JP7210377B2 - 医療用レーザライトガイド - Google Patents

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Description

本発明は、医療用レーザライトガイドに関する。
従来、例えば血管等の生体内に挿入された光ファイバからレーザ光を側方に出射する医療用のレーザライトガイドが知られている。例えば特許文献1,2には、光線力学的治療のためのカテーテル(光散乱ライトガイド)の構造が開示されている。
特開2008-148951号公報 米国特許第6315775号明細書 特開2005-208271号公報
医療用レーザライトガイドは、生体内に挿入された状態でレーザ光を側方に出射することにより、側方に位置する患部に該レーザ光を照射し、患部を治療するものである。このような医療用レーザライトガイドにおいては、側方からのみレーザ光を出射し、前方へは出射しないことが望まれる。患部でない正常細胞が損傷することを防ぐためである。その為に、例えば特許文献2に記載された光散乱ライトガイドにおいては、ライトガイド(導光体)の先端部にミラーを設け、前方へ出射しようとする光をライトガイド(導光体)へ戻している。
一方、医療用レーザライトガイドにおいては、導光体の側方から出射される光強度の分布が、導光体の長手方向にわたって均一であることが求められる。しかしながら、ミラーといった光反射部を導光体の先端に設けた場合、光反射部において反射した光が導光体の先端近傍から側方に出射され易いと、光強度の分布が乱れ、光強度の均一性が低下してしまう。
本発明は、導光体の先端に光反射部を備える医療用レーザライトガイドにおいて、導光体の長手方向における光強度の均一性が低下することを抑制することを目的とする。
本発明の一態様に係る医療用レーザライトガイドは、細長形状で先端面を有する導光体と、先端面と対向する光反射面を有する光反射部と、を備える。導光体は、基端部と、先端面を含み、直径がDであり、屈折率がnであり導光体の長手方向に延びるコア、及びコアを覆うクラッドを有し、開口数がNAであり、導光体の長手方向における長さが下記の数式により定義されたL以上である先端部と、導光体の長手方向において基端部と先端部との間に位置し、基端部で受けた光を外周面から側方へ拡散させる光拡散部と、を有する。先端部の先端側長さLの部分の外周面から出射される光の平均強度は、光拡散部の外周面から出射される光の平均強度よりも低い。
Figure 0007210377000001
本発明の一態様によれば、導光体の先端に光反射部を備える医療用レーザライトガイドにおいて、導光体の長手方向における光強度の均一性が低下することを抑制できる。
図1の(a)は、本実施形態に係る医療用レーザライトガイド1Aの先端付近を示す側面図である。図1の(b)は、図1に示された医療用レーザライトガイド1Aの中心軸線に沿った断面図である。 図2は、導光体2の中心軸線Cに垂直な断面を示す図である。 図3の(a)及び(b)は、光反射部3の例を示す切欠斜視図である。 図4は、導光体2を示す側面図である。 図5の(a)は、本実施形態の光拡散部22を部分的に拡大して示す側面図である。図5の(b)は、光軸方向(長手方向D1)に沿った光拡散部22の拡大断面図である。 図6は、比較例として、導光体が先端部23を有しない医療用レーザライトガイドの光出射の様子を示す図である。 図7は、本実施形態の医療用レーザライトガイド1Aの光出射の様子を示す。 図8は、先端部23及び光反射部3の断面を模式的に示す図である。図8の(a)は先端部23が十分に長い場合を示し、図8の(b)は先端部23が短い場合を示す。 図9は、先端部23の断面構造を模式的に示す図である。 図10の(a)は、上記実施形態の一変形例に係る医療用レーザライトガイド1Bの先端部を示す斜視図である。図10の(b)は、医療用レーザライトガイド1Bの先端部の断面斜視図である。 図11の(a)は、上記実施形態の別の変形例に係る医療用レーザライトガイド1Cを示す側面図である。図11の(b)は、医療用レーザライトガイド1Cの導光体52を示す側面図である。 図12は、導光体52の先端部53の拡径部54を示す断面図である。 図13は、導光体52とは材料が異なる導光体52Aの先端部53Aの拡径部54Aを示す断面図である。 図14は、図13の拡径部54Aを形成する方法の例を示す図である。 図15は、図13の拡径部54Aを形成する別の方法を示す図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態に係る医療用レーザライトガイドは、細長形状で先端面を有する導光体と、先端面と対向する光反射面を有する光反射部と、を備える。導光体は、基端部と、先端面を含み、直径がDであり、屈折率がnであり導光体の長手方向に延びるコア、及びコアを覆うクラッドを有し、開口数がNAであり、導光体の長手方向における長さが下記の数式により定義されたL以上である先端部と、導光体の長手方向において基端部と先端部との間に位置し、基端部で受けた光を外周面から側方へ拡散させる光拡散部と、を有する。先端部の先端側長さLの部分の外周面から出射される光の平均強度は、光拡散部の外周面から出射される光の平均強度よりも低い。
Figure 0007210377000002
この医療用レーザライトガイドにおいて、患部を治療するための光(例えば可視光や近赤外光)は、導光体の基端部の一端側から入力される。この光は基端部内を伝搬し、光拡散部に達する。光拡散部において、この光は拡散されながら外周面の側方へ出射される。また、出射されずに光拡散部を通過した一部の光は、先端部を伝搬して光反射面に達したのち、光反射面にて反射し、再び先端部を伝搬して光拡散部に戻る。そして、該一部の光は拡散されながら外周面の側方へ出射される。
この医療用レーザライトガイドでは、光拡散部と光反射面との間に長さがL以上である先端部が介在している。先端部は、光反射面と対向する先端面を含むとともに、導光体の長手方向に延びるコア、及びコアを覆うクラッドを有する。従って、光反射面において反射した光は、先端部のコアに再び閉じ込められる。更に、先端部における先端側の長さLの部分の外周面から出射される光の平均強度(光の拡散度合い)は、光拡散部の外周面から出射される光の平均強度(光の拡散度合い)よりも低いので、先端部のコアに再び閉じ込められた光は、先端部の外周面からの出射を抑制されつつ光拡散部まで伝搬し、光拡散部の外周面から側方へ拡散しながら出射する。故に、光反射部において反射した光が導光体の先端近傍から側方に出射されにくくなるので、導光体の長手方向における光強度の均一性が低下することを効果的に抑制できる。
上記の医療用レーザライトガイドでは、光反射部が、導光体の長手方向を中心軸方向とする円柱状を呈してもよい。この場合、例えば導光体の先端面上に膜状に形成される場合等と比較して、光反射部の熱容量が大きくなる。従って、光の吸収に起因する光反射部の温度上昇を低減することができる。
上記の医療用レーザライトガイドでは、光拡散部の外周面が光拡散のための凹・凸の一方または両方を有し、先端部の外周面が滑らか(コアに達するような傷や凹がない状態)であってもよい。例えばこのような構造によって、先端部における先端側の長さLの部分の外周面から出射される光の平均強度(光の拡散度合い)を、光拡散部の外周面から出射される光の平均強度(光の拡散度合い)よりも低くすることができる。
上記の医療用レーザライトガイドでは、光拡散部の外周面は複数の溝を有していてもよい。例えばこのような構造によって、光を外周面から側方へ拡散させる光拡散部を容易に実現することができる。この場合、光拡散部は、導光体の長手方向に延びるコア、及びコアを覆うクラッドを有し、複数の溝の深さは光拡散部のコアに達していてもよい。これにより、光拡散部から出射される光の平均強度(光の拡散度合い)を容易に高めることができる。また、この場合、複数の溝のそれぞれは光拡散部の周方向に沿っていて、複数の溝は導光体の長手方向に並んでおり、導光体の長手方向における先端部の長さは、複数の溝の最小間隔よりも長くてもよい。これにより、光拡散部と先端部とが明確に区別される。
上記の医療用レーザライトガイドでは、光拡散部の外周面が粗面であってもよい。例えばこのような構造によっても、光を外周面から側方へ拡散させる光拡散部を容易に実現することができる。
上記の医療用レーザライトガイドは、導光体及び光反射部を収容する光透過性のチューブを更に備え、導光体はチューブ内において撓んでおり、先端面が導光体の復元力により光反射面に押し当てられていてもよい。これにより、生体内において医療用レーザライトガイドが撓んだ場合においても、導光体の先端面と光反射部の光反射面との接触状態が維持され易い。従って、医療用レーザライトガイドが撓んだ場合であっても、導光体の長手方向における光強度の均一性が低下することを効果的に抑制できる。
上記の医療用レーザライトガイドでは、光反射面を構成する材料が、Ag、Ag合金、Au、若しくはAu合金のうち少なくとも1つを含んでもよい。これらの金属は、光(特に波長664nm付近の赤色光)に対して高い反射特性を有する。従って、光の利用効率を高めるとともに、光反射部における光の吸収を低減して光反射部の温度上昇を抑制することができる。
上記の医療用レーザライトガイドでは、光反射部が、光反射面を有する金属体または金属膜を含んでもよい。これにより、光反射面を有する光反射部を容易に作製することができる。
上記の医療用レーザライトガイドでは、光反射面及び先端面のうち少なくとも一方が鏡面であってもよい。これにより、光拡散部を通過した光に対する反射率を高め、光の利用効率を高めるとともに、光反射部における光の吸収を低減して光反射部の温度上昇を抑制することができる。
上記の医療用レーザライトガイドでは、光反射部が、先端部の外周面と対向する別の光反射面を更に有してもよい。これにより、導光体の先端付近において生じる僅かな散乱光を先端部に戻すことができるので、導光体の長手方向における光強度の均一性が低下することを更に効果的に抑制できる。この場合、光反射部が、先端部の外周面の少なくとも一部を覆い別の光反射面を含む筒状部分を有してもよい。これにより、別の光反射面を容易に実現することができる。また、この場合、別の光反射面を構成する材料は、Ag、Ag合金、Au、若しくはAu合金のうち少なくとも1つを含んでもよい。これらの金属は、光(特に波長664nm付近の赤色光)に対して高い反射特性を有する。従って、光の利用効率を高めるとともに、筒状部分における光の吸収を低減して筒状部分の温度上昇を抑制することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る医療用レーザライトガイドの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明の一実施形態に係る医療用レーザライトガイドは、光線力学療法(Photo Dynamic Therapy;PDT)に用いられる。PDTでは、生体内に光感受性物質(増感剤)を注入し、標的となる生体組織に或る波長の光を照射して光感受性物質から活性酸素を生じさせ、これによって癌や感染症などの病巣を治療する。癌に対する光感受性物質としては、例えばMeijiSeikaファルマ製のレザフィリン(登録商標)が用いられる。この患部へレーザ光を照射するために、光ファイバの先端に側方への光照射部を設けた医療用レーザライトガイドが用いられる。医療用レーザライトガイドの体内への挿入は外科手術を必要としないので、患者への負担が小さい。体内奥深くの臓器の管内患部へレーザ光を照射する際には、医療用レーザライトガイドの前方へ光を照射するよりも医療用レーザライトガイドの側面から光を照射するほうが作業性が良い。
図1の(a)は、本実施形態に係る医療用レーザライトガイド1Aの先端付近を示す側面図である。図1の(b)は、図1に示された医療用レーザライトガイド1Aの中心軸線に沿った断面図である。図1の(a)及び(b)に示されるように、本実施形態の医療用レーザライトガイド1Aは、導光体2、光反射部3、及びチューブ4を備えている。
導光体2は、患部に照射するための光を医療用レーザライトガイド1Aの先端部に向けて伝搬するための要素であり、光伝搬方向を長手方向D1とする細長形状を有する。図2は、導光体2の中心軸線Cに垂直な断面を示す図である。導光体2は、例えばプラスチック製若しくはガラス製の光ファイバであり、光を導波するコア5と、コア5の周囲を覆うクラッド6とを有する。導光体2がプラスチック製である場合、コア5は例えばアクリル(PMMA)またはポリカーボネート(PC)からなる。クラッド6は、例えばフッ素が添加された樹脂からなる。コア5の屈折率は、クラッド6の屈折率よりも大きい。コア5の直径は例えば0.11~2.1mmの範囲内であり、一例では0.5mmである。クラッド6の外径は例えば0.1~2mmの範囲内であり、一例では0.5mmである。開口数(NA)は例えば0.1~0.6の範囲内であり、一例では0.5である。導光体2に入力される光の波長は、生体内に注入される光感受性物質の励起エネルギーに応じて適宜選択され、例えば400~800nmの範囲内であり、光感受性物質としてレザフィリン(登録商標)を用いる場合は664nmである。
光反射部3は、導光体2の先端(光が入力される基端とは反対側の一端)に配置されている。図3の(a)及び(b)は、光反射部3の例を示す切欠斜視図である。これらの図に示されるように、光反射部3は、導光体2の先端面2aと対向する光反射面3aを有し、導光体2を伝搬して先端面2aに到達した光を、光反射面3aにおいて反射する。本実施形態の光反射部3は、導光体2の長手方向D1(すなわち光軸方向)を中心軸方向とする円柱状を呈する。光反射面3aは、円柱の底面により構成されている。光反射面3aは平滑面であり、光反射面3a及び導光体2の先端面2aのうち少なくとも一方は鏡面である。なお、鏡面とは、例えば研磨により鏡面加工が施された面をいう。また、鏡面は、光の散乱を抑制して光を元の方向に戻す面であってもよい。光反射部3は、図3の(a)に示されるように、光反射面3aを有する金属体31を含んでもよいし、図3の(b)に示されるように、金属製若しくは非金属製の支持体33の一端面に形成され光反射面3aを有する金属膜32を含んでもよい。光反射面3aを構成する材料(すなわち前記した金属体31若しくは金属膜32を構成する材料)は、例えば、Ag、Ag合金、Au、Au合金、Al、Al合金のうち少なくとも1つの金属を含んでもよい。光反射部3の直径は例えば0.5~0.7mmの範囲内であり、長手方向D1における長さは例えば0.5~5mmの範囲内である。光反射部3の長さが短いほど、医療用レーザライトガイド1Aの先端部を小型化できる。また、光反射部3の長さが長いほど、光反射部3の熱容量が大きなり、光の吸収による発熱を低減することができる。金属膜32の形成方法は、例えば蒸着、めっき等である。
再び図1を参照する。チューブ4は、導光体2及び光反射部3を保護するために、導光体2及び光反射部3を内部に収容している。本実施形態のチューブ4は、本体部41及び先端部42を有している。本体部41は、光透過性を有する樹脂からなる円筒状の部材である。なお、光透過性を有するとは、光の波長を含む波長域において80%以上の透過率を有することを意味する。光の波長が可視光域に含まれる場合、本体部41は透明であってもよい。光の波長が例えば664nmといった赤色域に含まれる場合、チューブ4の材料としては例えばポリウレタン系やナイロン系の無色透明樹脂が用いられ得る。本体部41は、軸方向(すなわち導光体2の長手方向D1)に一様な内径及び外径を有している。本体部41の内径は例えば0.5~1.7mmであり、外形は例えば1.0~2.0mmである。先端部42は、本体部41の外径と同じ外径を有する半球状をなしており、本体部41の先端に溶着又は接着されている。すなわち、本体部41の先端は、先端部42に形成された円形状の端面によって気密に封止されている。なお、本体部41と先端部42とは一体形成されてもよい。本体部41の内側面41aと導光体2との間には空隙が設けられており、該空隙は空気によって満たされている。勿論、導光体2のクラッド6よりも低い屈折率を有する、光波長に対して透明な液体やゲル状物質が該空隙に充填されていてもよい。光反射部3の外周面3bは、本体部41の内側面41aと間隔をあけて配置されてもよいし、本体部41の内側面41aに密着していてもよい。導光体2は本体部41内において撓んでおり、先端面2aは導光体2の復元力により光反射面3aに押し当てられている。
図4は、導光体2を示す側面図である。図4に示されるように、導光体2は、基端部21、光拡散部22、及び先端部23を有する。基端部21、光拡散部22、及び先端部23は、導光体2の長手方向D1(光軸方向)に沿ってこの順に並んで配置されている。具体的には、先端部23は先端面2aを含む位置に設けられており、光拡散部22は、導光体2の長手方向D1において先端部23と基端部21との間に位置している。生体組織に照射されるべき光は、基端部21における光拡散部22とは反対側の一端から入力される。その為に、基端部21の該一端には、生体組織に照射されるべき光を出力する光源(不図示)が光学的に接続され得る。光拡散部22から出射される光の強度は、例えば100~500mWの範囲内である。
基端部21、光拡散部22、及び先端部23は、それぞれ導光体2の一部であるので、導光体2の長手方向D1に延びるコア5、及びコア5を覆うクラッド6(図2を参照)を有する。なお、先端部23においてコア5及びクラッド6は必要であるが、基端部21及び光拡散部22においてコア5及びクラッド6は任意の要素である。基端部21及び光拡散部22は、例えば単一の屈折率を有する領域のみによって構成されてもよい。また、本実施形態では基端部21、光拡散部22、及び先端部23が単一の部材(1本の光ファイバ)によって構成されているが、これらは互いに別個の部材からなってもよい。その場合、それらの部材が互いに固着(例えば接着)されることにより一体化される。
光拡散部22は、基端部21から受けた光を外周面22aから側方へ拡散させる部分である。拡散のための構造は様々であり、例えば、光拡散部22の外周面22aに光拡散のための凹・凸のうち一方または両方を形成する、光拡散部22の内部に光拡散のための微細な空孔(若しくは散乱物質)を埋め込む、等がある。図5の(a)は、本実施形態の光拡散部22を部分的に拡大して示す側面図である。図5の(b)は、光軸方向(長手方向D1)に沿った光拡散部22の拡大断面図である。これらの図に示されるように、本実施形態では、光拡散部22の外周面22aに複数の凹部(溝)22bが形成されている。これらの溝22bは例えばレーザ加工若しくは機械加工により形成され、その断面形状は例えばV字状である。また、これらの溝22bの深さは、光拡散部22のコア5に達している。複数の溝22bのそれぞれは光拡散部22の周方向に沿っていて、複数の溝22bは導光体2の長手方向D1に沿って並んでいる。なお、溝22bの延在方向はこれに限られず、例えば長手方向D1に沿って延びていてもよい。また、光拡散のための凹凸はこのような溝22bに限られず、例えば光拡散部22の外周面22aが粗面であってもよい。粗面とは、例えばサンドブラスト加工、化学的エッチング、ヤスリ加工等の粗面加工が施された面をいう。
基端部21から光拡散部22に入射した光は、先端面2aに向かって進む毎に外周面22aから側方へ拡散する。故に、先端面2a側の光拡散部22の端に近づくに従い、次第に光強度が減少する。しかし、患部に光を均一に照射するためには、出射光の強度分布が、導光体2の長手方向D1にわたって均一であることが好ましい。この課題を解決するために、本実施形態では、先端面2a側の光拡散部22の端に近づくに従って溝22bの間隔が次第に狭くなっている。言い換えると、先端面2a側の光拡散部22の端に近づくに従って、光拡散部22の外周面22aからの光の拡散度合いが大きくなっている。
再び図4を参照する。先端部23は、光拡散部22において側方へ拡散せずに残った光(以下、残光という)を導波する部分である。先端部23は、光拡散部22と光反射部3との間に位置している。前述したように、先端部23は導光体2の先端面2aを含む。換言すれば、光反射部3側の先端部23の端面は、導光体2の先端面2aを構成する。先端部23における先端側の長さLの部分の外周面23aから出射される光の平均強度(すなわち、外周面23aから出射される光の全強度を長さLで割った値。光の拡散度合いともいう)は、光拡散部22の外周面22aから出射される光の平均強度(外周面22aから出射される光の全強度を光拡散部22の長さで割った値、光の拡散度合い)よりも低い。本実施形態では、先端部23は光を殆ど拡散しない非拡散部である。すなわち、先端部23の外周面23aには溝、粗面等の凹凸加工は何らも施されておらず、外周面23aは滑らか(滑面)となっている。言い換えると、外周面23aは長手方向D1に沿って平坦である。長手方向D1における先端部23の長さは、光拡散部22に形成された複数の溝22bの最小間隔よりも長い。先端部23の長さは、例えば0.5~5mmである。なお、上述したように、本実施形態では複数の溝22bの間隔は、先端面2a側の光拡散部22の端に近づくに従って次第に狭くなっている。従って、複数の溝22bの最小間隔とは、先端面2aに最も近い2つの溝22bの間隔を指す。
図1の(a)及び(b)を再び参照する。医療用レーザライトガイド1Aは、X線不透過マーカ7を更に備えている。X線不透過マーカ7は、X線を遮蔽する材料(例えばPt等)を含んでおり、一例ではX線を遮蔽する材料からなる。医療用レーザライトガイド1Aを生体内に挿入する際には、生体にX線を照射し、得られるX線透過画像においてX線不透過マーカ7の位置を目視にて確認することにより、光拡散部22の現在位置を容易に知ることができる。本実施形態のX線不透過マーカ7は、導光体2の長手方向D1(光軸方向)に沿って延びるリング状を呈しており、基端部21における光拡散部22寄りの部分に嵌め込まれている。X線不透過マーカ7は、接着若しくはカシメ等により基端部21に固定されてもよい。なお、光反射部3が金属材料を含む場合には、光反射部3もまたX線不透過マーカ7と同様の機能を有することができる。X線不透過マーカ7の構成材料は、例えばPtまたはその合金、Auまたはその合金などのX線遮蔽材料を含む。
この医療用レーザライトガイド1Aにおいて、患部を治療するための光(例えば赤外光)は、導光体2の基端部21の一端側から入力される。この光は基端部21内を伝搬し、光拡散部22に達する。光拡散部22において、この光は拡散されながら外周面22aの側方へ出射される。また、出射されずに光拡散部22を通過した残光は、先端部23を伝搬して光反射面3aに達したのち、光反射面3aにて反射し、再び先端部23を伝搬して光拡散部22に戻る。そして、残光は拡散されながら外周面22aの側方へ出射される。
以上に説明した、本実施形態による医療用レーザライトガイド1Aによって得られる作用効果について、比較例が有する課題とともに説明する。図6は、比較例として、導光体が先端部23を有しない(すなわち導光体が基端部21及び光拡散部22のみからなる)医療用レーザライトガイドの側面からの光出射の様子を示す図である。同図には、長手方向D1における光出射の強度(出射光強度)の分布を示すグラフG1が併せて示されている。ここで、出射光強度は、例えば、医療用レーザライトガイド1Aの長手方向における各位置において、チューブ4の表面に対して0.3mmの隙間をあけて一端を対向させたコア直径0.5mm、開口数0.5のライトガイドを介して得られる光の強度により評価することができる。導光体が先端部23を有しない場合、光反射部3において反射した光が導光体の先端近傍から側方に出射され易くなる(図中の矢印P1)。具体的には、光拡散部22において光を側方に拡散させる場合、光の角度成分は導光体2のNA(開口数)の制約を受けない。従って、光反射面3aにおいて反射した光のうち、導光体2のコア5に戻れない光が多くなる。その結果、導光体2の先端近傍における出射光強度が大きくなり(図中のグラフG1の部分E1)、出射光強度の分布が乱れて均一性が低下してしまう。
図7は、本実施形態の医療用レーザライトガイド1Aの光出射の様子を示す。同図には、長手方向D1における出射光強度の分布を示すグラフG2が併せて示されている。本実施形態の医療用レーザライトガイド1Aでは、光拡散部22と光反射面3aとの間に先端部23が介在している。先端部23は、光反射面3aと対向する先端面2aを含むとともに、長手方向D1に延びるコア5、及びコア5を覆うクラッド6(図2を参照)を有する。この場合、先端部23を通過した光は、導光体2のNAの制約を受ける。従って、大きな角度成分を持つ光は光反射面3aに到達し難い。故に、光反射面3aにおいて反射した光の殆どは、先端部23のコア5に再び閉じ込められる。更に、先端部23における先端側の長さLの部分の外周面23aから出射される光の平均強度(光の拡散度合い)は、光拡散部22の外周面22aから出射される光の平均強度(光の拡散度合い)よりも低いので、先端部23のコア5に再び閉じ込められた光は、先端部23の外周面23aからの出射を抑制されつつ光拡散部22まで伝搬し、光拡散部22の外周面22aから側方へ拡散しながら出射する。故に、光反射部3において反射した光が導光体2の先端近傍から側方に出射されにくくなるので、導光体2の先端近傍における光強度が小さくなり(図中のグラフG2の部分E2)、導光体2の長手方向D1における光強度の均一性が低下することを効果的に抑制できる。なお、導光体2の先端近傍における出射光は、先端面2aや光反射面3aにおける微小な凹凸に起因するものに限られ、その強度は極めて小さい。
本実施形態のように、光反射部3は、導光体2の長手方向D1を中心軸方向とする円柱状を呈し厚みを有してもよい。例えば導光体2の先端面2a上に光反射膜を形成する場合、熱容量が極めて小さいので、僅か数%の吸収であっても極端な発熱が生じ、医療用レーザライトガイドの先端部が高温になってしまうおそれがある。そして、高温になった医療用レーザライトガイドの先端部に血液等が付着すると、そこが起点となって医療用レーザライトガイドが焼損するおそれがある。光反射部3が円柱状であることにより、導光体2の先端面2a上に光反射膜が形成される場合等と比較して、光反射部3の熱容量が大きくなる。従って、光の吸収に起因する光反射部3の温度上昇を低減することができる。
本実施形態のように、光拡散部22の外周面22aは光拡散のための凹・凸の一方または両方を有し、先端部23の外周面23aは滑らかであってもよい。例えばこのような構造によって、先端部23における先端側の長さLの部分の外周面23aから出射される光の平均強度(光の拡散度合い)を、光拡散部22の外周面22aから出射される光の平均強度(光の拡散度合い)よりも低くすることができる。
本実施形態のように、光拡散部22の外周面22aは複数の溝22bを有していてもよい。例えばこのような構造によって、光を外周面22aから側方へ拡散させる光拡散部22を容易に実現することができる。この場合、光拡散部22は、導光体2の長手方向D1に延びるコア5、及びコア5を覆うクラッド6を有し、複数の溝22bの深さは光拡散部22のコア5に達していてもよい。これにより、光拡散部22から出射される光の平均強度(光の拡散度合い)を容易に高めることができる。また、この場合、複数の溝22bのそれぞれは光拡散部22の周方向に沿っていて、複数の溝22bは長手方向D1に並んでおり、長手方向D1における先端部23の長さは、複数の溝22bの最小間隔よりも長くてもよい。これにより、光拡散部22と先端部23とが明確に区別される。
前述したように、光拡散部22の外周面22aは粗面であってもよい。例えばこのような構造によっても、光を外周面22aから側方へ拡散させる光拡散部22を容易に実現することができる。
導光体2の先端面2aと光反射面3aとの隙間が変化すると、側方への光強度分布が変化する。従って、先端面2aと光反射面3aとは常に接していることが望ましい。本実施形態では、導光体2はチューブ4内において撓んでおり、先端面2aは導光体2の復元力により光反射面3aに押し当てられている。これにより、生体内において医療用レーザライトガイド1Aが撓んだ場合においても、導光体2の先端面2aと光反射部3の光反射面3aとの接触状態が維持され易い。従って、医療用レーザライトガイド1Aが撓んだ場合であっても、先端面2aと光反射面3aとの間に隙間が生じることを抑制し、導光体2の長手方向D1における光強度の均一性が低下することを効果的に抑制できる。
本実施形態のように、光反射面3aを構成する材料は、Ag、Ag合金、Au、若しくはAu合金のうち少なくとも1つを含んでもよい。これらの金属は、光(特に波長664nm付近の赤色光)に対して高い反射特性を有する。従って、光の利用効率を高めるとともに、光反射部3における光の吸収を低減して光反射部3の温度上昇を抑制することができる。
本実施形態のように、光反射部3は、光反射面3aを有する金属体31、または光反射面3aを有する金属膜32を含んでもよい。これにより、光反射面3aを有する光反射部3を容易に作製することができる。
本実施形態のように、光反射面3a及び導光体2の先端面2aのうち少なくとも一方は鏡面であってもよい。これにより、光拡散部22を通過した光に対する反射率を高め、光の利用効率を高めるとともに、光反射部3における光の吸収を低減して光反射部3の温度上昇を抑制することができる。
ここで、長手方向D1における先端部23の長さについて検討する。図8は、先端部23及び光反射部3の断面を模式的に示す図である。図8の(a)は先端部23が十分に長い場合を示し、図8の(b)は先端部23が短い場合を示す。なお、これらの図には、長手方向D1における往路光(光反射部3へ向かう光)の出射光強度の分布を示すグラフG3と、長手方向D1における復路光(光反射部3において反射された光)の出射光強度の分布を示すグラフG4とが併せて示されている。
図8の(a)に示されるように、光拡散部22のコア5内部を伝搬する光P2が溝22b(図5の(b)を参照)に当たると、散乱した光が拡散出射光P3となって外周面22aから導光体2の側方へ出射するが、散乱した光の一部は導光体2の内部へ向けて拡散する。先端部23に近い溝22bにおいては、散乱した光の一部は先端部23の内部へ向けて拡散する(図中の光P4,P5)。これらの拡散光のうち、コア5とクラッド6との界面の臨界角よりも小さな入射角でもって該界面に入射した光P4は、該界面を通過して先端部23の側方へ出射する。一方、コア5とクラッド6との界面の臨界角よりも大きな入射角でもって該界面に入射した光P5は、該界面において反射したのちコア5内部を伝搬し、光反射面3aに到達する。従って、光P5は、光反射面3aにおいて反射した後においても、コア5とクラッド6との界面において反射しながら先端部23の内部を光拡散部22に向けて伝搬することとなる。
しかし、図8の(b)に示されるように先端部23が短い場合、次のような現象が生じる。先端部23に近い溝22bにおいて拡散し、先端部23の内部へ進んだ光P4の一部は、コア5とクラッド6との界面に達する前に光反射面3aに到達する。この光P4は、光反射面3aにおいて反射したのち、コア5とクラッド6との界面に対して臨界角よりも小さな入射角でもって入射し、該界面を通過して先端部23の側方へ出射する。このような現象により、復路光の出射光強度が光反射面3aの近傍において局所的に増大する(グラフG4の部分E3)。復路光の出射光強度の増大は先端部23が長くなるほど抑制されるので、必要とされる出射光強度の抑制度合いに応じて先端部23の長さを設定することが望ましい。
ここで、上述した光P4が光反射面3aに到達しないために先端部23に必要とされる長さについて説明する。図9は、先端部23の断面構造を模式的に示す図である。図中の矢印A1は、コア5とクラッド6との界面の臨界角に等しい入射角を有する(言い換えると、先端部23の開口数NAに対応する)仮想的な光路を示す。この矢印A1の先端は、先端面2aにおけるコア5とクラッド6との境界(点Q1)に達するものとする。また、矢印A1と、コア5とクラッド6との界面との成す角をθとし、矢印A1の基端とコア5とクラッド6との界面との交点をQ2とし、点Q2と先端面2aとの距離をLとし、コア5の直径をDとし、コア5の屈折率をnとする。このとき、開口数NAは下記の数式(1)として表される。
Figure 0007210377000003

この数式(1)を変形すると、角度θに関する数式(2)が得られる。
Figure 0007210377000004

数式(2)及び図9から、長さLは下記の数式(3)のように表される。
Figure 0007210377000005
長手方向D1における先端部23の長さは、この長さL以上であることが必要である。そして、少なくとも、先端部23の先端側の長さLの部分の外周面23aから出射される光の平均強度(光の拡散度合い)が、光拡散部22の外周面22aから出射される光の平均強度(光の拡散度合い)よりも低いことが必要である。この条件を満たすことによって、光反射部3において反射した光が、導光体2の先端近傍から側方に出射されにくくなる。従って、導光体2の長手方向D1における光強度の均一性が低下することを効果的に抑制できる。なお、一実施例では、NA=0.5、コア径D=0.5mm、屈折率n=1.49である。この場合、L=1.40mmとなる。
(変形例)
図10の(a)は、上記実施形態の一変形例に係る医療用レーザライトガイド1Bの先端部を示す斜視図である。図10の(b)は、医療用レーザライトガイド1Bの先端部の断面斜視図である。なお、これらの図においては、チューブ4の図示を省略している。本変形例に係る医療用レーザライトガイド1Bは、光反射部3に代えて、光反射部34を備えている。光反射部34は、円柱部分35と、筒状部分36とを有する。円柱部分35の構成は、光反射面3aを有する点を含め、上記実施形態の光反射部3の構成と同様である。筒状部分36は、長手方向D1に沿った中心軸線を有する円筒形状を呈しており、円柱部分35の外周面に対し同軸で嵌合している。筒状部分36は、円柱部分35の光反射面3aに対して導光体2側へ突出しており、先端部23の外周面23aの少なくとも一部を覆っている。
筒状部分36の内側面は、光反射面3aとは別の光反射面3cとなっている。光反射面3cは、先端部23の外周面23aと間隔をあけて対向している。なお、光反射面3cは外周面23aと接していてもよい。光反射面3cは、光反射面3aと同様の材料によって構成され得る。すなわち、光反射面3cを構成する材料は、Ag、Ag合金、Au、若しくはAu合金のうち少なくとも1つを含んでもよい。一実施例では、筒状部分36がこれらの材料によって構成され得る。
本変形例のように、光反射部34は、光反射面3aに加えて、先端部23の外周面23aと対向する光反射面3cを更に有してもよい。これにより、導光体2の先端付近において生じる僅かな拡散光を先端部23に戻すことができるので、導光体2の長手方向D1における光強度の均一性が低下することを更に効果的に抑制できる。この場合、光反射部34は、先端部23の外周面23aの少なくとも一部を覆い光反射面3cを含む筒状部分36を有してもよい。これにより、光反射面3cを容易に実現することができる。また、この場合、光反射面3cを構成する材料は、Ag、Ag合金、Au、若しくはAu合金のうち少なくとも1つを含んでもよい。これらの金属は、光(特に波長664nm付近の赤色光)に対して高い反射特性を有する。従って、光の利用効率を高めるとともに、筒状部分36における光の吸収を低減して筒状部分36の温度上昇を抑制することができる。
図11の(a)は、上記実施形態の別の変形例に係る医療用レーザライトガイド1Cを示す側面図である。図11の(b)は、医療用レーザライトガイド1Cから光反射部3及びチューブ4を除いた導光体52を示す側面図である。導光体52は、前述した先端部23とは異なる先端部53を有する。先端部53は光反射部3に向かうにつれて拡径する拡径部54を有する。拡径部54は、例えば、截頭円錐状とされている。拡径部54は、先端部53の外周面53aから光反射部3に向かうにつれて拡径する傾斜面54aと、光反射部3に接触する先端面54bとを有する。先端面54bは、例えば、鏡面とされており、研磨によって鏡面加工が施されていてもよい。
図12は、導光体52の先端部53、光反射部3及びチューブ4を拡大した断面図である。図12に示されるように、例えば、導光体52はコア55及びクラッド56を有する光ファイバである。コア55はガラス製であってもよいし、クラッド56はプラスチック(樹脂)製であってもよい。この場合、導光体52は、コア55がガラス、クラッド56がプラスチックとされたHPCF(Hard Plastic Clad Fiber)である。例えば、チューブ4の内面4aは円形状とされており、先端面54bは円形状とされており、先端面54bの半径R1はチューブ4の内面4aの半径R2以下である。また、先端面54bの半径R1は、チューブ4の内面4aの半径R2より小さくてもよい。この場合、チューブ4の内面4aへの拡径部54の挿入を一層容易に行うことが可能となる。
図13は、図12とは異なる材料の導光体52Aの先端部53A、光反射部3及びチューブ4を示す断面図である。図13に示されるように、例えば、導光体52Aのコア55A及びクラッド56Aは共にプラスチック製である。この場合、導光体52は、コア55A及びクラッド56Aが共にプラスチックによって構成されたPOF(Plastic Optical Fiber)であってもよい。
次に、導光体52Aの先端部53Aに拡径部54Aを形成する方法の例について図14を参照しながら説明する。なお、導光体52の先端部53に拡径部54を形成する方法は、拡径部54Aを形成する方法と同様とすることができるため、拡径部54を形成する方法の説明を省略する。図14は、導光体52Aと、導光体52Aの先端部53Aが押し付けられる被押圧部材61とを示す断面図である。被押圧部材61は先端部53Aが押圧される平坦面61aを有し、平坦面61aは高温とされている。高温とされた被押圧部材61の平坦面61aに先端部53Aが押圧されると、先端部53Aのクラッド56Aが軟化すると共に導光体52Aの径方向外側に広がるように変形する。このように、先端部53Aのクラッド56Aが導光体52Aの径方向外側に広がるように変形することによって拡径部54Aが形成される。また、被押圧部材61の平坦面61aは鏡面であってもよい。この場合、拡径部54Aの先端面54bが鏡面となるため、先端面54bにおける光の散乱が抑制されて光損失を抑えることができる。その結果、光の利用効率が更に改善しうる。
被押圧部材61の平坦面61aに先端部53Aを押し付けて拡径部54Aを形成するときに、平坦面61aへの先端部53Aの押し付け力、押し付け時間、及び平坦面61aの温度、の少なくともいずれかを制御することによって拡径部54Aの傾斜面54aの傾き具合(広がり量)及び先端面54bの半径R1を調整することが可能である。従って、先端面54bの半径R1が調整可能であることにより、拡径部54Aがチューブ4の内面4aに入らない可能性を低減させることができる。一例として、導光体52がアクリル樹脂光ファイバである場合、平坦面61aの温度を120℃とした状態で平坦面61aに先端部53Aを押し付けることによって拡径部54Aを容易に形成することができる。
図15は、導光体52Aと、被押圧部材61と、拡径部54Aの肥大化を抑制する径肥大化抑制部材62とを示す断面図である。径肥大化抑制部材62は、例えば、半割り構造を有しており、第1半部62aと第2半部62bとによって構成される。径肥大化抑制部材62は、例えば、円筒状とされており、径肥大化抑制部材62の軸線方向に延在する第1内周面62cと、第1内周面62cの軸線方向の一端において端面62eに向かうにつれて拡径するテーパ面62dとを有する。径肥大化抑制部材62の端面62eが被押圧部材61の平坦面61aに接触するときに径肥大化抑制部材62のテーパ面62dは平坦面61aに対向する。そして、平坦面61a及びテーパ面62dによって画成された空間に熱で溶融した導光体52Aの樹脂が入り込むことによって拡径部54Aが形成される。このとき、径肥大化抑制部材62のテーパ面62dによって一定以上の拡径部54Aの拡径が抑制される。
以上、変形例に係る医療用レーザライトガイド1Cでは、導光体52Aの先端部53Aは、光反射部3に向かうにつれて拡径する拡径部54Aを有する。これにより、光反射部3に対向する先端部53Aの先端面54bを拡径することができる。従って、チューブ4内に導光体52Aが挿入されたときに、チューブ4内における導光体52Aの位置を安定させることができると共に、光反射部3に対向する先端部53Aの先端面54bを確実に光反射部3に接触させることができる。
具体的には、拡径部を有しない導光体の場合、チューブ4の内面4aと導光体の外面との間の間隔が広いことによって、導光体の先端部が撓むことがあり、この場合、導光体の先端面の一部が光反射部3に接触しないことが起こりうる。この場合、光反射部3から導光体に戻る光の光量が変化することによって、導光体から側方に照射される光の光量が変化し、側方に照射される光の強度プロファイルが変化する可能性がある。これに対し、チューブ4の内面4aとの間隔を狭めるように導光体の外径を大きくすることが考えられる。しかしながら、この場合、導光体にリング状のX線不透過マーカ7を挿入できなくなる懸念があり、更に、チューブ4の内面4aへの導光体の挿入が困難となる可能性がある。
これに対し、前述した医療用レーザライトガイド1Cでは、導光体52Aの先端部53Aに、光反射部3に向かうにつれて拡径する拡径部54Aを備えることにより、導光体52Aへのリング状のX線不透過マーカ7の挿入、及びチューブ4の内面4aへの導光体52Aの挿入を容易に行うことができる。また、先端部53Aが拡径部54Aを有することにより、導光体の先端面が光反射部3に接触しないことによる光反射部3からの光の低下を抑制することができる。また、チューブ4内における導光体52Aの位置を安定させることができるので、光拡散部から拡散される光の強度プロファイルを安定させることができる。
医療用レーザライトガイド1Cでは、導光体52A及び光反射部3を収容する光透過性のチューブ4を備え、拡径部54Aは先端面54bを含み、先端面54bの半径R1は、チューブ4の内面4aの半径R2以下であってもよい。これにより、拡径部54Aに形成された先端面54bの半径R1がチューブ4の内面4aの半径R2以下であるため、チューブ4内に拡径部54Aを挿入しやすくすることができる。
医療用レーザライトガイド1Cでは、先端面54bは鏡面とされていてもよい。これにより、先端面54bが接する光反射部3からの光の反射率を高めて光の利用効率を高めることができる。
医療用レーザライトガイド1Cでは、クラッド56Aは、プラスチック製であってもよい。これにより、導光体52Aの先端部53Aを高温にした状態で押し付けることにより、先端部53Aが溶融して拡径部54Aを容易に形成することができる。すなわち、導光体52Aの先端加工を容易に行うことができる。
本発明による医療用レーザライトガイドは、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では導光体によって導波される光が赤色光である場合を例示したが、導光体によって導波される光は、赤色光以外の可視光、または赤外光などの他の波長を有してもよい。また、上記実施形態では、導光体が撓むことにより導光体の先端面が光反射部の光反射面に押し付けられているが、導光体の先端面と光反射部の光反射面とは、光の波長(例えば赤色域)に対して透明な接着剤等を介して互いに接合されてもよい。また、上記実施形態では光反射部が円柱状である場合を例示したが、光反射部の形状はこれに限られない。例えば、光反射部は、導光体の先端面に形成された光反射膜であってもよい。また、上記実施形態では導光体の先端部の外周面が滑らかである場合を例示したが、先端部の外周面には光拡散部よりも軽微な凹凸が形成されていてもよい。更に、上記実施形態では、プラスチック製のクラッド56Aを有する導光体52Aを備える医療用レーザライトガイド1Cについて説明した。しかしながら、医療用レーザライトガイドの導光体の材料は、ガラス等、プラスチック以外の材料であってもよい。
1A,1B,1C…医療用レーザライトガイド、2,52,52A…導光体、2a…先端面、3…光反射部、3a,3c…光反射面、3b…外周面、4…チューブ、4a…内面、5,55,55A…コア、6,56,56A…クラッド、7…X線不透過マーカ、21…基端部、22…光拡散部、22a…外周面、22b…溝、23,53,53A…先端部、23a…外周面、31…金属体、32…金属膜、33…支持体、34…光反射部、35…円柱部分、36…筒状部分、41…本体部、41a…内側面、42…先端部、C…中心軸線、D1…長手方向。

Claims (18)

  1. 細長形状で先端面を有する導光体と、
    前記先端面と対向する光反射面を有する光反射部と、
    を備え、
    前記導光体は、
    基端部と、
    前記先端面を含み、直径がDであり、屈折率がnであり前記導光体の長手方向に延びるコア、及び前記コアを覆うクラッドを有し、開口数がNAであり、前記導光体の長手方向における長さが下記の数式により定義されたL以上である先端部と、
    Figure 0007210377000006

    前記導光体の長手方向において前記基端部と前記先端部との間に位置し、前記基端部で受けた光を外周面から側方へ拡散させる光拡散部と、
    を有し、
    前記先端部の先端側長さLの部分の外周面から出射される光の平均強度は、前記光拡散部の外周面から出射される光の平均強度よりも低い、医療用レーザライトガイド。
  2. 前記光反射部は、前記導光体の長手方向を中心軸方向とする円柱状を呈する、請求項1に記載の医療用レーザライトガイド。
  3. 前記光拡散部の外周面は光拡散のための凹・凸の一方または両方を有し、前記先端部の外周面は滑らかである、請求項1または2に記載の医療用レーザライトガイド。
  4. 前記光拡散部の外周面は複数の溝を有している、請求項3に記載の医療用レーザライトガイド。
  5. 前記光拡散部は、前記導光体の長手方向に延びるコア、及び前記コアを覆うクラッドを有し、
    前記複数の溝の深さは前記光拡散部のコアに達している、請求項4に記載の医療用レーザライトガイド。
  6. 前記複数の溝のそれぞれは、前記光拡散部の周方向に沿っていて、前記複数の溝は前記導光体の長手方向に並んでおり、
    前記導光体の長手方向における前記先端部の長さは、前記複数の溝の最小間隔よりも長い、請求項4または5に記載の医療用レーザライトガイド。
  7. 前記光拡散部の外周面は粗面である、請求項3に記載の医療用レーザライトガイド。
  8. 前記導光体及び前記光反射部を収容する光透過性のチューブを更に備え、
    前記導光体は前記チューブ内において撓んでおり、前記先端面は前記導光体の復元力により前記光反射面に押し当てられている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の医療用レーザライトガイド。
  9. 前記光反射面を構成する材料は、Ag、Ag合金、Au、若しくはAu合金のうち少なくとも1つを含む、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の医療用レーザライトガイド。
  10. 前記光反射部は、前記光反射面を有する金属体または金属膜を含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の医療用レーザライトガイド。
  11. 前記光反射面及び前記先端面のうち少なくとも一方が鏡面である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の医療用レーザライトガイド。
  12. 前記光反射部は、前記先端部の外周面と対向する別の光反射面を更に有する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の医療用レーザライトガイド。
  13. 前記光反射部は、前記先端部の外周面の少なくとも一部を覆い前記別の光反射面を含む筒状部分を有する、請求項12に記載の医療用レーザライトガイド。
  14. 前記別の光反射面を構成する材料は、Ag、Ag合金、Au、若しくはAu合金のうち少なくとも1つを含む、請求項13に記載の医療用レーザライトガイド。
  15. 前記導光体の前記先端部は、前記光反射部に向かうにつれて拡径する拡径部を有する、
    請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の医療用レーザライトガイド。
  16. 前記導光体及び前記光反射部を収容する光透過性のチューブを備え、
    前記拡径部は前記先端面を含み、
    前記先端面の半径は、前記チューブの内面の半径以下である、
    請求項15に記載の医療用レーザライトガイド。
  17. 前記先端面は鏡面とされている、
    請求項16に記載の医療用レーザライトガイド。
  18. 前記クラッドは、プラスチック製である、
    請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の医療用レーザライトガイド。
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