性
や機械物性から幅広く工業的に利用され、特にそのフィ
ルムは電子実装用途をはじめとする薄層電子部品の基材
として重要な位置を占めるにいたっている。ポリイミド
フィルムの一般に知られている製膜方法は種々のポリア
ミック酸の溶媒中溶液を支持体にキャストしたものを有
機アミン化合物と脱水縮合剤からなる反応凝固浴中でゲ
ルフィルム化させる湿式もしくは該キャスト物をある程
度乾燥させた後有機アミン化合物と脱水縮合剤からなる
反応凝固浴中でゲルフィルム化させる乾湿式成形方法等
の製膜方法が採用されている。またポリアミック酸の溶
媒中溶液中に有機アミン化合物と脱水縮合剤を混合させ
た溶液を支持体上にキャストしゲルフィルム化させる乾
式製膜方法採用されている。しかしポリパラフェニレン
ピロメリットイミド系フィルムについては製膜過程にお
いて吸湿によるポリアミック酸の分解が発生し、最終フ
ィルムの物性が低下するため、低水分率の環境下で製膜
することにより製膜過程における分解による物性低下を
抑制している。このため各工程を低水分率化で管理する
ドライ環境を作成、保持する設備構成が必要であり非常
に設備費が増大することとなる。さらにゲルフィルム中
に残存する有機アミン化合物と脱水縮合剤を洗浄するに
は洗浄液の脱水が必要であり、液組成の管理を含めて設
備的に非常に大掛かりになってしまう問題がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ゲルフィルム中の残存
成分の水による洗浄を可能とするポリパラフェニレンピ
ロメリットイミドフィルムの製膜方法を提供すること。 【0004】 【課題を解決するための手段】ポリアミック酸と有機ア
ミン化合物と脱水縮合剤を主成分とする溶液から成るゲ
ル状フィルムのイミド基分率を95%以上することによ
り、ゲルフィルム中の残存成分を水洗を可能とするポリ
パラフェニレンピロメリットイミド系フィルムの製造方
法を見出した。 【0005】すなわち本発明はポリアミック酸と有機ア
ミン化合物と脱水縮合剤を主成分とする溶液から成るイ
ミド基分率が95%以上であるゲル状フィルムを少なく
とも一方向に延伸後、水洗し、乾燥熱処理することを特
徴とするポリパラフェニレンピロメリットイミド系フィ
ルムの製造方法である。 【0006】本発明の適応するポリイミドフィルムにつ
いて説明する。 【0007】本発明で得られるポリイミドフィルムはp
−フェニレンジアミン成分が80モル%を超え100モ
ル%以下そしてp−フェニレンジアミンとは異なる芳香
族ジアミン成分が0モル%以上20モル%未満からなる
ジアミン成分と、ピロメリット酸が80モル%を超えそ
してピロメリット酸とは異なる芳香族テトラカルボン酸
成分が0モル%以上20モル%未満からなるテトラカル
ボン酸成分とから実質的になるポリイミドからなる。 【0008】ポリイミドを構成するジアミン成分は、p
−フェニレンジアミン単独、あるいはp−フェニレンジ
アミンおよびそれと異なる芳香族ジアミンとの組合せか
らなる。 【0009】p−フェニレンジアミンと異なる芳香族ジ
アミン成分としては、例えばm−フェニレンジアミン、
1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタ
レン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノ
ナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,6−ジ
アミノアントラセン、2,7−ジアミノアントラセン、
1,8−ジアミノアントラセン、2,4−ジアミノトル
エン、2,5−ジアミノ(m−キシレン)、2,5−ジ
アミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−
ジアミノピリジン、2,4−ジアミノトルエンベンジジ
ン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロ
ロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,
3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジアミノベン
ゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,
3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニル
エーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスル
ホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,
3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジア
ミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエ
ーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−
3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルジフェニルメタン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリ
ジン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)
ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホニ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオ
エーテル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニ
ルチオエーテル)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス
(4−アミノフェニル)アミンビス(4−アミノフェニ
ル)−N−メチルアミンビス(4−アミノフェニル)−
N−フェニルアミンビス(4−アミノフェニル)ホスフ
ィンオキシド、1,1−ビス(3−アミノフェニル)エ
タン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、
2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス
[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル
−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、
1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチ
ル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタ
ン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジ
メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタ
ン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフ
ェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン等およびそれらのハロ
ゲン原子あるいはアルキル基による芳香核置換体が挙げ
られる。 【0010】ジアミン成分において、p−フェニレンジ
アミンおよびそれと異なる芳香族ジアミンとの組合せの
場合、p−フェニレンジアミンは、全ジアミン成分に基
づき、80モル%を超える割合、好ましくは90モル%
を超える割合すなわちそれと異なる芳香族ジアミンが2
0モル%未満、好ましくは10モル%未満からなる。 【0011】また、ポリイミドを構成するテトラカルボ
ン酸成分は、ピロメリット酸単独、あるいはピロメリッ
ト酸およびそれと異なる芳香族テトラカルボン酸との組
合せからなる。 【0012】ピロメリット酸と異なる芳香族テトラカル
ボン酸成分としては、例えば1,2,3,4−ベンゼン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−チオフェ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,
3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−p
−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,
3,3’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3’,4’−p−テルフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,6,7−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラ
センテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−アン
トラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,6,7−
フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸
二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,
8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフ
タレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−
テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカル
ボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキ
シフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、2,6−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ピリジン二無水
物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチル
シラン二無水物等が挙げられる。 【0013】テトラカルボン酸成分において、ピロメリ
ット酸およびそれと異なる芳香族テトラカルボン酸との
組合せの場合、ピロメリット酸は、全テトラカルボン酸
成分に基づき、80モル%を超える割合、好ましくは9
0モル%を超える割合すなわちそれと異なる芳香族テト
ラカルボン酸が20モル%未満、好ましくは10モル%
未満からなる。 【0014】ジアミン成分がp−フェニレンジアミン単
独であり、テトラカルボン酸成分がピロメリット酸単独
であるポリイミドからなる本発明のフィルムは、より好
ましいヤング率を発現する。 【0015】本発明で用いられる脱水縮合剤としてはジ
シクロヘキシルカルボジイミド、もしくは無水酢酸、無
水プロピオン酸、無水吉草酸、無水安息香酸、トリフル
オロ酢酸二無水物のごとき酸無水物と有機アミン化合物
を溶解してなる溶液などが好ましく挙げられる。 【0016】上記フィルムに対し製造方法を詳述する。
本発明の製造法は下記の工程(1)〜(5)からなる。 【0017】(1)p−フェニレンジアミン成分が80
モル%を超え100モル%以下であるジアミン成分と、
ピロメリット酸が80モル%を超え100モル%以下で
あるテトラカルボン酸成分とから実質的になるポリアミ
ック酸と、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよび1,
3−ジメチルイミダゾリジノンよりなる群(A)から選
ばれる少なくとも一種からなる溶媒とからなる溶液を調
整し、 【0018】(2)上記(A)から選ばれる少なくとも
一種の溶媒に無水酢酸と有機アミン化合物を溶解してな
る溶液中に、上記工程(1)で調製した溶液を支持体上
に流延して得られたフィルムを該支持体と一緒に浸漬し
てゲル状フィルムを形成し、もしくはあらかじめ上記工
程(1)で調製した溶液に無水酢酸と有機アミン化合物
を混合し支持体上に流延してゲル状フィルムを形成し、 【0019】(3)得られたゲル状フィルムを支持体か
ら分離し、水洗した後、二軸延伸し、次いで 【0020】(4)得られた二軸延伸フィルムを、拘束
下で乾燥し、 【0021】(5)非拘束下で熱処理に付して二軸配向
ポリイミドフィルムを形成する。 【0022】工程(1)では、ポリアミック酸の溶媒中
溶液が調製される。ポリアミック酸は、上記の如きジア
ミン成分とテトラカルボン酸成分からなる。ジアミン成
分を構成するp−フェニレンジアミンと異なる芳香族ジ
アミンおよびピロメリット酸と異なる芳香族テトラカル
ボン酸としては、ポリイミドについて前記したと同じ具
体例を挙げることができる。ポリアミック酸のジアミン
成分は、p−フェニレンジアミン単独からなるかあるい
はp−フェニレンジアミンおよび上記の如きそれと異な
る芳香族ジアミンとの組合せからなる。後者の組合せの
場合、p−フェニレンジアミンは、全ジアミン成分に基
づき、80モル%を超える割合、好ましくは90モル%
を超える割合すなわちそれと異なる芳香族ジアミンが2
0モル%未満、好ましくは10モル%未満からなる。 【0023】また、ポリアミック酸のテトラカルボン酸
成分は、ピロメリット酸単独からなるかあるいはピロメ
リット酸および上記の如きそれと異なる芳香族テトラカ
ルボン酸との組合せからなる。後者の組合せの場合、ピ
ロメリット酸は、全テトラカルボン酸成分に基づき、8
0モル%を超える割合、好ましくは90モル%を超える
割合すなわちそれと異なる芳香族テトラカルボン酸が2
0モル%未満、好ましくは10モル%未満からなる。 【0024】また、ポリアミック酸を製造する際、これ
らのジアミンと酸無水物は、ジアミン対酸無水物のモル
比として好ましくは0.90〜1.10、より好ましく
は0.95〜1.05で、用いることが好ましい。 【0025】このポリアミック酸の末端は封止されるこ
とが好ましい。末端封止剤を用いて封止する場合、その
末端封止剤としては、例えば無水フタル酸およびその置
換体、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびその置換体、無
水コハク酸およびその置換体、アミン成分としてはアニ
リンおよびその置換体が挙げられる。 【0026】溶媒としては、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドンおよび1,3−ジメチルイミダゾリジノンが用い
られる。これらの溶媒は、単独であるいは2種以上組合
せて使用することができる。 【0027】工程(1)によれば、好ましくは、固形分
濃度0.5〜30重量%、より好ましくは2〜15重量
%のポリアミック酸の溶媒中溶液が調製される。 【0028】次いで、工程(2)において、上記工程
(1)で調製した溶液を支持体上に流延して得られたフ
ィルムを支持体と一緒に、反応凝固溶液中に浸漬する。 【0029】上記工程(1)で得られた溶液を支持体上
に流延するには、一般に知られている湿式ならびに乾湿
式成形方法等のいかなる製膜方法を用いてもよい。この
製膜方法としてはダイ押し出しによる工法、アプリケー
ターを用いたキャスティング、コーターを用いる方法な
どが例示される。ポリアミック酸の流延に際して支持体
として金属性のベルト、キャステイングドラムなどを用
いることができる。またポリエステルやポリプロピレン
のような有機高分子フィルム上に流延しそのまま縮合剤
溶液に導入することもできる。これらの工程は低湿度雰
囲気下で行うことが好ましい。浸漬溶液は工程(1)で
用いたと同じ溶媒から選ばれる溶媒の少なくとも1種に
無水酢酸と有機アミン化合物を溶解せしめて調製され
る。 【0030】浸漬溶液中の無水酢酸と有機アミン化合物
の濃度は特定するものではないが、反応を十分に進行さ
せるためには、好ましくは0.5重量%以上99重量%
以下である。また反応温度は、特に規定するものではな
いが、浸漬溶液の凝固点以上、沸点以下の温度を用いる
ことができる。用いられる有機アミン化合物は無水酢酸
とポリアミック酸の反応触媒として働くものであり、例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジ
アミンといった三級脂肪族アミン;N,N−ジメチルア
ニリン、1,8−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ナフ
タレンの如き芳香族アミン、ピリジンおよびその誘導
体、ピコリンおよびその誘導体、ルチジン、キノリン、
イソキノリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデセン、N,N−ジメチルアミノピリジンの如き複
素環式化合物を用いることができる。このなかでトリエ
チレンジアミンおよびN,N−ジメチルアミノピリジン
は極めて高いイミド基分率が実現可能であり、より水に
対する耐性の高いゲルフィルムを与えることから好まし
く用いられる。この際有機アミン化合物の無水酢酸に対
する量としては特に既定するものではないが、0.5モ
ル%以上、より好ましくは10モル%以上である。 【0031】このときのイミド基分率は95%以上であ
り、好ましくはさらに物性が安定するという点で97%
以上がより好ましい。95%以下であれば水洗による物
性の低下が発生し、実用に耐えるフィルムを製造するこ
とが困難である。なおイミド基分率とはジアミン成分の
アミノ基の窒素原子に対する、イミド基の窒素原子の割
合をいう。 【0032】またポリアミック酸のイミド化反応に対
し、あらかじめ上記工程(1)で得られた溶液中に無水
酢酸と有機アミン化合物を溶解した溶液を上述製膜方法
を用いて実施しても構わない。有機アミン化合物に関し
ては上述同様である。この場合の無水酢酸と有機アミン
化合物の濃度は特定するものではないが、反応を十分に
進行させるためにはポリアミック酸のアミド基に対し、
当モル以上が好ましい。また反応温度は、特に規定する
ものではないが、浸漬溶液の凝固点以上、沸点以下の温
度を用いることができる。 【0033】以上この段階におけるイミド基分率の測定
は実施例に示すが、この場合の評価サンプルは定長下で
160℃、30min乾燥処理されたものを使用する。 【0034】工程(3)では、工程(2)で得られた未
延伸ゲル状フィルムを支持体から分離し、水洗したのち
二軸延伸に付す。二軸延伸は、未延伸フィルムを支持体
から分離したのち、縦横それぞれの方向に1.1〜6.
0倍の倍率で行うことができる。延伸温度は、特に限定
するものではないが、溶剤が揮発し延伸性が低下しない
程度であればよく、例えば−20℃〜+80℃が好まし
い。なお、延伸は逐次あるいは同時二軸延伸のいずれの
方式で行ってもよい。延伸は溶剤中、空気中、不活性雰
囲気中、また低温加熱した状態でもよい。 【0035】工程(3)で二軸延伸に付すゲル状フィル
ムは300〜5,000%の膨潤度を持つことが好まし
い。これにより高い延伸倍率が得られる。300%以下
では延伸性が不十分であり、5,000%以上ではゲル
の強度が低下しハンドリングが困難となる。 【0036】工程(4)では、工程(3)で得られた二
軸延伸フィルムを乾燥する。乾燥方法としては熱風加
熱、真空加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱の他、熱
板、ホットロールを用いた接触による加熱などが例示で
きる。この際段階的に温度をあげることでさらにイミド
化を進行させることが好ましい。 【0037】この乾燥は定長ないし緊張下に室温以上の
温度で実施することが好ましい。生産性を考慮した場合
より高温であるほうが好ましいが、フィルム表面性を向
上させる点では250℃以下がより好ましい。時間は特
に限定しないがフィルム中残存溶媒量が10重量%以下
を達成することが好ましい。この場合寸法変化をさらに
下げるとして5%以下がさらに好ましい。このとき10
重量%より大きくなると配向緩和が大きくなり、実用に
耐える弾性率を達成することが難しい。 【0038】最後に、工程(5)では、工程(4)で得
られた乾燥フィルムを非拘束下で熱処理に付して二軸配
向ポリイミドフィルムを形成する。 【0039】熱処理方法としては熱風加熱、真空加熱、
赤外線加熱、マイクロ波加熱の他、熱板、ホットロール
を用いた接触による加熱などが例示できる。この際段階
的に温度をあげることでイミド化を進行させることが好
ましい。 【0040】この熱処理は非拘束下300〜550℃の
温度で実施することが好ましい。もちろん拘束下、緊張
下で実施しても構わない。 【0041】 【実施例】以下、実施例により本発明方法をさらに詳し
く具体的に説明する。ただしこれらの実施例は本発明の
範囲を何ら限定するものではない。 【0042】なおポリアミック酸の対数粘度は、NMP
中ポリマー濃度0.5g/100mlで35℃で測定し
たものである。また膨潤度は膨潤した状態と乾燥した状
態の重量の比から算出した。すなわち、乾燥状態の重さ
をW1、膨潤時の重さをW2とした場合 膨潤度=( W2 / W1− 1) × 100 として算出した。また強伸度測定は50mm×10mm
のサンプルを用い、引張り速度5mm/minで行いオ
リエンテックUCT−1Tによって測定を行ったもので
ある。 【0043】イミド基分率は、フーリエ変換赤外分光計
(Nicolet Magna 750)を使用し、透
過法により測定したピーク強度比から以下のように決定
した。 イミド基分率(%)=(A720/A1024)/5.1 ×
100 A720:サンプルの720cm-1イミド結合由来ピーク
の吸収強度 A1024:サンプルの1024cm-1ベンゼン環由来ピー
クの吸収強度 【0044】[実施例1]温度計・攪拌装置および原料投
入口を備えた反応容器に、窒素雰囲気下モレキュラーシ
ーブスで脱水したN−メチル−2−ピロリドン(NM
P)900mlを入れ、さらにパラフェニルジアミン1
9.9gを加えた後に完全に溶解し、その後、氷浴下冷
却した。この冷却したジアミン溶液に無水ピロメリット
酸二無水物40.1gを添加し一時間反応させ、さらに
室温下3時間反応後、アニリン0.015gを添加しさ
らに20分反応させた。得られたポリアミック酸溶液の
対数粘度は4.33であった。このポリアミック酸溶液
を、ガラス基板上に厚み1.0mmのドクターブレード
を用いてキャストし、NMP1000ml、無水酢酸1
25mlおよびトリエチレンジアミン40gからなる脱
水縮合浴に導入し15分間浸漬してゲル化させた。その
後ガラス基板から剥離しゲル状フィルムを得た。このゲ
ル状フィルムのイミド基分率は97%であった。 【0045】得られたゲルフィルムを水に室温下15分
浸漬させた後、両端をチャックで固定し、室温下2軸方
向に各1.8倍に5mm/secの速度で同時ニ軸延伸
した。延伸開始時のゲルフィルムの膨潤度は1,400
%であった。 【0046】延伸後のゲルフィルムを枠固定し熱風送風
式オーブンを用い90℃から150℃に30minで温
度上昇させ乾燥し、熱風循環式オーブンを用い450℃
で熱処理を行い、ポリイミドフィルムを得た。得られた
ポリイミドフィルムの厚みは9μm、面内の直交する二
方向に測定した引張り弾性率は16.5GPaおよび1
4.8GPa、引張り強度は0.35GPaおよび0.
34GPa、伸度は4.5%および5.2%であった。ま
た、厚み方向の屈折率nz=1.570、密度は1.4
86g/cm3であった。 【0047】[比較例1]実施例1同様にイミド基分率は
97%のゲル状フィルムを得た。得られたゲルフィルム
をNMPに室温下15分浸漬させた後、両端をチャック
で固定し、室温下2軸方向に各1.8倍に5mm/se
cの速度で同時ニ軸延伸した。延伸開始時のゲルフィル
ムの膨潤度は1,600%であった。 【0048】延伸後のゲルフィルムを枠固定し熱風送風
式オーブンを用い160℃から200℃に30minで
温度上昇させ乾燥し、熱風循環式オーブンを用い450
℃で熱処理を行い、ポリイミドフィルムを得た。得られ
たポリイミドフィルムの厚みは9μm、面内の直交する
二方向に測定した引張り弾性率は17.9GPaおよび
16.0GPa、引張り強度は0.39GPaおよび
0.35GPa、伸度は5.1%および4.9%であっ
た。また、厚み方向の屈折率nz=1.573、密度は
1.508g/cm3であった。 【0049】[比較例2]実施例1同様に準備し、脱水
縮合浴に導入後、浸漬時間を6分間に変更してゲル化さ
せた。その後ガラス基板から剥離しゲル状フィルムを得
た。このゲル状フィルムのイミド基分率は90%であっ
た。 【0050】得られたゲルフィルムを水に室温下15分
浸漬させた後、両端をチャックで固定し、室温下2軸方
向に各1.7倍に5mm/secの速度で同時ニ軸延伸
した。延伸開始時のゲルフィルムの膨潤度は1,300
%であった。 【0051】延伸後のゲルフィルムを枠固定し熱風送風
式オーブンを用い90℃から150℃に30minで温
度上昇させ乾燥したがボロボロに割れてしまった。 【0052】 【発明の効果】本発明により効率的かつプロセスコスト
を低減してポリイミドフィルムを製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 定延 治朗 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA60 AC09 AC12 AE19 AG12 AG28 AG33 AG34 BA02 BB02 BB07 BB12 BC01

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリアミック酸と有機アミン化合物と脱
    水縮合剤を主成分とする溶液から成るイミド基分率が9
    5%以上であるゲル状フィルムを少なくとも一方向に延
    伸後、水洗し、乾燥熱処理することを特徴とするポリパ
    ラフェニレンピロメリットイミド系フィルムの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006056956A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Jsr Corp ポリイミドフィルムの製造方法

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JP2006056956A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Jsr Corp ポリイミドフィルムの製造方法

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