JP2003268032A - アクリル系多層重合体の製造方法 - Google Patents

アクリル系多層重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2003268032A
JP2003268032A JP2002076131A JP2002076131A JP2003268032A JP 2003268032 A JP2003268032 A JP 2003268032A JP 2002076131 A JP2002076131 A JP 2002076131A JP 2002076131 A JP2002076131 A JP 2002076131A JP 2003268032 A JP2003268032 A JP 2003268032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
water
layer
parts
acrylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002076131A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumi Yanagii
寿美 楊井
Toshio Nagasaka
俊夫 長坂
Masahiro Osuga
正宏 大須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2002076131A priority Critical patent/JP2003268032A/ja
Publication of JP2003268032A publication Critical patent/JP2003268032A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル系多層重合体ラテックスを電解質で
凝固して得た凝固スラリーから回収した含水重合体の水
分を低下させることができ、乾燥時の熱量を押さえるこ
とが可能なアクリル系多層重合体の製造方法を提供する
こと。 【解決する手段】 アクリル系多層重合体ラテックスを
凝固、脱水し、得られた含水重合体を水に再分散させ、
該再分散スラリーを該重合体の最外層のガラス転移温度
(Tg)より10〜40℃低い温度に維持しつつ、遠心
脱水機で脱水することにより、得られた含水重合体の含
水率が70%以下であり、かつ、この脱水重合体は容易
に乾燥できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系多層重
合体を製造する改良された方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に乳化重合によって得られる重合体
ラテックスは、その用途が塗料、接着剤等である場合に
はそのまま使用されるが、その他の用途に使用される場
合にはラテックス状態から重合体を一旦、凝固して回収
し、洗浄、脱水する工程が必要になる。その際、凝固後
の含水重合体の含水率が高いと乾燥に多大の熱量を要し
コストアップの原因となる。その為、含水重合体の含水
率はなるべく低いことが好ましい。
【0003】特開平7−278238号公報、特開平7
−278239号公報には、乳化重合後のグラフと共重
合後ラテックス溶液に酸を用いて重合体を凝固し、アル
カリで中和した後の凝固スラリーを50℃以上に保持し
ながら真空脱水機で脱水し、乳化重合で用いた脂肪酸系
分散剤の残存量を低減するとの提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−278238号公報、特開平7−278239号公
報の方法では脱水効率が不十分で、得られたポリマーを
50〜60℃で約20時間乾燥させ粉体を得ている。こ
のように、真空脱水した場合、脱水後の含水重合体の水
分率が高いことから、非常に長い乾燥時間が必要とな
り、乾燥時の熱量が多く必要となりコストアップとなっ
てしまう。この為、より含水率を低下させる有効な方法
の開発が望まれていた。
【0005】本発明の課題は、従来の方法に比べ安易
に、含水重合体の水分を低下させることができ、吸引濾
過脱水法に比べ、乾燥時の熱量を押さえることが可能な
アクリル系多層重合体の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
現象に鑑み鋭意検討した結果、アクリル系多層重合体ラ
テックスを凝固、脱水し、得られた含水重合体を水に再
分散させ、該再分散スラリーを該重合体の最外層のガラ
ス転移温度(Tg)より10〜40℃低い温度に維持し
つつ、遠心脱水機で脱水することにより、得られる脱水
重合体の含水率が70%以下であり、かつ、この脱水重
合体は容易に乾燥できることを見出し、本発明に至っ
た。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における製造方法とは、乳
化重合で得られたアクリル系多層重合体ラテックスを凝
固、脱水し得られた含水重合体を水で洗浄し、次いで乾
燥して、アクリル系多層重合体を製造するに際し、該水
での洗浄が水に再分散させた凝固スラリーからの重合体
の回収が、該重合体の最外層のガラス転移温度(Tg)
より10〜40℃低い温度で維持し、遠心脱水機で脱水
するアクリル系多層重合体の製造方法である。
【0008】なお、本発明において、Tgは、該層を構
成する重合体の原料単量体組成物の内、単官能性単量体
のみを用い、重合体のTgを求めるFOXの式{1/T
g=Σ(wi/Tgi):式中wiは単量体iの質量割
合、Tgiは単量体iの単独重合体のガラス転移温度で
ある}により計算したものである。
【0009】本発明でアクリル系多層重合体として、層
を構成する原料単量体組成物を単独で重合した場合に得
られる重合体のTgが25℃以下であるゴム状弾性体
(軟質重合体)を内層として少なくとも一層有し、最外
層が該最該層を構成する原料単量体組成物を単独で重合
した場合に得られる重合体のTgが50℃以上である硬
質重合体であるものが好ましい。
【0010】ゴム状弾性体層を構成する重合体として
は、好ましくは、炭素数8以下のアルキル基を有するア
ルキルアクリレート40〜90質量%、これらと共重合
可能な少なくとも1個のビニル基を有する単官能性単量
体10〜60質量%とからなる単量体混合物100質量
部に対してグラフト交叉剤0.1〜10質量部及び少な
くとも2個のビニル基を有する多官能性架橋剤0.1〜
10質量部から製造される共重合体である。
【0011】ここで炭素数8以下のアルキル基を有する
アルキルアクリレートとして、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が例
示できる。特に好ましいのは、n−ブチルアクリレート
である。これらは、単独で用いることができ、また併用
もできる。
【0012】共重合可能な単官能性単量体としては、ス
チレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香
族不飽和単量体、フェニルメタクリレート、ナフチルメ
タクリレート等のメタクリル系単量体が挙げられる。特
に、屈折率を調整するための単量体としてはスチレンが
好ましい。
【0013】グラフト交叉剤とは、官能基を複数持つ化
合物であって、少なくとも1個の官能基の反応性が他の
官能基の反応性と異なるものであり、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、又はフマル酸のアリル
エステル等が挙げられる。中でも、アクリル酸アリル、
メタクリル酸アリルが好ましい。
【0014】また、多官能性架橋剤は、分子中に反応性
が同じ官能基を複数個有するものであり、例えば、1,
3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタン
ジオールジアクリレート等が挙げられる。
【0015】一方、最外層を構成する硬質重合体層は、
該最外層を構成する単量体組成物を単独で重合した場合
に得られる重合体のTgが50℃以上である重合体で構
成されること好ましい。
【0016】最外層を構成する単量体組成物としては、
炭素数4以下のアルキル基のアルキルメタクリレート6
0〜100質量%とこれからなる共重合可能な他の不飽
和単量体0〜40質量%からなるものが好ましい。炭素
数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート
の例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、及びn−ブチルメタクリレートが挙げられる。
中でもメチルメタクリレートが好ましい。
【0017】また、これらと共重合可能な他の不飽和単
量体としては、ゴム状弾性体層用の単量体で例示したア
ルキルアクリレート、共重合可能な単官能性単量体、及
び1,3−ブタジエン、2,3−ブタジエン、ビニルト
ルエン、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
が挙げられ、これらは単独で用いることができ、また併
用もできる。
【0018】これら単量体又は単量体混合物を乳化重合
する際、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイ
ド、クメンヒドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸
化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸化合物、
過塩素酸化合物、過ホウ酸化合物、これら過酸化物と還
元性スルホキシ化合物との組合せからなるレドックス開
始剤等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、単量体合
計100質量部に対し、0.01〜10.0質量部が適
当である。なお、各層を重合する毎に新しく重合開始剤
を添加することも好ましい。
【0019】そして前記単量体及び重合開始剤等の反応
系への添加方法としては一括添加、分割添加、連続添加
法等の公知の任意の方法が採用できる。また、重合に当
たっては、反応をスムーズに進めるために反応系を窒素
置換、残留単量体を除去するために反応終了後反応系を
昇温する、鉄などの触媒を添加するなどの方法を採るこ
とができる。
【0020】更に詳しくは、内層に少なくとも一層の軟
質重合体層を持っていれば、中間層や最内層を有する三
層以上の多層構造にするなど任意の構造をとることがで
きる。具体的な構造としては、例えば、i)内層が軟質
重合体層、外層が硬質重合体層の二層構造、ii)最内層
が硬質重合体層あるいはTgが25〜50℃である半硬
質重合体層、中間層が軟質重合体層、最外層が硬質重合
体層である三層構造、あるいは、iii)最内層が軟質重
合体層、第二層が硬質重合体層、第三層が軟質重合体
層、最外層が硬質重合体層である四層構造などである。
【0021】重合体を形成させるための重合温度は、3
0〜120℃、好ましくは50〜100℃である。ま
た、単量体/水の重量比は特に限定されず、1/1〜1
/5程度、通常は1/1.5の範囲が適当である。
【0022】乳化重合で使用される乳化剤は、特に限定
されるものではないが、中でもポリオキシアルキレンリ
ン酸エステルの塩が好ましい。モノエステル塩として
は、例えば、モノ−n−ブチルフェニルペンタオキシエ
チレンリン酸、モノ−n−ペンチルフェニルヘキサオキ
シルエチレンリン酸、モノ−n−ヘプチルフェニルペン
タオキシエチレンリン酸、モノ−n−ペンチルヘプタオ
キシエチレンリン酸、モノ−n−ヘキシルペンタオキシ
エチレンリン酸等のリン酸モノエステル類のアルカリ金
属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。ジエステ
ル塩としては、例えば、ジ−n−ブチルフェニルペンタ
オキシエチレンリン酸、ジ−n−ペンチルフェニルヘキ
サオキシエチレンリン酸、ジ−n−ヘプチルフェニルペ
ンタオキシエチレンリン酸、ジ−n−ペンチルヘプタオ
キシエチレンリン酸、ジ−n−ヘキシルペンタオキシエ
チレンリン酸等のリン酸字エステルのアルカリ金属塩ま
たはアルカリ土類金属塩が挙げられる。ここでアルカリ
金属としてはナトリウムあるいはカリウムが、アルカリ
土類金属としてはカルシウムまたはバリウムが好まし
い。これらは単独であるいは2種以上を混合して使用さ
れる。なお、リン酸系乳化剤を使用したとき、その使用
量は、得られる重合体100質量部あたり0.1〜1
0.0質量部が適当である。
【0023】重合に際しては、連鎖移動剤、紫外線吸収
剤など通常、重合時に添加する添加剤を用いることがで
きる。
【0024】乳化重合ラテックスからポリマーを回収す
る凝固剤としては、硫酸、塩酸などの無機酸、塩化カル
シウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩類、蟻酸カルシ
ウム、酢酸カルシウムなどの有機塩等挙げられるが、含
水量を少なくするため凝析力が比較的大きいカルシウム
化合物が好ましく、酢酸カルシウムを用いるのが更に好
ましい。
【0025】酢酸カルシウムを用いた場合には、水溶液
として使用するのが好ましく、その濃度は0.1〜20
質量%、より好ましくは1.8〜5質量%が適当であ
る。酢酸カルシウム水溶液の濃度が低すぎると安定して
多層重合体を回収できない場合があり、また酢酸カルシ
ウム水溶液の濃度が高すぎると酢酸カルシウム水溶液が
飽和して酢酸カルシウムが析出し、凝固した重合体の中
に析出した酢酸カルシウムが包含されたままになること
があり好ましくない。また、その使用量は、重合体ラテ
ックスの10〜500質量倍が適当であり、好ましくは
50〜300質量倍である。
【0026】かくして得られた、凝固スラリーを脱水し
て、含水重合体をひとまず得る。この脱水は、真空脱水
法、プレス脱水法、遠心脱水法等いずれの方法でもよい
が、遠心脱水法が好ましい。遠心脱水法によるとき、そ
の回転数は脱水機の大きさにより異なるが800〜20
00rpmが適当である。
【0027】本発明では、この含水重合体を再び水に分
散させ、最外層の重合体のTgより10〜40℃、好ま
しくは15〜30℃、低い温度に維持しつつ、遠心脱水
機で脱水する。水への再分散は遠心脱水する温度が適当
であり、最外層の重合体のTgより10〜40℃低い温
度ですることが好ましい。更に好ましいのは15〜30
℃低い温度である。遠心脱水する温度が(Tg−40
℃)未満では、得られた重合体の残存水分が高く、生産
性が低下するので好ましくない。また、(Tg−10
℃)を超えると脱水に際しポリマー同士が融着するので
好ましくない。なお、再分散に使用する水の量は、重合
体に対し4.0〜30.0質量倍、好ましくは10.0
〜20.0質量倍が適当である。
【0028】脱水は、真空脱水法、プレス脱水法、遠心
脱水法等挙げられるが、残存水分が最も少ない遠心脱水
機を用いる遠心脱水法が好ましい。遠心脱水法によると
き、回転数は脱水機の大きさにより異なるが800〜2
000rpmが適当である。
【0029】遠心脱水機で脱水された洗浄済み含水重合
体は並行流回分式乾燥機、流動乾燥機や真空乾燥機等を
用い乾燥させることによってアクリル系多層重合体の粉
体が得られる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、特に断らない限り、以下に記載の
「部」、「%」は質量基準である。
【0031】[重合体のTg]Tgは、該層を構成する
重合体の原料単量体組成物の内、単官能性単量体のみを
用い、重合体のTgを求めるFOXの式{1/Tg=Σ
(wi/Tgi):式中wiは単量体iの質量割合、Tgi
は単量体iの単独重合体のガラス転移温度である}によ
り計算したものである。なお、単官能性単量体単独重合
体のTgはPOLYMER HANDBOOK THI
RD EDITIONより引用した。
【0032】[含水率]含水率(Wc;%)は、乾燥前
の含水重合体5g(Ws;g)を採取し、秤量後、18
0℃で30分間、佐竹セーフベントドライヤー(佐竹化
学機械工業(株)製、形式、N50−S4)で乾燥し、
残存量(Wd;g)を秤量し、式{Wc=[(Ws−W
d)/Wd]×100}より求めた。
【0033】[乾燥特性]上記含水率より実重合体量が
500gになるように試料を採取し、70℃、15時間
並行流回分式乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製、形
式、ST−60)で乾燥して乾燥粉を得た。次いで乾燥
粉の含水率を上記含水率測定と同様にして測定した。
【0034】参考例1〔ラテックスA(アクリル系多層
重合体)の調整〕 (最内層、(軟質重合体層))還流冷却器付き反応容器
にイオン交換水300部を入れ昇温し、80℃になった
時点で混合物水溶液(イオン交換水5部、ソジウムフォ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.45部、硫酸第一
鉄0.4×10-6部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウム1.2×10-6部)を入れ、15分間撹拌した後、
予め窒素置換しておいたモノマー混合液(メチルメタク
リレート21.6部(54.0%)、スチレン2.0部
(5.0%)、n−ブチルアクリレート16.4部(4
1.0%)、1,3−ブタンジオールジメタクリレート
1.1部、メタクリル酸アリル0.14部、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド0.08部、乳化剤(フォスフ
ァノールLO−529 東邦化学社製、モノ(ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸40%とジ
(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)リン酸
60%混合物の水酸化ナトリウム部分中和物)1.20
部を2時間かけて滴下し、80℃に保ったまま更に撹拌
し、1時間重合した。なお、重合率は99%以上であっ
た。また、ここでのTgは18.1℃であった。
【0035】(中間層(軟質重合体層))引き続き反応
器内にソジウムフォルムアルデヒドスルホキシレート
0.2部をイオン交換水5部に溶解した水溶液を追加
し、15分間保持した後、予め窒素置換しておいたモノ
マー混合液(スチレン10部(16.7%)、n−ブチ
ルアクリレート50部(83.3%)、1,3−ブタン
ジオールジメタクリレート0.2部、メタクリル酸アリ
ル1.0部、クメンハイドロパーオキサイド0.17
部、乳化剤(フォスファノールLO−529 東邦化学
社製、モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル)リン酸40%とジ(ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル)リン酸60%混合物の水酸化ナトリウム
部分中和物)1.8部を3時間かけて滴下し、更に3時
間撹拌して重合を完了し、多層構造からなるアクリル系
ゴム状弾性体ラテックスを得た。重合率は99%以上で
あった。また、この中間層のTgは−37.8℃であっ
た。
【0036】(最外層)次に、反応器内にソジウムフォ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.2部をイオン交換
水5.0部に溶かした水溶液を追加し、30分間保持し
た後、予め窒素置換しておいたモノマー混合液(メチル
メタクリレート57.0部(95.0%)、メチルアク
リレート3.0部(5.0%)、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド0.1部、n−オクチルメルカプタン0.
39部)を2時間かけて滴下し、更に1時間撹拌して、
重合を完了し、アクリル系多層重合体のラテックスA
(固形分:33%)を得た。重合率は99%以上であっ
た。また、最外層のTgは98.6℃であった。
【0037】参考例2[ラテックスB(グラフト共重合
体)の調整] (内層)イオン交換水200部、牛脂脂肪酸ナトリウム
石鹸(オレイン酸ナトリウム40%、パルミチン酸ナト
リウム27%、ステアリン酸ナトリウム24%含有)
2.5部、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム0.005部、リン酸三カリウム
0.2部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.2部、ブタジエン75部、スチレン25部およびジ
ビニルベンゼン1.0部を撹拌機付き重合容器に入れ、
反応温度50℃で5時間重合し、重合率98%のゴムラ
テックスを得た。
【0038】(外層)得られたゴムラテックス180部
(固形分60部)、イオン交換水90部、牛脂脂肪酸ナ
トリウム0.5部、硫酸第一鉄0.002部、エチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム0.004部、ソジウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.1部、スチレン2
0部及びメチルメタクリレート20部を撹拌機付き重合
容器に仕込み、反応温度60℃で3時間重合させ、重合
率99%のグラフト共重合体のラテックスB(固形分:
32.0%)を得た。なお、外層のTgは96.6℃で
ある。
【0039】実施例1 ステンレス製容器に凝固剤として2.5%酢酸カルシウ
ム水溶液300部を仕込み、撹拌しながら90℃に昇温
して、ラテックスA300部を連続的に添加し、その後
30分間保持し室温まで冷却し、遠心脱水機((株)コ
クサン製、型式H−130E、回転数:1800RP
M、3分間)で脱水し含水重合体180部を得た。得ら
れた含水重合体180部を再び水500部に分散させ、
30分間撹拌した後、60℃に保持しながら遠心脱水機
((株)コクサン製、型式H−130E)で脱水し(1
800RPM、3分間)、含水状アクリル系多層重合体
160部を得た。この含水状重合体の水分率は60%で
あった。得られたアクリル系多層重合体を並行流回分式
乾燥機(佐竹化学機械工業(株)製、形式、ST−6
0)を用い乾燥した。乾燥後の水分率は0.7%であっ
た。
【0040】比較例1 実施例1において、水に再分散後の遠心脱水を40℃に
保持しながら行う以外は実施例1と同様にして、含水状
アクリル系多層重合体175部を得た。この含水状重合
体の水分率は75%であった。得られたアクリル系多層
重合体を並行流回分式乾燥機で乾燥した。乾燥後の水分
率は2.0%と多かった。
【0041】比較例2 ステンレス製容器に凝固剤として2.5%酢酸カルシウ
ム水溶液300部を仕込み、撹拌しながら90℃に昇温
して、ラテックスA300部を連続的に添加し、その後
30分間保持し室温まで冷却し、遠心脱水機((株)コ
クサン製、型式H−130E、回転数:1800RP
M、3分間)で脱水し含水重合体180部を得た。得ら
れた含水重合体180部を再び水500部に分散させ、
30分間撹拌した後、60℃に保持しながら吸引濾過
(直径30cmの濾紙((株)アドバンテック製)を使
用し、ブナーフロートで吸引濾過))で脱水し、含水状
アクリル系多層重合体198部を得た。この含水状重合
体の水分率は100%であった。得られたアクリル系多
層重合体を並行流回分式乾燥機を用い乾燥した。乾燥後
の水分率は3.5%と多かった。
【0042】比較例3 実施例1において、ラテックスAに代えてラテックスB
を用いる以外は実施例1と同様にして、含水状グラフト
共重合体178部を得た。この含水状重合体の水分率は
85%であった。得られたグラフト共重合体を並行流回
分式乾燥機を用い乾燥した。乾燥後の水分率は2.5%
であった。
【0043】以上の結果を表1にまとめた。
【0044】
【表1】
【0045】このように、本発明の範囲を外れた場合
は、乾燥後の水分率が高くなり、十分に乾燥させるには
過大な熱量が必要となり、コストアップになる。
【0046】
【発明の効果】本発明により並行流回分式乾燥機などの
乾燥方法に適した含水重合体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大須賀 正宏 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 Fターム(参考) 4J100 GC01 GC07 GC17 GC25 GC29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合で得られたアクリル系多層重合
    体ラテックスを凝固、脱水し得られた含水重合体を水で
    洗浄し、次いで乾燥して、アクリル系多層重合体を製造
    するに際し、 該水での洗浄が、該含水重合体を水に再分散させ、重合
    体の最外層のガラス転移温度(Tg)より10〜40℃
    低い温度に維持し、遠心脱水機で脱水することであるこ
    とを特長とするアクリル系多層重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 アクリル系多層重合体はTgが25℃以
    下である軟質重合体の層を少なくとも1層有し、かつ最
    外層はTgが50℃以上である硬質重合体からなること
    を特長とする請求項1に記載のアクリル系多層重合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 乳化重合で得られたアクリル系多層重合
    体ラテックスを凝固させる際の凝固剤が酢酸カルシウム
    であることを特長とする請求項1または2に記載のアク
    リル系多層重合体の製造方法。
JP2002076131A 2002-03-19 2002-03-19 アクリル系多層重合体の製造方法 Pending JP2003268032A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002076131A JP2003268032A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 アクリル系多層重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002076131A JP2003268032A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 アクリル系多層重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003268032A true JP2003268032A (ja) 2003-09-25

Family

ID=29205006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002076131A Pending JP2003268032A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 アクリル系多層重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003268032A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2515264B2 (ja) ラテックスの凝集方法、得られた凝集ラテックスおよび熱可塑性母材を改質して耐衝撃性をもたせるための該ラテックスの応用
JPH1077317A (ja) ポリブタジエンゴムラテックスの製造方法
US7767258B2 (en) Polymer particle composition and process for producing the same
JP3607708B2 (ja) 耐候性樹脂組成物及びその製造方法
JPH11166090A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH03212401A (ja) 乳化重合による粒度の増大したポリブタジエンの製造方法
JP2003268032A (ja) アクリル系多層重合体の製造方法
JPWO2003093353A1 (ja) 重合体粒子およびその製造方法
JP3149487B2 (ja) メタアクリル系樹脂粒子の製造方法
JPS623853B2 (ja)
JPH02240113A (ja) スチレン/メタクリル酸コポリマーの大きいビーズの製造法
JP2003342321A (ja) 重合体の製造方法
JP3103736B2 (ja) 熱可塑性樹脂の製造方法
JPH01313551A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
JP4073243B2 (ja) 重合体粒子
JP2005171141A (ja) 多層構造重合体ラテックスおよび多層構造重合体の凝固、回収方法
JP4383086B2 (ja) 色調に優れた樹脂組成物の製造方法
KR100198733B1 (ko) 폴리부타디엔 고무 라텍스의 제조 방법
JP2007283605A (ja) ゴム質重合体フレークの製造方法
JP2003321549A (ja) 重合体粒子の製造方法
JPS5917728B2 (ja) 耐衝撃性樹脂の製造方法
JP2910774B2 (ja) 塩化ビニル樹脂の製造方法
JPS6173713A (ja) 塩化ビニル樹脂の製造方法
KR960000854B1 (ko) 고형분 함량이 높은 라텍스의 제조방법 및 그 방법에 의해 제조된 생성물
JP4228203B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法