JP2003264435A - D級増幅器 - Google Patents

D級増幅器

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JP2003264435A JP2002061107A JP2002061107A JP2003264435A JP 2003264435 A JP2003264435 A JP 2003264435A JP 2002061107 A JP2002061107 A JP 2002061107A JP 2002061107 A JP2002061107 A JP 2002061107A JP 2003264435 A JP2003264435 A JP 2003264435A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な回路技術や電子部品を用いることなく
出力用のパワーMOSトランジスタを駆動制御すること
ができるD級増幅器を提供すること。 【解決手段】 信号生成回路301Hは、変調されたパ
ルス信号の同相信号H1および逆相信号H2を生成して
出力する。信号変換回路302Hは、同相信号H1の信
号レベルと逆相信号H2の信号レベルとの間の大小関係
を維持したまま、これらを、出力用のMOSトランジス
タ401のソース電圧VSを基準とした電圧VR1に追
従する同相信号H3および逆相信号H4に変換する。そ
して、駆動回路303Hは、ソース電圧VSを基準とし
た内部電源P12で作動し、同相信号H3および逆相信
号H4の大小関係に基づき出力用のMOSトランジスタ
401を駆動する。同様にして、出力用のMOSトラン
ジスタ402がMOSトランジスタ401に対して相補
的に駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音楽信号などのア
ナログ信号をパルス信号に変換して電力増幅するD級増
幅器(デジタルアンプ)に関し、特に出力用のパワーM
OSトランジスタを駆動制御するための回路技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、音楽信号などのアナログ信号を入
力信号とし、これをパルス信号に変換して電力増幅する
D級増幅器が知られており、その出力端子には、ローパ
スフィルタを介してスピーカの入力端子が接続される。
このD級増幅器によれば、入力信号の振幅(情報成分)
がパルス幅に反映されて電力増幅されたパルス信号が出
力される。そして、このパルス信号がローパスフィルタ
を通過することにより、電力増幅されたアナログ量の音
楽信号が抽出され、この音楽信号がスピーカを駆動す
る。D級増幅器は、シリコンチップ上に形成することが
できるため、小型かつ安価に実現することができ、低消
費電力が要求される携帯端末やパソコンなどに多用され
ている。
【0003】図12に、D級増幅器900の構成と、そ
の適用例を示す。同図において、信号源SIGは、接地
電位(0V)を振幅の中点とするアナログ量の音楽信号
VINの発生源であり、この音楽信号に含まれる直流成
分をカットするための入力コンデンサ(図示省略)を介
してD級増幅器900の入力端子TIに接続される。D
級増幅器900は、いわゆるPWM増幅器(PWM;Pu
lse Width Modulation)であって、入力段901、変調
回路902、駆動回路903、n型のパワーMOSトラ
ンジスタ904,905からなる。
【0004】入力段901は、音楽信号VINの中点を
移動させて、電源VDD(例えば10V)で動作する変
調回路902の入力特性に適合する波形に音楽信号VI
Nを変換するものである。変調回路902は、入力段9
01から出力された音楽信号をパルス信号に変換するも
のであり、音楽信号の情報成分をパルス幅に反映させて
PWM変調を行う。駆動回路903は、変調回路902
により変調されたパルス信号に基づき、出力用のパワー
MOSトランジスタ904,905を相補的に駆動制御
するものである。
【0005】パワーMOSトランジスタ904は、正電
源VPP+(例えば+50V)と出力端子TOとの間に
電流経路が接続され、ハイレベルを出力するためのもの
である。また、パワーMOSトランジスタ905は、負
電源VPP−(例えば−50V)と出力端子TOとの間
に電流経路が接続され、ローレベルを出力するためのも
のである。出力端子TOは、インダクタLとコンデンサ
Cとからなるローパスフィルタを介してスピーカSPK
の入力端子に接続される。
【0006】このD級増幅器900によれば、信号源S
IGから入力された音楽信号VINが、入力段901お
よび変調回路902を経てパルス信号に変換される。こ
のとき、変調回路902は、音楽信号VINに応じてキ
ャリア信号をパルス幅変調する。駆動回路903は、変
調されたパルス信号に基づきパワーMOSトランジスタ
904,905を相補的に導通制御し、出力端子TOに
電力増幅されたパルス信号を出力する。この電力増幅さ
れたパルス信号は、インダクタLおよびコンデンサCか
らなるローパスフィルタによりキャリア周波数成分が除
去され、電力増幅されたアナログ量の音楽信号となって
スピーカSPKに供給される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の変調
回路902は、単一の電源VDD(例えば10V)で作
動するように構成されたものであるから、その出力信号
であるパルス信号のロウレベルは接地電位(0V)とな
り、ハイレベルは電源VDDが供給する電圧(10V)
となる。従って、そのような信号レベルを有するパルス
信号をそのまま用いたのでは、MOSトランジスタの特
性上、正電源VPP+(+50V)にドレインが接続さ
れたパワーMOSトランジスタ904を十分にオン状態
に制御することはできず、また負電源VPP−(−50
V)にソースが接続されたパワーMOSトランジスタ9
05をオフ状態に制御することができない。そこで、駆
動回路903には、変調回路902で変調されたパルス
信号に基づき上述のパワーMOSトランジスタ904,
905を制御するための機能が必要とされる。
【0008】以下、駆動回路903について説明する。
正電源VPP+から負電源VPP−まで変化する信号を
出力するパワーMOSトランジスタの導通状態を制御す
るためには、正電源VPP+および負電源VPP−に見
合った大振幅のパルス信号を駆動回路903からパワー
MOSトランジスタ904,905のゲートに供給する
ものとすればよいが、高耐圧トランジスタを用いて駆動
回路903を構成しなければならず、コストの上昇を招
く。そのため、パワーMOSトランジスタ904とパワ
ーMOSトランジスタ905とをそれぞれ駆動する回路
の電源系を分離(アイソレート)することにより、各回
路に印加される実効的な電源電圧を緩和する手法を用い
て駆動回路903が構成されている。
【0009】図12に示す例では、パワーMOSトラン
ジスタ904,905の双方がn型であるため、駆動回
路903は、パワーMOSトランジスタ904のソース
電圧、即ち出力端子TOに現れる出力信号の電圧を基準
とした電源系と、パワーMOSトランジスタ905のソ
ース電圧、即ち負電源VPP−が供給する電圧を基準と
した電源系とに分離される。そして、パワーMOSトラ
ンジスタ904を駆動する回路の電源系は、出力端子T
Oに現れる出力信号の電圧変化に追従して変動する。と
ころが、このように駆動回路903の電源系を出力端子
TOに現れる出力信号に追従させると、前段側の変調回
路902が出力するパルス信号の信号レベルに対し駆動
回路903の入力閾値が変動することになり、変調回路
902から駆動回路903に信号を正しく伝送できなく
なるという不都合を生じる。
【0010】このような不都合を解消するための第1の
従来技術として、ブートストラップ回路技術を用いるこ
とにより、変調回路902が出力するパルス信号を駆動
回路903側に適合した信号レベルに昇圧するものがあ
る。また、第2の従来技術として、絶縁トランスを用い
ることにより、変調回路902が出力するパルス信号を
駆動回路903側に適合した信号レベルに電圧変換する
ものがある。さらに、第3の従来技術として、フォトカ
プラを用いることにより、変調回路902の出力信号を
光信号に変換して駆動回路903側に伝送するものがあ
る。
【0011】しかしながら、上述の第1の従来技術によ
れば、変調回路から出力される信号のレベルを変換する
ためにブートストラップ回路を用いているので、信号の
周波数が高くなると動作が不安定になるという問題があ
る。また、上述の第2、第3の従来技術によれば、絶縁
トランスやフォトカプラなどの電子部品が比較的高価な
ためにコストが上昇する。しかも、これら電子部品を実
装するためのスペースを確保しなければならず、装置が
大型化する。また、図12に示す従来構成では、変調回
路902が10V系の電源VDDで動作するものとした
が、仮に、入力段901、変調回路902、駆動回路9
03の全てのブロックが高電圧系の正電源VPP+,負
電源VPP−で動作するものとすれば、上述のように信
号レベルを変換する必要はなく、回路構成を簡略化する
ことができる。しかしながら、この場合、全ブロックに
対して高耐圧プロセスの製造技術を使用することになる
ため、仮に各ブロックを別々にIC化する場合であって
も、個々のICの製造コストが上昇することになる。
【0012】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、特殊な回路技術や電子部品を用いることなく出力
用のパワーMOSトランジスタを駆動制御することがで
き、しかも高耐圧プロセスの使用を必要最小限に抑える
ことができるD級増幅器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明は以下の構成を有する。即ち、請求項1に
記載された発明に係るD級増幅器は、正電源と出力端子
との間に電流経路が接続された第1の出力用トランジス
タと、負電源と前記出力端子との間に電流経路が接続さ
れた第2の出力用トランジスタとを有し、入力端子を介
して外部から入力された信号に含まれる情報成分をパル
ス幅に反映させて該信号をパルス信号に変調し、該パル
ス信号に基づき前記第1および第2の出力用トランジス
タを相補的に導通させるように構成されたD級増幅器に
おいて、前記パルス信号の同相信号および逆相信号から
なる第1の相補信号を生成して出力する相補信号生成回
路と、前記同相信号の信号レベルと前記逆相信号の信号
レベルとの間の大小関係を維持したまま、前記第1の相
補信号を、前記第1または第2の出力用トランジスタの
ソース電圧を基準とした所定の電圧に追従する第2の相
補信号にレベル変換する信号変換回路と、前記ソース電
圧を基準とした内部電源で作動し、前記第2の相補信号
を入力して該第2の相補信号に含まれる前記同相信号の
信号成分と前記逆相信号の信号成分との大小関係に基づ
き前記第1または第2の出力用トランジスタを駆動する
駆動回路と、を備えたことを特徴とする。
【0014】この構成によれば、変調回路から出力され
るパルス信号の信号レベルに応じて、第1の相補信号を
なす同相信号と逆相信号の各信号レベルが決定される。
例えば、パルス信号がハイレベルであれば、同相信号が
ハイレベルとなり逆相信号がローレベルとなる。逆に、
パルス信号がローレベルであれば、同相信号がローレベ
ルとなり逆相信号がハイレベルとなる。即ち、変調回路
から出力されるパルス信号の信号レベルは、第1の相補
信号をなす同相信号および逆相信号の各信号レベルの組
み合わせに変換され、これら同相信号と逆相信号との大
小関係として表現し直される。そして、この大小関係が
維持されたまま、同相信号および逆相信号の各信号成分
が第2の相補信号として現れる。駆動回路は、第2の相
補信号をなす同相信号と逆相信号との差分に基づき第1
または第2の出力用トランジスタを制御する。
【0015】ここで、第2の相補信号が、第1または第
2の出力用トランジスタのソース電圧を基準とした所定
電圧に追従して変化しても、この第2の相補信号に含ま
れる同相信号および逆相信号の各成分の大小関係は維持
されるので、この大小関係から、変調回路が出力したパ
ルス信号の信号レベルが把握される。従って、この発明
によれば、特殊な製造プロセスや電子部品を用いること
なく、電源系が分離された駆動回路にパルス信号を伝送
し、出力用トランジスタを駆動制御することが可能にな
る。
【0016】請求項2に記載された発明は、請求項1に
記載されたD級増幅器において、前記変換回路が、前記
第1の相補信号が現れる前記信号変換回路の一対の出力
部と前記第2の相補信号が現れる前記駆動回路の一対の
入力部との間に接続された一対の第1の抵抗と、一端側
が前記駆動回路の一対の入力部に接続された一対の第2
の抵抗と、前記一対の第2の抵抗の他端側を前記所定の
電圧にバイアスするバイアス回路と、を備えたことを特
徴とする。請求項3に記載された発明は、請求項2に記
載されたD級増幅器において、前記信号変換回路の一対
の出力部から前記駆動回路の一対の入力部に至る信号経
路上に寄生する容量成分のアンバランスを補正するため
のコンデンサをさらに備えたことを特徴とする。
【0017】請求項4に記載された発明は、請求項2ま
たは3に記載されたD級増幅器において、前記一対の第
1の抵抗を流れる同相電流を打ち消すように、該一対の
第1の抵抗に電流を注入する電流注入回路をさらに備え
たことを特徴とする。請求項5に記載された発明は、請
求項4に記載されたD級増幅器において、前記電流注入
回路が、前記一対の第1の抵抗を流れる同相電流をモニ
タする電流モニタ回路と、前記電流モニタ回路でモニタ
された電流を入力し、該電流と等価な電流を前記一対の
第1の抵抗に出力するカレントミラー回路と、からなる
ことを特徴とする。請求項6に記載された発明は、請求
項2または3に記載されたD級増幅器において、前記バ
イアス回路が、前記第2の抵抗の他端側に接続された反
転入力部と、前記所定電圧が印加された非反転入力部
と、前記一対の第2の抵抗の一端側が接続された一対の
出力部とを有する2出力型のオペアンプから構成された
ことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態を説明する。 (実施の形態1)図1に、この実施の形態1に係るD級
増幅器DAMPの構成および適用例を示す。同図におい
て、信号源SIGは、接地電位(0V)を振幅の中点と
した振幅を有する音楽信号(アナログ量)の発生源であ
る。入力コンデンサCINは、直流成分をカットするた
めのものであり、信号源SIGから供給された信号は入
力コンデンサCINを介して音楽信号VINとしてD級
増幅器DAMPの入力端子TIに与えられる。D級増幅
器DAMPは、いわゆるPWM増幅器であって、入力段
100と、変調回路200と、駆動制御回路300と、
n型のパワーMOSトランジスタ401,402とから
構成される。
【0019】ここで、入力段100は、前述の従来技術
に係る入力段901に相当するものであり、入力抵抗R
1と帰還抵抗R2(=R1)と反転帰還型のオペアンプ
OPとから構成される。入力抵抗R1の一端はオペアン
プOPの反転入力部(−)に接続され、その他端は入力
端子TIに接続される。帰還抵抗R2は、オペアンプO
Pの反転入力部と出力部との間に接続される。オペアン
プOPの非反転入力部には、基準電圧VREFが印加さ
れる。基準電圧VREFは、図示しない電圧発生部で発
生されたもので、例えば標準の電源VDDが供給する電
圧を抵抗分割して発生され、電源VDDの2分の1に設
定される。
【0020】このように構成された入力段100は、増
幅率「1」の反転増幅器として機能し、基準信号VRE
Fを中点として音楽信号VINの位相を反転させた信号
を出力する。これにより、信号原SIGから入力した音
楽信号VINを、後段側の変調回路200に適合する信
号に変換する。なお、この実施の形態では、電源VDD
の電圧を「+10V」とし、この技術分野において標準
的な電源電圧とする。
【0021】変調回路200は、前述の従来技術に係る
変調回路902と同様に構成され、前段の入力段100
から出力された音楽信号をパルス信号に変換するもので
あり、この音楽信号の情報成分をパルス幅に反映させて
PWM変調を行う。以下の説明では、PWM変調されて
変調回路200から出力されたパルス信号を「PWM信
号」と称す。
【0022】駆動制御回路300は、この発明に係るも
のであって、変調回路200から出力されたPWM信号
に基づき、出力用のパワーMOSトランジスタ401と
パワーMOSトランジスタ402とを相補的に駆動制御
するものである。この駆動制御回路300は、前述の従
来技術に係る駆動回路903に対応するものであるが、
構成上の特徴としては、変調回路200から出力された
PWM信号から相補信号(同相信号および逆相信号)を
生成し、この相補信号をなす同相信号と逆相信号とに基
づき一対のパワーMOSトランジスタ401,402を
相補的に駆動制御するように構成されている。この駆動
制御回路300の詳細については後述する。
【0023】パワーMOSトランジスタ401は、出力
端子TOにハイレベルを出力するためのものであって、
ドレインおよびソースが正電源VPP+および出力端子
TOにそれぞれ接続される。一方のパワーMOSトラン
ジスタ402は、出力端子TOにローレベルを出力する
ためのものであって、ドレインおよびソースが出力端子
TOおよび負電源VPP−にそれぞれ接続される。この
実施の形態1では、正電源VPP+の電圧を「+50
V」とし、負電源VPP−の電圧を「−50V」とす
る。
【0024】出力端子TOは、インダクタLおよびコン
デンサCからなるローパスフィルタを介してスピーカS
PKの一方の入力端子に接続され、このスピーカSPK
の他方の入力端子は接地される。インダクタLおよびコ
ンデンサCからなるローパスフィルタの定数は、出力端
子TOを介してD級増幅器DAMPから出力されるパル
ス信号からキャリア周波数成分を除去し、かつ音楽信号
成分を通過させるように設定される。上述のように、こ
のD級増幅器DAMPは、標準の電源VDD、正電源V
PP+、負電源VPP−の3電源で動作する。
【0025】次に、駆動制御回路300の構成を詳細に
説明する。図2に、駆動制御回路300の構成を示す。
同図において、図1に示す構成要素と共通する要素には
同一符号を付す。図2に示す駆動制御回路300は、一
方のパワーMOSトランジスタ401を駆動するための
回路系(以下、ハイサイドドライバと称す。)として、
相補信号生成回路301H、信号変換回路302H、お
よび駆動回路303Hを備え、他方のパワーMOSトラ
ンジスタ402を駆動するための回路系(以下、ローサ
イドドライバと称す。)として、相補信号生成回路30
1L、信号変換回路302L、および駆動回路303L
を備えて構成される。パワーMOSトランジスタ401
のソースとパワーMOSトランジスタ402のドレイン
との接続点に現れる信号は、このD級増幅器DAMPの
出力信号OUTとされ、上述の出力端子TOを介して外
部に出力される。
【0026】先ず、ハイサイドドライバの構成を詳細に
説明する。相補信号生成回路301Hは、上述の変調回
路200から出力されたPWM信号の同相信号H1およ
び逆相信号H2を生成するものであり、CMOS(Compl
ementary Metal Oxide Semiconductor)構成のバッファ
B11,B12および反転入力型のバッファ(インバー
タ)B13から構成される。ここで、バッファB11の
入力部には、変調回路200から出力されたPWM信号
が与えられ、その出力部はバッファB12,B13の入
力部に共通に接続される。これらバッファB11,B1
2,B13は電源VDDが供給されて作動し、バッファ
B12,B13からPWM信号の同相信号H1と逆相信
号H2とがそれぞれ出力される。これら同相信号H1お
よび逆相信号H2は、相補信号(H1,H2)として信
号変換回路302Hに出力される。
【0027】信号変換回路302Hは、同相信号H1お
よび逆相信号H2を、パワーMOSトランジスタ401
のソース電圧VS(即ち出力信号OUTの信号レベル)
を基準とした所定電圧VR1に追従する同相信号H3お
よび逆相信号H4にレベル変換するものであり、一対の
抵抗R11,R12(一対の第1の抵抗)、一対の抵抗
R13,R14(一対の第2の抵抗)、およびバイアス
回路P11から構成される。同相信号H3および逆相信
号H4は、後段側の駆動回路303Hをなすコンパレー
タCM1の一対の入力部(非反転入力部および反転入力
部)に与えられる。
【0028】ここで、同相信号H1および逆相信号H2
が現れるバッファB12,B13の一対の出力部と、同
相信号H3および逆相信号H4が現れるコンパレータC
M1の一対の入力部との間には、一対の抵抗R11,R
12が接続される。即ち、抵抗R11の一端はバッファ
B12の出力部に接続され、その他端はコンパレータC
M1の非反転入力部に接続される。また、抵抗R12の
一端はバッファB13の出力部に接続され、その他端は
コンパレータCM1の反転入力部に接続される。これら
抵抗R11,R12は、相補信号生成回路301Hから
駆動回路303Hに同相信号H1および逆相信号H2を
伝送するための線路を形成する。
【0029】また、コンパレータCM1の一対の入力部
には、一対の抵抗R13,R14の一端がそれぞれ接続
され、この抵抗R13,R14の他端はバイアス回路P
11によりパワーMOSトランジスタ401のソース電
圧VSを基準とした所定電圧VR1にバイアスされてい
る。この実施の形態では、所定電圧VR1は、ソース電
圧VSに電源VDDの2分の1を加えた値(=VS+V
DD/2)に設定するものとする。いま、電源VDDは
10Vであるから、その半分の5Vをソース電圧VSに
加算した電圧が所定電圧VR1となる。
【0030】図3に、バイアス回路P11の構成例を示
す。同図に示すように、バイアス回路P11は、正電源
VPP+と上述のソース電圧VSが現れるノード(即ち
パワーMOSトランジスタ401のソース)との間に抵
抗PRおよびショットキー・ダイオードPDを直列接続
し、ショットキー・ダイオードPDと並列に安定化コン
デンサPCを接続して構成され、抵抗PRとショットキ
ー・ダイオードPDとの接続点に現れる電圧を所定電圧
VR1とする。この実施の形態1では、ショットキー・
ダイオードPDの降伏電圧は電源VDD(10V)の2
分の1に相当する5Vに設定されており、これにより、
上述の所定電圧VR1としてソース電圧VSに電源VD
Dの2分の1を加えた値(=VS+VDD/2)を発生
するものとなっている。
【0031】ここで、説明を図2に戻し、駆動回路30
3Hの構成を説明する。駆動回路303Hは、パワーM
OSトランジスタ401を駆動制御するものであり、コ
ンパレータCM1、バッファB14、および内部電源P
12から構成される。ここで、コンパレータCM1の非
反転入力部は抵抗R11を介してバッファB12の出力
部に接続され、その反転入力部は抵抗R12を介してバ
ッファB13の入力部に接続される。またコンパレータ
CM1の出力部はバッファB14の入力部に接続され、
このバッファB14の出力部は上述のパワーMOSトラ
ンジスタ401のゲートに接続される。
【0032】内部電源P12は、パワーMOSトランジ
スタ401のソース電圧VSを基準として、電源VDD
の電圧に相当する電圧VD1を発生するものであり、基
本的には上述の図2に示すバイアス回路と同様に構成さ
れる。ただしこの場合のショットキー・ダイオードPD
の降伏電圧は電源VDDの電圧に相当する10Vに設定
される。この内部電源P12は、ソース電圧VSを基準
として電源VDDに相当する電圧VD1を発生し、上述
のコンパレータCM1とバッファB14に電源電圧とし
て供給する。従って、駆動回路303Hの電源系は、パ
ワーMOSトランジスタ401のソース電圧VSに追従
して変化すると共に、コンパレータCM1およびバッフ
ァB14に関する限り電源VDDと等価な電源として振
る舞う。以上により、パワーMOSトランジスタ401
を駆動するためのハイサイドドライバの構成を説明し
た。
【0033】続いて、パワーMOSトランジスタ402
を駆動するためのローサイドドライバの構成を説明す
る。ローサイドドライバを構成する相補信号生成回路3
01L、信号変換回路302L、駆動回路303Lは、
上述のハイサイドドライバを構成する相補信号生成回路
301H、信号変換回路302H、駆動回路303Hと
それぞれ同様に構成される。即ち、信号生成回路301
Lは、変調回路200から出力されたPWM信号の逆相
信号L1および同相信号L2を生成するもので、バッフ
ァB21,B22,B23から構成され、これらバッフ
ァは上述の信号生成回路301Hを構成するバッファB
11,B12,B13にそれぞれ対応する。ただし、バ
ッファB12,B13がそれぞれ正論理入力型および負
論理入力型であるのに対し、バッファB22,B23は
それぞれ負論理入力型および正論理入力型となってい
る。
【0034】また、信号変換回路302Lは、抵抗R2
1,R22,R23,R24、およびバイアス回路P2
1から構成され、これらは上述の信号変換回路302H
を構成する抵抗R11,R12,R13,R14、およ
びバイアス回路P11にそれぞれ対応する。ただし、バ
イアス回路P21は、負電源VPP−を基準として、電
源VDDの2分の1に相当する電圧VR2を発生する。
さらに、駆動回路303Lは、コンパレータCM2、バ
ッファB24、および内部電源P22から構成され、こ
れらは上述の駆動回路303Hを構成するコンパレータ
CM1、バッファB14、内部電源P12にそれぞれ対
応する。ただし、内部電源P22は、パワーMOSトラ
ンジスタ402のソース電圧(即ち負電源VPP−)を
基準として電源VDDに相当する電圧VD2を発生し、
コンパレータCM2およびバッファB24に電源電圧と
して供給する。
【0035】以下、この実施の形態の動作について、図
4に示す波形図を参照しながら、図2に示す駆動制御回
路300に着目して説明する。なお、図4では、変調回
路200から出力されたPWM信号は、同相信号H1と
位相が同一であるから、同相信号H1の波形を流用して
表現している。先ず、ハイサイドドライバの動作を説明
する。信号生成回路301Hは、前述の変調回路200
から出力されたPWM信号に応答して、このPWM信号
と同じ位相を有する同相信号H1と、逆の位相を有する
逆相信号H2を生成する。具体的には、PWM信号がロ
ーレベルであれば、同相信号H1としてローレベルを出
力し、逆相信号H2としてハイレベルを出力する。逆
に、PWM信号がハイレベルであれば、同相信号H1と
してハイレベルを出力し、逆相信号H2としてローレベ
ルを出力する。即ち、相補信号生成回路301Hは、P
WM信号の信号レベルを同相信号H1と逆相信号H2と
の信号レベルの組み合わせに変換し、これら信号レベル
の大小関係として表現し直す。
【0036】図4に示す波形図では、初期状態におい
て、変調回路200から出力されたPWM信号はハイレ
ベルにあり、これを入力する相補信号生成回路301H
は、同相信号H1としてハイレベルを出力し、逆相信号
H2としてローレベルを出力する。従って、初期状態に
おいて同相信号H1と逆相信号H2との間には、電源V
DDに相当するレベル差が存在し、同相信号H1が逆相
信号H2よりも電源VDDに相当する電圧分だけ高くな
っている。
【0037】相補信号生成回路301Hから出力された
同相信号H1と逆相信号H2は、信号変換回路302H
を構成する抵抗R11,R12を介して同相信号H3お
よび逆相信号H4として駆動回路303H側に供給され
る。このとき、この駆動回路303Hを構成するコンパ
レータCM1の入力部は、抵抗R13,R14を介して
バイアス回路P11に接続されているので、同相信号H
3の信号レベルは、バイアス回路P11が発生する電圧
VR1と同相信号H1との間の電位差を抵抗R11,R
13により分圧して得られる電圧を示し、逆相信号H4
の信号レベルは、電圧VR1と逆相信号H2との間の電
位差を抵抗R12,R14により分圧して得られる電圧
を示す。従って、同相信号H3および逆相信号H4は、
大小関係を維持したまま電圧VR1に追従して変化する
ものとなる。
【0038】駆動回路303HのコンパレータCM1
は、同相信号H3と逆相信号H4との大小関係に応じた
信号レベルを出力する。初期状態では、同相信号H3が
逆相信号H4よりも信号レベルが大きいので、コンパレ
ータCM1はハイレベルを出力し、これを入力するバッ
ファB14は、パワーMOSトランジスタ401のソー
スを基準として電源VDDに相当する信号レベルを有す
る信号H5をそのゲートに出力する。これにより、パワ
ーMOSトランジスタ401はオン状態となる。後述す
るように、パワーMOSトランジスタ401,402は
相補的に導通するように制御されるから、パワーMOS
トランジスタ401がオン状態になると、パワーMOS
トランジスタ402がオフ状態となり、出力信号OUT
の信号レベル(即ちソース電圧VS)が正電源VPP+
の電源電圧にまで上昇する。
【0039】このとき、駆動回路303Hは、内部電源
P12から、ソース電圧VSを基準とした電圧VD1を
供給されるので、この駆動回路303Hの電源系がパワ
ーMOSトランジスタ401のソース電圧VSに追従し
て上昇する。このため、コンパレータCM1の入力閾値
もソース電圧VSと共に上昇するが、バイアス回路P1
1が発生する電圧VR1もソース電圧VSに追従して上
昇するので、同相信号H3と逆相信号H4の各信号レベ
ルは駆動回路303HをなすコンパレータCM1の入力
特性に適合した状態を維持し、パワーMOSトランジス
タ401はオン状態に維持される。この状態では、信号
H5の信号レベルは正電源VPP+より電圧VD1(=
VDD)分だけ高い状態となる。
【0040】即ち、内部電源P12は、図3に示す内部
電源P11と同様に構成されているので、出力信号OU
Tの信号レベルが正電源VPP+にまで上昇すると、安
定化コンデンサPCに相当するコンデンサを介して電圧
VD1が昇圧され、これを受けて信号H5の信号レベル
が正電源VPP+より電圧VD1(=VDD)分だけ高
くなる。この状態では、図3に示す抵抗PRに相当する
抵抗の存在により電圧VD1は正電源VPP+の電圧に
低下しようとするが、この種の増幅器では出力信号OU
Tの周波数が高いので、安定化コンデンサPCに相当す
るコンデンサにより、電圧VD1が昇圧された状態に維
持され、信号H5の信号レベルが正電源VPP+よりも
高い状態に維持される。
【0041】一方のローサイドドライバでは、初期状態
においてハイレベルにあるPWM信号を入力する相補信
号生成回路301Lは、逆相信号L1としてローレベル
を出力し、同相信号L2としてハイレベルを出力する。
従って、初期状態では逆相信号L1と同相信号L2との
間には、その大小関係に応じて電源VDDに相当するレ
ベル差が存在し、逆相信号L1が同相信号L2よりも電
源VDDに相当する電圧分だけ低くなっている。
【0042】相補信号生成回路301Lから出力された
逆相信号L1と同相信号L2は、信号変換回路302L
を構成する抵抗R21,R22を介して逆相信号L3お
よび同相信号L4として駆動回路303L側に供給され
る。このとき、逆相信号L3の信号レベルは、バイアス
回路P21が発生する電圧VR2と逆相信号L1との間
の電位差を抵抗R21,R23により分圧して得られた
電圧を示し、同相信号L4の信号レベルは、電圧VR2
と同相信号L2との間の電位差を抵抗R22,R24に
より分圧して得られた電圧を示す。従って、逆相信号L
3および同相信号L4は、大小関係を維持したまま電圧
VR2に追従して低下する。
【0043】駆動回路303LのコンパレータCM2
は、初期状態では逆相信号L3が同相信号L4よりも信
号レベルが小さいのでローレベルを出力し、これを入力
するバッファB24は、パワーMOSトランジスタ40
2のソース電圧(VPP−)に等しい信号レベルを有す
る信号L5をそのゲートに出力する。このため、パワー
MOSトランジス402はオフ状態となる。このとき、
内部電源P22は、負電源VPP−を基準とした電圧V
D2を発生しているため、駆動回路303Lの電源系は
低い状態にあり、この駆動回路303Lの入力閾値が低
下した状態にある。しかし、バイアス回路P21が発生
する電圧VR2もパワーMOSトランジスタ401のソ
ース電圧に追従して低下した状態にあるため、逆相信号
L3と同相信号L4の各信号レベルは駆動回路303L
をなすコンパレータCM1の入力特性に適合したものと
なり、パワーMOSトランジスタ402はオフ状態に維
持される。従って、初期状態では、パワーMOSトラン
ジスタ401がオン状態となり、パワーMOSトランジ
スタ402がオフ状態となって、出力信号OUTとして
正電源VPP+の電圧に相当するハイレベルが出力され
た状態となっている。
【0044】このような初期状態から、図4に示す時刻
t1においてPWM信号がローレベルに遷移すると、こ
れに応答して同相信号H1がローレベルとなり逆相信号
H2がハイレベルになる。このため、同相信号H1と逆
相信号H2との大小関係が逆転し、時刻t2において同
相信号H3と逆相信号H4の大小関係も逆転する。従っ
て、同相信号H3と逆相信号H4を入力するコンパレー
タCM1の出力信号がハイレベル(正電源VPP+より
電圧VD1分だけ高い電圧状態)からローレベル(正電
源VPP+に相当する電圧状態)に変化し、これを入力
するバッファB14の出力信号H5もローレベル(正電
源VPP+に相当する電圧状態)に変化する。この結
果、パワーMOSトランジスタ401のゲート電圧がソ
ース電圧VS(=正電源VPP+)と等しくなり、この
パワーMOSトランジスタ401がオフ状態となる。
【0045】一方、時刻t1においてPWM信号がロー
レベルに遷移すると、これに応答して逆相信L1がハイ
レベルとなり、同相信号L2がローレベルになる。この
ため、逆相信号L1と同相信号L2との大小関係が逆転
し、これに応じて逆相信号L3と同相信号L4の大小関
係も逆転する。したがって、コンパレータCM2の出力
信号がローレベル(負電源VPP−に相当する電圧状
態)からハイレベル(負電源VPP−より電圧VD2分
だけ高い電圧状態)に変化し、これを入力するバッファ
B24の出力信号L5もハイレベルに変化する。この結
果、パワーMOSトランジスタ402のゲート電圧がソ
ース電圧に対して電圧VD2分だけ高くなり、このパワ
ーMOSトランジスタ402がオン状態となる。
【0046】パワーMOSトランジスタ402がオン状
態になると、パワーMOSトランジスタ401のソース
電圧VSは出力信号OUTに伴って低下し、これを基準
として内部電源P12が発生する電圧VD1も低下す
る。このとき、バイアス回路P11が発生する電圧VR
1もパワーMOSトランジスタ401のソース電圧VS
の変化に伴って低下するので、同相信号H1と逆相信号
H2の大小関係が維持されたまま、これら信号レベルが
駆動回路303Hの電源系と共に低下する。従って、コ
ンパレータCM1が出力する信号レベルはローレベル
(ソース電圧VS)を維持する。よって、出力信号OU
Tがローレベル(負電源VPP−)に遷移する過程にお
いて、パワーMOSトランジスタ401はオフ状態を維
持する。以上により、初期状態から時刻t1においてP
WM信号がローレベルに遷移すると、一方のパワーMO
Sトランジスタ401がオフ状態となり、他方のパワー
MOSトランジスタ402がオン状態となって、出力信
号OUTが正電源VPP+から負電源VPP−に遷移
し、ローレベルが出力される。
【0047】次に、時刻t3においてPWM信号がハイ
レベルに回復すると、これに応答して時刻t4において
ハイサイドドライバ側の同相信号H3がハイレベルとな
り逆相信号H4がローレベルとなる。従って、これら同
相信号H3と逆相信号H4を入力するコンパレータCM
1はハイレベルを出力し、パワーMOSトランジスタ4
01がオン状態となる。一方のローサイドドライバ側で
は、逆相信号L3がローレベルになり、同相信号L4が
ハイレベルになる。従って、これら逆相信号L3と同相
信号L4を入力するコンパレータCM2はローレベルを
出力し、パワーMOSトランジスタ402はオフ状態と
なる。
【0048】ここで、パワーMOSトランジスタ401
がオン状態になると、そのソース電圧VSが出力信号O
UTに伴って上昇し、これを基準として内部電源P12
が発生する電圧VD1も上昇する。しかし、バイアス回
路P11が発生する電圧VR1もソース電圧VSに追従
して上昇し、同相信号H1と逆相信号H2の大小関係が
維持されるので、コンパレータCM1が出力する出力信
号の信号レベルはハイレベル(ソース電圧VSに対して
電圧VD1分だけ高い電圧状態)を保つ。従って、出力
信号OUTがハイレベルに遷移する過程において、パワ
ーMOSトランジスタ401はオン状態を維持する。よ
って、時刻t3においてPWM信号がハイレベルになる
と、パワーMOSトランジスタ401がオン状態とな
り、パワーMOSトランジスタ402がオフ状態となっ
て、出力信号OUTとして正電源VPP+に相当するハ
イレベルが出力される。
【0049】ここで、ハイサイドドライバ側の同相信号
H3および逆相信号H4の各信号レベルは以下のように
求められる。 (同相信号H3のハイレベル)=[R11{(VPP+)+
VR1}+R13×VDD]/(R11+R13) (同相信号H3のローレベル)=[R11{(VPP+)+
VR1}+R13×0]/(R11+R13) (逆相信号H4のハイレベル)=[R12{(VPP+)+
VR1}+R14×VDD]/(R12+R14) (逆相信号H4のローレベル)=[R12{(VPP+)+
VR1}+R14×0]/(R12+R14)
【0050】同様に、ローサイドドライバ側の逆相信号
L3,L4の各信号レベルは以下のように求められる。 (逆相信号L3のハイレベル)=[R21{(VPP−)+
VR2}+R23×VDD]/(R21+R23) (逆相信号L3のローレベル)=[R21{(VPP−)+
VR2}+R23×0]/(R21+R23) (同相信号L4のハイレベル)=[R22{(VPP−)+
VR2}+R24×VDD]/(R22+R24) (同相信号L4のローレベル)=[R22{(VPP−)+
VR2}+R24×0]/(R22+R24) 以上により、この実施の形態1の動作を説明した。
【0051】この実施の形態1によれば、特殊な回路技
術や電子部品を用いることなく、変調回路200の出力
信号をパワーMOSトランジスタに適合する信号レベル
に変換することが可能となる。したがって、入力段10
0や変調回路200を電源VDDで動作するものとして
構成することが可能となり、高耐圧プロセスの使用を必
要最小限に抑えることができる。また、抵抗を用いて信
号レベルの変換を行うので、回路構成の複雑化を必要最
小限に抑え、コストを有効に抑えることができる。
【0052】(実施の形態2)次に、この発明の実施の
形態2を説明する。上述の実施の形態1では、相補信号
生成回路301H,301Lが生成した同相信号と逆相
信号を伝送する信号経路上に寄生する容量を考慮してい
ないが、実際には各種の寄生容量が存在する。この寄生
容量が同相信号と逆相信号とについてアンバランスとな
っていると、同相信号と逆相信号の振幅が小さくなり、
これらの信号レベルの大小関係が逆転するなどの問題を
生じることがある。また、この寄生容量が過大になって
いると、例えば駆動回路303Hに入力される同相信号
H3および逆相信号H4が、この駆動回路のグランドに
相当するソース電圧VSよりも低くなり、コンパレータ
CM1が動作しなくなるなどの問題を生じることがあ
る。
【0053】図6(a)に、信号経路上に寄生容量のア
ンバランスが存在しない場合の同相信号H3および逆相
信号H4の波形例を示す。また、図6(b)に、各信号
経路とソース電圧VSが現れるノードとの間の寄生容量
のアンバランスが存在する場合の波形例を示す。この波
形例は、同相信号H3の信号経路とソース電圧VSが現
れるノードとの間に寄生する容量が、逆相信号H4の信
号経路に比較して大きくなっている場合のものである。
さらに、図6(c)に、各信号経路とグランドなどの固
定ノードとの間の寄生容量が過大となっている場合の波
形例を示す。これらの波形例は、前述の図4において、
出力信号OUTがローレベルからハイレベルに立ち上が
る際の波形を拡大したものに対応する。
【0054】同相信号H3および逆相信号H4の信号経
路上に寄生する容量にアンバランスが存在しない場合、
図6(a)に示すように、同相信号H3および逆相信号
H4は、時刻t4で信号レベルが確定すると、その大小
関係を維持したまま、出力信号OUTに追従して上昇す
る。従って、これを入力するコンパレータCM1は誤動
作することなく、時刻t4で確定した同相信号H3と逆
相信号H4の大小関係に応じた信号レベルを維持する。
【0055】これに対し、抵抗R11,R12に並列に
接続される寄生容量にアンバランスが存在する場合、図
6(b)に示すように、信号H1,H2が変化する過程
において、寄生容量のアンバランスの影響を受けて同相
信号H3と逆相信号H4との大小関係が逆転する場合が
ある。同相信号H3と逆相信号H4との大小関係が逆転
すると、コンパレータCM1が誤動作し、パワーMOS
トランジスタ401が一時的にオフ状態となる場合があ
る。同様に、ローサイドドライバ側の抵抗R21,R2
2に寄生する容量にアンバランスが存在する場合もコン
パレータCM2の誤動作を招く場合がある。
【0056】また、寄生容量が過大となっている場合に
は、図6(c)に示すように、同相信号H3,H4の信
号レベルが出力信号OUT(即ちソース電圧VS)の変
化に追従できなくなり、出力信号OUTよりも低くなる
場合がある。このため、ソース電圧VSを基準とした電
圧VD1を電源電圧とするコンパレータCM1の入力特
性を満足することができなくなり、コンパレータCM1
が誤動作する場合がある。そこで、この実施の形態2で
は、上述の実施の形態1の構成において、信号変換回路
の一対の出力ノードから駆動回路の一対の入力ノードに
至る信号経路上に寄生する容量成分のアンバランスを補
正するためのコンデンサを備える。
【0057】図5に、ハイサイドドライバ側に補正用の
コンデンサC13,C14を設けた例を示す。同図に示
すように、同相信号H3の信号経路に接続されるコンパ
レータCM1の非反転入力部と、ソース電圧VSが現れ
るノードとの間に補正用のコンデンサC13を接続す
る。また、逆相信号H4の信号経路に接続されるコンパ
レータCM1の反転入力部と、ソース電圧VSが現れる
ノードとの間に補正用のコンデンサC14を接続する。
コンデンサC13,C14の値は、同相信号H3および
逆相信号H4の各信号経路に接続される容量が略等しく
なるように設定される。これにより、出力信号OUTの
変化によって各信号経路に生じる電圧変動量が略等しく
なり、同相信号H3と逆相信号H4の大小関係が維持さ
れる。
【0058】また、各信号経路とグランドなどの固定ノ
ードとの間に寄生する容量に対し、コンデンサC13,
C14の値を十分大きく設定すれば、出力信号OUTの
信号レベルが変化する際に、出力信号OUTがコンデン
サC13,C14を介して同相信号H3および逆相信号
H4を出力信号OUTよりも高く押し上げる。これによ
り、同相信号H3および逆相信号H4はコンパレータC
M1の入力特性を満足し、このコンパレータCM1が動
作しなくなる事態が回避される。また、図5に示す例で
は、抵抗R11,R12に対してコンデンサC11,C
12をそれぞれ並列接続している。これにより、バッフ
ァB12,B13から出力された同相信号H1および逆
相信号H2の信号レベルの変化が速やかにコンパレータ
CM1側に伝達され、抵抗R11,R12による信号遅
延が改善される。
【0059】次に、図5に示すコンデンサと抵抗の各設
定値の一例を説明する。なお、図5において、説明の便
宜上、各コンデンサを表す符合をその容量値とし、各抵
抗を表す符合をその抵抗値とする。寄生容量にアンバラ
ンスがない場合、R11:R13=C13:C11と
し、R12:R14=C14:C12とすれば、DC特
性(静的動作特性)およびAC特性(動的動作特性)に
ついてインピーダンスが揃い、オーバーシュートのない
波形を得ることができる。ただし、C14:C12=C
13:C11としている。例えば、R11=R12=1
00kΩ、R13=R14=5kΩとしたとき、C11
=C12=1pF、C13=C14=20pFとする。
この状態では、ハイサイドドライバ側のソース電圧VS
(即ち出力信号OUT)が変化すると、相信号H3およ
び逆相信号H4がソース電圧VSに追従して変化し、コ
ンパレータCM1の入力特性を満足する。
【0060】これに対し、寄生容量にアンバランスが存
在する場合、上述のように同相信号と逆相信号との大小
関係が逆転し、誤動作の原因となる。そこで、寄生容量
のアンバランスを打ち消すように、ハイサイドドライバ
側の容量C13、C14をアンバランスにする。例え
ば、R11=R12=100kΩ、R13=R14=5
kΩ、C11=C12=1pFとした場合、C13=1
8pF、C14=12pFとする。これにより、動作マ
ージンを得ることができ、寄生容量にアンバランスが存
在したとしても、このアンバランスに起因した誤動作を
防止することができる。図6(d)に、ハイサイドドラ
イバ側の容量C13、C14にアンバランスを設け、そ
の容量値を補正した場合の波形例を示す。この図に示す
例では、出力信号OUTが遷移する過程において、同相
信号H3と逆相信号H4との信号レベルの差分が拡大さ
れる。従って、同相信号H3と逆相信号H4との信号レ
ベルが逆転することがなくなり、これら信号を入力する
コンパレータCM1が誤動作することがなくなる。以上
で、実施の形態2を説明した。
【0061】(実施の形態3)以下、この発明の実施の
形態3を説明する。この実施の形態3では、上述の実施
の形態1,2において、ハイサイドドライバ側の抵抗R
11,R12、およびローサイドドライバ側の抵抗R2
1,R22を流れる同相電流をキャンセルすることによ
り高速化を図る。ここで、図7を参照し、抵抗R11,
R12を例として同相電流の発生メカニズムと、同相電
流による問題点を説明しておく。図7は、前述の図2に
おいて、相補信号生成回路301HのバッファB12,
B13から駆動回路303HのコンパレータCM1に至
る信号経路を示すもので、図2に示す要素と同一要素に
は同一符号を付している。
【0062】図7において、ソース電圧VSが出力信号
OUTに追従して上昇すると、これを基準としてバイア
ス回路P11が発生する電圧VR1も上昇する。このた
め、バイアス回路P11の出力ノードの電圧がバッファ
B12,B13が出力する信号レベルよりも高くなり、
バイアス回路P11からバッファB12,B13に向け
て抵抗R11,R12に同相電流I1,I2がそれぞれ
流れる。このため、同相信号H3および逆相信号H4の
信号レベルは、バイアス回路P11が発生する電圧VR
1よりも多少低くなる。逆に、ソース電圧VSが出力信
号OUTに追従して低下すると、これを基準としてバイ
アス回路P11が発生する電圧VR1も低下する。この
場合、バッファB12,B13からバイアス回路P11
に向けて抵抗R11,R12に同相電流I1,I2が逆
方向に流れる。このため、同相信号H3および逆相信号
H4の信号レベルは、バイアス回路P11が発生する電
圧VR1よりも多少高くなる。
【0063】ここで、R11/R13の比を小さく設定
すれば、同相信号H3と逆相信号H4との差分を大きく
することができ、高速化できる。しかしながら、上述の
ように、同相信号H3および逆相信号H4の信号レベル
は、出力信号OUTの変化に従って電圧VR1に対して
上下変動するため、同相信号H3および逆相信号H4が
コンパレータCM1の同相入力範囲を超えないように、
R11/R13、R12/R14の各比を設定しなけれ
ばならない。このため、R11/R13の比を任意に小
さくすることができず、従ってコンパレータCM1に入
力される同相信号H3と逆相信号H4との差分を十分と
ることができなくなる。従って、これを入力するコンパ
レータCM1の応答速度に影響を与えることになる。こ
の実施の形態3では、上述の同相電流I1,I2をキャ
ンセルすることにより、抵抗R13,R14に流れる電
流を逆相電流(同相信号と逆相信号との差分に基づく電
流成分)のみとし、コンパレータCM1の入力変動を抑
える。これにより、R11/R13の比を小さくするこ
とを可能とし、コンパレータの応答速度を改善する。
【0064】以下、この実施の形態3の構成を具体的に
説明する。図8に、この実施の形態3に係るD級増幅器
の構成上の特徴を示す。同図において、前述の実施の形
態1に係る図2に示す構成要素と同一要素には同一符号
を付す。図8は、ハイサイドドライバ側の構成を示し、
図2に示す構成において、バッファBD12,BD1
3、抵抗RD11,RD12、NMOSトランジスタN
11〜N14、PMOSトランジスタP11〜P14を
さらに備え、これらは、上述の同相電流I1,I2を打
ち消すための電流を抵抗R11,R12に注入するため
の電流注入回路を構成する。
【0065】ここで、バッファBD12,BD13はア
ナログバッファであり、上述のバッファB12,B13
に対応するものであるが、後述するように、NMOSト
ランジスタN14およびPMOSトランジスタP14の
各ソースに電圧VR1に相当する電圧が現れる程度に抵
抗RD11,RD12を駆動するものであり、これらの
入力部には電源VDDの2分の1の電圧に相当する電圧
VREFCが共通に印加されている。抵抗RD11,R
D12は上述の抵抗R11,R12と同等の抵抗値を有
するものであり、抵抗RD11はバッファBD12の出
力ノードとNMOSトランジスタN14のソースとの間
に接続され、抵抗RD12はバッファBD13の出力ノ
ードとPMOSトランジスタP14のソースとの間に接
続される。
【0066】NMOSトランジスタN14は、抵抗RD
11に流れる電流を設定するもので、そのソース電圧が
上述の電圧VR1に等しくなるように、そのゲート電圧
VRP1が設定される。PMOSトランジスタP14
は、抵抗RD12に流れる電流を設定するもので、その
ソース電圧が上述の電圧VR1に等しくなるように、そ
のゲート電圧VRN1が設定される。また、PMOSト
ランジスタP11のソースには電圧VD1が供給され、
そのドレインはゲートと共にNMOSトランジスタN1
4のドレインに接続される。PMOSトランジスタP1
2,P13のソースには電圧VD1が供給され、これら
のドレインはコンパレータCM1の反転入力部および非
反転入力部にそれぞれ接続される。これらPMOSトラ
ンジスタP11,P12,P13は、抵抗RD11を流
れる電流をモニタして抵抗R11,R12に電流を注入
するためのカレントミラーを構成する。なお、図8にお
いて、電圧VR1は、図2における電圧VR1と同一で
あって、ソース電圧VSを基準としている電圧であり、
電圧VD1も同様である。従って、ゲート電圧VRP
1,VRN1の電位もソース電圧VSを基準として与え
られる。
【0067】同様に、NMOSトランジスタN11のソ
ースには電圧VSが供給され、そのドレインはゲートと
共にPMOSトランジスタP14のドレインに接続され
る。NMOSトランジスタN12,N13のソースには
電圧VSが供給され、これらのドレインはコンパレータ
CM1の反転入力部および非反転入力部にそれぞれ接続
される。これらNMOSトランジスタN11,N12,
N13は、抵抗RD12を流れる電流をモニタして抵抗
R11,R12に電流を注入するためのカレントミラー
を構成する。
【0068】以下、上述の電流注入回路に着目して、こ
の実施の形態3の動作を説明する。上述の構成によれ
ば、抵抗R11に相当する抵抗RD11とNMOSトラ
ンジスタN14のソースとの接続ノードの電圧HD3
と、抵抗R12に相当する抵抗RD12とPMOSトラ
ンジスタP14のソースとの接続点に現れる信号HD4
の電圧は、概ね電圧VR1に等しく、出力信号OUTは
正電源VPP+と負電源VPP−との間を往復する。こ
こで、出力信号OUTが正電源VPP+にあるときに
は、PMOSトランジスタP11に流れる電流IP11
は、以下のように表される。 IP11={(VPP+)+VR1−VREFC}/RD11 また、出力信号OUTがVPP−にあるときには、NM
OSトランジスタN11に流れる電流IN11は、以下
のように表される。 IN11={VREFC−(VPP−)−VR1}/RD12
【0069】これらの電流IP11,IN11は、抵抗
R11,R12に流れる同相電流I1,I2に概ね等し
くなり、これら同相電流をモニタした電流となる。この
うち、電流IP11に相当する電流は、PMOSトラン
ジスタP11と共にカレントミラーを構成するPMOS
トランジスタP12,P13から抵抗R11,R12に
注入される。また、電流IN11に相当する電流は、N
MOSトランジスタN11と共にカレントミラーを構成
するNMOSトランジスタN12,N13から抵抗R1
1,R12に注入される。この結果、抵抗R11,R1
2に流れる同相電流I1,I2が打ち消され、抵抗R1
3,R14には、見かけ上、同相電流I1,I2が存在
しなくなり、逆相電流のみとなる。このため、その逆相
電流に基づく電圧降下により、同相信号H3と逆相信号
H4とが電圧VR1を中心に現れるようになり、駆動回
路303HのコンパレータCM1の同相入力範囲が小さ
くなる。
【0070】この実施の形態3によれば、抵抗R13,
R14に流れる同相電流が打ち消され、これらの抵抗に
流れる電流が小さくなるので、抵抗R13,R14の値
を大きく設定することが可能になる。従って、コンパレ
ータCM1の入力信号の差分(差動電位差)を大きくす
ることができるため、高速化が可能となり、しかも回路
動作を安定化させることができ、信頼性を向上させるこ
とが可能になる。また、同相入力範囲が小さいまま、コ
ンパレータCM1の入力信号の差分を大きくすることが
できるので、正電源VPP+および負電源VPP−をさ
らに高くすることができ、D級増幅器の大出力化に対応
することが可能になる。
【0071】(実施の形態4)以下、この実施の形態4
を説明する。上述の実施の形態3では、抵抗RD11,
RD12を流れる電流をモニタして電流を注入し、バイ
アス回路P11により抵抗R13,R14を電圧VR1
にバイアスするものとしたが、この実施の形態4では、
オペアンプを用いて電流注入を行うと共に抵抗R13,
R14を電圧VR1にバイアスする。図9に、この実施
の形態4に係るD級増幅器の構成上の特徴を示す。この
実施の形態4では、前述の図2に示す実施の形態1の構
成において、一対の出力部O1,O2を有する2出力型
のオペアンプOP60をバイアス回路として備える。こ
こで、その反転入力部は、抵抗R13,R14の共通接
続端に接続され、その非反転入力部には電圧VR1が印
加され、その一対の出力部は、一対の抵抗R13,R1
4の他端側にそれぞれ接続されている。
【0072】図10に、オペアンプOP60の構成を示
す。同図において、定電流源SI1、PMOSトランジ
スタP20,P21、NMOSトランジスタN20,N
21は差動アンプを構成し、その出力部はNMOSトラ
ンジスタN22,N23のゲートに接続される。これら
NMOSトランジスタN22,N23のドレインには、
定電流源SI2,SI3を介して電圧VD1が供給さ
れ、これらトランジスタのソースにはソース電圧VSが
供給される。これらNMOSトランジスタN22,N2
3のドレインが一対の出力部とされる。このオペアンプ
OP60の構成によれば、PMOSトランジスタP2
0,P21のゲートに印加される差動電位差に応じて一
対の出力部O1,O2に電流が出力される。
【0073】ここで、説明を図9に戻し、この実施の形
態4の動作を説明する。図2に示す出力信号OUTが電
源VPP+の電圧に相当する電圧状態にあり、ハイサイ
ドドライバ側の駆動回路303Hが電源VPP+側にあ
る場合、図9に示す同相信号H3および逆相信号H4の
電位は同相電流I1,I2により低下しようとするが、
オペアンプOP60の反転入力部に印加されている基準
電圧は電圧VR1であるから、ノードQの電圧が電圧V
R1に等しくなるようにオペアンプOP60が一対の出
力部から同相電流を抵抗R11、R12に注入し、ノー
ドQの電圧が電圧VR1に等しくなったところで、オペ
アンプOP60の出力電流は安定する。
【0074】出力信号OUTがVPP−側にあるときに
は、同相信号H3および逆相信号H4の電圧が同相電流
により上昇しようとするが、ノードQの電圧が電圧VR
1に等しくなるようにオペアンプOP60が同相電流を
抵抗R11,R12に注入する。これにより、抵抗R1
3,R14には、逆相電流のみが流れることになり、同
相信号H3および逆相信号H4は、逆相電流に基づく電
位効果により、電圧VR1を中心としてコンパレータC
M1に差動入力される。同相入力も電圧VR1を中心と
して振れる。この実施の形態4によれば、抵抗R13,
R14を大きくしても、コンパレータCM1の差動電位
差を広げることができる。従って、消費電流を抑えなが
ら、動作速度を改善することが可能になる。また、同相
入力範囲が小さいので、正電源VPP+および負電源V
PP−を高くすることができる。
【0075】以上、この発明の一実施形態を説明した
が、この発明は、上述の実施の形態に限られるものでは
なく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等が
あっても本発明に含まれる。例えば上述の実施の形態1
では、相補信号生成回路301H,301Lはハイレベ
ルまたはローレベルの2値を出力するものとしたが、ア
ナログ信号を出力するものとしてもよい。
【0076】その構成例を図11に示す。同図におい
て、アンプB52,B53は図2に示すバッファB1
2,B13に対応するものであり、PWM信号に応じた
アナログ信号を出力する。オペアンプOP51、抵抗5
2,R53は差動増幅器を構成し、抵抗R11,R12
を介してアンプB52,B53から入力したアナログ信
号の差分を増幅する。抵抗R54,R55、オペアンプ
OP52は、パワートランジスタ501のエミッタ電圧
に追従する基準電圧VREFを振幅の中心とする波形に
変換するための増幅器を構成する。パワートランジスタ
501は図示しない出力端子を駆動するためのものであ
る。このように構成することにより、リニアアンプへの
適用も可能となる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、変調されたパルス信号の同相信号および逆相信号か
らなる第1の相補信号を生成し、前記同相信号の信号レ
ベルと前記逆相信号の信号レベルとの間の大小関係を維
持したまま、前記第1の相補信号を所定の電圧に追従す
る第2の相補信号にレベル変換し、前記第2の相補信号
に含まれる前記同相信号の信号成分と前記逆相信号の信
号成分との大小関係に基づき出力用トランジスタを駆動
するようにしたので、特殊な製造プロセスや電子部品を
用いることなく出力用のパワーMOSトランジスタを駆
動制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るD級増幅器の
全体構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る信号変換回路
の構成を示す回路図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係るバイアス回路
の構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係るD級増幅器の
動作を説明するための波形図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係るD級増幅器の
構成上の特徴部を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係るD級増幅器の
動作を説明するための波形図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係る同相電流の発
生メカニズムを説明するための回路図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係るD級増幅器の
構成上の特徴部を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態4に係るD級増幅器の
構成上の特徴部を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態3に係る2出力型オ
ペアンプの構成を示す図である。
【図11】 この発明の変形例に係るD級増幅器の構成
上の特徴部を示す図である。
【図12】 従来技術に係るD級増幅器の構成を説明す
るための図である。
【符号の説明】
SIG:信号源、CIN:コンデンサ、DAMP:D級
増幅器、100:入力段、200:変調回路、300:
駆動制御回路、301H,301L:信号生成回路、3
02H,302L:信号変換回路、303H,303
L:駆動回路、401,402:出力用MOSトランジ
スタ、L:インダクタ(コイル)、C:キャパシタ(コ
ンデンサ)、SPK:スピーカ、B11,B12,B1
3,B14,B21,B22,B23,B24,BD1
2,BD13:バッファ、R11,R12,R13,R
14,R21,R22,R23,R24,R52,R5
3,R54,R55:抵抗、C11,C12,C13,
C14:コンデンサ、P11,P12:バイアス回路、
CM1,CM2:コンパレータ、P12,P22:内部
電源、P11,P12,P13,P14:PMOSトラ
ンジスタ、N11,N12,N13,N14:NMOS
トランジスタ、OP60,OP52:オペアンプ、B5
2,B53:アンプ、501:トランジスタ(npn
型)。
フロントページの続き Fターム(参考) 5J091 AA01 AA17 AA41 AA66 CA87 CA92 FA08 HA10 HA17 HA19 HA25 HA29 HA33 KA01 KA02 KA03 KA04 KA05 KA09 KA12 KA17 KA42 KA53 MA11 MA23 SA05 TA01 TA06 UW01 UW10 5J500 AA01 AA17 AA41 AA66 AC87 AC92 AF08 AH10 AH17 AH19 AH25 AH29 AH33 AK01 AK02 AK03 AK04 AK05 AK09 AK12 AK17 AK42 AK53 AM11 AM23 AS05 AT01 AT06 WU01 WU10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正電源と出力端子との間に電流経路が接
    続された第1の出力用トランジスタと、負電源と前記出
    力端子との間に電流経路が接続された第2の出力用トラ
    ンジスタとを有し、入力端子を介して外部から入力され
    た信号に含まれる情報成分をパルス幅に反映させて該信
    号をパルス信号に変調し、該パルス信号に基づき前記第
    1および第2の出力用トランジスタを相補的に導通させ
    るように構成されたD級増幅器において、 前記パルス信号の同相信号および逆相信号からなる第1
    の相補信号を生成して出力する相補信号生成回路と、 前記同相信号の信号レベルと前記逆相信号の信号レベル
    との間の大小関係を維持したまま、前記第1の相補信号
    を、前記第1または第2の出力用トランジスタのソース
    電圧を基準とした所定の電圧に追従する第2の相補信号
    にレベル変換する信号変換回路と、 前記ソース電圧を基準とした内部電源で作動し、前記第
    2の相補信号を入力して該第2の相補信号に含まれる前
    記同相信号の信号成分と前記逆相信号の信号成分との大
    小関係に基づき前記第1または第2の出力用トランジス
    タを駆動する駆動回路と、 を備えたことを特徴とするD級増幅器。
  2. 【請求項2】 前記変換回路が、 前記第1の相補信号が現れる前記信号変換回路の一対の
    出力部と前記第2の相補信号が現れる前記駆動回路の一
    対の入力部との間に接続された一対の第1の抵抗と、 一端側が前記駆動回路の一対の入力部に接続された一対
    の第2の抵抗と、 前記一対の第2の抵抗の他端側を前記所定の電圧にバイ
    アスするバイアス回路と、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載されたD級増
    幅器。
  3. 【請求項3】 前記信号変換回路の一対の出力部から前
    記駆動回路の一対の入力部に至る信号経路上に寄生する
    容量成分のアンバランスを補正するためのコンデンサを
    さらに備えたことを特徴とする請求項2に記載されたD
    級増幅器。
  4. 【請求項4】 前記一対の第1の抵抗を流れる同相電流
    を打ち消すように、該一対の第1の抵抗に電流を注入す
    る電流注入回路をさらに備えたことを特徴とする請求項
    2または3に記載されたD級増幅器。
  5. 【請求項5】 前記電流注入回路が、 前記一対の第1の抵抗を流れる同相電流をモニタする電
    流モニタ回路と、 前記電流モニタ回路でモニタされた電流を入力し、該電
    流と等価な電流を前記一対の第1の抵抗に出力するカレ
    ントミラー回路と、 からなることを特徴とする請求項4に記載されたD級増
    幅器。
  6. 【請求項6】 前記バイアス回路が、 前記第2の抵抗の他端側に接続された反転入力部と、前
    記所定電圧が印加された非反転入力部と、前記一対の第
    2の抵抗の一端側が接続された一対の出力部とを有する
    2出力型のオペアンプから構成されたことを特徴とする
    請求項2または3に記載されたD級増幅器。
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