JP2007283605A - ゴム質重合体フレークの製造方法 - Google Patents

ゴム質重合体フレークの製造方法 Download PDF

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寿美 楊井
Kimihiko Hattori
公彦 服部
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Abstract

【課題】圧搾脱水押出機での圧搾および脱気中の重合体の完全溶融を防止できるゴム質重合体フレークの製造方法を提供する。
【解決手段】乳化重合で得られたゴム質重合体ラテックスを凝固させて得られた含水重合体を、少なくとも1つの脱液スリットを有する脱液部、含水重合体から液状物を除去するための圧搾部および気化物を排出するための脱気部を備える圧搾脱水押出機を用いて脱液、圧搾、脱気およびフレーク化してゴム質重合体フレークを得るゴム質重合体フレークの製造方法であって、圧搾脱水押出機として、バレルブロックとスクリューとを備え、該バレルブロックとスクリューとの間隔が0.8mm以上3mm以下である圧搾脱水押出機を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系多段重合共重合体などのゴム質重合体のフレークの製造方法に関する。
アクリル系多段重合共重合体はメタクリル系樹脂の耐衝撃改質剤として広く用いられている。このアクリル系多段重合共重合体は乳化重合により製造され、メタクリル系樹脂と混合するために乾燥粉末として回収される。その製造方法の一つに、乳化重合により製造された重合体ラテックスを酸および/または電解質を凝固剤として用いて凝固、脱水し、次いで回収した含水状重合体を圧搾脱水機で脱液、圧搾、脱気、フレーク化し、更に粉砕機で粉砕し顆粒状にして回収する方法がある(特許文献1)。
特開2004−1242号公報
ところが、上記方法において、アクリル系多段重合共重合体が圧搾、脱気中に完全溶融しフレーク化が難しくなる場合がある。
本発明の目的は、圧搾脱水機での圧搾および脱気中の重合体の完全溶融を防止できるゴム質重合体フレークの製造方法を提供することである。
本発明者らはこのような状況に鑑み、アクリル系多段重合共重合体粉体の製造方法について鋭意検討した結果、圧搾脱水押出機のバレルブロックとスクリューとの間隔を調整することにより、容易に脱液、圧搾、脱気、フレーク化させる事が出来る知見を得て、本発明を完成するに至った。
本発明は、乳化重合で得られたゴム質重合体ラテックスを凝固させて得られた含水重合体を、原料供給部、少なくとも1つの脱液スリットを有する脱液部、含水重合体から液状物を除去するための圧搾部および気化物を排出するための脱気部を備える圧搾脱水押出機を用いて脱液、圧搾、脱気およびフレーク化してゴム質重合体のフレークを得るゴム質重合体フレークの製造方法であって、
該圧搾脱水押出機として、バレルブロックとスクリューとを備え、該バレルブロックとスクリューとの間隔が0.8mm以上3mm以下である圧搾脱水押出機を用いるゴム質重合体フレークの製造方法である。
前記ゴム質重合体が、最後段の重合により得られるガラス転移温度が50℃以上である重合体と、少なくとも1段の重合により得られるガラス転移温度が−50℃以上25℃以下である重合体とを含む多段重合共重合体であることが好ましい。
前記ゴム質重合体がアクリル系多段重合共重合体であることが好ましい。
本発明により、圧搾脱水脱水機での圧搾および脱気中の重合体の完全溶融を防止できるゴム質重合体フレークの製造方法が提供される。
本発明におけるゴム質重合体としては、特に制限はないが、多段重合により得ることが好ましい。ゴム成分としては、ブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、オレフィンゴムなどが挙げられる。
本発明において、ゴム質重合体としてアクリル系多段重合共重合体を用いることができる。
アクリル系多段重合共重合体としては、単量体を単独で重合した場合に得られる重合体のガラス転移温度(以下、Tgという。)が25℃以下になる重合体(以下場合により、「ゴム状弾性体」もしくは「軟質重合体」という。)を少なくとも一段で重合し、且つ、単量体を単独で重合した場合に得られる重合体のTgが50℃以上になる重合体(以下場合により、「硬質重合体」という。)を最後段の重合により得ることが好ましい。
上記のようなアクリル系多段重合共重合体は、少なくとも一段の重合で得られる軟質重合体と最後段の重合により得られる硬質重合体を持っていれば、三段以上の多段重合にするなど任意の重合形態をとることができる。
具体的な重合形態としては、例えば、(i)一段目の重合により軟質重合体を得、二段目の重合により硬質重合体を得る二段重合、(ii)一段目の重合により硬質重合体あるいはTgが25〜50℃である半硬質重合体を得、二段目の重合により軟質重合体を得、三段目の重合により硬質重合体を得る三段重合、(iii)一段目及び二段目の重合により組成の異なる軟質重合体を得、三段目の重合により硬質重合体を得る三段重合、(iv)一段目の重合により軟質重合体を得、二段目の重合により硬質重合体を得、三段目の重合により軟質重合体を得、四段目の重合により硬質重合体を得る四段重合などである。
なお、Tgは、各重合体の原料単量体の組成比(質量割合)、単官能性単量体の単独重合体のガラス転移温度の値を用い、下記のFOXの式により計算することができる。
Figure 2007283605
(式中wiは単官能性単量体の合計質量に対する単官能性単量体iの質量割合、Tgiは単官能性単量体iの単独重合体でのガラス転移温度の値である)。
また、単官能性単量体の単独重合体でのガラス転移温度の値は、「POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION」,John Wiley & Sons,Inc.(1989)より引用できる。

前記のゴム状弾性体(軟質重合体)としては、炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート40〜90質量%と、これらと共重合可能な1個のビニル基を有する単官能性単量体10〜60質量%とからなる混合物と、その混合物の合計100質量部に対してグラフト交叉剤0.1〜10質量部および少なくとも2個のビニル基を有する多官能性架橋剤0.1〜10質量部とを混合して単量体混合物とし、これを重合して得られる共重合体が挙げられる。
前記炭素数8以下のアルキル基を有するアルキルアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。特に好ましいのは、Tgの低い点から、n−ブチルアクリレートである。これらは、単独で用いることができ、また併用もできる。
前記アルキルアクリレートと共重合可能な1個のビニル基を有する単官能性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族不飽和単量体、フェニルメタクリレート、ナフチルメタクリレート等のメタクリル系単量体が挙げられる。特に、屈折率を調整する観点から、スチレンが好ましい。これらは、単独で用いることができ、また併用もできる。
前記グラフト交叉剤とは、官能基を複数持つ化合物であって、少なくとも1個の官能基の反応性が他の官能基の反応性と異なるものであり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはフマル酸のアリルエステル等が挙げられる。中でもアクリル酸アリル、メタクリル酸アリルが好ましい。これらは、単独で用いることができ、また併用もできる。
また、前記多官能性架橋剤とは、分子中に反応性が同じ官能基を複数個有するものであり、例えば、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いることができ、また併用もできる。
前記の硬質重合体としては、炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレートを60〜100質量%含み、これらと共重合可能な他の不飽和単量体を0〜40質量%(ゼロ質量%を含む)含む単量体あるいは単量体混合物を重合して得られる重合体(単独重合体もしくは共重合体)が挙げられる。
ここで前記炭素数4以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレートとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートおよびn−ブチルメタクリレートが挙げられ、特に、透明性の点から、メチルメタクリレートが好ましい。これらは、単独で用いることができ、また併用もできる。
また、前記アルキルメタクリレートと共重合可能な他の不飽和単量体としては、例えば、前記軟質重合体の原料として用いる単量体のほか、1,3−ブタジエン、ビニルトルエン、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で用いることができ、また併用もできる。
前記の軟質重合体および硬質重合体の原料単量体または単量体混合物を重合する際に用いることができる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸化合物、過塩素酸化合物、過ホウ酸化合物、これら過酸化物とナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元性スルホキシ化合物と硫酸第一鉄、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム等の組み合わせからなるレドックス開始剤等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、単量体または単量体混合物の成分により適宜決めることができるが、単量体または単量体混合物100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましい。これらは、単独で用いることができ、また併用もできる。また、各段の重合毎に新たに重合開始剤を添加することもできる。
単量体または単量体混合物、および重合開始剤、さらには、必要に応じて用いる水、乳化剤、その他の成分等の重合反応系への添加方法としては、一括添加、分割添加、連続添加など、公知の方法が採用できる。また、重合反応を行うに当たっては、重合反応系を窒素置換する、残存する単量体を除去するために重合反応終了後に重合反応系を昇温する、鉄などの触媒を添加する、などの方法を適宜採ることができる。
本発明においては乳化剤を用いて乳化重合を行うが、その際の重合条件については特に制限がない。例えば重合反応の温度は、30〜120℃好ましくは50〜100℃の範囲である。また、水系での重合反応を行う場合、単量体/水の質量比は、1/1〜1/5程度、通常は1/1.5程度で行われる。
乳化重合を行う場合に使用される乳化剤としては、公知の乳化剤を使用することができ特に限定されるものではないが、中でもポリオキシアルキレンリン酸エステルの塩が好ましい。このリン酸エステル塩のうち、モノエステル塩としては、例えば、モノ−n−ブチルフェニルペンタオキシエチレンリン酸、モノ−n−ペンチルフェニルヘキサオキシルエチレンリン酸、モノ−n−ヘプチルフェニルペンタオキシエチレンリン酸、モノ−n−ペンチルヘプタオキシエチレンリン酸、モノ−n−ヘキシルペンタオキシエチレンリン酸等のリン酸モノエステル類のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。ジエステル塩としては、例えば、ジ−n−ブチルフェニルペンタオキシエチレンリン酸、ジ−n−ペンチルフェニルヘキサオキシエチレンリン酸、ジ−n−ヘプチルフェニルペンタオキシエチレンリン酸、ジ−n−ペンチルヘプタオキシエチレンリン酸、ジ−n−ヘキシルペンタオキシエチレンリン酸等のリン酸ジエステル類のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が挙げられる。ここでアルカリ金属としてはナトリウムあるいはカリウムが、アルカリ土類金属としてはカルシウムまたはバリウムが好ましい。これらは単独であるいは2種以上を混合して使用される。なお、乳化剤の使用量は、その種類等により適宜決め得る。
また、重合に際しては、前記の乳化剤の他、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤、重合性官能基を有する紫外線吸収剤など、一般に使用される重合時に添加する添加剤を必要に応じて用いることができる。また、ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤を少量添加することもできる。
前記乳化重合により得られる多段重合により得られる重合体のラテックス中の固形分量は、重合体の生産性を高くするために、10質量%以上が好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。また、ラテックス中の固形分量は、ラテックスの安定性を損なわないために、60質量%以下が好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
上記のラテックスから多段重合共重合体を回収する方法としては、酸凝固法、塩凝固法、凍結凝固法の各種の方法を用いることができる。塩凝固法で用いる回収剤としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどの無機塩を挙げることができるが、回収される多段重合共重合体を衝撃強度改質剤として用いたメタクリル系樹脂組成物を成形して得られる成形物の着色を抑えるためには、酢酸カルシウムが特に好ましい。回収剤は水溶液として使用することができる。回収剤水溶液中の回収剤濃度は0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。回収剤水溶液中の回収剤濃度が0.1質量%以上であれば、安定して多段重合共重合体を回収することが可能であり、20質量%の濃度であれば、回収された多段重合共重合体に多量の回収剤が混在することがなく、これを用いた成形物において、着色等の性能の低下を抑制することができる。
回収した水を含んだ多段重合共重合体(以下、「含水重合体」という。)を圧搾脱水押出機を用いてフレークとして製造する。ここで言うフレークとは粉体とペレット状物との混合物である。多段重合共重合体をフレークとして回収した後に、多段重合共重合体のブロッキングを抑制し、取扱い性の向上を図るために、シリカゲル微粒子などの滑剤を添加、混合することもできる。
本発明の製造方法においては、多段重合共重合体等のゴム質重合体ラテックスを凝固して得た含水重合体を、遠心脱水機で脱水した後、前記含水重合体を脱液、圧搾、脱気及びフレーク化する工程を有する。この工程では、例えば、東芝機械(株)製、TEM−35(商品名)のような二軸圧搾脱水押出機を使用することが好ましい。
この二軸圧搾脱水押出機の一例としては、図1に示す如く、総数10個のバレルブロック1001〜1010(それぞれバレルブロックNo.1〜No.10)が設けられており、そのバレルブロックが形成するバレルの内部に2本の同一形状をもつスクリューが互いに噛合った状態で軸芯を平行にして挿入されている。図1はバレルブロックの構成を示す模式図であり、図2は、バレルに挿入されるスクリューにおけるスクリューブロックおよびニーディングディスクブロックの構成を示す模式図である。
図1に示す如く、バレルブロックNo.1、2、4、6、8、9、および10は、通常の二軸圧搾脱水押出機に使用されるものと同一構造のバレルブロックである。No.3、5、および7の各バレルブロックは、その側面に液体のみを通すようなスリット間隔をもつ脱水用スリットが形成されているバレルブロック(脱液バレルブロック)である。そして、バレルブロックNo.1には、ホッパー100が取り付けられ、ホッパーの上方には図示しないが原料投入装置が配設されている。また、バレルブロックNo.10の端部にはダイス200が取り付けられている。また、バレルブロックNo.9および10には脱気口300が設置されている。
以上の構成からなるバレルに挿入されるスクリューは、様々な構成が採れるように多種のスクリュー構造および長さをもつスクリューブロックおよびニーディングディスクブロックを適宜組み合わせて構成される。例えば、図2に示すような、各種スクリューブロックとニーディングディスクブロックを組み合わせたスクリューが挙げられる。表1に各スクリューディスクのねじれ方向(S:ねじれ方向が右回り、L:ねじれ方向が左回り)、ニーディングディスクブロックのねじれ方向(N:ねじれ方向が右回り)、ブロック長(mm)/リード長(mm)を示す。
Figure 2007283605
かかる構成からなる2本1対のスクリューがお互いに噛合った状態でバレル内に貫通挿入され、そのスクリュー基部は変速機能を有する駆動源に連結される。この二軸圧搾脱水押出機は、バレルブロックNo.1の部分が原料(含水重合体)投入部、バレルブロックNo.3、5およびNo.7が脱液部、バレルブロックNo.4〜No.5の前部、およびNo.7の後部〜No.8が圧搾部となっている。また、この圧搾脱水押出機の上流側に圧搾部で含水重合体から分離した液体を排出させるための脱液スリットを備えている。ホッパー100に供給された含水重合体は、バレルブロックNo.1〜No.8を移動しながら圧搾され脱液されて、脱液重合体となる。
その後、バレルブロックNo.9および10で脱気・乾燥される。そして、ダイス200から含水重合体が脱水、乾燥されたゴム質重合体がフレークとして押出される。
本発明において、圧搾脱水押出機のバレルブロックとスクリューとの間隔が0.8mm以上3mm以下である。この間隔とは、バレルブロックとスクリュー(スクリューのフライトの部分)とが長さ方向全体に亘ってなす間隔のことを意味する。このバレルブロックとスクリューとの間隔は、スクリューのエレメントを交換することにより調整できる。バレルブロックとスクリューとの間隔が0.8mm以上であれば圧搾脱水押出機通過後の重合体が半溶融状態でフレーク状で得られ、3mm以下であれば圧搾脱水押出機通過後の重合体の水分率が低くなる。
本発明によれば、アクリル系多段重合共重合体粉体等のゴム質重合体を製造する際に、圧搾脱水押出機のバレルブロックとスクリューとの間隔を調整することで圧搾および脱気中の完全溶融を防止することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
[含水率]
含水率Wc(%)は次のようにして求めた。すなわち、乾燥前の含水状重合体5g(Ws(g))を採取し、秤量後、180℃で30分間佐竹セーフベントドライヤー(商品名。佐竹化学機械工業株式会社製、形式、N50−S4)で乾燥し、残存量Wd(g)を秤量し、式{Wc=[(Ws−Wd)/Wd]×100}より求めた。
<実施例1>
図1に示すバレルおよびスクリューで構成される圧搾脱水押出機を用いてゴム質重合体フレークを製造した。
圧搾脱水押出機:東芝機械(株)製、商品名:TEM−35B二軸押出機、
バレルブロックの径:35mm、
スクリュー長:1244mm、
スクリュー回転数:200rpm、
脱水スリット:0.2mm、
バレル設定温度:C1=120℃(バレルブロックNo.2)、
:C2=180℃(バレルブロックNo.4)、
:C3=200℃(バレルブロックNo.6)、
:C4=100℃(バレルブロックNo.8、No.9)、
:C5=100℃(バレルブロックNo.10)。
脱気圧力:第1脱気口(バレルブロックNo.9に備わる脱気口300)常圧、
:第2脱気口(バレルブロックNo.10に備わる脱気口300)常圧。
〔アクリル系多段重合共重合体ラテックスの調整〕
次のようにして4段重合のアクリル系多段重合共重合体を含むラテックスを用意した。
撹拌機、還流冷却器、窒素吹き込み口、単量体追加口、温度計を備えた5口フラスコに、以下の成分1を入れた。
(成分1)
脱イオン水 94部、
SFS(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート) 0.25部、
硫酸第1鉄 0.5×10-5部、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 7.5×10-5部。
次に、この系を混合撹拌下、窒素置換しながら80℃に昇温し、下記の組成の混合物(a−1)の2/10を投入し、80℃に保ったまま15分保持した。次に(a−1)の残りを50分かけて投入し、80℃に保ったまま1時間保持して、一段目の重合を完結させた。得られたラテックス(A−1)の重合率(未反応の単量体をガスクロマトグラフィーで測定、以下同様)は99%以上であった。この一段目の重合体のTgは18.4℃であった。
(混合物(a−1))
メチルメタクリレート(MMA) 7.0部、
スチレン(ST) 0.5部、
n−ブチルアクリレート(nBA) 5.0部、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート(13BD) 0.375部、
アリルメタクリレート(ALMA) 0.047部、
t−ブチルハイドロパーオキサイド(tBH) 0.022部、
乳化剤A(NA) 0.45部。
(上記乳化剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩:フォスファノールRS−610NA(商品名)、東邦化学(株)製)。
引き続き、SFS0.17部を脱イオン水1.2部に溶解したものを、上記ラテックス(A−1)に加えて、15分間保持した後、下記の組成の混合物(b−1)を240分かけて滴下し、105分保持して二段目の重合を完結させた。得られたラテックス(B−1)の重合率は99%以上であった。この二段目の重合体のTgは−38.9℃であった。、この二段目の重合体まで形成した重合体の質量平均粒子径は250nmであった。
(混合物(b−1))
スチレン 8.75部、
n−ブチルアクリレート 41.25部、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート 0.125部、
アリルメタクリレート 0.875部、
クメンハイドロパーオキサイド(CHP) 0.14部、
乳化剤A(NA) 1.35部。
引き続き、SFS0.10部を脱イオン水1.1部に溶解したものを、上記ラテックス(B−1)に加えて、15分間保持した後、下記の組成の混合物(c−1)を100分かけて滴下し、60分間保持して三段目の重合を完結させた。得られたラテックス(C−1)の重合率は99%以上であった。この三段目の重合体(C−1)のTgは57℃であった。
(混合物(c−1))
メチルメタクリレート 23.70部、
n−ブチルアクリレート 6.25部、
スチレン 1.30部、
t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.053部、
n−オクチルメルカプタン(nOM) 0.031部。
引き続き、SFS0.02部を脱イオン水1.2部に溶解したものを、上記ラテックス(C−1)に加えて、15分間保持した後、下記の組成の混合物(c−2)を20分かけて滴下し、120分間保持して四段目の重合を終えた。得られた最終ラテックス(C−2)の重合率は99%以上であった。四段目の重合体(C−2)のTgは99℃であった。この最終ラテックスを、アクリル系多段重合共重合体ラテックスとして用いた。
(混合物(C−2))
メチルメタクリレート 5.94部、
メチルアクリレート 0.31部、
t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.011部、
n−オクチルメルカプタン 0.0187部。
[含水状重合体の調整]
ステンレス製の容器に凝固剤水溶液として1.0%酢酸カルシウム水溶液600部を仕込み、混合撹拌下60℃に昇温して、このようにして得たアクリル系多段重合共重合体ラテックス300部を10分間に亘って連続的に添加した。その後92℃に昇温して5分間保持した。室温まで冷却し、脱イオン水で洗浄しながら遠心脱水(1300G(Gは重力加速度を示す)、3分間)でろ別して含水重合体を得た。含水重合体の含水率は乾燥重合体あたり55%であった。
[圧搾、脱液、脱気、フレーク化]
バレルブロックとスクリューの間隔を0.8mmに設定し、圧搾脱水押出機に上記の含水重合体を連続的に10kg/hrで供給し、圧搾、脱液、脱気およびフレーク化を行った。その結果、圧搾脱水押出機から排出されたゴム質重合体はやや溶融していたがフレーク状であり、粉体の含水率は乾燥重合体あたり1.0%と良好であった。
<実施例2>
バレルブロックとスクリューの間隔を1.5mmに変更した以外は実施例1と同様にしてゴム質重合体フレークを製造した。その結果、圧搾脱水押出機から排出されたゴム質重合体はフレーク状であり、粉体の含水率は乾燥重合体あたり0.8%であった。
<実施例3>
バレルブロックとスクリューの間隔を3mmに変更した以外は実施例1と同様にしてゴム質重合体フレークを製造した。その結果、圧搾脱水機から排出されたゴム質重合体はフレーク状であり、粉体の含水率は乾燥重合体あたり1.2%であった。
<実施例4>
使用する二軸圧搾脱水押出機を、東芝機械社製(商品名:TEM−120)に変更し、バレルブロックとスクリューの間隔を1.3mmに設定し、含水重合体の供給速度を1000kg/hrに変更した以外は実施例1と同様にしてゴム質重合体フレークを製造した。その結果、圧搾脱水押出機から排出されたゴム質重合体はやや溶融していたがフレーク状であり、粉体の含水率は乾燥重合体あたり1.3%であった。なお、バレル構成およびスクリュー構成は図3および4に示した。バレルブロック2001〜2010のうち、バレルブロック2003、2005および2007は脱液バレルである。
また表2に各スクリューディスクのねじれ方向(S:ねじれ方向が右回り、L:ねじれ方向が左回り)、ニーディングディスクブロックのねじれ方向(N:ねじれ方向が右回り)、ブロック長(mm)/リード長(mm)を示す。
圧搾押出脱水機:東芝機械(株)製、商品名:TEM−120、
バレルブロックの径:120mm、
スクリュー長:4465mm、
スクリュー回転数:140rpm、
シリンダー温度:C1=140℃(バレルブロックNo.2)、
:C2=180℃(バレルブロックNo.4)、
:C3=180℃(バレルブロックNo.6)、
:C4=150℃(バレルブロックNo.8)、
:C5=150℃(バレルブロックNo.9)
:C6=150℃(バレルブロックNo.10)。
Figure 2007283605
[比較例1]
バレルブロックとスクリューの間隔を0.45mmに変更した以外は実施例4と同様の方法にしてゴム質重合体フレークを製造しようとした。その結果、圧搾脱水押出機から排出されたゴム質重合体はやや溶融状態が強く塊状で良好なフレーク状の物が得られなかった。
[比較例2]
バレルブロックとスクリューの間隔を3.1mmに変更した以外は実施例1と同様の方法で実験を行った。その結果、圧搾脱水押出機から排出されたゴム質重合体はフレーク状であったが、粉体の含水率は乾燥重合体あたり2.8%と高かった。
本発明によって得られるゴム質重合体フレークは、必要に応じてさらに粉砕されて、耐衝撃改質剤などとして利用できる。
実施例1で用いた圧搾脱水押出機のバレルブロックの構成を示す模式図である。 実施例1で用いた圧搾脱水押出機のスクリューの構成を示す模式図である。 実施例4で用いた圧搾脱水押出機のバレルブロックの構成を示す模式図である。 実施例4で用いた圧搾脱水押出機のスクリューの構成を示す模式図である。
符号の説明
0:Oリング
1〜38:スクリューブロックもしくはニーディングディスクブロック
100:ホッパー
200:ダイス
300:脱気口(脱気部)
1001〜1010:バレルブロック
2001〜2010:バレルブロック

Claims (3)

  1. 乳化重合で得られたゴム質重合体ラテックスを凝固させて得られた含水重合体を、原料供給部、少なくとも1つの脱液スリットを有する脱液部、含水重合体から液状物を除去するための圧搾部および気化物を排出するための脱気部を備える圧搾脱水押出機を用いて脱液、圧搾、脱気およびフレーク化してゴム質重合体のフレークを得るゴム質重合体フレークの製造方法であって、
    該圧搾脱水押出機として、バレルブロックとスクリューとを備え、該バレルブロックとスクリューとの間隔が0.8mm以上3mm以下である圧搾脱水押出機を用いるゴム質重合体フレークの製造方法。
  2. 前記ゴム質重合体が、最後段の重合により得られるガラス転移温度が50℃以上である重合体と、少なくとも1段の重合により得られるガラス転移温度が−50℃以上25℃以下である重合体とを含む多段重合共重合体である請求項1記載の方法。
  3. 前記ゴム質重合体がアクリル系多段重合共重合体である請求項1または2記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016043528A (ja) * 2014-08-21 2016-04-04 日本ゼオン株式会社 重合体の脱水方法
CN113993677A (zh) * 2019-06-18 2022-01-28 日本瑞翁株式会社 丙烯酸橡胶的制造方法

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