JP2003264962A - 積層コア用材料及びその製造方法 - Google Patents

積層コア用材料及びその製造方法

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JP2003264962A JP2002064548A JP2002064548A JP2003264962A JP 2003264962 A JP2003264962 A JP 2003264962A JP 2002064548 A JP2002064548 A JP 2002064548A JP 2002064548 A JP2002064548 A JP 2002064548A JP 2003264962 A JP2003264962 A JP 2003264962A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 かしめを行うことなく薄鋼板どうしが適切に
接合されるとともに、ワニス含浸工程を経て積層コアと
した際に優れた接着強度を得ることができ、しかも安価
に且つ高い生産効率で生産することができる積層コア用
材料を提供する。 【解決手段】 積層させた複数枚の薄鋼板を打ち抜き加
工して得られる積層コア用材料であって、前記複数枚の
薄鋼板間が接着剤層により部分的に接着され、且つ前記
接着剤層が、該接着剤層に囲まれた非接着領域が存在し
ないように形成されていることを特徴とし、接着面に接
着剤層に囲まれた非接着領域が存在しないので、含浸工
程において各積層コア用材料を構成する薄鋼板間全体に
ワニス又は樹脂が浸透し、これにより優れた接着強度の
積層コアを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性材料である薄
鋼板を用いた積層コア用材料及びその製造方法、さらに
はその積層コア用材料を用いた積層コア及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気機器などの鉄心となる薄鋼板の打ち
抜き加工方法に関しては、例えば特開昭55−1566
23号に、2枚の帯状電気鉄板を重ね合わせ、両鉄板を
かしめて一体化させた状態で同時に打抜く方法が示され
ている。この方法は、鉄心を1枚づつ打抜く方法は非効
率であることから、鉄心材となる電気鉄板を複数枚重ね
合わせて同時に打ち抜くようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の方法では、薄鋼板のかしめ部で絶縁皮膜が破壊
されるため、これにより得られる積層コアの磁気特性が
劣化するという問題がある。また、Si含有量が3.5
mass%以上の高珪素鋼板ではかしめ部で割れが生じるた
め、事実上かしめることができない。また、板厚が0.
2mm以下の薄い材料についても、かしめ部の圧着強度
が弱いために十分にかしめることができない。
【0004】したがって本発明の目的は、上記従来技術
の課題を解決し、かしめを行うことなく薄鋼板どうしが
適切に接合されるとともに、ワニス等の含浸工程を経て
積層コアとした際に優れた接着強度を得ることができ、
しかも安価に且つ高い生産効率で生産することができる
積層コア用材料及びその製造方法を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、上記積層コア用材料を
用いた優れた品質の積層コア及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
従来技術の課題を解決すべく検討した結果、重ね合わさ
れた薄鋼板間を接着剤によって部分的に且つ接着剤層に
囲まれた非接着領域が形成されないように接着すること
により、絶縁皮膜の破壊を生じることなく、しかも高珪
素鋼板や薄い材料についても積層コア用材料とすること
ができ、さらにこの積層コア用材料によって良好な品質
の積層コアが得られることが判った。本発明はこのよう
な知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとお
りである。
【0006】[1] 積層させた複数枚の薄鋼板を打ち抜き
加工して得られる積層コア用材料であって、前記複数枚
の薄鋼板間が接着剤層により部分的に接着され、且つ前
記接着剤層が、該接着剤層に囲まれた非接着領域が存在
しないように形成されていることを特徴とする積層コア
用材料。 [2] 上記[1]の積層コア用材料において、薄鋼板がSi
含有量:3.5mass%以上の高珪素鋼板であることを特
徴とする積層コア用材料。 [3] 上記[1]又は[2]の積層コア用材料において、薄鋼板
の板厚が0.2mm以下であることを特徴とする積層コ
ア用材料。
【0007】[4] 複数枚の薄鋼板を積層させ、これを打
ち抜き加工して積層コア用材料を製造する方法であっ
て、前記複数枚の薄鋼板間を接着剤により、接着剤層に
囲まれた非接着領域が形成されないように部分的に接着
する工程と、前記工程で接着された複数枚の薄鋼板を一
体として打ち抜き加工する工程を有することを特徴とす
る積層コア用材料の製造方法。 [5] 上記[4]の製造方法において、薄鋼板間を接着剤に
より部分的に接着する工程では、アンコイラーから供給
される帯状の複数枚の薄鋼板を接着することを特徴とす
る積層コア用材料の製造方法。 [6] 上記[4]又は[5]の製造方法において、薄鋼板がSi
含有量:3.5mass%以上の高珪素鋼板であることを特
徴とする積層コア用材料の製造方法。
【0008】[7] 上記[4]〜[6]のいずれかの製造方法に
おいて、薄鋼板の板厚が0.2mm以下であることを特
徴とする積層コア用材料の製造方法。 [8] 上記[1]〜[3]のいずれかの積層コア用材料を複数枚
積層させた積層コアであって、各積層コア用材料間及び
各積層コア用材料を構成する薄鋼板間に含浸によるワニ
ス又は樹脂が充填されていることを特徴とする積層コ
ア。 [9] 上記[4]〜[7]のいずれかの製造方法により得られた
積層コア用材料を複数枚積層させ、該積層体に対してワ
ニス又は樹脂を含浸させた後、乾燥又は焼付処理を施す
ことを特徴とする積層コアの製造方法。
【0009】[10] アンコイラーから供給される帯状の
複数枚の薄鋼板を積層させ、且つ該複数枚の薄鋼板間を
接着剤によって、接着剤層に囲まれた非接着領域が形成
されないように部分的に接着することにより積層コア用
帯材を形成する工程と、前記積層コア用帯材の下面に部
分的に接着剤を塗布する工程と、部分的に接着剤が塗布
された前記積層コア用帯材を打ち抜き装置に導入して打
ち抜き加工を行い、この打ち抜かれた積層コア用材料を
打ち抜き装置内で順次積層させることにより、複数枚の
積層コア用材料が積層コア用材料間に接着剤層で囲まれ
た非接着領域が形成されないように部分的に接着された
積層体を得る工程と、前記積層体に対してワニス又は樹
脂を含浸させた後、乾燥又は焼付処理を施す工程を有す
ることを特徴とする積層コアの製造方法。 [11] 上記[10]の製造方法において、薄鋼板がSi含有
量:3.5mass%以上の高珪素鋼板であることを特徴と
する積層コアの製造方法。 [12] 上記[10]又は[11]の製造方法において、薄鋼板の
板厚が0.2mm以下であることを特徴とする積層コア
の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の積層コア用材料は、積層
させた複数枚の薄鋼板を打ち抜き加工して得られる積層
コア用材料(積層コア用板片)であり、複数枚の薄鋼板
間が接着剤層により部分的に接着され、且つこの接着剤
層は、接着剤層に囲まれた非接着領域が存在しないよう
に形成される。積層コア用材料を用いた積層コアの製造
工程では、積層コア用材料を複数枚積層させた積層体に
対してワニス又は樹脂の含浸処理を施し、各積層コア用
材料間及び各積層コア用材料を構成する薄鋼板間にワニ
ス又は樹脂を含浸させるが、薄鋼板間に接着剤層に囲ま
れた非接着領域が存在すると、上記含浸工程においてこ
の非接着領域にワニス又は樹脂が浸透せず、積層コアは
接着強度に劣ったものとなる。これに対して本発明の積
層コア用材料は、そのような接着剤層に囲まれた非接着
領域が存在しないので、上記含浸工程において各積層コ
ア用材料を構成する薄鋼板間全体(接着剤層を除く全
体)にワニス又は樹脂が浸透し、これにより優れた接着
強度の積層コアを得ることができる。
【0011】図1(a)〜(c)は本発明の積層コア用
材料のいくつかの実施形態を示すもので、2枚の薄鋼板
間に形成される接着剤層の形態(平面)を示す説明図で
ある。これらのうち図1(a)は、接着剤層1aを鋼板
幅方向中央部に鋼板長手方向に沿って一定のピッチで間
隔的に形成したものである。また、図1(b)は接着剤
層1bを鋼板幅方向の2箇所に鋼板長手方向に沿って一
定のピッチで間隔的に形成したものである。また、図1
(c)は接着剤層1cを鋼板幅方向中央部に鋼板長手方
向に沿って連続的に形成したものである。なお、各図に
おいて破線で囲まれた斜線部分3a〜3cは、積層コア
用材料の製造時に接着剤が間欠的又は連続的に液滴され
た部分を示し、この接着剤の液滴部が薄鋼板どうしを重
ね合わせる(通常、重ね合わされた薄鋼板は押え装置で
両側から押圧される)ことにより拡がり、図中実線で示
す接着剤層1a〜1cとなる。
【0012】以上述べた図1(a)〜(c)に示される
接着剤層1a〜1cは、接着剤層に囲まれた非接着領域
が存在しないように形成されており、これにより積層コ
アの製造工程においてワニス又は樹脂を含浸させた際に
接着剤層を除く薄鋼板間全体にワニス又は樹脂を浸透さ
せることができる。これに対して図2に示す例(比較
例)は、図1(b)と同様に接着剤を鋼板幅方向の2箇
所に鋼板長手方向に沿って一定のピッチで間隔的に液滴
したものであるが、液滴された接着剤が薄鋼板を重ね合
わせることにより拡がって隣接する接着剤層の一部が繋
がり、接着剤層1dに囲まれた非接着領域2が形成され
たものであり、このような形態で接着剤層が形成される
と、積層コアの製造工程においてワニス又は樹脂を含浸
させた際に、この非接着領域2にワニス又は樹脂が浸透
できず、積層コアの接着強度が低下する等の問題を生じ
る。したがって、このような非接着領域2が形成される
ような接着剤層の形態は避ける必要がある。
【0013】図1(a)〜(c)において薄鋼板間に形
成される接着剤層1a〜1cは、打ち抜き加工される際
の衝撃によって両薄鋼板が剥離しない程度の接着強度を
有するものであればよく、これを満足するよう接着剤層
の形成面積や形成個数などが選択される。また、図1
(a)、(b)に示すように接着剤層を所定のピッチで
間隔的に形成する場合には、薄鋼板間の接着強度を確保
するため、1つの積層コア用材料につき2箇所以上の接
着剤層を形成することが好ましい。なお、図1(a)、
(b)に示す接着剤層1a,1bの好ましい形成ピッチ
などについては後述する製造方法の説明において詳しく
述べる。
【0014】本発明の積層コア用材料を構成する薄鋼板
の組成に特に制限はないが、本発明ではSi含有量が
3.5mass%以上の高珪素鋼板や非晶質薄鋼板について
も何ら問題なく使用することができる。また、積層コア
用材料を構成する薄鋼板の板厚にも特別な制限はない
が、特にかしめが困難な0.2mm以下、とりわけ0.
15mm以下の板厚の薄鋼板に適しており、本発明では
このような極く薄い鋼板についても何ら問題なく使用で
きる。また、プレス加工性の観点から、積層コア用材料
の全厚みは0.4mm以下とすることが好ましい。本発
明の積層コア用材料は3枚以上の薄鋼板を接着したもの
であってもよく、この場合も各薄鋼板間に上述したよう
な形態で接着剤層が形成される。
【0015】図3は、本発明の積層コア用材料の製造方
法及びその実施に供される製造設備の一実施形態を示し
ている。図3に示す製造設備は、接着すべき2板の薄鋼
板A,B(鋼帯)を払い出すための2基のアンコイラー
4A,4Bと、これらアンコイラー4A,4Bから払い
出された薄鋼板A,Bのうちの一方の薄鋼板Aの片面に
接着剤を供給(塗布)する接着剤供給装置5と、上下1
対のロールを備え、この1対のロールによって前記接着
剤供給装置5から接着剤が供給された薄鋼板Aと前記薄
鋼板Bとを重ね合わせた状態で両側から押圧し、両薄鋼
板を圧着させる押え装置6と、この押え装置6で圧着さ
れた薄鋼板A,Bからなる積層コア用帯材xを打ち抜き
加工する打ち抜き装置7と、前記押え装置6と打ち抜き
装置7間に設けられる上下1対のロールからなる送り装
置8とを備えている。また、図において、11A,11
B,12A,12Bは薄鋼板A,Bをそれぞれ押え装置
6の入側まで案内するためのガイドロールである。な
お、他の実施形態としては、ガイドロール11A,11
Bを設けず、この部分の薄板A,Bをループ状にして押
え装置6方向に送るようにしてもよい。
【0016】前記接着剤供給装置5にはポット9から供
給管10を通じて接着剤が供給される。この接着剤供給
装置5から薄鋼板面に接着剤を供給(塗布)する方法は
任意であり、例えば、接着剤を自由滴下させる方法、ポ
ンプで汲上げてディスペンサーで供給する方法等が採ら
れる。前記押え装置6は、薄鋼板A,Bを上下1対のロ
ール間で押圧することに圧着させるものであるが、ロー
ルではなく例えば上下1対のテンションパッドにより構
成してもよい。なお、前記送り装置8は、打ち抜き装置
7に入る前の積層コア用帯材x(薄鋼板A,B)を両側
から押圧して薄鋼板A,Bの接着強度を高める機能も有
している。この送り装置8の入側及び出側には薄鋼板の
ずれを防止するためのサイドガイド(図示せず)が設置
されている。
【0017】以上のような製造設備による本発明の積層
コア用材料の製造方法の一実施形態を説明すると、2基
のアンコイラー4A,4Bから払い出された帯状の薄鋼
板A,Bのうち薄鋼板Aの片面に接着剤供給装置5から
接着剤が供給(塗布)された後、両薄鋼板A,Bはガイ
ドロール11にガイドされて重ね合わされた状態で押え
装置6に入り、この押え装置6を構成する上下のロール
により圧着され、積層コア用帯材xとなる。次いで、こ
の積層コア用帯材x(薄鋼板A,B)は送り装置8を経
て打ち抜き装置7に導かれ、ここで打ち抜き加工される
ことにより積層コア用材料y(積層コア用板片)が得ら
れる。なお、薄鋼板A,B及び両鋼板が接着した積層コ
ア用帯材xは接着剤供給装置5及び打ち抜き装置7に対
して間欠的に送られ、順次接着剤の塗布と打ち抜き加工
が施される。
【0018】前記接着剤供給装置5から薄鋼板Aの表面
への接着剤の供給(塗布)は、図1(a)〜(c)に示
すように薄鋼板間に接着剤層が部分的に形成されるよう
に行われるが、その際、上述したように接着剤層に囲ま
れた非接着領域が形成されないように薄鋼板面に接着剤
を供給する。接着剤の薄鋼板面への供給(塗布)は、図
1(a)、(b)に示すように鋼板長手方向に沿って適
当なピッチで間欠的に供給してもよいし、図1(c)に
示すように鋼板長手方向に沿って連続的に供給してもよ
い。積層コア用材料を製造するには、打ち抜き加工する
際に接着剤層が剥離して薄鋼板間にずれを生じない程度
の必要最小限の部分的な接着を行うのがよく、この意味
では接着剤を鋼板長手方向に沿って適当なピッチで間欠
的に供給する方がより好ましい。
【0019】接着剤を鋼板長手方向に沿って適当なピッ
チで間欠的に供給する場合は、接着剤を供給する鋼板面
の位置は図1(a)に示すように鋼板幅中央部のみで
も、或いは図1(b)に示すように鋼板幅方向の複数箇
所でもよい。図1(a)に示すように接着剤を鋼板幅中
央部のみに間欠的に供給する場合は、接着剤の付着ピッ
チを鋼板長手方向での打ち抜き長さ(切断長さ)以下と
することが好ましい。これは薄鋼板が打ち抜き加工され
た時に、打ち抜き製品側に接着剤層が必ず存在するよう
にするためである。この場合、接着剤の液滴部3aの付
着直径は0.5〜5mm程度とすることが好ましい。接
着剤の液滴部3aの付着直径が0.5mm未満では十分
な接着強度が得られないため、打ち抜き加工の際の衝撃
で接着剤層が剥離し、2枚の薄鋼板A,Bにずれを生じ
る恐れがある。一方、薄鋼板間を仮接着するには接着剤
の液滴部3aの付着直径が5mmを超える必要はなく、
付着直径が5mmを超えるようになると却って経済性を
損なうとともに、積層コア製造時に含浸させるワニスや
樹脂の占有面積が減少するため、積層コアの接着強度が
低下するおそれがある。
【0020】また、図1(b)に示すように接着剤を鋼
板幅方向の複数箇所で間欠的に供給する場合は、接着剤
の液滴部の付着直径が大き過ぎると図2に示すように接
着剤が広がって接着剤層1dで囲まれた非接着領域2が
形成されてしまうため、薄鋼板面に接着剤を供給(液
滴)した後、押え装置6で押さえられた後でも、接着剤
層に囲まれた非接着領域が形成されないよう、接着剤の
付着ピッチに合わせて接着剤の付着直径を選択する必要
がある。例えば、一般には鋼板幅方向での接着剤の付着
ピッチを付着直径の3倍以上とすることで、接着剤層で
囲まれた非接着領域の形成を防止できる。さらに、この
図1(b)の場合にも接着剤の付着ピッチを鋼板長手方
向での打ち抜き長さ(切断長さ)以下とし、且つ図1
(a)と同様の理由で接着剤の液滴部3bの付着直径を
0.5〜5mm程度とすることが好ましい。
【0021】また、図1(c)に示すように接着剤を鋼
板長手方向で連続的に供給する場合は、接着剤を鋼板幅
方向の複数箇所で連続的に供給(すなわち、連続的に2
列以上供給)してもよいが、この場合には、積層コア製
造時のワニス等の含浸工程においてワニス等が薄鋼板
A,B間に一方向(鋼板長手方向に相当する方向)から
しか浸透できないため、ワニス等の浸透が阻害されるお
それがある。したがって、接着剤を鋼板長手方向で連続
的に供給する場合は、図1(c)に示すように1列のみ
(特に好ましくは、鋼板幅方向中央部に1列)とするこ
とが好ましい。接着剤を鋼板長手方向で連続的に供給す
る場合、接着剤の付着幅(液滴部3cの幅)は0.5〜
5mm程度とすることが好ましい。この接着剤の付着幅
が0.5mm未満では十分な接着強度が得られないた
め、打ち抜き加工の際の衝撃で接着剤層が剥離し、2枚
の薄鋼板A,Bにずれを生じる恐れがある。一方、薄鋼
板間を仮接着するには接着剤の付着幅が5mmを超える
必要はなく、付着幅が5mmを超えるようになると却っ
て経済性を損なうだけでなく、積層コア製造時に含浸さ
せるワニスや樹脂の占有面積が減少するため積層コアの
接着強度を低下させるおそれがある。
【0022】使用する接着剤の種類は特に限定されない
が、速乾性の観点からはシアノアクリレート系の瞬間接
着剤を用いることが好ましい。接着剤は打ち抜き加工ま
でに硬化していることが好ましいが、必ずしも完全に硬
化している必要はなく、ある程度の接着強度が得られる
まで硬化していればよい。したがって、瞬間接着剤以外
あっても、比較的短時間のうちにある程度の接着強度が
得られるような接着剤を使用することもできる。また、
接着剤をほぼ完全に硬化させるのであれば、設備スペー
スが許す範囲で、接着剤供給位置5から打ち抜き装置7
までの距離を長く取り、硬化時間を十分確保すればよ
い。
【0023】接着剤の薄鋼板に対する供給量(接着剤の
付着幅、付着直径)は、接着剤を供給する供給管10
(例えば、テフロン等のチューブ)の内径を選択するこ
と等により調整可能であるが、これに限定されるもので
はない。なお、図3の実施形態では2枚の薄鋼板A,B
を接着させて積層コア用材料yを製造する例を示してい
るが、薄鋼板のアンコイラーを3基以上設置し、それぞ
れアンコイラーから払い出される薄鋼板間に接着剤を供
給して、3枚以上の薄鋼板が重ね合わされた積層コア用
材料を製造してもよい。
【0024】次に、上述した積層コア用材料yを用いた
本発明の積層コアについて説明する。本発明の積層コア
は、上述した積層コア用材料yを複数枚積層させた積層
コアであり、各積層コア用材料y間及び各積層コア用材
料yを構成する薄鋼板間に含浸によるワニス又は樹脂が
充填されたものである。各積層コア用材料yを構成する
薄鋼板間には、一部に先に述べた接着剤層が存在してい
るが、この接着剤層以外の薄鋼板間全体にワニス又は樹
脂が充填される。
【0025】また、このような積層コアは上述のように
して得られた積層コア用材料yを複数枚積層させてこれ
を治具等の適当な固定手段で固定し、この積層体に対し
てワニス又は樹脂を含浸させた後、乾燥又は焼付処理を
施すことにより製造することができる。ワニス又は樹脂
(接着剤)を含浸させる方法としては、真空含浸する
方法、ドブ付け(浸漬)する方法、スポイト管等で
樹脂を供給する方法等があるが、いずれを用いてもよ
い。ワニス又は樹脂の含浸後、乾燥又は焼付処理を施し
て含浸したワニス又は樹脂を乾燥又は焼付硬化させ、各
積層コア用材料間及び各積層コア用材料を構成する薄鋼
板間が完全接着された積層コアが得られる。乾燥又は焼
付処理は、例えば電気炉、熱風乾燥炉、誘導加熱炉等を
用いることができる。この乾燥又は焼付処理では、通常
100〜200℃で10分以上乾燥又は焼付を行う。な
お、ワニス又は樹脂(接着剤)としては、積層コア用と
して従来公知のものを使用できる。
【0026】図4は本発明の他の実施形態を示すもの
で、打ち抜き装置で打ち抜かれた積層コア用材料を当該
装置内で積層・接着して積層体が得られるようにしたも
のである。この実施形態では、図3の実施形態と同様、
アンコイラー4A,4Bから供給される帯状の薄鋼板
A,Bが積層し、且つこの薄鋼板A,B間が接着剤によ
って、例えば図1(a)〜(c)に示すような態様で、
接着剤層1a〜1cに囲まれた非接着領域が形成されな
いように部分的に接着されることにより積層コア用帯材
xが形成され、この積層コア用帯材xが図4に示す打ち
抜き装置13に導入される。なお、前記積層コア用帯材
xを形成するまでの工程は図3の実施形態と同様であ
る。上記打ち抜き装置13は、打ち抜き用のパンチ14
とその下方に位置するダイス15を有するとともに、こ
のダイス15には打ち抜かれた材料を落し込むためのシ
ュート150(落し込み穴)が形成されている。また、
打ち抜き装置13の入側には、積層コア用帯材xの下面
に対して部分的に接着剤を供給(塗布)するための接着
剤供給装置16が設けられている。
【0027】上記打ち抜き装置13の入側において、積
層コア用帯材xの下面に対して接着剤供給装置16によ
り部分的に接着剤が塗布される。この接着剤が塗布され
た積層コア用帯材部分は順次パンチ14の下方に送ら
れ、このパンチ14の下降によりダイス15との間で打
ち抜き加工される。この打ち抜かれた積層コア用材料y
(積層コア用板片)はパンチ14によりダイス15のシ
ュート150内に押し込まれ、先に打ち抜かれてシュー
ト150内にある先行の積層コア用材料yの上部に積層
・圧接され、下面に部分的に塗布された接着剤により先
行の積層コア用材料yに圧着される。このようにして順
次複数枚の積層コア用材料yの打ち抜きを行って、それ
らをシュート150内で先行の積層コア用材料yの上部
に順次接着させることにより、複数の積層コア用材料y
が接着された積層体が得られる。なお、この積層体の最
下部を構成する積層コア用材料yを打ち抜き加工すべき
積層コア用帯材xの部分には接着剤は塗布されない。ま
た、本実施形態においても、薄鋼板A,B及び両鋼板が
接着した積層コア用帯材xは、接着剤供給装置5(図
3)、接着剤供給装置16及び打ち抜き装置13に対し
て間欠的に送られ、順次接着剤の塗布と打ち抜き加工が
施される。また、シュート150内に押し込まれて積層
した複数枚の積層コア用材料yについては、その最上部
の積層コア用材料yの高さがシュート150内で常に同
じ高さレベルとなるよう、打ち抜かれた積層コア用材料
yがシュート150内に押し込まれる毎に、積層材料全
体を順次下降させるようにしてもよい。
【0028】先に述べた薄鋼板A,B間を接着剤で部分
的に接着する場合と同様、積層コア用材料y間に接着剤
層に囲まれた非接着領域が存在すると、上記積層体に対
するワニス又は樹脂の含浸工程においてその非接着領域
にワニス又は樹脂が浸透せず、積層コアは接着強度に劣
ったものとなる。このため積層体を構成する積層コア用
材料yは、接着剤層で囲まれた非接着領域が形成されな
いように部分的に接着される。積層コア用材料y間に接
着剤層に囲まれた非接着領域を存在させないことによ
り、上記含浸工程において各積層コア用材料y間の全体
(接着剤層を除く全体)にワニス又は樹脂が浸透し、こ
れにより優れた接着強度の積層コアを得ることができ
る。積層コア用材料y間の接着剤層の形態や接着剤供給
装置16による接着剤の塗布形態は、先に述べた薄鋼板
A,B間の接着剤層の形態や接着剤の塗布形態(図1)
と同様である。
【0029】以上のようにして複数枚の積層コア用材料
yを積層・接着(仮接着)して得られた積層体に対して
ワニス又は樹脂を含浸させた後、乾燥又は焼付処理を施
すことにより積層コアが製造される。ワニス又は樹脂を
含浸させる方法は先に述べた通りである。なお、図4の
実施形態では2枚の薄鋼板A,Bを接着させて積層コア
用帯材xを得る例を示しているが、薄鋼板のアンコイラ
ーを3基以上設置し、それぞれアンコイラーから払い出
される薄鋼板間に接着剤を供給して、3枚以上の薄鋼板
が重ね合わされた積層コア用帯材xを得るようにしても
よい。
【0030】
【実施例】[実施例1]板厚0.1mmの6.5%けい
素鋼板を用い、図3に示す設備を用いて2枚の薄鋼板か
らなる積層コア用材料を製造した。薄鋼板間を接着する
接着剤としてはシアノアクリレート系接着剤(瞬間接着
剤)を用い、この接着剤を一方の薄鋼板の片面に対して
鋼板幅方向2箇所において鋼板長手方向に沿って間欠的
に供給(液滴)した。接着剤の鋼板幅方向及び長手方向
での付着ピッチは6mm、12mmの2水準とし、また
全体としての接着剤の使用量が同じになるよう、接着剤
の付着直径は付着ピッチが6mmのものについては3.
0mm、同じく付着ピッチが12mmのものについては
3.8mmとした。このような条件で仮接着された薄鋼
板を、打ち抜き幅50mm、打ち抜き長さ30mmのサ
イズに打ち抜き加工し、積層コア用材料を得た。なお、
各付着ピッチでのサンプル数は5とした。
【0031】この積層コア用材料を積層厚さが20mm
となるように複数枚積層させ、これを固定手段(治具)
で固定して積層体とした後、この積層体にエポキシ系樹
脂溶液を含浸させ、引き続き200℃×2時間の焼付処
理を施して完全接着させ、積層コアを製造した。この積
層コアを高さ1mから床に落下させ、積層コア用材料を
構成する薄鋼板間の剥離の有無を調べた。その結果を表
1に示す。表1では、積層コアの薄鋼板間の接着面に剥
離が生じなかったものを“○”、剥離(接着面の部分的
又は全面的な剥離)が生じたものを“×”とした。
【0032】表1によれば、鋼板幅方向及び長手方向で
の接着剤の付着ピッチが6mmの場合には、薄鋼板間に
接着剤層に囲まれた非接着領域が形成されるため積層コ
ア用材料を構成する薄鋼板間の接着強度が十分に得られ
ず、この結果、落下試験において積層コア用材料を構成
する薄鋼板間に剥離を生じている。これに対して鋼板幅
方向及び長手方向での接着剤の付着ピッチが12mmの
場合には、薄鋼板間に接着剤層に囲まれた非接着領域が
形成されず、薄鋼板間で十分な接着強度が得られるた
め、落下試験でも積層コア用材料を構成する薄鋼板間に
は剥離が生じていない。
【0033】
【表1】
【0034】[実施例2]板厚0.1mmの6.5%け
い素鋼板を用い、図3に示す設備を用いて2枚の薄鋼板
からなる積層コア用材料を製造した。薄鋼板間を接着す
る接着剤としてはシアノアクリレート系接着剤(瞬間接
着剤)を用い、この接着剤を一方の薄鋼板の片面に対し
て鋼板幅方向中央部に連続的に供給(液滴)した。この
際、接着剤の付着幅は0.3mm、0.5mm、1.0
mm、3.0mm、5.0mmの5水準とした。なお、
接着剤の付着幅は接着剤のポットから接着剤供給装置へ
の接着剤供給管の径を選択することで調整した。
【0035】上記のような条件で仮接着された薄鋼板
を、打ち抜き幅50mmで、打ち抜き長さ(切断長さ)
を10mm、20mm、30mm、50mmの4水準と
して打ち抜き加工し、積層コア用材料を得た。それぞれ
のサイズの積層コア用材料を100個製造し、打ち抜き
精度を調べた。この打ち抜き精度の評価では、全供試材
の打ち抜き精度が基準(許容差±0.1mm以下)を満
足したものを“○”、全供試材のうち1枚でも打ち抜き
精度の上記基準を満足しなかったものを“×”とした。
その結果を表2に示す。表2によれば、接着剤の付着幅
が0.5mm未満の場合には、薄鋼板の打ち抜き長さが
10mmと短い場合には良好な結果が得られたものもあ
るが、それ以外は接着剤層による接着強度が十分でない
ため打ち抜き加工時の衝撃により接着剤層が剥離し、薄
鋼板間にずれが生じるため、適切な打ち抜き精度が得ら
れていない。
【0036】
【表2】
【0037】[実施例3]板厚0.1mmの6.5%け
い素鋼板を用い、図3に示す設備を用いて2枚の薄鋼板
からなる積層コア用材料を製造した。薄鋼板間を接着す
る接着剤としてはシアノアクリレート系接着剤を用い、
この接着剤を一方の薄鋼板の片面に対して鋼板幅方向中
央部に連続的に供給(液滴)した。この際、接着剤の付
着幅は0.5mm、1.0mm、3.0mm、5.0m
m、10mmの5水準とした。なお、接着剤の付着幅は
接着剤のポットから接着剤供給装置への接着剤供給管の
径を選択することで調整した。上記のような条件で仮接
着された薄鋼板を、打ち抜き幅30mmで、打ち抜き長
さ(切断長さ)を20mmとして打ち抜き加工し、積層
コア用材料を得た。なお、各付着幅でのサンプル数は5
とした。
【0038】このようにして製造された積層コア用材料
を積層厚さが20mmとなるように複数枚積層させ、こ
れを固定手段(治具)で固定して積層体とした後、この
積層体にエポキシ系樹脂溶液を含浸させ、引き続き20
0℃×2時間の焼付処理を施して完全接着させ、積層コ
アを製造した。この積層コアを高さ1mから床に落下さ
せ、積層コア用材料を構成する薄鋼板間の剥離の有無を
調べた。その結果を表3に示す。表3では、積層コアの
薄鋼板間の接着面に剥離が生じなかったものを“○”、
剥離(接着面の部分的又は全面的な剥離)が生じたもの
を“×”とした。表3によれば、積層コア用材料を構成
する薄鋼板間の接着剤層の占有面積率が高い、接着剤の
付着幅が10mm以上の積層コアは、積層コア用材料を
構成する薄鋼板間の接着強度が十分に得られず、この結
果、落下試験において積層コア用材料を構成する薄鋼板
間に剥離を生じている。
【0039】
【表3】
【0040】[実施例4]板厚0.1mmの6.5%け
い素鋼板を用い、図3に示す設備の打ち抜き装置7に代
えて図4に示す打ち抜き装置13を設置した設備を用い
て、複数枚の積層コア用材料からなる積層コアを製造し
た。薄鋼板間及び積層コア用材料間を接着する接着剤と
してはシアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)を用
いた。
【0041】アンコイラー4A,4Bから供給された2
枚の薄鋼板のうちの一方の薄鋼板の片面に対して、本発
明条件にしたがって接着剤を間欠的に塗布(液滴)した
後、2枚の薄鋼板を接着して積層コア用帯材xとし、こ
れを打ち抜き装置13に導入した。この打ち抜き装置1
3の入側において、積層コア用帯材xの下面に本発明条
件にしたがって接着剤供給装置16により接着剤を間欠
的に塗布した後、打ち抜き幅150mm、打ち抜き長さ
40mmのサイズに打ち抜き加工し、この打ち抜かれた
積層コア用材料yを装置内で順次積層させた。打ち抜き
数500枚毎に接着剤供給装置16からの接着剤の供給
を停止し、積層コア用材料yが500枚積層し、接着さ
れた積層体を製造した。
【0042】この積層体を固定手段(治具)で固定した
後、エポキシ系樹脂溶液を含浸させ、引き続き200℃
×2時間の焼付処理を施して完全に接着させ、積層コア
を製造した。以上のような一連の工程により積層コアを
製造することにより、実施例1〜3で要していた、積層
コア用材料の積層体への組み立て及び固定手段(治具)
のセッティング時間を1/3程度に短縮することがで
き、積層コアの生産効率の向上と低コスト化を図ること
ができた。
【0043】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、かしめを行
うことなく薄鋼板どうしが適切に接合されるとともに、
ワニス等の含浸工程を経て積層コアとした際に優れた接
着強度を示す積層コア用材料を安価にしかも高い生産効
率で得ることができる。また、この積層コア用材料を用
いることにより優れた品質の積層コアを安価にしかも高
い生産効率で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層コア用材料の接着剤層の形態例を
平面的に示す説明図
【図2】比較例の積層コア用材料の接着剤層の形態例を
平面的に示す説明図
【図3】本発明の積層コアの製造方法の一実施形態を示
す説明図
【図4】本発明の積層コアの製造方法の他の実施形態を
示す説明図
【符号の説明】
1a〜1d…接着剤層、2…非接着領域、3a〜3d…
液滴部、4A,4B…アンコイラー、5…接着剤供給装
置、6…押え装置、7…打ち抜き装置、8…送り装置、
9…ポット、10…供給管、11A,11B,12A,
12B…ガイドロール、13…打ち抜き装置、14…パ
ンチ、15…ダイス、16…接着剤供給装置、150…
シュート、A,B…薄鋼板、x…積層コア用帯材、y…
積層コア用材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠井 勝司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 阿部 正広 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 霜門 貞幸 兵庫県加西市繁昌町1541 日本磁性材工業 株式会社内 Fターム(参考) 5H002 AA07 AA09 AB01 AC04 5H615 AA01 PP06 SS03 SS05 SS18 TT04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層させた複数枚の薄鋼板を打ち抜き加
    工して得られる積層コア用材料であって、 前記複数枚の薄鋼板間が接着剤層により部分的に接着さ
    れ、且つ前記接着剤層が、該接着剤層に囲まれた非接着
    領域が存在しないように形成されていることを特徴とす
    る積層コア用材料。
  2. 【請求項2】 薄鋼板がSi含有量:3.5mass%以上
    の高珪素鋼板であることを特徴とする請求項1に記載の
    積層コア用材料。
  3. 【請求項3】 薄鋼板の板厚が0.2mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の積層コア用材
    料。
  4. 【請求項4】 複数枚の薄鋼板を積層させ、これを打ち
    抜き加工して積層コア用材料を製造する方法であって、 前記複数枚の薄鋼板間を接着剤により、接着剤層に囲ま
    れた非接着領域が形成されないように部分的に接着する
    工程と、 前記工程で接着された複数枚の薄鋼板を一体として打ち
    抜き加工する工程を有することを特徴とする積層コア用
    材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 薄鋼板間を接着剤により部分的に接着す
    る工程では、アンコイラーから供給される帯状の複数枚
    の薄鋼板を接着することを特徴とする請求項4に記載の
    積層コア用材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 薄鋼板がSi含有量:3.5mass%以上
    の高珪素鋼板であることを特徴とする請求項4又は5に
    記載の積層コア用材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 薄鋼板の板厚が0.2mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項4、5又は6に記載の積層コア用
    材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2又は3に記載の積層コア用
    材料を複数枚積層させた積層コアであって、各積層コア
    用材料間及び各積層コア用材料を構成する薄鋼板間に含
    浸によるワニス又は樹脂が充填されていることを特徴と
    する積層コア。
  9. 【請求項9】 請求項4、5、6又は7に記載の製造方
    法により得られた積層コア用材料を複数枚積層させ、該
    積層体に対してワニス又は樹脂を含浸させた後、乾燥又
    は焼付処理を施すことを特徴とする積層コアの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 アンコイラーから供給される帯状の複
    数枚の薄鋼板を積層させ、且つ該複数枚の薄鋼板間を接
    着剤によって、接着剤層に囲まれた非接着領域が形成さ
    れないように部分的に接着することにより積層コア用帯
    材を形成する工程と、 前記積層コア用帯材の下面に部分的に接着剤を塗布する
    工程と、 部分的に接着剤が塗布された前記積層コア用帯材を打ち
    抜き装置に導入して打ち抜き加工を行い、この打ち抜か
    れた積層コア用材料を打ち抜き装置内で順次積層させる
    ことにより、複数枚の積層コア用材料が積層コア用材料
    間に接着剤層で囲まれた非接着領域が形成されないよう
    に部分的に接着された積層体を得る工程と、 前記積層体に対してワニス又は樹脂を含浸させた後、乾
    燥又は焼付処理を施す工程を有することを特徴とする積
    層コアの製造方法。
  11. 【請求項11】 薄鋼板がSi含有量:3.5mass%以
    上の高珪素鋼板であることを特徴とする請求項10に記
    載の積層コアの製造方法。
  12. 【請求項12】 薄鋼板の板厚が0.2mm以下である
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の積層コア
    の製造方法。
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