JP3928515B2 - D級増幅器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽信号などのアナログ信号をパルス信号に変換して電力増幅するD級増幅器(デジタルアンプ)に関し、特に出力用のパワーMOSトランジスタを駆動制御するための回路技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、音楽信号などのアナログ信号を入力信号とし、これをパルス信号に変換して電力増幅するD級増幅器が知られており、その出力端子には、ローパスフィルタを介してスピーカの入力端子が接続される。このD級増幅器によれば、入力信号の振幅がパルス幅に反映され、電力増幅されたパルス信号が出力される。そして、このパルス信号が外部のローパスフィルタを通過することによりアナログ量の音楽信号が抽出され、この信号がスピーカを駆動する。D級増幅器は、シリコンチップ上に形成することができるため、小型かつ安価に実現することができ、低消費電力が要求される携帯端末やパソコンなどに多用されている。
【0003】
図1を援用して、従来のD級増幅器を説明する。同図において、信号源SIGは、接地電位(0V)を振幅の中点とするアナログ量の音楽信号VINの発生源であり、入力コンデンサCINを介して入力端子TIに接続される。このD級増幅器は、いわゆるPWM増幅器(PWM;Pulse Width Modulation)であって、入力段100、変調回路200、駆動回路300、n型のパワーMOSトランジスタ401,402から構成される。
【0004】
入力段100は、音楽信号VINの波形を変調回路200の入力特性に適合する電圧(振幅)に変換するものである。この後段には変調回路200が設けられ、入力段100から出力された音楽信号をパルス信号に変換する(PWM変調)。駆動回路300は、変調されたパルス信号に基づき、出力用のパワーMOSトランジスタ401,402を相補的に駆動制御する。パワーMOSトランジスタ401は、ハイレベルを出力するためのものであり、パワーMOSトランジスタ402は、ローレベルを出力するためのものである。出力端子TOには、インダクタLとコンデンサCとからなるローパスフィルタを介してスピーカSPKの入力端子が接続される。
【0005】
このD級増幅器によれば、信号源SIGから入力された音楽信号VINが、入力段100および変調回路200を経てパルス信号に変換される。駆動回路300は、変調されたパルス信号に基づきパワーMOSトランジスタ401,402を相補的に導通制御し、出力端子TOに電力増幅されたパルス信号を出力する。電力増幅されたパルス信号は、インダクタLおよびコンデンサCからなるローパスフィルタによりキャリア周波数成分が除去され、スピーカSPKに供給される。
【0006】
上述の変調回路200は、単一の電源VDD(例えば10V)で作動するように構成されたものであるから、その出力信号であるパルス信号のロウレベルは接地電位(0V)となり、ハイレベルは電源VDDが供給する電圧(10V)となる。従って、そのような信号レベルを有するパルス信号をそのまま用いたのでは、MOSトランジスタの特性上、正電源VPP+(例えば+50V)にドレインが接続されたパワーMOSトランジスタ401を十分にオン状態に制御することはできず、また負電源VPP−(例えば−50V)にソースが接続されたパワーMOSトランジスタ402をオフ状態に制御することができない。そこで、駆動回路300は、変調回路200で変調されたパルス信号に基づき上述のパワーMOSトランジスタ401,402を制御し得るように構成されており、いわゆるハイサイドドライバおよびローサイドドライバを備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、D級増幅器の実使用状況では、スピーカ端子は外部端子となり、出力端子はグランドにショートするおそれがある。出力端子とグランドがショートした場合、出力段のパワーMOSトランジスタがオン状態にあると、このパワーMOSトランジスタに許容電流を超す過電流が流れ、出力段が破壊される虞がある。このため、出力段のパワーMOSトランジスタを過電流から保護するための対策がとられている。
図7に、過電流からパワーMOSトランジスタを保護するための構成例を示す。同図において、信号H3,H4は、上述の変調回路200から出力されるパルス信号の同相信号および逆相信号であり、ハイサイドドライバの入力信号とされる。また、信号L3,L4は同じく変調回路200から出力されるパルス信号の同相信号および逆相信号であり、ローサイドドライバの入力信号とされる。駆動回路303HJはハイサイドドライバとして機能するもので、上述の信号H3,H4に基づきパワーMOSトランジスタ401を駆動する。また、駆動回路303LJはローサイドドライバとして機能するもので、上述の信号L3,L4に基づきパワーMOSトランジスタ402を駆動する。
【0008】
抵抗RS1は、パワーMOSトランジスタ401を流れる電流を検出するためのもので、パワーMOSトランジスタ401と出力端子TOとの間に接続される。抵抗RS2は、パワーMOSトランジスタ402を流れる電流を検出するためのもので、パワーMOSトランジスタ402と負電源VPP−との間に接続される。駆動回路303HJの内部には、信号H3,H4の伝達経路として、コンパレータCM1、論理積ゲート回路AN1、およびバッファB14が設けられ、過電流を検出するための回路系として、コンパレータCM11、ラッチLA1が設けられている。コンパレータCM11の非反転入力部は抵抗RS1の一端に接続され、その反転入力端子は基準電源REFHを介して抵抗RS1の他端に接続される。基準電源REFHは、抵抗RS1に許容電流を超える過電流が流れた場合にコンパレータCM11の出力が反転するように設定される。コンパレータCM11の出力部はラッチLA1を介して論理積ゲート回路AN1の負論理入力部に接続される。一方の駆動回路303LJは、コンパレータCM2、論理積ゲート回路AN2、バッファB24、基準電源REFL、コンパレータCM21、ラッチLA2から構成され、これらは、上述の駆動回路303HJを構成するコンパレータCM1、論理積ゲート回路AN1、バッファB14、基準電源REFH、コンパレータCM11、ラッチLA1にそれぞれ対応する。
【0009】
過電流を検出するための動作を説明する。例えばパワーMOSトランジスタ401に過電流が発生した場合、抵抗RS1の両端部に電圧が発生し、この電圧が基準電源REFHの電圧を超えると、コンパレータCM11の出力がハイレベルになる。このハイレベルはラッチLA1にラッチされて論理積ゲート回路AN1の負論理入力部に与えられる。このため、論理積ゲート回路AN1の出力信号はローレベルとされ、バッファB14を介してパワーMOSトランジスタ401のゲートに与えられる。この結果、パワーMOSトランジスタ401はオフ状態に制御され、過電流を遮断する。よって、パワーMOSトランジスタ401が過電流から保護されることとなる。同様にパワーMOSトランジスタ402に過電流が流れた場合には、抵抗RS2の両端部に電圧が発生し、この電圧が基準電源REFLの電圧を超えると、コンパレータCM21の出力信号はハイレベルとなり、ラッチLA2を介して論理積ゲート回路AN2の負論理入力部に与えられる。このため、論理積ゲート回路AN2の出力信号がローレベルとされ、パワーMOSトランジスタ402がオフ状態に制御される。
【0010】
しかしながら、上述の過電流から出力段を保護するための従来技術によれば、駆動回路303HJおよび駆動回路303LJは個別に過電流を検出して、パワーMOSトランジスタ401,402を制御するため、何れか一方のパワーMOSトランジスタのみがオフ状態に制御されると共に、他方のパワーMOSトランジスタは動作し得る状態に置かれ、D級増幅器を搭載するシステムの動作上、好ましくない動作状態が発生する。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、出力段を構成する一対のパワーMOSトランジスタのうち、一方に過電流が発生した場合であっても、双方のパワーMOSトランジスタをオフ状態に制御することが可能なD級増幅器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は以下の構成を有する。
即ち、請求項1に記載された発明は、少なくとも、標準電源の第1の電源で作動する変調回路と、高電源の第2の電源(例えば後述する正電源VPP+に相当する構成要素)に対応する信号レベルを出力端子に出力する第1の出力用トランジスタを駆動するための第1の駆動回路と、低電源の第3の電源(例えば後述する負電源VPP−に相当する構成要素)に対応する信号レベルを前記出力端子に出力する第2の出力用トランジスタを駆動するための第2の駆動回路とを有し、入力端子を介して入力された信号を前記変調回路によりパルス信号に変調し、該パルス信号を前記第1および第2の駆動回路に与えて前記第1および第2の出力用トランジスタを相補的に駆動するように構成されたD級増幅器において、前記第1の駆動回路に設けられ、前記第1のトランジスタに流れる過電流を検出して第1の信号(後述するドレイン電流ITN1に相当する要素)を出力する第1の検出回路と、前記第2の駆動回路に設けられ、前記第2のトランジスタに流れる過電流を検出して電流信号である第2の信号(後述するドレイン電流ITN2に相当する要素)を出力する第2の検出回路と、前記第1の信号を、前記低電源を基準とした電流信号である第3の信号(後述するコレクタ電流ITT2に相当する要素)に変換する信号変換回路と、前記第2の信号と前記第3の信号とを加算する加算回路と、前記加算回路の出力信号を電圧信号とする負荷回路と、前記電圧信号に応答して前記第1および第2の駆動回路に入力されるべき前記パルス信号を阻止するゲート回路と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、第1の出力用トランジスタの過電流が第1の検出回路で検出された場合、この第1の検出回路から第1の信号が出力される。この第1の信号は、信号変換回路により、低電源を基準とした第3の信号に変換される。ここで、第2の検出回路が低電源を基準として第2の信号を出力するものとすれば、第2の信号と第3の信号は同一の電源を基準とした信号となる。従って、これら第2および第3の信号を論理演算の対象とすることが可能になり、加算回路により第2および第3の信号を加算する。この加算回路の出力信号はゲート回路に与えられ、ゲート回路は、第2および第3の信号の加算結果に応じて第1および第2の駆動回路に入力されるパルス信号を阻止する。これにより、例えば第1および第2の出力用トランジスタが共にオフ状態に固定され、D級増幅器がミュート状態となる。
【0013】
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載されたD級増幅器において、前記第1の駆動回路が、前記出力端子の電位を基準とした第1の内部電源で作動して前記第1の出力用トランジスタを駆動し、前記第2の駆動回路が、前記低電源を基準とした第2の内部電源で作動して前記第2の出力用トランジスタを駆動することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載された発明は、請求項1または2に記載されたD級増幅器において、前記信号変換回路が、電流経路の一端側が前記第1の駆動回路の電源に接続され、前記第1の信号に応答して導通する第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの電流経路の他端と前記低電源との間に接続された負荷素子と、電流経路が前記低電源と前記加算回路の入力部との間に接続され、前記第1のトランジスタと前記負荷素子との間に現れる信号に応答して導通する第2のトランジスタと、を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
図1に、この実施の形態に係るD級増幅器DAMPの構成を示す。入力段100は、入力抵抗R1と帰還抵抗R2(=R1)とオペアンプOPとから構成される。入力抵抗R1の一端はオペアンプOPの反転入力部(−)に接続され、その他端は入力端子TIに接続される。帰還抵抗R2は、オペアンプOPの反転入力部と出力部との間に接続される。オペアンプOPの非反転入力部(+)には、基準電圧VREFが印加される。基準電圧VREFは、例えば標準の電源VDDが供給する電圧を抵抗分割して発生され、電源VDDの2分の1に設定される。この実施の形態では、電源VDDの電圧を「+10V」とし、この技術分野において標準的な電源電圧とする。変調回路200は、前段の入力段100から出力された音楽信号をPWM変調によりパルス信号(PWM信号)に変換するものである。駆動制御回路300は、出力用のパワーMOSトランジスタ401,402を相補的に駆動制御するものである。この駆動制御回路300の詳細については後述する。
【0015】
パワーMOSトランジスタ401は、出力端子TOにハイレベルを出力するためのものであって、ドレインおよびソースが正電源VPP+(高電源)および出力端子TOにそれぞれ接続される。一方のパワーMOSトランジスタ402は、出力端子TOにローレベルを出力するためのものであって、ドレインおよびソースが出力端子TOおよび負電源VPP−(低電源)にそれぞれ接続される。この実施の形態1では、正電源VPP+の電圧を「+50V」とし、負電源VPP−の電圧を「−50V」とする。出力端子TOには、インダクタLおよびコンデンサCからなるローパスフィルタを介してスピーカSPKの一方の入力端子が接続され、このスピーカSPKの他方の入力端子は接地される。インダクタLおよびコンデンサCからなるローパスフィルタの定数は、出力端子TOを介してD級増幅器DAMPから出力されるパルス信号からキャリア周波数成分を除去し、かつ音楽信号成分を通過させるように設定される。
上述のように、このD級増幅器DAMPは、標準の電源VDD、正電源VPP+、負電源VPP−の3電源で動作するものとなっている。
【0016】
次に、駆動制御回路300の構成を詳細に説明する。図2に、駆動制御回路300の構成を示す。同図において、過電流の検出と、その処理部分は省略してある(後述)。また、図1に示す構成要素と共通する要素には同一符号を付す。駆動制御回路300は、出力段を構成する一方のパワーMOSトランジスタ401を駆動するための回路系(ハイサイドドライバ)として、相補信号生成回路301H、信号変換回路302H、および駆動回路303Hを備え、他方のパワーMOSトランジスタ402を駆動するための回路系(ローサイドドライバ)として、相補信号生成回路301L、信号変換回路302L、および駆動回路303Lを備える。パワーMOSトランジスタ401のソースとパワーMOSトランジスタ402のドレインとの接続点に現れる信号は、このD級増幅器DAMPの出力信号OUTとされ、出力端子TOを介して外部に出力される。
【0017】
ここで、ハイサイドドライバの構成を詳細に説明する。相補信号生成回路301Hは、上述の変調回路200から出力されたPWM信号の同相信号H1および逆相信号H2を生成するものであり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)構成の論理積ゲート回路B11、バッファB12、および負論理入力型のバッファ(インバータ)B13から構成される。ここで、論理積ゲート回路B11の入力部には、変調回路200から出力されたPWM信号が与えられ、その出力部はバッファB12,B13の入力部に共通に接続される。これら論理積ゲート回路B11およびバッファB12,B13は電源VDDが供給されて作動し、バッファB12,B13からPWM信号の同相信号H1と逆相信号H2とがそれぞれ出力される。これら同相信号H1および逆相信号H2は、相補信号(H1,H2)として信号変換回路302Hに出力される。
【0018】
信号変換回路302Hは、同相信号H1および逆相信号H2を、パワーMOSトランジスタ401のソース電圧VS(即ち出力信号OUTの信号レベル)を基準とした所定電圧VR1に追従する同相信号H3および逆相信号H4にレベル変換するものであり、抵抗R11,R12、抵抗R13,R14、およびバイアス回路P11から構成される。抵抗R13,R14の一端がコンパレータCM1の一対の入力部に接続され、その他端は、バイアス回路P11によりパワーMOSトランジスタ401のソース電圧VSを基準とした所定電圧VR1にバイアスされている。この実施の形態では、所定電圧VR1は、ソース電圧VSに電源VDDの2分の1を加えた値(=VS+VDD/2)に設定するものとする。いま、電源VDDは10Vであるから、その半分の5Vをソース電圧VSに加算した電圧が所定電圧VR1となる。
【0019】
図3に、バイアス回路P11の構成例を示す。同図に示すように、バイアス回路P11は、上述のソース電圧VSが現れるノード(即ちパワーMOSトランジスタ401のソース)と正電源VPP+との間に抵抗PRおよびツェナー・ダイオードPDを直列接続し、このツェナー・ダイオードPDと並列に安定化コンデンサPCを接続して構成され、抵抗PRとツェナー・ダイオードPDとの接続点に現れる電圧が所定電圧VR1とされる。この実施の形態1では、ツェナー・ダイオードPDの降伏電圧は電源VDD(10V)の2分の1に相当する5Vに設定されており、これにより、上述の所定電圧VR1としてソース電圧VSに電源VDDの2分の1を加えた値(=VS+VDD/2)を発生するものとなっている。
【0020】
ここで、説明を図2に戻し、駆動回路303Hの構成を説明する。駆動回路303Hは、パワーMOSトランジスタ401を駆動制御するものであり、コンパレータCM1、バッファB14、および内部電源P12を含んで構成される。ここで、コンパレータCM1の非反転入力部は抵抗R11を介してバッファB12の出力部に接続され、その反転入力部は抵抗R12を介してバッファB13の入力部に接続される。またコンパレータCM1の出力部はバッファB14の入力部に接続され、このバッファB14の出力部は上述のパワーMOSトランジスタ401のゲートに接続される。
【0021】
内部電源P12は、パワーMOSトランジスタ401のソース電圧VSを基準として、電源VDDの電圧に相当する電圧VD1を発生するものであり、基本的には上述の図2に示すバイアス回路と同様に構成される。ただしこの場合のツェナー・ダイオードPDの降伏電圧は電源VDDの電圧に相当する10Vに設定される。この内部電源P12は、ソース電圧VSを基準として電源VDDに相当する電圧VD1を発生し、上述のコンパレータCM1とバッファB14に電源電圧として供給する。従って、駆動回路303Hの電源系は、パワーMOSトランジスタ401のソース電圧VSに追従して変化すると共に、コンパレータCM1およびバッファB14に関する限り電源VDDと等価な電源として振る舞う。以上により、パワーMOSトランジスタ401を駆動するためのハイサイドドライバの構成を説明した。
【0022】
続いて、パワーMOSトランジスタ402を駆動するためのローサイドドライバの構成を説明する。ローサイドドライバを構成する相補信号生成回路301L、信号変換回路302L、駆動回路303Lは、上述のハイサイドドライバを構成する相補信号生成回路301H、信号変換回路302H、駆動回路303Hと基本的には同様に構成されるが、論理積ゲート回路B11に対応するものとして論理和ゲート回路B21を有する。具体的に説明すると、相補信号生成回路301Lは、変調回路200から出力されたPWM信号の逆相信号L1および同相信号L2を生成するもので、論理和ゲート回路B21、バッファB22,B23から構成され、これらは上述の相補信号生成回路301Hを構成する論理積ゲート回路B11、バッファB12,B13にそれぞれ対応する。ただし、バッファB12およびバッファB13がそれぞれ正論理入力型および負論理入力型であるのに対し、バッファB22およびバッファB23はそれぞれ負論理入力型および正論理入力型となっている。
【0023】
また、信号変換回路302Lは、抵抗R21,R22,R23,R24、およびバイアス回路P21から構成され、これらは上述の信号変換回路302Hを構成する抵抗R11,R12,R13,R14、およびバイアス回路P11にそれぞれ対応する。ただし、バイアス回路P21は、負電源VPP−を基準として、電源VDDの2分の1に相当する電圧VR2を発生する。さらに、駆動回路303Lは、コンパレータCM2、バッファB24、および内部電源P22を含んで構成され、これらは上述の駆動回路303Hを構成するコンパレータCM1、バッファB14、内部電源P12にそれぞれ対応する。ただし、内部電源P22は、パワーMOSトランジスタ402のソース電圧(即ち負電源VPP−)を基準として電源VDDに相当する電圧VD2を発生し、コンパレータCM2およびバッファB24に電源電圧として供給する。
【0024】
次に、図4を参照して、過電流から出力段のパワーMOSトランジスタ401,402を保護するための回路構成を説明する。図4において、図2に示す要素と共通する要素には同一符号を付す。パワーMOSトランジスタ401のソースと出力端子TOとの間には、パワーMOSトランジスタ401の過電流I401を検出するための抵抗RS1が接続される。駆動回路303Hの内部には、パワーMOSトランジスタ401の過電流I401を検出するための回路(第1の検出回路)として、基準電源REFH、コンパレータCM11、ラッチLA1、NMOSトランジスタTN1、抵抗RN1が設けられている。コンパレータCM11の非反転入力端子(+)は抵抗RS1の一端側(パワーMOSトランジスタ401側)に接続され、反転入力端子(−)は基準電源REFHを介して抵抗RS2の他端側(出力端子TO側)に接続される。ここで、コンパレータCM11の出力部はラッチLA1の入力部に接続され、このラッチLA1の出力部はNMOSトランジスタTN1のゲートに接続される。NMOSトランジスタTN1のソースはVSへ接続され、そのドレインと内部電源P12との間には負荷用の抵抗RN1が接続される。
【0025】
また、パワーMOSトランジスタ402のソースと負電源VPP−との間には、パワーMOSトランジスタ402の過電流I402を検出するための抵抗RS2が接続される。駆動回路303Lの内部には、パワーMOSトランジスタ402の過電流を検出するための回路(第2の検出回路)として、基準電源REFL、コンパレータCM21、ラッチLA2、NMOSトランジスタTN2、抵抗RN2が設けられている。ここで、コンパレータCM21の非反転入力端子(+)は抵抗RS2の一端側(パワーMOSトランジスタ402側)に接続され、反転入力端子(−)は基準電源REFLを介して抵抗RS2の他端側(負電源VPP−側)に接続される。コンパレータCM21の出力部はラッチLA2の入力部に接続され、その出力部はNMOSトランジスタTN2のゲートに接続される。このNMOSトランジスタTN2のソースは負電源VPP−へ接続され、そのドレインと内部電源P22との間には負荷用の抵抗RN2が接続される。NMOSトランジスタTN2のドレインは、抵抗RR4を介してnpnバイポーラトランジスタTT3のエミッタに接続される。
【0026】
さらに、pnpバイポーラトランジスタTT1のエミッタは駆動回路303Hの内部電源P12に接続され、そのベースは抵抗RR1を介してNMOSトランジスタTN1のドレインに接続される。pnpバイポーラトランジスタTT1のコレクタは抵抗RR2およびRR3を介して負電源VPP−に接続される。pnpバイポーラトランジスタTT1のベースと内部電源P12との間には安定化用コンデンサCC1が接続される。npnバイポーラトランジスタTT2のベースは、pnpバイポーラトランジスタTT1と抵抗RR3との間(具体的には抵抗RR2と抵抗RR3との接続点)に接続され、そのエミッタは負電源VPP−に接続され、そのコレクタは抵抗RR5を介してnpnバイポーラトランジスタTT3のエミッタに接続される。このnpn型バイポーラトランジスタTT3のコレクタは、負荷用の抵抗RR6を介して、前述の相補信号生成回路301H,301Lの電源VDDに接続される。ダイオードDD1のアノードは接地されるとともに、そのカソードはnpnバイポーラトランジスタTT3のコレクタに接続される。そして、抵抗RR6とダイオードDD1のカソードとの接続点にあらわれる電圧信号は、過電流が検出されたことを表す検出信号DETとされ、前述の相補信号生成回路301H,301Lに出力される。
【0027】
図5に、図4に示す駆動回路303H,303L内のNMOSトランジスタTN1,TN2のドレイン電流から検出信号DETが生成されるまでの回路系を抽出して示す。同図において、抵抗RR1,RR2,RR3、pnpバイポーラトランジスタTT1は、NMOSトランジスタTN1のドレイン電流を負電源VPP−を基準とした電流信号ITT2に変換するための信号変換回路SHFを構成し、抵抗RR4,RR5およびnpnバイポーラトランジスタTT3は、NMOSトランジスタTN2のドレイン電流ITN2と上記電流信号ITT2を加算する加算回路ORを構成する。換言すれば、VSを基準としたハイ・ロー電圧(VD1)を、負電源VPP−を基準としたハイ・ロー電圧へと変換している。
【0028】
次に、この実施の形態の動作を説明する。
先ず、図6に示す波形図を参照しながら増幅器としての動作を説明する。図6では、変調回路200から出力されたPWM信号は、同相信号H1と位相が同一であるから、同相信号H1の波形を流用して表現している。図1に示す入力段100は、増幅率(R2/R1)が「1」の反転増幅器として機能し、基準信号VREFを中点として音楽信号VINの位相を反転させた信号を出力する。これにより、音楽信号VINが、後段側の変調回路200の入力特性に適合する信号に変換される。変調回路200は、前段の入力段100から出力された音楽信号の情報成分をパルス幅に反映させてPWM変調を行い、PWM信号を生成する。駆動制御回路300は、変調回路200で生成されたPWM信号に基づき、出力用のパワーMOSトランジスタ401とパワーMOSトランジスタ402とを相補的に駆動する。
【0029】
ここで、駆動制御回路300の動作をさらに詳細に説明する。ハイサイドドライバを構成する相補信号生成回路301Hは、変調回路200から出力されたPWM信号に応答して、このPWM信号と同じ位相を有する同相信号H1と、逆の位相を有する逆相信号H2を生成する。図6に示す波形図では、初期状態において、変調回路200から出力されたPWM信号はハイレベルにあり、これを入力する相補信号生成回路301Hは、同相信号H1としてハイレベルを出力し、逆相信号H2としてローレベルを出力する。従って、初期状態において同相信号H1と逆相信号H2との間には、電源VDDに相当するレベル差が存在し、同相信号H1が逆相信号H2よりも電源VDDに相当する電圧分だけ高くなっている。
【0030】
相補信号生成回路301Hから出力された同相信号H1と逆相信号H2は、信号変換回路302Hを構成する抵抗R11,R12を介して同相信号H3および逆相信号H4として駆動回路303H側に供給される。このとき、この駆動回路303Hを構成するコンパレータCM1の入力部は、抵抗R13,R14を介してバイアス回路P11に接続されているので、同相信号H3の信号レベルは、バイアス回路P11が発生する電圧VR1と同相信号H1との間の電位差を抵抗R11,R13により分圧して得られる電圧を示し、逆相信号H4の信号レベルは、電圧VR1と逆相信号H2との間の電位差を抵抗R12,R14により分圧して得られる電圧を示す。
【0031】
駆動回路303HのコンパレータCM1は、同相信号H3と逆相信号H4との大小関係に応じた信号レベルを出力する。初期状態では、同相信号H3が逆相信号H4よりも信号レベルが大きいので、コンパレータCM1はハイレベルを出力し、これを入力するバッファB14は、パワーMOSトランジスタ401のソースを基準として電源VDDに相当する信号レベルを有する信号H5をそのゲートに出力する。これにより、パワーMOSトランジスタ401はオン状態となる。後述するように、パワーMOSトランジスタ401,402は相補的に導通するように制御されるから、パワーMOSトランジスタ401がオン状態になると、パワーMOSトランジスタ402がオフ状態となり、出力信号OUTの信号レベル(即ちソース電圧VS)が正電源VPP+の電源電圧にまで上昇する。
【0032】
このとき、駆動回路303Hは、内部電源P12から、ソース電圧VSを基準とした電圧VD1を供給されるので、この駆動回路303Hの電源系がパワーMOSトランジスタ401のソース電圧VSに追従して上昇する。このため、コンパレータCM1の入力閾値もソース電圧VSと共に上昇するが、バイアス回路P11が発生する電圧VR1もソース電圧VSに追従して上昇するので、同相信号H3と逆相信号H4の各信号レベルは駆動回路303HをなすコンパレータCM1の入力特性に適合した状態を維持し、パワーMOSトランジスタ401はオン状態に維持される。この状態では、信号H5の信号レベルは正電源VPP+より電圧VD1(=VDD)分だけ高い状態となる。
【0033】
一方のローサイドドライバでは、初期状態においてハイレベルにあるPWM信号を入力する相補信号生成回路301Lが、逆相信号L1としてローレベルを出力し、同相信号L2としてハイレベルを出力する。従って、初期状態では逆相信号L1と同相信号L2との間には、その大小関係に応じて電源VDDに相当するレベル差が存在し、逆相信号L1が同相信号L2よりも電源VDDに相当する電圧分だけ低くなっている。相補信号生成回路301Lから出力された逆相信号L1と同相信号L2は、信号変換回路302Lを構成する抵抗R21,R22を介して逆相信号L3および同相信号L4として駆動回路303L側に供給される。このとき、逆相信号L3の信号レベルは、バイアス回路P21が発生する電圧VR2と逆相信号L1との間の電位差を抵抗R21,R23により分圧して得られた電圧を示し、同相信号L4の信号レベルは、電圧VR2と同相信号L2との間の電位差を抵抗R22,R24により分圧して得られた電圧を示す。
【0034】
駆動回路303LのコンパレータCM2は、初期状態では逆相信号L3が同相信号L4よりも信号レベルが小さいのでローレベルを出力し、これを入力するバッファB24は、パワーMOSトランジスタ402のソース電圧(VPP−)に等しい信号レベルを有する信号L5をそのゲートに出力する。このため、パワーMOSトランジス402はオフ状態となる。このとき、内部電源P22は、負電源VPP−を基準とした電圧VD2を発生している。従って、初期状態では、パワーMOSトランジスタ401がオン状態となり、パワーMOSトランジスタ402がオフ状態となって、出力信号OUTとして正電源VPP+の電圧に相当するハイレベルが出力された状態となっている。
【0035】
このような初期状態から、図6に示す時刻t1においてPWM信号がローレベルに遷移すると、これに応答して同相信号H1がローレベルとなり逆相信号H2がハイレベルになる。このため、同相信号H1と逆相信号H2との大小関係が逆転し、時刻t2において同相信号H3と逆相信号H4の大小関係も逆転する。従って、同相信号H3と逆相信号H4を入力するコンパレータCM1の出力信号がハイレベル(VS=正電源VPP+より電圧VD1分だけ高い電圧状態)からローレベル(VS=正電源VPP+に相当する電圧状態)に変化し、これを入力するバッファB14の出力信号H5もローレベル(VS=正電源VPP+に相当する電圧状態)に変化する。この結果、パワーMOSトランジスタ401のゲート電圧がソース電圧VS(=正電源VPP+)と等しくなり、このパワーMOSトランジスタ401がオフ状態となる。
【0036】
一方、時刻t1においてPWM信号がローレベルに遷移すると、これに応答して逆相信L1がハイレベルとなり、同相信号L2がローレベルになる。このため、逆相信号L1と同相信号L2との大小関係が逆転し、これに応じて逆相信号L3と同相信号L4の大小関係も逆転する。したがって、コンパレータCM2の出力信号がローレベル(負電源VPP−に相当する電圧状態)からハイレベル(負電源VPP−より電圧VD2分だけ高い電圧状態)に変化し、これを入力するバッファB24の出力信号L5もハイレベルに変化する。この結果、パワーMOSトランジスタ402のゲート電圧がソース電圧に対して電圧VD2分だけ高くなり、このパワーMOSトランジスタ402がオン状態となる。
【0037】
パワーMOSトランジスタ402がオン状態になると、パワーMOSトランジスタ401のソース電圧VSは出力信号OUTに伴って低下し、これを基準として内部電源P12が発生する電圧VD1も低下する。このとき、バイアス回路P11が発生する電圧VR1もパワーMOSトランジスタ401のソース電圧VSの変化に伴って低下するので、同相信号H1と逆相信号H2の大小関係が維持されたまま、これら信号レベルが駆動回路303Hの電源系と共に低下する。従って、コンパレータCM1が出力する信号レベルはローレベル(ソース電圧VS)を維持し、出力信号OUTがローレベル(負電源VPP−)に遷移する過程において、パワーMOSトランジスタ401はオフ状態を維持する。
以上により、初期状態から時刻t1においてPWM信号がローレベルに遷移すると、一方のパワーMOSトランジスタ401がオフ状態となり、他方のパワーMOSトランジスタ402がオン状態となって、出力信号OUTが正電源VPP+から負電源VPP−に遷移し、ローレベルが出力される。
【0038】
続いて、時刻t3においてPWM信号がハイレベルに回復すると、これに応答して時刻t4においてハイサイドドライバ側の同相信号H3がハイレベルとなり逆相信号H4がローレベルとなる。従って、これら同相信号H3と逆相信号H4を入力するコンパレータCM1はハイレベルを出力し、パワーMOSトランジスタ401がオン状態となる。一方のローサイドドライバ側では、逆相信号L3がローレベルになり、同相信号L4がハイレベルになる。従って、これら逆相信号L3と同相信号L4を入力するコンパレータCM2はローレベルを出力し、パワーMOSトランジスタ402はオフ状態となる。
【0039】
ここで、パワーMOSトランジスタ401がオン状態になると、そのソース電圧VSが出力信号OUTに伴って上昇し、これを基準として内部電源P12が発生する電圧VD1も上昇する。しかし、バイアス回路P11が発生する電圧VR1もソース電圧VSに追従して上昇し、同相信号H1と逆相信号H2の大小関係が維持されるので、コンパレータCM1が出力する出力信号の信号レベルはハイレベル(ソース電圧VSに対して電圧VD1分だけ高い電圧状態)を保つ。従って、出力信号OUTがハイレベルに遷移する過程において、パワーMOSトランジスタ401はオン状態を維持する。よって、時刻t3においてPWM信号がハイレベルになると、パワーMOSトランジスタ401がオン状態となり、パワーMOSトランジスタ402がオフ状態となって、出力信号OUTとして正電源VPP+に相当するハイレベルが出力される。
以上により、音楽信号VINに基づき変調されたパルス信号が電力増幅されて出力信号OUTとして出力される。
【0040】
次に、図4および図5を参照しながら、過電流から出力段のパワーMOSトランジスタを保護するための動作を説明する。
図4において、いま、パワーMOSトランジスタ401がオン状態にあり、例えば負荷ショートにより出力端子がグランドにショートされたとする。この場合、正電源VPP+から抵抗RS1および出力端子TOを介してグランドに過電流I401が流れ、抵抗RS1において電圧降下が発生し、この抵抗RS1の両端部に電圧が発生する。この電圧が駆動回路303H内の基準電源REFHの電圧を超えると、コンパレータCM11の出力信号がハイレベルとなり、この出力信号がラッチLA1にラッチされてNMOSトランジスタTN1のゲートに与えられる。これを受けてNMOSトランジスタTN1がオン状態となり、ドレイン電流ITN1(第1の信号)が発生する。
【0041】
ドレイン電流ITN1が発生すると、抵抗RR1を介してpnpバイポーラトランジスタTT1のベース電圧がローレベルに駆動され、このpnpバイポーラトランジスタTT1がオン状態となり、コレクタ電流ITT1が抵抗RR2,RR3を介して負電源VPP−に流れ込む。これによりnpnバイポーラトランジスタTT2のベース電圧が上昇し、このnpnバイポーラトランジスタTT2がオン状態となりコレクタ電流ITT2(第3の信号)が発生する。これまでの動作で、上述のドレイン電流ITN1が負電源VPP−を基準とした信号であるコレクタ電流ITT2に変換される。コレクタ電流ITT2が流れると、抵抗RR5を介してnpnバイポーラトランジスタTT3のエミッタ電圧が低下し、このnpnバイポーラトランジスタTT3がオン状態となって抵抗RR6を駆動する。この結果、検出信号DETがローレベルとなり、過電流が検知されたことを示す信号状態となる。このとき、検出信号DETの信号レベルはダイオードDD1によりグランド電位付近の適切な電位にクランプされて過剰に低下しない。
【0042】
上述の検出信号DETは、図2に示す論理積ゲート回路B11および論理和ゲート回路B21に与えられる。ここで、検出信号DETとしてローレベルを入力する論理積ゲート回路B11の出力信号はローレベルに固定され、同相信号H1および逆相信号H2がそれぞれローレベルおよびハイレベルとなる。これら信号を同相信号H3および逆相信号H4として入力するコンパレータCM1はバッファB14を介してローレベルをパワーMOSトランジスタ401のゲートに出力し、このパワーMOSトランジスタ401をオフ状態に制御する。
【0043】
一方、検出信号DETとしてローレベルを負論理入力部に入力する論理和ゲート回路B21の出力信号はハイレベルに固定され、同相信号L1および逆相信号L2がそれぞれローレベルおよびハイレベルとなる。これら信号を同相信号L3および逆相信号L4として入力するコンパレータCM2はバッファB24を介してローレベルをパワーMOSトランジスタ402のゲートに出力し、このパワーMOSトランジスタ402をオフ状態に制御する。つまるところ、前述の論理積ゲート回路B11および論理和ゲート回路B21は、検出信号DETに応答してパルス信号を阻止するゲート回路として機能する。
このようにして、パワーMOSトランジスタ401の過電流I401が検出されて検出信号DETがローレベルになると、パワーMOSトランジスタ401,402が共にオフ状態に制御される。
【0044】
続いて、図4において、パワーMOSトランジスタ402に過電流I402が発生した場合を説明する。この場合、抵抗RS2の両端部に電圧が発生し、この電圧が駆動回路303Lに設けられた基準電源REFLを超えると、コンパレータCM21の出力信号がハイレベルになる。この出力信号はラッチLA2にラッチされてNMOSトランジスタTN2のゲートに与えられ、このNMOSトランジスタTN2をオン状態とし、ドレイン電流ITN2(第2の信号)が発生する。この結果、抵抗RR4を介してnpnバイポーラトランジスタTT3のエミッタがローレベルに駆動され、このnpnバイポーラトランジスタTT3がオン状態となる。従って、この場合も同様に検出信号DETがローレベルとなり、パワーMOSトランジスタ401,402が共にオフ状態に制御される。
【0045】
以上のように、パワーMOSトランジスタ401,402の何れか一方または双方の過電流が検出された場合にはパワーMOSトランジスタ401,402が共にオフ状態に制御され、これらパワーMOSトランジスタが過電流から保護される。従って、この実施の形態によれば、D級増幅器DAMPがミュート状態となり、一方の出力用のトランジスタのみが動作することによるシステム上の不都合を回避することが可能になる。また、この実施の形態によれば、ハイサイドドライバの内部電源系が出力端子TOの電位に追従して変化していても、ハイサイドドライバ内の駆動回路303Hで検出された信号(ドレイン電流ITN1)を確実に取り出すことが可能になり、システムを制御するCPU等にエラー信号として供給することが可能になり、例えば過電流が発生した場合にシステム全体の動作を停止させることも可能になる。
【0046】
以上、この発明の一実施形態を説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば上述の実施の形態1では、駆動回路303Hから出力されるドレイン電流ITN1を、負電源VPP−を基準としたコレクタ電流ITT2に信号変換するものとしたが、駆動回路303Lの内部電源系を出力端子の電圧に追従するものとした場合、駆動回路303Lから出力されるドレイン電流ITN2を、正電源VPP+を基準とする信号に信号変換し、これをドレイン電流ITN1と加算することにより検出信号DETを生成すればよい。
【0047】
【発明の効果】
この発明によれば、出力段を構成する高電源側の第1のトランジスタに流れる過電流を検出して第1の信号を出力し、前記出力段を構成する低電源側の第2のトランジスタに流れる過電流を検出して第2の信号を出力し、前記第1の信号を、前記低電源を基準とした第3の信号に変換し、前記第2の信号と前記第3の信号とを加算し、この加算信号に応答して前記第1および第2の駆動回路に入力されるべきパルス信号を阻止するゲート回路を備えたので、出力段を構成する一対のパワーMOSトランジスタのうち、一方に過電流が発生した場合であっても、双方のパワーMOSトランジスタをオフ状態に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態に係るD級増幅器の構成を示す図である。
【図2】 この実施形態に係る駆動制御回路の構成を示す回路図である。
【図3】 この実施形態に係るバイアス回路の構成を示す図である。
【図4】 この実施形態の特徴部を示す図であって過電流からパワーMOSトランジスタを保護するための構成を示す回路図である。
【図5】 この実施形態に係る特徴部の構成を抽出した回路図である。
【図6】 この実施形態に係るD級増幅器の動作を説明するための波形図である。
【図7】 過電流から出力段を保護するための構成を示す図である。
【符号の説明】
DAMP:D級増幅器、100:入力段、200:変調回路、300:駆動制御回路、301H,301L:相補信号生成回路、302H,302L:信号変換回路、303H,303L:駆動回路、401,402:パワーMOSトランジスタ、B11:論理積ゲート回路、B21:論理和ゲート回路、B12,B13,B14,B22,B23,B24:バッファ、CM1,CM11,CM2,CM21:コンパレータ、DD1:ダイオード、LA1,LA2:ラッチ、OR:加算回路、OP:オペアンプ、P12,P22:内部電源、R11,R12,R13,R14,R21,R22,R23,R24,RN1,RN2,RR1,RR2,RR3,RR4,RR5,RR6,RS1,RS2:抵抗、REFH,REFL:基準電源、P11,P21:バイアス回路、SHF:信号変換回路、TN1,TN2:NMOSトランジスタ、TT1:pnpバイポーラトランジスタ、TT2,TT3:npnバイポーラトランジスタ。

Claims (3)

  1. 少なくとも、標準電源の第1の電源で作動する変調回路と、高電源の第2の電源に対応する信号レベルを出力端子に出力する第1の出力用トランジスタを駆動するための第1の駆動回路と、低電源の第3の電源に対応する信号レベルを前記出力端子に出力する第2の出力用トランジスタを駆動するための第2の駆動回路とを有し、入力端子を介して入力された信号を前記変調回路によりパルス信号に変調し、該パルス信号を前記第1および第2の駆動回路に与えて前記第1および第2の出力用トランジスタを相補的に駆動するように構成されたD級増幅器において、
    前記第1の駆動回路に設けられ、前記第1のトランジスタに流れる過電流を検出して第1の信号を出力する第1の検出回路と、
    前記第2の駆動回路に設けられ、前記第2のトランジスタに流れる過電流を検出して電流信号である第2の信号を出力する第2の検出回路と、
    前記第1の信号を、前記低電源を基準とした電流信号である第3の信号に変換する信号変換回路と、
    前記第2の信号と前記第3の信号とを加算する加算回路と、
    前記加算回路の出力信号を電圧信号とする負荷回路と、
    前記電圧信号に応答して前記第1および第2の駆動回路に入力されるべき前記パルス信号を阻止するゲート回路と、
    を備えたことを特徴とするD級増幅器。
  2. 前記第1の駆動回路が、前記出力端子の電位を基準とした第1の内部電源で作動して前記第1の出力用トランジスタを駆動し、
    前記第2の駆動回路が、前記低電源を基準とした第2の内部電源で作動して前記第2の出力用トランジスタを駆動することを特徴とする請求項1に記載されたD級増幅器。
  3. 前記信号変換回路が、
    電流経路の一端側が前記第1の駆動回路の電源に接続され、前記第1の信号に応答して導通する第1のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタの電流経路の他端と前記低電源との間に接続された負荷素子と、
    電流経路が前記第低電源と前記加算回路の入力部との間に接続され、前記第1のトランジスタと前記負荷素子との間に現れる信号に応答して導通する第2のトランジスタと、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載されたD級増幅器。
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