JP2003262765A - 光通信モジュール、光ファイバ、および光ファイバと光通信モジュールとの光学的結合構造 - Google Patents
光通信モジュール、光ファイバ、および光ファイバと光通信モジュールとの光学的結合構造Info
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Abstract
の光学的結合構造において、受信光の受信効率を向上さ
せる。 【解決手段】 光ファイバ2において、光が伝搬するコ
ア部28の端部の少なくとも一方は、コア部28の他の部分
よりも拡大した拡大部29を有している。光通信モジュー
ル1は、送信光21を発生させる発光素子4と、送信光21
を光ファイバ2の端部に結合させる送信レンズ6とを備
える。発光素子4および送信レンズ6は、光ファイバ2
の端部に送信光21が結合する領域の少なくとも一部が拡
大部29に含まれるように配置される。
Description
光ファイバを伝送媒体として光信号を双方向に送受信で
きる光通信モジュールと、該光ファイバと、光通信リン
クに用いることができるように一芯光ファイバおよび双
方向光通信モジュールが光学的に結合した構造(以下、
光学的結合構造と表記する。)とに関するものである。
している。光通信リンク3は、送信すべきデータ信号に
基づき変調された変調光を伝送するための光ファイバ2
と、光ファイバ2の両端に光学的に結合するように、そ
れぞれ接続された光通信モジュール1・1とを備えてい
る。
つかの種類に分別できる。大きく分けると、光ファイ
バ2が単数(一芯)である場合と複数である場合、信
号を双方向に通信する場合と片方向に通信する場合、
信号を同時に(全二重)通信する場合と半二重で通信する
場合等があり、例えば一芯全二重通信方式のように、こ
れらを組み合わせた方式により光通信が行われている。
(公開日:昭和61年(1986)4月3日)や特開平
8−234060号公報(公開日:平成8年(199
6)9月13日)には、光ファイバの端面を拡大するこ
とにより送信光と光ファイバとの結合効率(送信効率)
を改善する方法が開示されている。
ことにより、石英光ファイバのようにコア径が小さい光
ファイバでも送信光を容易に高効率で結合させることが
可能となり、位置ずれに対するトレランス特性を改善す
ることができる。
は、光ファイバと発光素子との結合方法の改善のみであ
り、受信効率の改善方法や、一芯全二重方式に対応させ
る構造、特に、高効率で送受信光の分離を行い、かつ、
送受信光の混信を防止する方法については開示されてい
ない。
重通信方式では、光通信モジュールの小型化が困難であ
ることや、伝送距離が長くなるに伴い光ファイバのコス
トが高くなるという問題があった。このため、一芯の光
ファイバを用いて、同一波長の光で同時に送受信できる
一芯全二重方式の光通信モジュールが提案されている。
下、POFと表記する。)の低損失化および広帯域化に
伴い、家庭内通信や電子機器間通信への応用が進んでい
る。POFは、コア径が約1mmと大口径であるため、
光通信モジュールとの結合が容易である。このため、P
OFを用いることにより、POFと光通信モジュールと
を簡易に抜き差しすることができ、ユーザーフレンドリ
ーな光通信リンクを得ることができる。
光源で全二重通信を行なう光通信モジュールにおいて
は、送信光と受信光との混信を防止することが重要とな
る。受信光に送信光が混信する原因としては、以下のよ
うなものがある。
ァイバ端面で反射する場合(以下、近端反射と表記す
る。) 光通信モジュール内での内部散乱光等によるもの(以
下、内乱光と表記する。) 通信相手の光通信モジュールで反射する場合(以下、
相手モジュール反射と表記する。) 光ファイバを伝播した送信光が光ファイバより出射す
る時に光ファイバ端面で反射する場合(以下、遠端反射
と表記する。) また、その他に電気的な混信も問題となる。
リンクにおいては、高いSN比(Signal to Noise Rati
o)を得るために、光ファイバから出射される受信光を高
効率で受光素子に結合させることが重要となる。
信モジュールとしては、例えば、特開平10−1537
20号公報(公開日:平成10年(1998)6月9
日)に開示されているように、偏光分離素子を用いて送
受信光を分離する方法が挙げられる。
光は伝播途中で偏光方向がランダムとなっているのに対
し、光ファイバ端面で反射された送信光(近端反射)は
偏光方向が同一である。このため、この偏光を有する光
のみを反射する偏光分離素子を光ファイバと受光素子と
の間に配置することにより近端反射による混信を防止す
ることができる。
偏光分離素子により反射されるため、約3dBの受信損
失が生じてしまい、受信光を効率的に利用することがで
きない。また、偏光した光を送信光として利用するた
め、発光素子として安価な発光ダイオード(LED)を
使用することが困難である。
(公開日:平成11年(1999)1月29日)や特開
平11−352364号公報(公開日:平成11年(1
999)12月24日)には、送信光を光ファイバの中
心からずれた位置に入射させ、光ファイバのその他の領
域から出射される受信光を受光する方法が開示されてい
る。この方法について、図12および図13を用いて説
明する。
1は、送信レンズ106で集光され、立上げミラー10
7で反射されて、光ファイバ102の端面108におい
て光軸中心からずれた位置に入射される。一方、光ファ
イバ102の端面108から出射された受信光122は
受光素子105に結合する。
での送信光121の結合位置と受信領域との関係を示し
ている。送信光121を光ファイバ102の中心からず
れた位置に入射する方法では、一芯の光ファイバ102
の端面を送信光121が入射する送信領域と、受信領域
とに空間的に分離することで一芯全二重通信を実現して
いる。
大きくすることにより、偏光分離素子を用いた方法で生
じる約3dBの損失よりも少ない損失で送受信光の分離
を行なうことができ、これにより、受信効率を向上させ
ることができる。
121を光ファイバ102に結合させるためには、当然
ながら、光ファイバ102の端面のコア径内に送信光1
21を入射させる必要があり、また、光ファイバ102
自身の軸ずれによる公差や光通信モジュールの組立て公
差を考慮すると、光ファイバ102の外周部からこれら
の公差分のマージンを持たせた位置に送信光121を入
射させる必要がある。
とが困難であるから、受信効率を十分に向上させること
が困難であるという問題があった。更に、通信速度が速
くなると通信帯域が広がり、受信回路の帯域増加により
電気的ノイズが増加するから、SN比を維持するために
は、より高い受信効率が要求されるようになっている。
もので、その目的は、高い受信効率を得ることができる
一芯光ファイバと双方向光通信モジュールとの光学的結
合構造を提供することにある。
め、本発明に係る光通信モジュールは、一芯の光ファイ
バを伝送媒体として双方向に光通信を行なう光通信モジ
ュールであって、前記光ファイバから出射された受信光
を受光する受光素子と、前記受信光を前記受光素子に結
合させる受信光学系とを備える光通信モジュールにおい
て、光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一方がコア
部の他の部分よりも拡大した拡大部を有する光ファイバ
に対して、該拡大部を有する前記端部から出射された受
信光を前記受光素子が受光するように、前記受信光学系
を配置することを特徴としている。
は、拡大部を有することにより、受信光を出射する領域
が拡大される。これにともない、端部の単位面積当たり
から出射される受信光の強度が低下する。
も、前記端部において送信光が結合する領域である送信
光結合領域の大きさを変える必要はない。
ら出射される受信光の強度が低下するので、該領域から
出射される受信光を受光素子が受光しないことによる受
信効率の低下を抑えることができ、すなわち、受信効率
を向上させることができる。
も受光することにより、従来よりも受信効率が向上しさ
えすれば、前記端部において、前記送信光が結合する領
域以外の領域から出射された受信光の一部のみを受光素
子に結合してもよい。
一芯の光ファイバを伝送媒体として双方向に光通信を行
なう光通信モジュールであって、送信光を発生させる発
光素子と、前記送信光を前記光ファイバに結合させる送
信光学系とを備える光通信モジュールにおいて、光が伝
搬するコア部の端部の少なくとも一方がコア部の他の部
分よりも拡大した拡大部を有する光ファイバに対して、
前記送信光が前記拡大部を有する前記端部に結合する領
域の少なくとも一部が前記拡大部に含まれるように前記
発光素子および前記送信光学系を配置することを特徴と
している。
は、拡大部を有することにより、送信光を結合すること
が可能な領域が拡大される。これにより、前記送信光結
合領域を従来よりも外側に移動させることができる。
ア部から出射される受信光よりも強度が著しく低い。し
たがって、前記送信光結合領域の少なくとも一部が前記
拡大部に含まれる場合には、前記送信光結合領域から出
射される受信光の強度が著しく低下する。これにより、
前記送信光結合領域から出射される受信光を受光素子が
受光しないことによる受信効率の低下を大幅に抑えるこ
とができ、すなわち、受信効率を大幅に向上させること
ができる。
は、上記の構成において、前記送信光を前記光ファイバ
の端部に、その伝搬方向を内側に傾斜させて結合させる
ように、前記発光素子および前記送信光学系を配置する
ことを特徴としている。
ファイバの端部に、前記光ファイバの光軸に平行に結合
させる場合に比べて、前記発光素子および前記送信光学
系を前記光軸から離れた位置に配備することができる。
これにより、前記受光素子および前記受信光学系を配置
する自由度が向上する。
を行なうための伝送媒体である光ファイバにおいて、光
が伝搬するコア部の端部の少なくとも一方は、コア部の
他の部分よりも拡大した拡大部を有しており、前記光フ
ァイバは、前記拡大部を有する端部から前記光ファイバ
の光軸方向内向きに進むに従って、徐々に狭くなるテー
パ部を有しており、該テーパ部は、前記光ファイバの光
軸と該テーパ部とのなす角度が、前記光ファイバの開口
数により規定される角度より大きくなるように形成され
ていることを特徴としている。
とのなす角度が、開口数によって規定される角度以下で
ある光が伝搬することになる。このため、上記の構成に
よると、前記端部の拡大部は、伝搬する光が出射するこ
とのない領域が存在することになる。これにより、前記
拡大部から出射される単位面積当たりの光量(光の強
度)が減少することになる。
合領域の少なくとも一部が前記拡大部に含まれる場合に
は、前記送信光結合領域から出射される受信光の強度が
確実に低下する。これにより、前記送信光結合領域から
出射される受信光を受光素子が受光しないことによる受
信効率の低下を確実に抑えることができ、すなわち、受
信効率を確実に向上させることができる。
を行なうための伝送媒体である光ファイバにおいて、光
が伝搬するコア部の端部の少なくとも一方は、コア部の
他の部分よりも拡大した拡大部を有しており、該拡大部
の端面は、凹部形状であることを特徴としている。
方向内向きかつ径方向内向きの方向に傾斜していること
になる。この場合、前記拡大部に前記送信光を入射する
と、屈折後の送信光の伝搬方向と光軸とのなす角度は、
前記拡大部が光軸に垂直な面である場合に比べて小さく
なる。
は、光の伝搬方向と光軸とのなす角度が、開口数によっ
て規定される角度以下であることが必要である。したが
って、本発明に係る光ファイバは、前記拡大部が光軸に
垂直な面である場合に比べて、端部と結合する前の送信
光の伝搬方向と前記光軸とのなす角度を大きくすること
ができる。その結果、光ファイバに送信光を入射するた
めの発光素子および送信光学系を、従来よりも径方向外
側に配置することができ、光通信を行なう光通信モジュ
ールの各構成要素を配置する自由度が向上する。
成において、前記拡大部を有する端部は、中央部が凸面
状であることを特徴としている。
れる受信光が集光されるから、受信光を受光素子に結合
させる受信光学系のサイズを小さくすることができる。
その結果、前記光通信モジュールにおいて、サイズを小
型化し、各構成要素を配置する自由度が向上する。
成において、前記拡大部を有する端部から前記光ファイ
バの光軸方向内向きに進むに従って、徐々に狭くなるテ
ーパ部をさらに有しており、該テーパ部は、前記光ファ
イバの光軸と該テーパ部とのなす角度が、前記光ファイ
バの開口数により規定される角度より大きくなるように
形成されていることを特徴としている。
端部の拡大部は、伝搬する光が出射することのない領域
が存在することになる。これにより、前記拡大部から出
射される受信光の単位面積当たりの光量が減少すること
になる。
大部に含まれる場合には、前記送信光結合領域から出射
される受信光の強度が確実に低下する。これにより、前
記送信光結合領域から出射される受信光を受光素子が受
光しないことによる受信効率の低下を確実に抑えること
ができ、すなわち、受信効率を確実に向上させることが
できる。
ジュールとの光学的結合構造は、一芯の光ファイバと、
該光ファイバを伝送媒体として双方向に光通信を行なう
光通信モジュールとの光学的結合構造において、前記光
ファイバは、光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一
方に、コア部の他の部分よりも拡大した拡大部を有して
おり、前記光通信モジュールは、前記光ファイバから出
射された受信光を受光する受光素子と、前記受信光を前
記受光素子に結合させる受信光学系とを備えており、前
記光ファイバにおける前記拡大部を有する前記端部から
出射された受信光を受光するように、前記受光素子およ
び前記受信光学系を配置することを特徴としている。
は、拡大部を有することにより、受信光を出射する領域
が拡大される。これにともない、端部の単位面積当たり
から出射される受信光の強度が低下する。
も、前記端部において送信光が結合する領域である送信
光結合領域の大きさを変える必要はない。
ら出射される受信光の強度が低下するので、該領域から
出射される受信光を受光素子が受光しないことによる受
信効率の低下を抑えることができ、すなわち、受信効率
を向上させることができる。
ジュールとの光学的結合構造は、一芯の光ファイバと、
該光ファイバを伝送媒体として双方向に光通信を行なう
光通信モジュールとの光学的結合構造において、前記光
ファイバは、光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一
方に、コア部の他の部分よりも拡大した拡大部を有して
おり、光通信モジュールは、送信光を発生させる発光素
子と、前記送信光を前記光ファイバの端部に結合させる
送信光学系とを備えており、前記光ファイバにおける前
記拡大部を有する前記端部に前記送信光が結合する領域
の少なくとも一部が前記拡大部に含まれるように前記発
光素子および前記送信光学系を配置することを特徴とし
ている。
は、拡大部を有することにより、送信光を結合すること
が可能な領域が拡大される。これにより、前記送信光結
合領域を従来よりも外側に移動させることができる。
ア部から出射される受信光よりも強度が著しく低い。し
たがって、前記送信光結合領域の少なくとも一部が前記
拡大部に含まれる場合には、前記送信光結合領域から出
射される受信光の強度が著しく低下する。これにより、
前記送信光結合領域から出射される受信光を受光素子が
受光しないことによる受信効率の低下を大幅に抑えるこ
とができ、すなわち、受信効率を大幅に向上させること
ができる。
モジュールとの光学的結合構造は、上記の構成におい
て、前記送信光の伝搬方向と前記光ファイバの光軸との
なす角度が、前記送信光が前記光ファイバに結合する前
よりも結合した後の方が小さくなるように、前記光ファ
イバの端部の形状と、前記送信光の前記光ファイバへの
入射角度とを設定していることを特徴としている。
る送信光の開口数を小さくすることができることから、
モード分散による帯域低減を少なくすることができる。
また、送信光学系を光ファイバの光軸から離れた位置に
配置することが可能となり、光学系を配置する自由度を
向上させることができる。
モジュールとの光学的結合構造は、上記の構成におい
て、前記送信光を前記光ファイバの端部に、その伝搬方
向を内側に傾斜させて結合させるように、前記発光素子
および前記送信光学系を配置することを特徴としてい
る。
ファイバの端部に、前記光ファイバの光軸に平行に結合
させる場合に比べて、前記発光素子および前記送信光学
系を前記光軸から離れた位置に配備することができる。
これにより、前記受光素子および前記受信光学系を配置
する自由度が向上し、受信効率の高い受信光学系を容易
に配置することができる。
モジュールとの光学的結合構造は、上記の構成におい
て、前記光ファイバは、前記拡大部を有する端部から前
記光ファイバの光軸方向内向きに進むに従って、徐々に
狭くなるテーパ部が形成されており、該テーパ部は、前
記光ファイバの光軸と該テーパ部とのなす角度が、前記
光ファイバの開口数により規定される角度より大きいこ
とを特徴としている。
端部の拡大部は、伝搬する光が出射することのない領域
が存在することになる。これにより、前記拡大部から出
射される受信光の単位面積当たりの光量が減少すること
になる。
大部に含まれる場合には、前記送信光結合領域から出射
される受信光の強度が確実に低下する。これにより、前
記送信光結合領域から出射される受信光を受光素子が受
光しないことによる受信効率の低下を確実に抑えること
ができ、すなわち、受信効率を確実に向上させることが
できる。
モジュールとの光学的結合構造は、上記の構成におい
て、前記光ファイバのコア径を2r、光ファイバの開口
数をNAとすると、前記テーパ部の長さLがL<r/N
Aを満足するように、前記テーパ部が形成されているこ
とを特徴としている。
の端面から広がって出射することを抑えることができ、
受信光の集光が容易となる。
モジュールとの光学的結合構造は、上記の構成におい
て、前記光ファイバにおいて前記拡大部を有する端部
は、周囲の前記拡大部が凹部形状であり、中央部が凸面
状であることを特徴としている。
させることで、送信光を光ファイバのより径方向外側か
ら結合させることができる。また、凸面部で光ファイバ
から出射される受信光が集光されるため、受信光学系の
設計が容易となり、受信効率を向上させることができ
る。
明する前に、まず、本発明のもとになる実験について説
明する。この実験では、光ファイバから出射された受信
光に関して、光ファイバ端面の近傍における強度分布
(NFP:Near Field Pattern)が、光ファイバの端面
形状により、どのように異なっているのかについて検討
を行なった。この内容について図2に基づいて説明す
る。
ファイバ2から出射される受信光のNFPは、図2(b)
に示すように、光ファイバ2の中心部が最大となり光フ
ァイバ2の外周部で最小となるが、外周部近傍(同図で
「送信光入射位置」と記載した箇所)でも比較的強い光
量が放射されている。
2の端面を拡大した場合における受信光のNFPは、図
2(b)に示すような拡大しない場合と比べて、光ファイ
バ2の中心部から出射される受信光の強度が最大となる
点は同様であるが、受信光の強度が全体的に小さくなっ
ていることと、光ファイバ2の外周部(拡大部29)か
ら出射される受信光の強度が著しく小さくなっているこ
ととが判明した。
光のNFPは、コア径、開口数等の光ファイバ2自体の
特性、拡大部29の形状等によって左右されるものであ
るが、その詳細については後述する。
大することにより、受信光のNFPが変化する現象を積
極的に利用すると共に、光通信モジュールの送信・受信
部の光学系、及び、光ファイバ2の端面形状を工夫する
ことにより、高い受信効率を得ることができる一芯光フ
ァイバと双方向光通信モジュールとの光学的結合構造を
発明するに至った。
方向光通信モジュールのように、光ファイバ2の端面が
拡大されていない場合では、送信光の入射領域から出射
される受信光は、図2(b)に示すNFPから分かるよう
に、光量の比較的強い領域となっているため、受信光の
損失が高くなっていた。
芯光ファイバと双方向光通信モジュールとの光学的結合
構造では、光ファイバ2の端面を拡大し、その拡大部2
9の近傍に送信光を入射させることを特徴としており、
これにより受信光の損失を低く抑えることが可能とな
る。以下、具体的な構造について説明する。
態について、図3に基づいて説明する。図3は、本実施
形態における光通信モジュールを示している。
く変調光である送信光21を生成する発光素子4と、光
ファイバ2からの受信光22を受光してデータ信号を生
成する受光素子5と、発光素子4から出射される送信光
21を集光して光ファイバ2に結合させる送信レンズ
(送信光学系)6と、光ファイバ2から出射される受信
光22を反射して受光素子5に結合させる反射ミラー
(受信光学系)7とを有している。
光学部材10に形成されている。また、発光素子4は、
SiC等の放熱特性に優れたサブマウント12上に配置
されている。これらの構成部材は、ステム13上に位置
合わせされて配置されている。なお、ステム13は、図
示しない回路に電気的に接続されている。
イバプラグ26に固着されており、光ファイバプラグ2
6を、光通信モジュール1の一部であるレセプタクル2
7の凹部に差し込むことにより、光ファイバ2と光通信
モジュール1とが光学的に結合される。また、光ファイ
バ2の端部は、コア部28より拡大された拡大部29を
有しており、拡大部29は、光ファイバ2の径が、端面
に近づくにつれて徐々に大きくなるテーパ部8を有して
いる。
は、発光素子4の放射角にしたがって放射状に発散し、
送信レンズ6で任意の開口数に変換されて集光され、光
学部材10を通過して、光ファイバ2に結合する。一
方、光ファイバ2から出射される受信光22の大半は、
反射ミラー7により受光素子5の配置方向に反射される
と共に、曲率を有する反射ミラー7により集光されて受
光素子5に結合する。
とを光ファイバ2の端面付近で空間的に分離する場合で
は、光ファイバ2から出射される受信光22のうち、送
信光21の入射位置から出射される受信光22は、受光
素子5に結合しないことになる。
1の入射位置を光ファイバ2のより外周部としているの
で、送信光21の入射位置から出射される受信光22が
少なくてすみ、これにより、受信光22を効率良く受光
素子5に結合することができる。したがって、送信光2
1を、光ファイバ2における端部の拡大部29に入射す
ることにより、受信領域が拡大された、受信効率の高い
光通信モジュール1を得ることができる。
に、光ファイバ2の光軸に対して傾斜したプリズム面1
1を有しており、これにより、送信光21を屈折させて
光ファイバ2に入射させている。また、光学部材10
は、受信光22が入射する面に反射ミラー7を有してい
る。反射ミラー7の一部である遮光部(混信防止部材)
9は、光ファイバ2に接触または近接させて配置されて
いる。
斜線で表しているが、実際には反射ミラー7の一部であ
り、反射ミラー7と区別されるものではない。また、反
射ミラー7としては、アルミニウム等の薄膜を蒸着法等
で形成したものが用いられる。
イバ2との光学的結合構造は、光ファイバ2の拡大部2
9に送信光21を結合させることにより、受光素子5が
受光する受信光22の受信領域を拡大することを特徴と
している。以下、この結合方法について説明する。
光21と受信光22とを分離する場合では、前述したよ
うに、送信光21が光ファイバ2の端面と結合する送信
領域を小さくすることにより、受信領域を拡大すること
ができ、利用できる受信光22を増加させることができ
るため、受信効率の高い光通信モジュール1を得ること
ができる。
きくなるように設定する。 B.受信光22の出射量が少ない領域に送信領域を設け
る。 C.光ファイバ2の端面形状と送信光21の光ファイバ
2への入射方法とを最適化する。 D.送信光21と受信光22との分離を、両者の混信を
防止し、かつ、低損失で行なう。
比を受信領域がより大きくなるように設定する」方法に
ついて図1に基づいて説明する。
ール1との光学的結合構造における、光ファイバ2の端
面での送信領域および受信領域を示しており、同図(a)
は本発明に係る光学的結合構造に関し、同図(b)は従来
の光学的結合構造に関するものである。ここで、光ファ
イバ2として、例えば、コア径1mmのPOFを用いる
場合を考える。
て精度や光ファイバ2の軸ずれ精度等を考慮すると、光
ファイバ2の周縁から内側へ、ある程度のマージンを持
たせた位置に入射される必要がある。例えば、送信光2
1の位置ずれ公差を±100μmとし、光ファイバ2の端
面における送信光21のスポット径を100μmとした場
合、送信光量の変動を少なくするには、送信光21の中
心は、図1(b)に示すように、外周部の頂点から下方へ
150μmの位置に設定される必要がある。
1(b)の下方100μm)を考慮すると、受信領域は、同
図(b)に示すように、外周部の頂点から下方へ300μm
の位置よりも下の領域となる。すなわち、送信領域と受
信領域との分割比は、径方向の長さの比で示すと3:7
となる。
拡大し、その他の条件を同一とした場合の受信領域につ
いて、図1(a)に基づいて説明する。光ファイバ2の拡
大された端面の径を1.4mmとし、送信光21の入射位
置を同図(b)と同様に外周部の頂点から下方へ150μm
の位置とした場合、受信領域は、外周部の頂点から下方
へ300μmの位置よりも下の領域となる。すなわち、送
信領域と受信領域との分割比は、径方向の長さの比で示
すと3:11となる。
イバ2の端部を拡大した本発明の場合の方が、拡大しな
い従来の場合よりも、光ファイバ2の端部の領域におけ
る受信領域の比率を大きく設定することが可能となり、
光ファイバ2から出射される受信光22をより効率的に
利用することが可能となる。
において、送信光21が結合する位置の左右の領域も受
信領域としても良い。この場合、光ファイバ2から出射
される受信光22の内、利用できる光量、すなわち集光
ミラー7に照射される光量がさらに増加して、受光素子
5に結合できる受信光22がさらに増加するので、受信
効率をさらに向上させることができる。また、同時に光
ファイバ2や光通信モジュール1の位置ずれが生じた場
合でも、送信効率や受信効率の変動量を従来よりも低減
させることができるという効果もある。
領域に送信領域を設ける」方法について説明する。図2
(a)で示したように、光ファイバ2の端面を拡大した場
合、その拡大部29から出射される受信光22の強度は
相対的に小さくなる。この受信光22の強度が小さい領
域、すなわち、光ファイバ2の端部の拡大部29に送信
光21を入射させることにより、受信光22の損失をよ
り低減することが可能となる。
位置は、位置公差を考慮して設定される。したがって、
例えば、上記の例と同様にコア径1mmのPOFを用
い、送信光21の中心部の入射位置を、位置公差を考慮
して外周部から150μm内側の位置とする場合、光ファ
イバ2の端部の拡大部29に送信光21を入射させるた
めに、拡大部29の幅が150μm以上であることが好ま
しい。すなわち、図1(a)のように光ファイバ2の端面
を中心対称に拡大する場合、端面の径を1.3mm以上
とすることが好ましい。
信光21の光ファイバ2への入射方法とを最適化する」
方法について説明する。光ファイバ2の端面は、図4に
示すように、テーパ状に、すなわち端面に近づくにつれ
て徐々にその径が広くなるように形成することが好まし
い。テーパ形状とすることにより、テーパ部8での受信
光22の伝搬損失が減少するとともに、送信光21を光
ファイバ2内にスムーズに導くことができる。
のなす角度θは、光ファイバ2の開口数NAで決定され
る角度より大きくすることが好ましい。ここで、光ファ
イバ2の開口数NAは、光ファイバ2がPOFの場合、
日本工業規格JIS C6822に準拠するものとす
る。
線(受信光22)の最大角度は略Sin-1(NA)で表
される。よって、光ファイバ2のコア部28の屈折率を
npとすると、光ファイバ2を伝搬する光線の光軸に対
する最大角度αmaxは、αmax=Sin-1(NA/np)
で表される。
ることにより、光ファイバ2の拡大部29から出射され
る光線量が減少するため、拡大部29における受信光2
2の光量を確実に低減することが可能となると共に、テ
ーパ部8での受信光22の損失を低減することができ
る。
せることにより、光ファイバ2の端部における受信領域
の比率を増加させることができるから、受信光22の損
失を低減することが可能となる。例えば、開口数NAが
0.3であり、コアの屈折率npが1.5である光ファイ
バ2を用いる場合、テーパ部8の角度θは11.6°以
上であることが好ましい。
の光軸に平行にして、拡大部29に結合させると、送信
光21のうち、テーパ部8や光ファイバプラグ26の内
壁に照射されて、光ファイバ2のコア部28に結合しな
い光線が生じる。従って、送信光21は、光ファイバ2
の外周方向から中心方向に傾斜させて結合させることが
望ましい。
外周方向から入射することにより、送信光学系(送信レ
ンズ6)をより外側に配置することができ、これによ
り、受信光学系(反射ミラー7)の配置の自由度が増加
し、受信効率の高い受信光学系を設定することが容易と
なる。当然のことながら、送信光21の光ファイバ2へ
の入射角度は、光ファイバ2の開口数NAで規定される
角度より小さく設定されることが好ましい。
端面を拡大する前の、光ファイバ2のコアを表してお
り、拡大部29は、コア部28を拡大した部分であり、
コアの一部である。したがって、コア部28と拡大部2
9との屈折率は同等となっている。コア部28の拡大方
法としては、切削や研磨による方法や溶融による方法等
がある。特にPOFでは、端面を任意の形状のホットプ
レートに押し当てることで、容易に任意の形状に加工す
ることができる。
る。テーパ角度θが同一の場合、テーパ長さLが長くな
るにしたがい、光ファイバ2の端面の径2Rが大きくな
る(R=r+L・Tan(θ))。光ファイバ2の端面の
径が大きくなると、光ファイバ2から出射される光の出
射面積が大きくなる。このため、光ファイバ2の中心部
から出射される受信光22の光量が低下するとともに、
効率良く集光できる小型の受信光学系を設計することが
困難となり、受信光学系による集光効率が悪化する。
ためには、光ファイバ2のコア径2rに対する、テーパ
長さLを以下のように規定すれば良い。光ファイバ2の
中心でテーパ長さが零の位置(A点)から放射される光
は、テーパ長さLの位置(光ファイバ2の端面)では、
光ファイバ2の中心から外側に略L・NAの位置(B
点)に到達している。B点が光ファイバ2のコア半径r
内にあるようにテーパ長さLを設定することにより、光
ファイバ2から放射される受信光22の広がりを低減す
ることができる。すなわち、L<r/NAとなるように
テーパ長さLを設定することが好ましい。例えば、光フ
ァイバ2としてコア径1mmでNA0.3のPOFを使
用した場合、テーパ長さLは1.67mm以下に設定す
ることが好ましい。
明する。光ファイバ2の端面は、前述してきたように平
端面である必要はなく、図5(a)に示すような球端面
や、同図(b)に示すような傾斜端面としても良く、ある
いは、これらを組み合わせた形状としても良い。光ファ
イバ2の端面形状を変化させることにより、光ファイバ
2の遠端反射を低減することができる(なお、遠端反射
の低減については後述する。)、送信光21や受信光2
2を屈折させることで送信効率や受信効率を高くするこ
とができる等の効果がある。
バ2の端面が球面形状である場合、光ファイバ2から出
射される受信光22は、球面形状の端面により光ファイ
バ2の中心方向に屈折されるため、受信光学系による受
光素子5への集光が容易となる。
2の端面が傾斜形状である場合、受信光22は傾斜形状
の端面により光ファイバ2の外側方向(図5の下方向)
に屈折される。このため、受信光学系をこの屈折方向
(図5の下側)に配置し、その反対側に送信光学系を配
置することで、送受信の分離が容易となると共に、各光
学系の配置の自由度が増加する。
2の端面の中心部を凸面の球面形状に、外周部を凹面の
球面形状に形成しても良い。このような形状とすること
により、光ファイバ2の中心部から出射される受信光2
2を凸面で屈折させて集光させることができるので、受
信効率を向上させることができると共に、外周部の凹面
で送信光21を屈折させることにより、送信光21をよ
り外側から入射させることが可能となる。
口数NAにより規定される角度よりも大きい角度で光フ
ァイバ2に入射させても、凹面部で屈折するため光ファ
イバ2への結合角度を光ファイバ2の開口数NA以下と
することが可能となる。従って、送信光21をより外側
から入射できるので、受信光学系の配置の自由度が増加
し、受信効率の向上が容易となる。
のなす角度が、光ファイバ2への入射前より、入射後の
ほうが小さくなるように、送信光21が結合する位置の
光ファイバ2の端面形状と送信光21の光ファイバ2へ
の入射角度とを選択することが好ましい。すなわち、送
信光21を光ファイバ2の外側から中心方向に傾斜させ
て入射させる場合は、光ファイバ2の端面は凹面形状、
反対に中心方向から外周方向に傾斜させて入射させる場
合は凸面形状とすることになる。
1の光ファイバ2への結合効率を向上させることができ
ると共に、結合時のNA(励振NA)を小さくすること
が可能となる。励振NAを小さくすることにより、光フ
ァイバ2伝搬時の伝搬損失を少なくすることができると
共にモード分散を少なくすることができるため、伝送帯
域を高くすることができる。
分離を、両者の混信を防止し、かつ、低損失で行なう」
方法について説明する。本実施形態では、図3に示すよ
うに、反射ミラー7に対して、受光素子5の配置側とは
反対側(同図の上側)に送信光21を通過させることに
より、一芯双方向通信への対応を可能にしている。
の反射ミラー7により送信光21と受信光22との分離
を行なっているため、分離部の損失を実質的に零とする
ことができる。また、反射ミラー7のごく近傍に送信光
21を通過させることが可能となるので、送信領域と受
信領域との境界をほとんど零とすることができ、受信領
域をより拡大することが可能となる。
を光ファイバ2の外周方向から屈折させて入射させてい
るため、より受信領域を拡大することができ、高い受信
効率を得ることが可能となる。
は、前述したように以下の4つの原因がある。 近端反射による混信 内乱光による混信 相手モジュール反射による混信 遠端反射による混信 また、これらに加え、電気的混信も問題となる。
法について、図6に基づいて説明する。送信光21は光
学部材10のプリズム面11で屈折され、光ファイバ2
の外周部より光ファイバ2に入射する。その反射光(近
端反射光17)は、光ファイバ2の光軸に向かって反射
される。
射ミラー7の先端に設けられ、プリズム面11の先端と
接続する遮光部9が、光ファイバ2に接触もしくは、数
十〜数百μm離れた位置に設置されているため、近端反
射光17は、遮光部9により、反射ミラー7に対して受
光素子5の配置側とは反対側に反射される。すなわち、
近端反射光17が受光素子5に入射することを、遮光部
9により防止(遮光)することができる。
について、図6に基づいて説明する。発光素子4から放
射された送信光21の一部は、送信レンズ6に入射せず
に迷光18となって、光通信モジュール1内を散乱す
る。
5の配置側と発光素子4の配置側とを光学的に分離して
いることから、迷光18が受光素子5に結合することを
防止できる。更に、発光素子4の組立て誤差により、発
光素子4の位置ずれが生じた場合でも、予期しない迷光
18が受光素子5に入射することが防止されるため、発
光素子4の組立て公差を大きくすることができ、組立て
コストを低減することができる。
信モジュール1内を散乱するが、同様の理由により受光
素子5に結合することを防止できる。すなわち、反射ミ
ラー7は、受信光22を反射・集光して受光素子5に結
合させると共に、近端反射光17や迷光18を受光素子
5から光学的に分離する混信防止部材としての働きを有
している。
光学的に分離されていることから、迷光18の影響を気
にすることなく、受光素子5の配置を決定することがで
き、光通信モジュール1の設計自由度が増し、組立て調
整が容易な配置にすることができるという効果も奏す
る。
信」の防止方法について、図7に基づいて説明する。本
実施形態で示した光通信モジュール1において相手モジ
ュール反射が生じる要因としては、主に受光素子5の表
面で反射した受信部反射光19が再び光ファイバ2に結
合する場合と、光ファイバ2から出射される受信光22
の一部が、光学部材10に照射される面(主に、プリズ
ム面11)で反射したプリズム反射光20が再び光ファ
イバ2に結合する場合との2つがある。
化シリコン等の薄膜により反射防止コート(ARコー
ト)を施すことで受信光22の反射を防止し、受光効率
を向上させている。この反射防止コートにより受信部反
射光19を低減することが可能である。しかしながら、
受光素子5からの反射を完全に防止することは困難であ
り、また、受信光22の入射角度によって反射率が高く
なる場合がある。
する経路としては、図7に示すように、再び集光ミラー
7で反射されて光ファイバ2方向に戻る場合が大半であ
る。したがって、例えば受光素子5を傾斜させる等のよ
うな受光素子5の配置や集光ミラー7の形状等により受
信部反射光19が光ファイバ2に戻らない配置に設定す
ることが好ましい。
面11の傾斜角度を最適化することにより、プリズム反
射光20が光ファイバ2に入射しても、結合しないよう
にすることができる。すなわち、プリズム反射光20が
光ファイバ2の開口数NAより大きな角度で光ファイバ
2に入射するようにすればよい。そのためには、プリズ
ム面11の傾斜角度βを光ファイバ2のNA程度以上に
設定すればよい。
大きくした場合、光ファイバ2への送信光21の入射角
度も大きくなることから、送信光21の結合効率が低化
したり、高次のモードのみが励振したりする場合があ
る。このため、両者のトレードオフを考慮してプリズム
面11の傾斜角度βを設定する必要がある。
大部29の形状によっても、光ファイバ2に入射された
送信光21の光ファイバ2の光軸に対する角度が変化す
るため、この影響も合わせて考慮してプリズム面11の
傾斜角度βが決定される。また、受信光22が照射され
る光学部材10の面(主にプリズム面11)に反射防止
コートを施すことにより、反射率を低減させても良い。
法について説明する。図3で示したように、光ファイバ
2の端面が光軸に対して垂直となっている場合、光ファ
イバ2と空気との屈折率差により、出射光量に対して約
4%の遠端反射が生じる。この遠端反射は、光ファイバ
2の端面形状を工夫することで低減することが可能であ
る。
ても良い。これらの形状とすることで、光ファイバ2の
端面での遠端反射の方向を変え、光ファイバ2の開口数
以上の角度にすることで、遠端反射が光ファイバ2中を
伝搬しないようにすることができる。
数NAが0.3であるPOFに関して、図5(a)の形状
(曲率1.5mm)とした場合には、遠端反射が0.7%
に、図5(b)の形状(傾斜角度10°)とした場合に
は、遠端反射が0.4%にそれぞれ低減された。
〜(c)に示すような形状である場合には、前述したよう
に送信光21の入射条件等を最適化することにより、受
信領域の拡大や、受信光学系を配置する自由度が増す等
の効果が同時に得られる。
て説明する。図2において、ステム13は受光素子5の
グランド電極と接続している。また、サブマウント12
はSiC等の絶縁体で形成されており、これにより、発
光素子4と受光素子5とが電気的に分離されている。
の電極16と導通しており、電極16を介してステム1
3と電気的に接続されている。すなわち、発光素子4か
ら見た場合、受光素子5は反射ミラー7およびステム1
3により電気的にシールドされており、これにより、電
気的混信を抑制している。
等のような反射率が高くかつ導電性を有する材料を、図
2に示す光学部材10の下側から蒸着することにより形
成される。この時同時に、電極16が形成される。反射
ミラー7および電極16は、光学部材10の下部側の全
面に形成されるため、マスク等によるパターニングを行
なうことなく簡単に形成されることができる。
イオード14は送信部カバー15により覆われている。
送信部カバー15は光学部材10とステム13とに接着
されており、発光素子4を外気から遮断している。送信
部カバー15は、ステム13と電気的にも接続されてお
り、発光素子4を外部から電気的に遮蔽する役割も有し
ている。
スのような、発光素子4の封止部材の一部として使用し
ているため、部品点数の削減につながり、部品コストを
低減できると共に、製造行程も簡略化することができ
る。
構成部材について説明する。光ファイバ2としては、例
えばPOF等のマルチモード光ファイバを用いることが
好ましい。POFはコアがPMMA(polymethyl methac
rylate)やポリカーボネート等の光透過性に優れたプラ
スチックからなり、クラッドは上記のコアより屈折率の
低いプラスチックで構成されている。
ァイバに比べて、そのコアの径を約200μmから約1m
mに大きくすることが容易であることから、光通信モジ
ュール1との結合調整が容易であり、安価な双方向光通
信リンク3を得ることができる。
信光22とを空間的に分離する場合では、光学系の配置
スペースを考慮すると、コア径が0.5mm以上のもの
を使用することが好ましい。また、POFではクラッド
が比較的薄く、約20μm程度である。
ドがポリマーで構成されたPCF(plastic clad fibe
r)を用いても良い。PCFは、POFに比べて、価格
が高いが、伝送損失が小さく、伝送帯域が広いという特
徴がある。このため、PCFを伝送媒体とすることによ
り、長距離での通信やより高速での通信を行なうことが
できる双方向光通信リンク3を得ることができる。な
お、石英製の光ファイバを使用しても良いことは言うま
でもない。
率が同一であるSI(Step Index)型と、中心部の屈折
率が高く、その周辺部に向かうにつれて屈折率が徐々に
低くなるGI(Gradient Index)型とに大別される。本
実施形態の場合、GI型の光ファイバ2では、光ファイ
バ2の外周部(拡大部29)での送信光21の結合効率
が悪くなり、これにより、送信光21の入射角度の設定
範囲がより小さくなることから、SI型の光ファイバ2
を使用することが好ましい。
図5(b)で示したように中心対称でない形状では、光通
信モジュール1への挿入方向が限定されることから、中
心対称な形状であることが好ましい。
光ダイオード(LED)が用いられる。発光素子4は、
使用する光ファイバ2の伝送損失が少ない波長の光を照
射し、かつ安価であることが好ましい。例えば、光ファ
イバ2としてPOFを用いる場合、DVD等で量産効果
のある、波長650nm(ナノメートル)の半導体レーザ
等を用いることができる。また、発光素子4の後部に
は、モニター用フォトダイオード14が配置されてお
り、発光素子4の光量を一定に保つようにしている。
気信号に変換するものである。受光素子5としては、発
光素子4の波長域で感度の高いフォトダイオードが使用
され、例えば、シリコンを材料とするPINフォトダイ
オードや、アバランシェフォトダイオード等が用いられ
る。
ート等のプラスチックを材料とし、出射成形等により作
製される。そして、反射ミラー7の反射面となる側にア
ルミニウムや金等のような反射率の高い金属薄膜が蒸着
法等により形成されている。反射ミラー7は光学部材1
0の下側から蒸着することにより、マスク等によるパタ
ーニングを行なうことなしに簡単に形成することができ
る。
接触する下面には、電極16が形成されている。電極1
6は、反射ミラー7と同時に蒸着法等により形成され、
少なくともその一部が反射ミラー7に繋がることによ
り、反射ミラー7と導通する。
面の一部を切り出した形状とすることができる。光学部
材10には、送信光21を集光して光ファイバ2に結合
させる送信レンズ6、送信光21を屈折させて光ファイ
バ2に入射させるプリズム面11、並びに、図示してい
ないが、発光素子5および受光素子4との位置合わせに
使用する位置決め部が形成されている。
機能を持たせることにより、構成部材の数を大幅に低減
できると共に、組立て時の公差を低減できるため、低コ
ストかつ小型の光通信モジュール1を得ることが可能と
なる。更には、一つのステム13上に発光素子4、受光
素子5および光学部材10を、光ファイバ2の光軸と平
行に並べて配置することができるので、複雑な組立て工
程が必要なくなり、工程数を低減することが可能とな
る。
を測定した結果について説明する。光ファイバ2として
は、コア径が980μm、クラッドの厚さが10μm、端
面形状が図5(b)に示した球端面(曲率1.5mm)、
テーパ角度θが16°、かつテーパ長さLが0.7mm
であるPOFを使用した。集光ミラー7としては、曲率
2.3mmの球面の一部であり、かつミラーの反射率が
89%であるものを使用した。受光素子5としては、受
光径0.35mmのPINフォトダイオードを使用し
た。また、送信領域と受信領域との分離比は、径方向の
長さの比で3:11とした。
グ26を光ファイバレセプタクル27に挿入して、光フ
ァイバ2から出射される全光量に対する受光素子5への
結合効率(受信効率)を測定したところ、−3.5dB
(デシベル)であった。一方、拡大部29を有さないP
OFを用い、送信領域と受信領域との分離比を、径方向
の長さの比で3:7とし、かつ他の条件を上記の条件と
同様にして受信効率を測定したところ、−5.5dBで
あった。すなわち、本実施形態の方が従来よりも受信効
率が2dB改善されたことが理解できる。
信光学系の設定や配置、使用する光ファイバ2や受光素
子5などによっても変化するが、上述のように、光ファ
イバ2の端面を拡大することで、受信領域が拡大され、
これにより受信効率を向上させることができる。
ーザダイオードを使用した送信光21が、光ファイバ2
に結合することを確認した。このときの近端反射と内乱
光とによる混信は、送信光量に対して合計で0.05%
であった。なお、送信効率は送信レンズ6により任意に
設定することができる。
は、光ファイバ2からの出射光量に対して0.7%であ
り、相手モジュール反射による混信は、光ファイバ2か
らの出射光量に対して0.5%であった。この光通信モ
ジュール1により、伝送距離(光ファイバ2の長さ)2
0m、伝送速度500Mbpsで全二重通信を行なったと
ころ、誤り率(Bit Error Rate)が10-12以下である
ことが確認された。
の形態について、図8に基づいて説明する。なお、上記
の実施形態にて説明した部分と同様の機能を有する部材
については、同一の番号を付与することによりその説明
を省略する。本実施形態では、図8に示すように、反射
ミラー7で集光した受信光22をさらに受信レンズ(第
2の受信光学系)24で集光して受信効率をより向上さ
せた配置となっている。
モールド部32は、受光素子5と、その近傍に配置した
プリアンプ25とを封止している。受光素子5及びプリ
アンプ25は、モールド部32により外気から保護され
るため、経時劣化による性能の低下を防止することがで
きる。また、モールド部32に受信レンズ24を形成し
ているため、小型化が可能となる。
受信部反射光23も相手モジュール反射の原因となる。
しかしながら、第2の受信部反射光23は受信レンズ2
4の形状により発散されて反射することから、光ファイ
バ2に戻ることが防止される。
ており、かつ、受光素子5及びプリアンプ25のグラン
ド電極31と導通している。また、電極16は、発光素
子4から受光素子5を光学的・電気的に分離することに
より、内乱光による混信や電気的・電磁的な混信を防止
する働きがある。
ステム30上に配置されている。送信ステム30は光学
部材10の一部に位置あわせされて配置されている。送
信ステム30は受信側のグランド電極31と電気的に分
離されている。また、送信ステム30は発光素子5の放
熱を行なう役割も有している。
ール1を用いることにより、集光ミラー7と受信レンズ
24とを併用して受信効率を高くすることができると共
に、相手モジュール反射や内乱光、近端反射、更には電
気的・電磁的な混信を防止することが容易となり、ま
た、小型で安価であり、経時劣化が少なく安定した性能
を得ることができる。
の実施の形態について、図9に基づいて説明する。な
お、上記の実施形態にて説明した部分と同様の機能を有
する部材については、同一の番号を付与することにより
その説明を省略する。
よび受信の光学系配置を逆にした場合を示している。発
光素子4から出射された送信光21は、立上げミラー3
3により、光ファイバ2が配置されている方向に反射さ
れると共に集光されて、光ファイバ2の拡大部29に入
射する。一方、光ファイバ2から出射される受信光22
は、受信レンズ24により集光されて受光素子5に結合
する。
学ブロック(光学部材)10に形成されている。立上げ
ミラー33は、送信光21と受信光22とを分離する混
信防止部材の役割も有している。
の実施の形態について、図10に基づいて説明する。な
お、上記の実施形態にて説明した部分と同様の機能を有
する部材については、同一の番号を付与することにより
その説明を省略する。
周方向から入射させた場合の光学配置を示している。発
光素子4から出射された送信光21は、送信レンズ6に
より集光されて、光ファイバ2の外周方向から中心方向
に傾斜させて光ファイバ2の拡大部29に結合される。
光ファイバ2の端面は、図5(c)で示したのと同様に、
外周部が凹面、内周部が凸面の形状であり、拡大部29
は凹面の部分となっている。
きに、光ファイバ2の光軸となす角度が小さくなる方向
に屈折される。このため、光ファイバ2の開口数より大
きい角度で光ファイバ2に送信光21を入射させても光
ファイバ2に結合させることが可能となり、送信レンズ
6(送信光学系)をより外周部(図10の右方向)に配
置することができる。従って、受信レンズ24(受信光
学系)を配置するスペースが広くなり、受信効率の高い
受信光学系を容易に配置することができる。
混信防止部材34が配置されており、混信防止部材34
は送信光21と受信光22との混信を防止している。混
信防止部材34は光ファイバ2の端面に接触もしくは近
接させて配置している。
通信モジュール1と一芯光ファイバ2との光学的結合構
造を用いることにより、近端反射、内乱光(迷光)、遠
端反射、および相手モジュール反射による混信を防止で
き、また、電気的混信も低減できることから、一本の光
ファイバ2により全二重方式の双方向光通信を効率よく
行なうことができる。
の拡大部29に送信光21を結合させること、及び、光
ファイバ2の端面形状と送信光21の入射条件とを最適
化することにより、受信領域を拡大でき、光学系を配置
する自由度も増すことから、受信効率の高い光通信リン
ク3を得ることができる。また、一つの光学部材10に
多数の機能を持たせていることから、低コストで小型で
あり、かつ、簡易に製造可能な光通信モジュール1を得
ることができる。
造に本発明の範囲が限定されるものではない。本発明は
光ファイバ2の拡大部29に送信光21を結合させたこ
とが特長であり、他の光学系配置等を用いても同様の効
果を得ることができる。また、例えば、以下のように構
成することができる。
の光学的結合構造は、一芯の光ファイバを伝送媒体とし
て双方向に光通信を行なうことができる双方向光通信モ
ジュールと該光ファイバとの光学的結合構造であり、該
双方向光通信モジュールは送信光を発生させる発光素子
と前記光ファイバから出射される受信光を受光する受光
素子とを有すると共に、前記光ファイバの前記双方向光
通信モジュールと結合する端面がそのコア部より拡大さ
れた拡大領域を有し、前記光ファイバ端面の前記送信光
が結合する領域以外から出射される受信光の少なくとも
一部を前記受光素子に結合させる構成とすることができ
る。
領域以外の受信光を利用するため、光ファイバ端面で反
射された送信光と受信光を分離することが容易となり混
信を低減することができる。また、光ファイバの端面が
拡大されているため、組立てのトレランスが増加する。
更には、受信領域をより拡大することが容易となり受信
効率を向上させることができる。
の少なくとも一部を前記光ファイバの拡大領域に結合さ
せる構成とすることができる。
ことができ、送信光を受信光の出射量が少ない領域に入
射させることができることから、光ファイバから出射さ
れる受信光を効率良く受光素子に結合させることが可能
になる。
を集光して前記受光素子に結合させる受信光学系を有す
る構成とすることができる。
信光を受光素子に導くことができ、小型の受光素子に高
効率で集光したり、受光素子の配置位置の自由度を増し
たりすることができる。
の一部が前記受光素子に結合することを防止する混信防
止部材を設けた構成とすることができる。
信することを防止することができ、高いSN比を得るこ
とができる。
止部材は反射ミラーであり、該反射ミラーは前記受信光
を反射すると共に集光して受光素子に結合させる受信光
学系でもある構成とすることができる。
止部材と同一の部材とすることができるため、光通信モ
ジュールの小型化が可能となる。また、混信防止部材を
薄膜のミラーとすることで、混信防止部材による受信効
率の低下を防止することができ、高い受信効率を得るこ
とができる。
イバの端面で前記送信光を屈折させて光ファイバに結合
させる構成とすることができる。
への入射角度を光ファイバの開口数以上としても光ファ
イバで屈折させることにより、光ファイバに結合させる
ことが可能となり、送信光学系の配置自由度が増す。励
振NAを小さくすることが容易となり、光ファイバでの
伝播損失やモード分散を小さくすることができ、伝送帯
域を高くすることができる。
の光軸と前記光ファイバの光軸とのなす角度が、前記送
信光が前記光ファイバに結合する前より、結合した後の
ほうが小さくなるように光ファイバの端面形状および送
信光の光ファイバへの入射角度を設定した構成とするこ
とができる。
る送信光の開口数を小さくすることができることから、
モード分散による帯域低減を少なくすることができる。
また、送信光学系を光ファイバの光軸から離れた位置に
配置することが可能となり、光学系の配置自由度が増
す。
の光軸を前記光ファイバの外周方向から内周方向に傾斜
させて前記光ファイバに結合させた構成とすることがで
きる。
入射させることで、受信領域をより拡大することができ
る。受信光学系の配置自由度が増し、受信効率の高い受
信光学系を容易に配置することができる。
イバはその径が端面に近づくに従い徐々に大きくなるテ
ーパ部を有し、前記光ファイバの光軸と該テーパー部と
のなす角度が、光ファイバの開口数により規定される角
度より大きい構成とすることができる。
る受信光がテーパ部に照射されなくなることから受信光
の損失を少なくすることができる。また、送信光を光フ
ァイバのコア部に導き易くなる。
イバのコア径を2r、光ファイバの開口数をNAとした
とき、前記テーパ部の長さLがL<r/NAを満足する
構成とすることができる。
される受信光が光ファイバの端面から分散して出射する
ことを抑えることができ、受信光の集光が容易となる。
イバの端面が、外周部が凹面形状であり、内周部が凸面
形状である構成とすることができる。
折させることで、送信光を光ファイバのより外周部から
結合させることができる。凸面部で光ファイバから出射
される受信光が集光されるため、受信光学系の設計が容
易となり、受信効率を高くすることができる。
イバがプラスチック光ファイバである構成とすることが
できる。
OFを用いているため、曲げ損失が少なく、折れ難く、
また、コア径が1mm程度の大口径の光ファイバを容易
に製造できることから、光ファイバと双方向光通信もジ
ュールとの結合調整が容易であり、かつ、双方向光通信
リンクを安価にできる。更に、端面を任意の形状に容易
に加工することができる。
ュールは、一芯の光ファイバを伝送媒体として双方向に
光通信を行なう光通信モジュールであって、前記光ファ
イバから出射された受信光を受光する受光素子と、前記
受信光を前記受光素子に結合させる受信光学系とを備え
る光通信モジュールにおいて、光が伝搬するコア部の端
部の少なくとも一方がコア部の他の部分よりも拡大した
拡大部を有する光ファイバに対して、該拡大部を有する
前記端部から出射された受信光を前記受光素子が受光す
るように、前記受信光学系を配置する構成である。
ら出射される受信光の強度が低下するので、該領域から
出射される受信光を受光素子が受光しないことによる受
信効率の低下を抑えることができるという効果を奏す
る。
以上のように、一芯の光ファイバを伝送媒体として双方
向に光通信を行なう光通信モジュールであって、送信光
を発生させる発光素子と、前記送信光を前記光ファイバ
に結合させる送信光学系とを備える光通信モジュールに
おいて、光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一方が
コア部の他の部分よりも拡大した拡大部を有する光ファ
イバに対して、前記送信光が前記拡大部を有する前記端
部に結合する領域の少なくとも一部が前記拡大部に含ま
れるように前記発光素子および前記送信光学系を配置す
る構成である。
される受信光の強度が著しく低下するので、前記送信光
結合領域から出射される受信光を受光素子が受光しない
ことによる受信効率の低下を大幅に抑えることができる
という効果を奏する。
は、以上のように、上記の構成において、前記送信光を
前記光ファイバの端部に、その伝搬方向を内側に傾斜さ
せて結合させるように、前記発光素子および前記送信光
学系を配置する構成である。
光学系を、前記送信光結合領域よりも径方向外側に配置
することができるから、前記受光素子および前記受信光
学系を配置する自由度が向上する効果を奏する。
ように、光通信を行なうための伝送媒体である光ファイ
バにおいて、光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一
方は、コア部の他の部分よりも拡大した拡大部を有して
おり、前記光ファイバは、前記拡大部を有する端部から
前記光ファイバの光軸方向内向きに進むに従って、徐々
に狭くなるテーパ部を有しており、該テーパ部は、前記
光ファイバの光軸と該テーパ部とのなす角度が、前記光
ファイバの開口数により規定される角度より大きくなる
ように形成されている構成である。
される受信光の強度が低下するので、前記送信光結合領
域から出射される受信光を受光素子が受光しないことに
よる受信効率の低下を抑えることができるという効果を
奏する。
ように、光通信を行なうための伝送媒体である光ファイ
バにおいて、光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一
方は、コア部の他の部分よりも拡大した拡大部を有して
おり、該拡大部の端面は、凹部形状である構成である。
伝搬方向と前記光軸とのなす角度を大きくすることがで
きるので、光ファイバに送信光を入射するための発光素
子および送信光学系を、従来よりも径方向外側に配置す
ることができると共に、光通信を行なう光通信モジュー
ルの各構成要素を配置する自由度が向上する効果を奏す
る。
うに、上記の構成において、前記拡大部を有する端部
は、中央部が凸面状である構成である。
る受信光学系のサイズを小さくすることができるから、
前記光通信モジュールにおいて、サイズを小型化し、各
構成要素を配置する自由度が向上する効果を奏する。
うに、上記の構成において、前記拡大部を有する端部か
ら前記光ファイバの光軸方向内向きに進むに従って、徐
々に狭くなるテーパ部をさらに有しており、該テーパ部
は、前記光ファイバの光軸と該テーパ部とのなす角度
が、前記光ファイバの開口数により規定される角度より
大きくなるように形成されている構成である。
される受信光の強度が低下するから、前記送信光結合領
域から出射される受信光を受光素子が受光しないことに
よる受信効率の低下を抑えることができるという効果を
奏する。
ジュールとの光学的結合構造は、以上のように、一芯の
光ファイバと、該光ファイバを伝送媒体として双方向に
光通信を行なう光通信モジュールとの光学的結合構造に
おいて、前記光ファイバは、光が伝搬するコア部の端部
の少なくとも一方に、コア部の他の部分よりも拡大した
拡大部を有しており、前記光通信モジュールは、前記光
ファイバから出射された受信光を受光する受光素子と、
前記受信光を前記受光素子に結合させる受信光学系とを
備えており、前記光ファイバにおける前記拡大部を有す
る前記端部から出射された受信光を受光するように、前
記受光素子および前記受信光学系を配置する構成であ
る。
ら出射される受信光の強度が低下するので、該領域から
出射される受信光を受光素子が受光しないことによる受
信効率の低下を抑えることができるという効果を奏す
る。
ジュールとの光学的結合構造は、以上のように、一芯の
光ファイバと、該光ファイバを伝送媒体として双方向に
光通信を行なう光通信モジュールとの光学的結合構造に
おいて、前記光ファイバは、光が伝搬するコア部の端部
の少なくとも一方に、コア部の他の部分よりも拡大した
拡大部を有しており、光通信モジュールは、送信光を発
生させる発光素子と、前記送信光を前記光ファイバの端
部に結合させる送信光学系とを備えており、前記光ファ
イバにおける前記拡大部を有する前記端部に前記送信光
が結合する領域の少なくとも一部が前記拡大部に含まれ
るように前記発光素子および前記送信光学系を配置する
構成である。
される受信光の強度が著しく低下するから、前記送信光
結合領域から出射される受信光を受光素子が受光しない
ことによる受信効率の低下を大幅に抑えることができる
という効果を奏する。
モジュールとの光学的結合構造は、以上のように、上記
の構成において、前記送信光の伝搬方向と前記光ファイ
バの光軸とのなす角度が、前記送信光が前記光ファイバ
に結合する前よりも結合した後の方が小さくなるよう
に、前記光ファイバの端部の形状と、前記送信光の前記
光ファイバへの入射角度とを設定している構成である。
の開口数を小さくできるから、モード分散による帯域低
減を少なくできるという効果を奏する。また、送信光学
系を光ファイバの光軸から離れた位置に配置することが
可能となるから、光学系を配置する自由度を向上できる
という効果を奏する。
モジュールとの光学的結合構造は、以上のように、上記
の構成において、前記送信光を前記光ファイバの端部
に、その伝搬方向を内側に傾斜させて結合させるよう
に、前記発光素子および前記送信光学系を配置する構成
である。
射させることで、受信領域をより拡大することができる
から、受信光学系の配置自由度が増し、受信効率の高い
受信光学系を容易に配置できるという効果を奏する。
モジュールとの光学的結合構造は、以上のように、上記
の構成において、前記光ファイバは、前記拡大部を有す
る端部から前記光ファイバの光軸方向内向きに進むに従
って、徐々に狭くなるテーパ部が形成されており、該テ
ーパ部は、前記光ファイバの光軸と該テーパ部とのなす
角度が、前記光ファイバの開口数により規定される角度
より大きい構成である。
される受信光の強度が低下するから、前記送信光結合領
域から出射される受信光を受光素子が受光しないことに
よる受信効率の低下を抑えることができるという効果を
奏する。
モジュールとの光学的結合構造は、以上のように、上記
の構成において、前記光ファイバのコア径を2r、光フ
ァイバの開口数をNAとすると、前記テーパ部の長さL
がL<r/NAを満足するように、前記テーパ部が形成
されている構成である。
信光が光ファイバの端面から分散して出射することを抑
えることができ、受信光の集光が容易となるという効果
を奏する。
モジュールとの光学的結合構造は、以上のように、上記
の構成において、前記光ファイバにおいて前記拡大部を
有する端部は、周囲の前記拡大部が凹部形状であり、中
央部が凸面状である構成である。
ことで、送信光を光ファイバのより径方向外側から結合
できるという効果を奏する。また、凸面部で光ファイバ
から出射される受信光が集光されるため、受信光学系の
設計が容易となり、受信効率を向上できるという効果を
奏する。
とを示す概略図であり、同図(a)は、本発明に係る光フ
ァイバに関するものであり、同図(b)は、従来の光ファ
イバに関するものである。
図であり、同図(a)は、本発明に係る光ファイバに関す
るものであり、同図(b)は、従来の光ファイバに関する
ものである。
方向光通信モジュールとの光学的結合構造を示す断面図
である。
ある。
ファイバの端部を示す断面図である。
とによる混信の防止を示すものである。
ル反射による混信の防止を示すものである。
双方向光通信モジュールとの光学的結合構造を示す断面
図である。
イバと双方向光通信モジュールとの光学的結合構造を示
す概略図である。
ァイバと双方向光通信モジュールとの光学的結合構造を
示す概略図である。
ールとの光学的結合構造を示す概略図である。
て、光ファイバの端部における送信領域と受信領域とを
示す概略図である。
Claims (14)
- 【請求項1】一芯の光ファイバを伝送媒体として双方向
に光通信を行なう光通信モジュールであって、前記光フ
ァイバから出射された受信光を受光する受光素子と、前
記受信光を前記受光素子に結合させる受信光学系とを備
える光通信モジュールにおいて、 光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一方がコア部の
他の部分よりも拡大した拡大部を有する光ファイバに対
して、該拡大部を有する前記端部から出射された受信光
を前記受光素子が受光するように、前記受信光学系を配
置することを特徴とする光通信モジュール。 - 【請求項2】一芯の光ファイバを伝送媒体として双方向
に光通信を行なう光通信モジュールであって、送信光を
発生させる発光素子と、前記送信光を前記光ファイバに
結合させる送信光学系とを備える光通信モジュールにお
いて、 光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一方がコア部の
他の部分よりも拡大した拡大部を有する光ファイバに対
して、前記送信光が前記拡大部を有する前記端部に結合
する領域の少なくとも一部が前記拡大部に含まれるよう
に前記発光素子および前記送信光学系を配置することを
特徴とする光通信モジュール。 - 【請求項3】前記送信光を前記光ファイバの端部に、そ
の伝搬方向を内側に傾斜させて結合させるように、前記
発光素子および前記送信光学系を配置することを特徴と
する請求項2に記載の光通信モジュール。 - 【請求項4】光通信を行なうための伝送媒体である光フ
ァイバにおいて、 光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一方は、コア部
の他の部分よりも拡大した拡大部を有しており、 前記光ファイバは、前記拡大部を有する端部から前記光
ファイバの光軸方向内向きに進むに従って、徐々に狭く
なるテーパ部を有しており、 該テーパ部は、前記光ファイバの光軸と該テーパ部との
なす角度が、前記光ファイバの開口数により規定される
角度より大きくなるように形成されていることを特徴と
する光ファイバ。 - 【請求項5】光通信を行なうための伝送媒体である光フ
ァイバにおいて、 光が伝搬するコア部の端部の少なくとも一方は、コア部
の他の部分よりも拡大した拡大部を有しており、 該拡大部の端面は、凹部形状であることを特徴とする光
ファイバ。 - 【請求項6】前記拡大部を有する端部は、中央部が凸面
状であることを特徴とする請求項5に記載の光ファイ
バ。 - 【請求項7】前記光ファイバは、前記拡大部を有する端
部から前記光ファイバの光軸方向内向きに進むに従っ
て、徐々に狭くなるテーパ部を有しており、 該テーパ部は、前記光ファイバの光軸と該テーパ部との
なす角度が、前記光ファイバの開口数により規定される
角度より大きくなるように形成されていることを特徴と
する請求項5または6に記載の光ファイバ。 - 【請求項8】一芯の光ファイバと、該光ファイバを伝送
媒体として双方向に光通信を行なう光通信モジュールと
の光学的結合構造において、 前記光ファイバは、光が伝搬するコア部の端部の少なく
とも一方に、コア部の他の部分よりも拡大した拡大部を
有しており、 前記光通信モジュールは、前記光ファイバから出射され
た受信光を受光する受光素子と、前記受信光を前記受光
素子に結合させる受信光学系とを備えており、 前記光ファイバにおける前記拡大部を有する前記端部か
ら出射された受信光を受光するように、前記受光素子お
よび前記受信光学系を配置することを特徴とする光ファ
イバと光通信モジュールとの光学的結合構造。 - 【請求項9】一芯の光ファイバと、該光ファイバを伝送
媒体として双方向に光通信を行なう光通信モジュールと
の光学的結合構造において、 前記光ファイバは、光が伝搬するコア部の端部の少なく
とも一方に、コア部の他の部分よりも拡大した拡大部を
有しており、 前記光通信モジュールは、送信光を発生させる発光素子
と、前記送信光を前記光ファイバの端部に結合させる送
信光学系とを備えており、 前記光ファイバにおける前記拡大部を有する前記端部に
前記送信光が結合する領域の少なくとも一部が前記拡大
部に含まれるように前記発光素子および前記送信光学系
を配置することを特徴とする光ファイバと光通信モジュ
ールとの光学的結合構造。 - 【請求項10】前記送信光の伝搬方向と前記光ファイバ
の光軸とのなす角度が、前記送信光が前記光ファイバに
結合する前よりも結合した後の方が小さくなるように、
前記光ファイバの端部の形状と、前記送信光の前記光フ
ァイバへの入射角度とを設定していることを特徴とする
請求項8または9に記載の光ファイバと光通信モジュー
ルとの光学的結合構造。 - 【請求項11】前記送信光を前記光ファイバの端部に、
その伝搬方向を内側に傾斜させて結合させるように、前
記発光素子および前記送信光学系を配置することを特徴
とする請求項8乃至10に記載の光ファイバと光通信モ
ジュールとの光学的結合構造。 - 【請求項12】前記光ファイバは、前記拡大部を有する
端部から前記光ファイバの光軸方向内向きに進むに従っ
て、徐々に狭くなるテーパ部が形成されており、 該テーパ部は、前記光ファイバの光軸と該テーパ部との
なす角度が、前記光ファイバの開口数により規定される
角度より大きいことを特徴とする請求項8乃至11に記
載の光ファイバと光通信モジュールとの光学的結合構
造。 - 【請求項13】前記光ファイバのコア径を2r、光ファ
イバの開口数をNAとすると、前記テーパ部の長さLが
L<r/NAを満足するように、前記テーパ部が形成さ
れていることを特徴とする請求項8乃至12に記載の光
ファイバと光通信モジュールとの光学的結合構造。 - 【請求項14】前記光ファイバにおいて前記拡大部を有
する端部は、周囲の前記拡大部が凹部形状であり、中央
部が凸面状であることを特徴とする請求項8乃至13に
記載の光ファイバと光通信モジュールとの光学的結合構
造。
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